JP2006219714A - Fe−Ni−(Nb,V,Ta)系扁平金属軟磁性粉末およびその軟磁性粉末を含む磁性複合材 - Google Patents

Fe−Ni−(Nb,V,Ta)系扁平金属軟磁性粉末およびその軟磁性粉末を含む磁性複合材 Download PDF

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Abstract

【課題】Fe-Ni-(Nb,V,Ta)系扁平金属軟磁性粉末およびこの粉末の表面に酸化膜を形成したFe-Ni-(Nb,V,Ta)系酸化膜被覆扁平金属軟磁性粉末を提供する。
【解決手段】Ni:60〜90%を含有し、さらにNb,VおよびTaのうちの1種または2種以上を合計で0.05〜20%を含有し、さらに必要に応じてAlおよびMnの内の1種または2種を合計で0.01〜1%含有し、残部:Feからなる成分組成、並びに平均粒径:30〜150μmおよびアスペクト比:5〜500の寸法および形状を有する扁平金属軟磁性粉末であって、X線の入射方向と回折方向とを含む平面が前記扁平金属軟磁性粉末の扁平面に垂直となるようにし、かつ入射方向と扁平面がなす角と回折方向と扁平面がなす角とが等しくなるようにして測定したX線回折パターンにおける面指数(220)のピーク高さをI220、面指数(111)のピーク高さをI111とすると、ピーク強度比I220/I111が0.1〜10の範囲内にある。
【選択図】 なし

Description

この発明は、電波吸収体や高周波用磁性材料に使用される高硬度および高透磁率を有するFe−Ni−(Nb,V,Ta)系扁平金属軟磁性粉末およびこの高硬度および高透磁率を有するFe−Ni−(Nb,V,Ta)系扁平金属軟磁性粉末の表面に酸化膜を形成した酸化膜被覆Fe−Ni−(Nb,V,Ta)系扁平金属軟磁性粉末に関するものである。そして、この発明の高硬度および高透磁率を有するFe−Ni−(Nb,V,Ta)系扁平金属軟磁性粉末または酸化膜被覆Fe−Ni−(Nb,V,Ta)系扁平金属軟磁性粉末は、樹脂中に配向させ分散させて磁性複合シートなどの複合磁性材として使用されるものである。
一般に、溶製材、焼結材の高透磁率軟磁性材料としてパーマロイA(Fe−70〜80%Ni)(%は質量%を示す。以下、同じ)が知られているが、この材料は熱処理を施した後、徐冷するとFeNi規則相を生成し、結晶磁気異方性定数Kが負でその絶対値が大きな値を持つ。結晶磁気異方性定数Kが負の場合には<111>方向が磁化容易方向かつ<100>方向が磁化困難方向となり、正の場合には<100>方向が磁化容易方向かつ<111>方向が磁化困難方向となり、零の場合には磁気的に等方的になることが知られており、このFeNi規則相の生成により磁気異方性が生じ、結果として結晶面が配向しておらず結晶方位の上で等方的な通常の多結晶体においては透磁率が低下する。この材料において高い透磁率を得るためには高温熱処理の後、急冷したり、あるいはその後さらに時効処理が必要になり、工業的にはあまり使用されていない。
そのために、上記パーマロイにNb,VおよびTaのうちの1種または2種以上を合計で0.05〜20%を添加したFe−Ni−(Nb,V,Ta)系合金が提案されている。これら材料は(Nb,V,Ta)の添加により熱処理後に徐冷しても、FeNi規則相の生成が抑制され、熱処理後の急冷を施さなくても結晶磁気異方性定数Kが零前後となり、結晶方位の上で等方的な多結晶体においても優れた透磁率を示すため、工業的にも広く使用されている。また、さらに透磁率を改善するためにさらにCu、Cr、Mnを添加した高透磁率軟磁性材料も知られている(特許文献1、2、3参照)。
これら従来のFe−Ni−(Nb,V,Ta)系扁平金属軟磁性粉末は、いずれも通常の粉砕またはアトマイズして得られたFe−Ni−(Nb,V,Ta)系粉末の形状を扁平状とし、反磁界による形状磁気異方性を発現させて扁平面内を磁化容易面とすることにより、粉末の扁平面内の透磁率などの磁気特性を一層高めることができることが知られている。
これら従来のFe−Ni−(Nb,V,Ta)系扁平金属軟磁性粉末は、いずれも通常の粉砕またはアトマイズして得られたFe−Ni−(Nb,V,Ta)系軟磁性粉末にエタノールや水を溶媒として添加し、さらに必要に応じて粉砕助剤を添加し、これらをアトライタやボールミルを使用して扁平化処理することにより製造されている。
このようにして製造したFe−Ni−(Nb,V,Ta)系扁平金属軟磁性粉末は、樹脂中に扁平面が配向するように分散させて磁性複合材を作製する。この磁性複合材が磁性複合シートの場合は、前記Fe−Ni−(Nb,V,Ta)系扁平金属軟磁性粉末の扁平面は磁性複合シートの厚さ方向に対して直角方向に配向させる(特に特許文献3参照)。
特開平9−168252号公報 特開平7−252604号公報 特開平1−298101号公報
しかし、かかる従来のFe−Ni−(Nb,V,Ta)系扁平金属軟磁性粉末はその透磁率が十分でなく、更なる高透磁率を有するFe−Ni−(Nb,V,Ta)系扁平金属軟磁性粉末が求められている。
そこで、本発明者らは、従来のFe−Ni−(Nb,V,Ta)系扁平金属軟磁性粉末の透磁率を一層向上させ、したがって、一層優れた特性を有する電波吸収体や高周波用磁性材料を製造することのできる扁平金属軟磁性粉末を得るべく研究を行った。その結果、
(イ)Ni:60〜90%を含有し、さらにNb,VおよびTaのうちの1種または2種以上を合計で0.05〜20%を含有し、残部:Feおよび不可避不純物からなる成分組成を有するFe−Ni−(Nb,V,Ta)系金属軟磁性粉末を、粘性の一層高い溶媒とともにアトライタやボールミルを使用して扁平化処理すると、粉末が硬いために扁平化時に生じがちな粉砕が抑制され、それによって厚さが薄くかつ大きなFe−Ni−(Nb,V,Ta)系扁平金属軟磁性粉末が得られ、このようにして得られたFe−Ni−(Nb,V,Ta)系扁平金属軟磁性粉末はX線の入射方向と回折方向とを含む平面が前記扁平金属軟磁性粉末の扁平面に垂直となるようにし、かつ入射方向と扁平面がなす角と回折方向と扁平面がなす角とが等しくなるようにして測定したX線回折パターンにおいて、面指数(220)のピーク高さをI220、面指数(111)のピーク高さをI111とした時に、ピーク強度比I220/I111が0.1〜10の範囲内にあり、かかるピーク強度比I220/I111が0.1〜10の範囲内にあるFe−Ni−(Nb,V,Ta)系扁平金属軟磁性粉末は一層高い硬さおよび透磁率を示す、
(ロ)これらのFe−Ni−(Nb,V,Ta)系扁平金属軟磁性粉末は、一般に硬さが高すぎるので加工性が悪く、アトライタやボールミルを使用して扁平化しようとしても扁平化の進行が遅く、長時間扁平化処理すると粉砕されて、かえってアスペクト比が小さくなるが、前記Fe−Ni−(Nb,V,Ta)系合金にAlおよびMnの内の1種または2種を添加することにより加工性が改善されることから、必要に応じてAlおよびMnの内の1種または2種を合計で0.01〜1%添加することが好ましい、
(ハ)これらのFe−Ni−(Nb,V,Ta)系扁平金属軟磁性粉末は、平均粒径を30〜150μmに規定し、アスペクト比を5〜500に規定することにより、扁平面内の透磁率が一層向上する、などの知見を得たのである。
この発明は、かかる知見に基づいて成されたものであって、
(1)Ni:60〜90%を含有し、さらにNb,VおよびTaのうちの1種または2種以上を合計で0.05〜20%を含有し、残部:Feおよび不可避不純物からなる成分組成、並びに平均粒径:30〜150μmおよびアスペクト比(平均粒径/平均厚さ):5〜500の寸法および形状を有する扁平金属軟磁性粉末であって、X線の入射方向と回折方向とを含む平面が前記扁平金属軟磁性粉末の扁平面に垂直となるようにし、かつ入射方向と扁平面がなす角と回折方向と扁平面がなす角とが等しくなるようにして測定したX線回折パターンにおける面指数(220)のピーク高さをI220、面指数(111)のピーク高さをI111とすると、ピーク強度比I220/I111が0.1〜10の範囲内にあるFe−Ni−(Nb,V,Ta)系扁平金属軟磁性粉末、
(2)Ni:60〜90%を含有し、さらにNb,VおよびTaのうちの1種または2種以上を合計で0.05〜20%を含有し、さらにAlおよびMnの内の1種または2種を合計で0.01〜1%含有し、残部:Feおよび不可避不純物からなる成分組成、並びに平均粒径:30〜150μmおよびアスペクト比(平均粒径/平均厚さ):5〜500の寸法および形状を有する扁平金属軟磁性粉末であって、X線の入射方向と回折方向とを含む平面が前記扁平金属軟磁性粉末の扁平面に垂直となるようにし、かつ入射方向と扁平面がなす角と回折方向と扁平面がなす角とが等しくなるようにして測定したX線回折パターンにおける面指数(220)のピーク高さをI220、面指数(111)のピーク高さをI111とすると、ピーク強度比I220/I111が0.1〜10の範囲内にあるFe−Ni−(Nb,V,Ta)系扁平金属軟磁性粉末、に特徴を有するものである。
この発明のFe−Ni−(Nb,V,Ta)系扁平金属軟磁性粉末は、主に樹脂中に扁平面が配向するように分散させて磁性複合材、特に磁性複合シートとして使用される。磁性複合シートの場合は、前記Fe−Ni−(Nb,V,Ta)系扁平金属軟磁性粉末の扁平面は磁性複合シートの厚さ方向に対して直角方向に配向させる。したがって、この発明は、
(3)前記(1)または(2)記載のFe−Ni−(Nb,V,Ta)系扁平金属軟磁性粉末の扁平面が樹脂中に配向して分散している磁性複合材、
(4)前記(3)記載の磁性複合材は磁性複合シートであって、前記Fe−Ni−(Nb,V,Ta)系扁平金属軟磁性粉末の扁平面が磁性複合シートの厚さ方向に対して直角方向に配向して分散している磁性複合シート、に特長を有するものである。
前記(1)または(2)記載のFe−Ni−(Nb,V,Ta)系扁平金属軟磁性粉末をその扁平面が配向するように樹脂中に分散させた前記(3)記載の磁性複合材または前記(4)記載の磁性複合シートは、電波吸収体や高周波用磁性材料として優れた特性を有するが、Fe−Ni−(Nb,V,Ta)系扁平金属軟磁性粉末パーマロイ系であるため表面に酸化膜が生成し難い特性を有し、このFe−Ni−(Nb,V,Ta)系扁平金属軟磁性粉末を大気中に長時間放置してもFe−Ni−(Nb,V,Ta)系扁平金属軟磁性粉末の表面に形成される酸化膜の厚さは50Å未満であり、この薄い酸化膜を有するFe−Ni−(Nb,V,Ta)系扁平金属軟磁性粉末を樹脂中に高密度で分散させると、Fe−Ni−(Nb,V,Ta)系扁平金属軟磁性粉末が相互に隣接し、Fe−Ni−(Nb,V,Ta)系扁平金属軟磁性粉末の分散量が高密度になるほど得られる磁性複合材または磁性複合シートの抵抗率が下がる。
そのため、磁性複合材または磁性複合シートとして抵抗率が不足する場合があり、一層高い抵抗率を有する磁性複合材または磁性複合シートを必要とすることがある。かかる場合の要求を満たすためには前記(1)または(2)記載のFe−Ni−(Nb,V,Ta)系扁平金属軟磁性粉末の表面に厚さが一層厚い酸化膜(50〜1000Å)を形成することが必要であり、この厚さが一層厚い酸化膜は、前記(1)または(2)記載のFe−Ni−(Nb,V,Ta)系扁平金属軟磁性粉末を酸化性雰囲気中で加熱あるいは温水中で加熱後乾燥することにより作製することができる。したがって、この発明は、
(5)Ni:60〜90%を含有し、さらにNb,VおよびTaのうちの1種または2種以上を合計で0.05〜20%を含有し、残部:Feおよび不可避不純物からなる成分組成、並びに平均粒径:30〜150μmおよびアスペクト比(平均粒径/平均厚さ):5〜500の扁平面を有する扁平金属軟磁性粉末の表面に厚さ:50〜1000Åの酸化膜が形成されている酸化膜被覆Fe−Ni−(Nb,V,Ta)系扁平金属軟磁性粉末であって、
X線の入射方向と回折方向とを含む平面が前記酸化膜被覆扁平金属軟磁性粉末の扁平面に垂直となるようにし、かつ入射方向と扁平面がなす角と回折方向と扁平面がなす角とが等しくなるようにして測定したX線回折パターンにおける面指数(220)のピーク高さをI220、面指数(111)のピーク高さをI111とすると、ピーク強度比I220/I111が0.1〜10の範囲内にある酸化膜被覆Fe−Ni−(Nb,V,Ta)系扁平金属軟磁性粉末、
(6)Ni:60〜90%を含有し、さらにNb,VおよびTaのうちの1種または2種以上を合計で0.05〜20%を含有し、さらにAlおよびMnの内の1種または2種を合計で0.01〜1%含有し、残部:Feおよび不可避不純物からなる成分組成、並びに平均粒径:30〜150μmおよびアスペクト比(平均粒径/平均厚さ):5〜500の扁平面を有する扁平金属軟磁性粉末の表面に厚さ:50〜1000Åの酸化膜が形成されている酸化膜被覆Fe−Ni−(Nb,V,Ta)系扁平金属軟磁性粉末であって、
X線の入射方向と回折方向とを含む平面が前記酸化膜被覆扁平金属軟磁性粉末の扁平面に垂直となるようにし、かつ入射方向と扁平面がなす角と回折方向と扁平面がなす角とが等しくなるようにして測定したX線回折パターンにおける面指数(220)のピーク高さをI220、面指数(111)のピーク高さをI111とすると、ピーク強度比I220/I111が0.1〜10の範囲内にある酸化膜被覆Fe−Ni−(Nb,V,Ta)系扁平金属軟磁性粉末、
(7)前記(5)または(6)記載の酸化膜被覆Fe−Ni−(Nb,V,Ta)系扁平金属軟磁性粉末の扁平面が樹脂中に配向して分散している磁性複合材、
(8)前記(7)記載の磁性複合材は磁性複合シートであって、前記酸化膜被覆Fe−Ni−(Nb,V,Ta)系扁平金属軟磁性粉末の扁平面が磁性複合シートの厚さ方向に対して直角方向に配向して分散している磁性複合シート、に特徴を有するものである。
この発明の前記(5)または(6)記載の酸化膜被覆Fe−Ni−(Nb,V,Ta)系扁平金属軟磁性粉末を製造するには、前記(1)または(2)記載のFe−Ni−(Nb,V,Ta)系扁平金属軟磁性粉末を大気中または酸素含有混合ガス雰囲気中などの酸化雰囲気中、温度:200〜600℃で1分〜24時間保持の条件で加熱すれば良い。あるいは50〜100℃の温水中で1分〜96時間加熱後室温〜200℃で乾燥すれば良い。
この発明の前記(5)または(6)記載の酸化膜被覆Fe−Ni−(Nb,V,Ta)系扁平金属軟磁性粉末の酸化膜の厚さが50Å未満だと磁性複合シートとして抵抗率が不足するので好ましくなく、一方、1000Åを越えると保磁力が増加するために磁性複合シートとして電波吸収特性が低下するので好ましくない。そのため、該酸化膜の厚さの下限を50Å、上限を1000Åとした。
また、この発明の磁性複合材および磁性複合シートで使用する樹脂は、塩素化ポリエチレン、シリコーン、ウレタン、酢酸ビニル、エチレン-酢酸ビニル共重合体、ABS樹脂、塩化ビニル、ポリビニルブチラル、熱可塑性エラストマー、EM−PM−BD共重合ゴム、スチレン‐ブタジエン系ゴム、アクリロニトリル−ブタジエン系ゴムなどであり、さらにこれらをブレンドしたものまたはブレンドし変成したものであってもよい。
この発明のFe−Ni−(Nb,V,Ta)系扁平金属軟磁性粉末および酸化膜被覆Fe−Ni−(Nb,V,Ta)系扁平金属軟磁性粉末は、透磁率が大きいのでアンテナ、インダクタ用として優れた高周波磁性材料を提供することができ、さらに透磁率が大きいので優れた電波吸収特性を有する電波吸収体を提供することができ、電気および電子産業において優れた効果をもたらすものである。
この発明のFe−Ni−(Nb,V,Ta)系扁平金属軟磁性粉末および酸化膜被覆Fe−Ni−(Nb,V,Ta)系扁平金属軟磁性粉末において、成分組成、平均粒径、アスペクト比およびピーク強度比を前述の如く限定した理由を説明する。
(A)成分組成
Ni:
この発明のFe−Ni−(Nb,V,Ta)系扁平金属軟磁性粉末および酸化膜被覆Fe−Ni−(Nb,V,Ta)系扁平金属軟磁性粉末においてNiの含有量を60〜90%に限定した理由は、60%より少なくても90%より多くても磁気特性が低下するからであり、この範囲は通常知られている範囲であるが、この発明のFe−Ni−(Nb,V,Ta)系扁平金属軟磁性粉末および酸化膜被覆Fe−Ni−(Nb,V,Ta)系扁平金属軟磁性粉末におけるNiの含有量は、70〜85%の範囲内にあることが一層好ましい。
Nb,V,Ta:
この発明のFe−Ni−(Nb,V,Ta)系扁平金属軟磁性粉末および酸化膜被覆Fe−Ni−(Nb,V,Ta)系扁平金属軟磁性粉末においてこれら成分の添加量を0.05〜20%に限定した理由は、これら成分の添加量が0.05%未満では熱処理後の徐冷によりFeNi規則相の生成が過剰になり、結晶磁気異方性定数Kが負でその絶対値が大きくなり過ぎて透磁率が低下するので好ましくなく、一方、これら成分の1種または2種以上を合計で20%よりも多く含有すると、FeNi規則相の生成が不十分となり、結晶磁気異方性定数Kが負でその絶対値が小さくなり過ぎたり、正になったりして、結晶磁気異方性により扁平面内をより一層磁化容易面とする効果が不十分となり、扁平面内の透磁率が低下するので好ましくないことによるものである。この発明のFe−Ni−(Nb,V,Ta)系扁平金属軟磁性粉末および酸化膜被覆Fe−Ni−(Nb,V,Ta)系扁平金属軟磁性粉末においてこれら成分の含有量の一層好ましい範囲は1〜15%である。
Al,Mn:
これら成分は、Fe−Ni−(Nb,V,Ta)系合金の製造時に添加することにより脱硫および脱酸作用を有し、さらにこれら成分を添加することにより加工性が改善され、それによって扁平粉末を作製しやすくなるので必要に応じて添加するが、これら成分の含有量が0.01%未満含有しても所望の効果が得られず、一方、これら成分を1%を超えて含有すると、透磁率が低下するので好ましくない。したがって、この発明のFe−Ni−(Nb,V,Ta)系扁平金属軟磁性粉末および酸化膜被覆Fe−Ni−(Nb,V,Ta)系扁平金属軟磁性粉末に必要に応じて含まれるこれら成分の含有量は0.01〜1%に定めた。
(B)平均粒径:
この発明のFe−Ni−(Nb,V,Ta)系扁平金属軟磁性粉末および酸化膜被覆Fe−Ni−(Nb,V,Ta)系扁平金属軟磁性粉末において平均粒径が30μmよりも小さいと、扁平化処理時の歪の導入が著しくなり、500℃以上の温度での熱処理を施しても十分な磁気特性が得られないので好ましくなく、一方、150μmを超えると、シート等を作製する際の樹脂等との混練において、粉末が折れ曲がったり、ちぎれたりして磁気特性が低下するので好ましくない。したがって、この発明の扁平金属軟磁性粉末および酸化膜被覆Fe−Ni−(Nb,V,Ta)系扁平金属軟磁性粉末の平均粒径は30〜150μmに定めた。平均粒径の一層好ましい範囲は35〜140μmである。
(C)アスペクト比:
この発明のFe−Ni−(Nb,V,Ta)系扁平金属軟磁性粉末および酸化膜被覆Fe−Ni−(Nb,V,Ta)系扁平金属軟磁性粉末においてアスペクト比が5より小さいと、粉末の反磁界が大きくなり、扁平面内の透磁率が低下するので好ましくなく、一方、500よりも大きくなると、扁平化処理時の歪の導入が著しくなり、500℃以上の温度での熱処理を施しても十分な磁気特性が得られなくなるので好ましくない。したがって、この発明のFe−Ni−(Nb,V,Ta)系扁平金属軟磁性粉末および酸化膜被覆Fe−Ni−(Nb,V,Ta)系扁平金属軟磁性粉末のアスペクト比は5〜500に定めた。
(D)ピーク強度比:
Fe−Ni−(Nb,V,Ta)系金属軟磁性粉末を粘性の一層高い溶媒とともにアトライタやボールミルを使用して扁平化処理する場合、Fe−Ni−Mo−(Nb,V,Ta)系金属の結晶系は面心立方(fcc)であり辷り面は{111},辷り方向は<110>であるため、扁平化処理によって粉末の扁平面と平行に面心立方(fcc)格子の(110)面が配向する。このためX線の入射方向と回折方向とを含む平面が前記扁平金属軟磁性粉末の扁平面に垂直となるようにし、かつ入射方向と扁平面がなす角と回折方向と扁平面がなす角とが等しくなるようにして測定したX線回折パターンにおいて、面指数(220)のピーク強度は面心立方(fcc)格子のその他の面指数(111),(200)のピーク強度と比べて相対的に増加する。そこで、fcc格子の(110)面が粉末の扁平面に平行に配向している指標として(220)面のピーク強度I220を測定し、結晶方位が配向していない場合に最大ピークを示す面指数(111)のピーク高さI111とのピーク強度比I220/I111を求めたのである。なお(110)面は面心立方(fcc)格子の回折ピークの消滅則により、FeNi規則相の生成による小さなピークしか観測されず、またそのピーク高さはFeNi規則相の生成量による影響を受けるので、fcc格子の(110)面が粉末の扁平面に平行に配向している指標として(110)面による二次の回折ピークでありかつFeNi規則相の生成による影響を受けない面指数(220)のピーク高さI220に注目した。この発明のFe−Ni−(Nb,V,Ta)系扁平金属軟磁性粉末においてI220/I111が0.1〜10の範囲内にあるように定めたのは、0.1より小さいと結晶磁気異方性により扁平面内をより一層磁化容易面とする効果が不十分となり、扁平面内の透磁率が低下するので好ましくなく、一方、10よりも大きいものは工業的な製造が困難であるという理由によるものである。ピーク強度の一層好ましい範囲は0.30〜10、より一層好ましい範囲は0.50〜10である。
この発明のFe−Ni−(Nb,V,Ta)系扁平金属軟磁性粉末を製造する際に使用する粘性の一層高い溶媒の粘性率は20℃で2〜5mPas[ミリパスカル秒]の範囲内にある溶媒を使用することが好ましい。アトライタやボールミルによる扁平化処理時に添加する溶媒の粘性率が2mPasよりも低いと、原料粉末である軟磁性粉末に加えられる衝撃を緩和する効果が少なく、扁平化処理時に粉砕されていまい、厚さが薄い大きな粉末が得られず、また粉末の扁平面に平行に(110)面が配向する効果が不十分となり、結果として粉末の透磁率が低下するので好ましくないからであり、一方、溶媒の粘性率が5mPasよりも高すぎると、扁平化処理の効率が著しく低下したり、扁平化処理後に粉末と溶媒が混ざり合ったスラリーを取り出す際に取り出し口のバルブが詰まったり、さらに扁平化処理の均一性を高める為に設置されたスラリーの循環装置が詰まったりするので好ましくないからである。
この粘性率の高い溶媒として、イソブチルアルコール(20℃における粘性率:4.4mPas[ミリパスカル秒]、以下同じ、ただし1mPas=1cP[センチポアズ])、イソペンチルアルコール(4.4mPas)、1−ブタノール(3.0mPas)、1−プロパノール(2.2mPas)、2−プロパノール(2.4mPas)などの常温で液体の高級アルコールを使用することができる。また常温で液体または固体の高級アルコールやエチレングリコール、グリセリンなどを水、エタノール、メタノールに溶解したものであっても良い。これら常温で液体または固体の高級アルコールやエチレングリコール、グリセリンなどを水、エタノール、メタノールに溶解したものは、従来から使用されている水(1.0mPas)、エタノール(1.2mPas)、メタノール(0.6mPas)に比べて高い粘性率を示す。
実施例1
合金原料を高周波溶解して溶湯を作製し、これら溶湯を水アトマイズしてアトマイズ粉末を作製し、そのアトマイズ粉末を分級処理して平均粒径:30μmを有するアトマイズ粉末を作製した。さらに溶媒としてエタノールにグリセリン:35質量%を添加した溶媒(20℃における粘性率3.1mPas)を用意した。
このアトマイズ粉末に前記エタノールにグリセリン:35質量%を含む溶媒を添加し、アトライタにて表2〜3に示される時間扁平化処理し、次いでこれを熱処理炉に入れ、窒素ガス雰囲気中、温度:600℃で3時間保持したのち、冷却速度:100℃/hで冷却する熱処理を行なった。これら熱処理した粉末を風力分級機により分級し、表1に示される成分組成、並びに表2〜3に示される平均粒径d、平均厚さt、アスペクト比(d/t)を有する本発明扁平金属軟磁性粉末1〜20および比較扁平金属軟磁性粉末1〜2を作製した。さらにこれら本発明扁平金属軟磁性粉末1〜20および比較扁平金属軟磁性粉末1〜2の保磁力Hc1を測定し、その結果を表2〜3に示した。さらに合金原料を高周波溶解して得られた溶湯から表1に示される成分組成を有する厚さ:1mmの板を作製し、この板のビッカース硬さを測定し、その結果を表2〜3に示した。
従来例1
さらに溶媒としてエタノール(20℃における粘性率1.2mPas)を用意し、前記アトマイズ粉末にエタノールを添加し、アトライタにて扁平化処理し、次いでこれを熱処理炉に入れ、窒素ガス雰囲気中、温度:600℃で3時間保持したのち、冷却速度:100℃/hで冷却する熱処理を行なった。この熱処理した粉末を風力分級機により分級し、表1に示される成分組成、並びに表2〜3に示される平均粒径d、平均厚さt、アスペクト比(d/t)を有する従来扁平金属軟磁性粉末を作製した。さらに従来扁平金属軟磁性粉末の保磁力Hc1を測定し、その結果を表3に示した。さらに合金原料を高周波溶解して得られた溶湯から表1に示される成分組成を有する厚さ:1mmの板を作製し、この板のビッカース硬さを測定し、その結果を表3に示した。
このようにして得られた本発明扁平金属軟磁性粉末1〜20、比較扁平金属軟磁性粉末1〜2および従来扁平金属軟磁性粉末に塩素化ポリエチレン:15質量%を混合し混練したのち、ロール成形することにより扁平金属軟磁性粉末の扁平面がシート面に平行に配列した厚み:0.5mmを有する磁性複合シートを作製した。X線の入射方向と回折方向とを含む平面がこの磁性複合シートのシート面に垂直となるようにし、かつ入射方向とシート面がなす角と回折方向とシート面がなす角とが等しくなるようにして測定することによりCu−KαのX線回折パターンを求め、ピーク強度比I220/I111を求め、その結果を表2〜3に示した。
表2〜3から明らかなように、Fe−Ni−(Nb,V,Ta)系金属軟磁性粉末を粘性の一層高い溶媒とともにアトライタを使用して扁平化処理して得られたこの発明のFe−Ni−(Nb,V,Ta)系扁平金属軟磁性粉末は、粉末の扁平面と平行に面心立方(fcc)格子の(100)面が配向しているが、面指数(110)面のピークは面心立方(fcc)格子の回折ピークの消滅則により、X線回折パターンにはほとんど現れず、FeNi規則相の生成により、ごくわずかに観測されるのみである。そしてこのピーク高さはFeNi規則相の生成量により影響を受ける。そこで(110)面による二次の回折ピークでありかつFeNi規則相の生成による影響を受けない面指数(220)のピーク高さI220を測定し、結晶方位が配向していない場合に最大ピークを示す面指数(111)のピーク高さI111とのピーク強度比I220/I111を求めた。
さらに、これら磁性複合シートから外径:20mm、内径:10mmの寸法にリング状に切り出して試料を作製し、この試料を用いて透磁率μを測定し、その結果を表2〜3に示した。
さらに、これら磁性複合シートから長さ:20mm、幅:10mmの寸法に短冊状に切り出して試料を作製し、この試料を用いて保磁力Hc2を測定したのち、その断面を金属顕微鏡で観察し、扁平金属軟磁性粉末がS字状に変形して試料の素地分散している扁平金属軟磁性粉末の有無を調べ、その結果を表2〜3に示した。
Figure 2006219714
Figure 2006219714
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表1〜3に示す結果から、本発明扁平金属軟磁性粉末1〜20は従来扁平金属軟磁性粉末に比べて保磁力が同等か低く、透磁率が高いところから、本発明扁平金属軟磁性粉末1〜20で作製した磁性複合シートは、従来扁平金属軟磁性粉末で作製した磁性複合シートに比べて、電波吸収体や高周波用磁性材料として優れた特性を有することが解る。しかし、この発明の条件から外れた条件の比較扁平金属軟磁性粉末1〜2で作製した磁性複合シートは好ましくない特性を示すことが解る。
実施例2
実施例1で作製した表1〜3に示される本発明扁平金属軟磁性粉末1〜20を原料粉末とし、これらをそれぞれ表4〜5に示される条件で酸化処理することにより本発明扁平金属軟磁性粉末の表面に表4〜5に示される厚さの酸化膜を形成し、本発明酸化膜被覆扁平金属軟磁性粉末1〜20を作製した。
この本発明酸化膜被覆扁平金属軟磁性粉末1〜20に塩素化ポリエチレン:15質量%を混合し混練したのち、ロール成形することにより酸化膜被覆扁平金属軟磁性粉末の扁平面がシート面に平行に配列した厚み:0.5mmを有する磁性複合シートを作製し、この磁性複合シートの抵抗率を測定し、その結果を表4〜5に示した。なお、本発明酸化膜被覆扁平金属軟磁性粉末1〜20のその他の特性は本発明扁平金属軟磁性粉末1〜20とほぼ同じであった。
Figure 2006219714
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表4〜5に示される結果から、実施例1で作製した本発明被覆扁平金属軟磁性粉末1〜20を酸化雰囲気中で加熱または蒸留水中煮沸することにより表面に厚い酸化膜を形成した本発明酸化膜被覆扁平金属軟磁性粉末1〜20を用いて作製し磁性複合シートは高い抵抗率を示すことが分かる。

Claims (8)

  1. 質量%で(以下、%は質量%を示す。)、Ni:60〜90%を含有し、さらにNb,VおよびTaのうちの1種または2種以上を合計で0.05〜20%を含有し、残部:Feおよび不可避不純物からなる成分組成、並びに平均粒径:30〜150μmおよびアスペクト比(平均粒径/平均厚さ):5〜500の扁平面を有するFe−Ni−(Nb,V,Ta)系金属軟磁性粉末(以下、Fe−Ni−(Nb,V,Ta)系扁平金属軟磁性粉末という)であって、X線の入射方向と回折方向とを含む平面が前記Fe−Ni−(Nb,V,Ta)系扁平金属軟磁性粉末の扁平面に垂直となるようにし、かつ入射方向と扁平面がなす角と回折方向と扁平面がなす角とが等しくなるようにして測定したX線回折パターンにおける面指数(220)のピーク高さをI220、面指数(111)のピーク高さをI111とすると、ピーク強度比I220/I111が0.1〜10の範囲内にあることを特徴とするFe−Ni−(Nb,V,Ta)系扁平金属軟磁性粉末。
  2. 質量%で(以下、%は質量%を示す。)、Ni:60〜90%を含有し、さらにNb,VおよびTaのうちの1種または2種以上を合計で0.05〜20%を含有し、さらにAlおよびMnのうちの1種または2種:0.01〜1%含有し、残部:Feおよび不可避不純物からなる成分組成、並びに平均粒径:30〜150μmおよびアスペクト比(平均粒径/平均厚さ):5〜500の扁平面を有するFe−Ni−(Nb,V,Ta)系金属軟磁性粉末(以下、Fe−Ni−(Nb,V,Ta)系扁平金属軟磁性粉末という)であって、X線の入射方向と回折方向とを含む平面が前記Fe−Ni−(Nb,V,Ta)系扁平金属軟磁性粉末の扁平面に垂直となるようにし、かつ入射方向と扁平面がなす角と回折方向と扁平面がなす角とが等しくなるようにして測定したX線回折パターンにおける面指数(220)のピーク高さをI220、面指数(111)のピーク高さをI111とすると、ピーク強度比I220/I111が0.1〜10の範囲内にあることを特徴とするFe−Ni−(Nb,V,Ta)系扁平金属軟磁性粉末。
  3. 請求項1または2記載のFe−Ni−(Nb,V,Ta)系扁平金属軟磁性粉末の扁平面が樹脂中に配向して分散していることを特徴とする磁性複合材。
  4. 請求項3記載の磁性複合材は磁性複合シートであって、請求項1または2記載のFe−Ni−(Nb,V,Ta)系扁平金属軟磁性粉末の扁平面が磁性複合シートの厚さ方向に対して直角方向に配向して分散していることを特徴とする磁性複合シート。
  5. 質量%で(以下、%は質量%を示す。)、Ni:60〜90%を含有し、さらにNb,VおよびTaのうちの1種または2種以上を合計で0.05〜20%を含有し、残部:Feおよび不可避不純物からなる成分組成、並びに平均粒径:30〜150μmおよびアスペクト比(平均粒径/平均厚さ):5〜500の扁平面を有するFe−Ni−(Nb,V,Ta)系金属磁性粉末(以下、Fe−Ni−(Nb,V,Ta)系扁平金属軟磁性粉末という)の表面に厚さ:50〜1000Åの酸化膜が形成されている酸化膜被覆Fe−Ni−(Nb,V,Ta)系扁平金属軟磁性粉末であって、
    X線の入射方向と回折方向とを含む平面が前記酸化膜被覆Fe−Ni−(Nb,V,Ta)系扁平金属軟磁性粉末の扁平面に垂直となるようにし、かつ入射方向と扁平面がなす角と回折方向と扁平面がなす角とが等しくなるようにして測定したX線回折パターンにおける面指数(220)のピーク高さをI220、面指数(111)のピーク高さをI111とすると、ピーク強度比I220/I111が0.1〜10の範囲内にあることを特徴とする酸化膜被覆Fe−Ni−(Nb,V,Ta)系扁平金属軟磁性粉末。
  6. 質量%で(以下、%は質量%を示す。)、Ni:60〜90%を含有し、さらにNb,VおよびTaのうちの1種または2種以上を合計で0.05〜20%を含有し、さらにAlおよびMnのうちの1種または2種:0.01〜1%含有し、残部:Feおよび不可避不純物からなる成分組成、並びに平均粒径:30〜150μmおよびアスペクト比(平均粒径/平均厚さ):5〜500の扁平面を有するFe−Ni−(Nb,V,Ta)系金属磁性粉末(以下、Fe−Ni−(Nb,V,Ta)系扁平金属軟磁性粉末という)の表面に厚さ:50〜1000Åの酸化膜が形成されている酸化膜被覆Fe−Ni−(Nb,V,Ta)系扁平金属軟磁性粉末であって、
    X線の入射方向と回折方向とを含む平面が前記酸化膜被覆Fe−Ni−(Nb,V,Ta)系扁平金属軟磁性粉末の扁平面に垂直となるようにし、かつ入射方向と扁平面がなす角と回折方向と扁平面がなす角とが等しくなるようにして測定したX線回折パターンにおける面指数(220)のピーク高さをI220、面指数(111)のピーク高さをI111とすると、ピーク強度比I220/I111が0.1〜10の範囲内にあることを特徴とする酸化膜被覆Fe−Ni−(Nb,V,Ta)系扁平金属軟磁性粉末。
  7. 請求項5または6記載の酸化膜被覆Fe−Ni−(Nb,V,Ta)系扁平金属軟磁性粉末の扁平面が樹脂中に配向して分散していることを特徴とする磁性複合材。
  8. 請求項7記載の磁性複合材は磁性複合シートであって、請求項5または6記載の酸化膜被覆Fe−Ni−(Nb,V,Ta)系扁平金属軟磁性粉末の扁平面が磁性複合シートの厚さ方向に対して直角方向に配向して分散していることを特徴とする磁性複合シート。
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