JP2016003366A - 軟磁性合金粉末並びにそれを用いた圧粉磁芯及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、Fe、B、P、Cu及びSnを含む非晶質単相の軟磁性合金を熱処理することなく、そのまま粉砕し、非晶質合金粉末を得、またこの得られた非晶質合金粉末にバインダを混合して加圧成形し、熱処理して製造する、ナノ結晶を含有する圧粉磁心及び圧粉磁心の製造方法を提供することを目的とする。【解決手段】組成式FeaSibBcPxCuySnzで表わされ、79≦a≦86at%、0≦b≦10at%、1≦c≦14at%、1≦x≦15at%、0.4≦y≦2at%、0.5≦z≦6at%及び0.04≦y/x≦1.20を満たす軟磁性合金粉末であって、当該軟磁性合金粉末は、非晶質単相である、軟磁性合金粉末を用いて圧粉磁心を作製した。【選択図】図1

Description

本発明は、軟磁性合金粉末並びにそれを用いた圧粉磁芯及びその製造方法に関する。
近年の電気機器や電子機器の小型、軽量、高速化への対応はめざましく、それに伴い電気機器や電子機器に用いられる磁性材料には、より高い飽和磁束密度と、より高い透磁率が求められている。そこで、高飽和磁束密度および高透磁率を有する軟磁性合金粉末や、それを用いた圧粉磁心等を得るために、多様な技術が知られている。
このような技術のうち、特許文献1には、Fe、Si、Al及びBを含む非晶質合金を、その結晶化温度より低い温度で脆化させるのに十分な時間加熱して脆化した非晶質合金を粉砕し、これを結晶化温度より高い温度に加熱して組織の30%以上を結晶質とする、ナノ結晶を含む軟磁性合金粉末を得る技術が開示されている。また特許文献2には、Fe、Si、Al、Nb及びBを含む非晶質相を主相とする急冷薄帯を、熱処理前に粉砕処理または粉砕・扁平化することにより所定のアスペクト比及び粒度に調整して非晶質合金粉末とし、該非晶質合金粉末を所定温度で熱処理することにより、ナノ結晶を含む軟磁性合金粉末を得る技術が開示されている。さらに特許文献3には、Fe、Cu、B及びSiを含み、平均粒径60nm以下の体心立方構造の結晶粒が非晶質母相中に体積分率で30%以上分散した組織を有し、飽和磁束密度が1.7T以上である軟磁性合金粉末であって、平均粒径30nm以下の結晶粒が非晶質母相中に体積分率で0%超30%未満で分散した組織を有し、180°折曲げにより破断する、Fe基合金薄帯又はFe基合金薄片の製造方法と、この、Fe基合金薄帯又はFe基合金薄片を粉砕および熱処理することにより、ナノ結晶を含む軟磁性合金粉末を得る技術が開示されている。
特許第3655321号公報 特許第4342956号公報 特開2013−67863号公報
しかしながら、従来のナノ結晶を含む軟磁性合金粉末の製造方法においては、溶融合金を急冷することにより作成された非晶質合金薄帯は、密着曲げが可能であるため、そのまま粉砕が困難であり、よって薄帯強度を低下させるため熱処理を行ってから粉砕を行っており、製造工程が多いという問題があった。また、粉砕して得られた軟磁性合金粉末から圧粉磁心を製造する場合、シリコーン等のバインダを加えて加圧成形後、熱処理を行ってナノ結晶化を行うが、この熱処理を施す際、α−Feへの相変態に伴うエネルギー放出(発熱)が急激に起こり、軟磁性合金粉末の温度が急上昇して結晶粒の粗大化や化合物の生成が引き起こされ、軟磁気特性が劣化する問題があるが、上記特許文献1〜3に開示される技術においては、かかる問題に対して何ら考慮がなされていない。また、従来のFe−B−P−Cu系の非晶質の軟磁性合金粉末を用いた圧粉磁心の製造においては、圧粉磁心とバインダを混合して加圧成形後に、軟磁気特性の向上を目的としたα−Feナノ結晶生成のための熱処理を要するが、このナノ結晶生成が急激な発熱を伴うため、結晶粒の粗大化や不純物の生成を抑制しながら十分なα−Feナノ結晶を析出させるためには、複雑な熱処理パターンを必要とするという問題があった。
そこで、本発明は、Fe、B、P及びCuを含む非晶質軟磁性合金が密着曲げ可能であって粉砕困難であり、熱処理を要することに対し、Fe、B、P、Cu及びSnを含む軟磁性合金が、そのまま粉砕容易であることに鑑みてなされたものである。即ち、本発明は、Fe、B、P、Cu及びSnを含む非晶質単相の軟磁性合金を熱処理することなく、そのまま粉砕し、軟磁性合金粉末を得、またこの得られた軟磁性合金粉末にバインダを混合して加圧成形し、熱処理して製造する、ナノ結晶を含有する圧粉磁心及び圧粉磁心の製造方法を提供することを目的とする。また、軟磁性合金粉末にSnを含有することにより、圧粉磁心製造の際の、軟磁性合金粉末をバインダと混合し加圧成形した後の熱処理工程において、ナノ結晶化による発熱が緩やかであることから、当該熱処理工程での応力緩和が十分でありながら当該熱処理工程の温度制御が容易であり、軟磁気特性に優れる圧粉磁芯の製造方法及びこの方法によって製造された圧粉磁心を提供することを目的とする。
本発明の発明者らは、Snを含む非晶質単相の軟磁性合金が熱処理せずにそのままで粉砕容易であることを見出し、かかる軟磁性合金粉末を用いた圧粉磁芯の作製を案出した。本発明は、かかる知見に基づいてなされたものである。
すなわち、本発明によれば、組成式FeSibcCuSnで表わされ、79≦a≦86at%、0≦b≦10at%、1≦c≦14at%、1≦x≦15at%、0.4≦y≦2at%、0.5≦z≦6at%及び0.04≦y/x≦1.20を満たす軟磁性合金粉末であって、
当該軟磁性合金粉末は、非晶質単相である、
軟磁性合金粉末が得られる。
また、本発明によれば、第2の軟磁性合金粉末として、第1の軟磁性合金粉末であって
Feの一部をTi、Nb、Mo、Cr、Al、Mn、Zn、Sのうち1種類以上の元素で置換してなる軟磁性合金粉末において、Ti、Nb、Mo、Cr、Al、Mn、Zn、Sのうち1種類以上の元素は組成全体の3at%以下であり、Ti、Nb、Mo、Cr、Al、Mn、Zn、Sのうち1種類以上の元素とFeとの合計は前記aについての条件79≦a≦86at%を満たす
軟磁性合金粉末が得られる。
また、本発明によれば、第3の軟磁性合金粉末として、
第1又は第2の軟磁性合金粉末であって、Feの30at%以下を、Co、Ni元素のうちの1種類以上の元素で置換してなる軟磁性合金粉末が得られる。
また、本発明によれば、第4の軟磁性合金粉末として、
第1乃至第3のいずれかの軟磁性合金粉末であって、
溶融合金を急冷して得られる薄帯を熱処理せずに粉砕して得られる、
軟磁性合金粉末が得られる。
また、本発明によれば、第5の軟磁性合金粉末として、
第1乃至第4のいずれかの軟磁性合金粉末において、熱処理後の飽和磁束密度が1.6T以上である、
軟磁性合金粉末が得られる。
また、本発明によれば、第1の圧粉磁芯として、
第1乃至第5のいずれかの軟磁性合金粉末と結合材とを混合した後に加圧成型し、更に熱処理をしてなる、
圧粉磁芯が得られる。
また、本発明によれば、第2の圧粉磁芯として、
第1乃至第5のいずれかの軟磁性合金粉末と結合材とを混合した後に加圧成型する工程と、成型された前記軟磁性合金粉末を熱処理する工程とを備える、
圧粉磁芯の製造方法が得られる。
本発明によれば、Fe、B、P、Cu及びSnを含む非晶質単相の軟磁性合金を熱処理することなく、そのまま粉砕し、軟磁性合金粉末を得ることができる。またこの得られた軟磁性合金粉末にバインダを混合して加圧成形し、熱処理して製造することにより、ナノ結晶を含有する圧粉磁心を製造することができる。
また、本発明では、Snを含有する非晶質単相の軟磁性合金粉末を用いたことから、圧粉磁心の製造工程において、軟磁性合金粉末とバインダを混合して加圧成形した後の、ナノ結晶化のための熱処理工程における急激な発熱を緩和させることができる。これにより、当該熱処理工程での応力緩和が十分でありながら、当該熱処理工程の温度制御が容易であり、また、圧粉磁心中での結晶粒の粗大化や化合物の生成が抑制され、優れた軟弱磁気特性を有する圧粉磁芯が本発明により得られる。
本発明の実施の形態による軟磁性合金粉末および圧粉磁心の製造方法を模式 的に示したフロー図である。 本発明の軟磁性合金粉末の発熱挙動確認のために使用されたDSC曲線を示 す図である。 本発明の実施例1、2、4、5における軟磁性合金粉末および比較例1にお ける薄帯のDSC曲線を示す図である。 本発明の実施例6、7における軟磁性合金粉末および比較例2、4における 薄帯のDSC曲線を示す図である。
本発明の各実施の形態による圧粉磁心の製造方法は、図1に示されるように、概略、2つの工程を備えている。即ち、溶解した合金を急冷、粉砕して軟磁性合金粉末を作製する粉末作製工程と、当該軟磁性合金粉末を用いて圧粉磁心を作製する磁心作製工程とを備えている。ここで磁心作製工程では、軟磁性合金粉末にシリコーン系などの耐熱性が高く絶縁性が良好な結合材を混合することにより、造粒粉を得る。次いで、金型を用いて造粒粉を加圧成型して圧粉体を得る。その後、圧粉体を熱処理して、ナノ結晶化と結合材の硬化を同時に行い、圧粉磁心を作製する。
ここで、粉末作製工程の説明の前に本実施の形態による軟磁性合金粉末の組成について説明する。本実施の形態による軟磁性合金粉末の組成式は、組成式FeSibcCuSnで表わされ、79≦a≦86at%、0≦b≦10at%、1≦c≦14at%、1≦x≦15at%、0.4≦y≦2at%、0.5≦z≦6at%及び0.04≦y/x≦1.20を満たしている。かかる組成式を満たすことにより、結晶化開始温度を制御して良好な軟磁気特性を得ることができる。
上記の軟磁性合金粉末は、Feは主元素であり、磁性を担う必須元素である。飽和磁束密度の向上及び原料価格の低減のため、Feの割合が多いことが基本的には好ましい。1.6T以上の高いBsを得るためには、Feの割合が79at%以上が好ましい。Feの割合が86at%より多いと、急冷条件下における非晶質相の形成能が低下し薄帯を得にくくなるので、86at%以下が好ましい。
また、上記の軟磁性合金粉末において、Siは非晶質相の形成を担う元素であり、必ずしも含まれなくても良いが、Siの含有により、α−Fe析出温度とFe−BやFe−Pなどの化合物形成温度との差ΔTが拡大でき、α−Feナノ結晶のの安定化に寄与する。また、Siの割合が過剰になると、非晶質の形成能が低下するため10at%以下が好ましく、更に8at%以下がより好ましい。特にSiの割合が2at%以上であると非晶質の形成能が改善され非晶質合金薄帯を安定して作製でき、またΔTが増加することで、均質なナノ結晶を得ることができる。
また、上記の軟磁性合金粉末において、Snは非晶質相の形成を担う元素であり、またこのSnの含有により、溶解した合金を急冷して生成した非晶質合金薄帯・薄片について熱処理することなく、そのまま粉砕することができるため、必須元素である。Snの割合が0.5at%以上であると、熱処理せずに粉砕できる非晶質合金薄帯・薄片を安定して作製でき、また均質なナノ結晶を得ることができることから、Snの割合が0.5at%以上が好ましい。また、Sn添加量が多くなりすぎると、熱処理時に化合物が析出しやすくなったり、Snが固溶しきれなくなり合金組成物が不均一になったりするため、Snの添加量は6at%以下が好ましい。
また、上記の軟磁性合金粉末において、Bは非晶質相の形成を担う必須元素である。非晶質合金薄帯を安定的に作製するためには、1at%以上が必要であり、非晶質相の形成能を考慮すると、2at%以上が好ましい。更に、Bの割合が5at%以上であると、ΔTが拡大でき、ナノ結晶の安定化に寄与するため好ましい。また均質なナノ結晶組織を得るためには14at%以下が好ましい。特に量産化のため合金組成物が低い融点を有する必要がある場合、Bの割合は10at%以下であることが好ましい。
また、上記の軟磁性合金粉末において、Pは非晶質相の形成やナノ結晶の微細化を担う必須元素である。非晶質合金薄帯を安定的に製作するためには、Pの割合が1at%以上必要であり、均質なナノ結晶組織を得るためには3at%以上であることが好ましい。またPの割合が過剰になるとΔTが小さくなり、ナノ結晶生成のための熱処理が困難となるため、15at%以下が好ましい。1.65T以上のBsが必要な場合は、Pの割合は10at%以下、1.7T以上のBsが必要な場合は、8at%以下が好ましい。
また、上記の軟磁性合金粉末において、Cは非晶質相の形成を担う元素であり、必ずしも含まれなくても良い。Si、B、P元素などとの組み合わせにより、非晶質相の形成能やナノ結晶の安定性を高めることが可能になる。またCは安価であるため、Cの添加により総材料コストが低減される。但し、Cの割合が10at%を超えると、合金組成物が脆化し、軟磁気特性の劣化が生じる問題がある。したがって、Cの割合は10at%以下が好ましい。特に均質なナノ結晶組織を得るためにはCの割合が5at%以下が好ましい。更に、軟磁性合金粉末の原材料となる合金等を混合するための溶解時におけるCの蒸発に起因した組成のばらつきを抑えるためには、Cの割合は4at%以下が好ましい。
また、上記の軟磁性合金粉末において、Cuはナノ結晶化に寄与し、本発明の軟磁性合金粉末を形成するための必須元素である。なお、Cuの割合が0.4at%より少ないと、ナノ結晶化が困難になる。Cuの割合が過剰になると、非晶質相の形成能が低下するため、2at%以下が好ましい。更にナノ結晶をより微細化させるためには、Cuの割合を0.5at%以上にするのが好ましい。また非晶質相からなる軟磁性合金粉末を均質にし、軟磁気特性を向上させるためには、Cuの割合は1.1at%以下であることが好ましい。
なお、PとCuとの間には、強い原子間引力がある。従って、上記軟磁性合金粉末が特定の比率のPとCuとを含んでいると、10nm以下のサイズのクラスターが形成され、このナノサイズのクラスターによってFe基ナノ結晶合金の形成の際にbccFe結晶は微細構造を有するようになる。より具体的には、本実施の形態によるFe基ナノ結晶合金は平均粒径が25nm以下であるbccFe結晶を含んでいる。本実施の形態においては、Pの割合(x)とCuの割合(y)との特定の比率(y/x)は0.04以上、1.2以下である。この範囲以外では、均質なナノ結晶組織が得られず、従って、合金組成物は優れた軟磁気特性を具備しない。なお、特定の比率(y/x)は合金組成物の脆化及び酸化を考慮すると0.8以下が好ましく、更に0.08以上0.55以下であることが好ましい。
また、上記の軟磁性合金粉末において、Feの3at%以下をTi、Nb、Mo、Cr、Al、Mn、Zn、Sのうち1種類以上の元素で置換することにより、ことにより良好な磁気特性が得られる。これらの元素は、元素は、基本的に不純物元素であり、製造過程において軟磁性合金粉末に含有される可能性がある。不純物元素を多く含有した場合には、磁気特性が劣化すると考えられるが、Fe置換が3at%以下であれば、耐食性の改善や電気抵抗の調整などのため、飽和磁束密度の著しい低下が生じない範囲で置換可能で、良好な磁気特性を維持できる。
さらに、耐食性、非晶質相形成能、結晶粒成長の制御のため、また飽和磁束密度や磁歪などの制御のため、Feの30at%以下を磁性元素であるCo、Niと置換してもよい。
本発明の実施の形態における軟磁性合金粉末及び圧粉磁心の製造方法を図1に示す。ここで、軟磁性合金粉末の製造方法はP1によって示される。すなわちこの工程P1は、原料として、所定の組成を有する、母合金とSnを秤量し、高周波溶解にて溶解した後、液体急冷法などによって連続薄帯若しくは薄片状の非晶質合金を作製し、これを粉砕及び回収して非晶質の軟磁性合金粉末を得る工程から成る。
原料は、上記の通り所定の組成を有する母合金とSnから構成される以外にも、所定の組成となるように、各合金原料(Fe−Si、Fe−Bなど)とSnから構成することもできる。連続薄帯若しくは薄片形状の非晶質合金は、Fe基非晶質薄帯などの製造に使用されている単ロール製造装置や、双ロール製造装置のような従来の装置を使用して形成することができる。
非晶質合金の粉砕については、ボールミル、スタンプミル、遊星ミル、サイクロンミル、ジェットミル、アトマイザーなど種々の粉砕装置(衝撃式・気流式を問わない)を採用することができる。ここで、Snを添加した薄帯を粉砕する本発明の製造方法では、従来の製造工程と異なり、連続薄帯もしくは薄片形状の非晶質合金に熱処理を行うことなく、そのまま粉砕することが可能である。
粉砕して得られた軟磁性合金粉末の回収工程においては、所定のメッシュ間隔を有する篩を用いて分級することで、未粉砕の薄片を除去し、所望の粒径を有する軟磁性合金粉末のみを回収することが可能である。軟磁性合金粉末の粒径は、粉砕条件やメッシュ間隔を調整することで変更可能であるが、本発明の製造方法においては、Sn添加量を調整することで、軟磁性合金粉末の粒径を制御することができる。Sn添加量の調整による粒径制御では、上記の一般的な粒径制御方法と比較して、十分な軟磁性合金粉末の粉末回収率と優れた軟磁気特性を両立することが出来る。なお、優れた、軟磁気特性は、軟磁性合金粉末の内部に生成する粉砕時の歪みを抑制できることに起因するものである。
圧粉磁心の製造工程は図1のP2によって示される。すなわち、本発明の製造方法により得られた軟磁性合金粉末を、シリコーン系などの耐熱性が高く絶縁性が良好な結合材と混合および粒度調整して造粒粉を得る。次いで、金型を用いて造粒粉を加圧成形して圧粉体を得る。その後圧粉体を熱処理して、結合材の硬化と追加のナノ結晶化を同時に行い、圧粉磁心を得る。なお、成形体の作製においては、ホットプレスなどの加圧成形とその後の熱処理を同じ工程で行っても良く、また加圧成形に限らず結合材と混合した後、射出形成糖の形成方法を用いて行っても良い。
本発明の製造方法により得られた軟磁性合金粉末は、所定の昇温温度で加熱し続けた場合、発熱ピークを2つ以上有するものである。すなわち、ナノ結晶化の際にエネルギーを放出するという特徴がある。これらの発熱ピークの測定には示差走査型熱量分析計(DSC)が用いられる。DSCでは、測定試料と基準物質との間の熱量の差を測定しており、この測定によって得られるDSC曲線は、縦軸に重量で規格化した熱流、横軸に温度や時間をとった曲線となる。DSCで測定されるDSC曲線について説明する。図2は、本発明の軟磁性合金粉末の発熱挙動確認のために使用されたDSC曲線を示す図である。DSC曲線は、Pt製試料容器中に投入した試料をDSC装置内に設置し、不活性雰囲気中において昇温速度40℃/分で試料を目的の温度まで加熱することで得られる。図2中のTX1は第1結晶化温度であり、ベースライン20と第1立ち上がり部12のうち最も正の傾きの大きい点を通る接線である第1上昇接線32との交点にて定まる温度である。またTX2は第2結晶化温度であり、ベースライン21と第2立ち上がり部16のうち最も正の傾きの大きい点を通る接線である第2上昇接線42との交点にて定まる温度である。また、図2のDSC曲線において、ベースラインに対する山のピークは発熱反応、谷のピークは吸熱反応として現れるが、第一ピーク11はα−Fe析出に伴う発熱ピークであり、第二ピーク15はFe−B系やFe−P系化合物の析出に伴う発熱ピークである。従って、圧粉磁心の製造工程における熱処理では、第一結晶化のみを促進するように、熱処理することで、優れた磁気特性を有する圧粉磁心を製造することができる。
本発明の製造方法によって得られた、軟磁性合金粉末は、図3(b)〜(e)、図4(b)及び(d)に示されるように、α−Fe析出(ナノ結晶化)に基づく発熱ピークがブロードとなっている。発熱ピークのブロード化は、熱処理における発熱反応の緩和を表していることから、本発明により得られた軟磁性合金粉末を用いることで、磁心形成後の追加熱処理において急激な発熱が抑制されるため、熱処理制御が容易になり、磁気特性の劣化を防ぐことが可能である。
また 本発明の製造方法により得られた圧粉磁心は、軟磁性合金粉末を用いて作製されるため、特許文献3のような、ナノ結晶が析出している薄帯等を粉砕して軟磁性合金粉末を作製し、圧粉磁心を作製する従来の製作方法に比べて、粉砕や加圧成形時に加わった軟磁性合金粉末の内部の応力が緩和されやすく、磁気特性の劣化を防ぐことが可能である。すなわち、ナノ結晶(α−Fe)に加わった応力は、700℃以上の高温処理により除去することができるが、ナノ結晶にこのような温度で熱処理すると化合物が生成してしまうため、粉砕や加圧成形時にナノ結晶に加わった応力は実質的には除去できない。一方、非晶質合金に加わった応力は、ナノ結晶化の過程(原子移動)で緩和されるため、ナノ結晶が析出しているときのような磁気特性の劣化は起こらない。
しかしながら、Sn添加量が多くなりすぎると、図2に示される第1結晶化温度Tx1と第2結晶化温度Tx2との差であるΔTが減少しすぎて、熱処理時に化合物が析出しやすくなったり、Snが固溶しきれなくなり合金組成物が不均一になったりするため、Snの添加量は本発明の範囲であることが望ましい。
以上により、本発明の製造方法においては、連続薄帯もしくは薄片形状の合金組成物にSnを0.5at%以上6at%以下の範囲で添加していることから、粉砕前の熱処理工程を省略可能であり、磁気特性が良好で、粒度の制御された軟磁性合金粉末を得ることができる。また本発明の製造方法により得られた軟磁性合金粉末は、ナノ結晶化に基づく発熱ピークがブロードになっていることから、圧粉磁心形成後の熱処理工程において急激な発熱が抑制され、結晶の粗大化や不要な化合物の生成を容易に抑制できるものであり、また、非晶質でもあることから粉砕工程及び加圧成形工程において付加される内部応力を緩和することも可能であり、したがって、圧粉磁心においても優れた軟磁気特性を有するものとなる。
以下、本発明について実施例および比較例を用いて説明する。
(軟磁性合金粉末:実施例1〜5、比較例1)
Fe、Fe−B、Fe−P、Cuからなる原料をFe83.3Cu0.7合金組成となるように秤量し、高周波溶解にて溶解した後、冷却して母合金を作製した。この母合金を粉砕し、Fe82.56.98.9Cu0.7Sn1.0(実施例1)、Fe81.66.98.8Cu0.7Sn2.0(実施例2)、Fe80.76.88.7Cu0.7Sn3.1(実施例3)、Fe80.06.78.6Cu0.7Sn4.0(実施例4)、Fe81.56.98.8Cu0.7Sn1.1Nb1.0(実施例5)のそれぞれの合金組成となるように、粉砕した母合金とSn、Nbを秤量し、高周波溶解にて溶解した。その後、溶解した合金組成物を、大気中において単ロール液体急冷法にて処理し、厚さ25μm、幅5mm、長さ30mの連続薄帯を作製した。また比較例1として、Fe、Fe−B、Fe−P、Cuからなる原料をFe83.3Cu0.7の合金組成となるように秤量し、高周波溶解にて溶解した。その後、溶解した合金組成物を大気中において単ロール液体急冷法にて処理し、厚さ25μm、幅5mm、長さ30mの連続薄帯を作製した。得られた薄帯20gをビニール袋に入れて手で荒粉砕した後、SUS製メディア160gと一緒に金属製ポッドに投入し、回転数165rpmにて12時間ポッドを回転させることで、ボールミルによる本粉砕を実施した。得られた粉砕粉末を150μmのメッシュに通し、粉砕不十分な薄片を除去して、軟磁性合金粉末を作製した。得られた軟磁性合金粉末については、平均粒径を測定し、また、結晶構造及び結晶化に伴う発熱反応を評価した。ここで、平均粒径については、レーザー回折式の乾式粒度分布計を用いて計測し、体積基準のD50を評価した。また、結晶構造の評価は粉末X線回折装置(XRD)にて行った。さらに、結晶化に伴う発熱反応は示差走査型熱量分析計(DSC)を用いて毎分40℃の昇温速度にて評価した。表1に、得られた軟磁性合金粉末の特性を示す。
Figure 2016003366
表1に示すように、Snを添加しない比較例1においては密着曲げが可能であり、すなわち薄帯を180°折り曲げても破断せず、粗粉砕することができなかった。一方、Snを添加した実施例1〜5においては、平均粒径28〜73μmの軟磁性合金粉末が得られている。軟磁性合金粉末の平均粒径はSnの添加量が多いほど小さくなっており、Sn量を制御することで粉末サイズを制御できることを示している。またこの結果は、Sn添加量が多いほど粉砕性が良好であることも示しており、本発明による軟磁性合金粉末の製造方法では、効率的に、且つ粒径を制御した軟磁性合金粉末を製造することができるといえる。
図3に本発明の製造方法にて得られた軟磁性合金粉末(実施例1、2、4、5)と比較例1の薄帯のDSC曲線を示す。図中の記号と、実施例又は比較例との対応関係は以下のとおりである。
(a)比較例1:Fe83.3Cu0.7薄帯
(b)実施例1:Fe82.56.98.9Cu0.7Sn1.0粉末
(c)実施例2:Fe81.66.98.8Cu0.7Sn2.0粉末
(d)実施例4:Fe80.06.78.6Cu0.7Sn4.0粉末
(e)実施例5:Fe81.56.98.8Cu0.7Sn1.1Nb1.0粉末
図3より、Snを添加せずに作製した比較例1と比較して、実施例1、2、4、5では、Sn添加量が多いほど、α−Fe析出に伴う発熱ピークがブロードになっていることが分かる。これは、熱処理によるナノ結晶化工程において、発熱反応が緩化していることを示しており、本発明による製造方法では、磁心形成後のナノ結晶化処理において急激な発熱を抑制する軟磁性合金粉末を製造することが可能であるといえる。
(軟磁性合金粉末:実施例6〜8、比較例2〜4)
Fe、Fe−Si、Fe−B、Fe−P、Cu、Snからなる原料を、Fe82.8Si10Cu0.7Sn0.5(実施例6)、Fe84.0Si1.09.44.0Cu0.6Sn1.0(実施例7)、Fe79.7Si0.98.93.8Cu0.7Sn6.0(実施例8)、Fe84.8Si1.09.54.0Cu0.7(比較例2)、Fe79.0Si0.98.83.7Cu0.6Sn7.0(比較例3)、Fe83.3Si10Cu0.7(比較例4)の合金組成になるように秤量し、高周波溶解にて、溶解した。その後、溶解した合金組成物を、大気中において単ロール液体急冷法にて処理し、厚さ25μm、幅5mm、長さ30mの連続薄帯を作製した。得られた、薄帯20gをビニール袋に入れて手で荒粉砕した後、SUS製メディア160gと一緒に金属製ポッドに投入し、回転数165rpmにて12時間ポッドを回転させることで、ボールミルによる本粉砕を実施した。得られた粉砕粉末を150μmのメッシュに通し、粉砕不十分な薄片を除去して、軟磁性合金粉末を作製した。得られた軟磁性合金粉末については、平均粒径を測定し、また、結晶構造及び結晶化に伴う発熱反応を評価した。ここで、平均粒径については、レーザー回折式の乾式粒度分布計を用いて計測し、体積基準のD50を評価した。また、結晶構造の評価は粉末X線回折装置(XRD)にて行った。さらに、結晶化に伴う発熱反応は示差走査型熱量分析計(DSC)を用いて毎分40℃の昇温速度にて評価した。表2に、得られた軟磁性合金粉末の特性を示す。
Figure 2016003366
表2に示すように、Snを添加しない比較例2、4では、密着曲げが可能であり、粗粉砕することができなかったが、Snを添加した実施例6〜8においては、平均粒径25〜150μmの軟磁性合金粉末が得られた。Sn添加量が1at%の実施例7では先述の実施例1および5とほぼ同等(73μm)の平均粒径を有する軟磁性合金粉末が得られており、Snの添加量が0.5at%の実施例6では軟磁性合金粉末の平均粒径は150μmであった。すなわち、本発明の製造方法においては、構成元素が異なっていてもSn添加量を制御することで、得られる軟磁性合金粉末の粒径を制御することが可能であることを示している。さらにSn添加量が7at%の比較例3においては、非晶質と化合物が生成している。よってこれらより、Sn添加量を0.5at%以下で6at%以下とすることにより、非晶質単相で構成される軟磁性合金粉末を得られることが分かる。
図4に、本発明の製造方法にて得られた軟磁性合金粉末(実施例6、7)と比較例2、4の薄帯のDSC曲線を示す。図中の記号と、実施例又は比較例との対応関係は以下のとおりである。
(a)比較例2:Fe84.8Si1.09.54.0Cu0.7薄帯
(b)実施例7:Fe84.0Si1.09.44.0Cu0.6Sn1.0粉末
(c)比較例4:Fe83.3Si10Cu0.7薄帯
(d)実施例6:Fe82.8Si10Cu0.7Sn0.5粉末
図4より、Snを添加せずに作製した比較例2、4に比べて、実施例6、7により得られた軟磁性合金粉末では、α−Fe析出に伴う発熱ピークがブロードになっている。また、Sn添加量が0.5at%の実施例6に比べて、Sn添加量が1at%の実施例7の方がピークはブロードになっており、特に実施例7では、先述の実施例1及び5と同程度のブロード化を示していることから、本発明の製造方法においては、構成元素が異なっていてもSn添加量を制御することで、得られる軟磁性合金粉末の発熱挙動を抑制することできるといえる。
(軟磁性合金粉末:実施例9〜11、比較例5、6)
Fe、Fe−Si、Fe−B、Fe−P、Cu、Snからなる原料を、Fe79.3SiCu0.7Sn1.0(実施例9)、Fe81.412.5Cu0.6Sn1.5(実施例10)、Fe85.1Cu0.9Sn1.0(実施例11)、Fe78.3SiCu0.7Sn1.0(比較例5)、Fe86.57.5Cu1.0Sn1.0(比較例6)の合金組成になるように秤量し、高周波溶解にて、溶解した。その後、溶解した合金組成物を大気中において単ロール液体急冷法にて処理し、厚さ25μm、幅5mm、長さ30mの連続薄帯を作製した。得られた薄帯20gをビニール袋に入れて手で荒粉砕した後、SUS製メディア160gと一緒に金属製ポッドに投入し、回転数165rpmにて12時間ポッドを回転させることで、ボールミルによる本粉砕を実施した。得られた粉砕粉末を150μmのメッシュに通し、粉砕不十分な薄片を除去して、軟磁性合金粉末を作製した。得られた軟磁性合金粉末については、平均粒径と電磁気特性を測定した。ここで、平均粒径については、レーザー回折式の乾式粒度分布計を用いて計測し、体積基準のD50を評価した。また、電磁気特性の測定に使用する試料は、あらかじめ熱処理を行った後、粉末Bs(飽和磁束密度)を測定した。この熱処理は、得られた軟磁性合金粉末3gを、Arフローの雰囲気下で、赤外線加熱装置を用いて、Tx1以上の温度(375℃〜425℃の範囲)まで昇温速度40℃/分にて加熱し、所定温度に到達後20分間保持し、空冷した。粉末Bsは、振動試料型磁力計VSM(Vibrating Sample Magnetometer)を使用して、試料重量15〜20mg、印加磁場1500kA/mにて測定した。表3に、得られた軟磁性合金粉末の特性を示す。
Figure 2016003366
表3に示すように、Feが79at%以上で86at%以下である実施例9〜11においては、非晶質単相で構成され、また粉末Bsが1.6T以上となっていて、良好な磁気特性を有していることが分かる。一方、Feが79at%未満である比較例5においては、粉末Bsは1.6T未満となっており、実施例9〜11と比較して磁気特性が劣っていることが分かる。さらに、Feが86at%を超える比較例6においては、粉末XRDから非晶質とbccFe結晶で構成されていることから、実施例9〜11とは異なり、非晶質単相で構成されていないことが分かる。
(軟磁性合金粉末:実施例12〜14、比較例7、8)
Fe、Fe−Si、Fe−B、Fe−P、Cu、Snからなる原料を、Fe82.814Cu0.7Sn0.5(実施例12)、Fe80.815Cu0.7Sn1.5(実施例13)、Fe83.814Cu0.7Sn0.5(実施例14)、Fe81.415Cu0.6Sn1.0(比較例7)、Fe83.4Si0.5Cu0.6Sn1.5(比較例8)の合金組成になるように秤量し、高周波溶解にて、溶解した。その後、溶解した、合金組成物を大気中において単ロール液体急冷法にて処理し、厚さ25μm、幅5mm、長さ30mの連続薄帯を作製した。得られた薄帯20gをビニール袋に入れて手で荒粉砕した後、SUS製メディア160gと一緒に金属製ポッドに投入し、回転数165rpmにて12時間ポッドを回転させることで、ボールミルによる本粉砕を実施した。得られた粉砕粉末を150μmのメッシュに通し、粉砕不十分な薄片を除去して、軟磁性合金粉末を作製した。得られた軟磁性合金粉末については、平均粒径と電磁気特性を測定した。ここで、平均粒径については、レーザー回折式の乾式粒度分布計を用いて計測し、体積基準のD50を評価した。また、電磁気特性の測定に使用する試料は、あらかじめ熱処理を行った後、粉末Bs(飽和磁束密度)と粉末Hc(保磁力)を測定した。この熱処理は、得られた薄帯粉砕粉末3gを、Arフローの雰囲気下で、赤外線加熱装置を用いて、Tx1以上の温度(375℃〜425℃の範囲)まで昇温速度40℃/分にて加熱し、所定温度に到達後20分間保持し、空冷した。粉末Bsは、振動試料型磁力計VSM(Vibrating Sample Magnetometer)を使用して、試料重量15〜20mg、印加磁場1500kA/mにて測定した。粉末Hcは、振動試料型磁力計VSMを使用して、試料重量10〜15mg、印加磁場−800kA/m〜+800kA/mにおいて測定した。表4に、得られた粉末の特性を示す。
Figure 2016003366
表4に示すように、Bが1at%以上で14at%以下である実施例12〜14においては、非晶質単相で構成され、また粉末Bsが1.6T以上であり、また、粉末Hcは30〜34A/mであることから、軟磁性の点で優れていることが分かる。一方、Bが14at%を超える比較例7においては、粉末Hcが200A/mと大きくなり、実施例11〜13と比較して軟磁性の点で劣っていることが分かる。これについては、比較例7では、熱処理後のナノ結晶化が困難になったため、粉末Hcが劣化したものと考えられる。さらに、Bが1at%未満である比較例8においては、粉末XRDから非晶質とbccFe結晶で構成されており、よって実施例12〜14とは異なり、非晶質単相で構成されていないことが分かる。
(軟磁性合金粉末:実施例15〜17、比較例9、10)
Fe、Fe−Si、Fe−B、Fe−P、Cu、Snからなる原料を、Fe80.815Cu0.7Sn1.5(実施例15)、Fe83.8Cu0.7Sn0.5(実施例16)、Fe83.3Si0.512Cu1.2Sn2.0(実施例17)、Fe80.316Cu0.7Sn1.0(比較例9)、Fe83.314Cu1.2Sn1.0(比較例10)の合金組成になるように秤量し、高周波溶解にて、溶解した。その後、溶解した、合金組成物を大気中において単ロール液体急冷法にて処理し、厚さ25μm、幅5mm、長さ30mの連続薄帯を作製した。得られた薄帯20gをビニール袋に入れて手で荒粉砕した後、SUS製メディア160gと一緒に金属製ポッドに投入し、回転数165rpmにて12時間ポッドを回転させることで、ボールミルによる本粉砕を実施した。得られた粉砕粉末を150μmのメッシュに通し、粉砕不十分な薄片を除去して、軟磁性合金粉末を作製した。得られた軟磁性合金粉末については、粉末の平均粒径と電磁気特性を測定した。ここで、粉末の平均粒径については、レーザー回折式の乾式粒度分布計を用いて計測し、体積基準のD50を評価した。また、電磁気特性の測定に使用する試料は、あらかじめ熱処理を行った後、粉末Bs(飽和磁束密度)と粉末Hc(保磁力)を測定した。この熱処理は、得られた軟磁性合金粉末3gを、Arフローの雰囲気下で、赤外線加熱装置を用いて、Tx1以上の温度(375℃〜425℃の範囲)まで昇温速度40℃/分にて加熱し、所定温度に到達後20分間保持し、空冷した。粉末Bsは、振動試料型磁力計VSM(Vibrating Sample Magnetometer)を使用して、試料重量15〜20mg、印加磁場1500kA/mにて測定した。粉末Hcは、振動試料型磁力計VSMを使用して、試料重量10〜15mg、印加磁場−800kA/m〜+800kA/mにおいて測定した。表5に、得られた軟磁性合金粉末の特性を示す。
Figure 2016003366
表5に示すように、Pが1at%以上で15at%以下である実施例15〜17においては、非晶質単相で構成され、また粉末Bsが1.6T以上であり、また、粉末Hcは24〜34A/mであることから、軟磁性の点で優れていることが分かる。一方、Pが15at%を超える比較例9においては、粉末Hcが53A/mと大きく、実施例15〜17と比較して軟磁性の点で劣っていることが分かる。これについては、比較例9では、熱処理後に化合物が生成したため、粉末Hcが劣化したものと考えられる。さらに、Bが1at%未満である比較例10においては、粉末XRDから非晶質とbccFe結晶で構成されており、よって実施例12〜14とは異なり、非晶質単相で構成されていないことが分かる。
(軟磁性合金粉末:実施例18、19、比較例11、12)
Fe、Fe−Si、Fe−B、Fe−P、Cu、Snからなる原料を、Fe80.86.210CuSn1.0(実施例18)、Fe84.6Cu0.4Sn1.0(実施例19)、Fe81.09.5CuSn0.5(比較例11)、Fe84.710.5Cu0.3Sn0.5(比較例12)の合金組成になるように秤量し、高周波溶解にて、溶解した。その後、溶解した、合金組成物を大気中において単ロール液体急冷法にて処理し、厚さ25μm、幅5mm、長さ30mの連続薄帯を作製した。得られた薄帯20gをビニール袋に入れて手で荒粉砕した後、SUS製メディア160gと一緒に金属製ポッドに投入し、回転数165rpmにて12時間ポッドを回転させることで、ボールミルによる本粉砕を実施した。得られた粉砕粉末を150μmのメッシュに通し、粉砕不十分な薄片を除去して、軟磁性合金粉末を作製した。得られた軟磁性合金粉末については、粉末の平均粒径と電磁気特性を測定した。ここで、粉末の平均粒径については、レーザー回折式の乾式粒度分布計を用いて計測し、体積基準のD50を評価した。また、電磁気特性の測定に使用する試料は、あらかじめ熱処理を行った後、粉末Bs(飽和磁束密度)と粉末Hc(保磁力)を測定した。この熱処理は、得られた薄帯粉砕粉末3gを、Arフローの雰囲気下で、赤外線加熱装置を用いて、Tx1以上の温度(375℃〜425℃の範囲)まで昇温速度40℃/分にて加熱し、所定温度に到達後20分間保持し、空冷した。粉末Bsは、振動試料型磁力計VSM(Vibrating Sample Magnetometer)を使用して、試料重量15〜20mg、印加磁場1500kA/mにて測定した。粉末Hcは、振動試料型磁力計VSMを使用して、試料重量10〜15mg、印加磁場−800kA/m〜+800kA/mにおいて測定した。表6に、得られた軟磁性合金粉末の特性を示す。
Figure 2016003366
表6に示すように、Cuが0.4at%以上で2at%以下である実施例18、19においては、非晶質単相で構成され、また粉末Bsが1.6T以上であり、また、粉末Hcはそれぞれ32A/m、26A/mであることから、軟磁性の点で優れていることが分かる。一方、Bが2at%を超える比較例11においては、粉末XRDから非晶質とbccFe結晶で構成されており、よって実施例12〜14とは異なり、非晶質単相で構成されていないことが分かる。Cuが0.4at%未満の比較例12においては、粉末Hcが104A/mと大きくなり、実施例15〜17と比較して軟磁性の点で劣っていることが分かる。これについては、比較例9では、熱処理後のナノ結晶化が困難になったため、粉末Hcが劣化したものと考えられる。
(軟磁性合金粉末:実施例20〜29、比較例13)
Fe、Fe−Si、Fe−B、Fe−P、Cu、Sn、Ti、Nb、Mo、Cr、Al、Mn、Zn,Sからなる原料を、Fe81.3Cu0.7Sn1.0Mo1.0(実施例20)、Fe82.25Cu0.7Sn1.0Al0.05(実施例21)、Fe82.29Cu0.7Sn1.0Ti0.01(実施例22)、Fe82.1Cu0.7Sn1.0Mn0.2(実施例23)、Fe81.2Si1.09.4Cu0.6Sn1.0Cr2.8(実施例24)、Fe79.8Cu0.7Sn1.0Zn2.5(実施例25)、Fe83.2Si1.09.54.0Cu0.7Sn1.50.1(実施例26)、Fe80.3Cu0.7Sn1.0Ni2.0(実施例27)、Fe77.3Cu0.7Sn1.0Co5.0(実施例28)、Fe62.3Cu0.7Sn1.0Co20.0(実施例29)、Fe42.3Cu0.7Sn1.0Co40.0(比較例13)の合金組成になるように秤量し、高周波溶解にて、溶解した。その後、溶解した、合金組成物を大気中において単ロール液体急冷法にて処理し、厚さ25μm、幅5mm、長さ30mの連続薄帯を作製した。得られた薄帯20gをビニール袋に入れて手で荒粉砕した後、SUS製メディア160gと一緒に金属製ポッドに投入し、回転数165rpmにて12時間ポッドを回転させることで、ボールミルによる本粉砕を実施した。得られた粉砕粉末を150μmのメッシュに通し、粉砕不十分な薄片を除去して、軟磁性合金粉末を作製した。得られた軟磁性合金粉末については、粉末の平均粒径と電磁気特性を測定した。ここで、粉末の平均粒径については、レーザー回折式の乾式粒度分布計を用いて計測し、体積基準のD50を評価した。また、電磁気特性の測定に使用する試料は、あらかじめ熱処理を行った後、粉末Bs(飽和磁束密度)と粉末Hc(保磁力)を測定した。この熱処理は、得られた軟磁性合金粉末3gを、Arフローの雰囲気下で、赤外線加熱装置を用いて、Tx1以上の温度(375℃〜425℃の範囲)まで昇温速度40℃/分にて加熱し、所定温度に到達後20分間保持し、空冷した。粉末Bsは、振動試料型磁力計VSM(Vibrating Sample Magnetometer)を使用して、試料重量15〜20mg、印加磁場1500kA/mにて測定した。粉末Hcは、振動試料型磁力計VSMを使用して、試料重量10〜15mg、印加磁場−800kA/m〜+800kA/mにおいて測定した。表7に、得られた粉末の特性を示す。
Figure 2016003366
表7に示すように、Feの3at%以下をMo、Al、Ti、Mn、Cr、Zn、Sでそれぞれ置換した実施例20〜26と、Feの30at%以下をNiで置換した実施例27、Feの30at%以下をCoで置換した実施例28、29においては、非晶質単相で構成され、また粉末Bsがすべて1.6T以上であり、また粉末Hcは27〜48と低い保磁力を示しており、良好な軟磁性特性が得られることが分かる。一方、Feの40at%をCoで置換した比較例13においては、粉末Bsが1.6Tを下回っており、また粉末Hcが90A/mと大きく、実施例28、29と比較して軟磁性特性の点で劣っていることが分かる。
(圧粉磁心実施例1〜5、圧粉磁心比較例1)
圧粉磁心実施例1〜5は、それぞれ、上記実施例1、2、4、6、7として作製された軟磁性合金粉末を用いて作製した。また圧粉磁心比較例1は、上記比較例1として作製された非晶質合金薄帯を350℃の拡散炉中にて2時間熱処理して脆化させた後、実施例1〜3、6、7と同様な方法で作製した軟磁性合金粉末を用いて作製した。具体的な圧粉磁心の作成方法について説明する。軟磁性合金粉末と軟磁性合金粉末に対して重量比で3%となる熱硬化性バインダを混合した後、500μmのメッシュを通して造粒した。造粒紛4.5gを金型に入れ、油圧式自動プレス機により圧力980MPaにて成形し、該系20mm−内径13mmの円筒形上の圧粉体を作製した。赤外線加熱装置を用いて、毎分40℃の昇温速度となるように圧粉体を加熱し、圧粉実施例4及び5以外は400℃で、圧粉実施例4は410℃で、圧粉実施例5は375℃で、20分間保持した後、空冷し、圧粉磁心を得た。圧粉磁心の密度は、天秤で測定した重量をノギスにより測定した体積で除算して求めた。電磁気特性の測定については、コアロスPcvを測定した。ここでコアロスPcvは、B−Hアナライザを用いて、周波数20kHz−磁束密度100mTにおけるコアロスPcvを測定した。表8に、圧粉磁心の評価結果を示す。
Figure 2016003366
表8より、本発明の製造方法(圧粉磁心実施例1〜5)では、圧粉磁心比較例1と比べてコアロスが小さい圧粉磁心を作製できていることが分かる。これは圧粉磁心実施例1〜5においては、ナノ結晶化における発熱反応が緩化し、圧粉磁心の生成物がα−Feのみであるのに対し、圧粉磁心比較例1においては、ナノ結晶化時の急激な発熱により、化合物が生成したためである。特に、Fe、B、P、Cu、Snで構成される圧粉磁心実施例1〜3においては、圧粉磁心実施例1に比べて圧粉磁心実施例2の方が、圧粉磁心実施例2に比べて圧粉磁心実施例3の方が、コアロスが低減しているが、これは使用した軟磁性合金粉末における発熱ピークの緩化の程度に準じている。すなわち、Sn添加量が多い軟磁性合金粉末を用いて圧粉磁心を製造することで、熱処理制御が容易化し、より優れた磁気特性を得られるといえる。圧粉磁心の密度に着目すると、Sn添加量が多い軟磁性合金粉末を用いて製造した圧粉磁心の方が、より高い密度を得られていることが分かる。これは、加圧成形時に軟磁性合金粉末が破壊されることに起因すると考えられる。すなわち、本発明の製造方法では、磁心形成後の熱処理によるナノ結晶化工程において、急激な発熱を抑制して、温度制御を容易化し、磁気特性の劣化を防ぐことができたといえる。また、加圧成形時に軟磁性合金粉末が破壊されることによって、密度の高い圧粉磁心を製造することも可能である。
以上、実施例を用いてこの発明の実施の形態を説明したが、この発明はこれらの実施例に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更があっても本発明に含まれる。すなわち、当業者であれば、当然為し得るであろう各種変形、修正もまた本発明に含まれる。
上述した実施の形態では、圧粉磁心およびその作製方法に適用可能であるが、他の磁性部品(磁性シートなど)およびその作製方法に利用することもできる
10 DSC曲線
11 第1ピーク
12 第1立ち上がり部
15 第2ピーク
16 第2立ち上がり部
20、21 ベースライン
32 第1上昇接線
42 第2上昇接線

Claims (7)

  1. 組成式FeSibcCuSnで表わされ、79≦a≦86at%、0≦b≦10at%、1≦c≦14at%、1≦x≦15at%、0.4≦y≦2at%、0.5≦z≦6at%及び0.04≦y/x≦1.20を満たす軟磁性合金粉末であって、
    当該軟磁性合金粉末は、非晶質単相である、
    軟磁性合金粉末。
  2. 請求項1に記載の軟磁性合金粉末であって、
    Feの一部をTi、Nb、Mo、Cr、Al、Mn、Zn、Sのうち1種類以上の元素で置換してなる軟磁性合金粉末において、Ti、Nb、Mo、Cr、Al、Mn、Zn、Sのうち1種類以上の元素は組成全体の3at%以下であり、Ti、Nb、Mo、Cr、Al、Mn、Zn、Sのうち1種類以上の元素とFeとの合計は前記aについての条件79≦a≦86at%を満たす
    軟磁性合金粉末。
  3. 請求項1又請求項2記載の軟磁性合金粉末であって、Feの30at%以下を、Co、Ni元素のうちの1種類以上の元素で置換してなる軟磁性合金粉末。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の軟磁性合金粉末であって、
    溶融合金を急冷して得られる薄帯を熱処理せずに粉砕して得られる、
    軟磁性合金粉末。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の軟磁性合金粉末において、熱処理後の飽和磁束密度が1.6T以上である、
    軟磁性合金粉末。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の軟磁性合金粉末と結合材とを混合した後に加圧成型し、更に熱処理をしてなる、
    圧粉磁芯。
  7. 請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の軟磁性合金粉末と結合材とを混合した後に加圧成型する工程と、成型された前記軟磁性合金粉末を熱処理する工程とを備える、
    圧粉磁芯の製造方法。
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