JP2017059816A - 軟磁性材料、回転電機、モータ及び発電機 - Google Patents

軟磁性材料、回転電機、モータ及び発電機 Download PDF

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Abstract

【課題】高い透磁率、低い損失、等の優れた特性を有する軟磁性材料を提供する。【解決手段】実施の形態の軟磁性材料は、扁平磁性金属粒子であって、Fe、Co、Niから選ばれる少なくとも1つの磁性金属を含有し、厚さが10nm以上100μm以下で、アスペクト比が5以上10000以下で、格子歪みが0.01%以上10%以下で、扁平磁性金属粒子が配向し、且つ、配向した扁平面内において一方向に磁気異方性を有する扁平磁性金属粒子と、扁平磁性金属粒子間に存在し、酸素(O)、炭素(C)、窒素(N)及びフッ素(F)の少なくとも1つを含む介在相と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明の実施の形態は、軟磁性材料、回転電機、モータ及び発電機に関する。
現在、軟磁性材料は、回転電機(例えば、モータ、発電機など)、変圧器、インダクタ、トランス、磁性インク、アンテナ装置等の様々なシステム、デバイスの部品に適用されており非常に重要な材料である。これらの部品においては、軟磁性材料の有する透磁率実部(比透磁率実部)μ’を利用するため、実際に使用する場合は、利用周波数帯域に合わせてμ’を制御しなければならない。また、高効率のシステムを実現するためには、出来るだけ低損失の材料にする必要がある。つまり、透磁率虚部(比透磁率虚部)μ”(損失に相当)を出来るだけ小さくする必要がある。損失に関しては、損失係数tanδ(=μ”/μ’×100(%))が一つの目安となり、μ’に対してμ”が小さければ小さい程損失係数tanδが小さくなり好ましい。そのためには、実際の動作条件においての鉄損を小さくする必要があり、すなわち、渦電流損失、ヒステリシス損失、強磁性共鳴損失、残留損失(その他の損失)を出来る限り小さくする必要がある。渦電流損失を小さくするためには電気抵抗を大きくしたり、金属部のサイズを小さくしたり、磁区構造を細分化したりする事が有効である。ヒステリシス損失を小さくするためには、保磁力を小さくしたり、飽和磁化を大きくしたりする事が有効である。強磁性共鳴損失を小さくするためには、材料の異方性磁界を大きくする事によって強磁性共鳴周波数を高周波化する事が有効である。また、近年ではハイパワーの電力を扱う需要が高まっているため、特に、材料に印加される実効的な磁界が大きい動作条件下(高電流、高電圧など)で損失が小さい事が求められる。そのためには磁気飽和を起こさないように軟磁性材料の飽和磁化は出来るだけ大きい方が好ましい。更には、近年では、システム、デバイス機器の利用周波数帯域の高周波数帯化が進んでおり(高周波化によって機器の小型化が可能)、高周波で高い透磁率と低い損失を備え、特性に優れた磁性材料の開発が急務となっている。
また、近年、省エネ問題、環境問題に対する意識の高まりから、システムの効率を出来るだけ高める事が強く求められている。特に、モータシステムは、世の中の電力消費の多くを担っているため、モータの高効率化は非常に重要である。この中でモータを構成するコア等は軟磁性材料で構成され、軟磁性材料の透磁率や飽和磁化を出来るだけ大きくする事や、損失を出来るだけ小さくする事が求められている。また、モータの一部に使われている磁性楔(磁性くさび)においては損失を出来るだけ小さくする事が求められている。尚、トランスを用いたシステムにおいても同様の事が要求される。モータやトランスなどにおいては、高効率化とともに小型化への要求も大きい。小型化を実現するためには、軟磁性材料の透磁率、飽和磁化を出来るだけ大きくする事が重要である。また、磁気飽和を防ぐためにも飽和磁化を出来るだけ大きくする事が重要である。更にはシステムの動作周波数を高周波化したい需要も大きく、高周波帯域で低損失の材料の開発が強く求められている。
また、高い透磁率と低い損失を有する軟磁性材料は、インダクタンス素子やアンテナ装置などにも用いられるが、その中でも特に、近年、パワー半導体に用いるパワーインダクタンス素子への応用に関して注目されている。近年、省エネルギー、環境保護の重要性が盛んに唱えられており、CO排出量削減や化石燃料への依存度の低減が不可欠となってきた。この結果,ガソリン自動車に代わる電気自動車やハイブリッド自動車の開発が精力的に進められている。また、太陽光発電や風力発電といった自然エネルギーの利用技術が省エネ社会のキー・テクノロジーといわれており、先進各国は自然エネルギーの利用技術の開発を積極的に進めている。さらに、環境にやさしい省電力システムとして、太陽光発電、風力発電等で発電した電力をスマートグリッドで制御し、家庭内やオフィス、工場に高効率で需給するHEMS(Home Energy Management System)、BEMS(Building and Energy Management System)構築の重要性が盛んに提唱されている。このような省エネルギー化の流れの中で、重要な役割を担うのがパワー半導体である。パワー半導体は、高い電力やエネルギーを高効率で制御する半導体であり、IGBT(insulated gate bipolar transistor)、MOSFET、パワー・バイポーラ・トランジスタ、パワー・ダイオードなどのパワー個別半導体に加え、リニア・レギュレータ、スイッチング・レギュレータなどの電源回路、さらにはこれらを制御するためのパワー・マネジメント用ロジックLSIなどが含まれる。パワー半導体は,家電,コンピュータ,自動車,鉄道などあらゆる機器に幅広く使われており、これら応用機器の普及拡大,さらにこれらの機器へのパワー半導体の搭載比率拡大が期待できるため,今後のパワー半導体は大きな市場成長が予想されている。例えば、多くの家電に搭載されているインバータには、ほとんどといって良いほどパワー半導体が使われており、これによって大幅な省エネが可能になる。パワー半導体は、現在、Siが主流であるが、更なる高効率化や機器の小型化のためには、SiC、GaNの利用が有効であると考えられている。SiCやGaNはSiよりも、バンドギャップや絶縁破壊電界が大きく、耐圧を高くできるため素子を薄くできる。そのため、半導体のオン抵抗を下げることができ、低損失化・高効率化に有効である。また、SiCやGaNはキャリア移動度が高いため、スイッチング周波数を高周波化することが可能となり、素子の小型化に有効となる。更には、特にSiCではSiよりも熱伝導率が高いため放熱能力が高く高温動作が可能となり、冷却機構を簡素化ができ小型化に有効となる。以上の観点から、SiC、GaNパワー半導体の開発が精力的に行われている。しかし、その実現のためには、パワー半導体とともに使用されるパワーインダクタ素子の開発、すなわち、高透磁率軟磁性材料(高い透磁率と低い損失)の開発が不可欠である。この時、磁性材料に求められる特性としては、駆動周波数帯域での高い透磁率、低い磁気損失は勿論のこと、大電流に対応できる高い飽和磁化が必要となる。飽和磁化が高いと、高い磁場を印加しても磁気飽和を起こしにくく、実効的なインダクタンス値の低下が抑制できる。これによって、デバイスの直流重畳特性が向上し、システムの効率が向上する。
また、高周波で高い透磁率と低い損失を有する磁性材料は、アンテナ装置等の高周波通信機器のデバイスへの応用も期待される。アンテナの小型化、省電力化の方法として、高透磁率(高い透磁率と低い損失)の絶縁基板をアンテナ基板として、アンテナから通信機器内の電子部品や基板へ到達する電波を巻き込んで電子部品や基板へ電波を到達させずに送受信を行う方法がある。これによって、アンテナの小型化と省電力化が可能となるが、同時に、アンテナの共振周波数を広帯域化することも可能となり好ましい。
なお、上記各々のシステム、デバイス、に組み込んだ際に求められるその他の特性としては、高い熱的安定性、高い耐酸化性、高強度、高靱性、等も挙げられる。また、複雑な形状に適用するためには、板やリボンの形状よりも圧紛体の方が好ましい。しかしながら一般に圧紛体にすると、飽和磁化、透磁率、損失、強度、靱性などの点で特性が劣化する事が知られており、特性の向上が強く求められている。
次に既存の軟磁性材料について、その種類と問題点について説明する。
10kH以下のシステム用の既存の軟磁性材料としては、珪素鋼板(FeSi)が挙げられる。珪素鋼板は歴史が古く、大電力を扱う回転電機(例えば、モータや発電機など)、トランスのコア材料のほとんどに採用されている材料である。無方向珪素鋼板から方向性珪素鋼板へと高特性化が図られ、発見当初に比べると進化はしているが、近年では特性改善は頭打ちになってきている。特性としては、高飽和磁化、高透磁率、低損失を同時に満たす事が特に重要である。世の中では、珪素鋼板を超える材料の研究がアモルファス系、ナノクリスタル系の組成を中心に盛んに行われてはいるが、すべての面で珪素鋼板を超える材料組成はいまだ見付かっていない。また複雑な形状に適用可能な圧紛体の研究も行われているが、圧紛体においては板やリボンと比べて、特性が悪いという欠点を有している。
10kHz〜100kHzのシステム用の既存の軟磁性材料としては、センダスト(Fe−Si−Al)、ナノクリスタル系ファインメット(Fe−Si−B−Cu−Nb)、Fe基又はCo基アモルファス・ガラスのリボン・圧粉体、又はMnZn系フェライト材料が挙げられる。しかしながら、いずれも高透磁率、低損失、高飽和磁化、高い熱的安定性、高い耐酸化性、高強度、高靱性、を完全に満たしてはおらず不十分である。
100kHz以上(MHz帯域以上)の既存の軟磁性材料としては、NiZn系フェライト、六方晶フェライト等が挙げられるが、高周波での磁気特性が不十分である。
以上の事から、高飽和磁化、高透磁率、低損失、高い熱的安定性、高い耐酸化性、高強度、高靱性、を満たしつつ、複雑な形状への適用が可能な圧粉化への対応が可能な軟磁性材料の開発が不可欠である。
特開2013−65844号公報
本発明は、上記事情を考慮してなされたものであり、その目的とするところは高い透磁率、低い損失、等の優れた特性を有する軟磁性材料、並びにこれを用いた回転電機、モータ及び発電機を提供する事にある。
本実施の形態の軟磁性材料は、扁平磁性金属粒子であって、Fe、Co、Niから選ばれる少なくとも1つの磁性金属を含有し、厚さが10nm以上100μm以下で、アスペクト比が5以上10000以下で、格子歪みが0.01%以上10%以下で、扁平磁性金属粒子が配向し、且つ、配向した扁平面内において一方向に磁気異方性を有する扁平磁性金属粒子と、扁平磁性金属粒子間に存在し、酸素(O)、炭素(C)、窒素(N)及びフッ素(F)の少なくとも1つを含む介在相と、を備える。
第1の実施の形態の軟磁性材料の概念図である。 扁平磁性金属粒子の配向を説明する図である。 第2の実施の形態の軟磁性材料の模式図である。 共晶粒子を有する第3の実施の形態の軟磁性材料の模式図である。 中間介在粒子を有する第3の実施の形態の軟磁性材料の模式図である。 積層構造を有する第4の実施の形態の軟磁性材料の概念図である。 第5の実施の形態のモータシステムの概念図例である。 第5の実施の形態のモータの概念図例である。 第5の実施の形態のモータコアの概念図例である。 第5の実施の形態の変圧器・トランスの概念図例である。 第5の実施の形態のインダクタの概念図例である。 第5の実施の形態の発電機の概念図例である。 磁束の方向と軟磁性材料の配置方向の関係を示す概念図である。
以下、図面を用いて実施の形態を説明する。なお、図面中、同一又は類似の箇所には、同一又は類似の符号を付している。
(第1の実施の形態)
本実施の形態の軟磁性材料は、扁平磁性金属粒子であって、Fe、Co、Niから選ばれる少なくとも1つの磁性金属を含有し、厚さが10nm以上100μm以下で、アスペクト比が5以上10000以下で、格子歪みが0.01%以上10%以下で、扁平磁性金属粒子が配向し、且つ、配向した扁平面内において一方向に磁気異方性を有する扁平磁性金属粒子と、扁平磁性金属粒子間に存在し、酸素(O)、炭素(C)、窒素(N)及びフッ素(F)の少なくとも1つを含む介在相と、を備える。
つまり、本実施の形態の軟磁性材料100は、扁平磁性金属粒子10と介在相からなる圧紛体である。この時、扁平磁性金属粒子10は出来る限り扁平面10aを並べて積層する形で配向し、且つ、扁平磁性金属粒子10の扁平面10aにおいて一方向に磁気異方性を有する。ここで、扁平磁性金属粒子10は、扁平状(flaky、flattened)の形状(flaky shape、flattened shape)をした、扁平粒子(flaky particle、flattened particle)である。
この扁平面10a内での一軸磁気異方性の大きさとしては、0.1Oe以上10kOe以下が好ましく、より好ましくは1Oe以上1kOe以下、更に好ましくは1Oe以上100Oe以下である。尚、磁気異方性を有しているかどうか、またどの程度の磁気異方性を有しているか、については、例えばVSM等を用いて、方向を変えて測定する事によって簡単に評価できる。通常の扁平粒子を用いた圧紛体では扁平面10a内は磁気的に等方的であるので、本実施の形態と根本的に異なる。扁平面10a内において磁気異方性を有する事によって、磁気特性が大きく向上する。
まず、扁平磁性金属粒子10の磁区構造が多磁区構造の場合は、磁化は磁壁移動で進行するが、扁平面10a内の容易軸方向の方が困難軸方向よりも保磁力が小さくなり、損失(ヒステリシス損失)が小さくなる。また容易軸方向の方が困難軸方向よりも透磁率が大きくなる。尚、等方的な扁平磁性金属粒子の場合と比べると、磁気異方性を有する扁平磁性金属粒子の場合の方が、特に容易軸方向において保磁力が小さくなり、これによって損失が小さくなり好ましい。また透磁率も大きくなり好ましい。つまり、扁平面10a内方向で磁気異方性を有する事によって、等方的な材料と比べて磁気特性が向上する。特に、扁平面10a内の容易軸方向の方が困難軸方向よりも磁気特性が優れる。
次に、扁平磁性金属粒子10の磁区構造が単磁区構造の場合は、磁化は回転磁化で進行するが、この場合は、扁平面10a内の困難軸方向の方が容易軸方向よりも保磁力が小さくなり、損失が小さくなる。完全に回転磁化で磁化が進行する場合は保磁力がゼロになり、これによってヒステリシス損失がゼロとなり好ましい。
尚、磁化が磁壁移動で進行するか(磁壁移動型)それとも回転磁化で進行するか(回転磁化型)は、磁区構造が多磁区構造になるかそれとも単磁区構造になるか、によって決定される。この時、多磁区構造になるか単磁区構造にあるかは、扁平磁性金属粒子10のサイズ(厚さやアスペクト比)、組成、粒子同士の相互作用の状況、等によって決定される。例えば、扁平磁性金属粒子10の厚さは小さい程単磁区構造になりやすく、厚さが10nm以上1μm以下の時、特に10nm以上100nm以下の時に単磁区構造になりやすい。組成としては、結晶磁気異方性が大きい組成においては厚さが大きくても単磁区構造を維持し易く、結晶磁気異方性が小さい組成においては厚さが小さくないと単磁区構造を維持し難い傾向にある。つまり、単磁区構造になるか多磁区構造になるかの境目の厚さは組成によっても変わる。また扁平磁性金属粒子10同士が磁気的に結合して磁区構造が安定化した方が単磁区構造になりやすい。
以上の本実施の形態の基本的な概念図を図1に記す。図1(a)は、本実施の形態の軟磁性材料の概念図である。図1(b)は、本実施の形態の扁平磁性金属粒子10の概念図である。図1(c)には、磁化が磁壁移動で進行する場合と回転磁化で進行する場合の両方に関して、その磁化曲線の挙動(B−H曲線)を記してある。尚、磁化挙動が磁壁移動型か、それとも、回転磁化型かの判断は、次の様に簡単に判別する事ができる。まず、軟磁性材料100の面内(扁平磁性金属粒子の扁平面と平行な面)において、磁界を加える向きを変えて磁化測定を行い、磁化曲線の違いが最も大きくなる2つの方向(この時2つの方向は互いに90度傾いた方向)を探し出す。次に、その2つの方向の曲線を図1(c)と見比べる事によって磁壁移動型か回転磁化型かを判別する事ができる。
扁平磁性金属粒子10の配向については、図2にその概念図を示す。本明細書では、扁平磁性金属粒子10の扁平面10aに平行な面と、軟磁性材料100の平面とのなす角度が0度に近ければ近い程配向していると定義する。具体的には、10個以上の多数の扁平磁性金属粒子10に関して前述の角度を求めその平均値が、好ましくは0度以上45度以下、より好ましくは0度以上30度以下、更に好ましくは0度以上10度以下である事が望ましい。
尚、扁平磁性金属粒子10は扁平状の形状を有しているが、磁性金属粒子の形状は扁平状の方が、球状よりも好ましい。つまりアスペクト比としては、5以上10000以下が好ましく、これによって透磁率が大きくなる。また、強磁性共鳴周波数を高くできるため、強磁性共鳴損失を小さくでき好ましい。厚さtは、10nm以上100μm以下が好ましく、より好ましくは10nm以上1μm以下、更に好ましくは10nm以上100nm以下である。これによって扁平面10a内に平行な方向に磁界が印加された際に、渦電流損失を十分に小さくできて好ましい。また、厚さtが小さい方が、またアスペクト比が大きい方が、磁気モーメントが扁平面10aに平行な方向に閉じ込められ、回転磁化が進行しやすくなり好ましい。
尚、アスペクト比は、扁平磁性金属粒子10の長さが最も長くなる方向の組織の寸法(長寸法)と、最も短くなる方向の組織の寸法(短寸法)の比、すなわち、「長寸法/短寸法」を指す。したがって、常に、アスペクト比は1以上となる。完全な球状の場合は、長寸法も短寸法も球の直径と等しくなるためアスペクト比は1になる。扁平状である扁平磁性金属粒子10のアスペクト比は扁平面10aの直径(長寸法)/厚さ(短寸法)である。図1(b)に示した扁平磁性金属粒子10においては、扁平面10a内の最小長さをb、最大長さをa、厚さをtとして、アスペクト比は、(((a+b)/2)/t)で計算される。ここで、(a+b)/2は、扁平面6内の最小長さbと最大長さaの平均をとったものである。尚、アスペクト比及び厚さtは、透過電子顕微鏡(TEM:Transmission Electron Microscopy)観察や走査電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscopy)観察などによって簡単に評価できる。
前記扁平磁性金属粒子10の格子歪みは、0.01%以上10%以下が好ましく、より好ましくは0.01%以上5%以下、更に好ましくは0.01%以上1%以下、更に好ましくは0.01%以上0.5%以下にすることが好ましい。これによって、磁気異方性が適度に大きく付与されやすく、上述の磁気特性が向上するため好ましい。
尚、格子歪みは、X線回折法(XRD:X-ray Diffraction)で得られる線幅を詳細に解析する事によって算出できる。即ち、Halder−Wagnerプロット、Hall−Williamsonプロットを行う事によって、線幅の広がりの寄与分を、結晶粒径と格子歪みに分離する事ができる。これによって格子歪みを算出する事ができる。Halder−Wagnerプロットの方が信頼性の観点から好ましい。Halder−Wagnerプロットに関しては、例えば、N. C. Halder, C. N. J. Wagner, Acta Cryst. 20 (1966) 312−313.等を参照されたい。ここで、Halder−Wagnerプロットは、以下の式で表される。
つまり、縦軸にβ/tanθ、横軸にβ/tanθsinθを取ってプロットし、その近似直線の傾きから結晶粒径Dを算出、また縦軸切片から格子歪みεを算出する。上記式のHalder−Wagnerプロットによる格子歪み(格子歪み(二乗平均平方根))が0.01%以上10%以下、より好ましくは0.01%以上5%以下、更に好ましくは0.01%以上1%以下、更に好ましくは0.01%以上0.5%以下であると、磁気異方性が適度に大きく付与されやすく、上述の磁気特性が向上するため好ましい。
上記の格子歪み解析はXRDでのピークが複数検出できる場合には有効な手法であるが、一方でXRDでのピーク強度が弱く検出できるピークが少ない場合(例えば1つしか検出されない場合)は解析が困難である。この様な場合は、次の手順で格子歪みを算出する事が好ましい。まず、誘導結合プラズマ(ICP:Inductively Coupled Plasma)発光分光分析、エネルギー分散型X線分析(EDX:Energy dispersive X-ray Spectrometry)などで組成を求め、磁性金属元素Fe、Co、Niの3つの組成比を算出する(2つの磁性金属元素しかない場合は、2つの組成比。1つの磁性金属元素しかない場合は、1つの組成比(=100%))。次に、Fe−Co−Niの組成から理想的な格子面間隔dを算出する(文献値などを参照。場合によっては、その組成の合金を作製し、格子面間隔を測定によって算出する)。その後、測定した試料のピークの格子面間隔dと理想的な格子面間隔dとの差を求める事によって歪み量を求めることができる。つまりこの場合は、歪み量としては、(d−d)/d×100(%)、として算出される。以上、格子歪みの解析は、ピーク強度の状態に応じて上述の2つの手法を使い分け、また場合によっては両方を併用しながら評価するのが好ましい。
前記扁平磁性金属粒子の扁平面10a内における格子面間隔は、方向によって差を有し、最大格子面間隔dmaxと最小格子面間隔dminの差の割合(=(dmax−dmin)/dmin×100(%))が、0.01%以上10%以下が好ましく、より好ましくは0.01%以上5%以下、更に好ましくは0.01%以上1%以下、更に好ましくは0.01%以上0.5%以下にすることが好ましい。これによって、磁気異方性が適度に大きく付与されやすく、上述の磁気特性が向上するため好ましい。尚、格子面間隔はXRD測定によって簡単に求める事ができる。このXRD測定を軟磁性材料100において、面内で向きを変えながら測定を行う事によって、方向による格子定数の差を求める事ができる。
前記扁平磁性金属粒子10の結晶子は、扁平面10a内で一方向に数珠繋ぎになっているか、又は、結晶子が棒状でありかつ扁平面10a内で一方向に配向しているかどちらかである事が好ましい。これによって磁気異方性が適度に大きく付与されやすく、上述の磁気特性が向上するため好ましい。
前記扁平磁性金属粒子10は、Fe、Coの2つの磁性金属を含み、FeとCoの合計量に対してCoが10原子%以上60原子%以下含まれる事が好ましく、更に好ましくは、10原子%以上40原子%以下含まれる事が好ましい。これによって磁気異方性が適度に大きく付与されやすく、上述の磁気特性が向上するため好ましい。また、Fe−Co系は高飽和磁化を実現し易いため好ましい。更にFeとCoの組成範囲が上記の範囲に入る事によって、より高い飽和磁化が実現でき好ましい。
前記扁平磁性金属粒子10は、Mg、Al、Si、Ca、Zr、Ti、Hf、Zn、Mn、Ba、Sr、Cr、Mo、Ag、Ga、Sc、V、Y、Nb、Pb、Cu、In、Sn、希土類元素からなる群から選ばれる少なくとも1つの非磁性金属を含む事が好ましい。これによって、前記扁平磁性金属粒子10の熱的安定性や耐酸化性を高める事が出来る。中でも、Al、Siは、扁平磁性金属粒子10の主成分であるFe、Co、Niと固溶し易く、熱的安定性や耐酸化性の向上に寄与するために特に好ましい。
なお、磁気異方性を誘起させるためには、扁平磁性金属粒子10の結晶性をできるだけ非晶質化させ、磁場や歪みによって面内一方向に磁気異方性を誘起させる方法もある。このためには、扁平磁性金属粒子10をできる限り非晶質化させやすい組成にすることが望ましい。このような観点においては、扁平磁性金属粒子10に含まれる磁性金属が、B、Si、C、Ti、Zr、Hf、Nb、Ta、Mo、Cr、Cu、W、P、N、Ga、から選ばれる少なくとも1つの添加金属を、磁性金属と非磁性金属と添加金属の合計量に対していずれも0.001原子%以上25原子%以下含まれることが好ましい。
前記扁平磁性金属粒子10の扁平面10aが結晶的に配向している事が好ましい。配向方向としては、(110)面配向、(111)面配向、が好ましいが、より好ましくは(110)面配向である。扁平磁性金属粒子10の結晶構造が体心立方構造(bcc)の場合は(110)面配向が好ましく、扁平磁性金属粒子10の結晶構造が面心立方構造(fcc)の場合は(111)面配向が好ましい。これによって磁気異方性が適度に大きく付与されやすく、上述の磁気特性が向上するため好ましい。
また、更に好ましい配向方向としては、(110)[111]方向、(111)[110]方向、が好ましいが、より好ましくは(110)[111]方向である。扁平磁性金属粒子10の結晶構造が体心立方構造(bcc)の場合は(110)[111]方向への配向が好ましく、扁平磁性金属粒子10の結晶構造が面心立方構造(fcc)の場合は(111)[110]方向への配向が好ましい。これによって磁気異方性が適度に大きく付与されやすく、上述の磁気特性が向上するため好ましい。なお本明細書において、「(110)[111]方向」とは、すべり面が(110)面又はそれに結晶学的に等価な面すなわち{110}面であり、すべり方向が[111]方向又はそれに結晶学的に等価な方向すなわち<111>方向をいう。(111)[110]方向に関しても同様である。すなわち、すべり面が(111)面又はそれに結晶学的に等価な面すなわち{111}面であり、すべり方向が[110]方向又はそれに結晶学的に等価な方向すなわち<110>方向をいう。
前記扁平磁性金属粒子10の結晶構造は、体心立方構造であることが好ましいが、より好ましくは、面心立方構造の結晶構造を部分的に有する、「体心立方構造と面心立方構造の混相の結晶構造」である事が好ましい。これによって磁気異方性が適度に大きく付与されやすく、上述の磁気特性が向上するため好ましい。
介在相20は、酸素(O)、炭素(C)、窒素(N)及びフッ素(F)の少なくとも1つを含む。これにより、抵抗を高くすることができるためである。介在相20は、扁平磁性金属粒子10の電気抵抗率よりも高い方が好ましい。これによって扁平磁性金属粒子10の渦電流損失を低減できるためである。介在相20は、扁平磁性金属粒子10を取り囲んで存在するため、扁平磁性金属粒子10の耐酸化性、熱的安定性を向上させる事ができ好ましい。この中で酸素を含むものは、高い耐酸化性、高い熱的安定性の観点からより好ましい。介在相20は、扁平磁性金属粒子10同士を機械的に接着する役割も担っているため、高い強度の観点からも好ましい。
また、介在相20は、軟磁性材料全体に対して0.01wt%以上80wt%以下、より好ましくは0.1wt%以上60wt以下、更に好ましくは0.1wt%以上40wt%以下の量を含むことが好ましい。介在相20の割合が大きすぎると、磁性を担う扁平磁性金属粒子10の割合が小さくなるため、これによって軟磁性材料100の飽和磁化や透磁率が小さくなり好ましくない。逆に、介在相20の割合が小さすぎると、扁平磁性金属粒子10と介在相20との接合が弱くなり、熱的な安定性や強度・靱性等の機械的特性の観点から好ましくない。飽和磁化、透磁率などの磁気特性と、熱的な安定性、機械特性の観点から最適な介在相20の割合は、軟磁性材料全体に対して0.01wt%以上80wt%以下、より好ましくは0.1wt%以上60wt以下、更に好ましくは0.1wt%以上40wt%以下である。
また、介在相20と扁平磁性金属粒子10との格子ミスマッチ割合が0.1%以上50%以下である事が好ましい。これによって磁気異方性が適度に大きく付与されやすく、上述の磁気特性が向上するため好ましい。格子ミスマッチを上述の範囲に設定するためには、介在相の組成と扁平磁性金属粒子10の組成の組み合わせを選ぶことによって実現できる。例えば、fcc構造のNiは格子定数が3.52Åで、NaCl型構造のMgOは格子定数が4.21Åであり、両者の格子ミスマッチが(4.21−3.52)/3.52×100=20%になる。つまり、扁平磁性金属粒子10の主組成をfcc構造のNiに、介在相20をMgOにする事によって、格子ミスマッチを20%に設定できる。この様に、扁平磁性金属粒子10の主組成と介在相20の主組成の組み合わせを選ぶ事によって、格子ミスマッチを上述の範囲に設定する事が可能となる。
次に、第1の実施の形態の軟磁性材料100の製造方法について説明する。尚、製造方法に関しては、特に限定されず、あくまで一例として説明する。
まず、単ロール急冷装置やスパッタ装置などの成膜装置を用いて、リボン又は薄膜を作製する。この際、成膜法においては磁場中成膜や回転成膜等によって膜面内に一軸異方性を付与させた膜を製膜する事が望ましい。尚、成膜装置を用いた場合は、厚さを薄くでき、かつ、組織が洗練されたものになりやすく、回転磁化を起こしやすいため、回転磁化型のものを作る場合は成膜法を用いるのが望ましい。
次に、このリボン又は薄膜を、ミキサー装置等を用いて適当な大きさに切断する。その後、切断した小片を回収し、例えば遊星型ミル等の粉砕装置によって粉砕・圧延化を行う。尚、粉砕装置は、強い重力加速度の印加できる装置が好ましいが、特に種類を選ばない。遊星ミル、ビーズミル、回転ボールミル、振動ボールミル、撹拌ボールミル(アトライター)、ジェットミル、遠心分離機、またはミルと遠心分離を組み合わせた手法などが挙げられるが、例えば数十Gの重力加速度が印加できるハイパワー遊星ミル装置等が好ましい。ハイパワー遊星ミル装置の場合は、自転重力加速度の方向と公転重力加速度の方向が同一直線上の方向ではなく角度を持った方向になる、傾斜型遊星ミル装置がより好ましい。通常の遊星ミル装置では、自転重力加速度の方向と公転重力加速度の方向が同一直線上の方向であるが、傾斜型遊星ミル装置では容器が傾斜した状態で回転運動を行うため、自転重力加速度の方向と公転重力加速度の方向が同一直線上ではなく角度を持った方向になる。これによって、試料にパワーが効率よく伝達し、粉砕・圧延化が効率良く進行するため好ましい。また、量産性を考慮すると、大量処理が容易なビーズミル装置が好ましい。尚、粉砕を効率良く進行させるためには、液体窒素などを用いて低温での粉砕処理を行う事がより好ましい。
以上の切断と粉砕・圧延化を繰り返し、所定の厚さ及びアスペクト比の扁平磁性金属粒子10になるように処理を行う事が望ましい。この時、厚さが10nm以上100μm以下、より好ましくは10nm以上1μm以下、更に好ましくは10nm以上100nm以下になる様に粉砕・圧延を行うと、回転磁化を起こしやすい粒子になる。また得られた扁平磁性金属粒子10は熱処理によって格子歪みを適度に除去する事が望ましい。この時、磁場中で熱処理を施す事がより望ましい。次に、得られた扁平磁性金属粒子10を、介在相を構成する材料とともに混合、成型する。尚、成型時には磁場中で成型を行い、扁平粒子を配向させる。最後に、扁平面10a内の一方向に磁場を印加しながら熱処理を施す事によって、格子歪みが0.01%以上10%以下(より好ましくは0.01%以上5%以下、更に好ましくは0.01%以上1%以下、更に好ましくは0.01%以上0.5%以下)、面内での格子面間隔の最大値と最小値の差の割合が0.01%以上10%以下(より好ましくは0.01%以上5%以下、更に好ましくは0.01%以上1%以下、更に好ましくは0.01%以上0.5%以下)になるように調整する。この様にして得られた軟磁性材料100は扁平磁性金属粒子10が配向し、かつ、扁平面10a内で一方向に磁気異方性を有するものである。
尚、プロセス中で印加する磁場は大きければ大きい程好ましいが、1kOe以上印加する事が好ましく、更に好ましくは10kOe以上印加する事が好ましい。またプロセス中で行う熱処理においては、温度は、50℃以上800℃以下が好ましく、更に好ましくは200℃以上600℃以下の温度である。この温度範囲に設定する事によって、格子歪みを適度に開放する事ができる。尚、熱処理は、低酸素濃度の雰囲気下、真空雰囲気下で行うのが好ましいが、更に好ましくは、H、CO、CH等の還元雰囲気下が好ましい。これは、扁平磁性金属粒子10が酸化していても還元雰囲気で熱処理を施す事によって、酸化してしまった金属を還元して、金属に戻す事が可能となる。これによって、酸化し飽和磁化が減少した扁平磁性金属粒子10を還元して、飽和磁化を回復させる事も出来る(透磁率も向上できる)。一方でプロセスコストの低減のためには、ArやN等の低酸素濃度の雰囲気下や真空雰囲気下が好ましい。尚、熱処理によって、扁平磁性金属粒子10の結晶化が著しく進行してしまうと特性が劣化(保磁力が増加、透磁率が低下)してしまうため、過剰な結晶化を抑制するように条件を選定することが好ましい。
尚、粉砕・圧延を行った扁平磁性金属粒子10において、厚さが10nm以上100μm以下、より好ましくは10nm以上1μm以下、更に好ましくは10nm以上100nm以下の場合においては、10kOe以上、好ましくは20kOe以上の磁場中で200℃以上600℃以下の温度で熱処理を行う事によって、結晶子が印加する磁場方向に一方向に数珠繋ぎになったり、また結晶化が進行する際に棒状に結晶化が進行する事によって棒状の結晶子が磁場方向に配向したりし易いため、より好ましい。
以上、本実施形態の軟磁性材料によれば、特に、高い透磁率、低い損失、等の点で優れた特性を有する軟磁性材料が実現可能となる。
(第2の実施形態)
本実施形態の軟磁性材料120においては、扁平磁性金属粒子の表面の少なくとも一部が、厚さ0.1nm以上1μm以下で、酸素(O)、炭素(C)、窒素(N)及びフッ素(F)の少なくとも1つを含む被覆層で覆われている点で、第1の実施形態と異なっている。ここで、第1の実施形態と重複する内容については、記載を省略する。
図3は、本実施形態の扁平磁性金属粒子10の模式図である。
被覆層14は、Mg、Al、Si、Ca、Zr、Ti、Hf、Zn、Mn、Ba、Sr、Cr、Mo、Ag、Ga、Sc、V、Y、Nb、Pb、Cu、In、Sn、希土類元素からなる群から選ばれる少なくとも1つの非磁性金属を含み、且つ、酸素(O)、炭素(C)、窒素(N)及びフッ素(F)の少なくとも1つを含む事がより好ましい。非磁性金属は、Al、Siが熱的安定性の観点から特に好ましい。扁平磁性金属粒子10がMg、Al、Si、Ca、Zr、Ti、Hf、Zn、Mn、Ba、Sr、Cr、Mo、Ag、Ga、Sc、V、Y、Nb、Pb、Cu、In、Sn、希土類元素からなる群からから選ばれる少なくとも1つの非磁性金属を含む場合は、被覆層14は、扁平磁性金属粒子10の構成成分の1つである非磁性金属と同じ非磁性金属を少なくとも1つ含むことがより好ましい。酸素(O)、炭素(C)、窒素(N)及びフッ素(F)の中では、酸素(O)を含む事が好ましく、酸化物、複合酸化物である事が好ましい。以上は、被覆層14形成の容易性、耐酸化性、熱的安定性の観点からである。以上によって、扁平磁性金属粒子10と被覆層14の密着性を向上でき、軟磁性材料の熱的安定性及び耐酸化性を向上させることが可能となる。被覆層14は、扁平磁性金属粒子10の熱的安定性や耐酸化性を向上させるのみならず、扁平磁性金属粒子10の電気抵抗を向上させることができる。電気抵抗を高くすることによって、渦電流損失を抑制し、透磁率の周波数特性を向上することが可能になる。このため、被覆層14は電気的に高抵抗であることが好ましく、例えば1mΩ・cm以上の抵抗値を有することが好ましい。
また、被覆層14の存在は、磁気的な観点からも好ましい。扁平磁性金属粒子10は、扁平面10aのサイズに対して厚さのサイズが小さいため、疑似的な薄膜と見なす事ができる。この時、扁平磁性金属粒子10の表面に被覆層14を形成させて一体化させたものは、疑似的な積層薄膜構造と見なす事ができ、磁区構造がエネルギー的に安定化する。これによって、保磁力を低減させる事(これによってヒステリシス損失が低減)が可能になり、好ましい。この時、透磁率も大きくなり好ましい。このような観点においては、被覆層14は非磁性である事がより好ましい(磁区構造が安定化しやすくなる)。
被覆層14の厚みは、熱的安定性・耐酸化性・電気抵抗の観点からは、厚ければ厚い程好ましい。しかしながら、被覆層の厚さが厚くなりすぎると、飽和磁化が小さくなるため透磁率も小さくなり好ましくない。また、磁気的な観点からも、厚さが厚くなりすぎると、「磁区構造が安定化して低保磁力化・低損失化・高透磁率化する効果」は低減する。以上を考慮して、好ましい被覆層の厚さは、0.1nm以上1μm以下、より好ましくは0.1nm以上100m以下である。
以上、本実施形態の軟磁性材料によれば、特に高い透磁率、低い損失、等の点で優れた特性を有する軟磁性材料が実現可能となる。
(第3の実施の形態)
本実施の形態の軟磁性材料においては、介在相20は、共晶系を有する酸化物か、樹脂を含有するか、Fe、Co、Niから選ばれる少なくとも1つの磁性金属を含有するか、これら3つのうち少なくとも1つを有する点で、第1又は第2の実施の形態と異なっている。ここで、第1又は第2の実施の形態と重複する内容の記載は省略する。
まず、1つ目の「介在相20が共晶系を有する酸化物の場合」について説明する。この場合、介在相20は、B(ホウ素)、Si(シリコン)、Cr(クロム)、Mo(モリブデン)、Nb(ニオブ)、Li(リチウム)、Ba(バリウム)、Zn(亜鉛)、La(ランタン)、P(リン)、Al(アルミニウム)、Ge(ゲルマニウム)、W(タングステン)、Na(ナトリウム)、Ti(チタン)、As(ヒ素)、V(バナジウム)、Ca(カルシウム)、Bi(ビスマス)、Pb(鉛)、Te(テルル)、Sn(スズ)からなる群のうちの少なくとも2つの第2の元素を含む共晶系を有する酸化物を含む。特に、B、Bi、Si、Zn、Pbのうちの少なくとも2つの元素を含む共晶系を含むことが好ましい。これによって、扁平磁性金属粒子と介在相20との密着性が強固になり(接合強度が高まり)、熱的な安定性や強度や靱性などの機械的特性が向上しやすくなる。
また上記の共晶系を有する酸化物は、軟化点が200℃以上600℃以下である事が好ましく、更に好ましくは、400℃以上500℃以下である。更に好ましくは、B、Bi、Si、Zn、Pbのうちの少なくとも2つの元素を含む共晶系を有する酸化物であり、且つ軟化点が400℃以上500℃以下である事が好ましい。これによって、扁平磁性金属粒子10と上記の共晶系を有する酸化物との接合が強固になり、熱的な安定性や強度や靱性などの機械的特性が向上しやすくなる。扁平磁性金属粒子10を上記の共晶系を有する酸化物とともに一体化させる際は、上記の共晶系を有する酸化物の軟化点付近の温度、好ましくは軟化点よりやや高い温度で熱処理しながら一体化させる事によって、扁平磁性金属粒子10と上記の共晶系を有する酸化物との密着性を向上させ、機械的特性を向上させる事が出来る。一般に、熱処理の温度がある程度高い程、扁平磁性金属粒子10と上記の共晶系を有する酸化物との密着性は向上し、機械的特性は向上する。ただし熱処理の温度が高くなりすぎると、熱膨張係数が大きくなるため扁平磁性金属粒子10と上記の共晶系を有する酸化物との密着性が逆に低下してしまう事もある(扁平磁性金属粒子10の熱膨張係数と上記の共晶系を有する酸化物の熱膨張係数の差が大きくなると、密着性が更に低下してしまう事もある)。また、扁平磁性金属粒子10の結晶性が非晶質又は非晶質的な場合は、熱処理の温度が高いと結晶化が進行し保磁力が増加してしまい好ましくない。このため、機械的特性と保磁力特性を両立させるために、上記の共晶系を有する酸化物の軟化点を200℃以上600℃以下、更に好ましくは400℃以上500℃以下にして、上記の共晶系を有する酸化物の軟化点付近の温度、好ましくは軟化点よりやや高い温度で熱処理しながら一体化させる事が好ましい。また、一体化した材料を実際にデバイスやシステムの中で使用する際の温度は軟化点より低い温度で使用する事が好ましい。
また、上記の共晶系を有する酸化物は、ガラス転移点を有する事が望ましい。更には、上記の共晶系を有する酸化物は、熱膨張係数が0.5×10-6/℃以上40×10-6/℃以下である事が望ましい。これによって、扁平磁性金属粒子10と上記の共晶系を有する酸化物との接合が強固になり、熱的な安定性や強度や靱性などの機械的特性が向上しやすくなる。
尚、粒径が10nm以上10μm以下の粒子状(好ましくは球状)の共晶粒子22を少なくとも1つ以上含む事がより好ましい。この共晶粒子22は、粒子状以外の上記の共晶系を有する酸化物と同じ材料を含む。軟磁性材料中には空隙も部分的に存在している事があり、上記の共晶系を有する酸化物の一部が粒子状、好ましくは球状となって存在している事を容易に観察する事が出来る。空隙がない場合も、粒子状もしくは球状の界面は容易に判別する事が出来る。共晶粒子22の粒径は、より好ましくは10nm以上1μm、更に好ましくは10nm以上100nm以下である。これによって、熱処理時に、扁平磁性金属粒子同士の密着性を保持しながらも、応力を適度に緩和させる事によって、扁平磁性金属粒子に印加される歪みを低減し、保磁力を低減させる事が出来る。これによって、ヒステリシス損失も低減し、透磁率は向上する。なお、共晶粒子22の粒径は、TEM又はSEM観察により測定することが出来る。図4は、この時の軟磁性材料110の模式図である。図4では介在相20が隙間なく空間を埋めているが、実際には、空隙が部分的に存在していても良い。
また、介在相20は、その軟化点が、上記の共晶系を有する酸化物の軟化点よりも高く、より好ましくは軟化点が600℃より高く、O(酸素)、C(炭素)、N(窒素)及びF(フッ素)からなる群のうちの少なくとも1つの元素を含む中間介在粒子24をさらに含む事が好ましい。中間介在粒子24が扁平磁性金属粒子10間に存在する事によって、軟磁性材料150が高温に曝された時、扁平磁性金属粒子10同士が熱的に融合し特性が劣化する事を抑制する事が出来る。すなわち、主に熱的な安定性のために中間介在粒子24が存在する事が望ましい。尚、中間介在粒子24の軟化点が上記の共晶系を有する酸化物の軟化点よりも高く、更に好ましくは軟化点が600℃以上である事によって、熱的な安定性をより高める事が出来る。
中間介在粒子24は、Mg、Al、Si、Ca、Zr、Ti、Hf、Zn、Mn、Ba、Sr、Cr、Mo、Ag、Ga、Sc、V、Y、Nb、Pb、Cu、In、Sn、希土類元素からなる群から選ばれる少なくとも1つの非磁性金属を含み、且つ、O(酸素)、C(炭素)、N(窒素)及びF(フッ素)からなる群のうちの少なくとも1つの元素を含む事が好ましい。より好ましくは、高い耐酸化性、高い熱的安定性の観点から、酸素を含有する酸化物もしくは複合酸化物である事がより好ましい。特に、酸化アルミニウム(Al)、二酸化珪素(SiO)、酸化チタン(TiO)、酸化ジルコニウム(Zr)などの酸化物、やAl−Si−O等の複合酸化物などが高い耐酸化性、高い熱的安定性の観点から好ましい。
図5は、中間介在粒子24を含む軟磁性材料120及び軟磁性材料130の模式図である。図5においては、介在相20が共晶粒子22を含まない場合(図5(A))と含む場合(図5(B))を示している。図では介在相20が隙間なく空間を埋めているが、空隙は部分的に存在しても構わない。
中間介在粒子24を含む軟磁性材料120及び軟磁性材料130を製造する方法としては、例えば、扁平磁性金属粒子及び中間介在粒子(酸化アルミニウム(Al)粒子、二酸化珪素(SiO)粒子、酸化チタン(TiO)粒子、酸化ジルコニウム(Zr)粒子など)を、ボールミル等によって混合し、分散させた状態を作り、その後、プレス成型などで一体化させる方法などが挙げられる。分散させる方法は、適度に分散させる事が出来る方法であれば、その方法は特に拘らない。
次に、2つ目の「介在相20が樹脂を含有する場合」について説明する。この場合、樹脂は、特に限定されないが、ポリエステル系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリブタジエン系樹脂、ポリテトラフルオロエチレン(「テフロン」(登録商標))系樹脂、ポリウレタン樹脂、セルロース系樹脂、ABS樹脂、ニトリル−ブタジエン系ゴム、スチレン−ブタジエン系ゴム、シリコーン樹脂、その他の合成ゴム、天然ゴム、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、アリル樹脂、ポリベンゾイミダゾール樹脂、アミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアミドイミド樹脂、或いはそれらの共重合体が用いられる。特に、耐熱性の高いシリコーン樹脂、ポリイミド樹脂、を含む事が好ましい。これによって、扁平磁性金属粒子と介在相との接合が強固になり、熱的な安定性や強度や靱性などの機械的特性が向上しやすくなる。
次に、3つ目の「介在相20がFe、Co、Niから選ばれる少なくとも1つの磁性金属を含有し、磁性を有する場合」について説明する。この場合、介在相が磁性を有する事によって、扁平磁性金属粒子10同士が磁気的に結合し易くなり透磁率が向上するため好ましい。また、磁区構造が安定化するため、透磁率の周波数特性も向上し、好ましい。尚、ここで言う磁性とは、強磁性、フェリ磁性、弱磁性、反強磁性、等の事を示す。特に、強磁性、フェリ磁性の場合が、磁気的な結合力が高まり好ましい。介在相20が磁性を有する点については、VSM(Vibrating Sample Magetometer:振動試料型磁力計)等を用いて評価することが出来る。介在相20がFe、Co、Niから選ばれる少なくとも1つの磁性金属を含有し磁性を有する点については、EDX等を用いて簡単に調べる事が出来る。
以上、介在相20の3つの形態を説明したが、これら3つのうち少なくとも1つを満たす事が好ましいが、2つ以上、更には3つ全てを満たしても構わない。
以上、本実施形態の軟磁性材料によれば、特に、熱的安定性や機械的特性、等の点で優れた特性を有する軟磁性材料が実現可能となる。
(第4の実施の形態)
本実施形態の軟磁性材料160は、扁平磁性金属粒子10を含有する磁性層30と、O、C、Nのいずれかを含有する中間層40とからなる積層型の構造を有している点で、第1ないし第3の実施形態の軟磁性材料と異なっている。ここで、第1ないし第3の実施形態と重複する点については、記載を省略する。
すなわち、軟磁性材料160は、扁平磁性金属粒子であって、Fe、Co、Niから選ばれる少なくとも1つの磁性金属を含有し、厚さが10nm以上100μm以下で、アスペクト比が5以上10000以下で、格子歪みが0.01%以上10%以下で、前記扁平磁性金属粒子が配向し、かつ、配向した扁平面内において一方向に磁気異方性を有する前記扁平磁性金属粒子と、前記扁平磁性金属粒子間に存在し、酸素(O)、炭素(C)、窒素(N)及びフッ素(F)の少なくとも1つを含む介在相20と、を含む磁性層と、前記磁性層に接して設けられ酸素(O)、炭素(C)、窒素(N)及びフッ素(F)のいずれかを含有する中間層と、を備える。この時、中間層40の透磁率を前記磁性層30の透磁率よりも小さくする事が好ましい。これらの処置によって、疑似的な薄膜積層構造を実現でき、層方向の透磁率が高くできるため好ましい。また、このような構造においては、強磁性共鳴周波数を高くできるため、強磁性共鳴損失を小さくでき好ましい。更には、この様な積層構造においては、磁区構造が安定化し、低磁気損失を実現できるため好ましい。尚、これらの効果を更に高めるためには、中間層40の透磁率を介在相20の透磁率よりも小さくする事がより好ましい。これによって、疑似的な薄膜積層構造において、層方向の透磁率を更に高くできるため好ましい。また、強磁性共鳴周波数を更に高くできるため、強磁性共鳴損失を小さくでき好ましい。図6は本実施の形態の軟磁性材料の模式図である。
以上、本実施形態の軟磁性材料160によれば、特に、高い透磁率、低い損失、等の点で優れた特性を有する軟磁性材料が実現可能となる。
(第5の実施の形態)
本実施の形態のシステム及びデバイス装置は、第1ないし第4の実施の形態の軟磁性材料を有するものである。したがって、第1ないし第4の実施の形態と重複する内容については記載を省略する。このシステム、デバイス装置に含まれる軟磁性材料の部品は、例えば、各種モータや発電機などの回転電機(例えば、モータ、発電機など)、変圧器、インダクタ、トランス、チョークコイル、フィルタ等のコアや、回転電機用の磁性楔(磁性くさび)等である。図7に、回転電機システムの一例としてモータシステム1000の概念図を示す。モータシステムとは、モータの回転数や電力(出力パワー)を制御する制御系を含めたシステムの事である。モータの回転数を制御する方式としては、ブリッジサーボ回路による制御、比例電流制御、電圧比較制御、周波数同期制御、PLL(Phase Locked Loop:位相同期ループ)制御、等による制御方法がある。一例として、PLLによる制御法について図7に示してある。PLLによるモータの回転数を制御するモータシステム1000は、モータと、モータの回転の機械的変位量を電気信号に変換してモータの回転数を検出するロータリーエンコーダと、ある命令により与えられたモータの回転数とロータリーエンコーダにより検出されたモータの回転数を比較しそれらの回転数差を出力する位相比較器と、当該回転数差を小さくするようにモータを制御するコントローラと、を備える。一方、モータの電力を制御する方法としては、PWM(Pulse Width Modulation:パルス幅変調)制御、PAM(Pulse Amplitude Modulation:パルス電圧振幅波形)制御、ベクトル制御、パルス制御、バイポーラ駆動、ペデスタル制御、抵抗制御、等による制御方法がある。またその他の制御方法として、マイクロステップ駆動制御、多相駆動制御、インバータ制御、スイッチング制御、等の制御方法がある。一例として、インバータによる制御法について図7に示してある。インバータによるモータの電力を制御するモータシステム1000は、交流電源と、交流電源の出力を直流電流に変換する整流器と、当該直流電流を任意の周波数による交流に変換するインバータ回路と、当該交流により制御されるモータと、を備える。
図8に回転電機の一例としてモータ200の概念図を示す。モータ200においては、第1のステータ(固定子)210と第2のロータ(回転子)220が配置されている。図では、ロータがステータの内側に配置されているインナーロータ型を示しているが、ロータがステータの外側に配置されるアウターロータ型でも構わない。
図9にモータコアの概念図を示す。モータコアとしては、ステータ及びロータのコアが該当する。この点を、以下に図9を用いて説明する。図9(a)は第1のステータ210の断面概念図例である。第1のステータ210は、コアと、巻き線と、を有する。巻き線は、コア内側に設けられた、コアが有する突起の一部に巻き付けられている。このコア内に第1ないし第3の実施形態の軟磁性材料を配置することができる。図9(b)は第1のロータ220の断面概念図例である。第1のロータ220は、コアと、巻き線と、を有する。巻き線は、コア外側に設けられた、コアが有する突起の一部に巻き付けられている。このコア内に第1ないし第3の実施形態の軟磁性材料を配置することができる。
尚、図8、図9はあくまでモータの一例を示したものであり、軟磁性材料の適用先としてはこれに限定されるものではない。磁束を導きやすくするためのコアとして、あらゆる種類のモータに適用する事ができる。
また、図10に変圧器・トランス300、図11にインダクタの概念図をそれぞれ記す。これらもあくまで一例として示したものである。変圧器・トランス、インダクタにおいてもモータコアと同様に、磁束を導きやすくするために、又は高い透磁率を利用するために、あらゆる種類の変圧器・トランス、インダクタに軟磁性材料を適用する事ができる。
図12に回転電機の一例として発電機500の概念図例を示す。発電機500は、第1ないし第3の実施形態の軟磁性材料を用いた第2のステータ(固定子)530と、第1ないし第3の実施形態の軟磁性材料を用いた第2のロータ(回転子)540の、いずれか一方又はその両方を備えている。図では、第2のロータ(回転子)540は第2のステータ530の内側に配置されているが、外側に配置されていても構わない。第2のロータ540は、発電機500の一端に設けられたタービン510と、シャフト520を介して接続されている。タービン510は、例えば図示しない外部から供給される流体により回転する。なお、流体により回転するタービン510に代えて、自動車の回生エネルギー等の動的な回転を伝達することによって、シャフト520を回転することも可能である。第2のステータ530及び第2のロータ540には、各種公知の構成を採用することが出来る。
シャフト520は、第2のロータ540に対してタービン510とは反対側に配置された、図示しない整流子と接触している。第2のロータ540の回転により発生した起電力は、発電機500の電力として、図示しない相分離母線及び図示しない主変圧器を介して、系統電圧に昇圧されて送電される。なお、第2のロータ540には、タービン510からの静電気や発電に伴う軸電流による帯電が発生する。このため、発電機500は、第2のロータ540の帯電を放電させるためのブラシ550を備えている。
また、図13には、磁束の方向と軟磁性材料の配置方向の関係について好ましい例を記す。まず、磁壁移動型、回転磁化型のいずれにおいても、磁束の方向に対して、軟磁性材料に含まれる扁平磁性金属粒子10の扁平面10aを出来るだけ平行に揃える方向に配置する事が好ましい。これは磁束を貫く扁平磁性金属粒子10の断面積を出来るだけ小さくする事によって渦電流損失を低減できるからである。その上で、尚且つ、磁壁移動型においては、扁平磁性金属粒子10の扁平面10a内における磁化容易軸(矢印方向)を磁束の方向と平行に配置する事が好ましい。これによって、保磁力がより低減する方向で使用する事ができるためヒステリシス損失を低減でき好ましい。また透磁率も高くできて好ましい。逆に、回転磁化型においては、扁平磁性金属粒子10の扁平面10a内における磁化容易軸(矢印方向)を磁束の方向と垂直に配置する事が好ましい。これによって、保磁力がより低減する方向で使用する事ができるためヒステリシス損失を低減でき好ましい。つまり、軟磁性材料の磁化特性を把握し、磁壁移動型か回転磁化型か(判別方法は前述の通り)を見極めた上で、図13のように配置する事が好ましい。磁束の向きが複雑な場合は完全に図13の様に配置する事は難しいかもしれないが、出来る限り図13のように配置する事が好ましい。以上の配置方法は、本実施の形態の全てのシステム及びデバイス装置(例えば、各種モータや発電機などの回転電機(例えば、モータ、発電機など)、変圧器、インダクタ、トランス、チョークコイル、フィルタ等のコアや、回転電機用の磁性楔(くさび)等)において適用される事が望ましい。
このシステム及びデバイス装置に適用するために、軟磁性材料は、種々の加工を施すことを許容する。例えば焼結体の場合は、研磨や切削等の機械加工が施され、粉末の場合はエポキシ樹脂、ポリブタジエンのような樹脂との混合が施される。必要に応じてさらに表面処理が施される。また、必要に応じて巻線処理がなされる。
本実施の形態のシステム及びデバイス装置によれば、優れた特性(高効率、低損失)を有するモータシステム、モータ、変圧器、トランス、インダクタ及び発電機が実現可能となる。
(実施例)
以下に、本発明の実施例1〜13を、比較例1〜7と対比しながらより詳細に説明する。以下に示す実施例及び比較例によって得られる軟磁性材料100について、扁平磁性金属粒子10の厚さ・アスペクト比、磁化挙動、格子歪み、格子面間隔の差割合、結晶構造、組成を表1に示す。なお、扁平磁性金属粒子10の厚さとアスペクト比の測定は、TEM観察・SEM観察に基づいて多数の粒子の平均値で算出する。なお、組成についてはEDX、ICPを用いて総合的に判断する。格子歪み、格子面間隔の差割合についてはXRD解析によって行う。
(実施例1)
まず、単ロール急冷装置を用いて、Fe−Co−Si−B(Fe:Co=70:30at%)のリボンを作製する。次に、このリボンを、ミキサー装置を用いて適当な大きさに切断する。その後、切断したリボン片を回収し、ZrOボールとZrO容器を用いた遊星型ミルによってAr雰囲気下において1000rpmの粉砕・圧延化を行う。上記の切断と粉砕・圧延化を繰り返し、厚さ10nm、アスペクト比1000の扁平磁性金属粒子10になるように処理を行う。尚、得られた扁平磁性金属粒子10の表面は、ゾルゲル法によって非磁性のSiO層を厚さ20nmで被覆させ、その後、無機酸化物(介在相20に相当。B−Bi−ZnO:軟化点425℃)とともに混合する。その後、磁場中で成型を行い(扁平磁性金属粒子10を配向させる)、熱処理を施す事によって軟磁性材料100を得る。尚、熱処理は、軟化点よりやや高い温度で行う。最後に、扁平面10a内の一方向に磁場を印加しながら熱処理を施す事によって、格子歪みが0.1%程度、面内で格子面間隔の最大値と最小値の差の割合が0.1%程度になるように調整する。得られた軟磁性材料100は扁平磁性金属粒子10が配向し、且つ、扁平面10a内で一方向に磁気異方性を有するものである。
(実施例2)
扁平磁性金属粒子10の厚さを100μm、アスペクト比を5にすること以外は実施例1とほぼ同じである。
(実施例3)
扁平磁性金属粒子10のアスペクト比を5にすること以外は実施例1とほぼ同じである。
(実施例4)
扁平磁性金属粒子10のアスペクト比を100にすること以外は実施例1とほぼ同じである。
(実施例5)
扁平磁性金属粒子10のアスペクト比を10000にすること以外は実施例1とほぼ同じである。尚、この時、磁化挙動は、磁壁移動型から回転磁化型に変わる。
(実施例6)
扁平磁性金属粒子10の格子歪みを0.01%程度、格子面間隔の差割合を0.01%程度にすること以外は実施例1とほぼ同じである。
(実施例7)
扁平磁性金属粒子10の格子歪みを0.5%程度、格子面間隔の差割合を0.5%程度にすること以外は実施例1とほぼ同じである。
(実施例8)
扁平磁性金属粒子10のFe:Coの組成比を10:90にすること以外は実施例1とほぼ同じである。この時、結晶構造はfcc構造になる(実施例1はbcc構造)。
(実施例9)
扁平磁性金属粒子10の組成をFe−Ni−Si−B(Fe:Ni=50:50at%)すること以外は実施例1とほぼ同じである。この時、結晶構造はfcc構造になる。
(実施例10)
扁平磁性金属粒子10のFe:Coの組成比を28:72にすること以外は実施例1とほぼ同じである。この時、結晶構造はbcc構造とfcc構造の混相になる。
(実施例11)
扁平磁性金属粒子10を20kOeの磁場下で500℃で熱処理を施す事によって、扁平磁性金属粒子10の結晶子が数珠繋ぎに棒状に連なり、扁平面10a内で一方向に配向させる事以外は実施例1とほぼ同じである。
(実施例12)
扁平磁性金属粒子10を(110)[111]配向させる事以外は実施例1とほぼ同じである。
(実施例13)
扁平磁性金属粒子10と介在相20との格子ミスマッチングを10%にする事以外は実施例1とほぼ同じである。
(実施例14)
成型時の厚さを100μm程度にし、SiOの非磁性層(中間層40)との積層構造にする事以外は実施例1とほぼ同じである。
(比較例1)
アトマイズ法を用いて、Fe−Co−Si−B(Fe:Co=70:30at%、組成は実施例1と同じ)の球状粒子を作製する。得られた球状粒子を無機物(介在相20に相当)とともに混合、成型する。最後に、熱処理を施す事によって、格子歪み及び格子面間隔の差割合がともにほぼ0%になるように調整する。
(比較例2)
扁平磁性金属粒子10の厚さを8nmにすること以外は実施例1とほぼ同じである。
(比較例3)
扁平磁性金属粒子10の厚さを120μm、アスペクト比を5にすること以外は実施例1とほぼ同じである。
(比較例4)
扁平磁性金属粒子10のアスペクト比を4にすること以外は実施例1とほぼ同じである。
(比較例5)
扁平磁性金属粒子10のアスペクト比を12000にすること以外は実施例1とほぼ同じである。
(比較例6)
扁平磁性金属粒子10の格子歪みを0.007%程度、格子面間隔の差割合を0.006%程度にすること以外は実施例1とほぼ同じである。
(比較例7)
扁平磁性金属粒子10の格子歪みを10.1%程度、格子面間隔の差割合を10.2%程度にすること以外は実施例1とほぼ同じである。
次に、実施例1〜13及び比較例1〜7の評価用材料に関して、以下の方法で、飽和磁化、透磁率実部(μ’)、透磁率損失(tanδ)、100時間後の透磁率実部(μ’)の経時変化、鉄損、強度比を評価する。評価結果を表2に示す。
(1)飽和磁化:振動試料型磁力計(VSM:Vibrating Sample Magnetometer)を用いて室温での飽和磁化を測定する。
(2)透磁率実部μ’、透磁率損失(tanδ=μ”/μ’×100(%)):インピーダンスアナライザーを用いて、リング状の試料の透磁率を測定する。1kHzの周波数での実部μ’、虚部μ”を測定する。また、透磁率損失tanδは、μ”/μ’×100(%)で算出する。
(3)100時間後の透磁率実部μ’の経時変化:評価用試料を温度60℃、大気中で100時間加熱した後、再度、透磁率実部μ’を測定し、経時変化(100時間放置後の透磁率実部μ’/放置前の透磁率実部μ’)を求める。
(4)鉄損:B−Hアナライザーを用いて1kHz、1Tの動作条件での鉄損を測定する。
(5)強度比:評価用試料の抗折強度を測定し、比較試料の抗折強度との比(=評価用試料の抗折強度/比較試料の抗折強度)で示した。尚、実施例及び比較例2〜7は比較例1との比で示した。
表1から明らかなように、実施例1〜14に係る軟磁性材料100は、厚さが10nm以上100μm以下で、アスペクト比が5以上10000以下の扁平磁性金属粒子10と酸化物介在相20からなる軟磁性材料100である。また、いずれにおいても、扁平磁性金属粒子10は配向し、且つ、配向した扁平面10a内において一方向に磁気異方性を有している。実施例5は回転磁化で磁化が進行し、それ以外の実施例は磁壁移動で磁化が進行する。また扁平磁性金属粒子10の格子歪みは0.01%以上10%以下である。また、扁平磁性金属粒子の扁平面10a内における格子面間隔が、方向によって差を有し、最大格子面間隔と最小格子面間隔の差の割合が0.01%以上10%以下である。実施例11は、扁平磁性金属粒子10の扁平面10aが(110)[111]方向に配向している。実施例8、9はfccの結晶構造を有し、実施例10はfccとbccの混相の結晶構造を有し、それ以外の実施例はbccの結晶構造を有する。実施例13は、扁平磁性金属粒子10と介在相20との格子ミスマッチングが10%である。実施例14は、非磁性層との積層構造である。
一方で、比較例1は既存技術であるアトマイズによる球状等方粒子の圧紛体である。比較例2〜7は実施例1と比べて、請求項の範囲から外れたものである。
表2から明らかなように、実施例1〜14に係る軟磁性材料100は、比較例1の既存の材料と比べて、透磁率実部、透磁率損失、鉄損、透磁率の経時変化割合、強度比、において優れている事が分かる。また比較例2〜7と比べると、特に、透磁率実部、鉄損、透磁率の経時変化割合、強度比、において優れている事が分かる。尚、飽和磁化は組成によって決まるため、同じ組成である限り、比較例と比べて大きな差は見られない。
以上、実施例1〜14に係る軟磁性材料100は、高い飽和磁化、高い透磁率、低損失、高い熱的安定性、高い耐酸化性、高強度、を満たしつつ、複雑な形状への適用が可能な軟磁性圧粉材料である事が分かる。
(実施例15):
厚さが100nmである点以外は実施例2とほぼ同じである。
(実施例16)
厚さが1μmである点以外は実施例2とほぼ同じである。
(実施例17)
厚さが10μmである点以外は実施例2とほぼ同じである。
(実施例18)
扁平磁性金属粒子10の格子歪みを0.9%程度、格子面間隔の差割合を0.92%程度にすること以外は実施例1とほぼ同じである。
(実施例19)
扁平磁性金属粒子10の格子歪みを4.8%程度、格子面間隔の差割合を4.9%程度にすること以外は実施例1とほぼ同じである。
(実施例20)
扁平磁性金属粒子10の格子歪みを9.7%程度、格子面間隔の差割合を9.9%程度にすること以外は実施例1とほぼ同じである。
(実施例21)
厚さ10nm、アスペクト比1000の扁平磁性金属粒子10の表面にゾルゲル法によって、非磁性のSiO層を厚さ1nmで被覆させる事以外は実施例1とほぼ同じである。
(実施例22)
厚さ100nm、アスペクト比100の扁平磁性金属粒子10の表面にゾルゲル法によって、非磁性のSiO層を厚さ10nmで被覆させる事以外は実施例1とほぼ同じである。
(実施例23)
厚さ1μm、アスペクト比100の扁平磁性金属粒子10の表面にゾルゲル法によって、非磁性のSiO層を厚さ100nmで被覆させる事以外は実施例1とほぼ同じである。
(実施例24)
厚さ10μm、アスペクト比10の扁平磁性金属粒子10の表面にゾルゲル法によって、非磁性のSiO層を厚さ900nmで被覆させる事以外は実施例1とほぼ同じである。
(実施例25)
本実施例の軟磁性材料は、軟化点200℃の共晶系を有する点以外は実施例1とほぼ同じである。共晶系の組成は、P−V−Ag−Oである。
(実施例26)
本実施例の軟磁性材料は、軟化点300℃の共晶系を有する点以外は実施例1とほぼ同じである。共晶系の組成は、Pb−B−Oである。
(実施例27)
本実施例の軟磁性材料は、軟化点400℃の共晶系を有する点以外は実施例1とほぼ同じである。共晶系の組成は、Bi−B−Oである。
(実施例28)
本実施例の軟磁性材料は、軟化点500℃の共晶系を有する点以外は実施例1とほぼ同じである。共晶系の組成は、B−Bi−Zn−Oである。
(実施例29)
本実施例の軟磁性材料は、軟化点600℃の共晶系を有する点以外は実施例1とほぼ同じである。共晶系の組成は、B−Bi−Si−Oである。
(実施例30)
本実施例の軟磁性材料は、磁場中成型後の熱処理において、熱処理時間を2倍にすることによって、扁平磁性金属粒子の表面に球形で粒径50nmの共晶粒子を生成させる事以外は実施例1とほぼ同じである。共晶粒子の組成は、B−Bi−Zn−Oである。
(比較例8)
厚さ10nm、アスペクト比1000の扁平磁性金属粒子の表面に非磁性のSiO層の被覆を行わない事以外は実施例1とほぼ同じである。
(比較例9)
厚さ10μm、アスペクト比10の扁平磁性金属粒子10の表面にゾルゲル法によって、非磁性のSiO層を厚さ2μmで被覆させる事以外は実施例1とほぼ同じである。
(比較例10)
軟化点100℃の介在相を有する点以外は実施例1とほぼ同じである。介在相としては、有機系のエポキシ樹脂を使用した。
(比較例11)
軟化点700℃の共晶系を有する点以外は実施例1とほぼ同じである。共晶系の組成は、Si−B−Al−Oである。
表3から明らかなように、実施例15〜30に係る軟磁性材料は、厚さが10nm以上100μm以下で、アスペクト比が5以上10000以下の扁平磁性金属粒子と酸化物介在相からなる軟磁性材料である。また、いずれにおいても、扁平磁性金属粒子は配向し、且つ、配向した扁平面内において一方向に磁気異方性を有しており、磁壁移動で磁化が進行する。また扁平磁性金属粒子の格子歪みは0.01%以上10%以下である。また、扁平磁性金属粒子の扁平面内における格子面間隔が、方向によって差を有し、最大格子面間隔と最小格子面間隔の差の割合が0.01%以上10%以下である。また、扁平磁性金属粒子の表面は厚さ0.1nm以上1μm以下の非磁性酸化物層で被覆されている。また、介在相の軟化点は200℃以上600℃以下である。
一方で、比較例8は被覆層がなし、比較例9は被覆層の厚さが2μmと大きい。また、比較例10は、介在相の軟化点が100℃、比較例11は介在相の軟化点が700℃である。
表4から明らかなように、実施例15〜30に係る軟磁性材料は、比較例1の既存の材料と比べて、透磁率実部、透磁率損失、鉄損、透磁率の経時変化割合、強度比、において優れている事が分かる。また比較例2〜11と比べると、特に、透磁率実部、鉄損、透磁率の経時変化割合、強度比、において優れている事が分かる。
以上、実施例15〜実施例30に係る軟磁性材料は、高い飽和磁化、高い透磁率、低損失、高い熱的安定性、高い耐酸化性、高強度、を満たしつつ、複雑な形状への適用が可能な軟磁性圧粉材料である事が分かる。
本発明のいくつかの実施形態及び実施例を説明したが、これらの実施形態及び実施例は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
10 扁平磁性金属粒子
10a 扁平面
14 被覆層
20 介在相
22 共晶粒子
24 中間介在粒子
30 磁性層
40 中間層
100 軟磁性材料
110 軟磁性材料
120 軟磁性材料
130 軟磁性材料
160 軟磁性材料
200 モータ
210 第1のステータ
220 第1のロータ
300 変圧器・トランス
400 インダクタ
500 発電機
510 タービン
520 シャフト
530 第2のステータ
540 第2のロータ
1000 モータシステム
中間介在粒子24は、Mg、Al、Si、Ca、Zr、Ti、Hf、Zn、Mn、Ba、Sr、Cr、Mo、Ag、Ga、Sc、V、Y、Nb、Pb、Cu、In、Sn、希土類元素からなる群から選ばれる少なくとも1つの非磁性金属を含み、且つ、O(酸素)、C(炭素)、N(窒素)及びF(フッ素)からなる群のうちの少なくとも1つの元素を含む事が好ましい。より好ましくは、高い耐酸化性、高い熱的安定性の観点から、酸素を含有する酸化物もしくは複合酸化物である事がより好ましい。特に、酸化アルミニウム(Al)、二酸化珪素(SiO)、酸化チタン(TiO)、酸化ジルコニウム(ZrO )などの酸化物、やAl−Si−O等の複合酸化物などが高い耐酸化性、高い熱的安定性の観点から好ましい。
中間介在粒子24を含む軟磁性材料120及び軟磁性材料130を製造する方法としては、例えば、扁平磁性金属粒子及び中間介在粒子(酸化アルミニウム(Al)粒子、二酸化珪素(SiO)粒子、酸化チタン(TiO)粒子、酸化ジルコニウム(ZrO )粒子など)を、ボールミル等によって混合し、分散させた状態を作り、その後、プレス成型などで一体化させる方法などが挙げられる。分散させる方法は、適度に分散させる事が出来る方法であれば、その方法は特に拘らない。

Claims (20)

  1. 扁平磁性金属粒子であって、Fe、Co、Niから選ばれる少なくとも1つの磁性金属を含有し、厚さが10nm以上100μm以下で、アスペクト比が5以上10000以下で、格子歪みが0.01%以上10%以下で、前記扁平磁性金属粒子が配向し、且つ、配向した扁平面内において一方向に磁気異方性を有する前記扁平磁性金属粒子と、
    前記扁平磁性金属粒子間に存在し、酸素(O)、炭素(C)、窒素(N)及びフッ素(F)の少なくとも1つを含む介在相と、
    を備える軟磁性材料。
  2. 前記扁平磁性金属粒子の磁化挙動が磁壁移動によって進行する請求項1記載の軟磁性材料。
  3. 前記扁平磁性金属粒子の磁化挙動が回転磁化によって進行する請求項1記載の軟磁性材料。
  4. 前記扁平磁性金属粒子の扁平面内における格子面間隔が、方向によって差を有し、最大格子面間隔と最小格子面間隔の差の割合が0.01%以上10%以下である請求項1ないし3いずれか一項記載の軟磁性材料。
  5. 前記扁平磁性金属粒子の結晶子が前記扁平面内で一方向に数珠繋ぎになっている、又は前記結晶子が棒状であり且つ前記扁平面内で一方向に配向している請求項1ないし4いずれか一項記載の軟磁性材料。
  6. 前記扁平磁性金属粒子がFe、Coの2つの磁性金属を含み、FeとCoの合計量に対してCoが10原子%以上60原子%以下含まれる請求項1ないし5いずれか一項記載の軟磁性材料。
  7. 前記扁平磁性金属粒子の扁平面が(110)面配向、又は(111)面配向している請求項1ないし6いずれか一項記載の軟磁性材料。
  8. 前記扁平磁性金属粒子が体心立方構造の結晶構造である請求項1ないし7いずれか一項記載の軟磁性材料。
  9. 前記扁平磁性金属粒子が体心立方構造と面心立方構造の混相の結晶構造である請求項1ないし8いずれか一項記載の軟磁性材料。
  10. 前記扁平磁性金属粒子の表面の少なくとも一部が、厚さ0.1nm以上1μm以下で、酸素(O)、炭素(C)、窒素(N)及びフッ素(F)の少なくとも1つを含む被覆層で覆われている請求項1ないし請求項9いずれか一項記載の軟磁性材料。
  11. 前記介在相と前記扁平磁性金属粒子との格子ミスマッチ割合が0.1%以上50%以下である、請求項1ないし請求項10いずれか一項記載の軟磁性材料。
  12. 前記介在相は、B、Si、Cr、Mo、Nb、Li、Ba、Zn、La、P、Al、Ge、W、Na、Ti、As、V、Ca、Bi、Pb、Te及びSnからなる群のうちの少なくとも2つの第2の元素を含む共晶系を有し、200℃以上600℃以下である軟化点を有し、熱膨張係数が0.5×10-/℃以上40×10-/℃以下である酸化物を含む請求項1ないし請求項11いずれか一項記載の軟磁性材料。
  13. 前記共晶系は粒径が10nm以上10μm以下である共晶粒子を有する請求項12記載の軟磁性材料。
  14. 前記介在相は、軟化点が前記共晶系より高く、O(酸素)、C(炭素)、N(窒素)及びF(フッ素)からなる群のうちの少なくとも1つの元素を含む中間介在粒子をさらに含む請求項12又は請求項13記載の軟磁性材料。
  15. 前記介在相は樹脂を含む請求項1ないし請求項11いずれか一項記載の軟磁性材料。
  16. 前記介在相は、Fe、Co、Niから選ばれる少なくとも1つの磁性金属を含有する請求項1ないし請求項11いずれか一項記載の軟磁性材料。
  17. 扁平磁性金属粒子であって、Fe、Co、Niから選ばれる少なくとも1つの磁性金属を含有し、厚さが10nm以上100μm以下で、アスペクト比が5以上10000以下で、格子歪みが0.01%以上10%以下で、前記扁平磁性金属粒子が配向し、且つ、配向した扁平面内において一方向に磁気異方性を有する前記扁平磁性金属粒子と、
    前記扁平磁性金属粒子間に存在し、酸素(O)、炭素(C)、窒素(N)及びフッ素(F)の少なくとも1つを含む介在相と、
    を含む磁性層と、
    前記磁性層に接して設けられ、酸素(O)、炭素(C)、窒素(N)及びフッ素(F)のいずれかを含有し、透磁率が前記磁性層の透磁率よりも小さい中間層と、
    を備える軟磁性材料。
  18. 請求項1乃至請求項17のいずれか一項に記載の軟磁性材料を有する回転電機。
  19. 請求項1乃至請求項17のいずれか一項に記載の軟磁性材料を有するモータ。
  20. 請求項1乃至請求項17のいずれか一項に記載の軟磁性材料を有する発電機。
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