JP6842824B2 - 金属軟磁性合金と磁心の製造方法 - Google Patents

金属軟磁性合金と磁心の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、トランスやチョークコイル、インダクタ、リアクトル等の磁心に好適な金属軟磁性合金と磁心、およびその製造方法に関する。
高飽和磁束密度と低磁歪の両立を可能とする材料として、非晶質相を主相とする軟磁性合金に熱処理を施すことにより、微細なα-Fe相結晶を析出させたナノ結晶合金が知られている。
特許文献1には、Fe基合金溶湯をアモルファス化した後、その合金の第2結晶化温度に対して−100℃〜+50℃の温度で熱処理することにより、平均結晶粒径が5nm〜100nmの範囲の微細結晶粒、かつ微細結晶粒の一部としてFeB系化合物やFeP系化合物を含有させる技術が開示されている。
特開平5−255820号公報
一般的なFe基軟磁性合金は、α−Fe相以外の化合物相が析出することにより、軟磁気特性が劣化することが知られており、熱処理工程では化合物相を析出しない範囲で温度が調整されている。
一方、特許文献1では、平均結晶粒径が5nm〜100nmの微細結晶粒の一部にFeB系化合物やFeP系化合物を積極的に析出させることで、低損失と優れた直流重畳特性を有するFe基磁心を得ている。
しかしながら、段落0020の記載からも明らかなように、特許文献1記載の技術は、化合物を析出させることによる保磁力の増大、すなわち軟磁性材料としてみれば透磁率の低下を伴うものである。
従って、化合物相の存在による低損失と、低保磁力による高透磁率を両立させたナノ結晶合金は未だに得られていないという課題がある。
また、軟磁性合金の用途として重要な磁心、特に小型電子機器等に用いられる圧粉磁心については、磁気特性向上のために磁心の高密度化が必要となるが、非晶質合金やナノ結晶合金は本質的に硬度が高く、圧粉磁心の素材に用いると粉末粒子が変形し難いため高密度化が難しいという課題がある。
そこで本発明は、良好な軟磁気特性を有する金属軟磁性合金と磁心、その製造方法を提供することを目的とする。
本発明の発明者らは、Fe系軟磁性非晶質合金を所定条件で熱処理することにより、非晶質相中に平均結晶粒径0.5μm以下(0を含まず)の化合物相よりなる結晶粒と、前記結晶粒中にα−Fe相よりなるナノ結晶粒が存在する構成をとる場合に、非晶質相中にナノ結晶粒のみ、またはナノ結晶粒と化合物を析出させた構成よりも保磁力が低くなり、透磁率が向上することを見出した。
従来、非晶質相中に存在する結晶粒は、軟磁気特性低下の原因と考えられており、本発明の構成による保磁力低下の原因は明らかでないが、1つの結晶粒中に2つ以上のナノ結晶粒が存在すれば同様の効果が生じるため、本発明の効果は結晶粒によって変化する軟磁気特性と、ナノ結晶粒によって変化する軟磁気特性が異なることに起因するものと推定される。
本発明の金属軟磁性合金は、非晶質相と、空間群Im−3mの対称性を有するナノ結晶相と、空間群P4/nの対称性を有する結晶相を備え、前記結晶相よりなる結晶粒は0.5μm以下(0を含まず)の平均結晶粒径を有し、1つの前記結晶粒内に前記ナノ結晶相よりなるナノ結晶粒が2つ以上存在することを特徴とする。
また、本発明のナノ結晶相はα−Fe相であることが望ましい。
また、本発明の金属軟磁性合金は、X線回折スペクトルにおいて、前記ナノ結晶相の(110)面のピーク強度に対する、前記結晶相の(321)面のピーク強度の比が0.2以下(0を含まず)であることが望ましい。
また、本発明の結晶相は、Fe−B、Fe−P、Fe−B−Pのいずれかの化合物相であることが望ましい。
また、本発明のナノ結晶粒の平均結晶粒径は30nm以下(0を含まず)であることが望ましい。
また、本発明の金属軟磁性合金は、組成式FeSiCuで表され、79≦a≦86at%、5≦b≦13at%、0≦c≦8at%、1≦x≦13at%、0≦y≦5at%、0.4≦z≦1.4at%、および0.03≦z/x≦0.80を満たす合金組成物からなることが望ましい。
また、本発明の金属軟磁性合金は、1≦x≦8at%、0.08≦z/x≦0.80を満たす合金組成物からなることが望ましい。
また、本発明の金属軟磁性合金は、その粉末を成型した磁心であってもよい。
本発明の金属軟磁性合金の製造方法は、軟磁性材料からなる合金組成物を溶解する工程と、溶解した前記合金組成物から非晶質相を主相とする軟磁性非晶質合金を作製する工程と、前記軟磁性非晶質合金に空間群Im−3mの対称性を有するナノ結晶相よりなるナノ結晶粒と、空間群P4/nの対称性を有する結晶相よりなり、平均結晶粒径0.5μm以下(0を含まず)および前記ナノ結晶粒が2つ以上存在する、結晶粒を析出させる熱処理工程とを有することを特徴とする。
本発明の磁心の製造方法は、前記軟磁性非晶質合金を粉末化する工程と、前記粉末化された前記軟磁性非晶質合金をプレス成型機にて成型する工程と、前記成型された前記軟磁性非晶質合金を前記熱処理工程の条件にて熱処理することを特徴とする。
また、本発明の磁心の他の製造方法は、前記軟磁性非晶質合金を粉末化する工程と、前記粉末化された前記軟磁性非晶質合金を、前記熱処理工程の条件にて熱処理しながらプレス成型機にて成型する工程を有することを特徴とする。
本発明によれば、軟磁性非晶質合金の熱処理工程において、平均結晶粒径が0.5μm以下(0を含まず)に成長した結晶粒内にナノ結晶粒を存在させることで、単にナノ結晶相を析出させる場合よりも軟磁気特性たる透磁率を向上させることができる。
以上のことより、高飽和磁束密度、高透磁率および低磁歪を有し、ナノ結晶相と化合物相が併存する低損失な金属軟磁性合金およびその製造方法を提供できる。
本発明による金属軟磁性合金の組織の状態を示す模式図である。 金属軟磁性合金の透磁率の熱処理温度依存性を示す図である。 本発明による金属軟磁性合金のX線回折スペクトルを示す図である。 本発明による実施例3の金属軟磁性合金の組織の状態を示す透過型電子顕微鏡写真である。
以下、本発明の実施の形態に係る金属軟磁性合金について、詳細に説明する。
図1は本発明による金属軟磁性合金の組織の状態を示す模式図である。図1に示すように、本発明の金属軟磁性合金は、非晶質相1と、空間群Im−3mの対称性を有するナノ結晶相と、空間群P4/nの対称性を有する結晶相を備えている。また、結晶相よりなる結晶粒3の平均結晶粒径は0.5μm以下(0を含まず)であり、1つの結晶粒3内にナノ結晶相よりなるナノ結晶粒2が2つ以上存在している。
1つの結晶粒3内にナノ結晶粒2が2つ以上存在した、平均結晶粒径0.5μm以下(0を含まず)の結晶粒3を析出させることにより、単にナノ結晶粒を析出させる場合よりも軟磁気特性を向上させることができる。
結晶粒とナノ結晶粒の析出は後述する熱処理条件により制御されるが、示差走査熱量計等の熱分析装置を用いて10〜40℃/分程度の昇温速度で得られるDSC曲線の最初の発熱ピークを第1結晶化開始温度TX1、2番目の発熱ピークを第2結晶化開始温度TX2と呼び、TX1はナノ結晶粒の析出に、TX2は結晶粒の析出に係る温度である。
結晶相すなわち化合物相とナノ結晶相の併存により、軟磁気特性を向上させるため、X線回折スペクトルにおいて、ナノ結晶相の(110)面のピーク強度に対する、結晶相の(321)面のピーク強度の比は0.2以下、望ましくは0.1以下(いずれも0を含まず)であることが望ましい。また、金属軟磁性合金の粉末を成型する圧粉磁心に適用する場合は、軟磁気特性とともに成型体の密度が向上することから、前記ピーク強度の比は0.05以下(0を含まず)であればなお良い。
また、軟磁気特性を向上させるため、ナノ結晶粒の平均結晶粒径は30nm以下(0を含まず)であることが望ましい。
ここで、Feを主成分とし、非晶質相を主相とする特定の合金組成物が、本発明の金属軟磁性合金を得るための出発原料として用いることが望ましく、空間群Im−3mの対称性を有するナノ結晶相はα−Fe相であり、空間群P4/nの対称性を有する結晶相はFe−B、Fe−P、Fe−B−Pのいずれかの化合物相であることが好ましい。
詳しくは、組成式FeSiCuの合金組成物であり、79≦a≦86at%、5≦b≦13at%、0≦c≦8at%、1≦x≦13at%、0≦y≦5at%、0.4≦z≦1.4at%、および0.03≦z/x≦0.80を満たす合金組成物からなることが望ましい。
上記合金組成物において、Fe元素は主元素であり、磁性を担う必須元素である。飽和磁束密度の向上及び原料価格の低減のため、Feの割合が多いことが基本的には好ましい。Feの割合が79at%より少ないと、望ましい飽和磁束密度が得られず、86at%より多いと、液体急冷条件下における非晶質相の形成が困難になる。従って、Feの割合は79at%以上、86at%以下が好ましい。
また、上記合金組成物において、B元素は非晶質相形成を担う必須元素である。Bの割合が5at%より少ないと、液体急冷条件下における非晶質相の形成が困難になり、13at%より多いと、TX2とTX1の差ΔTが減少することで結晶粒中に存在するナノ結晶粒の分布に偏りが生じ、均質なナノ結晶組織を得ることができない。従って、Bの割合は5at%以上、13at%以下が好ましく、合金を低融点化して製造を容易にする必要があるならば10at%以下が好ましい。
また、上記合金組成物において、Si元素は非晶質相形成を担う元素であり、ナノ結晶化にあたってはナノ結晶の安定化に寄与する。しかし、Siの割合が8at%よりも多いと飽和磁束密度と非晶質形成能が低下し、また軟磁気特性が低下する。従って、Siの割合は8at%以下であることが望ましい。
また、上記合金組成物において、P元素は非晶質相形成を担う必須元素であり、ナノ結晶化にあたってはナノ結晶の安定化に寄与する。特に、B元素、Si元素およびP元素の組み合わせを用いることで、いずれか1つしか用いない場合と比較して、非晶質相形成能やナノ結晶の安定性を高めることができる。Pの割合が1at%より少ないと、液体急冷条件下における非晶質相の形成が困難になり、13at%より多いと非晶質形成能が困難になる。また、安定してナノ結晶相が形成するためには10at%以下が好ましく、高い飽和磁束密度を得るためには8at%以下が好ましい
また、上記合金組成物において、C元素は非晶質形成を担う元素であるが、必ずしも含まれなくても良い。B元素、Si元素、P元素およびC元素の組み合わせを用いることで、いずれか1つしか用いない場合と比較して、非晶質相形成能やナノ結晶の安定性を高めることができる。Cは安価であるため、Cの添加により他の半金属量が低減され、総材料コストが低減される。しかし、Cの割合が5at%を超えると、合金組成物が脆化し、軟磁気特性の劣化が生じる。従って、Cの割合は5at%以下であることが好ましい。
また、上記合金組成物において、Cu元素はナノ結晶化に寄与する必須元素である。Cuの割合が0.4at%より少ないと、ナノ結晶化が困難になり、1.4at%より多いと、非晶質相からなる前駆体が不均質になり、均質なナノ結晶組織を得られず、軟磁気特性が劣化する。従って、Cuの割合は0.4at%以上、1.4at%以下が好ましい。
また、P原子とCu原子の間には強い引力がある。従って、この2元素を複合添加し、Pの割合(x)とCuの割合(z)との特定の比率(z/x)を0.03以上、0.80以下にすることで、液体急冷条件下における非晶質相の形成の際に結晶化及び結晶の粒成長が抑制され、10nm以下のサイズの初期微結晶が形成される。この初期微結晶によって熱処理の際にα−Fe結晶は微細構造を有するようになり、均質なナノ結晶組織が得られる。
本発明の金属軟磁性合金は、例えば次の方法により製造される。
本発明の金属軟磁性合金は、軟磁性材料からなる合金組成物を溶解する工程と、溶解した合金組成物から非晶質相を主相とする軟磁性非晶質合金を作製する工程と、軟磁性非晶質合金に空間群Im−3mの対称性を有するナノ結晶相よりなるナノ結晶粒と、空間群P4/nの対称性を有する結晶相よりなり、平均結晶粒径0.5μm以下(0を含まず)およびナノ結晶粒が2つ以上存在する、結晶粒を析出させる熱処理工程を備えている。
工業鉄や電気銅等の材料を所定の組成物になるよう秤量した後、溶解し、溶解した合金組成物を用いて、薄帯を得る場合は単ロールや双ロールによる急冷装置によって非晶質相を主相とする軟磁性非晶質合金からなる連続した薄帯を作製し、粉末を得る場合はガスアトマイズや水アトマイズ装置によって同様の粉末を作製する。
薄帯を巻回して巻磁心を作製したり、粉末を圧粉成型して圧粉磁心を作製する場合、磁心に所定温度条件の熱処理を施し、非晶質相と、空間群Im−3mの対称性を有するナノ結晶相と、空間群P4/nの対称性を有する結晶相を析出させる。この時、結晶相からなる結晶粒は、平均結晶粒径0.5μm以下(0を含まず)であり、1つの結晶粒内にナノ結晶相よりなるナノ結晶粒が2つ以上存在することが必要である。
軟磁性非晶質合金は非晶質相を主相とするため、Arガス雰囲気のような不活性雰囲気中で熱処理することにより、複数回の結晶化が生じる。Feを主として含む合金では、最初に主とした軟磁性を担うα−Fe相すなわちナノ結晶相が析出する。次に、主として軟磁気特性を低化させるFe−BやFe−Pなどの化合物相すなわち結晶相が析出する。最初に結晶化を開始する温度が第1結晶化開始温度TX1、2回目に結晶化を開始する温度が第2結晶化開始温度TX2である。
ただし、温度保持が長時間に及ぶ熱処理を行うと、これらの結晶化開始温度より低い温度であっても合金内部の不均一性によっては結晶を生じる場合があり、所望の合金組織を安定的に得るためには熱処理温度と処理時間の組み合わせを最適化する必要がある。
本発明の金属軟磁性合金では、Arや窒素ガス雰囲気のような不活性雰囲気中にて所定の温度制御が可能な熱処理炉を用いる。第1結晶化開始温度および第2結晶化開始温度は、示差走査熱量測定を用いて昇温速度40℃/分での熱分析を行い評価する。
従来の金属軟磁性合金では、結晶相の析出による軟磁気特性の低下を防ぐ必要から、熱処理温度と処理時間の調整が難しかったが、本発明の金属軟磁性合金では平均結晶粒径0.5μm以下(0を含まず)の結晶粒の析出が許容されるため、処理時間を比較的長く設定しても軟磁気特性が低下し難い。
第1結晶化開始温度TX1と第2結晶化開始温度TX2との差(ΔT=TX2−TX1)は合金組成によって異なり、NbやZr等の金属元素を含有していない合金組成は粗大な結晶粒が成長しやすく、ΔTが小さいことからナノ結晶相のみを安定して析出させることが困難である。特に磁心を大きくすると熱処理温度の分布やコアの発熱のため均一なα−Fe相をすべて析出させるのは困難であり、ナノ結晶相の析出不足と結晶相の析出が共に生じることで軟磁気特性が低下し易い。また、熱処理時に高速で昇温すると、更に析出の制御が困難となる。
しかし、本発明の金属軟磁性合金は、1つの結晶粒内にナノ結晶粒が2つ以上存在する平均結晶粒径0.5μm以下(0を含まず)の結晶粒の析出を許容するため、ΔTが小さい合金組成物であっても高飽和磁束密度、高透磁率および低磁歪を有する金属軟磁性合金を得られる。
熱処理工程の際に使用する熱処理炉は、イメージ炉や雰囲気炉、真空炉等の各種電気炉を使用することができる。熱処理は、不活性雰囲気中や真空中で行うことが好ましい。しかし、絶縁性・耐食性を向上させるため、酸化雰囲気中などで熱処理を行ってもよい。
本発明の金属軟磁性合金について、ナノ結晶相や結晶相を析出する熱処理条件については、合金組成物の組成や軟磁性非晶質合金の寸法、これらの組合せ等に応じて適宜設定すればよい。
ここで、本実施の形態における軟磁性非晶質合金は、薄帯や粉末など様々な形状を有していても良い。
連続薄帯形状の軟磁性非晶質合金は、単ロール急冷法以外にも双ロール製造装置のような周知の方法で形成することができる。また、粉末形状の軟磁性非晶質合金は、水アトマイズ法やガスアトマイズ法によって作製してもよいし、薄帯形状の軟磁性非晶質合金を粉砕することで作製してもよく、粉末の平均粒径は熱処理の均一性や成型のし易さを考慮すると、5〜150μm程度が好ましい。
また、本実施の形態の磁心は、軟磁性非晶質合金の薄帯を巻回して巻磁心を作製したり、軟磁性非晶質合金の粉末を300〜2000MPa程度のプレス圧で成型して圧粉磁心を作製することができるが、磁心の作製方法はこれに限らない。つまり、薄帯を積層して積層磁心を得てもよいし、軟磁性非晶質合金粉末に結合材を混合して型に流し込む注型法を用いてもよい。さらに、磁心を成形した後に熱処理を施しても、軟磁性非晶質合金の熱処理後に磁心を作製してもよい。
圧粉磁心では磁気特性向上のために、磁心の高密度化が必要となる。非晶質合金やナノ結晶合金は本質的に硬度が高く、圧粉磁心の素材に用いると粉末粒子が変形し難いため高密度化が難しいという課題がある。
非晶質合金やナノ結晶合金は、結晶化により軟化することが知られている。従来のナノ結晶合金ではα−Fe相のみを析出させることから、軟磁性非晶質合金粉末を第1結晶化開始温度で熱間プレス成型を行い、圧粉磁心を得る方法により上記課題の対策とすることが考えられていたが、成型時の温度や圧力の制御が難しく(圧力が高い部分で結晶化が進行する)、十分に磁心の密度を上げることは困難であった。
本発明の圧粉磁心では、従来の熱間プレス成型による圧粉磁心製造には用いられない、第2結晶化開始温度での結晶化を利用し、磁気特性が劣化しない範囲で化合物相の析出を制御することで、更に高密度の圧粉磁心を得ることがでる。
工業鉄、Fe−Si合金、Fe−B合金、Fe−P合金および電気銅からなる原料を、Fe84.3Si0.56.08.5Cu0.7の合金組成およびFe83.3Si2.09.54.5Cu0.7の合金組成になるように秤量する。秤量した各々の合金組成物を高周波溶解にて溶解し、単ロール液体急冷法にて処理して、幅約40mm、厚さ約25μmの連続薄帯を作製した。
得られた連続薄帯である軟磁性非晶質合金を用いて、X線回折装置による析出相の評価を行ったところ、各々が非晶質相であることを確認した。
各々の連続薄帯を幅5mmに切断して巻回し、外形約20mm、内径約18mm、重さ約2gの巻磁心を複数個、作製した。作製した巻磁心について、それぞれ異なる温度で熱処理を施し、二種類の合金組成物からなる金属軟磁性合金の透磁率の熱処理温度依存性を調べた。図2は金属軟磁性合金の透磁率の熱処理温度依存性を示す図である。
二種類の合金組成物からなる金属軟磁性合金は双方とも、熱処理温度400℃では空間群Im−3mの対称性を有するナノ結晶相のみが析出し、熱処理温度410℃でナノ結晶相の他に、空間群P4/nの対称性を有する結晶相が析出した。
図2から明らかなように、結晶相が析出した熱処理温度すなわち410℃で、透磁率が急激に向上した。しかしながら、Fe84.3Si0.56.08.5Cu0.7の合金組成物からなる金属軟磁性合金では、熱処理温度430℃で透磁率が急激に低下した。同様に、Fe83.3Si2.09.54.5Cu0.7の合金組成物からなる金属軟磁性合金では、熱処理温度420℃で透磁率が急激に低下した。
これは、空間群P4/nの対称性を有する結晶相が析出し始めると透磁率は一旦向上するが、結晶相の析出が一定レベル(X線回折装置による計測で、ナノ結晶相の(110)面のピーク強度に対する、結晶相の(321)面のピーク強度比が0.20)を超えると透磁率が急激に低下することを示す。
(実施例1〜3、比較例1〜3)
工業鉄、Fe−Si合金、Fe−B合金、Fe−P合金および電気銅からなる原料をFe84.3Si0.56.08.5Cu0.7の合金組成になるように秤量して合金組成物を得た後、高周波溶解にて溶解した。次に、溶解した合金組成物を単ロール液体急冷法にて処理し、幅約40mm、厚さ約25μmの連続薄帯を作製した。
この連続薄帯である軟磁性非晶質合金に、X線回折装置による析出相の評価を行ったところ、非晶質相であることを確認した。
得られた連続薄帯を幅5mmに切断して巻回し、外形約20mm、内径約18mm、重さ約2gの巻磁心を複数個、作製した。作製した各々の巻磁心について、表1に記載の条件で熱処理を施し、金属軟磁性合金を得た。
得られた金属軟磁性合金のピーク強度比、透磁率、飽和磁束密度Bs、磁歪、コアロスを表1に示す。
ここで、ピーク強度比は、巻磁心における積層の中心部分から薄帯を部分的に取り出し、単ロール液体急冷法時にロール面と接触しなかった面側のX線回折スペクトルにおいて、ナノ結晶相の(110)面のピーク強度に対する、結晶相の(321)面のピーク強度の比を測定した。また、析出相の評価も行った。
また、インピーダンスアナライザーを用い、周波数1kHzにおける透磁率を測定した。また、飽和磁束密度Bsは、振動試料型磁力計を用い、800kA/mの磁場にて測定し、B−Hアナライザを用い、磁束密度1.0T−周波数50Hzにおけるコアロスを測定した。
また、図3は本発明による金属軟磁性合金のX線回折スペクトルを示す図であり、実施例2、比較例1および比較例2の金属軟磁性合金のX線回折スペクトルを示している。
図3から明らかなように、比較例1では、空間群Im−3mの対称性を有するナノ結晶相のみが析出しており、実施例2と比較例2では、ナノ結晶相の他に、空間群P4/nの対称性を有する結晶相が析出している。また、比較例2の結晶相のピーク強度が実施例2より強く、活発に結晶相が析出したことが明らかである。
表1から、ピーク強度比が0より大きい、すなわち空間群P4/nの対称性を有する結晶相が析出することによって、飽和磁束密度が向上し、磁歪が低減した。また、他の組成からなる金属軟磁性合金についても実験を行ったところ、ピーク強度比が0より大きく、0.20以下であることにより、透磁率が向上し、コアロスも充分低い金属軟磁性合金が得られた。
また、図4は本発明による実施例3の組織の状態を示す透過型電子顕微鏡写真である。破線で囲まれた1つの結晶粒13の平均結晶粒径は約0.5μmであり、結晶粒13内にナノ結晶粒12が複数存在している。
同様に、実施例1、2および比較例2、3について確認をしたところ、実施例1、2は平均結晶粒径が0.5μm以下の結晶粒内にナノ結晶粒が2つ以上存在しており、比較例2、3では、これを満たさなかった。これらより、軟磁気特性が劣化するため、結晶粒の平均結晶粒径は0.5μm以下が好ましく、結晶粒内に2つ以上のナノ結晶粒が存在していることが好ましい。
(実施例4〜6、比較例4〜8)
工業鉄、Fe−Si合金、Fe−B合金、Fe−P合金および電気銅からなる原料をFe83Si6.5Cu0.5の合金組成になるように秤量して合金組成物を得た後、高周波溶解にて溶解した。次に、溶解した合金組成物を水アトマイズ法により急冷微粉末化し、平均粒径40μmの軟磁性非晶質合金粉末を作製した。
軟磁性非晶質合金粉末にシリコーン樹脂2wt%を混合・造粒し、冷間プレス装置により800MPaの圧力で加圧し、外径13×内径8×高さ5mmの圧粉磁心を作製した。この圧粉磁心を、表2に示す熱処理条件にて熱処理を施した。
析出相はX線回折装置にて評価し、圧粉磁心の表面におけるIm−3m(110)とP4/n(321)のピークの強度比を算出した。また、インピーダンスアナライザーを用いて周波数100kHzにおける透磁率を、B−Hアナライザを用いて周波数300kHz−磁束密度50mTにおけるコアロスを測定した。
比較例4〜6は、α−Feのみが析出して化合物相が観察されなかった。熱処理温度が低かったり、処理時間が短いためと推察されるが、圧粉磁心としても透磁率は良好である一方で、コアロスは実施例4〜6よりも相対的に高かった。
実施例4〜6は、適切な熱処理により合金組織中に化合物相が存在し、かつP4/n(321)とIm−3m(110)のピークの強度比が0.2以下である場合、高い透磁率と低いコアロスが両立することを示した。
一方、比較例7、8は、熱処理温度が高かったり、処理時間が相対的に長いためと推察されるが、P4/n(321)とIm−3m(110)のピークの強度比が0.2を超えて化合物相が多量に析出すると、実施例4〜6よりもコアロスが高くなった。
(実施例7〜11、比較例9〜11)
実施例4〜6、比較例4〜8と同様の方法で軟磁性非晶質合金粉末を作製し、軟磁性非晶質合金粉末にシリコーン樹脂2wt%を混合・造粒した後、表3に示す成型条件にて加熱および圧粉成型を行った。
比較例9、10は、熱処理温度が低かったり、処理時間が短いためにα−Feのみが析出して化合物相が観察されなかった。また、コアロスは実施例7〜9と同程度でそれほど低くなっていない一方で、透磁率が低く、磁心の相対密度も十分ではなかった。
実施例7〜11は、適切な熱処理により合金組織中に化合物相が存在し、かつP4/n(321)とIm−3m(110)のピークの強度比が0.2以下である場合、高い透磁率と低いコアロスが両立するとともに、磁心の相対密度も向上することを示した。
一方、比較例11は、熱処理温度が高いため、磁心の相対密度は高いが、P4/n(321)とIm−3m(110)のピークの強度比が0.2を超えて化合物相が多量に析出したため、実施例7〜11よりも透磁率が低下するとともにコアロスが大きくなった。
本発明の各実施例について種々説明を行ったが、X線回折スペクトルにおいて、ナノ結晶相の(110)面のピーク強度に対する、結晶相の(321)面のピーク強度の比は0.2以下(0を含まず)の範囲内において結晶相の析出を許容することにより、軟磁気特性を向上させることができる。
すなわち、1つの結晶粒内にナノ結晶粒が2つ以上存在した、平均結晶粒径0.5μm以下(0を含まず)の結晶粒の析出を許容することにより、空間群Im−3mの対称性を有するナノ結晶相を最大限に析出させ、軟磁気特性を向上させることができる。よって、高飽和磁束密度、高透磁率および低磁歪を有する金属軟磁性合金が得られる。
以上、本発明の実施例を説明したが、本発明は、上記に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、構成の変更や修正が可能である。
1 非晶質相
2、12 ナノ結晶粒
3、13 結晶粒

Claims (3)

  1. 組成式FeSiCuで表され、79≦a≦86at%、5≦b≦13at%、0≦c≦8at%、1≦x≦13at%、0≦y≦5at%、0.4≦z≦1.4at%、および0.03≦z/x≦0.80を満たす合金組成物からなり、
    非晶質相と、
    空間群Im−3mの対称性を有するナノ結晶相と、
    空間群P4/nの対称性を有する結晶相を備え、
    前記ナノ結晶相はα−Fe相であり、
    前記結晶相は、Fe−B、Fe−P、Fe−B−Pのいずれかの化合物相であり、
    X線回折スペクトルにおいて、前記ナノ結晶相の(110)面のピーク強度に対する、前記結晶相の(321)面のピーク強度の比が0.2以下(0を含まず)である
    金属軟磁性合金の製造方法であって、
    前記合金組成物を溶解する工程と、
    溶解した前記合金組成物から非晶質相を主相とする軟磁性非晶質合金を作製する工程と、
    前記軟磁性非晶質合金に前記ナノ結晶相よりなるナノ結晶粒と前記結晶相よりなる結晶粒とを析出させる熱処理を、結晶粒の析出に係る温度である第2結晶化開始温度以上で行い、平均結晶粒径0.5μm以下(0を含まず)および1つの前記結晶粒内に前記ナノ結晶粒が2つ以上存在する結晶粒を析出させる熱処理工程とを有することを特徴とする金属軟磁性合金の製造方法。
  2. 請求項1に記載の前記軟磁性非晶質合金を粉末化する工程と、前記粉末化された前記軟磁性非晶質合金をプレス成型機にて成型する工程と、前記成型された前記軟磁性非晶質合金を前記熱処理工程の条件にて熱処理することを特徴とする磁心の製造方法。
  3. 請求項1に記載の前記軟磁性非晶質合金を粉末化する工程と、前記粉末化された前記軟磁性非晶質合金を、前記熱処理工程の条件にて熱処理しながらプレス成型機にて成型する工程を有することを特徴とする磁心の製造方法。
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