JP2006324458A - コイル部品 - Google Patents

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Abstract

【課題】接着剤の耐熱性を考慮する必要がないように、耐熱性を向上したコイル部品を提供することを目的としている。
【解決手段】磁性材料を粉末にして表面を絶縁被膜で覆い、結合剤を混ぜて加圧成形した磁心20と、導線を螺旋状に巻回して形成し、磁心20に埋設するとともに磁心20から端部を突出させたコイル22と、磁心20の側面に配置した端子24とを備え、端子24は、コイル22の端部を磁心20の側面から下面に向かって折曲加工して形成し、折曲加工されたコイル22の端部と対向する磁心20の側面には凹部25を設けるとともに、コイル22の端部には凹部25の幅よりも広い幅広部26を設けた構成である。
【選択図】図1

Description

本発明は各種電子機器、通信機器等に利用されるコイル部品に関するものである。
以下、従来の技術について図面を参照しながら説明する。
図5は自動車エンジンの燃料噴射装置を制御する制御システム全体を示すブロック図、図6は同制御システムの制御コントロール部における電源部の回路図、図7は同コイル部品の断面図、図8は同コイル部品の斜視図である。
図5において、自動車エンジンの燃料噴射装置を制御する制御システムは、バッテリー1から駆動用の電流を供給された制御コントロール部2が、エンジンの燃料噴射装置3を制御している。制御コントロール部2には、燃料噴射装置の噴射量や噴射タイミングを計算・制御するCPU4と、このCPU4に電流を供給する電源部5とが設けられている。
この電源部5には、図6に示すように、コイル部品6、コンデンサ部品7とからなるフィルタ部8と、コイル部品6、コンデンサ部品7、IC9、スイッチング部品10とからなるDC/DCコンバータ回路部11とを互いに接続しており、バッテリー1側のバッテリー用端子12にはフィルタ部8を、CPU4側のCPU用端子13にはDC/DCコンバータ回路部11を接続している。特に、DC/DCコンバータ回路部11に用いるコイル部品6はスイッチング部品10によってスイッチング駆動させられ、DC/DCコンバータ回路部11において、バッテリー1の12V電圧をCPU4用として、1.5〜5V程度に降圧している。
このようなDC/DCコンバータ回路部11に用いるコイル部品6の1つとしては、図7、図8に示すように、巻軸部13の両端に鍔を有するドラム状のドラム磁心14と、このドラム磁心14の巻軸部13に巻回したコイル15と、このコイル15を被覆するように、ドラム磁心14に組み合わせたリング状のリング磁心16と、このコイル15を電気的に接続した端子17とを備えたものがある。このコイル15は、丸線からなる導線を螺旋状に巻回して形成したものであり、その引き出し線18はL字状の端子17の一端に絡げている。
また、ドラム磁心14およびリング磁心16はフェライト材料からなり、ドラム磁心14とリング磁心16とは接着剤19を塗布して一体化している。
なお、この出願の発明に関する先行技術文献情報としては、例えば、特許文献1が知られている。
特開2002−64024号公報
上記従来のコイル部品は、自動車のエンジン近傍のDC/DCコンバータ回路部11に用いるので、耐熱性が要求される。しかし、上記コイル部品は、ドラム磁心14とリング磁心16とを接着剤19を塗布して一体化しているので、この接着剤19の耐熱温度によっては接着剤19が溶融して信頼性が劣化するという問題点を有していた。
本発明は上記問題点を解決するために、接着剤の耐熱性を考慮する必要がないように、耐熱性を向上したコイル部品を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために本発明は以下の構成を有する。
本発明は、磁性材料を粉末にして表面を絶縁被膜で覆い、結合剤を混ぜて加圧成形した磁心と、前記磁心に埋設するとともに前記磁心から端部を突出させたコイルとを備え、前記コイルの端部は前記磁心の側面から下面に向かって折曲加工しており、折曲加工された前記コイルの端部と対向する前記磁心の側面に凹部を設けるとともに、前記コイルの端部に前記凹部の幅よりも広い幅広部を設けた構成である。
上記構成により、コイルは磁性材料を粉末にして表面を絶縁被膜で覆い、結合材を混ぜて加圧成形した磁心に埋設しているので、接着剤を用いずに磁心を形成でき、耐熱性を向上できる。
特に、折曲加工されたコイルの端部と対向する磁心の側面に凹部を設けるとともに、コイルの端部に凹部の幅よりも広い幅広部を設けているので、コイルの端部を端子として用いても、実装時における実装基板と磁心との熱膨張係数の差に起因した端子への熱応力を吸収できる。すなわち、コイルの端部と磁心の凹部の内壁面との間には空間が形成されるので、この空間によって端子が可動して応力を吸収できるとともに、凹部の幅よりも広い幅広部によって端子が位置規制されるので、必要以上に端子が可動することもない。
以下、実施の形態を用いて、本発明の全請求項に記載の発明について図面を参照しながら説明する。
図1は本発明の一実施の形態におけるコイル部品の斜視図、図2は同コイル部品の実装状態を示す断面図、図3は同コイル部品のコイルの斜視図、図4は同コイル部品の製造工程の一部を示す工程図である。
図1〜図3において、本発明のコイル部品は、磁性材料を粉末にして表面を絶縁被膜で覆い、結合剤を混ぜて加圧成形した磁心20と、導線を螺旋状に巻回して形成し、磁心20に埋設するとともに磁心20から端部を突出させたコイル22と、磁心20の側面に配置した端子24とを備えている。
また、端子24は、コイル22の端部を磁心20の側面から下面に向かって折曲加工して形成している。
さらに、折曲加工されたコイル22の端部と対向する磁心20の側面には凹部25を設けるとともに、コイル22の端部には凹部25の幅よりも広い幅広部26を設けている。この際、コイル22の端部と凹部25の内壁面27との間には空間28が形成される。
そして、端子24に形成された幅広部26よりも下方の位置を半田接合部29として、端子24に半田30を塗布して上記のコイル部品を実装基板32に実装する。
上記コイル部品の製造方法は次の通りである。
図4(a)は2つの圧粉体でコイルを挟み込むように金型で再加圧成形する状態を示す工程図、図4(b)は同金型で再加圧成形を完了した状態を示す工程図である。この図4(a)、(b)に示すように、磁心20は、熱硬化性樹脂を含有した結合剤と磁性材料を粉末にした磁性粉末とを熱硬化性樹脂が完全硬化しない非加熱状態で混合して加圧成形した2つの圧粉体34を、コイル22を挟み込むように金型36で再加圧成形して、圧粉体34でコイル22を被覆するとともに熱硬化性樹脂が完全硬化するように加熱して成形している。
この際、加圧成形時の加圧力よりも再加圧成形時の加圧力を大きくしており、圧粉体34を成形する加圧成形時の加圧力は0.5〜1ton/cm2程度で、圧粉体34から磁心20を成形する再加圧成形時の加圧力は3〜5ton/cm2程度である。
上記構成により、コイル22は磁性材料を粉末にして表面を絶縁被膜で覆い、結合材を混ぜて加圧成形した磁心20に埋設しているので、接着剤を用いずに磁心を形成でき、耐熱性を向上できる。
また、折曲加工されたコイル22の端部と対向する磁心20の側面に凹部25を設けるとともに、コイル22の端部に凹部25の幅よりも広い幅広部26を設けているので、コイル22の端部を端子24として用いても、実装時における実装基板32と磁心20との熱膨張係数の差に起因した端子24への熱応力を吸収できる。すなわち、コイル22の端部と磁心20の凹部25の内壁面27との間には空間28が形成されるので、この空間28によって端子24が可動して応力を吸収できるとともに、凹部25の幅よりも広い幅広部26によって端子24が位置規制されるので、必要以上に端子が可動することもない。
さらに、磁心20は、熱硬化性樹脂を含有した結合剤と磁性材料を粉末にした磁性粉末とを熱硬化性樹脂が完全硬化しない非加熱状態で混合して加圧成形した複数の圧粉体34を、コイル22を挟み込むように再加圧成形して、圧粉体34でコイル22を被覆するとともに熱硬化性樹脂が完全硬化するように加熱して成形しているので、圧粉体34とコイル22との間を隙間なく充填して、磁気ギャップを減少させ磁気効率を向上できる。特に、加圧成形時の加圧力よりも再加圧成形時の加圧力を大きくしているので、圧粉体34とコイル22との間の隙間だけでなく、圧粉体34自体に形成されている隙間も緻密に充填し、コイル22を埋設した磁心20全体を緻密に形成できる。
以上のように本発明にかかるコイル部品は、接着剤の耐熱性を考慮する必要がないように、耐熱性を向上するので、各種電子機器、通信機器等に適用できる。
本発明の一実施の形態におけるコイル部品の斜視図 同コイル部品の実装状態の断面図 同コイル部品のコイルの斜視図 同コイル部品の製造工程の一部を示す工程図 自動車エンジンの燃料噴射装置を制御する制御システム全体を示すブロック図 同制御システムの制御コントロール部における電源部の回路図 同コイル部品の断面図 同コイル部品の斜視図
符号の説明
20 磁心
22 コイル
24 端子
25 凹部
26 幅広部
27 内壁面
28 空間
29 半田接合部
30 半田
32 実装基板
34 圧粉体
36 金型

Claims (4)

  1. 磁性材料を粉末にして表面を絶縁被膜で覆い、結合剤を混ぜて加圧成形した磁心と、前記磁心に埋設するとともに前記磁心から端部を突出させたコイルとを備え、前記コイルの端部は前記磁心の側面から下面に向かって折曲加工しており、折曲加工された前記コイルの端部と対向する前記磁心の側面に凹部を設けるとともに、前記コイルの端部に前記凹部の幅よりも広い幅広部を設けたコイル部品。
  2. 前記コイルの端部は前記幅広部よりも下方を実装基板との半田接合部とした請求項1記載のコイル部品。
  3. 前記磁心は、熱硬化性樹脂を含有した結合剤と磁性材料を粉末にした磁性粉末とを前記熱硬化性樹脂が完全硬化しない非加熱状態で混合して加圧成形した複数の圧粉体を、前記コイルを挟み込むように再加圧成形して、前記圧粉体で前記コイルを被覆するとともに前記熱硬化性樹脂が完全硬化するように加熱して成形した請求項1記載のコイル部品。
  4. 加圧成形時の加圧力よりも再加圧成形時の加圧力を大きくした請求項3記載のコイル部品。
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