JP2009120927A - 軟磁性非晶質合金 - Google Patents

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Abstract


【課題】 非晶質形成能が高い上に飽和磁束密度も比較的高く、しかも高価な元素の使用量を少なくした、比較的安価な軟磁性非晶質合金を提供する。
【解決手段】 不可避不純物を除いた合金組成が、
組成式:(Fe1-aa100-w-x-y-zSiwxyzで表され、前記組成式の構成元素のうち、MはCo、Niの中から選択される1種類以上の元素であり、LはAl、Cr、Moの中から選択される1種類以上の元素であり、0≦a≦0.3、4原子%≦w≦10原子%、10原子%≦x≦18原子%、1原子%≦y≦7原子%、0.3原子%≦z≦5原子%の組成比率の軟磁性非晶質合金であって、さらに、過冷却液体領域の温度範囲が20℃以上、飽和磁束密度が1.2T以上の全ての条件を満たすことを条件とする。
【選択図】 図2

Description

本発明は鉄系軟磁性非晶質合金、およびその粉末、薄帯、バルク材、およびそれを用いた電子部品に関する。
軟磁性非晶質合金の開発は最初にFe−P−C系合金から始まり、次いでFe−Si−B系合金やFe−B−C系合金などが開発されてきた。これらの材料はいずれも鉄損が非常に小さいことから、磁性材料としてトランスの磁芯などへの用途が期待されている。しかし、珪素鋼板などの従来の材料と比較した場合に製造コストが高いことや、その飽和磁束密度(Bs)が相対的に低いことから、未だ広く用いられるには至っていない。またこれらの軟磁性非晶質合金は、その製造時に非晶質化のために105℃/秒以上という非常に速い冷却速度を必要とすることから、厚みが20〜30μm程度の薄帯しか作製することができず、バルク材や非晶質合金粉末として提供することは従来では不可能であった。そのため使用の際にはこの薄帯を積層して用いるか、あるいは巻き磁芯とする必要があり、このことが軟磁性非晶質合金の用途を著しく狭めていた。
1980年代後半以降、従来の軟磁性非晶質合金とは異なり、結晶化開始温度(Tx)よりも低温の領域にてガラス遷移が生じる、金属ガラスと呼ばれる一連の非晶質合金が見出された。金属ガラスのガラス遷移温度(Tg)はTxよりも低く、TxとTgの間の温度領域は過冷却液体領域と呼ばれている。この過冷却液体領域の存在は金属ガラスが有するガラス構造の安定化に関係していると考えられており、この領域を有する合金は、従来にはなかった非晶質形成能の優れた合金である。この合金の例としては、Ln−Al−TM系合金(Lnは希土類元素、TMは遷移金属)やZr−Al−Ni系合金、Pd−Cu−Ni−P系合金などの組成が発見されている。これらの組成の合金は、従来の過冷却液体領域を持たないアモルファス(非晶質)合金とは異なり、ガラス構造の形成の際に極端に大きな冷却速度を必要としないことから、厚みが数mm程度の金属ガラスバルク材を作製することが可能である。また1990年代半ば以降には、Fe基の合金系の組成による金属ガラス合金も発見されており、以下の各特許文献、非特許文献に記されたそれぞれの組成の合金が報告されている。
特許文献1,2には、Fe−(Al,Ga)−(P,C,B,Si)系の過冷却液体領域を持つFe基の金属ガラス合金の例が報告されている。また特許文献3および非特許文献1には、前記組成からSiを除いたFe−(Al,Ga)−(P,C,B)系の組成の例が、さらに特許文献4および非特許文献2には、特許文献1,2の組成からAlを除いたFe−Ga−(P,C,B,Si)系の組成の例がそれぞれ報告されている。ところがこれらの合金は、いずれも非晶質形成能を向上させるためにGaという非常に高価な元素の添加が必要であり、原料コストの面で工業化は困難である。
また、特許文献5および非特許文献3にはFe−(B,Si,Nb)系の金属ガラス合金の例が報告されているが、これらの組成では非晶質形成能は最大で1.5mm程度とあまり大きくならない。さらに後記の非特許文献4に示されているように、Nbの添加によりBsは一般に急激に低下することとなるため、Bsの値も1.2T程度とさほど高くはならない。この非特許文献4には、前記組成に磁性元素であるCoやNiを添加した(Fe,Co,Ni)−(B,Si,Nb)系の金属ガラス合金の例が報告されている。この場合、CoおよびNiの添加により非晶質形成能は向上するものの、一方でBsは多少低下してしまう。さらにCoやNiといった元素材料は最近では価格の高騰が激しく、これらの元素の添加量を大きく増加させた場合は原料コストが増大してしまう。
この事情は特許文献6に記載の(Fe,Co,Ni)−(B,Nb)系の金属ガラス合金や、特許文献7に記載の(Fe,Co,Ni)−(B,Zr)系の金属ガラス合金の場合にも同様であり、Fe以外の磁性元素であるCoやNiを多量に添加した場合は、その製造コストが増大する結果となる。その他の組成としては、非特許文献5に報告されている(Fe,Co,Ni)−(B,Zr)系や、非特許文献6に報告されている(Fe,Co)−(B,Ta)系などの金属ガラス合金の例もある。しかしこれらの組成ではいずれもBsがかなり小さいため、Bsの値の高さがさほど必要とはされないセンサなどに用途が限定されてしまうという問題がある。また価格が高騰しているCo,Niを相当量含むという問題も依然として残る。
一般にこれらの金属ガラス合金では、従来の他の軟磁性合金に比べて非晶質形成能が向上し、比較的遅い冷却速度でも非晶質の合金構造を形成することが可能である。しかし、これらの組成の合金では非磁性元素を多量に含んでいることが原因となってBsが低くなる(磁気特性が低下する)という問題点があった。この非晶質形成能の向上と良好な磁気特性とは互いに相反関係にあり、両者の両立は一般には困難である。非晶質形成能を向上させる添加元素としてCoやNiといった磁性元素を用いた場合はBsの低下の問題は多少緩和されるものの、CoやNiは前記のように最近の価格の高騰が激しいため、これらの元素を金属ガラス合金の原料として多量に用いることは、コストの面で工業的生産に困難を来す原因となってしまう。
特開平09−320827号公報 特開平11−071647号公報 特開2001−152301号公報 特開2001−316782号公報 特開2003−253408号公報 特開2000−204452号公報 特開平11−131199号公報 Akihisa Inoue, Jin Seon Gook,"Fe-Based Ferromagnetic Glassy Alloys with Wide Supercooled Liquid Region"Materials Transactions, JIM, Vol.36, No.9 (1995), pp.1180-1183 Baolong Shen, Akihisa Inoue,"Bulk Glassy Fe-Ga-P-C-B-Si Alloys with High Glass-Forming Ability, High Saturation Magnetization and Good Soft Magnetic Properties"Materials Transactions, Vol.43, No.5 (2002), pp.1235-1239 Akihisa Inoue, Baolong Shen,"Soft Magnetic Bulk Glassy Fe-B-Si-Nb Alloys with High Saturation Magnetization above 1.5T"Materials Transactions, Vol.43, No.4 (2002), pp.766-769 Baolong Shen, Chuntao Chang, Akihisa Inoue,"Formation, ductile deformation behavior and soft-magnetic properties of (Fe,Co,Ni)-B-Si-Nb bulk glassy alloys"Intermetallics, Vol.15, Issue 1, (2007), pp.9-16 Akihisa Inoue, Tao Zhang, Takaomi Itoi, Akira Takeuchi,"New Fe-Co-Ni-Zr-B Amorphous Alloys with Wide Supercooled Liquid Regions and Good Soft Magnetic Properties"Materials Transactions, JIM, Vol.33, No.4 (1997), pp.359-362 A. Inoue, B. L. Shen, H. Koshiba, H. Kato, A. R. Yavari,"Ultra-high strength above 5000MPa and soft magnetic properties of Co-Fe-Ta-B bulk glassy alloys"Acta Materialia, Vol.52, No.6 (2004), pp.1631-1637
本発明の解決すべき課題は、非晶質形成能が高い上に飽和磁束密度Bsも比較的高く、しかも現在では高価な材料であるCoおよびNiの使用量を少なくした、比較的安価な軟磁性非晶質合金を提供することである。本発明では、添加する非磁性元素の種類と添加量の範囲をその特性のバランスを取って決定するとともに、良好な特性を維持しつつも工業化が可能な、その組成範囲を提示するものである。そしてこの組成範囲の合金として製造された混相組織を有する軟磁性非晶質合金の粉末、および前記粉末を用いた低損失の圧粉磁芯、前記圧粉磁芯を用いたインダクタ、および薄帯、バルク材を提供するものである。
ここで金属ガラス合金は一般に非晶質形成能に優れ、過冷却液体領域を有すると同時に保磁力(Hc)が低いという特徴を持つ。しかし従来の組成の金属ガラス合金ではNbの添加や、組成中のFeの割合が低いために飽和磁束密度が低くなってしまう。一方、従来知られていた飽和磁束密度が高い組成の材料にはGaやCoのような価格の高い原料が多量に使用されており、飽和磁束密度が1.2Tを超え、なおかつ工業化に適した材料は従来知られていなかった。また金属ガラス合金以外の軟磁性結晶質合金材料においても、結晶磁気異方性の小さいセンダストやPCパーマロイ(Ni−Mo,Cu−Feパーマロイ)などではやはり飽和磁束密度が1.2Tを超えることはない。本発明では工業化に適した、飽和磁束密度が1.2T以上の金属ガラス合金を得ることを目的とする。
本発明者らは、上述の課題を解決することを目的として、種々の合金組成について鋭意検討した結果、Fe−Si−B−Cを含むFe基合金に、Al、Cr、Moから選択される一種以上の元素を添加し、さらにその組成成分を限定することにより、非晶質形成能が格段に向上し、明瞭な過冷却液体領域が出現することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の第1の発明は、不可避不純物を除いた組成式が下記の組成式1にて表され、高い非晶質形成能および優れた軟磁気特性(高飽和磁化、低保磁力、高透磁率、低鉄損など)を有し、過冷却液体領域を有していて、結晶化開始温度Txとガラス遷移温度Tgの温度差ΔTx(ΔTx=Tx−Tg)で表される過冷却液体領域の温度範囲ΔTxが、ΔTx≧20℃を満たし、かつ飽和磁束密度が1.2T以上であることを特徴とする軟磁性非晶質合金である。ここでΔTx≧20℃の条件は発明者らによる実験により決定されたもので、溶融した金属を冷却した際に、固相内に結晶化した領域を有しない軟磁性非晶質合金を作製するために必要な過冷却液体領域の温度範囲であり、またこの温度範囲の過冷却液領域を有する組成において保磁力など軟磁気特性の向上に顕著な効果を現す。
組成式1:(Fe1-aa100-w-x-y-zSiwxyz(ただし、MはCo、Niの中から選択される1種類以上の元素であり、LはAl、Cr、Moの中から選択される1種類以上の元素であり、0≦a≦0.3、4原子%≦w≦10原子%、10原子%≦x≦18原子%、1原子%≦y≦7原子%、0.3原子%≦z≦5原子%)
本発明において主たる成分であるFeは磁性を担う元素であり、磁気特性を有するために必須である。またMはCo、Niの中から選択される1種類以上の元素であって、Feと同様に磁性を担う元素である。Mの添加は非晶質形成能の向上に一定の効果を有する。Mの添加量の割合はFeとの総和に対して0.3以下(0を含む)である。本発明でMの添加量の割合を0.3以下としたのは、CoやNiが近年は高価であり、これらの元素を多量に添加した場合は軟磁性非晶質合金の製造コストが上昇してしまうこと、添加量の割合が0.3を超えると飽和磁束密度が低下し、従って軟磁気特性がやはり低下することが理由である。またMがCoの場合に、高飽和磁束密度を求めるなら添加量の割合を0.2以下とすることが望ましい。
Siも本発明において必須の元素であり、その添加量は、4原子%以上、10原子%以下である。本発明でSiの添加量を4原子%以上、10原子%以下に定めたのは、Siが4原子%未満では非晶質形成能が低下し、また10原子%を超えると過冷却液体領域が存在せず、また非晶質形成能が低下するためである。またSiは5原子%以上、10原子%以下にすることがより望ましい。
Bも本発明において必須の元素であり、その添加量は、10原子%以上、18原子%以下である。本発明でBの添加量を10原子%以上、18原子%以下に定めたのは、Bが10原子%未満では過冷却液体領域が存在せず、また非晶質形成能が低下し、18原子%を超えると融点が高くなり非晶質形成能が低下するためである。またBは12原子%以上、18原子%以下にすることがより望ましい。
Cも本発明において必須の元素であり、その添加量は、1原子%以上、7原子%以下である。本発明でCの添加量を7原子%以下に定めたのは、Cが7原子%を超えると過冷却液体領域が存在せず、また非晶質形成能が低下するためである。またCは2原子%以上、5原子%以下にすることがより望ましい。
LはAl、Cr、Moの中から選択される1種類以上の元素であって、Fe−Si−B−C合金の非晶質形成能を向上させる元素であり、その添加量は、0.3原子%以上、5原子%以下である。本発明でLの添加量を5原子%以下に定めたのは、5原子%を超えると飽和磁束密度が低下し、軟磁気特性が低下するためである。
本発明の第2の発明は、第1の発明からなり、水アトマイズ装置により作製された非晶質単相粉末であることを特徴とする。この第2の発明による非晶質単相粉末は、量産性に優れ、製造コストが比較的低い、汎用の水アトマイズ法による粉末作製装置を用いることで作製可能である。なお第1の発明とは異なる従来の軟磁性非晶質合金組成を用いた場合には、その非晶質形成能が本発明の軟磁性非晶質合金に比べて劣る。そのため、水アトマイズ法による従来の軟磁性非晶質合金の粉末作製では、冷却速度不足のため結晶化をしてしまい軟磁気特性が急激に劣化する。
本発明の第3の発明は、第2の発明の、非晶質単相粉末と結合材とを含む混合物を、成形してなることを特徴とする圧粉磁芯である。本発明の圧粉磁芯は、非晶質単相粉末と結合材とを含む混合物が所定形状に成形されてなることを特徴としており、従来から知られている種々の合金粉末による圧粉磁芯と比較して、大幅な鉄損の低減を実現することができる。これは前記第1および第2の発明によって非晶質単相粉末の作製が可能となったことによるもので、これにより、非晶質単相粉末が有する優れた軟磁気特性を、圧粉磁芯の磁気特性として活用できるためである。
また第1の発明による軟磁性非晶質合金は、電磁軟鉄やパーマロイ、センダスト、珪素鋼板と比較して比抵抗が高いため、この第3の発明による圧粉磁芯に適用した場合はその渦電流損失を低く抑えることができ、さらに高周波特性にも優れているという特徴を有する。またこの第3の発明に用いられる結合材は非晶質単相粉末間の絶縁の役割も担っている。このため含有される結合材の量が少な過ぎる場合は、圧粉磁芯での絶縁抵抗が低くなると同時にその強度の保持が困難となる。また逆に多過ぎる場合は、非晶質磁性粉末の含有量が減って磁気特性が低下する。このため結合材として混合される絶縁材料の量は、圧粉磁芯の形成材料全体に対して1重量%ないし5重量%の比率とすることが望ましい。また圧粉磁芯の成形性を向上させる目的で別途潤滑材を添加してもよい。
さらに非晶質単相粉末の過冷却液体領域近傍で熱間成形を実施する場合は、成形された圧粉磁芯の内部に粘性流動を生じさせることが可能で、この性質を利用して高密度な圧粉磁芯を得ることができる。さらに過冷却液体領域ではこれらの混合物は粘性流動状態となることから、作製した圧粉磁芯をこの温度領域に保持することで内部応力を容易に緩和することができ、成型時の応力によって劣化した圧粉磁芯の軟磁気特性を改善することができる。
本発明の第4の発明は、第3の発明である、非晶質単相粉末と結合材とを含む混合物を成形してなる圧粉磁芯と、コイルとからなることを特徴とするインダクタである。第4の発明のインダクタでは、前記第3の発明の特徴である、第1および第2の発明に示される非晶質単相粉末を使用することにより、磁芯における大幅な鉄損の低減を実現することができ、従ってインダクタにおけるエネルギー損失の大幅な向上が可能になる。
本発明の第5の発明は、第1の発明からなり、単ロール法もしくは双ロール法にて作製された、厚み0.1mm以上の非晶質単相薄帯である。第1の発明である軟磁性非晶質合金は、従来のFe基軟磁性非晶質合金だけではなく、Fe基軟磁性金属ガラスと比較しても優れた非晶質形成能を有していることから、量産性に優れた単ロール法や双ロール法によって、厚み0.1mm以上の非晶質単相薄帯を安定的に作製することが可能である。
即ち、本発明は、不可避不純物を除いた組成が、
組成式:(Fe1-aa100-w-x-y-zSiwxyzで表され、前記組成式の構成元素のうち、MはCo、Niの中から選択される1種類以上の元素であり、LはAl、Cr、Moの中から選択される1種類以上の元素であり、0≦a≦0.3、4原子%≦w≦10原子%、10原子%≦x≦18原子%、1原子%≦y≦7原子%、0.3原子%≦z≦5原子%の組成比率の軟磁性非晶質合金であって、結晶化開始温度Txとガラス遷移温度Tgの温度差ΔTx(ΔTx=Tx−Tg)が20℃以上であり、かつ飽和磁束密度が1.2T以上であることを特徴とする軟磁性非晶質合金である。
また、本発明は、水アトマイズ法により作製されたことを特徴とする軟磁性非晶質合金の粉末である。
さらに、本発明は、軟磁性非晶質合金の粉末と結合材とを含む混合物を成形してなることを特徴とする圧粉磁芯である。
さらに、本発明は、圧粉磁芯と、コイルとを含み構成されることを特徴とするインダクタである。
さらに、本発明は、単ロール法または双ロール法により作製され、厚みが0.1mm以上であることを特徴とする軟磁性非晶質合金の薄帯である。
本発明による軟磁性非晶質合金は、非晶質形成能に優れていることから、冷却速度がさほど大きくない(103℃/秒程度)場合でも非晶質相を形成することが可能である。このことから粉末、バルク材、薄帯などの様々な様態の軟磁性非晶質合金材料を容易に作製することができる。またその非晶質構造の均一性が高いことから結晶磁気異方性を持たず、それにより保磁力が低く、また飽和磁束密度が高いなど、優れた軟磁気特性を有している。このような軟磁性非晶質合金粉末を用いて圧粉磁芯を形成し、またインダクタを作製した場合には、飽和磁束密度が高く、従って小型化しても磁気飽和しにくい、小型化に適したインダクタを提供することが可能である。また、組成内にGaなどの高価な元素を含んでおらず、さらにCo、Niの含有量も比較的低いことから低コストにて必要な組成の合金を製造することができるという特徴も有する。
以下に本発明の実施の形態を具体的に説明する。本発明の軟磁性非晶質合金の特徴とするところは、良好な磁気的特性が得られる非晶質合金の組成範囲、および前記非晶質合金を用いてなる部材およびそれを用いた装置にあるので、非晶質合金の作製にあたっては従来の一般的な高周波加熱装置や溶解冷却装置、熱処理装置、プレス装置などをそのまま利用可能である。溶解冷却装置を例に挙げるならば、一定範囲の速度での冷却が可能な装置であれば、どのようなものでも問題なく使用することができ、使用可能な冷却装置としては金型鋳造装置、水アトマイズ装置、単ロール装置もしくは双ロール装置などがある。また熱処理工程を例に挙げるならば、雰囲気調整が可能で、非晶質合金の結晶化開始温度の近傍の温度領域で温度の制御が可能な電気炉であれば、どのようなものでもとくに問題なく使用することができる。
高周波加熱装置を用いて本発明における軟磁性非晶質合金を作製する場合は、まず原料となる金属材料をそれぞれ秤量し、高周波加熱装置にて溶融し均一な母合金を作製する。さらに溶解冷却装置を用いて得られた母合金を再溶解し、結晶が析出することのない一定以上の速度で冷却することで、軟磁性非晶質粉末や薄帯を得ることができる。さらに軟磁性非晶質粉末を結合材とを混合し、プレス成形することによって、圧粉磁芯やインダクタを得ることができる。さらに軟磁性非晶質薄帯を用いて巻磁芯や積層磁芯を得ることができる。溶解冷却装置は、溶解した母合金に所定以上の冷却速度を与えることが可能であって、軟磁性合金が結晶化することなく非晶質単相が得られるものであればどのような方法でもよく、金型鋳造法、水アトマイズ法、単ロール法もしくは双ロール法などが適用可能である。
次いで、得られた軟磁性非晶質粉末、薄帯を用いた部材である圧粉磁芯やインダクタ、巻磁芯、積層磁芯に対して熱処理を実施する。この熱処理は非晶質が凝固する際に蓄積される熱歪みや粉末などをプレス成形した時の応力歪みを緩和するためのものであり、熱処理温度は作製する軟磁性非晶質合金の結晶化開始温度(Tx)以下の温度で、結晶化が開始しない時間の範囲で熱処理をすることが好ましく、一般には400〜500℃程度に設定される。熱処理の際には、N2ガスを流すなどの方法により雰囲気を調整して、軟磁性非晶質合金の表面酸化を防ぐようにする。必要な熱処理時間は昇温温度や軟磁性非晶質合金の形状にも左右されるが、一般には数分から数時間程度であり、熱処理温度が高いほど熱処理時間は短時間で完了する。
本発明の軟磁性非晶質合金は103℃/秒程度の冷却速度でも十分に製造可能であり、105℃/秒以上を必要とする従来の非晶質合金と比較すると、非常にゆっくりと冷却しても非晶質相を得ることができるため、粉末や薄帯など、様々な形状の軟磁性非晶質合金を作製することができる。とくに軟磁性非晶質粉末はバインダと混合することで圧粉磁芯を形成可能であり、非常に有用である。また薄帯を作製する場合も、冷却速度が遅いために従来方法による20μm程度の厚みだけではなく、もっと厚い、厚み0.1mm程度以上の薄帯を作製可能であり、このため従来の軟磁性非晶質合金と比べて広い用途に使用することができる。また得られた各種形状の軟磁性非晶質合金をさらに加工して、圧粉磁芯やそれを用いたインダクタなどを作製する場合においても、基本的に従来の一般的な製造装置をそのまま用いることが可能である。
なお、本発明において作製した合金が結晶質の状態(結晶相)であるか、非晶質の状態(非晶質相)であるかは、X線回折法によって得られる合金表面のX線回折プロファイルにより判断している。具体的には結晶相の場合、X線回折プロファイルには析出した化合物の結晶構造に由来する鋭いピークが生じる。ここで鋭いピークとは半値幅が3°未満のものである。これらのピークを生じさせる化合物は一般にαFe(α相の鉄)を始め、Fe2B、Fe3B、Fe236、Fe5Si3、Fe3Si、Fe3Cなどであるが、これらに限定されるものではない。
一方、非晶質相の場合は結晶構造を有しないため、そのX線回折プロファイルには結晶に起因する鋭いピークは生じず、特性X線としてCu−Kα線を用いた場合は、試料表面とX線検出器とのなす角をθとして、回折角である2θ=45°、80°の位置にブロードなピークが生じる。ここでブロードなピークとは半値幅が3°以上のものである。また非晶質相と結晶相が混在した場合は、そのX線回折プロファイルにブロードなピークと結晶に起因する鋭いピークが共存するが、その時はブロードなピークの積分強度が全体の95%以上を占める場合を非晶質相とし、また95%未満である場合を結晶相としている。
また本発明によって得られた非晶質合金の薄帯や粉末を、Arなどの不活性雰囲気中で昇温すると、まず特定の温度においてガラス遷移現象が発生し、次いでさらに高温になると結晶化現象が起こる。本発明の実施例ではこのガラス遷移現象の開始温度をガラス遷移温度(Tg)と規定し、また結晶化の開始温度を結晶化開始温度(Tx)と規定している。さらに、このガラス遷移温度(Tg)と結晶化開始温度(Tx)の間の温度範囲の領域を過冷却液体領域と規定している。またこの温度範囲を温度差ΔTx(ΔTx=Tx−Tg)で表し、非晶質形成能を評価するための指標として用いている。ここで、これらのガラス遷移温度や結晶化開始温度は、示差走査熱量分析装置(DSC:Differential Scanning Calorimeter)を用い、約40℃/分(0.67℃/秒)の昇温速度で熱分析を行うことにより評価している。
なお、本発明における軟磁性非晶質合金の粉末を用いてなる圧粉磁芯は、前記軟磁性非晶質合金の粉末と有機結合材とを混合、成型することにより作製可能である。ここで合金粉末と混合して用いる有機結合材としては熱硬化性樹脂が好適であり、その樹脂の種類は圧粉磁芯の用途や必要な耐熱性によって適宜選択することができる。好適に用いられる有機結合材の例としては、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、キシレン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミドイミド、ポリイミドなどが挙げられるが、もちろんこれらに限定されるものではない。
合金組成の異なる軟磁性非晶質合金を実施例、比較例として実際に作製し、その物理特性や磁気特性を評価した。評価した各々の軟磁性非晶質合金の組成とその評価結果について以下に説明する。
(実施例1〜13、比較例1〜9)
Fe、Co、Ni、Si、B、C、Mo、Al、Crの純度99.5%以上の原料を用い、下記の表1に記載の本発明の実施例1〜13、および比較例1〜9の合金組成となるようそれぞれ秤量し、高周波加熱装置の真空チャンバー内にアルミナ坩堝の中に入れて配置して真空引きを行い、その後減圧Ar雰囲気中で高周波加熱により溶解して母合金を作製した。この母合金を金型鋳造法および単ロール法にてそれぞれ処理し、鋳造棒材と薄帯を得た。図1に金型鋳造法により鋳造棒材を作製する際に用いた金型鋳造装置の概略図を示す。金型鋳造装置は先端に小孔2を有する石英ノズル3、石英ノズル3を取り囲んで設置された高周波発生コイル4、および石英ノズル3の先端の小孔2の直下に配置された銅製金型6などからなり、周囲は減圧Ar雰囲気である。
ここで石英ノズル3内には所定の成分組成となるように作製した母合金を投入し、その周囲に配置された高周波発生コイル4により加熱溶融して、所定の組成の溶融合金1を得た。石英ノズル3の先端の小孔2は十分に小さいために、溶融合金1は液体となっても小孔2から流れ出すことはない。この溶融合金1に対して石英ノズル3の上方からArガスを加圧して送り込むと、溶融合金1は図1の矢印の向きに石英ノズル3の小孔2から下方に噴出し、直下に配置された銅製金型6の孔5に注入されて凝固して、鋳造棒材となる。銅製金型6は溶融合金1の組成の軟磁性非晶質合金のガラス遷移温度よりも十分に低い温度、例えば室温の銅製の金属塊であり、鋳込み空間として深さ50mmの円柱状の孔5が設けられている。孔5の最上部はラッパ状に拡がっており、噴出した溶融合金1が孔5内に注入されやすい構造となっている。
各実施例および比較例では孔5の直径が1mm、2mm、3mm、4mmの4種類の銅製金型6を用意し、それぞれの銅製金型6を用いて組成ごとに4種類の直径の鋳造棒材を作製した。銅製金型6の孔5に溶融合金1が注入されると銅製金型6の大きな熱容量により冷却され、凝固して鋳造棒材が形成されるが、この際に孔5の直径が小さいと溶融合金1の冷却速度は速く、直径が大きいと冷却速度は遅くなる。従って孔5の直径を変えて鋳造棒材を作製し、その縦断面(作製した鋳造棒材の長さ方向の断面)の合金表面のX線回折プロファイルを測定することにより、作製した合金が非晶質の状態かどうかを判定することができる。
本発明では、X線回折プロファイルがブロードなピークとなる非晶質相が得られる鋳造棒材の直径の最大値をその組成の場合の臨界直径と規定し、各実施例および比較例においてこの臨界直径の値を測定した。作製された軟磁性合金は、この臨界直径の値が大きいほど非晶質形成能が優れていることになる。ここで冷却速度が103℃/秒程度となるのは直径1mmの鋳造棒材を作製する場合であり、臨界直径1mm以上が本発明の軟磁性非晶質合金の条件である。
また鋳造棒材以外に、各組成の母合金をそれぞれ用いて単ロール法によって厚み20μmの薄帯を作製した。この厚み20μmの薄帯は前記鋳造棒材よりも作製時の冷却速度が遙かに速く、そのためいずれの組成でも軟磁性非晶質合金が得られている。DSCを用いて約40℃/分の昇温速度でこの薄帯の熱分析を行い、それぞれの軟磁性合金のガラス遷移温度(Tg)および結晶化開始温度(Tx)を測定し、過冷却液体領域の温度範囲(ΔTx)を得た。また前記と同じ厚み20μmの薄帯を用い、振動試料型磁力計(VSM:Vibrating - Sample Magnetometer)により各組成の軟磁性合金の飽和磁束密度(Bs)の測定を室温にて行った。本発明の実施例1〜13、および比較例1〜9の組成における軟磁性合金のΔTx、Bs、臨界直径の値の測定結果をそれぞれ表1に示す。
表1において、過冷却液体領域の温度範囲(ΔTx)が20℃以上、飽和磁束密度(Bs)が1.2T以上、臨界直径1mm以上の全ての条件を満たすことが本発明における軟磁性非晶質合金の条件である。なお表1に示した飽和磁束密度および過冷却液体領域の温度範囲の項目は、いずれも1組成あたり3個ずつ作製した各試料の計測値の平均値を示している。また臨界直径は長さ50mmの鋳造棒材の先端から5mm、25mm、45mmの地点の3ヶ所をX線回折法でそれぞれ評価し、3ヶ所とも非晶質相であることが確認できた鋳造棒材の最大直径を示すものである。
図2は、下記の表1に実施例11として示した組成である、Fe73Si8133Mo2Cr1軟磁性非晶質合金の、単ロール法により作製した厚み20μmの薄帯に対してDSCを用いて熱分析を行った結果をグラフとして示したものである。昇温速度は40℃/分としている。横軸は温度、縦軸は相対発熱量であり、軟磁性非晶質合金の温度が上昇するにつれて最初は縦軸の値が徐々に上昇するものの、やがて緩やかな下降に転じる(吸熱反応が生じる)という、金属ガラスに特有の挙動を示す。ガラス遷移温度(Tg)を過ぎ、グラフの極小値を経て結晶化開始温度(Tx)に達すると軟磁性非晶質合金の結晶化が始まり、大きな発熱ピークとなる。
また図3は、同じ実施例11の組成の厚み20μmの薄帯に対してVSMにより飽和磁束密度(Bs)を測定した際の、直流B−H曲線(磁気ヒステリシス曲線)をグラフとして示したものである。グラフの縦軸は磁束密度(T)、横軸は磁場(A/m)である。グラフからこの場合は保磁力(直流B−H曲線において、Bが0Tの場合の磁場の値)が3A/m程度と非常に小さいことが分かる。この性質は本発明における他の組成の軟磁性非晶質合金にも共通する性質であり、飽和磁束密度が大きいにも関わらず直流B−H曲線にて囲まれた面積であるヒステリシス損が小さく、従って圧粉磁芯などに加工した場合の鉄損が極めて小さな材料であることが分かる。
Figure 2009120927
表1において、本発明の実施例1〜13は、いずれもΔTx=Tx−Tg(ただしTxは結晶化開始温度を示し、Tgはガラス遷移温度を示す)の式で表される過冷却液体領域の温度範囲ΔTxが、ΔTx≧20℃を満たし、かつ飽和磁束密度が1.2T以上であって、しかも臨界直径が1mm以上の条件を全て満たす軟磁性非晶質合金である。一方、比較例1〜9では、これら3つの条件のうち満足していない条件が1つ以上存在する。なお比較例9のMETGLAS組成とは、日立金属株式会社が開発した商品名:METGLAS 2605−S2と同等の組成の非晶質合金を高周波加熱装置内にて高周波溶解し、鋳造棒材および薄帯をそれぞれ作製して測定を行ったものである。
まず表1の実施例1、2、3および比較例1、2に着目すると、これらの組成は、Ni、Coを含まないFe100-w-x-y-zSiwxyz(w,x,y,zは原子%)において、L=Moの場合に、Siの含有量であるwの値を2原子%から12原子%まで変化させた場合に相当する。このうち実施例1、2、3の場合はΔTx≧20℃、Bs≧1.2T、臨界直径≧1mmの全ての条件を満たしており、この場合の4≦w≦10の範囲が本発明におけるパラメータwの条件範囲となる。w=2である比較例1、w=12である比較例2の場合にはいずれも臨界直径が1mm未満である。なお比較例2の場合はΔTxも存在せず、この条件も満たされていない。
次に表1の実施例4、5、6および比較例3、4に着目すると、これらの組成は、Ni、Coを含まないFe100-w-x-y-zSiwxyz(w,x,y,zは原子%)において、L=Moの場合に、Bの含有量であるxの値を9原子%から19原子%まで変化させた場合に相当する。このうち実施例4、5、6の場合はΔTx≧20℃、Bs≧1.2T、臨界直径≧1mmの全ての条件を満たしており、この場合の10≦x≦18の範囲が本発明におけるパラメータxの条件範囲となる。x=19である比較例4、x=9である比較例3の場合にはいずれも臨界直径が1mm未満である。なお比較例3の場合はΔTxも存在せず、この条件も満たされていない。
さらに表1の実施例4、2、5および比較例3に着目すると、これらの組成は、Ni、Coを含まないFe100-w-x-y-zSiwxyz(w,x,y,zは原子%)において、L=Moの場合に、Cの含有量であるyの値を1原子%から8原子%まで変化させた場合に相当する。このうち実施例4、2、5の場合はΔTx≧20℃、Bs≧1.2T、臨界直径≧1mmの全ての条件を満たしており、この場合の1≦y≦7の範囲が本発明におけるパラメータyの条件範囲となる。y=8である比較例3の場合には、臨界直径およびΔTxのいずれの条件も満たされていない。
さらに表1の実施例2、7〜11および比較例5、6に着目すると、これらの組成は、Ni、Coを含まないFe100-w-x-y-zSiwxyz(w,x,y,zは原子%)において、L=Mo、L=MoおよびAl、L=MoおよびCrのいずれか場合に、L(Mo、Al、Cr)の含有量であるzの値を0.3原子%(実施例7の場合)から5原子%(実施例10の場合、MoとAlの合計)まで変化させた場合に相当する。このうち実施例2、7〜11の場合はΔTx≧20℃、Bs≧1.2T、臨界直径≧1mmの全ての条件を満たしており、この場合の0.3≦z≦5の範囲が本発明におけるパラメータzの条件範囲となる。z=0である比較例5の場合は臨界直径およびΔTxの条件がいずれも満たされておらず、またz=6である比較例6の場合はBsの条件が満たされていない。一方、実施例10、11のように、Lが2種類以上の元素からなる場合であっても、本発明の条件を満足する場合がある。
さらに表1の実施例12、13および比較例7、8に着目すると、これらの組成は、MをCo、Niから選択される1種類以上の元素とした場合に、(Fe1-aa100-w-x-y-zSiwxyz(aは比率、w,x,y,zは原子%)において、L=Moの場合に、Coおよび/またはNiの含有量であるaの値を、0.3から0.4まで変化させた場合に相当する。なおa=0の場合に作製される軟磁性非晶質合金が本発明における条件をいずれも満たすことは、前記実施例1〜11により明らかである。このうちa=0.3である実施例12、13の場合はΔTx≧20℃、Bs≧1.2T、臨界直径≧1mmの全ての条件を満たしており、従ってこの場合の0≦a≦0.3が本発明におけるパラメータaの条件範囲となる。一方a=0.4である比較例7、8の場合は、Bs≧1.2Tの条件がいずれも満たされていない。またM=Niである比較例7の場合は、この他に臨界直径の条件も満足していない。
なお、表1の比較例9に記載のMETGLASは従来の軟磁性非晶質合金の例として掲示したものである。このMETGLASの組成の場合はBsの値が1.58と優れているものの、ΔTxは存在せず、また臨界直径の値も1mm未満であり、このため本発明の場合と同程度の比較的遅い冷却速度では非晶質相を形成することができないことが分かる。
(実施例14,15、比較例10)
Fe、Si、B、C、Mo、Crの純度99.5%以上の原料を用い、本発明の実施例2、11の2種類の合金組成となるようそれぞれ秤量し、高周波加熱装置の真空チャンバー内にアルミナ坩堝の中に入れて配置して真空引きを行い、その後減圧Ar雰囲気中で高周波加熱により溶解してそれぞれ母合金を作製した。その後溶解したこれらの母合金を用い、水アトマイズ法により平均粒径が10μmである軟磁性非晶質合金粉末を作製した。この時の平均粒径はレーザー回折式粒子径分布測定装置にて測定を行ったもので、合金粉末の粒径分布の中で最も度数が高い度数範囲の中央値を平均粒径と定義している。また水アトマイズ法により作製される合金粉末は比較的球形に近いことから、各々の合金粉末の粒径はその合金粉末の各方位の直径を平均した値である。本発明の実施例2と同じFe72Si7134Mo4の組成の合金粉末を実施例14、本発明の実施例11と同じFe73Si8133Mo2Cr1の組成の合金粉末を実施例15とした。
また、比較例9で用いたMETGLASの組成と同じ比率となるように原料をそれぞれ秤量し、同様に高周波加熱装置内で溶解させて母合金を作製した。次いでこの溶融した母合金を用いて、同様に水アトマイズ法により平均粒径が10μmである軟磁性非晶質合金粉末を作製した。この組成の合金粉末を比較例10とした。
以上の方法により作製した各々の合金粉末が非晶質の状態かどうかを調べるために、X線回折法によって各合金粉末の表面のX線回折プロファイルの測定を行った。本発明の実施例14、15および比較例10の各組成における軟磁性合金粉末の表面の、X線回折プロファイルによる測定結果をそれぞれ表2に示す。ここで各合金粉末が非晶質の状態かどうかは、このX線回折プロファイルに結晶相に起因するピークが存在するかどうかによって判断している。この測定結果は表2の合金粉末の相の項目に、各組成の合金粉末の表面でグラフがブロードなピークである場合を非晶質相、それ以外の場合を結晶相と表記している。なお表2に示した各組成ではいずれも1組成あたり3個ずつ試料を作製したが、X線回折プロファイルの結果には同一組成内での差は見られなかった。
Figure 2009120927
図4は、上記表2に実施例15として示した組成である、Fe73Si8133Mo2Cr1軟磁性非晶質合金粉末の表面のX線回折プロファイルをグラフとして示したものである。横軸は回折角(2θ)、縦軸は相対強度であり、横軸は30°〜90°の範囲としている。これは、回折角が30°よりも小さい範囲ではバックグラウンドレベルが高くなり過ぎることや、Fe、Si、B、Cを含む合金では結晶化が生じた際には回折角が30°〜90°の範囲に結晶相に起因する鋭いピークが観察されることが判明していることが理由である。
図4から明らかなように、グラフでは2θ=45°付近と2θ=80°付近とにブロードなピークが得られているのみであり、その相対高さも最大でバックグラウンドの2倍程度である。結晶相が存在する場合の特有な鋭いピークは見られず、グラフからFe73Si8133Mo2Cr1軟磁性非晶質合金粉末の表面には非晶質相のみが存在することが分かる。この傾向は実施例14のFe72Si7134Mo4軟磁性非晶質合金粉末の場合も同様である。一方、比較例10におけるMETGLASの組成の場合は数本の顕著なピークがグラフ上に観察される。
表2より、実施例13、14の組成範囲の場合は水アトマイズ法により非晶質の軟磁性合金粉末を作製可能であることが分かる。この実施例13、14の組成範囲は前記実施例2、10の合金組成と同じであり、本発明における請求範囲を満たす組成である。これに対して従来のMETGLASの組成である比較例9の場合は、得られる粉末は結晶相であり、この方法で軟磁性非晶質粉末を得ることができないことが分かる。
従って、従来のMETGLASの組成の場合は薄帯以外の軟磁性非晶質合金を形成することができず、従って圧粉磁芯を作製することは不可能である。一方、本発明による合金組成の場合に粉末形状の軟磁性非晶質合金を作製することができるのは、20℃以上のΔTxを有していて、遅い冷却速度でも非晶質相を形成可能であることが理由と考えられる。本発明による軟磁性非晶質合金の場合は合金粉末を用いた圧粉磁芯や、それによるインダクタを作製可能であり、この場合は近年のインダクタに求められる条件である、小型化、低損失化を満足させることが可能である。
(実施例16、17、比較例11、12)
前記実施例2、11にて作製した合金と同一組成の粉末をそれぞれ作製し、これらの軟磁性非晶質合金粉末にシリコーン系樹脂を加えて混合、造粒した。造粒物に添加されたシリコーン系樹脂の量は、有機バインダを除いた全体の重量に対して5重量%の割合としている。その後10トンの圧力によるプレス成形を室温にて行い、外径(直径)18mm、内径12mm、厚み3mmのリング状の圧粉磁芯を作製し、熱処理により硬化処理を行った。また比較例として、純鉄およびFe−Si−Cr合金(Fe84Si8Cr8)の水アトマイズ法による金属粉末をそれぞれ作製し、同様に有機バインダに溶解したシリコーン系樹脂を5重量%の割合で加えて混合、造粒した後に10トンプレスを行い、外径18mm、内径12mm、厚み3mmのリング状の圧粉磁芯を作製し、同じく熱処理により硬化処理を行った。
このようにして作製した実施例14(Fe72Si7134Mo4)、実施例15(Fe73Si8133Mo2Cr1)と同じ組成の合金粉末を用いた圧粉磁芯をそれぞれ実施例16、17とした。また同様に純鉄(Fe)粉末のリング状の圧粉磁芯を比較例11、Fe84Si8Cr8粉末による圧粉磁芯を比較例12とした。ここで各圧粉磁芯は成形後に熱処理により硬化処理を行った。各圧粉磁芯の熱処理条件は、実施例16、17がそれぞれ400℃、比較例11の場合が500℃、比較例12の場合が700℃であり、それぞれAr雰囲気中で前記温度に昇温しつつ、60分間の熱処理を実施している。
このようにして作製した各組成の圧粉磁芯にそれぞれ巻線を施し、インピーダンスアナライザーにより100kHzにおける初透磁率の測定を、また交流BHアナライザーにより鉄損をそれぞれ計測した。これら本発明の実施例16、17および比較例11、12の各組成において、作製した各組成の圧粉磁芯に巻線を施して測定した100kHzにおける初透磁率(H/m)、および100kHz、100mTの条件における鉄損(mW/cm3)のそれぞれの測定結果を表3に示す。なお表3のそれぞれの値は、いずれも1組成あたり3個ずつ試料を作製して計測した結果の平均値を示したものである。
Figure 2009120927
表3に示されるように、本発明の実施例16、17の軟磁性非晶質合金粉末により作製した圧粉磁芯では、比較例11、12に比べて鉄損の値が非常に小さいことが分かる。ここで表1の結果と総合すると、本発明による軟磁性非晶質合金は、他の磁性合金と比較して飽和磁束密度が高く、また圧粉磁芯に成形した場合に鉄損が小さい材料を含むものであるということができる。
(実施例18、19、比較例13)
Fe、Si、B、C、Mo、Crの純度99.5%以上の原料を用い、本発明の実施例2、11の2種類の合金組成となるようそれぞれ秤量し、高周波加熱装置の真空チャンバー内にアルミナ坩堝の中に入れて配置して真空引きを行い、その後減圧Ar雰囲気中で高周波加熱により溶解してそれぞれ母合金を作製した。その後この母合金を単ロール法により厚み100μmを目標とした薄帯を作製した。薄帯の厚みの調整は、単ロールのロールの回転数を制御することにより実施している。製造する薄帯の厚みを増加させる場合にはロールの回転数が小さくなるよう制御する。従ってこの場合は従来の20μm程度の厚みの薄帯を作製する場合よりも母合金の冷却速度が小さくなる。ここで組成が実施例2と同一であるFe72Si7134Mo4の薄帯を実施例18、組成が実施例11と同一であるFe73Si8133Mo2Cr1の薄帯を実施例19とした。
また、比較例9で用いたMETGLASの組成と同じ比率となるように原料をそれぞれ秤量し、高周波溶解で母合金を作製した。次いでこの母合金を用いて同様に単ロール法により厚み100μmを目標とした薄帯を作製し、この薄帯を比較例13とした。これら実施例18、19、および比較例13の各組成について、各々軟磁性合金による薄帯の試料を3個ずつ作製している。作製した薄帯は、いずれも幅が約3mm、長さは1,000〜2,000mmである。
各実施例および比較例では1組成あたり3枚ずつ薄帯を作製し、各薄帯の先端より約200mmの地点から、長さ20mm、幅3mmのサンプルを各5本ずつ切り出して、それらの厚みを測定した。厚みは接触式厚み測定器を用いてサンプルごとに測定し、各サンプルの測定値の平均の値をその薄帯における厚みと定義した。1組成あたり3枚ずつの各薄帯の厚みをさらに平均した値を、各組成における薄帯の平均厚みとして表4に示す。
また、各組成の合金薄帯が非晶質の状態かどうかを調べるために、X線回折装置のサンプルホルダーに、20mm×15mmの長方形となるように長さ20mmのサンプルを5本並べて設置し、これらのサンプルの表面のX線回折プロファイルの測定を行った。ここで各組成の薄帯が非晶質の状態かどうかは、このX線回折プロファイルに結晶相に起因するピークが存在するかどうかによって判断している。この測定結果は表4の薄帯表面の相の項目に、各組成の薄帯の表面でグラフがブロードなピークである場合を非晶質相、それ以外の場合を結晶相と表記している。なお表4に示した各組成ではいずれも1組成あたり3個ずつ試料を作製しているが、X線回折プロファイルの結果には同一組成内での差は見られなかった。
Figure 2009120927
表4に示されるように、本発明の実施例18、19の組成により作製した合金薄帯は、その平均厚みが105μm〜125μmとかなり厚いにも関わらず、非晶質相であることが確認された。これらの非晶質合金薄帯は、従来の非晶質合金薄帯の厚みが20μm程度であることを考慮すると非常に厚い材料であり、磁性材料として用いる際の自由度も大幅に向上することになる。一方、比較例13の材料では、従来の20μm程度の厚みの薄帯を作製した場合には非晶質相が得られることが分かっている。しかし本発明の実施例18、19の組成の場合は、それよりもさらに冷却速度が遅い場合でも十分に非晶質相を得ることが可能であるので、比較例13の材料の場合に比べて作製したい軟磁性非晶質合金の薄帯の厚みの範囲を、大きく拡大することが可能である。
以上示したように、本発明の実施の形態に基づく軟磁性非晶質合金は、添加する元素の種類とその比率とを本発明にて示した範囲に規定するものである。それにより、飽和磁束密度が高く、しかも鉄損の小さい、磁気特性に優れた軟磁性非晶質合金の粉末、および前記粉末を用いた低損失の圧粉磁芯、前記圧粉磁芯を用いたインダクタ、および薄帯、巻磁芯などを作製することができる。また、上記各実施例の説明は、本発明の実施の形態に係る場合の効果について説明するためのものであって、これによって特許請求の範囲に記載の発明を限定し、あるいは請求の範囲を減縮するものではない。また、本発明の各部構成は上記の実施の形態に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能である。
金型鋳造法により鋳造棒材を作製する際の金型鋳造装置の概略図。 組成がFe73Si8133Mo2Cr1である、軟磁性非晶質合金の薄帯におけるDSCによる熱分析の結果のグラフ。 図2と同じ組成の、軟磁性非晶質合金の薄帯におけるVSMによる直流B−H曲線(磁気ヒステリシス曲線)のグラフ。 図2と同じ組成の、軟磁性非晶質合金の粉末における表面のX線回折プロファイルのグラフ。
符号の説明
1 溶融合金
2 小孔
3 石英ノズル
4 高周波発生コイル
5 孔
6 銅製金型

Claims (5)

  1. 不可避不純物を除いた組成が、
    組成式:(Fe1-aa100-w-x-y-zSiwxyzで表され、前記組成式の構成元素のうち、MはCo、Niの中から選択される1種類以上の元素であり、LはAl、Cr、Moの中から選択される1種類以上の元素であり、0≦a≦0.3、4原子%≦w≦10原子%、10原子%≦x≦18原子%、1原子%≦y≦7原子%、0.3原子%≦z≦5原子%の組成比率の軟磁性非晶質合金であって、
    結晶化開始温度Txとガラス遷移温度Tgの温度差ΔTx(ΔTx=Tx−Tg)が20℃以上であり、かつ飽和磁束密度が1.2T以上であることを特徴とする軟磁性非晶質合金。
  2. 水アトマイズ法により作製されたことを特徴とする請求項1に記載の軟磁性非晶質合金の粉末。
  3. 請求項2に記載の軟磁性非晶質合金の粉末と結合材とを含む混合物を成形してなることを特徴とする圧粉磁芯。
  4. 請求項3に記載の圧粉磁芯と、コイルとを含み構成されることを特徴とするインダクタ。
  5. 単ロール法または双ロール法により作製され、厚みが0.1mm以上であることを特徴とする請求項1に記載の軟磁性非晶質合金の薄帯。
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