JP3230120U - ハイブリッドコア、リアクトルおよび電気・電子機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】漏洩磁束によってコイル内に渦電流が生じることによる損失(銅損)の影響を低減して、リアクトルの損失を低減させることができるハイブリッドコアを提供する。【解決手段】ハイブリッドコア10は、中脚部11と、中脚部11の両側に配置された側脚部12、12と、中脚部11と側脚部12、12とを連結する連結部13、13と、を有するコア本体部を備え、コア本体部は酸化物系磁性材料から構成され、中脚部11は透磁率調整部111を有し、透磁率調整部111は、Fe基非晶質磁性合金粉末およびバインダー成分を含む混合粉末の圧粉成形体からなる。ハイブリッドコア10は、リアクトル100の損失を低減させることができる。【選択図】図1

Description

本発明は磁性コア、この磁性コアを備えるリアクトル、およびこのリアクトルが実装された電気・電子機器に関し、特に、圧粉成形体からなる部分を有する透磁率調整部が設けられた複合型磁性コア(ハイブリッドコア)、このハイブリッドコアとその中脚部の周囲を巻回するコイルとを備えるリアクトル、およびこのリアクトルが実装された電気・電子機器に関する。
特許文献1には、中脚部にエアギャップが設けられた磁性コアを備えるリアクトル(チョークコイル)が記載されている。磁性コアにエアギャップを設けることにより磁性コアの実効的な透磁率を低下させることができる。このため、磁性コアが、飽和磁束密度が低いフェライトなどの酸化物系磁性材料から構成されている場合であっても、磁気飽和を生じにくくなる。また、エアギャップが中脚部に設けられていることにより、中脚部の周囲を巻回するように配置されたコイルがエアギャップからの漏洩磁束のシールドとして機能するため、リアクトルからの磁束漏洩を少なくすることができる。
特開2000−150270号公報
上記のように、中脚部の周囲に位置するコイルによってエアギャップからの漏洩磁束がリアクトル外へ漏れ出すことを防ぐことができるが、この漏洩磁束によってコイル内に渦電流が生じて損失(銅損)の原因となり、リアクトルとしての損失を増大させることが問題視されている。
本発明は、このような銅損の影響を低減してリアクトルの損失を低減させることができる磁性コアを提供することを目的とする。本発明は、上記の磁性コアを備えるリアクトルおよびこのリアクトルが実装された電気・電子機器を提供することも目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の一態様は、中脚部と、前記中脚部の両側に配置された側脚部と、前記中脚部と前記側脚部とを連結する連結部と、を有するコア本体部を備え、前記コア本体部は酸化物系磁性材料から構成され、前記中脚部は透磁率調整部を有し、前記透磁率調整部は、Fe基非晶質磁性合金粉末およびバインダー成分を含む混合粉末の圧粉成形体からなる部分を有することを特徴とするハイブリッドコアである。透磁率調整部が上記の圧粉成形体からなる部分を有することにより、ハイブリッドコアに由来する損失(鉄損)を高めることなく、コイルに由来する損失(銅損)を低下させることができ、リアクトルとしての損失を安定的に低下せることができる。
上記のハイブリッドコアにおいて、前記Fe基非晶質磁性合金粉末は、Fe−P−C系非晶質磁性合金粉末を含むことが好ましく、Fe−P−C系非晶質磁性合金粉末からなることがより好ましい。前記Fe−P−C系非晶質磁性合金粉末を構成するFe−P−C系非晶質磁性合金の好ましい具体例として、Niを0原子%以上10原子%以下、Crを0原子%以上6原子%以下、Pを1原子%以上15原子%以下、Cを1原子%以上18原子%以下、Bを0原子%以上19原子%以下、およびSiを0原子%以上8原子%以下含有する合金が挙げられる。
上記のハイブリッドコアにおいて、前記混合粉末は酸化物系無機材料を含むことが好ましく、前記酸化物系無機材料はリン酸ガラスを含むことがより好ましい。
本発明は、他の一態様として、上記のハイブリッドコアと、前記ハイブリッドコアの中脚部の周囲を巻回するコイルと、を備えるリアクトルを提供する。また、本発明は、別の一態様として、上記のリアクトルが実装された電気・電子機器を提供する。
本発明により、銅損の影響を低減してリアクトルの損失を低減させることができる磁性コアが提供される。本発明により、上記の磁性コアを備えるリアクトルおよびこのリアクトルが実装された電気・電子機器も提供される。
本発明の第1の実施形態に係る入力装置が適用されたインターフェース装置を例示する分解斜視図である。 リアクトルの損失と最大磁束密度との関係を示すグラフである。 リアクトルの損失と測定周波数との関係を示すグラフである。 1サイクル当たりのリアクトルの損失と測定周波数との関係を示すグラフである。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の説明では、同一の部材には同一の符号を付し、一度説明した部材については適宜その説明を省略する。
図1(a)は、本発明の第1の実施形態に係るハイブリッドコア10を説明する図である。図1(b)は、ハイブリッドコア10を備えるリアクトル100を説明する図である。
図1(a)に示されるように、本発明の第1の実施形態に係るハイブリッドコア10は、中脚部11と、中脚部11の両側(X1−X2方向の両側)に配置された側脚部12、12と、中脚部11の上下(Z1−Z2方向の両側)に配置され中脚部11と側脚部12、12とを連結する連結部13、13と、を有するコア本体部を備える。本実施形態では、ハイブリッドコア10はコア本体部からなる。
具体的には、ハイブリッドコア10は、2つのE型形状を有するコア(第1E型コアE1、第2E型コアE2)と、中脚部11のZ1−Z2方向中央部に設けられた透磁率調整部111とからなる。第1E型コアE1は、側脚部12の一部となる2つの部分側脚部12a、12aと中脚部11の一部となる部分中脚部11aとが連結部13で連結されてなる。第2E型コアE2は、側脚部12の一部となる2つの部分側脚部12b、12bと中脚部11の一部となる部分中脚部11bとが連結部13で連結されてなる。第1E型コアE1と第2E型コアE2との接合部は互いの部分側脚部12aと部分側脚部12bとであり、この部分において密接に接合されている。したがって、第1E型コアE1と第2E型コアE2との接合部はエアギャップとして機能しない。換言すれば、部分側脚部12aと部分側脚部12bとを有してなる側脚部12は、磁気的に連続体として機能する。第1E型コアE1の部分中脚部11aと透磁率調整部111との接合部および第2E型コアE2の部分中脚部11bと透磁率調整部111との接合部も密接に接合されているため、これらの接合部もエアギャップとして機能しない。
図1(b)に示されるように、ハイブリッドコア10を備える部品であるリアクトル100は、ハイブリッドコア10と、ハイブリッドコア10の中脚部11の周囲を巻回するコイル20とを備える。具体的には、コイル20は、巻回軸がZ1−Z2方向に沿っており、中脚部11のほぼ全体を覆うように配置される。
コア本体部は酸化物系磁性材料から構成される。酸化物系磁性材料の具体例としてフェライト系材料が挙げられ、フェライト系材料の具体例としてMn−Zn系フェライトが挙げられる。こうした酸化物系の軟磁性材料は透磁率が高い(初透磁率で2000以上)が、飽和磁束密度が低い傾向がある。このため、酸化物系磁性材料はコイル20によって励磁される磁場が高くなると磁気飽和しやすい。
上記の磁気飽和の問題は磁路中にエアギャップを設けて実効透磁率を低下させることにより解決可能であるが、エアギャップを設けると、エアギャップからの漏洩磁界がハイブリッドコア10を備える部品(リアクトル100)の外部に位置する部品に影響を与えたり、コイル20に渦電流を発生させたりすることが問題となる。コイル20に渦電流が生じると、コイル20での損失(銅損)をもたらし、リアクトル100の損失が増大する。この渦電流に起因する損失は、リアクトル100の動作周波数が高くなると特に増大する。
こうした問題を解決できるように、本実施形態に係るハイブリッドコア10では、中脚部11のZ1−Z2方向中央部に透磁率調整部111が設けられている。透磁率調整部111は、Fe基非晶質磁性合金粉末およびバインダー成分を含む混合粉末の圧粉成形体からなる部分を有する。本実施形態に係るハイブリッドコア10では透磁率調整部111は上記の圧粉成形体からなる。このように、エアギャップに代えて透磁率調整部111を設けることにより、漏洩磁界の発生を抑えて、コイル20において損失が生じにくくなる。
ここで、透磁率調整部111を構成する圧粉成形体がFe基非晶質磁性合金粉末を含むことにより、圧粉成形体が含む磁性粉末が結晶質合金粉末からなる場合に比べて、ハイブリッドコア10において生じる損失(コアロス)を少なくすることができる。このコアロスを低減する観点から、Fe基非晶質磁性合金粉末は、Fe−P−C系非晶質磁性合金粉末を含むことが好ましく、Fe−P−C系非晶質磁性合金粉末からなることがより好ましい。
Fe−P−C系非晶質磁性合金粉末を与える合金(Fe−P−C系非晶質合金)の具体的な例として、組成式がFe100at%−a−b−c−x−y−z−tNiCrSiで示され、0at%≦a≦10at%、0at%≦b≦6at%、1at%≦x≦15at%、1at%≦y≦18at%、0at%≦z≦19at%、0at%≦t≦8at%であるFe基非晶質合金が挙げられる。上記の組成式において、Ni,Cr,BおよびSiは任意添加元素である。
上記のFe−P−C系非晶質合金の各元素の好ましい添加量範囲は次のとおりである。Niの添加量aは、0at%以上6at%以下とすることが好ましく、0at%以上4at%以下とすることがより好ましい。Crの添加量bは、0at%以上4at%以下とすることが好ましく、1at%以上2at%以下とすることがより好ましい。Pの添加量xは2at%以上15at%以下とすることが好ましい場合がある。Cの添加量yは、2at%以上13at%以下とすることが好ましい。なお、コアロスを低減する観点から、BとSiは添加するのが好ましく、Bの添加量zは、1at%以上9at%以下とすることが好ましく、Siの添加量tは、2at%以上6at%以下とすることが好ましい。
これらの添加量で各元素を鉄(Fe)源に含有させて得られる合金組成物を原料として、アトマイズ法など通常の粉末製造方法を実施することにより、上記の組成を有するFe−P−C系非晶質合金粉末を得ることができる。
Fe基非晶質磁性合金粉末は、その全体が非晶質であってもよいし、一部が結晶質であってもよい。そのような結晶質部分と非晶質部分とを有する粉末材料は、結晶質磁性材料の粉末と非晶質磁性材料の粉末との混合体であってもよいし、粉末中に非晶質相と結晶質相とを有する材料であってもよい。後者の材料として、Fe基合金であって、Nb,Cu,Siなどの結晶析出を促進する元素を含有することにより非結晶質の母相中に結晶質の娘相が分散析出したものが例示される。
本発明の一実施形態に係るハイブリッドコア10の透磁率調整部111を構成する圧粉成形体が含むFe基非晶質磁性合金粉末の形状は限定されない。Fe基非晶質磁性合金粉末の形状は球状であってもよいし非球状であってもよい。非球状である場合には、扁平形状、鱗片状、楕円球状、液滴状、針状といった形状異方性を有する形状であってもよいし、特段の形状異方性を有しない不定形であってもよい。
Fe基非晶質磁性合金粉末の形状は、Fe基非晶質磁性合金粉末を製造する段階(アトマイズ法が具体例として挙げられる。)で得られた形状であってもよいし、製造されたFe基非晶質磁性合金粉末を二次加工(アトライタなどによる扁平加工が具体例として挙げられる。)することにより得られた形状であってもよい。前者の形状としては、球状、楕円球状、液滴状、針状などが例示され、後者の形状としては、扁平形状、鱗片状が例示される。
Fe基非晶質磁性合金粉末の粒径は限定されない。かかる粒径を、平均粒径D50(レーザー回折散乱法により測定されたFe基非晶質磁性合金粉末の粒径の体積分布における体積累積値が50%のときの粒径)により規定すれば、通常、1μmから20μmの範囲とされる。取扱い性を高める観点、圧粉成形体におけるFe基非晶質磁性合金粉末の充填密度を高める観点などから、Fe基非晶質磁性合金粉末の平均粒径D50は、2μm以上15μm以下とすることが好ましく、3μm以上13μm以下とすることがより好ましい。
圧粉成形体におけるFe基非晶質磁性合金粉末の含有量は限定されない。用途に応じて、樹脂系材料の組成、製造工程などを勘案して適宜設定される。
圧粉成形体は上記のFe基非晶質磁性合金粉末およびバインダー成分を含む混合粉末から形成されたものである。好ましい一態様において混合粉末は酸化物系の無機材料をさらに含む。この酸化物系無機材料は耐熱性向上の観点からリン酸ガラスであることが好ましい場合がある。
バインダー成分はFe基非晶質磁性合金粉末など圧粉成形体に含まれる材料を結合するためのものであって、樹脂系材料が具体例として挙げられる。本明細書において、樹脂系材料とは、樹脂および/または樹脂に基づく成分(樹脂の少なくとも一部が組成変化した成分であって、樹脂の(部分)熱分解物が一具体例として例示される。)を含有する材料を意味する。
樹脂系材料に含まれる樹脂として、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド、ポリアミド、ポリエステルなどが例示される。
混合粉末から圧粉成形体を形成する方法は限定されないが、圧粉成形体におけるFe基非晶質磁性合金粉末の充填密度を高める観点などから、混合粉末をそのまま、または混合粉末から形成した造粒粉を、加圧成形することが好ましい。その際の加圧力として、0.5GPaから2.5GPaの範囲が例示される。加圧成形により得られた成形製造物に含まれるFe基非晶質磁性合金粉末には加工歪が残留している場合があるため、成形製造物を300℃から550℃の範囲に加熱して加工歪を緩和することが好ましい。この歪緩和のための加熱の際の雰囲気は、非酸化雰囲気であってもよいし、酸化雰囲気であってもよいし、雰囲気を切り替えてもよい。この加熱の際に、成形製造物に含まれる樹脂が熱分解物となることもある。
ハイブリッドコア10は、上記のとおり、透磁率調整部111がFe基非晶質磁性合金粉末を含む圧粉成形体から構成され、他の部分はフェライト系材料から構成される。このフェライト系材料から構成される部分は複数の部材の組み立て体であってもよい。図1に示されるハイブリッドコア10は、前述のとおり、第1E型コアE1および第2E型コアE2を含む組み立て体であり、いわゆるE−E型の構造を有する。他の例として、ハイブリッドコア10がいわゆるE−I型の構造を有する場合が挙げられる。
本発明の一実施形態に係る電気・電子機器は、上記の本発明の一実施形態に係る圧粉コアを備えるリアクトル100が実装されたものである。そのような電気・電子機器として、電源スイッチング回路、電圧昇降回路、平滑回路等を備えた電源装置や小型携帯通信機器等が例示される。
こうした電気・電子機器が車載用途である場合には、動作安定性に優れていることが強く求められる。こうした要求に応えるためには、電気・電子機器に組み込まれた電気・電子部品のそれぞれについて、動作安定性に優れていることが必要とされる。本発明の一実施形態に係るリアクトル100は、上記のように漏洩磁界が生じにくく、損失も低い。リアクトル100から漏洩磁界が生じにくいため、リアクトル100が実装された電気・電子機器やその周囲に配置される機器に漏洩磁界に基づく障害が生じにくい。また、リアクトル100の損失が低いため発熱が生じにくく、耐熱性に優れる。したがって、リアクトル100が実装された電気・電子機器は車載用途への適用が容易である。
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
以下、実施例等により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例等に限定されるものではない。
(参考例1)
中脚部のZ1−Z2方向長さが11mmのE−E型の形状を有し、フェライト系の材料からなるコア(TDK社製「PC47RM8Z−12」)を用意した。
(比較例1)
参考例1に係るコアにおける中脚部を1.9mm除去して、長さ1.9mmのエアギャップを有するコアを作製した。
(実施例1)
水アトマイズ法を用いて、Fe74.43at%Cr1.96at%9.04at%2.16at%7.54at%Si4.87at%なる組成になるように秤量して得られた非晶質軟磁性粉末を軟磁性粉末として作製した。得られた軟磁性粉末の粒度分布は、日機装社製「マイクロトラック粒度分布測定装置 MT3300EX」を用いて体積分布で測定した。その結果、体積分布において50%となる粒径である平均粒径(D50)は10.6μmであった。
上記の軟磁性粉末を100質量部、アクリル系樹脂を1.7質量部、リン酸ガラスからなる無機系成分を0.6質量部およびステアリン酸亜鉛からなる潤滑剤を0.3質量部混合してスラリーを得た。
得られたスラリーを乾燥後に粉砕し、目開き300μmのふるいおよび850μmのふるいを用いて、300μm以下の微細な粉末および850μm以上の粗大な粉末を除去して、造粒粉を得た。
得られた造粒粉を金型に充填し、面圧1.8GPaで加圧成形して、円柱形状を有する成形製造物を得た。得られた成形製造物を、酸素濃度2〜8体積%中にて300℃〜400℃の温度にて3〜6時間加熱し、その後、窒素雰囲気中で400℃〜450℃の温度にて1〜2時間加熱する条件で熱処理して、外径8.4mm×厚さ1.9mmの円柱形状を有する圧粉成形体を得た。
比較例1と同様にして作製したコアのエアギャップに、上記の圧粉成形体を挿入し、中脚部11の一部(中央部の厚さ1.9mmの部分)に圧粉成形体からなる透磁率調整部111を有するハイブリッドコア10を得た。
参考例1、比較例1および実施例1に係るコアのそれぞれについて、直径0.4mmの銅線を巻いて、リアクトルを得た。これらのリアクトルについて、インピーダンスアナライザー(アジレント社製「4192A」)を用いて初透磁率μ’を求め、BHアナライザー(岩崎通信機社製「SY8217」)を用いてリアクトルの損失(単位:kW/m)および振幅透磁率μaを求めた。測定結果を表1に示す。表1において、損失のBmは測定時に印加した磁束密度の最大値を意味する。なお、最大磁束密度Bmが100mTの場合には、比較例1に係るリアクトルは励磁できなかった。
周波数を100kHzに固定して、最大磁束密度Bmを変化させながらリアクトルの損失(単位:kW/m)を測定した結果を表2および図2に示す。
最大磁束密度Bmを25mTに固定して、印加周波数を変化させながらリアクトルの損失(単位:kW/m)を測定した結果を表3および図3に示す。
表3の結果に基づき、1サイクル当たりのリアクトルの損失(単位:J/m)を算出した結果を表4および図4に示す。
表2から表4および図2から図4に示されるように、Fe基非晶質磁性合金粉末を含有する圧粉成形体からなる透磁率調整部111を有するハイブリッドコア10を備えるリアクトル100(実施例1)の損失に関する特性は、エアギャップを有しないコアを備えるリアクトル(参考例1)の損失に関する特性と同等であり、エアギャップを有するリアクトル(比較例1)の損失に関する特性よりも良好であった。
以下、透磁率調整部111がFe基非晶質磁性合金粉末を含有する圧粉成形体からなる部分を有することの優位性について、シミュレーションにより確認した結果を示す。
比較例1と同様の構成であるが、エアギャップ長さが1.1mmのコアを備えるリアクトルを比較計算例1に係るリアクトルとした。この比較計算例1に係るリアクトルのエアギャップに、実施例1において製造した圧粉成形体と等しい物性を有する部材(初透磁率μ’を26とした。)を充填配置してなるリアクトル、すなわち、長さ1.1mmの透磁率調整部111が圧粉成形体からなるリアクトル100を計算例1に係るリアクトルとした。比較計算例1に係るリアクトルのエアギャップにFe−Si系合金材料(初透磁率μ’を26とした。)を充填配置したリアクトルを比較計算例2に係るリアクトルとした。
これらの3種類のリアクトルについて、周波数を100kHz、最大磁束密度Bmが100mTの条件で外部磁場を印加させたときの、コアにおける損失(コアロス、単位:W)およびコイルにおける損失(銅損、単位:W)をシミュレーションにより算出した。上記のリアクトルの損失の測定では、これらの損失の合計となる損失を測定していることになる。シミュレーションの結果を表5に示す。表5における合計は、コアロスと銅損との総和である。
表5に示されるように、透磁率調整部111がFe基非晶質磁性合金粉末を含有する圧粉成形体からなる計算例1のコアロスは、エアギャップを有する比較計算例1のコアロスと同等であった。これに対し、透磁率調整部111がFe−Si系合金材料からなる比較計算例2のコアロスは、エアギャップを有する比較計算例1のコアロスの1.5倍程度の値となった。また、計算例1の銅損は比較計算例1の銅損の0.2%程度であるのに対し、比較計算例2の銅損は計算例1の銅損の2倍以上の値となった。
100 :リアクトル
10 :ハイブリッドコア
11 :中脚部
11a、11b:部分中脚部
111 :透磁率調整部
12 :側脚部
12a、12b:部分側脚部
13 :連結部
20 :コイル
E1 :第1E型コア
E2 :第2E型コア

Claims (7)

  1. 中脚部と、前記中脚部の両側に配置された側脚部と、前記中脚部と前記側脚部とを連結する連結部と、を有するコア本体部を備え、
    前記コア本体部は酸化物系磁性材料から構成され、
    前記中脚部は透磁率調整部を有し、
    前記透磁率調整部は、Fe基非晶質磁性合金粉末およびバインダー成分を含む混合粉末の圧粉成形体からなる部分を有すること
    を特徴とするハイブリッドコア。
  2. 前記Fe基非晶質磁性合金粉末は、Fe−P−C系非晶質磁性合金粉末を含む、請求項1に記載のハイブリッドコア。
  3. 前記Fe−P−C系非晶質磁性合金粉末を構成するFe−P−C系非晶質磁性合金は、Niを0原子%以上10原子%以下、Crを0原子%以上6原子%以下、Pを1原子%以上15原子%以下、Cを1原子%以上18原子%以下、Bを0原子%以上19原子%以下、およびSiを0原子%以上8原子%以下含有する、請求項2に記載のハイブリッドコア。
  4. 前記混合粉末は酸化物系無機材料を含む、請求項1または請求項2に記載のハイブリッドコア。
  5. 前記酸化物系無機材料はリン酸ガラスを含む、請求項3に記載のハイブリッドコア。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか一項に記載されるハイブリッドコアと、前記ハイブリッドコアの中脚部を巻回するように配置されたコイルと、を備えるリアクトル。
  7. 請求項6に記載されるリアクトルが実装された電気・電子機器。
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