JP2015167183A - ナノ結晶軟磁性合金粉末およびそれを用いた圧粉磁芯 - Google Patents

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Abstract

【課題】 圧粉磁芯の軟磁気特性を改善することを目的とし、優れた軟磁気特性が得られるナノ結晶軟磁性合金粉末とそれを用いた圧粉磁芯を提供する。
【解決手段】 アモルファス相の合金組成物の薄帯を1次熱処理し、αFe(−Si)結晶相を部分的に析出させて粉砕したナノ結晶軟磁性合金粉末のαFe(−Si)結晶相の結晶化度を、4%以上70%以下とする。ナノ結晶軟磁性合金粉末をバインダーと混合して加圧成形した後、2次熱処理を行ってαFe(−Si)結晶相を追加析出させ圧粉磁芯とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、トランス、チョークコイル、リアクトル等のインダクタに用いられるナノ結晶軟磁性合金粉末とその製造方法、およびナノ結晶軟磁性合金粉末を用いた圧粉磁芯に関する。
アモルファス相中に微小なαFe(−Si)結晶相が析出したナノ結晶軟磁性合金は、高飽和磁束密度と低磁歪の両立が可能なため、トランスなどのコアとして用いた場合、コア損失を低減できる優れた軟磁性材料である。
また、近年の電子機器の小型化や高周波化の要求に対応し、チョークコイルやリアクトルなどのコアに使用することを目的として、ナノ結晶軟磁性合金粉末と絶縁性の良い樹脂バインダを混合して成形した圧粉磁芯が開発されている。
例えば、特許文献1には、ナノ結晶組織を有するナノ結晶磁性粉末、または熱処理によりナノ結晶組織を発現可能な組成の非晶質軟磁性粉末のいずれかに、バインダーとガラス粉末を添加して加圧成形し、ガラスの軟化点以上600℃以下で熱処理して得られる圧粉磁芯およびその製造方法が開示されている。
特開2004−349585号公報
αFe(−Si)結晶相を析出させたナノ結晶軟磁性合金粉末を加圧成形した圧粉磁芯は、加圧成形時に粉末粒子に歪みを生じさせる。この歪みは、Fe−BやFe−Pなどの化合物相が析出しない温度領域では十分に除去ができないため、コア損失が大きくなり、良好な軟磁気特性が得られない問題がある。
また、アモルファス相の軟磁性合金粉末を、加圧成形して圧粉体を作製後、αFe(−Si)結晶相を析出させる熱処理を行うと、αFe(−Si)結晶相の析出による発熱によって熱暴走を起こしやすく、Fe−BやFe−Pなどの化合物相が析出して比透磁率が低下し、圧粉磁芯として良好な軟磁気特性が得られない問題がある。
本発明の課題は、上記従来技術による圧粉磁芯の軟磁気特性を改善することを目的とし、優れた軟磁気特性が得られるナノ結晶軟磁性合金粉末とそれを用いた圧粉磁芯を提供することである。
上記の目的を達成するため、本発明は、αFe(−Si)結晶相がアモルファス相中に析出したナノ結晶軟磁性合金粉末において、前記αFe(−Si)結晶相の結晶化度が4%以上70%以下であることを特徴とする。
本発明では、前記ナノ結晶軟磁性合金粉末の組成が、組成式 FeSiCuで表され、79.0≦a≦86.0、5.0≦b≦13.0、0.0≦c≦8.0、1.0≦x≦10.0、0.0≦y≦5.0、0.4≦z≦1.4および0.06≦z/x≦1.20で、、Feの一部をTi、Zr、Hf、Nb,Ta、Mo、W、Cr、Co、Ni、Al、Mn、Zn、S、Sn、As、Sb、Bi、N、O、Ca、V、Mgおよび希土類元素、貴金属元素のうち1種類以上の元素で、組成全体の3at%以下を置換し、Feとの合計が79.0at%以上、86.0at%以下であることが望ましい。
また、前記ナノ結晶軟磁性合金粉末の粒子のアスペクト比が、1.0を超え2.6以下であることが望ましい。
本発明では、アモルファス相の合金組成物を熱処理してαFe(−Si)結晶相を析出させ、αFe(−Si)結晶相の結晶化度を4%以上70%以下とし、その後に前記合金組成物を粉砕することによって粉末化することを特徴とするナノ結晶軟磁性合金粉末の製造方法が得られる。
また、前記合金組成物が、薄帯であることが望ましい。
さらに本発明では、ナノ結晶軟磁性合金粉末とバインダとを混合したものを、加圧成形した後、熱処理を行ってαFe(−Si)結晶相を追加析出させたことを特徴とする圧粉磁芯が得られる。
本発明のナノ結晶軟磁性合金粉末は、αFe(−Si)結晶相を部分的に析出させたもので、αFe(−Si)結晶相の結晶化度を4%以上とすることで、圧粉磁芯の作製における熱処理時に、追加析出するαFe(−Si)結晶相の析出量を減少させることができる。したがって、αFe(−Si)結晶相の析出によって放出される熱量を低減し、熱処理時の熱暴走を防ぐことが可能となる。これによりFe−BやFe−Pなどの化合物相の析出を抑制し、比透磁率に優れた良好な軟磁気特性を有する圧粉磁芯が実現できる。
また、αFe(−Si)結晶相の結晶化度を70%以下とすることで、圧粉磁芯の作製で行う熱処理時に、αFe(−Si)結晶相が追加析出できる余地を残すことができる。このためαFe(−Si)結晶粒子の成長に伴って、加圧成形時にナノ結晶軟磁性合金粉末粒子に生じた歪みを緩和することが可能となる。これによりコア損失が小さい良好な軟磁気特性を有する圧粉磁芯が実現できる。
以上述べた様に、本発明のナノ結晶軟磁性合金粉末を使用することにより、比透磁率が高くコア損失の小さい優れた軟磁気特性を有する圧粉磁芯を得ることができる。
本発明のナノ結晶軟磁性合金粉末の製造方法は、以下の通りである。まず、αFe(−Si)結晶相の微細結晶を析出する合金組成物を、高周波加熱などによって融解し、液体急冷法でアモルファス相の薄帯または薄片を作製する。次に、このアモルファス相の薄帯または薄片を、熱処理(以下、この熱処理を、1次熱処理と言う。)してαFe(−Si)結晶相を部分的に析出させる。その後、αFe(−Si)結晶相が部分的に析出した薄帯または薄片を粉砕して粉末化する。
アモルファス相の薄帯を作製する液体急冷法としては、Fe基アモルファス薄帯の製造などに使用される単ロール式のアモルファス製造装置や、双ロール式のアモルファス製造装置を使用することができる。
1次熱処理の方法は、汎用的な手法を適用することができる。例えば、抵抗加熱、赤外線加熱、溶融塩などへの浸漬、加熱された金属やセラミックスなどの固体に直接接触させる方法、レーザー光を照射する方法などがある。
1次熱処理において、熱処理温度と熱処理時間を調整することで、αFe(−Si)結晶相を部分的に析出させ、目的とする結晶化度を有するナノ結晶軟磁性合金粉末を得ることができる。
本発明によるナノ結晶軟磁性合金粉末は、αFe(−Si)結晶相の結晶化度が4%以上70%以下であることにより、圧粉磁芯の作製時における熱処理(以下、この熱処理を2次熱処理と言う。)において、熱暴走に起因する化合物相の析出を抑制し、かつ圧粉磁芯の作製時の加圧成形において生じた粉末粒子の歪みを緩和することができる。
αFe(−Si)結晶相の結晶化度が14%以上であれば、2次熱処理におけるαFe(−Si)結晶相の析出による発熱はさらに減少する。このため熱暴走が起こる可能性はほとんど無くなり、熱処理温度が適切で有れば、化合物相の析出をほとんど抑止することができるのでより好ましい。またαFe(−Si)結晶相の結晶化度が50%未満であれば、2次熱処理におけるαFe(−Si)結晶相の析出余地が十分に確保されるので、加圧成形において粉末粒子に生じる歪みをより効果的に緩和することができるのでより好ましい。
さらに、αFe(−Si)結晶相の結晶化度が14%以上30%未満であるのが最も好ましく、高い比透磁率と、小さなコア損失を有する圧粉磁芯を得ることができる。
ナノ結晶軟磁性合金粉末におけるαFe(−Si)結晶相の結晶化度は、粉末X線回折によって求めることができる。具体的には、X線回折装置(XRD)によって得られた粉末試料のX線回折パターンから、バックグラウンドと装置に起因する回折の非対称性を補正した後、αFe(−Si)結晶相の回折パターンと、アモルファス相に特有のブロードな回折パターンを分離し、それぞれの回折強度を求めた後、全回折強度に対するαFe(−Si)結晶相の回折強度の比を計算することによって得られる。
αFe(−Si)結晶相が部分的に析出した薄帯または薄片の粉砕は、一般的な粉砕装置を使用できる。例えば、ボールミル、スタンプミル、遊星ミル、サイクロンミル、ジェットミルなどが使用できる。
また、粉砕して得られた粉末をふるいを用いて分級することにより、所望のアスペクト比の粒子を有するナノ結晶軟磁性合金粉末が得られる。
本発明によるナノ結晶軟磁性合金粉末では、粒子のアスペクト比を1.0を超え2.6以下とすることにより、特に高周波領域における渦電流損失の増加が抑制されるのでコア損失の低減に効果がある。
αFe(−Si)結晶相の結晶化度が4%未満では、2次熱処理でのαFe(−Si)結晶相の析出による発熱量が大きく、熱暴走による化合物相が析出する可能性が大きくなるので望ましくない。さらに粉砕による粉末化が著しく困難になる問題がある。この場合、仮に時間をかけて粉砕したとしても、ほとんどの粒子がアスペクト比で2.6を超えるため好ましくない。
ナノ結晶軟磁性合金粉末の組成としては、組成式FeSiCuで表され、79.0≦a≦86.0、5≦b≦13、0≦c≦8、1≦x≦10、0≦y≦5、0.4≦z≦1.4および0.06≦z/x≦1.20である組成が適用できる。
Fe元素は、磁性を担う主たる元素であるので、その含有量は飽和磁束密度向上のためには多い方が好ましく、特に81at%以上で有ることが望ましい。しかしながら86at%を超えると、アモルファス相の形成能が低下するので好ましくない。
また、耐食性の改善や電気抵抗の調整などを目的として、Feの一部をTi、Zr、Hf、Nb,Ta、Mo、W、Cr、Co、Ni、Al、Mn、Zn、S、Sn、As、Sb、Bi、N、O、Ca、V、Mgおよび希土類元素、貴金属元素のうち1種類以上の元素で、組成全体の3at%以下を置換し、Feとの合計が79.0at%以上、86.0at%以下としても良い。
本発明によるナノ結晶軟磁性合金粉末の製造方法としては、上述の方法以外に、ガスアトマイズ法あるいは水アトマイズ法などで、アモルファス相の粉末を作製し、1次熱処理を行ってαFe(−Si)結晶相を部分的に析出させ、目的とする結晶化度を有するナノ結晶軟磁性合金粉末を得ることもできる。
この場合の熱処理も、アモルファス相の薄帯を1次熱処理する場合と同様に、熱処理温度と熱処理時間を調整することでαFe(−Si)結晶相の結晶化度が4%以上70%以下であるナノ結晶軟磁性合金粉末を得ることができる。
本発明における圧粉磁芯の作製は、2次熱処理工程を除いては、一般的な方法を採用することができる。例えば、αFe(−Si)結晶相が部分的に析出したナノ結晶軟磁性合金粉末と、フェノール樹脂やシリコーン樹脂などの絶縁性が良好で耐熱性が高いバインダーとを混合して造粒粉を作製する。次に造粒粉を所望の形状を有する金型に充填し、加圧成形して圧粉体を得る。その後、圧粉体を2次熱処理してαFe(−Si)結晶相を追加析出させる。2次熱処理では、バインダーの加熱硬化も同時に行う。
2次熱処理におけるαFe(−Si)結晶相の析出量は、従来のアモルファス相から析出させる場合と比較して、1次熱処理で析出した分だけ減少しているので、αFe(−Si)結晶相析出に伴う発熱による熱暴走は抑制される。2次熱処理において、熱処理温度は、αFe(−Si)結晶相の析出が進行し、かつFe−B、Fe−Pなどの化合物相が析出しない温度範囲を設定すれば良い。また熱処理時間は、αFe(−Si)結晶相が十分に析出できる時間を設定すれば良い。
圧粉磁芯の作製方法としては、加圧成形と2次熱処理を同時に行えるホットプレス等でも良い。またバインダーと混合した後に、射出成形などの方法で圧粉体を作製し、その後2次熱処理を行っても良い。
(第1の実施例)
原料としてFe、Fe−B、Fe−P、Cuを用い、組成式でFe84.36.09.0Cu0.7となるように秤量し、高周波加熱炉で融解して合金組成物を得た。その後、単ロール型の液体急冷装置にてアモルファス相の薄帯を作製した。作製した薄帯の厚さは約25μm、幅は約15mmである。
次に、得られた薄帯を、抵抗加熱型の熱処理炉に投入し、アルゴン雰囲気中で1次熱処理を行い、αFe(−Si)結晶相を部分的に析出させた。熱処理温度は、実施例1から実施例8では420℃から460℃とし、熱処理時間は40秒である。また、1次熱処理を行わない場合を、比較例1とした。比較例2から4では、熱処理温度はそれぞれ400℃、410℃、475℃とし、熱処理時間はそれぞれ60秒、40秒、40秒である。
上述の1次熱処理を行った薄帯をステンレス製のポットミルを用いて粉砕し、αFe(−Si)結晶相が部分的に析出したナノ結晶軟磁性合金粉末を得た。なお実施例1から実施例8では、薄帯の粉砕による粉末化は容易であったが、比較例1および比較例2の薄帯は、粉末化することができなかった。
得られたナノ結晶軟磁性合金粉末は、X線回折装置(XRD)を用いて結晶化度の測定を行った。粉砕することができなかった比較例1と比較例2の薄帯は、薄帯の状態で結晶化度の測定を行った。
得られたナノ結晶軟磁性合金粉末に対して、重量比で3%の熱硬化性シリコーン樹脂をバインダーとして混合し、造粒を行い造粒粉を作製した。次に、造粒粉を金型に投入し、980MPaで加圧成形を行って圧粉体を作製した。圧粉体の寸法は、外径20mm、内径13mm、厚さ8mmである。
作製した圧粉体を、赤外線加熱装置を用いて、熱処理温度425℃、熱処理時間20分で2次熱処理を行い、αFe(−Si)結晶相の追加析出と熱硬化性シリコーン樹脂の硬化を行い圧粉磁芯を得た。
作製した圧粉磁芯に巻線を行い、磁気特性を測定した。比透磁率μの測定は、インピーダンスアナライザーを用い、周波数20kHzで行った。またB−Hアナライザーを用いて周波数20kHz、磁束密度100mTにおけるコア損失を測定した。
表1に、第1の実施例におけるナノ結晶軟磁性合金粉末の結晶化度と圧粉磁芯の軟磁気特性を、比較例と共に示す。表1より、αFe(−Si)結晶相の結晶化度が4%以上70%以下のナノ結晶軟磁性合金粉末を用いた圧粉磁芯は、比透磁率が20kHzで30以上を有し、コア損失が20kHz、100mTで500mW/cm3未満の良好な軟磁気特性を持つことが判る。なお比較例1と比較例2は、先に述べた様に粉末化ができなかったので、圧粉磁芯の作製と磁気特性の測定は実施できなかった。
Figure 2015167183
(第2の実施例)
第1の実施例と同様にして、組成式がFe84.36.09.0Cu0.7であるアモルファス相の薄帯を作製し、1次熱処理を行ってαFe(−Si)結晶相を部分的に析出させた。熱処理温度は425℃、熱処理時間は40秒である。
上述の1次熱処理を行った薄帯をステンレス製のポットミルを用いて粉砕し、αFe(−Si)結晶相が部分的に析出したナノ結晶軟磁性合金粉末を得た。
得られたナノ結晶軟磁性合金粉末は、X線回折装置(XRD)を用いて結晶化度の測定を行った。本実施例のαFe(−Si)結晶相の結晶化度は、10%であった。
次に、得られたナノ結晶軟磁性合金粉末を、目開き150μm、90μm、45μmのふるいを重ねた多段ふるいに通した。目開き150μmのふるいを通り、目開き90μmのふるいを通らなかった粉末を比較例5とし、同様に90μmを通り45μmを通らなかった粉末を実施例9、45μmを通った粉末を実施例10とした。
粉末粒子のアスペクト比は走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて観察した。任意の30個の粒子について、短径の長径に対する比を測定し、30個の粒子の平均値を求めてアスペクト比とした。
第1の実施例と同様に、圧粉磁芯を作製した後に巻線を行い、磁気特性を測定した。比透磁率の測定は、周波数1MHzで行った。またコア損失は、周波数300kHz、磁束密度50mTで行った。
Figure 2015167183
表2に、第2の実施例におけるナノ結晶軟磁性合金粉末の結晶化度とアスペクト比および圧粉磁芯の比透磁率とコア損失を、比較例と共に示す。表2より、本発明による、粒子のアスペクト比が1.0を超え2.6以下であるナノ結晶軟磁性合金粉末を使用した圧粉磁芯は、アスペクト比が4.8である比較例と比べてコア損失が小さく、300kHzの高周波領域で良好な軟磁気特性を有していることが判る。
以上述べたように、本発明は、αFe(−Si)結晶相の結晶化度を4%以上70%以下であるナノ結晶軟磁性合金粉末を使用することにより、比透磁率が高くコア損失が小さい優れた軟磁気特性を有する圧粉磁芯を得ることができる。
本発明は、以上説明した実施例に限定されるものではなく、本発明の技術的思想内で当分野において通常の知識を有する者により多くの変形が可能である。

Claims (7)

  1. αFe(−Si)結晶相がアモルファス相中に析出したナノ結晶軟磁性合金粉末において、前記αFe(−Si)結晶相の結晶化度が4%以上70%以下であることを特徴とするナノ結晶軟磁性合金粉末。
  2. 前記ナノ結晶軟磁性合金粉末の組成が、組成式FeSiCuで表され、
    79.0≦a≦86.0、5.0≦b≦13.0、0.0≦c≦8.0、1.0≦x≦10.0、0.0≦y≦5.0、0.4≦z≦1.4および0.06≦z/x≦1.20で、
    Feの一部をTi、Zr、Hf、Nb,Ta、Mo、W、Cr、Co、Ni、Al、Mn、Zn、S、Sn、As、Sb、Bi、N、O、Ca、V、Mgおよび希土類元素、貴金属元素のうち1種類以上の元素で、組成全体の3at%以下を置換し、Feとの合計が79.0at%以上、86.0at%以下である請求項1に記載のナノ結晶軟磁性合金粉末。
  3. 前記ナノ結晶軟磁性合金粉末の粒子のアスペクト比が、1.0を超え2.6以下である請求項1または2に記載のナノ結晶軟磁性合金粉末。
  4. アモルファス相の合金組成物を熱処理してαFe(−Si)結晶相を析出させ、αFe(−Si)結晶相の結晶化度を4%以上70%以下とし、その後に前記合金組成物を粉砕することによって粉末化することを特徴とするナノ結晶軟磁性合金粉末の製造方法。
  5. 前記合金組成物の組成が、組成式FeSiCuで表され、
    79.0≦a≦86.0、5.0≦b≦13.0、0.0≦c≦8.0、1.0≦x≦10.0、0.0≦y≦5.0、0.4≦z≦1.4および0.06≦z/x≦1.20で、
    Feの一部をTi、Zr、Hf、Nb,Ta、Mo、W、Cr、Co、Ni、Al、Mn、Zn、S、Sn、As、Sb、Bi、N、O、Ca、V、Mgおよび希土類元素、貴金属元素のうち1種類以上の元素で、組成全体の3at%以下を置換し、Feとの合計が79.0at%以上、86.0at%以下である請求項4に記載のナノ結晶軟磁性合金粉末の製造方法。
  6. 前記合金組成物が、薄帯であることを特徴とする請求項5に記載のナノ結晶軟磁性合金粉末の製造方法。
  7. 請求項1から3のいずれかに記載のナノ結晶軟磁性合金粉末とバインダとを混合したものを、加圧成形した後、熱処理を行ってαFe(−Si)結晶相を追加析出させたことを特徴とする圧粉磁芯。
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