JP2016012715A - 圧粉コア、該圧粉コアの製造方法、該圧粉コアを備える電子・電気部品、および該電子・電気部品が実装された電子・電気機器 - Google Patents

圧粉コア、該圧粉コアの製造方法、該圧粉コアを備える電子・電気部品、および該電子・電気部品が実装された電子・電気機器 Download PDF

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【課題】結晶質磁性材料の粉末および非晶質磁性材料の粉末を含有する圧粉コアであって、1MHz以上の高周波帯域においても優れた磁気特性を備える圧粉コアを提供する。
【解決手段】結晶質磁性材料の粉末および非晶質磁性材料の粉末を含有する圧粉コアであって、実効最大磁束密度Bが15mTの条件で測定される鉄損Pcv(単位:kW/m)の周波数f(単位:kHz)依存性を、2つの常数kおよびkを用いて下記式(1)により表したときに、
Pcv=k×f×B 1.6+k×f×B (1)
一方の常数kが1.5×10−3kW/m/kHz/(mT)1.6以下、かつ他方の常数kが3.0×10−7kW/m/(kHz)/(mT)以下である圧粉コア。
【選択図】図1

Description

本発明は、圧粉コア、該圧粉コアの製造方法、該圧粉コアを備える電子・電気部品、および該電子・電気部品が実装された電子・電気機器に関する。
ハイブリッド自動車等の昇圧回路や、発電、変電設備に用いられるリアクトル、トランスやチョークコイル等に使用される圧粉コアは、多数の軟磁性粉末を圧粉成形し、得られた成形体を熱処理することにより得ることができる。下記特許文献1には圧粉コアの一例が開示されている。
また、特許文献1には、従来よりもコア強度および絶縁抵抗が高く、かつコア損失が少ないインダクタとして、90〜98mass%の非晶質軟磁性粉末と2〜10mass%の結晶質軟磁性粉末の配合比からなる混合粉末と、絶縁性材料との混合物が固化したものを含む磁心(圧粉コア)を備えるインダクタが開示されている。
特開2010−118486号公報
近時、圧粉コアを用いたインダクタなどの電子・電気部品は、動作周波数の高周波化に対応することが求められている。ところが、特許文献1には、磁心(圧粉コア)を用いたトロイダルコアのコア損失を評価する際の励磁条件は300kHzに留まっており、1MHz以上の高周波帯域において、結晶質軟磁性粉末および非晶質軟磁性粉末を含有する材料が磁心(圧粉コア)の材料として適切であるか否かは全く不明であった。
本発明は、結晶質磁性材料の粉末および非晶質磁性材料の粉末を含有する圧粉コアであって、1MHz以上の高周波帯域においても優れた磁気特性を備える圧粉コアを提供することを目的とする。本発明は、かかる圧粉コアの製造方法を提供すること、かかる圧粉コアを備える電子・電気部品、およびかかる電子・電気部品が実装された電子・電気機器を提供することも課題とする。
上記課題を解決するために本発明者らが検討した結果、実効最大磁束密度Bが15mTの条件で測定される鉄損Pcv(単位:kW/m)の周波数f(単位:kHz)依存性を表現する式において用いられる2つの常数の範囲を所定の範囲とすることにより、1MHz以上の高周波帯域においても優れた磁気特性を備える圧粉コアを提供することが可能であるとの新たな知見を得た。
かかる知見により完成された発明は次のとおりである。
本発明の一態様は、結晶質磁性材料の粉末および非晶質磁性材料の粉末を含有する圧粉コアであって、実効最大磁束密度Bが15mTの条件で測定される鉄損Pcv(単位:kW/m)の周波数f(単位:kHz)依存性を、2つの常数kおよびkを用いて下記式(1)により表したときに、
Pcv=k×f×B 1.6+k×f×B (1)
前記常数kが1.5×10−3kW/m/kHz/(mT)1.6以下、かつ前記常数kが3.0×10−7kW/m/(kHz)/(mT)以下である圧粉コアである。
常数k,kが上記の範囲内にあることにより、周波数fの上昇に伴う圧粉コアの鉄損Pcvの上昇の程度が穏やかとなる。このため、1MHz以上の高周波となっても、圧粉コアの鉄損Pcvが高まりにくい。
前記結晶質磁性材料の粉末の含有量と前記非晶質磁性材料の粉末の含有量との総和に対する前記結晶質磁性材料の粉末の含有量の質量比率は、5質量%以上40質量%以下であることが好ましい。かかる質量比率が上記の範囲内にあることにより、圧粉コアの絶縁抵抗の向上や低周波帯域での鉄損Pcvの低減がより安定的に実現される。
本発明の別の一態様は、結晶質磁性材料の粉末および非晶質磁性材料の粉末を含有する圧粉コアであって、前記結晶質磁性材料の粉末の含有量と前記非晶質磁性材料の粉末の含有量との総和に対する前記結晶質磁性材料の粉末の含有量の質量比率は、5質量%以上40質量%以下であることを特徴とする圧粉コアである。かかる質量比率が上記の範囲内にあることにより、圧粉コアの鉄損Pcvの低減が安定的に実現される。
前記結晶質磁性材料は、Fe−Si−Cr系合金、Fe−Ni系合金、Fe−Co系合金、Fe−V系合金、Fe−Al系合金、Fe−Si系合金、Fe−Si−Al系合金、カルボニル鉄および純鉄からなる群から選ばれた1種または2種以上の材料を含んでいてもよい。
前記結晶質磁性材料はカルボニル鉄からなることが好ましい。
前記非晶質磁性材料は、Fe−Si−B系合金、Fe−P−C系合金およびCo−Fe−Si−B系合金からなる群から選ばれた1種または2種以上の材料を含んでいてもよい。
前記非晶質磁性材料はFe−P−C系合金からなることが好ましい。
前記結晶質磁性材料の粉末は絶縁処理が施された材料からなることが好ましい。上記の範囲内にあることにより、圧粉コアの絶縁抵抗の向上や低周波帯域での鉄損Pcvの低減がより安定的に実現される。
前記非晶質磁性材料の粉末のメジアン径D50は6μm以下であることが好ましい場合がある。かかるメジアン径D50が6μm以下であることにより、常数kが低減しやすくなることもある。前記非晶質磁性材料の粉末のメジアン径D50は5μm以下であることが好ましい場合がある。かかるメジアン径D50が5μm以下であることにより、高周波帯域での鉄損Pcvが低減しやすくなったり、直流重畳特性が向上しやすくなったりすることもある。
前記結晶質磁性材料の粉末および前記非晶質磁性材料の粉末を、前記圧粉コアに含有される他の材料に対して結着させる結着成分を、上記の圧粉コアが含有していてもよい。
前記結着成分は、樹脂材料に基づく成分を含むことが好ましい。
本発明の別の一態様は、上記の圧粉コアの製造方法であって、前記結晶質磁性材料の粉末および前記非晶質磁性材料の粉末ならびに前記樹脂材料からなるバインダー成分を含む混合物の加圧成形を含む成形処理により成形製造物を得る成形工程を備えることを特徴とする圧粉コアの製造方法である。かかる製造方法により、上記の圧粉コアをより効率的に製造することが実現される。
上記の製造方法は、前記成形工程により得られた前記成形製造物が前記圧粉コアであってもよい。あるいは、前記成形工程により得られた前記成形製造物を加熱する熱処理により前記圧粉コアを得る熱処理工程を備えていてもよい。
本発明のさらに別の一態様は、上記の圧粉コア、コイルおよび前記コイルのそれぞれの端部に接続された接続端子を備える電子・電気部品であって、前記圧粉コアの少なくとも一部は、前記接続端子を介して前記コイルに電流を流したときに前記電流により生じた誘導磁界内に位置するように配置されている電子・電気部品である。かかる電子・電気部品がインダクタンス素子である場合には、上記の圧粉コアの優れた特性に基づき、高周波化と、優れた直流重畳特性および低損失とを両立することが可能である。
本発明のさらにまた別の一態様は、上記の電子・電気部品が実装された電子・電気機器であって、前記電子・電気部品は前記接続端子にて基板に接続されている電子・電気機器である。かかる電子・電気機器として、電源スイッチング回路、電圧昇降回路、平滑回路等を備えた電源装置や小型携帯通信機器等が例示される。本発明に係る電子・電気機器は、上記の電子・電気部品を備えるため、小型化・高速化に対応しやすい。
上記の発明に係る圧粉コアは、1MHz以上の高周波帯域においても磁気特性に優れる。また、本発明によれば、上記の圧粉コアの製造方法、上記の圧粉コアを備える電子・電気部品、およびこの電子・電気部品が実装された電子・電気機器が提供される。
本発明の一実施形態に係る圧粉コアの形状を概念的に示す斜視図である。 造粒粉を製造する方法の一例において使用されるスプレードライヤー装置およびその動作を概念的に示す図である。 本発明の一実施形態に係る圧粉コアを備える電子・電気部品であるトロイダルコアの形状を概念的に示す斜視図である。 本発明の別の一実施形態に係る圧粉コアを備える電子・電気部品であるインダクタンス素子の全体構成を一部透視して示す斜視図である。 図4に示すインダクタンス素子を実装基板上に実装した状態を示す部分正面図である。 実施例における鉄損Pcvの周波数依存性の測定結果を示すグラフである。 常数kの第一混合比率に対する依存性を示すグラフである。 常数kの第一混合比率に対する依存性を示すグラフである。 100kHzおよび2MHzにおける鉄損変化率の第一混合比率に対する依存性を示すグラフである。 表2および4に基づく、絶縁抵抗の第一混合比率に対する依存性を示すグラフである。 周波数が100kHzの場合における鉄損Pcvの第一混合比率に対する依存性を示すグラフである。 周波数が1MHzの場合における鉄損Pcvの第一混合比率に対する依存性を示すグラフである。 周波数が2MHzの場合における鉄損Pcvの第一混合比率に対する依存性を示すグラフである。 周波数が3MHzの場合における鉄損Pcvの第一混合比率に対する依存性を示すグラフである。 重畳電流の印加前(初期)のインダクタンスLの値Lに対するインダクタンスLの変化量ΔLの割合(ΔL/L)が30%となったときの印加電流値(Isat)の、第一混合比率に対する依存性を示すグラフである。
以下、本発明の実施形態について詳しく説明する。
1.圧粉コア
図1に示す本発明の一実施形態に係る圧粉コア1は、その外観がリング状であって、結晶質磁性材料の粉末および非晶質磁性材料の粉末を含有する。本実施形態に係る圧粉コア1は、これらの粉末を含む混合物の加圧成形を含む成形処理を備える製造方法により製造されたものである。限定されない一例として、本実施形態に係る圧粉コア1は、結晶質磁性材料の粉末および非晶質磁性材料の粉末を、圧粉コア1に含有される他の材料(同種の材料である場合もあれば、異種の材料である場合もある。)に対して結着させる結着成分を含有する。以下、これらの成分について説明する。
(1)結晶質磁性材料の粉末
本発明の一実施形態に係る圧粉コア1が含有する結晶質磁性材料の粉末を与える結晶質磁性材料は、結晶質であること(一般的なX線回折測定により、材料種類を特定できる程度に明確なピークを有する回折スペクトルが得られること)、および強磁性体であることを満たす限り、具体的な種類は限定されない。結晶質磁性材料の具体例として、Fe−Si−Cr系合金、Fe−Ni系合金、Fe−Co系合金、Fe−V系合金、Fe−Al系合金、Fe−Si系合金、Fe−Si−Al系合金、カルボニル鉄および純鉄が挙げられる。上記の結晶質磁性材料は1種類の材料から構成されていてもよいし複数種類の材料から構成されていてもよい。結晶質磁性材料の粉末を与える結晶質磁性材料は、上記の材料からなる群から選ばれた1種または2種以上の材料であることが好ましく、これらの中でも、カルボニル鉄を含有することが好ましく、カルボニル鉄からなることがより好ましい。
本発明の一実施形態に係る圧粉コア1が含有する結晶質磁性材料の粉末の形状は限定されない。粉末の形状は球状であってもよいし非球状であってもよい。非球状である場合には、鱗片状、楕円球状、液滴状、針状といった形状異方性を有する形状であってもよいし、特段の形状異方性を有しない不定形であってもよい。不定形の粉体の例として、球状の粉体の複数が、互いに接して結合していたり、他の粉体に部分的に埋没するように結合していたりする場合が挙げられる。このような不定形の粉体は、カルボニル鉄において観察されやすい。
粉末の形状は、粉末を製造する段階で得られた形状であってもよいし、製造された粉末を二次加工することにより得られた形状であってもよい。前者の形状としては、球状、楕円球状、液滴状、針状などが例示され、後者の形状としては鱗片状が例示される。
本発明の一実施形態に係る圧粉コア1が含有する結晶質磁性材料の粉末の粒径は限定されない。かかる粒径を、メジアン径D50(レーザー回折散乱法により測定された軟磁性粉末の粒径の体積分布における体積累積値が50%のときの粒径)により規定すれば、通常、1μmから20μmの範囲とされる。取扱い性を高める観点、圧粉コアにおける結晶質磁性材料の粉末の充填密度を高める観点などから、結晶質磁性材料の粉末のメジアン径D50(本明細書において、「第一メジアン径d1」ともいう。)は、1μm以上15μm以下とすることが好ましく、1μm以上10μm以下とすることがより好ましく、1μm以上5μm以下とすることが特に好ましい。
本発明の一実施形態に係る圧粉コア1における結晶質磁性材料の粉末の含有量は、圧粉コア1が後述する鉄損Pcvに関する条件を満たすように、圧粉コア1における非晶質磁性材料の含有量との関係で設定される。
結晶質磁性材料の粉末の少なくとも一部は絶縁処理が施された材料からなることが好ましく、結晶質磁性材料の粉末は絶縁処理が施された材料からなることがより好ましい。結晶質磁性材料の粉末に絶縁処理が施されている場合には、圧粉コアの絶縁抵抗の向上する傾向がみられる。また、高周波帯域のみならず、低周波帯域においても鉄損Pcvが低下する傾向がみられる場合がある。
結晶質磁性材料の粉末に施す絶縁処理の種類は限定されない。リン酸処理、リン酸塩処理、酸化処理などが例示される。
結晶質磁性材料の粉末は絶縁処理が施された材料からなる場合には、結晶質磁性材料の粉末の含有量と非晶質磁性材料の粉末の含有量との総和に対する結晶質磁性材料の粉末の含有量の質量比率(単位:質量%、本明細書において、「第一混合比率」ともいう。)は、5質量%以上40質量%以下であることが好ましい。第一混合比率が上記の範囲内であることにより、高周波帯域および低周波帯域において鉄損Pcvが低下しやすくなる傾向がみられる。第一混合比率は、5質量%以上35質量%以下であることがより好ましく、5質量%以上30質量%以下であることがさらに好ましく、5質量%以上25質量%以下であることが特に好ましく、10質量%以上20質量%以下であることが極めて好ましい。
(2)非晶質磁性材料の粉末
本発明の一実施形態に係る圧粉コア1が含有する非晶質磁性材料の粉末を与える非晶質磁性材料は、非晶質であること(一般的なX線回折測定により、材料種類を特定できる程度に明確なピークを有する回折スペクトルが得られないこと)、および強磁性体、特に軟磁性体であることを満たす限り、具体的な種類は限定されない。非晶質磁性材料の具体例として、Fe−Si−B系合金、Fe−P−C系合金およびCo−Fe−Si−B系合金が挙げられる。上記の非晶質磁性材料は1種類の材料から構成されていてもよいし、複数種類の材料から構成されていてもよい。非晶質磁性材料の粉末を構成する磁性材料は、上記の材料からなる群から選ばれた1種または2種以上の材料であることが好ましく、これらの中でも、Fe−P−C系合金を含有することが好ましく、Fe−P−C系合金からなることがより好ましい。
Fe−P−C系合金の具体例として、組成式が、Fe100-a-b-c-x-y-z-tNiaSnbCrcxyzSitで示され、0原子%≦a≦10原子%、0原子%≦b≦3原子%、0原子%≦c≦6原子%、6.8原子%≦x≦10.8原子%、2.2原子%≦y≦9.8原子%、0原子%≦z≦4.2原子%、0原子%≦t≦7原子%であるFe基非晶質合金が挙げられる。上記の組成式において、Ni,Sn,Cr,BおよびSiは任意添加元素である。
Niの添加量aは、0原子%以上6原子%以下とすることが好ましく、0原子%以上4原子%以下とすることがより好ましい。Snの添加量bは、0原子%以上2原子%以下とすることが好ましく、1原子%以上2原子%以下とすることがより好ましい。Crの添加量cは、0原子%以上2原子%以下とすることが好ましく、1原子%以上2原子%以下とすることがより好ましい。Pの添加量xは、8.8原子%以上とすることが好ましい場合もある。Cの添加量yは、5.8原子%以上8.8原子%以下とすることが好ましい場合もある。Bの添加量zは、0原子%以上3原子%以下とすることが好ましく、0原子%以上2原子%以下とすることがより好ましい。Siの添加量tは、0原子%以上6原子%以下とすることが好ましく、0原子%以上2原子%以下とすることがより好ましい。
本発明の一実施形態に係る圧粉コア1が含有する非晶質磁性材料の粉末の形状は限定されない。粉末の形状の種類については結晶質磁性材料の粉末の場合と同様であるから説明を省略する。製造方法の関係で非晶質磁性材料は球状または楕円球状とすることが容易である場合もある。また、一般論として非晶質磁性材料は結晶質磁性材料よりも硬質であるから、結晶質磁性材料を非球状として加圧成形の際に変形しやすいようにすることが好ましい場合もある。
本発明の一実施形態に係る圧粉コア1が含有する非晶質磁性材料の粉末の形状は、粉末を製造する段階で得られた形状であってもよいし、製造された粉末を二次加工することにより得られた形状であってもよい。前者の形状としては、球状、楕円球状、針状などが例示され、後者の形状としては、鱗片状が例示される。
本発明の一実施形態に係る圧粉コア1が含有する非晶質磁性材料の粉末の粒径は限定されない。かかる粒径をメジアン径D50により規定すれば、通常、1μmから20μmの範囲とされる。取扱い性を高める観点から、非晶質磁性材料の粉末のメジアン径D50(本明細書において、「第二メジアン径d2」ともいう。)を、1μm以上とすることが好ましく、2μm以上とすることがより好ましく、3μm以上とすることが特に好ましい。圧粉コア1における非晶質および結晶質の磁性材料の粉末の充填密度を高める観点などから、非晶質磁性材料の粉末のメジアン径D50を、15μm以下とすることが好ましく、12μm以下とすることがより好ましく、6μm以下とすることが特に好ましい。また、圧粉コア1の高い絶縁抵抗と低い鉄損Pcvとを実現するためには、非晶質磁性材料の粉末のメジアン径D50を6μm以下とすることが好ましい場合がある。圧粉コア1の優れた直流重畳特性と高周波帯域における低い鉄損Pcvとを実現する観点から、非晶質磁性材料の粉末のメジアン径D50を5μm以下とすることが好ましい場合がある。
第一メジアン径d1と第二メジアン径d2との関係は限定されない。一般論として、非晶質磁性材料は結晶質磁性材料よりも硬質であるから、第一メジアン径d1を相対的に小さくして、非晶質磁性材料の粉末が充填されたときに生じる空隙部を結晶質磁性材料の粉末が充填しやすいようにすることが好ましい場合もある。この場合において、d1/d2は0.8以下とすることが好ましく、0.5以下とすることがより好ましいこともある。
本発明の一実施形態に係る圧粉コア1における非晶質磁性材料の粉末の含有量は、圧粉コア1が後述する鉄損Pcvに関する条件を満たすように、圧粉コア1における結晶質磁性材料の含有量との関係で設定される。
(3)鉄損Pcvの周波数依存性
本発明の一実施形態に係る圧粉コア1は、鉄損Pcv(単位:kW/m)の周波数f(単位:kHz)依存性に関し、次の関係を満たす。すなわち、実効最大磁束密度Bが15mTの条件で測定される鉄損Pcvの周波数f依存性を、2つの常数kおよびkを用いて下記式(1)により表したときに、一方の常数kが1.5×10−3kW/m/kHz/(mT)1.6以下、かつ他方の常数kが3.0×10−7kW/m/(kHz)/(mT)以下である。
Pcv=k×f×B 1.6+k×f×B (1)
なお、本明細書において、常数k,kは、鉄損Pcvの1MHzから3MHzの範囲での周波数f依存性に基づいて、算出されるものとする。
常数k,kが上記の範囲内にあることにより、周波数fの上昇に伴う鉄損Pcvの上昇の程度が穏やかとなり、1MHz以上の高周波となっても、鉄損Pcvが高まりにくい。鉄損Pcvの周波数f依存性をより安定的に良好にする観点から、常数kは、1.0×10−3kW/m/kHz/(mT)1.6以下であることが好ましく、0.8×10−3kW/m/kHz/(mT)1.6以下であることがより好ましい。また、上記の観点から、常数kは、2.8×10−7kW/m/(kHz)/(mT)以下であることが好ましく、2.7×10−7kW/m/(kHz)/(mT)以下であることがより好ましい。
鉄損Pcvの周波数f依存性をより安定的に良好にする観点からは、常数k,kの下限は限定されない。通常、常数kは1.0×10−4kW/m/kHz/(mT)1.6以上であり、常数kは1.0×10−7kW/m/(kHz)/(mT)以上である。
本発明の一実施形態に係る圧粉コア1における、結晶質磁性材料の粉末の含有量と非晶質磁性材料の粉末の含有量との関係が、上記の常数k,kに与える影響は、次のとおりである。
基本的な傾向として、第一混合比率(結晶質磁性材料の粉末の含有量と非晶質磁性材料の粉末の含有量との総和に対する結晶質磁性材料の粉末の含有量の質量比率)が高いほど、2つの常数k,kのいずれも高くなる。したがって、第一混合比率が高いほど、鉄損Pcvは高くなる傾向を有する。
第一混合比率の変化と常数k,kの変化との関係を詳細に確認すると、この関係には非線形性が認められ、その傾向は、第一混合比率が低いほど顕著である。すなわち、第一混合比率が40質量%程度以下の場合には、第一混合比率が増加しても、2つの常数k,kのいずれも増加の程度は比較的少ない。前記(1)式によれば、2つの常数k,kが低いほど、実効最大磁束密度Bおよび周波数fが高くなっても鉄損Pcvは増大しにくい。このため、第一混合比率が低い方が、鉄損Pcvの上昇を抑制する機能(以下、「鉄損抑制機能」ともいう。)が効果的に発揮されやすい。この鉄損抑制機能がより効果的に発揮されやすくなる観点から、第一混合比率は、35質量%以下であることが好ましく、30質量%以下であることがより好ましく、20質量%以下であることが特に好ましい。また、直流重畳特性を向上させるために、第一混合比率は5質量%以上であることが好ましく、10質量%以上であることがより好ましく、15質量%以上であることが特に好ましい。圧粉コア1が鉄損抑制機能が発揮されることと直流重畳特性を向上させることとを兼ね備える観点から、第一混合比率は、5質量%以上40質量%であることが好ましく、15質量%以上30質量%であることがより好ましい。
第一混合比率が高くなると、基本的な傾向として鉄損Pcvは増加するところ、その増大の傾向は次のような周波数依存性を有する。すなわち、任意の第一混合比率の場合の鉄損Pcvを第一混合比率が0質量%の場合(非晶質磁性材料の粉末のみの場合)の鉄損Pcvで規格化した鉄損変化率は、第一混合比率が高くなるほど大きくなるが、鉄損変化率の増大の程度は、周波数が高いほど緩やかになる。後述する実施例において示すように、2MHzにおける鉄損変化率の増大の第一混合比率依存性は、100kHzにおける鉄損変化率の増大の第一混合比率依存性の半分程度となる。したがって、本発明の一実施形態に係る圧粉コア1を備える電子・電気部品は、高周波帯域で使用される用途の場合ほど、鉄損Pcvの影響が生じにくくなる。
(4)結着成分
結着成分は、本実施形態に係る圧粉コア1に含有される結晶質磁性材料の粉末および非晶質磁性材料の粉末(本明細書において、これらの粉末を「磁性粉末」と総称することもある。)を固定することに寄与する材料である限り、その組成は限定されない。結着成分を構成する材料として、樹脂材料および樹脂材料の熱分解残渣(本明細書において、これらを「樹脂材料に基づく成分」と総称する。)などの有機系の材料、無機系の材料などが例示される。樹脂材料として、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂などが例示される。無機系の材料からなる結着成分は水ガラスなどガラス系材料が例示される。結着成分は一種類の材料から構成されていてもよいし、複数の材料から構成されていてもよい。結着成分は有機系の材料と無機系の材料との混合体であってもよい。
結着成分として、通常、絶縁性の材料が使用される。これにより、圧粉コア1としての絶縁性を高めることが可能となる。
2.圧粉コアの製造方法
上記の本発明の一実施形態に係る圧粉コア1の製造方法は特に限定されないが、次に説明する製造方法を採用すれば、圧粉コア1をより効率的に製造することが実現される。
本発明の一実施形態に係る圧粉コア1の製造方法は、次に説明する、成形工程を備え、さらに熱処理工程を備えていてもよい。
(1)成形工程
まず、磁性粉末、および圧粉コア1において結着成分を与える成分を含む混合物を用意する。結着成分を与える成分(本明細書において、「バインダー成分」ともいう。)とは、結着成分そのものである場合もあれば、結着成分と異なる材料である場合もある。後者の具体例として、バインダー成分が樹脂材料であって、結着成分がその熱分解残渣である場合が挙げられる。
この混合物の加圧成形を含む成形処理により成形製造物を得ることができる。加圧条件は限定されず、バインダー成分の組成などに基づき適宜決定される。例えば、バインダー成分が熱硬化性の樹脂からなる場合には、加圧とともに加熱して、金型内で樹脂の硬化反応を進行させることが好ましい。一方、圧縮成形の場合には、加圧力が高いものの、加熱は必要条件とならず、短時間の加圧となる。
以下、混合物が造粒粉であって、圧縮成形を行う場合について、やや詳しく説明する。造粒粉は取り扱い性に優れるため、成形時間が短く生産性に優れる圧縮成形工程の作業性を向上させることができる。
(1−1)造粒粉
造粒粉は、磁性粉末およびバインダー成分を含有する。造粒粉におけるバインダー成分の含有量は特に限定されない。かかる含有量が過度に低い場合には、バインダー成分が磁性粉末を保持しにくくなる。また、バインダー成分の含有量が過度に低い場合には、熱処理工程を経て得られた圧粉コア1中で、バインダー成分の熱分解残渣からなる結着成分が、複数の磁性粉末を互いに他から絶縁しにくくなる。一方、上記のバインダー成分の含有量が過度に高い場合には、熱処理工程を経て得られた圧粉コア1に含有される結着成分の含有量が高くなりやすい。圧粉コア1中の結着成分の含有量が高くなると、圧粉コア1の磁気特性が低下しやすくなる。それゆえ、造粒粉中のバインダー成分の含有量は、造粒粉全体に対して、0.5質量%以上5.0質量%以下となる量にすることが好ましい。圧粉コア1の磁気特性が低下する可能性をより安定的に低減させる観点から、造粒粉中のバインダー成分の含有量は、造粒粉全体に対して、1.0質量%以上3.5質量%以下となる量にすることが好ましく、1.2質量%以上3.0質量%以下となる量にすることがより好ましい。
造粒粉は、上記の磁性粉末およびバインダー成分以外の材料を含有してもよい。そのような材料として、潤滑剤、シランカップリング剤、絶縁性のフィラーなどが例示される。潤滑剤を含有させる場合において、その種類は特に限定されない。有機系の潤滑剤であってもよいし、無機系の潤滑剤であってもよい。有機系の潤滑剤の具体例として、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウムなどの金属石鹸が挙げられる。こうした有機系の潤滑剤は、熱処理工程において気化し、圧粉コア1にはほとんど残留していないと考えられる。
造粒粉の製造方法は特に限定されない。上記の造粒粉を与える成分をそのまま混錬し、得られた混練物を公知の方法で粉砕するなどして造粒粉を得てもよいし、上記の成分に分散媒(水が一例として挙げられる。)を添加してなるスラリーを調製し、このスラリーを乾燥させて粉砕することにより造粒粉を得てもよい。粉砕後にふるい分けや分級を行って、造粒粉の粒度分布を制御してもよい。
上記のスラリーから造粒粉を得る方法の一例として、スプレードライヤーを用いる方法が挙げられる。図2に示されるように、スプレードライヤー装置200内には回転子201が設けられ、装置上部からスラリーSを回転子201に向けて注入する。回転子201は所定の回転数により回転しており、装置200内部のチャンバーにてスラリーSを遠心力により小滴状として噴霧する。さらに装置200内部のチャンバーに熱風を導入し、これにより小滴状のスラリーSに含有される分散媒(水)を、小滴形状を維持したまま揮発させる。その結果、スラリーSから造粒粉Pが形成される。この造粒粉Pを装置200の下部から回収する。回転子201の回転数、スプレードライヤー装置200内に導入する熱風温度、チャンバー下部の温度など各パラメータは適宜設定すればよい。これらのパラメータの設定範囲の具体例として、回転子201の回転数として4000〜6000rpm、スプレードライヤー装置200内に導入する熱風温度として130〜170℃、チャンバー下部の温度として80〜90℃が挙げられる。またチャンバー内の雰囲気およびその圧力も適宜設定すればよい。一例として、チャンバー内をエアー(空気)雰囲気として、その圧力を大気圧との差圧で2mmHO(約0.02kPa)とすることが挙げられる。得られた造粒粉Pの粒度分布をふるい分けなどによりさらに制御してもよい。
(1−2)加圧条件
圧縮成形における加圧条件は特に限定されない。造粒粉の組成、成形品の形状などを考慮して適宜設定すればよい。造粒粉を圧縮成形する際の加圧力が過度に低い場合には、成形品の機械的強度が低下する。このため、成形品の取り扱い性が低下する、成形品から得られた圧粉コア1の機械的強度が低下する、といった問題が生じやすくなる。また、圧粉コア1の磁気特性が低下したり絶縁性が低下したりする場合もある。一方、造粒粉を圧縮成形する際の加圧力が過度に高い場合には、その圧力に耐えうる成形金型を作成するのが困難になってくる。圧縮加圧工程が圧粉コア1の機械特性や磁気特性に悪影響を与える可能性をより安定的に低減させ、工業的に大量生産を容易に行う観点から、造粒粉を圧縮成形する際の加圧力は、0.3GPa以上2GPa以下とすることが好ましく、0.5GPa以上2GPa以下とすることがより好ましく、0.8GPa以上2GPa以下とすることが特に好ましい。
圧縮成形では、加熱しながら加圧を行ってもよいし、常温で加圧を行ってもよい。
(2)熱処理工程
成形工程により得られた成形製造物が本実施形態に係る圧粉コア1であってもよいし、次に説明するように成形製造物に対して熱処理工程を実施して圧粉コア1を得てもよい。
熱処理工程では、上記の成形工程により得られた成形製造物を加熱することにより、磁性粉末間の距離を修正することによる磁気特性の調整および成形工程において磁性粉末に付与された歪を緩和させて磁気特性の調整を行って、圧粉コア1を得る。
熱処理工程は上記のように圧粉コア1の磁気特性の調整が目的であるから、熱処理温度などの熱処理条件は、圧粉コア1の磁気特性が最も良好となるように設定される。熱処理条件を設定する方法の一例として、成形製造物の加熱温度を変化させ、昇温速度および加熱温度での保持時間など他の条件は一定とすることが挙げられる。
熱処理条件を設定する際の圧粉コア1の磁気特性の評価基準は特に限定されない。評価項目の具体例として圧粉コア1の鉄損Pcvを挙げることができる。この場合には、圧粉コア1の鉄損Pcvが最低となるように成形製造物の加熱温度を設定すればよい。鉄損Pcvの測定条件は適宜設定され、一例として、周波数100kHz、最大磁束密度100mTとする条件が挙げられる。
熱処理の際の雰囲気は特に限定されない。酸化性雰囲気の場合には、バインダー成分の熱分解が過度に進行する可能性や、磁性粉末の酸化が進行する可能性が高まるため、窒素、アルゴンなどの不活性雰囲気や、水素などの還元性雰囲気で熱処理を行うことが好ましい。
3.電子・電気部品
本発明の一実施形態に係る電子・電気部品は、上記の本発明の一実施形態に係る圧粉コア1、コイルおよびこのコイルのそれぞれの端部に接続された接続端子を備える。ここで、圧粉コア1の少なくとも一部は、接続端子を介してコイルに電流を流したときにこの電流により生じた誘導磁界内に位置するように配置されている。
このような電子・電気部品の一例として、図3に示されるトロイダルコイル10が挙げられる。トロイダルコイル10は、リング状の圧粉コア(トロイダルコア)1に、被覆導電線2を巻回することによって形成されたコイル2aを備える。巻回された被覆導電線2からなるコイル2aと被覆導電線2の端部2b,2cとの間に位置する導電線の部分において、コイル2aの端部2d,2eを定義することができる。このように、本実施形態に係る電子・電気部品は、コイルを構成する部材と接続端子を構成する部材とが同一の部材から構成されていてもよい。
本発明の一実施形態に係る電子・電気部品は、上記の本発明の一実施形態に係る圧粉コア1とは異なる形状を有する圧粉コアを備える。そのような電子・電気部品の具体例として、図4に示されるインダクタンス素子20が挙げられる。図4は、本発明の一実施形態に係るインダクタンス素子20の全体構成を一部透視して示す斜視図である。図4では、インダクタンス素子20の下面(実装面)が上向きの姿勢で示されている。図5は、図4に示すインダクタンス素子20を実装基板10上に実装した状態を示す部分正面図である。
図4に示すインダクタンス素子20は、圧粉コア3と、圧粉コア3の内部に埋め込まれたコイルとしての空芯コイル5と、溶接によって空芯コイル5に電気的に接続される接続端子としての一対の端子部4とを備えて構成される。
空芯コイル5は、絶縁被膜された導線を螺旋状に巻回して形成されたものである。空芯コイル5は、巻回部5aと巻回部5aから引き出された引出端部5b,5bとを有して構成される。空芯コイル5の巻き数は必要なインダクタンスに応じて適宜設定される。
図4に示すように、圧粉コア3において、実装基板に対する実装面3aに、端子部4の一部を収納するための収納凹部30が形成されている。収納凹部30は、実装面3aの両側に形成されており、圧粉コア3の側面3b,3cに向けて解放されて形成されている。圧粉コア3の側面3b,3cから突出する端子部4の一部が実装面3aに向けて折り曲げられて、収納凹部30の内部に収納される。
端子部4は、薄板状のCu基材で形成されている。端子部4は圧粉コア3の内部に埋設されて空芯コイル5の引出端部5b,5bに電気的に接続される接続端部40と、圧粉コア3の外面に露出し、前記圧粉コア3の側面3b,3cから実装面3aにかけて順に折り曲げ形成される第1曲折部42aおよび第2曲折部42bとを有して構成される。接続端部40は、空芯コイル5に溶接される溶接部である。第1曲折部42aと第2曲折部42bは、実装基板100に対して半田接合される半田接合部である。半田接合部は、端子部4のうちの圧粉コア3から露出している部分であって、少なくとも圧粉コア3の外側に向けられる表面を意味している。
端子部4の接続端部40と空芯コイル5の引出端部5bとは、抵抗溶接によって接合されている。
図5に示すように、インダクタンス素子20は、実装基板100上に実装される。
実装基板100の表面には外部回路と導通する導体パターンが形成され、この導体パターンの一部によって、インダクタンス素子20を実装するための一対のランド部110が形成されている。
図5に示すように、インダクタンス素子20においては、実装面3aが実装基板100側に向けられて、圧粉コア3から外部に露出している第1曲折部42aと第2曲折部42bが実装基板100のランド部110との間で半田層120にて接合される。
ハンダ付け工程は、ランド部110にペースト状の半田が印刷工程で塗布された後に、ランド部110に第2曲折部42bが対面するようにしてインダクタンス素子20が実装され、加熱工程で半田が溶融する。図4と図5に示すように、第2曲折部42bは実装基板100のランド部110に対向し、第1曲折部42aはインダクタンス素子20の側面3b、3cに露出しているため、フィレット状の半田層120は、ランド部110に固着するとともに、半田接合部である第2曲折部42bと第1曲折部42aの双方の表面に十分に広がって固着される。
4.電子・電気機器
本発明の一実施形態に係る電子・電気機器は、上記の本発明の一実施形態に係る圧粉コアを備える電子・電気部品が実装されたものである。そのような電子・電気機器として、電源スイッチング回路、電圧昇降回路、平滑回路等を備えた電源装置や小型携帯通信機器等が例示される。
電源スイッチング回路、電圧昇降回路、平滑回路などは、一般的に小型化するに従い、高周波化し、損失を増大させる。本発明の一実施形態に係る電子・電気部品がインダクタンス素子20である場合には、高周波化と、優れた直流重畳特性および低損失とを両立することが可能である。それゆえ、電子・電気機器が小型化・高速化(高周波化)へ進化した場合でも、従来と同様に高効率回路の実現が容易となり、電子・電気機器の消費電力を増加させないことが可能となる。
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
例えば、本発明の一実施形態に係る圧粉コアは、結晶質磁性材料の粉末および非晶質磁性材料の粉末を含有する圧粉コアであって、結晶質磁性材料の粉末の含有量と非晶質磁性材料の粉末の含有量との総和に対する結晶質磁性材料の粉末の含有量の質量比率が、5質量%以上40質量%以下であることを特徴として備えていてもよい。そして、上記の特徴を備える圧粉コアが、さらに上記式(1)に係る前述の特徴(一方の常数kが1.5×10−3kW/m/kHz/(mT)1.6以下であって、かつ他方の常数kが3.0×10−7kW/m/(kHz)/(mT)以下であること)を備えていてもよい。
以下、実施例等により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例等に限定されるものではない。
(実施例1)
(1)Fe基非晶質合金粉末の作製
水アトマイズ法を用いて、Fe71原子%Ni6原子%Cr2原子%11原子%8原子%2原子%なる組成になるように秤量して得られた非晶質磁性材料の粉末を磁性粉末として作製した。第一混合比率(結晶質磁性材料の粉末の含有量と非晶質磁性材料の粉末の含有量との総和に対する結晶質磁性材料の粉末の含有量の質量比率)は0質量%であった。得られた磁性粉末の粒度分布は、日機装社製「マイクロトラック粒度分布測定装置 MT3300EX」を用いて体積分布で測定した。その結果、体積分布において50%となる粒径であるメジアン径D50は5μmであった。
(2)造粒粉の作製
上記の磁性粉末を97.2質量部、アクリル樹脂およびフェノール樹脂からなる絶縁性結着材を2〜3質量部、およびステアリン酸亜鉛からなる潤滑剤0〜0.5質量部を、溶媒としての水に混合してスラリーを得た。
得られたスラリーを、図2に示されるスプレードライヤー装置200を用いて、上述した条件にて造粒し、造粒粉を得た。
(3)圧縮成形
得られた造粒粉を金型に充填し、面圧0.5〜1.5GPaで加圧成形して、外径20mm×内径12mm×厚さ3mmのリング形状を有する成形体を得た。
(4)熱処理
得られた成形体を、窒素気流雰囲気の炉内に載置し、炉内温度を、室温(23℃)から昇温速度10℃/分で最適コア熱処理温度である200〜400℃まで加熱し、この温度にて1時間保持し、その後、炉内で室温まで冷却する熱処理を行い、圧粉コアからなるトロイダルコアを得た。
(実施例2および3)
磁性粉末を調製する際に、実施例1において使用した非晶質磁性材料の粉末と、絶縁処理が施されたカルボニル鉄からなる結晶質磁性材料の粉末(メジアン径D50:4.3μm)とを混合して、第一混合比率が、実施例2では10質量%、実施例3では20質量%となる磁性粉末を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、トロイダルコアを製造した。
(実施例4)
磁性粉末を調製する際に、実施例1において使用した非晶質磁性材料の粉末に代えて、実施例2などで使用した、絶縁処理が施されたカルボニル鉄を全量用いたこと、すなわち磁性粉末の第一混合比率を100質量%としたこと以外は、実施例1と同様にして、トロイダルコアを製造した。
(実施例5,6および7)
磁性粉末を調製する際に、実施例1において使用した非晶質磁性材料の粉末と、絶縁処理が施されたカルボニル鉄からなる結晶質磁性材料の粉末(メジアン径D50:4.3μm)とを混合して、第一混合比率が次の値となる磁性粉末を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、トロイダルコアを製造した。
実施例5 5質量%
実施例6 15質量%
実施例7 30質量%
(実施例8から12)
磁性粉末を調製する際に、実施例2から4において使用した結晶質磁性材料の粉末に代えて、絶縁処理が施されていないカルボニル鉄からなる結晶質磁性材料の粉末(メジアン径D50:4.3μm)を用い、この結晶質磁性材料の粉末と、実施例1において調製した非晶質磁性材料の粉末とを混合して、第一混合比率が次の値となる磁性粉末を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、トロイダルコアを製造した。
実施例8 5質量%
実施例9 10質量%
実施例10 20質量%
実施例11 30質量%
(実施例12)
磁性粉末を調製する際に、実施例1において使用した非晶質磁性材料の粉末に代えて、実施例8などで使用した、絶縁処理が施されていないカルボニル鉄を全量用いたこと、すなわち磁性粉末の第一混合比率を100質量%としたこと以外は、実施例1と同様にして、トロイダルコアを製造した。
(実施例13)
メジアン径D50が6μmであること以外は実施例1の製造方法と同様にして非晶質磁性材料の粉末を調製した。この非晶質磁性材料の粉末を用いて、実施例1と同様にして、トロイダルコアを製造した。
(実施例14および15)
実施例13で調整したメジアン径D50が6μmである非晶質磁性材料の粉末と、実施例2などで使用した、絶縁処理が施されたカルボニル鉄からなる結晶質磁性材料の粉末(メジアン径D50:4.3μm)とを混合して、第一混合比率が次の値となる磁性粉末を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、トロイダルコアを製造した。
実施例14 10質量%
実施例15 20重量%
(試験例1)鉄損Pcvの測定
実施例1から15により作製したトロイダルコアに被覆銅線をそれぞれ1次側15回、2次側10回巻いて得られたトロイダルコイルについて、BHアナライザー(岩崎通信機社製「SY−8218」)を用いて、実効最大磁束密度Bを15mTとする条件で、鉄損Pcv(単位:kW/m)の周波数依存性(測定周波数範囲:100kHz〜3MHz)を測定した。その結果の一部を表1に示す。上記の条件で測定された各鉄損Pcvにおける1〜3MHzの範囲の周波数依存性の結果から、2つの常数k,kを求めた。結果を表2から4に示す。なお、表2から4では、第一混合比率が低い実施例から第一混合比率が高い実施例へと順に並べて表示した。また、実施例1のように、対比を容易にするために複数回表示した実施例もある。表2から4に示した100kHz、1MHz、2MHzおよび3MHzの各鉄損Pcvは、実効最大磁束密度Bをそれぞれ100mT、25mT、15mTおよび15mTとする条件で測定した結果である。
(試験例2)透磁率の測定
実施例により作製したトロイダルコアに被覆銅線をそれぞれ1次側40回、2次側10回巻いて得られたトロイダルコイルについて、インピーダンスアナライザー(HP社製「4192A」)を用いて、100kHzの条件で、初透磁率μおよび直流電流を重畳し、それによる直流印加磁場が5500A/mのときの比透磁率μ5500を測定した。結果を表2から4に示す。
(試験例3)直流重畳特性の測定
実施例により作製したトロイダルコアから形成されたトロイダルコイルを用いて、JIS C2560−2に準拠して、直流電流をトロイダルコイルに重畳した。重畳電流の印加前(初期)のインダクタンスLの値Lに対するインダクタンスLの変化量ΔLの割合(ΔL/L)が30%となったときの印加電流値Isat(単位:A)により、直流重畳特性を評価した。結果を表2から4に示す。
(試験例4)絶縁抵抗の測定
実施例により作製したトロイダルコアの絶縁抵抗(単位:Ω)を表面2端子法で測定した。結果を表2および4に示す。
図6〜15は、上記の結果をグラフ化したものである。具体的には、図6は、実施例における鉄損Pcvの周波数依存性の測定結果を示すグラフである。図7は、常数kの第一混合比率に対する依存性を示すグラフである。図8は、常数kの第一混合比率に対する依存性を示すグラフである。図9は、100kHzおよび2MHzにおける鉄損変化率(任意の第一混合比率における鉄損Pcvを第一混合比率が0質量%の場合の鉄損Pcvで規格化した値)の第一混合比率に対する依存性を示すグラフである。なお、図9において、鉄損変化率はトロイダルコアに被覆銅線をそれぞれ1次側40回、2次側10回巻き、100kHzのものはB=100mTにて測定し、2MHzのものはB=15mTで測定したものである。図10は、絶縁抵抗の第一混合比率に対する依存性を示すグラフである。図11から14は、周波数が、それぞれ、100kHz(図11)、1MHz(図12)、2MHz(図13)および3MHz(図14)の場合における鉄損Pcvの第一混合比率に対する依存性を示すグラフである。なお、測定時のBは各グラフ内に示したとおりであり、100kHzの場合は100mT、1MHzの場合は25mT、および2MHzの場合は15mTであった。図15は、重畳電流の印加前(初期)のインダクタンスLの値Lに対するインダクタンスLの変化量ΔLの割合(ΔL/L)が30%となったときの印加電流値(Isat)の、第一混合比率に対する依存性を示すグラフである。
表1〜4および図6〜15に基づき、次の事項が理解される。
(A)上記式(1)を満たすように調製された磁性粉末を含有する圧粉コアは、広い周波数帯域において、特に1MHz以上の高周波帯域において、優れた磁気特性(鉄損Pcv、初透磁率、直流重畳特性)を有する。
(B)図7および図8よりk、kについては第1混合比率が30重量%以下であれば低い値を維持し、20重量%以下であればさらに低い値となっていることが分かる。従って、第1混合比率は30重量%以下、好ましくは20重量%以下であれば、高周波領域における鉄損Pcvの増大を抑制する効果が期待されることが分かる。逆に第1混合比率が30重量%を超えるとk、kは上昇する傾向がみられ、その結果、高周波領域における鉄損Pcvが大きく増大すると考えられる。また、図15より第1混合比率が10重量%を超えると印加電流値Isatが向上し、15重量%以上でさらに大きくなることがわかる。
(C)磁性粉末の第一混合比率が高くなると鉄損Pcvが増加する基本傾向があるが、周波数が高いほど、第一混合比率が高まっても鉄損Pcvが増加しにくい。この傾向を図9から確認することができる。図9によれば、100kHzの場合には、第一混合比率が10%のときは鉄損変化率が2.5であり、第一混合比率が20%のときは鉄損変化率が3.6であるのに対し、2MHzの場合には、第一混合比率が20%であっても鉄損変化率の増加は1.4程度にとどまる。したがって、本実施形態に係る圧粉コアを有する電子・電気部品は、高周波回路において使用された場合にその効果がより顕在化しやすい。また、小型軽量の電子・電気機器における電子回路は高周波化しているため、モバイル用のDC−DCコンバータなどにも好適である。
(D)図10に示されるように、絶縁処理が施された結晶質磁性材料の粉末を含む磁性粉末を用いた場合には、絶縁処理が施されていない結晶質磁性材料の粉末を含む磁性粉末を用いた場合に比べて、圧粉コアの絶縁抵抗が高まる傾向がみられた。
(E)図11に示されるように、絶縁処理が施された結晶質磁性材料の粉末を含む磁性粉末を用いた場合には、絶縁処理が施されていない結晶質磁性材料の粉末を含む磁性粉末を用いた場合に比べて、低周波帯域で鉄損Pcvが少ないことが分かる。この点は図7に示される常数kの周波数依存性からも理解される。
(F)図8に示される常数kの周波数依存性については、絶縁処理が施された結晶質磁性材料の粉末を含む磁性粉末を用いた場合と、絶縁処理が施されていない結晶質磁性材料の粉末を含む磁性粉末を用いた場合とは同等の結果が得られた。この結果に基づくと、絶縁処理が施された結晶質磁性材料の粉末を含む磁性粉末を用いた場合と、絶縁処理を施されていない結晶質磁性材料の粉末を含む磁性粉末を用いた場合とは、高周波帯域における鉄損Pcvが同等であると想定される。ところが、図12から14に示されるように、絶縁処理が施された結晶質磁性材料の粉末を含む磁性粉末を用いた場合の方が、絶縁処理が施されていない結晶質磁性材料の粉末を用いた場合よりも、高周波帯域における鉄損Pcvが少ない結果となった。
(G)絶縁処理が施された結晶質磁性材料を磁性粉末が含有する場合において、磁性粉末に含有される非晶質磁性材料の粉末のメジアン径D50が5μmであるときには、磁性粉末に含有される非晶質磁性材料の粉末のメジアン径D50が6μmであるときよりも、高周波帯域における鉄損Pcvが低くなる傾向がみられた(図12から14)。この傾向は高周波になるほど顕著であった。また、メジアン径D50が5μmである非晶質磁性材料の粉末を用いると、メジアン径D50が6μmである非晶質磁性材料の粉末を用いたときよりも、直流重畳特性が良好となる傾向がみられた(図15)。その一方で、絶縁処理が施された結晶質磁性材料を磁性粉末が含有する場合において、磁性粉末に含有される非晶質磁性材料の粉末のメジアン径D50が6μmであるときには、磁性粉末に含有される非晶質磁性材料の粉末のメジアン径D50が5μmであるときよりも、絶縁抵抗が高まる傾向がみられた(図10)。したがって、本実施例により、圧粉コアに求められる特性に応じて、磁性粉末に含有される非晶質磁性材料の粉末のメジアン径D50を制御することが有効であることが確認された。
(H)以上の結果から、絶縁処理が施されているか否かに関わらず、非晶質磁性材料の粉末および結晶質磁性材料の粉末からなる磁性粉末を用いることにより、高周波帯域における鉄損Pcvが少なくなることが確認された。また、結晶質磁性材料が絶縁処理を施された材料からなる磁性粉末を用いた場合には、低周波帯域においても鉄損Pcvが小さくなることが確認された。さらに、磁性粉末に含有される非晶質磁性材料の粉末のメジアン径D50を制御することにより圧粉コアの磁気特性や電気特性を調整することができることも確認された。
本発明の圧粉コアを用いた電子・電気部品は、ハイブリッド自動車等の昇圧回路や、発電、変電設備に用いられるリアクトル、トランスやチョークコイル等として好適に使用されうる。
1…圧粉コア(トロイダルコア)
10…トロイダルコイル
2…被覆導電線
2a…コイル
2b,2c…被覆導電線2の端部
2d,2e…コイル2aの端部
20…インダクタンス素子
3…圧粉コア
3a…圧粉コア3の実装面
3b,3c…圧粉コア3の側面
4…端子部
5…空芯コイル
5a…空芯コイル5の巻回部
5b…空芯コイル5の引出端部
30…収納凹部
40…接続端部
42a…第1曲折部
42b…第2曲折部
100…実装基板
110…ランド部
120…半田層
200…スプレードライヤー装置
201…回転子
S…スラリー
P…造粒粉

Claims (16)

  1. 結晶質磁性材料の粉末および非晶質磁性材料の粉末を含有する圧粉コアであって、
    実効最大磁束密度Bが15mTの条件で測定される鉄損Pcv(単位:kW/m)の周波数f(単位:kHz)依存性を、2つの常数kおよびkを用いて下記式(1)により表したときに、
    Pcv=k×f×B 1.6+k×f×B (1)
    前記常数kが1.5×10−3kW/m/kHz/(mT)1.6以下、かつ
    前記常数kが3.0×10−7kW/m/(kHz)/(mT)以下であること
    を特徴とする圧粉コア。
  2. 前記結晶質磁性材料の粉末の含有量と前記非晶質磁性材料の粉末の含有量との総和に対する前記結晶質磁性材料の粉末の含有量の質量比率は、5質量%以上40質量%以下である、請求項1に記載の圧粉コア。
  3. 結晶質磁性材料の粉末および非晶質磁性材料の粉末を含有する圧粉コアであって、
    前記結晶質磁性材料の粉末の含有量と前記非晶質磁性材料の粉末の含有量との総和に対する前記結晶質磁性材料の粉末の含有量の質量比率は、5質量%以上40質量%以下であること
    を特徴とする圧粉コア。
  4. 前記結晶質磁性材料は、Fe−Si−Cr系合金、Fe−Ni系合金、Fe−Co系合金、Fe−V系合金、Fe−Al系合金、Fe−Si系合金、Fe−Si−Al系合金、カルボニル鉄および純鉄からなる群から選ばれた1種または2種以上の材料を含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の圧粉コア。
  5. 前記結晶質磁性材料はカルボニル鉄からなる、請求項4に記載の圧粉コア。
  6. 前記非晶質磁性材料は、Fe−Si−B系合金、Fe−P−C系合金およびCo−Fe−Si−B系合金からなる群から選ばれた1種または2種以上の材料を含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の圧粉コア。
  7. 前記非晶質磁性材料はFe−P−C系合金からなる、請求項6に記載の圧粉コア。
  8. 前記結晶質磁性材料の粉末は絶縁処理が施された材料からなる、請求項1から7のいずれか一項に記載の圧粉コア。
  9. 前記非晶質磁性材料の粉末のメジアン径D50は6μm以下である、請求項1から8のいずれか一項に記載の圧粉コア。
  10. 前記結晶質磁性材料の粉末および前記非晶質磁性材料の粉末を、前記圧粉コアに含有される他の材料に対して結着させる結着成分を含有する、請求項1から9のいずれか一項に記載の圧粉コア。
  11. 前記結着成分は、樹脂材料に基づく成分を含む、請求項10に記載の圧粉コア。
  12. 請求項11に記載される圧粉コアの製造方法であって、前記結晶質磁性材料の粉末および前記非晶質磁性材料の粉末ならびに前記樹脂材料からなるバインダー成分を含む混合物の加圧成形を含む成形処理により成形製造物を得る成形工程を備えることを特徴とする圧粉コアの製造方法。
  13. 前記成形工程により得られた前記成形製造物が前記圧粉コアである、請求項12に記載の製造方法。
  14. 前記成形工程により得られた前記成形製造物を加熱する熱処理により前記圧粉コアを得る熱処理工程を備える、請求項12に記載の製造方法。
  15. 請求項1から11のいずれかに記載される圧粉コア、コイルおよび前記コイルのそれぞれの端部に接続された接続端子を備える電子・電気部品であって、前記圧粉コアの少なくとも一部は、前記接続端子を介して前記コイルに電流を流したときに前記電流により生じた誘導磁界内に位置するように配置されている電子・電気部品。
  16. 請求項15に記載される電子・電気部品が実装された電子・電気機器であって、前記電子・電気部品は前記接続端子にて基板に接続されている電子・電気機器。
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