JP3287481B2 - 直流重畳特性に優れた超微結晶合金からなる磁心およびその製法並びにこれを用いたチョークコイル、トランス - Google Patents

直流重畳特性に優れた超微結晶合金からなる磁心およびその製法並びにこれを用いたチョークコイル、トランス

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JP3287481B2 JP19966292A JP19966292A JP3287481B2 JP 3287481 B2 JP3287481 B2 JP 3287481B2 JP 19966292 A JP19966292 A JP 19966292A JP 19966292 A JP19966292 A JP 19966292A JP 3287481 B2 JP3287481 B2 JP 3287481B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高周波トランス、ノ−
マルモードチョークコイル等に用いられる直流重畳特性
に優れた高周波磁気特性に優れる超微細結晶粒組織を有
する合金を用いた磁心およびその製法並びにこれを用い
たチョ−クコイル、トランスに関する。
【0002】
【従来の技術】高周波トランスや平滑チョ−クやノイズ
フィルタ用ノーマルモードチョーク等に用いられる磁心
材料としては、直流重畳特性に優れた材料が、磁気的飽
和による回路部品の破損がおきにくく、動作磁束密度を
大きくできる点や直流が重畳した状態で高い増分透磁率
が得られる点等から好まれている。高周波トランスにお
いては磁心が磁気的に飽和すると回路素子が破壊するた
めカットコアなどを用いる場合が多い。また、カットコ
アは巻線が容易であるためこの点からも好まれている。
通常このような用途に適する特性とするために、金属材
料の場合はギャップを形成したり、圧粉磁心とすること
によりB−H曲線の傾斜を小さくし直流重畳特性を改善
する方法が行われている。直流重畳特性は、直流重畳磁
界HDCに対する増分透磁率μ△の依存性であり、μ△が
DCに対してできる限り高いことが望ましい。ノ−マル
モ−ドチョ−ク用としては10Oe以上のHDCに対しても
十分高いμ△が必要となる。上記用途に適する材料とし
ては、珪素鋼、Fe基アモルファス合金等の高飽和磁束
密度材料や高周波磁気特性に優れたフェライトやパ−マ
ロイ圧粉磁心等が用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、珪素鋼やFe
基アモルファス合金などは磁心損失が大きいため温度上
昇が大きくなる問題や効率が低下する問題がある。また
使用に際しては直流重畳特性を改善するためギャップを
形成したりカットコアにしたりする必要がある。このた
めギャップ部や接合部からの磁束の漏れにより周辺機器
に影響を与えたり漏れ磁束による渦電流のため磁心損失
が増加する問題がある。また、Fe基アモルファス合金は
磁歪が著しく大きく周波数によっては磁歪による共振が
生じ特性が変化する問題や可聴周波数帯で使用した場合
にうなりが生ずる問題がある。また磁心損失もCo基ア
モルファスやフェライトに比べると大きく発熱が大きい
問題も残されている。一方、フェライトやパーマロイ圧
粉磁心はFe系の材料に比べ直流重畳特性が十分でなく
磁心が大きくなる問題がある。また、特公平4ー4393号公
報にはFe基の微結晶合金が高透磁率低磁心損失特性を示
すことが開示されている。しかし、Fe基微結晶合金は磁
気的に飽和しやすく上記用途にはこのままでは適してい
ない。このためこれらの用途に用いる場合はギャップを
形成するのが一般的である。しかし、ギャップを形成す
ると磁心損失が増加したり漏洩磁束がギャップ部に生じ
実装した場合に周辺の部品に影響を与える場合がある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに本発明者らは粒径が500オングストローム以下の
結晶粒が組織の少なくとも50%を占めており、残留磁
束密度が7000G以下、10Oeにおける磁束密度が
7000G以下である超微結晶合金からなる磁心が直流
重畳特性に優れておりノ−マルモ−ドチョ−クや高周波
トランス等に適していることを見いだし本発明に想到し
た。本発明において、残留磁束密度が7000G以下、
10Oeにおける磁束密度が7000G以下である場合
にトランスや平滑チョ−ク等のノ−マルモ−ドチョ−ク
に適する特性を示す。残留磁束密度が7000Gを超え
ると磁心損失が増加し好ましくなく、10Oeにおける
磁束密度が7000Gを超えると増分透磁率の低下する
直流重畳磁界が小さくなり好ましくない。特に残留磁束
密度が6000G以下、10Oeにおける磁束密度が4
000G以下である場合には平滑チョ−ク等のノ−マル
モ−ドチョ−クに適する磁心が得られる。残留磁束密度
が6000G以下の場合は特に磁心損失が低くなる。結
晶粒がbcc相からなる場合に特に磁心損失が低い。ま
た、結晶粒がbcc相とFe−B化合物相からなる場合
に増分透磁率は1000以下とすることができ、ノーマ
ルモ−ドチョ−ク等の用途に特に望ましい。また、平均
粒径が1000オングストロ−ムを超えると軟磁気特性
が著しく悪くなり好ましくない。好ましくは300オン
グストロ−ム、より好ましくは200オングストロ−ム
以下である。また、結晶粒の割合は組織の少なくとも5
0%以上である必要がある。50%未満の場合は磁歪が
大きくなり、可聴周波数ではうなりを生ずる、高周波に
おいては共振により特定の周波数で透磁率や磁心損失が
急激に変化し好ましくない。また、磁歪の増加の影響で
変形により特性が変化したり磁心損失も大きくなり好ま
しくない。本発明に係わる合金中の結晶粒は主にbcc
相からなり、規則相を含む場合がある。結晶粒の残部は
主にアモルファス相である。本発明に係わる合金におい
て好ましい組成は、組成式:(Fe1−a
100−x−y−z−αSiM’α(at
%)(但し、MはCo及び/またはNiであり、AはC
u,Auから選ばれる少なくとも一種の元素、M’はM
o,V,Cr,Mn及びWからなる群から選ばれた少な
くとも1種の元素であり、a,x,y,zおよびαはそ
れぞれ0≦a≦0.3,0≦x≦3,0≦y≦20,2
≦z≦15,0.1≦α≦10を満たす。)により表さ
れる組成、あるいは、組成式:(Fe1−a
100−x−y−z−α―βSiM’αM”
β(at%)(但し、MはCo及び/またはNiであ
り、AはCu,Auから選ばれる少なくとも一種の元
素、M’はMo,V,Cr,Mn及びWからなる群から
選ばれた少なくとも1種の元素、M”はNb,Ta,T
i,Zr,Hf,Al,Sn,In,Ag,Pd,R
h,Ru,Os,Ir,Ptから選ばれた少なくとも1
種の元素であり、a,x,y,zおよびα,βはそれぞ
れ0≦a≦0.3,0≦x≦3,0≦y≦20,2≦z
≦15,0.1≦α≦10,0<β≦10を満たす。)
により表される組成、あるいは、組成式:(Fe1−a
100−x−y−z−α―β―γ Si
M’αM”βγ(at%)(但し、MはCo及び/ま
たはNiであり、AはCu,Auから選ばれる少なくと
も一種の元素、M’はMo,V,Cr,Mn及びWから
なる群から選ばれた少なくとも1種の元素、M”はN
b,Ta,Ti,Zr,Hf,Al,Sn,In,A
g,Pd,Rh,Ru,Os,Ir,Ptから選ばれた
少なくとも1種の元素、XはC,Ge,Ga,Pから選
ばれる少なくとも1種であり、a,x,y,zおよび
α,β,γはそれぞれ0≦a≦0.3,0≦x≦3,0
≦y≦20,2≦z≦15,0.1≦α≦10,0<β
≦10,0<β≦10を満たす。)により表される組成
が直流重畳特性に優れかつ低磁心損失に優れた特性が得
られ好ましい。ここで、MはCo及び/またはNiであ
りCo,Niの総和の組成比aが0.3を越えると高周
波特性が劣下し好ましくない。AはCuおよびAuから
選ばれる少なくとも一種の元素であり組織を微細化しb
ccFe相を形成しやすくする効果を有するが3at%
を越えると脆化し実用的でなくなる。M’はMo,V,
Cr,Mn及びWからなる群から選ばれた少なくとも1
種の元素であり結晶粒成長を抑え組織を微細化する効果
および直流重畳特性を改善する効果を有し、本発明には
有効な元素である。M’の含有量αが10at%を越え
ると飽和磁束密度の著しい低下を示すためαは10at
%以下が望ましい。M”はNb,Ta,Ti,Zr,H
f,Al,Sn,In,Ag,Pd,Rh,Ru,O
s,Ir,Ptからなる群から選ばれた少なくとも1種
の元素であり、結晶粒の微細化や磁気特性を改善したり
耐蝕性を改善する効果を有する。M”の含有量βが10
at%を越えると飽和磁束密度の著しい低下を示すため
βは10at%以下が望ましい。XはC,Ge,Ga,
Pからなる群から選ばれた少なくとも1種の元素であり
磁歪を調整したり磁気特性を調整する効果を有する。X
の含有量γが10at%を越えると著しい飽和磁束密度
の低下を招くためγは10at%以下が望ましい。Si
及びBは磁心損失の改善及び透磁率の改善に効果があ
り、Si量yは20at%以下、B量zは2から15a
t%以下が望ましい。もう一つの本発明は液体急冷法に
よりアモルファス合金薄帯を製造する工程と、結晶化開
始温度以上で5分以上24時間以下の温度で組織の50
%が粒径500オングストローム以下の結晶粒となるよ
うに熱処理し、残留磁束密度が7000G以下、10O
eにおける磁束密度が7000G以下となるようにする
工程からなる直流重畳特性に優れた前記超微結晶合金か
らなる磁心の製造方法である。まず、単ロ−ル法や双ロ
−ル法等の液体急冷法により板厚3〜100μm程度の
アモルファス合金薄帯を作製する。次に、この合金薄帯
を積層あるいは巻回した後アルゴンガスや窒素ガス等の
不活性ガス雰囲気中あるいは大気中で結晶化開始温度以
上で5分以上24時間以下の時間保持して組織の50%
が粒径500オングストローム以下の結晶粒、残留磁束
密度が7000G以下、10Oeにおける磁束密度が7
000G以下となるように熱処理を行う。熱処理温度は
結晶化開始温度以上とする必要がある。これは、結晶化
開始温度未満では実用的な時間で熱処理を完了するのが
困難となるためと、上記特性を得るのが困難となるため
である。熱処理の際の保持時間は5分以上24時間以下
が望ましい。この理由は5分未満では合金を均一な温度
とするのが困難であり十分な特性が得られず、24時間
を超えると生産性の点で好ましくないからである。冷却
は、急冷あるいは徐冷のどちらでも良いが通常は徐冷の
方が好ましい結果が得られる。通常の冷却速度は0.1
℃/min以下である。この際、合金薄帯表面をSiO
やAl等の酸化物で被覆し層間絶縁を行うと特
に広幅材を用いる場合においてより好ましい結果が得ら
れる。層間絶縁の方法としては、電気泳動法によりMg
O等の酸化物を付着させる方法、金属アルコキシド溶液
を表面につけこれを熱処理しSiO等の酸化物を形成
させる方法、リン酸塩やクロム酸塩処理を行い表面に酸
化物の被覆を行う方法、CVDやPVDにより表面にA
lNやTiN等の皮膜を形成する方法等がある。また、
絶縁性のポリイミドやPET等のフィルムを薄帯間に挿
入し層間絶縁を行ったりする方法がある。もうひとつの
本発明は、前記超微結晶合金からなる磁心に導線を巻回
し構成されたチョ−クコイルである。直流重畳特性に優
れしかも磁心損失が小さいため小型で高性能のチョ−ク
コイルとなる。単ロ−ル法等により作製した前記合金薄
帯を積層あるいはトロイダル状に巻回し、磁心を作製し
た後結晶化開始温度以上の温度で熱処理し、組織の50
%が粒径500オングストロ−ム以下の結晶粒となるよ
うにする。更にこの磁心を絶縁性のコアケ−スに入れ
る、あるいはコ−ティングを行った後に導線を巻回しチ
ョ−クコイルを作製する。もうひとつの本発明は、上記
超微結晶合金からなる磁心に少なくとも2本の導線を巻
回し構成されたトランスである。直流重畳特性に優れる
ため偏磁等により磁心が飽和し回路が破損する可能性が
小さく、わざわざギャップを設けたり、カットコアとす
る必要がない。また、ギャップ部がないため漏洩磁束も
小さく周囲への影響が小さい。また磁心損失が小さくか
つ動作磁束密度を大きくとることができる。このため、
小型のトランスとなる。単ロ−ル法等により作製した前
記合金薄帯を積層あるいはトロイダル状に巻回し、磁心
を作製した後結晶化開始温度以上の温度で熱処理し、組
織の50%が粒径500オングストロ−ム以下の結晶粒
となるようにする。更にこの磁心を絶縁性のコアケ−ス
に入れる、あるいはコ−ティングを行った後に少なくと
も2本の導線を巻回しトランスを作製する。
【0005】
【実施例】以下本発明を実施例にしたがって説明するが
本発明はこれらに限定されるものではない。 (実施例1)単ロ−ル法により幅6.5mm、厚さ19μmのFe
bal.Cu1Mo3Si16B6アモルファス合金薄帯を作製した。次
にこの合金薄帯を、外径21.5mm内径12.0mmに巻回し610゜
Cで1時間の熱処理を無磁場中で行った。この合金の組
織を観察したところほとんどが粒径約200オングストロ
ームのbcc結晶粒になっていた。またX線回折の結果よ
り一部に化合物相が形成していた。次にこの磁心をフェ
ノ−ル樹脂性のコアケ−スに入れ直流B−Hカ−ブを測
定した。非常に残留磁束密度が低く恒透磁率性に優れた
B−Hカ−ブを示す。残留磁束密度Brは3500G、10 Oeに
おける磁束密度は3600Gである。次に直径0.7mmの導線を
20タ−ン巻きチョ−クコイルを作製し、10kHzにおける
直流重畳特性を測定した。得られた結果を図1に示す。
比較のためにギャップを形成したフェライト磁心とMoパ
−マロイ圧粉磁心の直流重畳特性を示す。本発明合金の
増分透磁率μ△は40 Oeまで150以上ありフェライトやMo
パ−マロイ圧粉磁心よりも優れている。また、従来の超
微結晶合金が重畳磁界が大きくなると急激に増分透磁率
μΔが小さくなるのに対して本発明合金からなるチョー
クはμΔが大きくノ−マルモ−ドチョ−クとして優れた
特性を示す。このため平滑チョ−クやノ−マルモ−ドの
ノイズ防止用チョ−クに適している。 次に100kHz,2kG
における磁心損失を測定した。得られた結果を表1に示
す。
【表1】 従来の直流重畳特性に優れた材料に比べ磁心損失が低く
優れていることが分かる。
【0006】(実施例2) 単ロ−ル法により幅6.5mm,厚さ19μmのFe
bal.CuMoSi16アモルファス合金薄
帯を作製した。次にこの合金薄帯を、外径21.5m
m、内径12.0mmに巻回し熱処理温度を変え1時間
の熱処理を無磁場中で行った。この合金の組織を透過電
子顕微鏡で観察し結晶粒径、X線回折により形成相を調
べた。次にこの磁心をフェノ−ル樹脂性のコアケ−スに
入れ直流B−Hカ−ブを測定した。得られた結果を表2
に示す。なお、形成相がアモルファス相のみからなる合
金以外すべてbcc相が組織の50%以上を占めてい
た。
【表2】 結晶粒が組織の少なくとも50%以上で結晶粒径が50
0オングストロ-ム以下、残留磁束密度Brが7000
G以下、直流重畳磁界が10Oeにおける磁束密度が7
000G以下となるように熱処理を行った場合に直流重
畳磁界が10Oeにおける増分透磁率μ△が高く、磁心
損失の低い特性が得られ、ノ−マルモ−ドチョ−クに適
する特性を示す。
【0007】(実施例3)単ロ−ル法により幅6.5mm、
厚さ19μmの表3,4に示す組成のアモルファス合金薄帯
を作製した。次にこの合金薄帯を、外径21.5mm内径12.0
mmに巻回し610゜Cで1時間の熱処理を無磁場中で行っ
た。これらの合金の組織を透過電子顕微鏡で観察し結晶
粒径、X線回折により形成相を調べた。その結果粒径が
500オングストロ−ム以下の結晶粒が組織の少なくとも5
0%以上を占めているのが確認された。次にこの磁心をフ
ェノ−ル樹脂性のコアケ−スに入れ直流B−Hカ−ブを
測定した。得られた結果を表3,4に示す。
【表3】
【表4】
【0008】(実施例4) 単ロ−ル法により幅6.5mm、厚さ19μmのFe
balCu Mo Si11(at%)の組成のア
モルファス合金薄帯を作製した。次にこの合金薄帯を、
外径21.5mm、内径12.0mmに巻回し熱処理を
無磁場中で行った。これらの合金の組織を透過電子顕微
鏡で観察し結晶粒径、X線回折により形成相を調べた。
次にこの磁心をフェノ−ル樹脂性のコアケ−スに入れ直
流B−Hカ−ブを測定した。得られた結果を表に示
す。Bが7000Gを超えると磁心損失が著しく増加
し好ましくないことが分かる。またB10が7000G
を超えた場合はμ△が低く直流重畳特性が悪く好ましく
ない。
【表5】
【0009】(実施例5)単ロ−ル法により幅6.5mm、
厚さ19μmのFebal.Cu1W3Si15B6アモルファス合金薄帯を
作製した。次にこの合金薄帯を、外径20mm、内径12.0mm
に巻回し605゜Cで1時間の熱処理を無磁場中で行った後2゜
C/minの速度で室温まで冷却し、本発明超微結晶合金を
作製した。次にこの磁心をフェノ−ル樹脂性のコアケ−
スに入れて巻磁心を作製し、更に巻線を行いトランスを
作製した。このトランスをスイッチング電源のメイント
ランスとして実機評価を行った。比較のために従来のFe
73.5Cu1Nb3Si13.5B9超微結晶合金を用いたトランスと比
較を行った。ギャップを形成したり、カットコアとしな
い場合従来の超微結晶合金を用いたトランスでは磁心が
飽和し、半導体が故障した。これに対して本発明のトラ
ンスは温度上昇40゜Cで回路もこわれることなく安定に動
作した。
【0010】
【発明の効果】本発明によれば、ノ−マルモ−ドのチョ
−クコイルやトランスに適する直流重畳特性に優れかつ
低損失の超微結晶合金がおよびその製法並びにこれを用
いたチョ−クコイル、トランスを提供できるためその効
果は著しいものがある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる超微結晶合金の直流重畳特性の
1例を示したグラフである。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−335129(JP,A) 特開 平4−4393(JP,A) 特開 平3−215650(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01F 1/12 - 1/375

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 組成式:(Fe 1-a M a )100 -x-y-z-α A x Si y B z
    M' α (at%)(但し、MはCo及び/またはNiであり、AはCu、
    Auから選ばれる少なくとも一種の元素、M'はMo,V,Cr,Mn
    及びWからなる群から選ばれた少なくとも1種の元素であ
    り、a,x,y,zおよびαはそれぞれ0≦a≦0.3,0≦x≦3,0≦
    y≦20,2≦z≦15,0.1≦α≦10を満たす。)により表され
    る組成からなり、粒径が500オングストローム以下の結
    晶粒が組織の少なくとも50%を占めており、残留磁束密
    度が7000G以下、10Oeにおける磁束密度が7000G以下であ
    る直流重畳特性に優れた超微結晶合金からなることを特
    徴とする磁心。
  2. 【請求項2】 組成式:(Fe 1-a M a ) 100-x-y-z-α-β A x Si
    y B z M' α M'' β (at%)(但し、MはCo及び/またはNiであ
    り、AはCu、Auから選ばれる少なくとも一種の元素、M'
    はMo,V,Cr,Mn及びWからなる群から選ばれた少なくとも1
    種の元素、M''はNb,Ta,Ti,Zr,Hf,Al,Sn,In,Ag,Pd,Rh,R
    u,Os,Ir,Ptから選ばれた少なくとも1種の元素であり、
    a,x,y,zおよびα,βはそれぞれ0≦a≦0.3,0≦x≦3,0≦
    y≦20,2≦z≦15,0.1≦α≦10,0<β≦10を満たす。)に
    より表される組成からなり、粒径が500オングストロー
    ム以下の結晶粒が組織の少なくとも50%を占めており、
    残留磁束密度が7000G以下、10Oeにおける磁束密度が700
    0G以下である直流重畳特性に優れた超微結晶合金からな
    ることを特徴とする磁心。
  3. 【請求項3】 組成式:(Fe 1-a M a ) 100-x-y-z-α-β-γ A
    x Si y B z M' α M'' β X γ (at%)(但し、MはCo及び/またはNi
    であり、AはCu、Auから選ばれる少なくとも一種の元
    素、M'はMo,V,Cr,Mn及びWからなる群から選ばれた少な
    くとも1種の元素、M''はNb,Ta,Ti,Zr,Hf,Al,Sn,In,Ag,P
    d,Rh,Ru,Os,Ir,Ptから選ばれた少なくとも1種の元素、X
    はC,Ge,Ga,Pから選ばれる少なくとも1種の元素であり、
    a,x,y,zおよびα,β,γはそれぞれ0≦a≦0.3,0≦x≦
    3,0≦y≦20,2≦z≦15,0.1≦α≦10,0<β≦10,0<γ≦1
    0を満たす。)により表される組成からなり、粒径が500
    オングストローム以下の結晶粒が組織の少なくとも50%
    を占めており、残留磁束密度が7000G以下、10Oeにおけ
    る磁束密度が7000G以下である直流重畳特性に優れた超
    微結晶合金からなることを特徴とする磁心。
  4. 【請求項4】 残留磁束密度が6000G以下、10Oeにおけ
    る磁束密度が4000G以下である請求項1乃至3のいずれ
    に記載の磁心。
  5. 【請求項5】 結晶粒がbcc相からなる請求項1乃至4
    のいずれかに記載の磁心。
  6. 【請求項6】 結晶粒がbcc相とFe-B化合物相からなる
    請求項1乃至4のいずれかに記載の磁心。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至のいずれかに記載の超微
    結晶合金からなる磁心に導線を巻回し構成されたチョ−
    クコイル。
  8. 【請求項8】 請求項1乃至のいずれかに記載の超微
    結晶合金からなる磁心に少なくとも2本の導線を巻回し
    構成されたトランス。
  9. 【請求項9】 液体急冷法によりアモルファス合金薄帯
    を製造する工程と、結晶化開始温度以上で5分以上24
    時間以下の温度で組織の50%が粒径500オングストローム
    以下の結晶粒となるように熱処理し、残留磁束密度が70
    00G以下、10Oeにおける磁束密度が7000G以下となるよう
    にする工程からなる直流重畳特性に優れた請求項1乃至
    のいずれかに記載の磁心の製造方法。
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