JP4439906B2 - コイル部品 - Google Patents

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Description

本発明は各種電子機器、通信機器等に利用されるコイル部品に関するものである。
以下、従来の技術について図面を参照しながら説明する。
は自動車エンジンの燃料噴射装置を制御する制御システム全体を示すブロック図、図は同制御システムの制御コントロール部における電源部の回路図、図10は同コイル部品の断面図、図11は同電源部に用いる従来のコイル部品の斜視図である。
において、自動車エンジンの燃料噴射装置を制御する制御システムは、バッテリー1から駆動用の電流を供給された制御コントロール部2が、エンジンの燃料噴射装置3を制御している。制御コントロール部2には、燃料噴射装置の噴射量や噴射タイミングを計算・制御するCPU4と、このCPU4に電流を供給する電源部5とが設けられている。
この電源部には、図に示すように、コイル部品6、コンデンサ部品7とからなるフィルタ部8と、コイル部品6、コンデンサ部品7、IC9、スイッチング部品10とからなるDC/DCコンバータ部11とを互いに接続するとともに、バッテリー1側のバッテリー用端子12にはフィルタ部8を、CPU4側のCPU用端子13にはDC/DCコンバータ部11を接続している。特に、DC/DCコンバータ部11に用いるコイル部品6はスイッチング部品10によってスイッチング駆動させられ、DC/DCコンバータ部11において、バッテリー1の12V電圧をCPU4用として、1.5〜5V程度に降圧している。
このようなDC/DCコンバータ部11に用いるコイル部品の1つとしては、図10、図11に示すように、巻軸部20の両端に鍔を有するドラム状のドラム磁心21と、このドラム磁心21の巻軸部20に巻回したコイル22と、このコイル22を被覆するように、ドラム磁心21に組み合わせたリング状のリング磁心23と、このコイル22と電気的に接続した端子部24とを備えたものがある。このコイル22は、丸線からなる導線を螺旋状に巻回して形成したものであり、その引き出し線25はL字状の端子部24の一端26に絡げている。
また、ドラム磁心21およびリング磁心23はフェライト材料からなり、ドラム磁心21とリング磁心23とは接着剤27を塗布して一体化している。
なお、この出願の発明に関する先行技術文献情報としては、例えば、特許文献1が知られている。
特開2002−64024号公報
上記従来のコイル部品は、自動車のエンジン近傍のDC/DCコンバータ部11に用いるので、耐熱性が要求される。しかし、上記コイル部品は、ドラム磁心21とリング磁心23とを接着剤27を塗布して一体化しているので、この接着剤27の耐熱温度によっては接着剤27が溶融して信頼性が劣化するという問題点を有していた。
また、コイル22の引き出し線25はL字状の端子部24に絡げているので、自動車のエンジンの振動によって、端子部24とコイル22の引き出し線25との間に張力が加わり易く、引き出し線25が断線する恐れがあるという問題点を有していた。
本発明は上記問題点を解決するために、接着剤の耐熱性を考慮する必要がないように、ドラム磁心とリング磁心とを接着剤で一体化せず、また、コイルの引き出し線の断線を抑制して、信頼性を向上したコイル部品を提供することを目的としている。
本発明は上記問題点を解決するために、以下の構成を有する。
本発明の請求項1記載の発明は、特に、磁性材料を粉末にして表面を絶縁皮膜で覆い、結合剤を混ぜて加圧成形した磁心と、導線を螺旋状に巻回して形成し、前記磁心に埋設したコイルと、前記コイルと電気的に接続した端子部とを備え、前記端子部は、前記磁心から突出させて前記磁心の側面から底面に折曲加工した前記コイルの引き出し線と、折曲加工した前記コイルの引き出し線の位置および形状を保持する保持手段を有する保持部とからなり、前記保持部は、電気導電性を有するとともに自立して形状を保持することができる自立性を有する金属の平板からなり、前記コイルの引き出し線よりも幅を広くするとともに一端を前記磁心に埋設させて形成しており、前記保持手段は、折曲加工した前記平板に前記コイルの引き出し線を重ねあわせて保持する手段とした構成である。
上記構成により、端子部は、磁心から突出させて磁心の側面から底面に折曲加工したコイルの引き出し線と、折曲加工した引き出し線の位置および形状を保持する保持手段を有する保持部とからなるので、保持部によって折曲加工されたコイルの引き出し線の位置および形状を保持でき、引き出し線自体を端子部として用いることが可能となる。よって、引き出し線を端子部に絡げる必要がなくなり、引き出し線の断線を制御し信頼性を向上できる。
特に、保持部は、電気導電性を有するとともに自立して形状を保持することができる自立性を有する金属の平板としたので、引き出し線と平板とを導通させることができ、端子部として使い勝手をよくすることができる。さらに、保持部は、コイルの引き出し線よりも幅を広くするとともに一端を磁心に埋設させて形成したので、平板の取り付けが容易となるだけでなく、実装時において実装基板とのはんだ接続等を容易にできる。また、保持手段は、折曲加工した前記平板に前記コイルの引き出し線を重ねあわせて保持する手段としたので、平板と引き出し線とを保持することができる。そして、これらの結果から、コイルの巻回数を増やすために、コイルの厚みを薄くしたりコイルの線径を細くしたりして、引き出し線そのものが撓み易くなったり自立しなくなったりしても、コイルの引き出し線の断線を抑制して信頼性を向上できる。ここでいう自立を有するとは、平板を折曲加工した場合、折曲加工した形状をそのまま維持し、撓んだりすることがない程度の保持力を有する状態を意味する。
また、コイルは、磁性材料を粉末にして表面を絶縁皮膜で覆い、結合剤を混ぜて加圧成形した磁心に埋設しているので、接着剤を用いずに磁心を形成でき、耐熱性を向上できる。
本発明の請求項2記載の発明は、前記コイルは扁平状の導線を螺旋状に巻回して形成したエッジワイズ状とした構成である。
上記構成により、導線は扁平状なので、導線の厚みを薄くできるとともに、導線の占積率を向上でき、低背化を図ることができる。
本発明の請求項3記載の発明は、前記コイルは金属平板に形成された弧状のパターンを折曲加工してなる構成である。
上記構成により、導線は金属平板に形成された弧状のパターンを折曲加工してなるので、導線の厚みを薄くできるとともに、導線の占積率を向上でき、低背化を図ることができる。
本発明の請求項記載の発明は、特に、前記平板を前記磁芯と前記コイルの引き出し線とにより挟み込んだ構成である。
上記構成により、平板を磁芯とコイルの引き出し線とにより挟み込むことができるので、的確に引き出し線を保持することができる。特に、引き出し線が平板よりも外側に配置できるので、実装時において、実装基板とのはんだ接続等を容易にできる。
本発明の請求項記載の発明は、特に、前記コイルの引き出し線を前記磁心と前記平板とにより挟み込んだ構成である。
上記構成により、コイルの引き出し線を磁芯と平板とにより挟み込むことができるので、的確に引き出し線を保持することができる。
本発明の請求項記載の発明は、特に、前記平板と前記コイルの引き出し線とを接合した構成である。
上記構成により、平板と引き出し線とを接合しているので、平板と引き出し線とがずれることがなく、的確に引き出し線を保持することができる。
本発明の請求項記載の発明は、特に、前記コイルの引き出し線の端部を扁平状に潰した構成である。
上記構成により、引き出し線の端部は扁平状に潰されているので、平板との接続が容易になる。
本発明の請求項記載の発明は、特に、前記コイルの引き出し線の端部を扁平状に潰すとともに、方形状に形成した構成である。
上記構成により、引き出し線の端部を扁平状に潰し方形状に形成してあるので、平板との接続が容易である。
本発明によれば、コイルは磁性材料を粉末にして表面を絶縁皮膜で覆い、結合剤を混ぜて加圧成形した磁心に埋設しているので、接着剤を用いずに磁心を形成することができる。
また、端子部は、磁心から突出させて折曲加工したコイルの引き出し線と、折曲加工した引き出し線の位置および形状を保持する保持手段を有する保持部とからなるので、保持部によって折曲加工されたコイルの引き出し線の位置および形状を保持でき、引き出し線自体を端子部として用いることが可能となる。よって、引き出し線を端子部に絡げる必要がなくなり、引き出し線の断線を制御し信頼性を向上できる。
これにより、接着剤の耐熱性を考慮する必要がなく、また、コイルの引き出し線の断線も抑制でき、信頼性を向上したコイル部品を提供することができる。
(実施の形態)
以下、一実施の形態を用いて、本発明の全請求項について図面を参照しながら説明する。
図1は本発明の一実施の形態におけるコイル部品の断面図、図2は同コイル部品の斜視図、図3は同コイル部品の製造工程図である。
図1、図2において、本発明の一実施の形態におけるコイル部品は、磁性材料を粉末にして表面を絶縁皮膜で覆い、結合剤を混ぜて加圧成形した磁心30と、導線を螺旋状に巻回して形成し、この磁心30に埋設したコイル31と、このコイル31と電気的に接続した端子部32とを備えている。
また、コイル31は丸線の細線からなり、その引き出し線33は端部34を扁平状に潰すとともに方形状に形成している。
さらに、端子部32は磁心30から突出させて折曲加工したこのコイル31の引き出し線33と、折曲加工した引き出し線33に重ね合わせて保持する保持手段を有する保持部とからなっている。この保持部は自立して形状を保持することができる自立性を有する平板35とし、保持手段はコイル31の引き出し線33とを熱圧着により接合して保持する手段としている。
特に、平板35は、コイル31の引き出し線33よりも幅が広く、電気導電性を有する金属からなり、その一端36を磁心30に埋設している。
そして、平板35を磁心30とコイル31の引き出し線33とにより挟み込むようにし、平板35およびコイル31の引き出し線33を、磁心30に沿うように磁心30の側面から底面に折曲加工して配置している。
次に、このコイル31部品の製造工程について説明する。
第1に、図3(a)に示すように、丸線を螺旋状に巻回し、引き出し線33を左右に引き出したコイル31を形成する。
第2に、図3(b)に示すように、コイル31の引き出し線33を潰すとともに破線(A−A)において切断し、引き出し線33を扁平状に潰すとともに方形状に形成する。
第3に、図3(c)に示すように、導電性を有するとともに、自立して形状を保持することができる自立性を有する平板35とコイル31の引き出し線33とを熱圧着により接続して端子部32を形成する。
第4に、図3(d)に示すように、磁性材料を粉末にして表面を絶縁皮膜で覆い、結合剤を混ぜて加圧成形した磁心30にコイル31を埋設する。この際、コイル31は、平板35とコイル31の引き出し線33とが磁心30より突出するように埋設する。
第5に、コイル31の引き出し線33と圧着した平板35とを共に磁心30に沿うように磁心30の側面から磁心30の底面に向かって折曲加工して端子部32を形成し、図2に示すコイル31部品を完成する。
上記構成により、端子部32は、磁心30から突出させて折曲加工したコイル31の引き出し線33と、折曲加工した引き出し線33の位置および形状を保持する保持手段を有する保持部とからなるので、保持部によって折曲加工されたコイル31の引き出し線33の位置および形状を保持でき、引き出し線33自体を端子部32として用いることが可能となる。よって、引き出し線33を端子部32に絡げる必要がなくなり、引き出し線33の断線を抑制し信頼性を向上できる。コイル31の巻回数を増やすために、コイル31の厚みを薄くしたりコイル31の線径を細くしたりして、引き出し線33そのものが撓み易くなったり自立しなくなったりしても、コイル31の引き出し線33の断線を抑制して信頼性を向上できる。
特に、保持部は自立して形状を保持することができる自立性を有する平板35とし、保持手段は平板35を折曲加工したコイル31の引き出し線33に重ね合わせて保持する手段なので、平板35と引き出し線33とを容易に保持することができる。特に、引き出し線33は、その端部34を扁平状に潰し方形状に形成してあるので、平板35との接続をより容易にできる。
また、平板35は一端36を磁心30に埋設しているので、平板35の取り付けを容易にできるとともに、平板35は電気導電性を有するので、引き出し線33と平板35とを導通させることができ、端子部32として使い勝手がよい。特に、平板35を磁心30とコイル31の引き出し線33とにより挟み込んでいるので、的確に引き出し線33を保持することができる。この際、引き出し線33は平板35よりも外側に配置しているので、実装時において、実装基板とのはんだ接続等を容易にできる。
さらに、コイル31は、磁性材料を粉末にして表面を絶縁皮膜で覆い、結合剤を混ぜて加圧成形した磁心30に埋設しているので、接着剤を用いずに磁心30を形成することができる。
このように本発明の一実施の形態によれば、接着剤の耐熱性を考慮する必要がなく、また、コイル31の引き出し線33の断線を抑制して、信頼性を向上したコイル部品を提供することができる。
なお、本発明の実施の形態における自立性を有するとは、平板35を折曲加工した場合、折曲加工した形状をそのまま維持し、撓んだりすることがない程度の保持力を有する状態を意味する。
また、図4に示すように、コイル31の引き出し線33を磁心30と平板35とにより挟み込んだりしても、的確に引き出し線33を保持できる。コイル31の引き出し線33と平板35との接合には、熱圧着の他に、抵抗溶接やはんだ接合等、様々な接合方法を用いてもよい。
さらに、コイル31は丸線の導線を螺旋状に巻回して形成したものに替えて、図、図に示すように、扁平状の導線を螺旋状に巻回して形成したエッジワイズ状のものや、図に示すように、金属平板に形成された弧状のパターン37を折曲加工してなるものを用いてもよい。この場合、導線の厚みを薄くできるとともに、導線の占積率を向上でき、低背化を図ることができる。
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、様々な形態を採用することができる。
以上のように本発明によれば、各種電子機器、通信機器等に利用されるコイル部品に関するものであって、接着剤の耐熱性を考慮する必要がなく、また、コイルの引き出し線の断線を抑制して、信頼性を向上したコイル部品として用いることができる。
本発明の一実施の形態におけるコイル部品の断面図 同コイル部品の斜視図 同コイル部品の製造工程図 他のコイル部品の断面図 エッジワイズ状のコイルを用いた他のコイル部品の斜視図 エッジワイズ状のコイルを用いた他のコイル部品の断面図 金属平板に形成された弧状のパターンを示す平面図 自動車エンジンの燃料噴射装置を制御する制御システム全体を示すブロック図 同制御システムの制御コントロール部における電源部の回路図 同コイル部品の断面図 同電源部に用いる従来のコイル部品の斜視図
30 磁心
31 コイル
32 端子部
33 引き出し線
34 端部
35 平板
36 一端
37 パターン

Claims (8)

  1. 磁性材料を粉末にして表面を絶縁皮膜で覆い、結合剤を混ぜて加圧成形した磁心と、導線を螺旋状に巻回して形成し、前記磁心に埋設したコイルと、前記コイルと電気的に接続した端子部とを備え、前記端子部は、前記磁心から突出させて前記磁心の側面から底面に折曲加工した前記コイルの引き出し線と、折曲加工した前記コイルの引き出し線の位置および形状を保持する保持手段を有する保持部とからなり、前記保持部は、電気導電性を有するとともに自立して形状を保持することができる自立性を有する金属の平板からなり、前記コイルの引き出し線よりも幅を広くするとともに一端を前記磁心に埋設させて形成しており、前記保持手段は、折曲加工した前記平板に前記コイルの引き出し線を重ねあわせて保持する手段としたコイル部品。
  2. 前記コイルは扁平状の導線を螺旋状に巻回して形成したエッジワイズ状とした請求項1記載のコイル部品。
  3. 前記コイルは金属平板に形成された弧状のパターンを折曲加工してなる請求項1記載のコイル部品。
  4. 前記平板を前記磁芯と前記コイルの引き出し線とにより挟み込んだ請求項記載のコイル部品。
  5. 前記コイルの引き出し線を前記磁心と前記平板とにより挟み込んだ請求項記載のコイル部品。
  6. 前記平板と前記コイルの引き出し線とを接合した請求項記載のコイル部品。
  7. 前記コイルの引き出し線の端部を扁平状に潰した請求項1記載のコイル部品。
  8. 前記コイルの引き出し線の端部を扁平状に潰すとともに、方形状に形成した請求項1記載のコイル部品。
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