JPH04329846A - Fe基非晶質合金の製造方法 - Google Patents
Fe基非晶質合金の製造方法Info
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Abstract
め要約のデータは記録されません。
Description
リアクトルなどの鉄心に用いられるFe基非晶質合金の
製造方法に関するものである。
用いられている。これは、けい素鋼板が低鉄損でかつ安
価なことによるためである。しかし近年における省エネ
ルギーの要請はさらに強く、一層の低鉄損化が求められ
ている。けい素鋼板の低鉄損化に対して板厚を薄くする
、磁区を制御するなどの方法が開発されているが、鉄損
の低減効果が不十分であるだけでなく、材料コストの増
大を招く欠点をもつ。
鉄損特性を有するのが非晶質材料である。非晶質材料の
鉄損はけい素鋼板の約1/3〜1/5であり、これによ
る電力の節減効果は莫大である。非晶質材料の場合、製
造面、特性面で安定した材料を得るために、Feをはじ
めとする主要元素には高純度の原料が使用されている。 原料としてスクラップ材などを使用した場合、有害な不
純物の混入が避けられない。たとえば、Alを含む原料
を用いると、微量であっても鉄損や透磁率が大幅に劣化
することが知られている。またTiについても特開昭5
9−64143号公報に示されるように磁気特性を劣化
させる。これまではこの様な有害な不純物の混入を防ぐ
ために高純度の原料を用いる方向に力が注がれてきた。 しかし現実の問題として高純度の原料を用いることは製
品のコストアップを招くので問題となっていた。
i、Zrを含む低純度の原料を使用するときに生ずる磁
気特性の劣化を抑え、高純度並の磁気特性のすぐれたF
e基非晶質合金を製造するための方法を提供することで
ある。
ろは、0.01重量%以上のAl、Ti、Zrの少なく
とも1種を不純物として含む低純度の原料を用いる、合
金組成がFea Sib Bc Cd で表示されるF
e基非晶質合金の製造において、該原料に0.1〜1.
0重量%のSnあるいは0.01〜0.05重量%のS
のいずれか1種または2種を添加することを特徴とする
非晶質合金の製造方法にある。ここで、a=75〜82
(原子%、以下おなじ)、b=3〜16、c=7〜18
、d=0〜4である。
iが3〜16原子%、Bが7〜18原子%、Cが0〜4
原子%であり、鉄心材料に要求される飽和磁束密度(B
s)、鉄損、透磁率、非晶質形成能、熱的安定性、機械
的性質などを考慮して選定したものである。副成分とし
て0.1〜1.0重量%のSnあるいは0.01〜0.
05重量%のSの1種または2種を添加することが本発
明のポイントである。
述べる。まずSnであるが、0.1重量%未満では不純
物元素Al、Ti、Zrによる特性劣化を抑える効果が
認められない。一方、1.0重量%を越えて添加しても
著しい効果の向上は認められず、むしろ材料の脆化を招
き、機械特性劣化の方向に作用するためである。また、
Sの範囲もSnと同様である。すなわち0.01重量%
未満では、不純物元素Al、Ti、Zrによる特性劣化
を抑える効果が認められず、0.05重量%を越えて添
加しも著しい効果の向上は認められない。むしろ材料の
脆化を招き、機械特性を劣化させるためである。
いて述べる。まずFeの原料としては、電解鉄や高純鉄
の代わりに、けい素鋼板や自動車用鋼板など一般に使用
される鉄鋼材料や、それらの切りくずや、スクラップな
どを用いることができる。Siにつていも、けい素鋼板
の切りくずや、フェロシリコンなどを用いることができ
る。またBについてであるが、従来は高純度化の必要性
から、電解鉄やAlなど有害な不純物を含まない高純度
の鉄がフェロボロンの原料として用いられていたが、A
l、Ti、Zrなど有害とされていた不純物を含む低純
度の鉄を使用することができる。またフェロボロンの製
造において、電気炉法だけでなく、アルミニウムテルミ
ット法を用いることができる。
作用について述べる。上記のような原料を用いた場合、
母合金には不純物であるAl、Ti、Zrが含まれ、こ
れらが磁気特性に悪影響を与える。図1はAlを含まな
い薄帯とAlを含んだ薄帯の表面状態を示したものであ
る。Alを含まない薄帯と比較した場合、Alを含んだ
薄帯の表面にはAlが偏析しSiの偏析をる妨げている
ことがわかる。Siの表面への偏析を妨げられることに
よって磁気特性を劣化させる。
まない薄帯とSnを含んだ薄帯の表面状態を示したもの
である。ここで注目すべきはSiの挙動である。Snを
添加することによってAlが存在するにもかかわらず、
Siが表面に著しく偏析することである。Siの表面富
化が結晶化を制御する作用は明らかでないが、Siが非
晶質形成能向上に有効であることと関係しているものと
推定できる。SもSnと同様の作用があることを確認し
ている。すなわち、Siの表面富化によってAl、Ti
、Zrによる特性劣化が抑えられるものである。
ず上述の組成範囲となるように配合した原料あるいは母
合金を溶解し、通常の液体急冷法で非晶質連続薄帯とす
る。たとえば、単ロール法の場合、使用するノズルは単
一スリットノズルまたは多重スリットノズル、あるいは
ラップした多孔ノズルを用いることができる。それぞれ
のノズルの形状の例を図3に示す。ロールの材質はCu
、Feあるいはそれらの合金などでもよい。
限定するものでなく、ベルト法、双ロール法、遠心急冷
法、液中紡糸法、キャビテーション法など他の方法を採
用することもできる。
.5 Si6.5 B12C1 (原子%))の母合金
を作製した。化学分析の結果、それぞれにAlが0.0
5重量%、0.1重量%が含まれていた。この2種類の
母合金にSnを0.5重量%添加したものを母合金とし
て、単ロール急冷法を用いて薄帯に作製した。薄帯の幅
は25mm、板厚は約25μmであった。作製した薄帯
はX線回折法により非晶質であることが確認された。
、長さ方向に約20Oeの直流磁界をかけながらAr気
流中でアニールした。アニール条件は保定時間を1時間
とし、温度は380℃とした。表1に本発明によって得
られた薄帯の磁気特性を示す。また比較のために同じ母
合金を用い、Snを添加しないものの特性も表1に示し
た。
されたものは高純度の原料によって得られた薄帯と比較
して、鉄損は約3倍に増加し、印加磁界1Oeの時の磁
束密度は約1/3に低下している。一方、本発明によっ
て得られたSnの添加された薄帯は、Alが存在してい
るにもかかわらず、すぐれた磁気特性(鉄損(W1.3
/50)<200mW/kg、磁束密度(B1 )>1
.5T)を示す。これは高純度の原料によって得られた
薄帯と同等の特性であることがわかる。ただし、W1.
3/50は磁束密度1.3T、周波数50Hzにおける
鉄損、B1 は磁界1Oeにおける磁束密度である。 実施例2 実施例1で用いたものと同じ市販の低純度原料を用いて
作製した目標組成Fe78Si12B10(原子%)の
合金に、Sを0.02重量%添加したものを薄帯とした
後、同様に磁気特性を測定した。測定試料の採取方法や
アニール条件などは実施例1と同じである。実施例1と
異なる点は非晶質薄帯製造に多重スリット法を用いたこ
とである。具体的には、スリット幅0.4mmのスリッ
ト3枚を1mm間隔で並べた多重ノズルを用いた。得ら
れた非晶質薄帯の板厚は60μmであった。磁気特性評
価の結果は実施例1と同様に、良好な特性(鉄損(W1
.3/50<200mW/kg、磁束密度(B1 )>
1.5T)を示し、Sを添加した場合も高純度原料を用
いた薄帯と同等の特性を示した。
、低純度の原料が使用できるため材料の低コスト化を測
ることができる。すなわち、微量のSn、あるいはSを
微量添加することにより、高価な高純度原料を用いたも
のと同等の特性が得られる。
光分光法)による表面状態の分析結果で、Alを含んだ
薄帯とAlを含まない薄帯のAl、Si、O濃度の深さ
方向プロファイルを比較したもので、(a)はAl添加
あり、(b)はAl添加なしである。
対してSnを含んだ薄帯とSnを含まない薄帯の、GD
Sで測定した表面状態の分析結果を示したもので、(a
)はSn添加あり、(b)はSn添加なしである。
Claims (1)
- 【請求項1】 0.01重量%以上のAl、Ti、Z
rの少なくとも1種を不純物として含む低純度の原料を
用いる、合金組成がFea Sib Bc Cd で表
示されるFe基非晶質合金の製造において、該原料に0
.1〜1.0重量%のSnあるいは0.01〜0.05
重量%のSのいずれか1種または2種を添加することを
特徴とする非晶質合金の製造方法。ここで、a=75〜
82(原子%、以下おなじ)、b=3〜16、c=7〜
18、d=0〜4である。
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1991
- 1991-05-07 JP JP3101660A patent/JPH089753B2/ja not_active Expired - Lifetime
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