JP2006237368A - 圧粉磁心およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 優れた直流重畳特性を有しかつ低損失である軟磁性の圧粉磁心およびその製造方法を提供する。
【解決手段】 一般式:(Fe1−aSiM’(原子%)(XはC、P、S、Ga、Ge、Snから選ばれる1種類以上の元素)により表される組成と不可避不純物からなるアモルファス薄帯に180℃以上かつ350℃以下の温度で脆化のための熱処理を施し、粉砕し、これにより得られた軟磁性粉末と結着剤を混合して圧粉体とすることを特徴とする圧粉磁心の製造方法を用いる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、各種電源等の電子機器に使用される圧粉磁心およびその製造方法に関するものであり、巻線部品などに応用可能なものである。
各種電子機器の高機能・多機能化に伴い電源の大電流化が進み、それに使用されるチョークコイル等の巻線部品の磁心に用いられる軟磁性材料においては、優れた直流重畳特性と低損失が求められる。これらの要請に対し、従来、軟磁性粉末として高い飽和磁化と高い透磁率を有する軟磁性合金粒子表面に絶縁被膜処理を施した複合粉末を圧密化した高密度のバルク形状体等が供されてきた。このような軟磁性合金粉末を効率よく得る方法として、例えばアモルファス合金薄帯に脆化熱処理を施した後に粉砕する方法が知られている(例えば非特許文献1参照)。また、特許文献1では、一般式:(Fe1−aNi)100−X−Y−Z−p−q―rCuSiCrM’(原子%)(但し、MはV、Mnからなる群から選ばれた少なくとも1種の元素、M’はNb、W、Ta、Zr、Hf、Ti、Moからなる群から選ばれた少なくとも1種の元素であり、a、X、Y、Z、p、q、rはそれぞれ0≦a≦0.5、0.1≦X≦5、0<Y≦20、0≦Z≦6、15≦Y+Z≦30、0.5≦p≦10、0.5≦q≦10、0≦r≦10を満たす。)により表される組成のアモルファス薄帯に300℃以上かつ450℃以下の温度で脆化のための熱処理を施し、粉砕し、これにより得られた軟磁性粉末を圧粉体とすることが記載されている。
特開平4−18712号公報(第10頁左下欄15行目〜第11頁左上欄17行目) R.Hasegawa、R.E.Hathaway,and C.F.Chang:J.Appl.Phys.,57,p.3566 (1985).
上記非特許文献1によれば、急冷単ロール法により作製したアモルファス薄帯に、400℃という高温で脆化熱処理を施している。この薄帯を粉砕した粉末を用いた圧粉磁心は飽和磁束密度が高く優れた直流重畳特性を示すが、低損失を得るのは困難であった。また、特許文献1に開示されている合金組成では飽和磁束密度が小さく、優れた磁気特性が得られないという問題がある。
以上の問題に鑑み、本発明の目的は、優れた直流重畳特性を有しかつ低損失な特性を持つ圧粉磁心とその製造方法を提供することにある。
本発明者は、圧粉磁心の直流重畳特性及び磁心損失はアモルファス薄帯の脆化熱処理の影響を強く受け、脆化熱処理温度を低くすることにより、優れた直流重畳特性及び磁心損失を示す圧粉磁心となることを見出し本発明に想到した。
すなわち、本発明は、一般式:(Fe1−aSiM’(原子%)(ただし、上記式においてMはCo及び/又はNiであり、XはC、P、S、Ga、Ge、Snから選ばれる1種類以上の元素であり、M’はNb、W、Ta、Hf、Ti、V、Cr、Mn、Y、Pd、Ruから選ばれる1種類以上の元素であり、a、b、c、d、e、fはそれぞれ0≦a≦50、76≦b≦84、0≦c≦12、8≦d≦18、0.01≦e≦10、0≦f≦10を満たす)により表される組成と不可避不純物からなるアモルファス薄帯に180℃以上かつ350℃以下の温度で脆化のための熱処理を施し、粉砕し、これにより得られた軟磁性粉末と結着剤を混合して圧粉体とする圧粉磁心の製造方法である。かかる構成とすることで、成形歪を効率よく除去することができ、直流重畳特性に優れ、損失の小さい圧粉磁心の製造方法を提供することができる。
また、熱処理中の結晶の育成を抑えるため、M’元素は1原子%以下、さらには0.5原子%以下とすることが好ましい。M’元素が多いと磁気特性の劣化も問題となるためである。
これにより得られる圧粉磁心は、周波数100kHzで100mTの磁束密度が得られるように磁界を印加したときの磁心損失が3000kW/m以下であることを特徴とする。また、熱処理温度を低くすることで、磁心損失が2000kW/m以下、さらには1800以下のものも得ることが可能である。また、上記圧粉磁心は、周波数100kHzで直流バイアス磁界10000A/mを印加した時の増分比透磁率が20以上であることを特徴とする。
前記圧粉磁心において、軟磁性合金粉末の平均粒径d50は1〜150μm、さらには5〜90μmであることが好ましい。
また、前記絶縁物は、無機材料であることが好ましい。無機材料は耐熱性が高いことから、これを絶縁物として用いることにより、圧縮成形した後の圧粉体に熱処理を施した後も絶縁性を保持しやすく、損失の小さい圧粉磁心とすることができる。無機材料の中でも濡れ性の高い水ガラスがより好ましい。
また、本発明の圧粉磁心の製造方法は、前記手法で得られた軟磁性粉末と絶縁物とを、結着性樹脂の水溶液中で混合し、次いでこれらを攪拌しながら乾燥させた複合粉末を室温で圧縮成形することを特徴とする。かかる構成の製造方法により、成形歪を効率よく除去することができ、直流重畳特性に優れ、低損失な圧粉磁心を提供することができる。
本発明において、磁心損失の測定には、内径8mm、外径14mm、高さ5mmの圧粉体を作製し、この圧粉体に1次30ターン、2次3ターンの巻線をし、岩崎通信機社の交流BHトレーサー(SY−8232)にて、周波数100kHzで100mTの磁束密度が得られるように磁界を印加して測定した。
また、増分比透磁率の測定には、上記の圧粉体に30ターンの巻線をし、アジレント社のLCRメータ(HP4284A)とHP42841Aバイアスカレントソース(HP42841A)にて、信号電圧レベル1.0 Vrms、周波数100kHz、直流バイアス磁界10000A/mにおける条件で測定した。
本発明は、180℃以上かつ350℃以下の温度で脆化のための熱処理を施し、アモルファス薄帯を粉砕することで得られた軟磁性合金粒子に絶縁物を被覆し、これらの複合粉末を圧縮成形した圧粉磁心の製造方法であり、かかる構成により、優れた直流重畳特性を示すとともに、低損失な圧粉磁心を提供することができる。また、本発明の圧粉磁心を用いてチョークコイル等の巻線部品を構成することにより、大電流電源等の高性能な電子機器を提供することができる。
一般に、圧粉磁心は、軟磁性粉末を絶縁材料とともに加圧して圧粉体とすることによって得られ、例えば水アトマイズ、ガスアトマイズ等のアトマイズ法、機械的粉砕法等によって調整することができる。しかし、高磁気特性を発現させる目的等で軟磁性粉末を得る場合は、冷却速度の大きい急冷単ロール法により得られたアモルファス薄帯を粉砕する必要がある。
本発明者は、アモルファス合金薄帯の脆化熱処理温度と直流重畳特性及び磁心損失との関係について検討した結果、脆化熱処理温度を低くすることで直流重畳特性が向上し、磁心損失が低減することを知見したのである。脆化熱処理温度は180℃以上かつ350℃以下が好ましい。該値が180℃以下であると、薄帯は十分脆化されず、粉砕効率が低下し、軟磁性合金粉末を効率良く得ることができない。350℃を超えると圧粉体の熱処理後に、成形歪が十分除去されず、高い直流重畳特性及び低損失が得られない。脆化熱処理温度の低減は、直流重畳特性及び磁心損失を改善する上で有利である一方、粉砕効率は低下する。より好ましい脆化熱処理温度は200〜330℃、さらには220〜300℃である。
圧粉体の熱処理温度は、250℃以上かつ500℃以下が好ましい。該値が250℃以下であると成形歪が十分除去されず、高い直流重畳特性及び低損失が得られない。500℃を超えると結晶組織が肥大化し、高い透磁率を示さなくなるので、高い直流重畳特性及び低損失が得られない。したがって、より好ましい脆化熱処理温度は350〜450℃である。また、熱処理は非酸化製性雰囲気で、好ましくはAr、N雰囲気で行われるのが好ましい。
軟磁性粉末の平均粒径d50は1〜150μmとすることが好ましい。軟磁性粒子の平均粒径をかかる範囲とすることで、成形性の向上を通じて高密度化が実現され、良好な直流重畳特性を示す圧粉磁心が得られる。軟磁性粉末の平均粒径が150μmを超えると圧粉磁心の密度が低下し良好な直流重畳特性が得られず、1μm未満であると取り扱いが困難となる。平均粒径d50はより好ましくは5〜120μm、さらに好ましくは10〜90μmである。
更に、本発明において軟磁性粉末と絶縁物の体積比の範囲を80:20から99:1とすると、軟磁性粒子間の絶縁を確保しつつ軟磁性粒子の密度を高くすることができ、低損失で、かつ良好な直流重畳特性を有する軟磁性圧密体となる。
本発明において適用する絶縁物は成形体の熱処理後において固着作用が保たれるものであれば、種類は問わないが、耐熱性を有する無機材料が好ましい。無機材料の中でも濡れ性が高い水ガラスがより好ましい。
本発明の圧粉磁心は、直流バイアス磁界が印加しないときの増分比透磁率は30以上で、直流バイアス磁界10000A/m印加したときの増分比透磁率は20以上の値となり、磁心損失が周波数100kHz、振幅磁束密度0.1Tの条件で1200kW/m以下となるので、実用上十分な圧粉磁心となる。また、本発明に係る直流重畳特性に優れた圧粉磁心を用いてチョークコイル等の巻線部品を構成することで、それを使用した電子機器の許容電流値を高めることが可能となり、高機能・高性能な電子機器の提供に寄与することとなる。
以下、本発明の製造方法について詳しく説明する。
本発明の製造方法では、急冷単ロール法により得られたアモルファス薄帯に脆化熱処理を施し、この薄帯を粉砕する。アモルファス薄帯は一般式:(Fe1−aSiM’(原子%)(ただし、上記式においてMはCo及び/又はNiであり、XはC、P、S、Ga、Ge、Snから選ばれる1種類以上の元素であり、M’はNb、W、Ta、Hf、Ti、V、Cr、Mn、Y、Pd、Ruから選ばれる1種類以上の元素であり、a、b、c、d、e、fはそれぞれ0≦a≦50、76≦b≦84、0≦c≦12、8≦d≦18、0.01≦e≦10、0≦f≦10を満たす)により表される組成を有する。M’の元素は1原子%を超えると飽和磁化が小さくなり、高特性の圧粉磁心が得られないため、好ましくは1原子%とする。この組成を有することにより、高い飽和磁束密度を有するアモルファス薄帯を効率よく得ることができる。また、C、P、S、Ga、Ge、Sn等の元素はアモルファス薄帯事態を脆化しやすくするものであり、圧粉磁心のための粉砕を行いやすくすることができる。0.01〜10原子%、さらには0.1〜8原子%添加することが好ましい。0.05原子%未満では脆化のための役割を十分に得られず、また10原子%を超えるとアモルファス薄帯の量産が困難になる。
前記アモルファス薄帯の脆化熱処理温度は180℃以上かつ350℃以下が好ましい。180℃以上の温度で脆化熱処理することにより、アモルファス薄帯を効率良く粉砕できる。350℃を超える脆化熱処理温度では、圧粉体の熱処理後に、成形歪が十分除去されず、高い直流重畳特性及び低損失が十分得られない。
本発明の製造方法では、脆化熱処理を施したアモルファス薄帯を粉砕することにより得られた軟磁性合金粉末と絶縁物とを、結着性樹脂の水溶液中で混合し、次いでこれらを攪拌しながら乾燥させた複合粉末を用いる。結着性樹脂を用いるのは、圧粉体の取り扱いに十分な強度に保つためである。本発明に適用できる結着剤は、例えばPVA(ポリビニルアルコール)などがある。また、本発明において、結着性樹脂の水溶液を用いるのは、水溶液であれば有機溶媒よりも安価で、取り扱い上安全であるからである。このとき攪拌しながら乾燥させるのは、軟磁性粒子同士が結着性樹脂の水溶液によって接着して塊となるのを防ぐためである。
上述の複合粉末を圧縮成形し圧粉体を得る。かかる圧密化の方法としては、常温圧縮成形法を適用することが好ましい。常温圧縮成形法は、加熱する必要がないので成形効率が高いからである。本発明の製造方法では、0.5〜3.0GPaの圧力で成形することが好ましい。0.5GPa以上の圧力範囲とすることで、より高密度の圧粉磁心を得ることができる。一方、3.0GPaを超える圧力では、金型の損耗率が高くなるため好ましくない。
上述の圧粉体に成形歪除去のための熱処理を施す。本発明の製造方法では、熱処理温度は、250℃以上かつ500℃以下が好ましい。熱処理温度を250℃以上にすることで成形歪が十分除去され、優れた直流重畳特性及び低損失が得られる。500℃を超えると結晶組織が肥大化し、直流重畳特性が低下し損失が増加するので、好ましくない。好ましい範囲は350℃〜450℃の範囲である。
(実施例)
急冷単ロール法により作製した、原子%でFe78.7Si120.3の合金組成を有するアモルファス薄帯を脆化するため、窒素雰囲気中320℃において2時間の熱処理を施した。この薄帯を振動ミルにより粉砕し、軟磁性合金粉末を得た。この軟磁性合金粉末を目開き90μmの篩下で分級した。平均粒径を測定したところ、77μmであった。
次にPVA粉末を水に溶かし、PVAの濃度が3%の溶液を用意した。前記アモルファス合金粉末と水ガラスの体積比が85:15になるように混合し、これらとPVA3%溶液15質量部を容器に入れ、これらを100℃に加熱しながら1時間攪拌し、完全に乾燥させた。
得られた混合粉末を目開き250μm篩にてふるい、団粒を除去した。その後、これらの複合粒子に潤滑剤であるステアリン酸亜鉛を混合した。これらの複合粒子を金型内に装入して、室温で圧力1.5GPaかけて、内径8mm、外径14mmのリング状の圧粉磁心を得た。得られたリング状の圧粉磁心に窒素雰囲気中380℃において2時間の熱処理を施した。この圧粉体の相対密度は、61.9%であった。ここで、「相対密度」とは、成形体を完全に緻密体と仮定したときの重量に対する実際の重量の比率として求めたものであり、完全緻密体の重量は、非晶質合金粒子と水ガラスの体積比に基づいて計算したものである。
次にリング状磁心の直流重畳特性を測定した。その結果を図1に示す。図1から明らかなように、増分比透磁率は、周波数100kHzで直流バイアス磁界が10000A/mのときに20以上であり、優れた直流重畳特性が実現されていることわかる。
次にリング状の圧粉磁心の磁心損失と脆化熱処理温度との依存性を調べた。その結果を図2に示す。圧粉磁心は380℃で熱処理し、歪除去を行っている。測定した脆化熱処理温度の範囲は260℃〜400℃とした。図2から明らかなように、周波数100kHz、振幅磁束密度0.1Tの条件で評価した磁心損失は、1100kW/mであり、低損失が実現されていることわかる。
(実施例2)
脆化熱処理の温度によって、アモルファス薄帯の粉砕性がどのように変化するかを明らかにするため、実施例1の組成を有する脆化熱処理後のアモルファス薄帯100gを、目開き90μm篩にて篩い可能なサイズまで粉砕するのにかかる時間と薄帯の脆化熱処理温度の関係を調べた。その結果を図3に示す。図3から明らかなように、この合金組成では250℃以下になると粉砕にかかる時間が急激に増大することがわかる。
(実施例3)
次にリング状圧粉磁心の磁心損失の熱処理温度依存性を測定した。その結果を図4に示す。測定した圧粉体の熱処理温度は360℃〜420℃とした。図4から明らかなように、周波数100kHz、振幅磁束密度0.1Tの条件で評価した磁心損失は、圧粉体の熱処理温度380℃のときに1100kW/mであり、低損失が実現されていることわかる。
(実施例4)
炭素量と脆化熱処理の温度によって、アモルファス薄帯の粉砕性がどのように変化するかを明らかにするため、原子%でFe77Si12の合金組成を有する脆化熱処理後のアモルファス薄帯100gを、目開き90μm篩にてふるい可能なサイズまで粉砕するのにかかる時間と薄帯の脆化熱処理温度の関係を調べた。その結果を図3に併記する。実施例1の炭素量が0.3原子%の時よりも脆化しており、粉砕が容易になっていることがわかる。炭素は薄帯の表面に析出しやすく、これが脆化を行いやすくすることが推察される。
C、P、Ge、Ga、Sn、S元素の合金組成によりアモルファス薄帯の粉砕性がどのように変化するかを明らかにするため、表1に示す合金組成を有するアモルファス薄帯100gに窒素雰囲気中260℃において2時間の熱処理を施し、得られたアモルファス薄帯を目開き90μm篩にてふるい可能なサイズまで粉砕するのにかかる時間を調べた。表1から明らかなように、C、P、Ge、Ga、Sn、Sの添加量を増やすことにより粉砕性が向上することがわかる。これらの元素は磁気特性を格段悪化させることはないため、薄帯を粉砕して圧粉磁心とする際に非常に効果的な元素として用いることができる。ただし、これらの元素の総和が10原子%を超えると薄帯の製造が困難となり、かつ磁気特性が悪化してしまうことが解った。
Figure 2006237368
(比較例)
比較例として、急冷単ロール法により作製した、原子%でFe78.7Si120.3の合金組成を有するアモルファス薄帯を、窒素雰囲気中400℃において2時間の脆化熱処理を施した。脆化熱処理温度が異なる以外は上記実施例と同様の条件でリング状圧粉磁心を得た。この圧粉体の相対密度は61.4%であった。リング状磁心の直流重畳特性を測定した結果を図1に示すが、増分比透磁率は、周波数100kHzで直流バイアス磁界が10000A/mのときに17である。また、リング状磁心の磁心損失を測定した結果を図2に示すが、周波数100kHz、振幅磁束密度0.1Tの条件で評価した磁心損失は7500kW/mである。
実施例および比較例の直流重畳特性を示す図である。 実施例および比較例の磁心損失の脆化熱処理温度依存性を示す図である。 実施例および比較例の脆化熱処理後アモルファス薄帯の粉砕性を示す図である。 圧粉磁心の磁心損失の熱処理温度依存性を示す図である。

Claims (7)

  1. 一般式:(Fe1−aSiM’(原子%)(ただし、上記式においてMはCo及び/又はNiであり、XはC、P、S、Ga、Ge、Snから選ばれる1種類以上の元素であり、M’はNb、W、Ta、Hf、Ti、V、Cr、Mn、Y、Pd、Ruから選ばれる1種類以上の元素であり、a、b、c、d、e、fはそれぞれ0≦a≦50、76≦b≦84、0≦c≦12、8≦d≦18、0.01≦e≦10、0≦f≦10を満たす)により表される組成と不可避不純物からなるアモルファス薄帯に180℃以上かつ350℃以下の温度で脆化のための熱処理を施し、粉砕し、これにより得られた軟磁性粉末と結着剤を混合して圧粉体とすることを特徴とする圧粉磁心の製造方法。
  2. 前記M’の添加量が0≦f≦1であることを特徴とする請求項1に記載の圧粉磁心の製造方法。
  3. 前記軟磁性粉末に結着性樹脂と絶縁性無機材料を混合して混合粉末とし、該混合粉末を圧縮成形して圧粉体とし、該圧粉体を250℃以上かつ500℃以下で熱処理することを特徴とする請求項1又は2に記載の圧粉磁心の製造方法。
  4. 前記軟磁性粉末の平均粒径d50は1〜150μmであることを特徴とする請求項1又は2に記載の圧粉磁心の製造方法。
  5. 圧粉体とする際の成形圧力が0.5GPa以上かつ3・0GPa以下であることを特徴とする請求項1又は2の何れかに記載の圧粉磁心の製造方法。
  6. 一般式:(Fe1−aSiM’(原子%)(ただし、上記式においてMはCo及び/又はNiであり、XはC、P、S、Ga、Ge、Snから選ばれる1種類以上の元素であり、M’はNb、W、Ta、Hf、Ti、V、Cr、Mn、Y、Pd、Ruから選ばれる1種類以上の元素であり、a、b、c、d、e、fはそれぞれ0≦a≦50、76≦b≦84、0≦c≦12、8≦d≦18、0.01≦e≦10、0≦f≦10を満たす)により表される組成と不可避不純物からなる軟磁性粉末と結着剤からなる圧粉磁心であり、周波数100kHzで100mTの磁束密度が得られるように磁界を印加したときの磁心損失が3000kW/m以下であることを特徴とする圧粉磁心。
  7. 一般式:(Fe1−aSiM’(原子%)(ただし、上記式においてMはCo及び/又はNiであり、XはC、P、S、Ga、Ge、Snから選ばれる1種類以上の元素であり、M’はNb、W、Ta、Hf、Ti、V、Cr、Mn、Y、Pd、Ruから選ばれる1種類以上の元素であり、a、b、c、d、e、fはそれぞれ0≦a≦50、76≦b≦84、0≦c≦12、8≦d≦18、0.01≦e≦10、0≦f≦10を満たす)により表される組成と不可避不純物からなる軟磁性粉末と結着剤からなる圧粉磁心であり、周波数100kHzで直流バイアス磁界10000A/mを印加した時の増分比透磁率が20以上であることを特徴とする圧粉磁心。
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