JP6944313B2 - 磁性粉末、圧粉コア、インダクタ、および電子・電気機器 - Google Patents
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Pcv=κh×f×Bm1.6+κe×f2×Bm2 (I)
本発明の一実施形態に係る磁性粉末は、次に説明するFe基合金軟磁性粉末を含み、一例において、本発明の一実施形態に係る磁性粉末はFe基合金軟磁性粉からなる。Fe基合金軟磁性粉末とは、母合金がFe基合金である軟磁性材料の粉末体である。本発明の一実施形態に係る磁性粉末が含むFe基合金軟磁性粉末は、体積基準の粒度分布において、50%累積径D50が5.0μm以上18μm以下かつ標準偏差SDが2.5μm以上11μm以下である。50%累積径D50は、レーザ回折・散乱法により測定した体積基準の粒度分布において小粒径側からの積算体積基準の粒度分布が50%となる粒径である。
本発明の一実施形態に係る圧粉コアは、上記の本発明の一実施形態に係る磁性粉末を含有する。図2は、本発明の一実施形態に係る圧粉コアの形状を概念的に示す斜視図である。圧粉コアの形状は特に限定されない。図2に示される圧粉コア1のように、ほぼリング状の形状を有していていもよい(トロイダルコア)。
Pcv=κh×f×Bm1.6+κe×f2×Bm2 (I)
まず、磁性粉末、および圧粉コア1において絶縁性結着材を与える成分を含む混合物を用意する。絶縁性結着材を与える成分(本明細書において、「バインダー成分」ともいう。)とは、絶縁性結着材そのものである場合もあれば、絶縁性結着材と異なる材料である場合もある。後者の具体例として、バインダー成分が樹脂材料であって、絶縁性結着材がその熱分解残渣である場合が挙げられる。
造粒粉は、磁性粉末およびバインダー成分を含有する。造粒粉におけるバインダー成分の含有量は特に限定されない。かかる含有量が過度に低い場合には、バインダー成分が磁性粉末を保持しにくくなる。また、バインダー成分の含有量が過度に低い場合には、熱処理工程を経て得られた圧粉コア1中で、バインダー成分の熱分解残渣からなる絶縁性結着材が、複数の磁性粉末を互いに他から絶縁しにくくなる。一方、上記のバインダー成分の含有量が過度に高い場合には、熱処理工程を経て得られた圧粉コア1に含有される絶縁性結着材の含有量が高くなりやすい。圧粉コア1中の絶縁性結着材の含有量が高くなると、圧粉コア1の磁気特性が低下しやすくなる。それゆえ、造粒粉中のバインダー成分の含有量は、造粒粉全体に対して、0.5質量%以上5.0質量%以下となる量にすることが好ましい。圧粉コア1の磁気特性が低下する可能性をより安定的に低減させる観点から、造粒粉中のバインダー成分の含有量は、造粒粉全体に対して、1.0質量%以上3.5質量%以下となる量にすることが好ましく、1.2質量%以上3.0質量%以下となる量にすることがより好ましい。
圧縮成形における加圧条件は特に限定されない。造粒粉の組成、成形品の形状などを考慮して適宜設定すればよい。造粒粉を圧縮成形する際の加圧力が過度に低い場合には、成形品の機械的強度が低下する。このため、成形品の取り扱い性が低下する、成形品から得られた圧粉コア1の機械的強度が低下する、といった問題が生じやすくなる。また、圧粉コア1の磁気特性が低下したり絶縁性が低下したりする場合もある。一方、造粒粉を圧縮成形する際の加圧力が過度に高い場合には、その圧力に耐えうる成形金型を作成するのが困難になってくる。圧縮加圧工程が圧粉コア1の機械特性や磁気特性に悪影響を与える可能性をより安定的に低減させ、工業的に大量生産を容易に行う観点から、造粒粉を圧縮成形する際の加圧力は、0.3GPa以上2GPa以下とすることが好ましく、0.5GPa以上2GPa以下とすることがより好ましく、0.8GPa以上2GPa以下とすることが特に好ましい。
成形工程により得られた成形製造物が本実施形態に係る圧粉コア1であってもよいし、次に説明するように成形製造物に対して熱処理工程を実施して圧粉コア1を得てもよい。
本発明の一実施形態に係るインダクタは、上記の本発明の一実施形態に係る圧粉コア1、コイルおよびこのコイルのそれぞれの端部に接続された接続端子を備える。ここで、圧粉コア1の少なくとも一部は、接続端子を介してコイルに電流を流したときにこの電流により生じた誘導磁界内に位置するように配置されている。
実装基板100の表面には外部回路と導通する導体パターンが形成され、この導体パターンの一部によって、インダクタンス素子20を実装するための一対のランド部110が形成されている。
本発明の一実施形態に係る電子・電気機器は、上記の本発明の一実施形態に係る圧粉コアを備えるインダクタが実装されたものである。そのような電子・電気機器として、電源スイッチング回路、電圧昇降回路(コンバータ)、平滑回路等を備えた電源装置や小型携帯通信機器等が例示される。
(1)Fe基合金軟磁性粉末の作製
組成的、組織的および形状的な観点で表1に示される特徴を有するFe基合金軟磁性粉末を用意した。
上記の磁性粉末を97.2質量部、アクリル樹脂およびフェノール樹脂からなる絶縁性結着材を2〜3質量部、およびステアリン酸亜鉛からなる潤滑剤0〜0.5質量部を、溶媒としての水に混合してスラリーを得た。
得られた造粒粉を金型に充填し、面圧0.5〜1.5GPaで加圧成形して、外径20mm×内径12mm×厚さ6.8mmのリング形状を有する成形体を得た。
得られた成形体を、窒素気流雰囲気の炉内に載置し、炉内温度を、室温(23℃)から昇温速度40℃/分で最適コア熱処理温度である200〜400℃まで加熱し、この温度にて1時間保持し、その後、炉内で室温まで冷却する熱処理を行い、圧粉コアからなるトロイダルコアを得た。
実施例1−1、実施例1−3および実施例3により作製したトロイダルコアに被覆銅線をそれぞれ1次側40回、2次側10回巻いて得られたトロイダルコイルについて、インピーダンスアナライザー(HP社製「4192A」)を用いて、100kHzの条件で初透磁率μ0を測定した。具体的には、0.7A/m程度の直流印加磁場Hが生じている状態での比透磁率を初透磁率μ0として測定した。また、直流電流を重畳して700A/mから8000A/m程度の直流印加磁場Hが生じている状態での比透磁率μ’を測定した。結果を表2から4に示す。表2は実施例1−1に係る圧粉コアの測定結果である。表3は実施例1−3に係る圧粉コアの測定結果である。表4は実施例3に係る圧粉コアの測定結果である。これらの表における直流印加磁場Hが0.7A/m程度の場合における比透磁率μ’が初透磁率μ0である。
実施例1−1、実施例1−3および実施例3により作製したトロイダルコアに被覆銅線をそれぞれ1次側15回、2次側10回巻いて得られたトロイダルコイルについて、BHアナライザー(岩崎通信機社製「SY−8218」)を用いて、実効最大磁束密度Bmを25mTから100mTの範囲に設定して、周波数が100kHzであるときの鉄損Pcv(単位:kW/m3)を測定した。結果を表5から7に示す。表5は実施例1−1に係る圧粉コアの測定結果である。表6は実施例1−3に係る圧粉コアの測定結果である。表7は実施例3に係る圧粉コアの測定結果である。
実施例1−1から実施例1−9および実施例2−1から実施例2−4により作製したトロイダルコアに被覆銅線をそれぞれ1次側40回、2次側10回巻いて得られたトロイダルコイルについて、インピーダンスアナライザー(HP社製「4192A」)を用いて、100kHzの条件で初透磁率μ0を測定した。また、直流電流を重畳して直流印加磁場が5500A/mである状態での比透磁率μ5500を測定した。これらの測定結果から、透磁率比Rμ(=μ5500/μ0)を求めた。結果を表8および表9に示す。なお、実施例1−7については、初透磁率μ0など透磁率の測定を行わなかったため、透磁率比Rμの評価を行わなかった。
実施例1−1から実施例1−9および実施例2−1から実施例2−4により作製したトロイダルコアに被覆銅線をそれぞれ1次側40回、2次側10回巻いて得られたトロイダルコイルについて、BHアナライザー(岩崎通信機社製「SY−8218」)を用いて、実効最大磁束密度Bmを100mTとする条件で、鉄損Pcv(単位:kW/m3)の周波数依存性(測定周波数範囲:40kHz〜800kHz)を測定した。上記の条件で測定された各鉄損Pcvにおける40kHz〜800kHzの範囲の周波数依存性の結果から、常数κeを求めた。結果を表8および9に示した。
10…トロイダルコイル
2…被覆導電線
2a…コイル
2b,2c…被覆導電線2の端部
2d,2e…コイル2aの端部
20…インダクタンス素子
3…圧粉コア
3a…圧粉コア3の実装面
3b,3c…圧粉コア3の側面
4…端子部
5…空芯コイル
5a…空芯コイル5の巻回部
5b…空芯コイル5の引出端部
30…収納凹部
40…接続端部
42a…第1曲折部
42b…第2曲折部
100…実装基板
110…ランド部
120…半田層
Claims (7)
- 100kHzの条件で測定された初透磁率μ0に対する直流印加磁場が5500A/mのときの比透磁率μ5500の比である透磁率比Rμが0.6以下であって、実効最大磁束密度Bmが100mTの条件で測定される鉄損Pcv(単位:kW/m 3 )の周波数f(単位:kHz)依存性を、2つの常数κ h およびκ e を用いて下記式(I)により表したときに、
Pcv=κ h ×f×Bm 1.6 +κ e ×f 2 ×Bm 2 (I)
前記常数κ e が1.1×10 -6 kW/m 3 /(kHz) 2 /(mT) 2 以下となる圧粉コアを形成可能な磁性粉末であって、
体積基準の粒度分布において、50%累積径D50が8μm以上12μm以下かつ標準偏差SDが4μm以上9μm以下であって、酸素濃度が0.15質量%以下であるFe基合金軟磁性粉末を備え、
前記Fe基合金は、Fe−P−C系合金であり、
前記Fe基合金軟磁性粉末は主相が非晶質であることを特徴とする磁性粉末。 - 請求項1に記載される磁性粉末を含有する圧粉コアであって、
前記透磁率比Rμが0.6以下であって、
前記常数κeが1.1×10-6kW/m3/(kHz)2/(mT)2以下であることを特徴とする圧粉コア。 - 絶縁性結着材をさらに含有する、請求項2に記載の圧粉コア。
- 請求項2または請求項3に記載される圧粉コア、コイルおよび前記コイルのそれぞれの端部に接続された接続端子を備えるインダクタであって、前記圧粉コアの少なくとも一部は、前記接続端子を介して前記コイルに電流を流したときに前記電流により生じた誘導磁界内に位置するように配置されているインダクタ。
- 請求項4に記載されるインダクタが実装された電子・電気機器であって、前記インダクタは前記接続端子にて基板に接続されている電子・電気機器。
- 前記インダクタはDC−DCコンバータを構成する部品の1つである、請求項5に記載の電子・電気機器。
- 前記DC−DCコンバータは、フェイズシフトフルブリッジ絶縁型DC−DCコンバータであって、前記インダクタは1次共振インダクタである、請求項6に記載の電子・電気機器。
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