JP2003297624A - 圧粉磁心およびその製造方法 - Google Patents

圧粉磁心およびその製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】従来よりも高密度なFe−Si系磁性粉末から
なる圧粉磁心を提供する。 【解決手段】本発明の圧粉磁心は、絶縁皮膜で被覆され
た、FeおよびSiを主成分とする磁性粉末を加圧成形
してなる圧粉磁心において、前記磁性粉末中のSi含有
量(X:質量%)と、該磁性粉末の真密度(ρ0)に対
する前記圧粉磁心の嵩密度(ρ)の比である密度比(ρ
/ρ0:%)とが、 ρ/ρ0≧94−X (%) を満たすことを特徴とする。このSi含有量に応じて高
密度な圧粉磁心は、例えば、金型潤滑温間加圧成形法等
により工業的に製造される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、絶縁皮膜で被覆さ
れたFe−Si系磁性粉末からなる圧粉磁心およびその
製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】変圧器(トランス)、電動機(モー
タ)、発電機、スピーカ、誘導加熱器、各種アクチュエ
ータ等、我々の周囲には電磁気を利用した製品が多々あ
る。これらの製品は交番磁界を利用したものが多く、そ
の交番磁界は、通常、磁心(軟磁石)を中央に配設した
コイルによって発生される。このため、電磁機器の性能
は、そのコイルの性能に左右され、さらに、コイルの性
能は、上記磁心の性能に左右される。従って、電磁機器
の性能向上や小型化等を図る際に、磁心の性能向上や小
型化等を図ることが非常に重要となってくる。
【0003】一般的に、磁心は、先ず、交番磁界中で大
きな磁束密度が得られることが求められる。次に、交番
磁界中で使用したときに、その周波数に応じて生じる高
周波損失(鉄損)が少ないことが求められる。この高周
波損失には、渦電流損失、ヒステリシス損失および残留
損失があるが、主に問題となるのは、渦電流損失とヒス
テリシス損失である。さらに、磁心が交番磁界に追従し
て素早く大きな磁束密度を発生させるには、その保磁力
が小さいことも重要である。なお、この保磁力を低減さ
せることで、(初期)透磁率の向上とヒステリシス損失
の低減とを併せて図れる。従来の磁心では、これらの要
求を同時に満たすことは難しかったが、最近では、圧粉
磁心を用いることでそれらの要求を高次元で満足させつ
つある。この圧粉磁心は、各粒子を絶縁皮膜で被覆した
磁性粉末を加圧成形したものであり、比抵抗の増大によ
る高周波損失の低減と高密度化による磁束密度の増加と
を図ったものである。
【0004】ところで、このような磁性粉末は、純鉄、
Fe−Ni系合金、Fe−Ni−Mo系合金(パーマロ
イ)、Fe−Si系合金、Fe−Si−Al系合金(セ
ンダスト)等からなる粉末がこれまで主に用いられてき
た。この中でも、比抵抗が大きく、リアクトルに要求さ
れる直流重畳特性にも優れ、安価なFe−Si系磁性粉
末(Fe−Si−Al系磁性粉末等を含む。)が多用さ
れている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、Fe−Si系
磁性粉末を用いた場合、そのSi含有量の増加につれて
その硬さが増し、圧粉磁心の成形性が著しく阻害され
る。このようなFe−Si系磁性粉末を無理に高圧成形
すれば、金型との間でかじり等を生じて粉末成形体の取
出しすら困難となり、何よりも、金型寿命を著しく低下
させてしまう。このような事情により、従来のFe−S
i系磁性粉末からなる圧粉磁心は、自ずとその強度、密
度等が低いものとなり、十分な性能を有するものではな
かった。例えば、そのSi含有量にも依るが、圧粉磁心
の密度(嵩密度)は高々6.0〜6.5g/cm3程度
であり、7.0g/cm3を越えるようなものはほとん
どなかった。このため、その密度に応じた低い磁束密度
の圧粉磁心しか存在していなかった。
【0006】本発明は、このような事情に鑑みて為され
たものであり、従来よりも高密度で磁気的特性に優れ
た、Fe−Si系磁性粉末から圧粉磁心とその製造方法
を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者はこの
課題を解決すべく鋭意研究し、試行錯誤を重ねた結果、
従来になく高密度の、Fe−Si系磁性粉末からなる圧
粉磁心を得ることに成功し、本発明を完成させるに至っ
たものである。(圧粉磁心)すなわち、本発明の圧粉磁
心は、絶縁皮膜で被覆された、FeおよびSiを主成分
とする磁性粉末(Fe−Si系磁性粉末)を加圧成形し
てなる圧粉磁心において、前記磁性粉末中のSi含有量
(X:質量%)と、該磁性粉末の真密度(ρ0)に対す
る前記圧粉磁心の嵩密度(ρ)の比である密度比(ρ/
ρ0:%)とが、 ρ/ρ0≧94−X (%) (1) を満たすことを特徴とする。
【0008】本発明者は、従来、高密度化が困難と考え
られていたFe−Si系磁性粉末を用いた場合でも、例
えば、後述の製造方法(金型潤滑温間加圧成形法)を用
いることにより、従来になく高密度の圧粉磁心を得るこ
とに成功した。勿論、Si含有量により原料粉末である
Fe−Si系磁性粉末の塑性変形能は異なるため、得ら
れた圧粉磁心の密度も自ずと、Si含有量の影響を受け
ることになる。つまり、Si含有量が増える程、圧粉磁
心の高密度化を図ることが一般的に困難となる。そこ
で、本発明では、その圧粉磁心が如何に高密度であるか
を、その指標である密度比とSi含有量との相関を示す
上式(1)を用いて明確にした。そして、従来のものに
比較して、同Si含有量で、密度比が2〜10%程度も
向上した圧粉磁心が得られた。なお、式(1)の右辺
は、95−X(%)、96−X(%)、さらには97−
X(%)であるとより好ましい。
【0009】(圧粉磁心の製造方法)上記圧粉磁心は、
例えば、次の本発明の製造方法によって製造できる。す
なわち、絶縁皮膜で被覆された、FeおよびSiを主成
分とする磁性粉末を成形用金型内へ充填する充填工程
と、該成形用金型に充填された該磁性粉末を加圧成形す
る成形工程とからなり、該磁性粉末中のSi含有量
(X:質量%)と、該磁性粉末の真密度(ρ0)に対す
る該成形工程を経て得られた圧粉磁心の嵩密度(ρ)の
比である密度比(ρ/ρ0:%)とが、ρ/ρ0≧94−
X (%)を満たすように加圧成形することを特徴とす
る圧粉磁心の製造方法を用いることができる。
【0010】特に、前記充填工程は、高級脂肪酸系潤滑
剤が内面に塗布された前記成形用金型内へ前記磁性粉末
を充填する工程であり、前記成形工程は、該成形用金型
内に充填された該磁性粉末を温間で加圧成形して該成形
用金型の内面に接する該磁性粉末の表面に金属石鹸皮膜
を生成させる工程であると好適である。これらの充填工
程と成形工程とを有する製造方法を、以降では適宜、金
型潤滑温間加圧成形法という。さらに、絶縁皮膜で被覆
された、1〜10質量%のSiとFeとを主成分とする
磁性粉末を高級脂肪酸系潤滑剤が内面に塗布された成形
用金型内へ充填する充填工程と、該成形用金型内に充填
された該磁性粉末を温間で加圧成形して該成形用金型の
内面に接する該磁性粉末の表面に金属石鹸皮膜を生成さ
せる成形工程と、からなる製造方法を用いて上記圧粉磁
心を製造しても良い。
【0011】
【発明の実施の形態】次に、実施形態を挙げ、本発明を
より詳しく説明する。なお、以下の実施形態を含め、本
明細書で説明する内容は、本発明の圧粉磁心のみなら
ず、その製造方法にも、適宜、適用できるものであるこ
とを断っておく。 (1)磁性粉末 本発明で対象とする磁性粉末は、前述のように、Feお
よびSiを主成分とするFe−Si系磁性粉末である。
Si含有量は、少ない程、塑性変形能が向上して高密度
の圧粉磁心が得られる点で好ましいが、圧粉磁心に求め
られる比抵抗、磁束密度、強度、高周波特性、重畳特性
等とのかね合いでSi含有量は決定される。そこで例え
ば、Si含有量が、1〜10質量%、2〜8質量%、さ
らには3〜7質量%であると好適である。Fe−Si系
磁性粉末は、所定量のSiと残部Feと不可避不純物と
からなる合金粉末でも良いし、その他の元素を含んでい
ても良い。そのような元素として、例えば、アルミニウ
ム(Al)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)等が
ある。
【0012】磁性粉末は、ガスアトマイズや水アトマイ
ズ等のアトマイズ粉末でも良いし、合金インゴットをボ
ールミル等で粉砕した粉砕粉でも良い。もっとも、球状
の粒子からなるアトマイズ粉末よりも、各粒子の形状が
異なる粉砕粉の方が形状効果によって高強度で高強度の
圧粉磁心が得られる。磁性粉末の粒径は、圧粉磁心の高
密度化の観点から、20〜300μm、さらには50〜
200μmであると好ましい。本発明者が試験したとこ
ろ、渦電流損失の低減を図る観点からは、その粒径が細
かい程好ましく、例えば、50μm以下とすると良い。
一方、ヒステリシス損失の低減を図る観点からは、粒径
を粗くする方が好ましく、例えば、100μm以上とす
ると良い。なお、磁性粉末の分級は、篩い分法等により
容易に行える。
【0013】(2)絶縁皮膜 絶縁皮膜には、樹脂被膜、リン酸塩被膜、酸化被膜等が
ある。中でも、耐熱性に優れる酸化被膜を用いると、後
述の焼鈍工程を行った際にも絶縁皮膜の破壊が抑制、防
止されるので好ましい。このような耐熱性のある酸化被
膜として、SiO2皮膜が代表的であるが、この他に
も、Al23、TiO2、ZrO2およびそれらの複合酸
化物系絶縁皮膜等を使用することができる。なお、これ
らの被膜は、それら自体をコーティングして得られたも
のでも、磁性粉末中の成分であるSiと酸素(O)とが
反応して形成されたものでも、さらには磁性粉末中の成
分であるFeとリン酸等の処理液とが反応して得られた
ものでも良い。
【0014】ところで、本発明の製造方法のように、磁
性粉末を温間加圧成形する場合、成形用金型の内壁面と
磁性粉末との間に非常に潤滑性に富んだ新たな潤滑剤
(金属石鹸被膜)が形成される。この金属石鹸皮膜はF
eを含むとき(例えば、高級脂肪酸の鉄塩被膜のと
き)、最も優れた潤滑性を示す。従って、そのような被
膜の形成を促進する観点からも、絶縁皮膜自体がFeを
含んだ組成であると、一層好適である。そのような絶縁
皮膜は、例えば、リン酸塩系であればリン酸鉄が、酸化
物系であればFeSiO3、FeAl24、NiFe2
4などのFeとの複合酸化物系が望ましい。絶縁皮膜
は、膜厚が厚くなるほど比抵抗が大きくなるが、膜厚が
あまり厚いと、成形された圧粉磁心の磁束密度が低下す
る。そこで、圧粉磁心の磁束密度と比抵抗とを確保する
観点から、膜厚は、1〜1000nm、さらには、10
〜100nmであると好ましい。
【0015】(3)圧粉磁心の特性 本発明の圧粉磁心は、Fe−Si系磁性粉末からなるた
めに比抵抗が大きくて渦電流損失が小さいことは勿論、
高密度であるためヒステリシス損失も小さい。このた
め、ヒステリシス損失が支配的となる低周波数域で本発
明の圧粉磁心を使用した場合でも、それらの損失の和で
ある鉄損が従来になく低減される。さらに、Si含有量
に応じた高密度が実現されているため、本発明の圧粉磁
心が磁気的特性にも優れることはいうまでもない。
【0016】次に、このような圧粉磁心の特性について
個別に説明する。 圧粉磁心の電気的特性を指標する比抵抗は、形状に依
存しない圧粉磁心ごとの固有値であり、同形状の圧粉磁
心であれば比抵抗が大きいほど、渦電流損失は小さくな
る。この比抵抗は、磁性粉末の材質や粒径形状、絶縁皮
膜の材質や膜厚、熱処理(焼鈍)の有無等によって異な
る。例えば、圧粉磁心の成形後に焼鈍を行わない場合な
ら、比抵抗は、1000μΩm以上、さらには、100
00μΩm以上であると好ましい。また、焼鈍を行う場
合でも、比抵抗が100μΩm以上、さらには、100
0μΩm以上であると好ましい。
【0017】圧粉磁心の磁気的特性を指標する磁束密
度は、当然ながら、圧粉磁心が置かれる磁界の強さによ
って異なる。そこで、その磁束密度は、特定強さの磁界
中においたときの磁束密度で特定される必要がある。本
発明のFe−Si系磁性粉末からなる圧粉磁心は、リア
クトルのように、比較的変動幅の小さい高磁場中で使用
されることが多い。ここでは、その特定磁界の一例とし
て、8kA/mと10kA/mとを選択し、それらの磁
界中に圧粉磁心を置いたときにできる磁束密度B8k、B
10kで本発明の圧粉磁心を評価した。その場合、例え
ば、Fe−3%Si粉末を用いた本発明の圧粉磁心の磁
束密度B8k≧0.8T、0.9Tさらには1.0Tにも
なる。また、磁束密度B10k≧1.0T、1.2Tさら
には1.3Tにもなる。
【0018】なお、飽和磁化Msが小さいと、重畳特性
等も低下するが、本発明の圧粉磁心では、例えば、Fe
−3%Si粉末を用いた場合0.1MA/mの磁場中に
おける飽和磁化Ms≧1.80Tさらには1.85T以
上ともなり、低周波数域から高周波域にかけて重畳特性
も優れたものとなっている。さらに、圧粉磁心の磁気的
特性を指標するものとして保磁力がある。圧粉磁心の場
合、保磁力が小さい程、交番磁界に対する追従性が良
く、ヒステリシス損失も小さくなる。この保磁力は、焼
鈍等で残留歪を除去することにより低減できる。本発明
の圧粉磁心は、焼鈍を行った場合、例えば、保磁力bH
cは220A/m以下、200A/m以下、さらには1
80A/m以下ともなり得る。
【0019】この保磁力bHcの低下に応じてヒステリ
シス損失も低下する。加えて、上述したように、高密度
であることにも起因してヒステリシス損失が低下する。
その結果、本発明の圧粉磁心では、例えば、5kHzお
よび0.2Tの条件下でのヒステリシス損失が250k
W/m3以下、225kW/m3以下、さらには200k
W/m3以下ともなる。そして、焼鈍の有無に拘らず、
5kHzおよび0.2Tの条件下でのヒステリシス損失
と渦電流損失との和である鉄損が、300kW/m3
下、280kW/m3以下、260kW/m3以下である
と好適である。
【0020】一方、リアクトルのインダクタンス
(L)は、L=(BS/I)xN と表される。ここで
B:磁束密度、S:試料断面積、I:コイルに流れる直
流電流、N:コイルの巻数である。この式から解るよう
に、大電流を流す場合、Lを一定値以上に確保するため
には、結局、材料のBを大きくすることが求められる。
Siを添加した場合、そのSi量の増加に伴って損失は
低減するものの、Bも低下する。そしてSi量が10%
以上になると、Bが大きく低下するようになり、Lを一
定値以上に保持することが困難となる。しかし、圧粉磁
心の密度が増加すれば、ヒステリシス損失が低下すると
共にBが増大する。従って、圧粉磁心の密度上昇は、損
失とインダクタンスの両面から非常に好ましくなるとい
える。
【0021】この他、圧粉磁心の機械的な強度も重要
となる。圧粉磁心は、鋳造品や焼結品と異なって、絶縁
皮膜で被覆された構成粒子が塑性変形により機械的に結
合している。このため、本来、その強度は弱いが、後述
の金型潤滑温間加圧成形法等を用いることで、本発明の
圧粉磁心は、その用途を拡大するに足る十分な強度得
る。
【0022】(4)磁性粉末の製造方法圧粉磁心の製造
方法は、上述の磁性粉末を成形用金型に充填する充填工
程と、充填された磁性粉末を加圧成形する成形工程とか
ら基本的になる。圧粉磁心の磁気的特性を向上させる上
で重要なのは成形工程である。特に、その成形圧力が、
圧粉磁心の高密度化、それに伴う磁束密度の向上等の観
点から成形圧力が非常に重要となる。従来は、その成形
圧力を大きくすると、成形用金型の内面と磁性粉末との
間でかじりを生じたり、抜圧が過大となったり、金型寿
命が極端に低下したりし易かった。このため、試験レベ
ルではともかくとして、工業レベルで考えると、その成
形圧力を大きくすることが実際には困難であった。
【0023】しかし、本発明者は、画期的な金型潤滑温
間加圧成形法を確立してこの課題を見事に解決した。こ
の成形法は、前記充填工程を高級脂肪酸系潤滑剤が内面
に塗布された成形用金型内へ磁性粉末を充填する工程と
し、前記成形工程をその成形用金型内に充填された磁性
粉末を温間で加圧成形して成形用金型の内面に接する磁
性粉末の表面に金属石鹸皮膜を生成させる工程とするも
のである。
【0024】次に、この製造方法をさらに詳細に説明す
る。 充填工程 充填工程に際して、成形用金型の内面に高級脂肪酸系潤
滑剤を塗布する必要がある(塗布工程)。塗布する高級
脂肪酸系潤滑剤としては、高級脂肪酸自体の他、高級脂
肪酸の金属塩であると好適である。高級脂肪酸の金属塩
には、リチウム塩、カルシウム塩又は亜鉛塩等がある。
特に、ステアリン酸リチウム、ステアリン酸カルシウ
ム、ステアリン酸亜鉛等が好ましい。この他、ステアリ
ン酸バリウム、パルミチン酸リチウム、オレイン酸リチ
ウム、パルミチン酸カルシウム、オレイン酸カルシウム
等を用いることもできる。
【0025】この塗布工程は、加熱された成形用金型内
に水または水溶液に分散させた高級脂肪酸系潤滑剤を噴
霧する工程であると好ましい。高級脂肪酸系潤滑剤が水
等に分散していると、成形用金型の内面へ高級脂肪酸系
潤滑剤を均一に噴霧し易い。さらに、加熱された成形用
金型内にそれを噴霧すると、水分が素早く蒸発して、成
形用金型の内面へ高級脂肪酸系潤滑剤が均一に付着す
る。そのときの成形用金型の加熱温度は、後述の成形工
程の温度を考慮する必要があるが、例えば、100℃以
上に加熱しておけば足る。もっとも、高級脂肪酸系潤滑
剤の均一な膜を形成するために、その加熱温度を高級脂
肪酸系潤滑剤の融点未満にすることが好ましい。例え
ば、高級脂肪酸系潤滑剤としてステアリン酸リチウムを
用いた場合、その加熱温度を220℃未満とすると良
い。なお、高級脂肪酸系潤滑剤を水等に分散させる際、
その水溶液全体の質量を100質量%としたときに、高
級脂肪酸系潤滑剤が0.1〜5質量%、さらには、0.
5〜2質量%の割合で含まれるようにすると、均一な潤
滑膜が成形用金型の内面に形成されて好ましい。
【0026】また、高級脂肪酸系潤滑剤を水等へ分散さ
せる際、界面活性剤をその水に添加しておくと、高級脂
肪酸系潤滑剤の均一な分散が図れる。そのような界面活
性剤として、例えば、アルキルフェノール系の界面活性
剤、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(E
O)6、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル
(EO)10、アニオン性非イオン型界面活性剤、ホウ
酸エステル系エマルボンT−80等を用いることができ
る。これらを2種以上組合わせて使用しても良い。例え
ば、高級脂肪酸系潤滑剤としてステアリン酸リチウムを
用いた場合、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテ
ル(EO)6、ポリオキシエチレンノニルフェニルエー
テル(EO)10及びホウ酸エステルエマルボンT−8
0の3種類の界面活性剤を同時に用いると好ましい。そ
れらの1種のみを添加する場合に較べて複合添加した場
合、ステアリン酸リチウムの水等への分散性が一層活性
化されるからである。
【0027】また、噴霧に適した粘度の高級脂肪酸系潤
滑剤の水溶液を得るために、その水溶液全体を100体
積%とした場合、界面活性剤の割合を1.5〜15体積
%とすると好ましい。この他、少量の消泡剤(例えば、
シリコン系の消泡剤等)を添加しても良い。水溶液の泡
立ちが激しいと、それを噴霧したときに成形用金型の内
面に均一な高級脂肪酸系潤滑剤の被膜が形成され難いか
らである。消泡剤の添加割合は、その水溶液の全体積を
100体積%としたときに、例えば0.1〜1体積%程
度であればよい。
【0028】水等に分散した高級脂肪酸系潤滑剤の粒子
は、最大粒径が30μm未満であると、好適である。最
大粒径が30μm以上となると、高級脂肪酸系潤滑剤の
粒子が水溶液中に沈殿し易く、成形用金型の内面に高級
脂肪酸系潤滑剤を均一に塗布することが困難となるから
である。高級脂肪酸系潤滑剤の分散した水溶液の塗布に
は、例えば、塗装用のスプレーガンや静電ガン等を用い
て行うことができる。なお、本発明者が高級脂肪酸系潤
滑剤の塗布量と粉末成形体の抜出圧力との関係を実験に
より調べた結果、膜厚が0.5〜1.5μm程度となる
ように高級脂肪酸系潤滑剤を成形用金型の内面に付着さ
せると好ましいことが解った。
【0029】成形工程 詳細は明らかではないが、この工程で、前述の金属石鹸
皮膜がメカノケミカル反応によって生成されると考えら
れる。すなわち、その反応によって、磁性粉末(特に、
絶縁皮膜)と高級脂肪酸系潤滑剤とが化学的に結合し、
金属石鹸の被膜(例えば、高級脂肪酸の鉄塩被膜)が磁
性粉末の成形体表面に形成される。この金属石鹸の被膜
は、その粉末成形体の表面に強固に結合し、成形用金型
の内表面に付着していた高級脂肪酸系潤滑剤よりも遙か
に優れた潤滑性能を発揮する。その結果、成形用金型の
内面と粉末成形体の外面との接触面間での摩擦力が著し
く低減し、高圧成形にも拘らず、かじり等を生ぜず、非
常に低い抜圧で粉末成形体が成形用金型から取出され、
金型寿命を短くすることもなくなった。この金属石鹸皮
膜の代表例は、高級脂肪酸系潤滑剤であるステアリン酸
リチウムとFeとが反応して生成されたステアリン酸鉄
皮膜である。
【0030】なお、金属石鹸皮膜を形成する際に必要と
なるFe等は、磁性粉末の各粒子が絶縁皮膜で被覆され
ていることから、基本的にはその絶縁皮膜に存在すると
考えられる。絶縁皮膜がもともとFe等の金属を含む場
合は勿論、そうでなくても、磁性粉末と絶縁皮膜との間
の反応や拡散により、Fe等が絶縁皮膜中に出現し得る
からである。
【0031】成形工程における「温間」とは、各状況に
応じた適切な加熱条件の下で成形工程を行うことを意味
する。もっとも、磁性粉末と高級脂肪酸系潤滑剤との反
応を促進するために、概して成形温度を100℃以上と
すると好ましい。また、高級脂肪酸系潤滑剤の変質を防
止するために、概して成形温度を200℃以下とすると
好ましい。成形温度を120〜180℃とするとより好
適である。
【0032】成形工程における「加圧」の程度も、所望
する圧粉磁心の特性、磁性粉末の組成、絶縁皮膜や高級
脂肪酸系潤滑剤の種類、成形用金型の材質や内面性状等
に応じて適宜決定されるものである。この製造方法を用
いると、従来の成形圧力を超越した高圧力下で成形可能
であるため、硬質なFe−Si系磁性粉末であっても、
高密度な圧粉磁心を容易に得ることができる。そして、
成形圧力は、例えば、700MPa以上、785MPa
以上、1000MPa以上、さらには、2000MPa
ともできる。成形圧力が高圧である程、高密度の圧粉磁
心が得られる。もっとも、成形用金型の寿命や生産性を
考慮して、その成形圧力を2000MPa以下、より望
ましくは1500MPa以下とするのが良い。
【0033】なお、本発明者は、この成形法を用いて純
Fe粉を加圧成形した場合、成形圧力が約600MPa
で抜出圧力が最大となり、それ以上ではむしろ抜出圧力
が低下することを実験により確認している。そして、成
形圧力を900〜2000MPaの範囲で変化させたと
きでさえ、抜出圧力が5MPa程度と、非常に低い値で
あった。このようなことから、上記金属石鹸被膜が如何
に優れた潤滑性を有するかが解る。そして、この成形法
は、実際に、硬質なFe−Si系磁性粉末を高圧成形す
る際にも非常に有効なものである。このような優れた成
形性は、ステアリン酸リチウムを用いた場合に限らず、
ステアリン酸カルシウムやステアリン酸亜鉛を高級脂肪
酸系潤滑剤として用いた場合でも同様である。
【0034】内部潤滑剤 この金型潤滑温間加圧成形法を用いた場合、従来必要と
した内部潤滑剤を磁性粉末に添加せずとも、高圧成形が
可能である。内部潤滑剤を添加しないことにより、圧粉
磁心のさらなる高密度化、高磁束密度化を図れる。その
一方で、内部潤滑剤を磁性粉末に添加することにより、
粉末粒子間のすべりが向上し、また、成形用金型と磁性
粉末とのかじり等が防止される。しかも、内部潤滑剤を
添加した場合、粉末粒子の塑性歪が抑制される。粉末粒
子に生じる歪が抑制されると、圧粉磁心の保磁力が低下
し、ヒステリシス損失の低減が図られる。この内部潤滑
剤は、例えば、絶縁皮膜で被覆された磁性粉末100質
量%に対して0.1〜0.6質量%、さらには0.2〜
0.5質量%であると好ましい。少なすぎると内部潤滑
剤の効果がなく、多すぎると圧粉磁心の高密度化が図れ
ず、磁気的特性の低下を招く。
【0035】なお、内部潤滑剤の磁性粉末への添加は、
噴霧、混合、浸漬等種々の方法で行える。そして、内部
潤滑剤が添加(含有)された磁性粉末は、前記充填工程
において成形用金型へ充填される。そして、この内部潤
滑剤が、前記成形用金型の内面に塗布された高級脂肪酸
系潤滑剤と同一の潤滑剤であると、取扱いが容易となり
一層好ましい。具体的には、ステアリン酸リチウムやス
テアリン酸亜鉛等であると好ましい。また、この内部潤
滑剤を含有させた磁性粉末を成形し、得られた粉末成形
体を焼鈍工程等において高温で加熱(例えば、700℃
以上)すると、その内部潤滑剤は分解する。特に、上述
したような耐熱性を有する酸化被膜を絶縁皮膜とする場
合、焼鈍温度がかなり高温となるため、内部潤滑剤は完
全に分解し得る。このとき、絶縁皮膜の種類によって
は、分解した内部潤滑剤と反応をおこして試料の電気抵
抗を低下させるおそれもあるため注意を要する。
【0036】焼鈍工程 焼鈍工程は、残留応力や残留歪を除去するために、成形
工程後に得られた粉末成形体を加熱、徐冷する工程であ
る。これにより、圧粉磁心の保磁力が低減され、ヒステ
リシス損失が低減されると共に交番磁界に対する追従性
も良くなり、圧粉磁心の磁気的特性が向上する。なお、
焼鈍工程で除去される歪は、成形工程前から磁性粉末の
粒子内に蓄積された歪でも、成形工程時の塑性変形によ
って生じる塑性歪(成形歪)でも、その両方でも良い。
もっとも、本発明の上記製造方法(金型潤滑温間加圧成
形法)を用いてFe−Si系磁性粉末を高圧で加圧成形
した場合、粉末粒子内に蓄積される塑性歪は相当に大き
いため、焼鈍工程ではこの歪を除去することが圧粉磁心
の保磁力低減等に有効である。
【0037】このような残留歪等を有効に除去するため
には、磁性粉末の組成に応じて適切な焼鈍温度を選択す
ることが必要である。ここで、焼鈍温度が高い程、残留
歪の除去には有効である。しかし、焼鈍温度が高すぎる
と、絶縁皮膜を破壊することにもなる。そこで、絶縁皮
膜の耐熱性をも考慮して焼鈍温度を決定することが好ま
しい。例えば、焼鈍温度を400〜500℃としても良
し、絶縁皮膜が耐熱性を有する酸化皮膜等からなる場合
は、焼鈍温度をより高温の500〜650℃、さらには
650〜800℃としても良い。なお、加熱時間は、効
果と経済性とから考えて、1〜300分、好ましくは5
〜60分である。
【0038】(5)圧粉磁心の用途 本発明の圧粉磁心は、各種の電磁機器、例えば、モー
タ、アクチュエータ、トランス、誘導加熱器(IH)、
スピーカ等に利用できる。特に、本発明の圧粉磁心は、
比抵抗が大きいのみならず、密度が大きいため、エネル
ギー損失を抑制しつつ、各種機器の高性能化、小型化、
省エネルギー化等を図ることが可能となる。これに対
し、従来のFe−Si系磁性粉末からなる圧粉磁心は、
比較的低密度のものが多かった。これは、Fe−Si系
磁性粉末からなる高密度の圧粉磁心の製作が困難であっ
たことも勿論であるが、高周波域(100kHz以上)
における渦電流損失の低減に主眼が置かれていたことも
大きな要因であると思われる。なぜなら、低密度である
ことにより、比抵抗が自ずと大きくなって、渦電流損失
の低減が図られるからである。
【0039】ここで、従来よりも低い周波数域(10k
Hz以下)において、Fe−Si系磁心を使用する場合
を考える。すると、そのような低周波数域では、渦電流
損失よりもヒステリシス損失が支配的になり、もはや渦
電流損失に対してヒステリシス損失を無視し得なくな
る。圧粉磁心が低密度であると、このヒステリシス損失
を増大させる傾向にある。従って、低周波数域における
圧粉磁心の使用を考えた場合、従来のような低密度の圧
粉磁心では、鉄損が大きくなって好ましくない。これに
対し本発明の圧粉磁心は、従来の圧粉磁心よりも高密度
であるため、ヒステリシス損失の低減に有利であり、低
周波数域で使用した場合でも鉄損が少なく、低周波数域
での使用にも適している。また、コイル等のリアクトル
毎に、要求される発生磁束やインダクタンスが決められ
ているが、従来の圧粉磁心は低密度であったために、要
求される磁束やインダクタンスは、その大型化(体積増
大)によって補足しなければならなかった。そのため、
従来のリアクトルや圧粉磁心は、自ずと、大型化し、重
量も大きいものとなっていた。
【0040】これに対し、本発明の圧粉磁心は高密度で
あるため、小型化しつつ、要求される発生磁束やインダ
クタンスを得ることができる。従って、各種リアクトル
の軽量コンパクト化を図れ、また、その設計自由度を拡
大させることもできる。このように、本発明の圧粉磁心
は、使用周波数域を低周波数側に拡張した場合でも、従
来の圧粉磁心に比較して著しい鉄損の低減を図ることが
できる。これに加えて、本発明の圧粉磁心を使用すれ
ば、リアクトル等の小型化、軽量化等を図りつつ、要求
される発生磁束やインダクタンス等を十分に得ることが
できる。逆に、圧粉磁心を従来のものと同程度の大きさ
とした場合、より大きな磁束やインダクタンスを得るこ
とができる。
【0041】より具体的には、例えば、本発明の圧粉磁
心がチョークコイル(平滑化コイル)等のリアクトル用
鉄心(磁心)に用いられると、その高性能化、小型化、
軽量化等を図れるので好適である。ちなみに、チョーク
コイルは、例えば、DC−DCコンバータのような電圧
変換回路で用いられることが多い。DC−DCコンバー
タは、最近注目されている電気自動車やハイブリット車
のように、駆動用の高電圧(例えば、200〜300
V)の直流電源を補機類等のための低電圧(例えば、1
2V)に変換するものである。この他、誘導機を駆動す
るために、直流電源を交流電源に変換するインバータ回
路等でもチョークコイルが用いられる。
【0042】
【実施例】次に、実施例を挙げて、本発明をより具体的
に説明する。 (実施例) (1)被覆処理粉末の製造 原料粉末(磁性粉末)として、市販のFe−3%Si粉
末とFe−7%Si粉末と(大同特殊鋼社製水アトマイ
ズ粉)を用意した。なお、単位は質量%である(以下、
同様)。ここでは、原料粉末の分級等を特に行わずに、
入手した状態のままで使用したので、その粒径は約20
〜150μmであった。この粉末に絶縁皮膜のコーティ
ング処理を次の方法で行なった。先ず、市販のシリコー
ン樹脂(東レ・ダウコーニング・シリコーン社製、「S
R−2400」)を有機溶媒(トルエン)に溶解して5
mol%の被覆処理液を製作した。次に、この被覆処理
液を、空気流で流動させた上記原料粉末中にスプレー
(噴霧)した後、180℃で30分間乾燥させた。
【0043】こうして、原料粉末100質量%に対して
シリコーン樹脂1質量%の割合で、原料粉末の各粒子の
表面を被覆し(コーティング工程)、シリコーン樹脂で
被覆された被覆処理粉末を得た。この被覆処理粉末を、
本発明でいう「絶縁皮膜で被覆された磁性粉末」と考え
ても良いが、次のように考えても良い。すなわち、その
シリコーン樹脂は、400℃以上で加熱すると分解し、
原料粉末の表面にSiO2の酸化被膜(絶縁皮膜)を形
成する。この酸化被膜は、絶縁性を有することは勿論、
後述する焼鈍温度でも分解せずに高粘度を維持する。従
って、このSiO2の酸化被膜は非常に耐熱性に優れた
絶縁皮膜である。そこで、焼鈍工程等の加熱を施す場合
なら、この被膜で被覆された磁性粉末を本発明でいう
「絶縁皮膜で被覆された磁性粉末」と考えても良い。
【0044】(2)圧粉磁心の製造 得られた各被覆処理粉末に対して、金型潤滑温間加圧成
形法を行うことにより、リング状(外径:φ39mm×
内径φ30mm×厚さ5mm)と板状(5mm×10m
m×55mm)との2種の試験片をそれぞれの試料ごと
に製作した。このリング状試験片は磁気特性評価用であ
り、板状試験片は電気抵抗評価用である。この温間加圧
成形は、具体的には次のようにして行った。 上記の各試験片形状に応じたキャビティを有する超硬
製の成形用金型を用意した。この成形用金型をバンドヒ
ータで予め150℃に加熱しておいた。また、この成形
用金型の内周面には、予めTiNコート処理を施し、そ
の表面粗さを0.4Zとしておいた。
【0045】そして、加熱した成形用金型の内周面に、
水溶液に分散させたステアリン酸リチウム(高級脂肪酸
系潤滑剤)をスプレーガンにて、1cm3/秒程度の割
合で均一に塗布した(塗布工程)。ここで用いた水溶液
は、水に界面活性剤と消泡剤とを添加したものである。
界面活性剤には、ポリオキシエチレンノニルフェニルエ
ーテル(EO)6、(EO)10及びホウ酸エステルエ
マルボンT−80を用い、それぞれを水溶液全体(10
0体積%)に対して1体積%づつ添加した。また、消泡
剤には、FSアンチフォーム80を用い、水溶液全体
(100体積%)に対して0.2体積%添加した。
【0046】また、ステアリン酸リチウムには、融点が
約225℃で、平均粒径が20μmのものを用いた。そ
の分散量は、上記水溶液100cm3に対して25gと
した。そして、これをさらにボールミル式粉砕装置で微
細化処理(テフロン(登録商標)コート鋼球:100時
間)し、得られた原液を20倍に希釈して最終濃度1%
の水溶液として、上記塗布工程に供した。
【0047】ステアリン酸リチウムが内面に塗布され
たその成形用金型へ、それと同温の150℃に加熱して
おいた上記の各種被覆処理粉末を自然充填した(充填工
程)。この成形用金型への充填に際して、適宜、ステア
リン酸リチウム(LiSt)を内部潤滑剤として添加し
た(詳細は表1参照)。LiStは、粉末のまま所定量
を秤量した後、それと被覆処理したFe−Si粉末とを
V型ミキサーや回転ボールミルにより混合した。
【0048】成形用金型を150℃に保持したまま、
1176〜1960MPaの成形圧力で、充填された各
被覆処理粉末を温間加圧成形した(成形工程)。なお、
この温間加圧成形に際して、いずれの被覆処理粉末も成
形用金型とかじり等を生じることがなく、5MPa程度
の低い抜圧で粉末成形体をその金型から取出すことがで
きた。
【0049】得られた粉末成形体に、非酸素雰囲気
(N2ガス雰囲気)中で、焼鈍温度:600〜900
℃、焼鈍時間:30分の焼鈍を適宜施した。こうして得
られた実施例の各試験片の製造条件を表1に示す。
【0050】(比較例)原料粉末として、圧粉磁心用磁
性粉末として市販されているFe−3%Si粉末および
Fe−7%Si粉末(大同特殊鋼社製、アジャスタロ
イ)を用意した。この原料粉末には、Si02の絶縁皮
膜が既に被覆されている。この原料粉末を用いて、表2
に示す条件の下で種々の試験片を製造した。なお、試験
片No.C5は、Fe−3%Siの組成をもつ市販の電
磁鋼板(新日鉄社製、35H270)を参考に挙げたも
のである。また、試験片No.C7は、Fe−6.5%
Siの組成をもつ市販のFLコア(古河機械金属製、F
L20SB)を参考に挙げたものである。
【0051】(圧粉磁心の測定)前述したリング状試験
片と板状試験片とをそれぞれ用いて、それらの磁気的特
性と電気的特性とを評価した。特に、比抵抗、密度およ
び各種磁気特性について測定した。この測定結果を表1
および表2に併せて示す。なお、比抵抗の測定は、マイ
クロオームメータ(メーカ:ヒューレットパカード(H
P)社、型番:34420A)を用いて4端子法により
測定した。磁気的特性の内、静磁場特性は直流自記磁束
計(メーカ:東英工業、型番:MODEL−TRF)に
より測定した。交流磁場特性は交流B−Hカーブトレー
サ(メーカ:理研電子、型番:ACBH−100K)に
より測定した。表中の交流磁場特性は、圧粉磁心を5k
Hz、0.2Tの磁場中に置いたときの高周波損失(鉄
損)を測定したものである。
【0052】静磁場中の磁束密度は、8kA/mおよび
10kA/m中にできる磁束密度を示したものであり、
各表中ではそれぞれB8kおよびB10kとして示した。ま
た、表中に示した飽和磁化(Ms)は、0.1MA/m
での磁束密度(B)の値である。圧粉磁心の密度(ρ)
は、アルキメデス法により測定した。なお、Fe−3%
Siの真密度(ρ0)は7.67x103kg/m3であ
り、Fe−7%Siの真密度(ρ0)は7.47x103
kg/m3である。これに基づいて、密度比(ρ/ρ0
を算出し、その結果も表1および表2に併せて示した。
【0053】(圧粉磁心の評価)表1および表2に示し
た結果から、次のことが解る。先ず、Fe−3%Si粉
末を用いた試験片No.1〜9は、いずれも密度比が9
1%(=94−3%)を越えている。また、Fe−7%
Si粉末を用いた試験片No.10〜12は、いずれも
密度比が87%(=94−7%)を越えている。従っ
て、本実施例に係る試験片はいずれも、Si含有量に応
じて高密度であることが解る。
【0054】これに対し、比較例のものは、溶製材であ
る試験片No.C5を除き、いずれも密度比が91%未
満または87%未満であり、低密度の圧粉磁心しか得ら
れていない。しかも、試験片No.C1、C2等は、成
形圧力が高いにも拘わらず、必ずしも密度比が向上して
いないことも解る。この理由は、試料No.C1の場
合、内部潤滑剤が多いためであり、試料No.C2の場
合、室温成形を考慮して内部潤滑剤0.5%で成形した
ためである。この密度比に関連して、本実施例の試験片
はいずれも、磁束密度B8K、B10Kが十分大きな値とな
っている。一方、比較例のものはいずれも、実施例のも
のに対して磁束密度が10〜30%程度低くなってい
る。
【0055】次に、ヒステリシス損失を観ると、本実施
例のものは、相対的に低い値となっている。特に、試験
片No.10〜12のように、Si含有量の大きなもの
程この傾向は顕著である。また、本実施例の試験片はい
ずれも700℃以上の高温で焼鈍を行っているにも拘わ
らず、100μΩm以上の大きな比抵抗が確保されてい
る。そして、それに伴い、渦電流損失も小さな数値で安
定している。これは、比抵抗が100μΩm以上にもな
ると、渦電流損失の低減効果が飽和状態に近づくからで
ある。
【0056】(内部潤滑剤と鉄損との関係)本発明者
は、金型潤滑温間加圧成形法を用いて、内部潤滑剤の添
加量のみ異なるFe−3%Si粉末からなる圧粉磁心を
種々製作した。このとき、成形圧力を1568MPa、
焼鈍温度を700℃とした以外は、上述した実施例と同
様の条件で圧粉磁心を製作した。得られた各試験片につ
いて、上述の実施例と同様に鉄損を測定し、内部潤滑剤
の量と鉄損との関係を調べた。この結果を図1に示す。
図1から、内部潤滑剤が0.2質量%付近、つまり0.
1〜0.3質量%程度で、鉄損が最小となることが明ら
かとなった。
【0057】
【表1】
【0058】
【表2】
【0059】
【発明の効果】本発明によれば、比抵抗等の電気的特性
のみならず、磁束密度等の磁気的特性にも優れる、Fe
−Si系磁性粉末から高密度の圧粉磁心が得られる。そ
して、この圧粉磁心は、従来よりも低周波数域でも使用
されるリアクトル等に使用されると好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例について調査した内部潤滑剤の量と鉄
損との関係を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 近藤 幹夫 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 田島 伸 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 東山 潔 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 岸本 秀史 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 杉山 昌揮 東京都豊島区南池袋2丁目30番11号 東京 焼結金属株式会社内 (72)発明者 亀甲 忠義 東京都豊島区南池袋2丁目30番11号 東京 焼結金属株式会社内 Fターム(参考) 5E041 AA02 BC05 CA02 CA04 HB14 NN01 NN05 NN13 NN15 NN18

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】絶縁皮膜で被覆された、鉄(Fe)および
    ケイ素(Si)を主成分とする磁性粉末を加圧成形して
    なる圧粉磁心において、 前記磁性粉末中のSi含有量(X:質量%)と、該磁性
    粉末の真密度(ρ0)に対する前記圧粉磁心の嵩密度
    (ρ)の比である密度比(ρ/ρ0:%)とが、 ρ/ρ0≧94−X (%) を満たすことを特徴とする圧粉磁心。
  2. 【請求項2】前記Si含有量(X)は、1〜10質量%
    である請求項1に記載の圧粉磁心。
  3. 【請求項3】前記絶縁皮膜は、耐熱性に優れた酸化皮膜
    である請求項1に記載の圧粉磁心。
  4. 【請求項4】前記酸化皮膜は、二酸化ケイ素(Si
    2)皮膜である請求項3に記載の圧粉磁心。
  5. 【請求項5】10kA/mの磁場中における磁束密度B
    10kが1.0T以上であり、 比抵抗σが100μΩm以上である請求項1、3または
    4のいずれかに記載の圧粉磁心。
  6. 【請求項6】10kA/mの磁場中における磁束密度B
    10kが1.0T以上であり、 5kHzおよび0.2Tの条件下でのヒステリシス損失
    が250kW/m3以下である請求項1、3または4の
    いずれかに記載の圧粉磁心。
  7. 【請求項7】5kHzおよび0.2Tの条件下でのヒス
    テリシス損失と渦電流損失との和である鉄損が300k
    W/m3以下である請求項5または6に記載の圧粉磁
    心。
  8. 【請求項8】絶縁皮膜で被覆された、FeおよびSiを
    主成分とする磁性粉末を成形用金型内へ充填する充填工
    程と、 該成形用金型に充填された該磁性粉末を加圧成形する成
    形工程とからなり、 該磁性粉末中のSi含有量(X:質量%)と、該磁性粉
    末の真密度(ρ0)に対する該成形工程を経て得られた
    圧粉磁心の嵩密度(ρ)の比である密度比(ρ/ρ0
    %)とが、 ρ/ρ0≧94−X (%) を満たすように加圧成形することを特徴とする圧粉磁心
    の製造方法。
  9. 【請求項9】前記充填工程は、高級脂肪酸系潤滑剤が内
    面に塗布された前記成形用金型内へ前記磁性粉末を充填
    する工程であり、 前記成形工程は、該成形用金型内に充填された該磁性粉
    末を温間で加圧成形して該成形用金型の内面に接する該
    磁性粉末の表面に金属石鹸皮膜を生成させる工程である
    請求項8に記載の圧粉磁心の製造方法。
  10. 【請求項10】絶縁皮膜で被覆された、Feと1〜10
    質量%のSiとを主成分とする磁性粉末を高級脂肪酸系
    潤滑剤が内面に塗布された成形用金型内へ充填する充填
    工程と、 該成形用金型内に充填された該磁性粉末を温間で加圧成
    形して該成形用金型の内面に接する該磁性粉末の表面に
    金属石鹸皮膜を生成させる成形工程と、 からなることを特徴とする圧粉磁心の製造方法。
  11. 【請求項11】前記高級脂肪酸系潤滑剤は、ステアリン
    酸リチウムであり、 前記金属石鹸皮膜は、該ステアリン酸リチウムと前記絶
    縁被膜中に含まれるFeとが反応して生成されたステア
    リン酸鉄である請求項9または10に記載の圧粉磁心の
    製造方法。
  12. 【請求項12】前記充填工程は、内部潤滑剤を含有した
    前記磁性粉末を前記成形用金型へ充填する工程である請
    求項8〜10のいずれかに記載の圧粉磁心の製造方法。
  13. 【請求項13】前記内部潤滑剤は、前記絶縁皮膜で被覆
    された磁性粉末100質量%に対して0.1〜0.6質
    量%の割合で含有している請求項12に記載の圧粉磁心
    の製造方法。
  14. 【請求項14】前記内部潤滑剤は、前記成形用金型の内
    面に塗布された高級脂肪酸系潤滑剤と同一の潤滑剤であ
    る請求項12または13に記載の圧粉磁心の製造方法。
  15. 【請求項15】さらに、前記成形工程後に得られた粉末
    成形体を焼鈍する焼鈍工程を行う請求項8〜10のいず
    れかに記載の圧粉磁心の製造方法。
  16. 【請求項16】前記絶縁皮膜は、耐熱性に優れた酸化皮
    膜であり、 焼鈍工程は、焼鈍温度を650℃以上とする工程である
    請求項15に記載の圧粉磁心の製造方法。
  17. 【請求項17】前記酸化皮膜は、シリコーン皮膜を設け
    た前記磁性粉末を加熱して形成されたものである請求項
    16に記載の圧粉磁心の製造方法。
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