JP2005146315A - 磁心用粉末、圧粉磁心およびそれらの製造方法 - Google Patents

磁心用粉末、圧粉磁心およびそれらの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高磁束密度および低損失の圧粉磁心を提供する。
【解決手段】本発明の圧粉磁心は、FeおよびSiを主成分とする磁性粉末と、この磁性粉末の粒子表面に形成された絶縁被膜とからなる磁心用粉末を加圧成形して得られる圧粉磁心であって、前記絶縁被膜は、前記磁性粉末を外部酸化処理して得られ、磁性粉末の単位表面積(m2)あたりの酸素量(g)を示す比酸素量(g/m2)が0.005〜0.05g/m2であることを特徴とする。上記絶縁被膜は、薄くて耐熱性に優れるため、その絶縁被膜により被覆された磁性粉末を用いると、高磁束密度で低ヒステリシス損の圧粉磁心が得られる。
【選択図】図2

Description

本発明は、モータ、リアクトル等の各種磁心として利用できる圧粉磁心と、その圧粉磁心の製造に適した磁心用粉末と、そららの製造方法に関するものである。
変圧器(トランス)、電動機(モータ)、発電機、スピーカ、誘導加熱器、各種アクチュエータ等、我々の周囲には電磁気を利用した製品が多々ある。これらの製品は交番磁界を利用したものが多く、その交番磁界は、通常、磁心(軟磁石)を中央に配設したコイルによって発生される。このため、電磁機器の性能は、そのコイルの性能に左右され、コイルの性能は、上記磁心の性能に左右される。よって、電磁機器の性能向上や小型化等を図る上で、磁心の性能向上を図ることが非常に重要である。
このような磁心には、先ず、交番磁界中で大きな磁束密度が得られることが求められる。次に、交番磁界中で使用したときに、その周波数に応じて生じる高周波損失(鉄損)が少ないことが求められる。この高周波損失には、渦電流損、ヒステリシス損および残留損失があるが、主に問題となるのは、渦電流損とヒステリシス損である。
また、電磁機器の部品に応じた磁心の成形性や小型化等を図るために、従来の電磁鋼板に替えて圧粉磁心が磁心として多用されつつある。圧粉磁心は、粒子表面に絶縁被膜を設けた磁性粉末を加圧成形したものである。絶縁被膜を設けることで比抵抗値を高めて渦電流損の低減を図れるし、その高密度化によって磁束密度等の磁気特性を高めることもできる。ちなみに、圧粉磁心に使用される絶縁被膜については、例えば、下記の特許文献1や特許文献2に開示がある。また、圧粉磁心の成形性等に関して、例えば、下記の特許文献3に開示がある。
圧粉磁心の高性能化を図る上で、その高密度化による磁束密度の増加および比抵抗値の確保による渦電流損の低減を図ることは確かに重要である。しかし、最近では、モータのエネルギー効率等を一層向上させるために、その圧粉磁心による損失低減がより強く求められている。前述したように、圧粉磁心による主たる損失として渦電流損の他にヒステリシス損があるところ、このヒステリシス損の低減も非常に重要となっている。特に、数十〜数百kHzもの高周波数域でのみ圧粉磁心を使用する場合ならいざしらず、それ以下の周波数域で圧粉磁心を使用することを考えれば、ヒステリシス損の低減は圧粉磁心の全体的な損失低減を図る上で非常に重要である。
ヒステリシス損の低減を図るには、圧粉磁心の保磁力の低減が有効である。この保磁力は、磁性粉末粒子内に残留する歪み(残留歪)の影響を受け、その歪が多いと保磁力も大きくなる。圧粉磁心は磁性粉末を加圧成形して得られるため、その構成粒子内には多かれ少なかれ残留歪が生じる。従って、ヒステリシス損の低減には、磁性粉末粒子内に一旦生じたその残留歪を除去することが有効である。この歪除去のために、下記特許文献3にもあるように、焼鈍等の熱処理がなされることが多い。磁性粉末の組成にも依るが、Feを主成分とする圧粉磁心で十分に歪みを除去するには、450℃以上、500℃以上さらには700℃以上にも加熱することが必要となる。
特表2000−504785号公報 特開平5−209203号公報 特開2002−75720号公報
ところが、圧粉磁心をそこまで高温加熱すると、例えば、上記特許文献1にあるリン酸塩からなる絶縁被膜や特許文献2にある熱可塑性材料からなる絶縁被膜は、結晶化して焼結・凝集を生じたり、分解、破壊等してしまう。その結果、ヒステリシス損の低減を図れたとしても、比抵抗値が急減して渦電流損が急増してしまい、結局、鉄損を低減することは難しい。
上記特許文献3には、水ガラスの絶縁被膜を表面に形成した磁性粉末からなる圧粉磁心に、700℃x1時間の焼鈍熱処理を施した実施例が開示されている。そこに記載された比抵抗値を観ると、焼鈍後においても相応の比抵抗値が確保されている。しかし、この場合、1666MPaもの高圧で成形しているにも拘わらず、水ガラス量が多いために、言い換えるなら絶縁被膜が厚いために、相対密度が相当に低く、その結果、磁束密度も低いものとなっている。これでは、圧粉磁心の磁気特性向上と損失低減との両立を図れない。
なお、上記特許文献3には、Fe−Si系磁性粉末の製造過程(アトマイズの過程)において、その表面にSiO2被膜が形成され、その電気抵抗率を高める上で好ましい旨が記載されている。しかし、このときに生じるSiO2被膜は、100〜500nm以上の被膜として生成している。この磁性粉末を用いて圧粉磁心を製造すると、その相対密度の増加が望めず、その磁束密度も向上しない。また、比較的厚いSiO2被膜が圧粉成形前から形成されている場合、高圧成形した際に、そのSiO2被膜が破壊されるため、圧粉磁心の電気抵抗率が却って低下することもある。圧粉磁心の比抵抗値の回復や維持を図るために、さらに、シリコーン系樹脂などを添加し熱処理を行うこともあるが、その場合、圧粉磁心の相対密度および磁束密度がさらに低下することとなる。そこで、磁性粉末の表面に、比較的薄く、耐熱性等に優れた絶縁被膜を形成することが求められていた。
本発明は、このような事情に鑑みて為されたものであり、磁性粉末の表面に形成する絶縁被膜を比較的薄く、かつ、耐熱性等に優れたものとすることによって、圧粉磁心の高磁気特性および低損失を両立し得る圧粉磁心用粉末、圧粉磁心およびそれらの製造方法を提供することを目的とする。
本発明者はこの課題を解決すべく鋭意研究し、試行錯誤を重ねた結果、Fe−Si系磁性粉末の表面に、薄く耐熱性に優れた酸化被膜を形成することに成功し、本発明を完成するに至った。
(磁心用粉末)
すなわち、本発明の磁心用粉末は、鉄(Fe)およびケイ素(Si)を主成分とする磁性粉末と、該磁性粉末の粒子表面に形成された絶縁被膜とからなる磁心用粉末において、 前記絶縁被膜は、前記磁性粉末を外部酸化処理して得られ、該磁性粉末の単位表面積(m2)あたりの酸素量(g)を示す比酸素量(g/m2)が0.005〜0.05g/m2であることを特徴とする。
本発明の圧粉磁心用粉末は、Fe−Si系磁性粉末の表面に、これまでになく、薄くて均一な耐熱性に優れた酸化被膜(絶縁被膜)が形成されたものである。先ず、この絶縁被膜は薄いために、圧粉磁心の高密度化が可能となり、ひいては圧粉磁心の磁気特性を向上させることができる。しかも、この絶縁被膜は均一で耐熱性に優れるため、焼鈍等の熱処理を行った場合でも、あまり破壊等せず、圧粉磁心の比抵抗値も急減しない。従って、本発明の磁心用粉末を用いて加圧成形した粉末成形体に焼鈍等を施してなる圧粉磁心は、高密度化による高磁気特性化に加えて、比抵抗値の急減抑止による低渦電流損の確保および保磁力の低下に伴って生じるヒステリシス損の低減を同時に可能とする。つまり、本発明の圧粉磁心によれば、磁気特性の向上および鉄損の低減を非常に高レベルで達成できる。
(磁心用粉末の製造方法)
本発明は、上記磁心用粉末に限らず、例えば、その製造に適した次のような製造方法としても把握できる。
すなわち、本発明は、FeおよびSiを主成分とする磁性粉末を、水蒸気分圧(PH2O)の水素分圧(PH2)に対する分圧比(PH2O/PH2)が6.5x10-6〜3.0x10-4 となる水素気流中からなる酸化雰囲気中に保持する雰囲気保持工程と、該磁性粉末を該酸化雰囲気中で600℃〜900℃に加熱処理する加熱処理工程とからなり、該磁性粉末の表面に絶縁被膜が形成された磁心用粉末が得られることを特徴とする磁心用粉末の製造方法としても良い。
(圧粉磁心)
本発明は、上記磁心用粉末に限らず、例えば、それを使用して製造した圧粉磁心としても把握できる。
すなわち、本発明は、FeおよびSiを主成分とする磁性粉末と、該磁性粉末の粒子表面に形成された絶縁被膜とからなる磁心用粉末を加圧成形して得られる圧粉磁心であって、前記絶縁被膜は、前記磁性粉末を外部酸化処理して得られ、該磁性粉末の単位表面積(m2)あたりの酸素量(g)を示す比酸素量(g/m2)が0.005〜0.05g/m2であることを特徴とする圧粉磁心としても良い。
(圧粉磁心の製造方法)
本発明は、上記圧粉磁心に限らず、例えば、その製造に適した次のような製造方法としても把握できる。
すなわち、本発明は、FeおよびSiを主成分とする磁性粉末と該磁性粉末を外部酸化処理して得られ該磁性粉末の単位表面積(m2)あたりの酸素量(g)を示す比酸素量(g/m2)が0.005〜0.05g/m2である絶縁被膜とからなる磁心用粉末を成形用金型内へ充填する充填工程と、該成形用金型内の磁心用粉末を加圧成形する成形工程とからなることを特徴とする圧粉磁心の製造方法としても良い。
ところで、上述の優れた絶縁被膜の形態や発生メカニズム等の詳細は定かではないが、現状、次のように考えられる。
先ず、本発明の前記絶縁被膜は、磁性粉末の表面に外部酸化によって形成され、主に二酸化ケイ素(SiO2)被膜からなると考えられる。その被膜は、非晶質であるため、酸素や金属イオンの透過性が非常に低くて成長速度は小さいが、薄くて均一な皮膜となり得る。この絶縁被膜は、高圧成形時にも破壊されることなくその絶縁性が保持されると考えられる。
このように、外部酸化によって生じた非常に薄くて(例えば、数十nmレベル)均一な皮膜は、磁性粉末の酸化処理後に、少ない酸素が表面のみに理想的に存在した状態となっていなければならない。内部酸化が生じた被膜であれば、数十μmレベルの厚さまで酸化が進行して、磁性粉末表面の酸素量が多くなり、SiO2が不均一に点在した状態となるからである。そこで、本発明でいう絶縁被膜を明確に特定し、外部酸化によって得られた絶縁被膜と内部酸化によって得られた絶縁被膜とを区別するために、酸化処理された磁性粉末の比表面積に対する酸素量として定義される比酸素量を導入することとした。
すなわち、比酸素量は、絶縁被膜が形成された磁性粉末の単位表面積あたりの酸素量を示すものであり、本発明では、この比酸素量を0.005〜0.05g/m2とした。比酸素量が0.005g/m2未満では、SiO2被膜が均一に生成されず、比抵抗値の低下を招くために好ましくない。0.05g/m2を超えると高圧成形時に高密度化および高磁束密度化が困難となり好ましくない。比酸素量の下限が0.007g/m2、0.008g/m2さらには0.010g/m2であると好ましく、比酸素量の上限が0.05g/m2、0.04g/m2さらには0.03g/m2であると好ましい。なお、これらの下限および上限は、任意に組み合わせることができる。
次に、本発明の絶縁被膜は、非常に薄い酸化被膜と考えられ、大気雰囲気中での単なる加熱等により容易に得られるものではない。大気雰囲気中で単に加熱しただけであれば、FeおよびSiとOとの複合的な化合物から形成され、良好な絶縁被膜は得られないからである。本発明者は、大気雰囲気よりも相当に酸素濃度(酸素分圧)の低い酸化雰囲気中に磁性粉末をおき(雰囲気保持工程)、そこで加熱処理することで、耐熱性に優れた絶縁被膜が得られることを新たに見いだした(加熱処理工程)。
このような酸化雰囲気は、単なる真空引き等だけで安定的に得られる訳ではない。そこで本発明者は、例えば、水素気流中の蒸気圧を管理することで、そのような酸化雰囲気を形成することを考えついた。この場合、2H2O⇔2H2+O2からなる平衡反応によって、酸化雰囲気中の酸素濃度(酸素分圧)を所望範囲内に調整できる。勿論、本発明の絶縁被膜は、この製造方法のみに限られない。例えば、CO2の気流中で、2CO2⇔2CO+O2 等を生じさせて酸化雰囲気を形成しても良い。具体的な酸化雰囲気の制御については後述する。
なお、便宜上、本発明では、絶縁被膜を形成する工程を雰囲気保持工程と加熱処理工程とを分けて記載したが、両工程は同時に進行するものであっても、交互に繰り返し行われるものであって良い。つまり、加熱処理工程を行う酸化雰囲気が所望の雰囲気に維持されるものであれば良い。
また、本発明の磁心用粉末の製造方法でいう、「外部酸化処理」とは、SiO2被膜が薄く均一に生成されるような磁性粉末を製造するための熱処理であり、内部酸化処理に対するものである。ちなみに、内部酸化処理とは、磁性粉末の表面に厚さ数μmの範囲で、不均一に点在したSiO2が形成される熱処理である。また、内部酸化および外部酸化の2種類ある表面酸化の形態に関して、例えばC.Wagner(Z.Elektrochem、63(1959)、772)に、それらの現象および転移について詳しく論じられている。
実施形態を挙げ、本発明をより詳しく説明する。以下に説明する内容は、本発明の磁心用粉末、圧粉磁心およびそれらの製造方法のいずれにも、適宜該当するものである。また、いずれの形態が最良であるかは、圧粉磁心の仕様等により異なるため、一概に特定することはできない。
(1)絶縁被膜
Fe−Si系磁性粉末の表面に形成される本発明の絶縁被膜は、前述したように、SiO2からなると考えられるが、現状、その組成や構造が詳細に解明されている訳ではない。この絶縁被膜は、非常に薄く、厚さが1〜50nm程度である。さらに厚さが10〜30nmであれば、圧粉磁心の磁気特性を向上させる上で非常に好ましい。
また、この絶縁被膜は耐熱性に優れる。Fe−Si系磁性粉末からなる圧粉磁心を焼鈍する際に、その温度を450℃以上、500℃以上、600℃以上さらには700℃以上としても、完全に破壊されることはない。
但し、このことは、本発明の絶縁被膜を伴う磁心用粉末や圧粉磁心が、必ずしも焼鈍等の熱処理が施されなければならないことを意味しない。圧粉磁心を高周波数域で使用する場合のように、圧粉磁心の用途や要求仕様によっては、高密度化による高磁気特性と渦電流損の低減で十分な場合もある。本発明の絶縁被膜は非常に薄いため、それらの両立が容易である。さらに、磁気特性の向上よりも損失、特に渦電流損の損失を低減したい場合もある。このような場合、本発明の絶縁被膜に加えて、さらにその表面を被覆する外部絶縁被膜(第2絶縁被膜)を設けても良い。外部絶縁被膜は、本発明の絶縁被膜(適宜、この絶縁被膜を内部絶縁被膜または第1絶縁被膜という。)と同種の耐熱性を有する酸化被膜(例えば、SiO2被膜)等であっても良いし、あまり高い耐熱性が要求されないなら、従来の樹脂被膜等であっても良い。このような外部絶縁被膜は、ケイ酸系ガラス、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等の絶縁剤を本発明の磁心用粉末に添加、混合することで容易に形成される。また、外部絶縁被膜は、例えば、従来のバインダ(結合剤)と兼用されるものでも良い。
いずれにしても絶縁被膜は、多層化、併合等されて全体的に厚くなる程、圧粉磁心の比抵抗値が増加し、渦電流損が低減されると考えられる。外部絶縁被膜の種類にも依るが、絶縁被膜が全体的に厚くなる程、焼鈍等の熱処理を施した後でも、その比抵抗値は高い値で維持され易い。従って、絶縁被膜の多層化等により、磁気特性が少し犠牲になるとしても、渦電流損の低減のみならずヒステリシス損の低減も図られ、全体的な鉄損も低減され易い。
さらに、従来の絶縁被膜が単体で存在する場合に比べて、本発明の絶縁被膜(内部絶縁被膜)がその下地として存在する場合の方が、その絶縁被膜の安定性、耐熱性等が増し、大きな比抵抗値が確保され得る。この理由は現状定かではないが、本発明の絶縁被膜(内部絶縁被膜)が従来の絶縁被膜(外部絶縁被膜)を磁性粉末表面へ強固に結合させるためではないかと考えられる。特に、内部絶縁被膜(第1絶縁被膜)で被覆された磁性粉末とこの縁被膜をさらに被覆する外部絶縁被膜(第2絶縁被膜)を加熱により形成する絶縁剤とを混合した混合粉末を加圧成形してなる圧粉磁心に焼鈍等の加熱処理を施した場合、この傾向は顕著となる。特に、内部絶縁被膜および外部絶縁被膜が主にSiO2被膜からなる場合にその傾向は顕著である。そこで上記絶縁剤として、加熱によりSiO2被膜を形成(または焼成)し易い、シラン系カップリング剤、水ガラス、シリコーン樹脂等を用いると好ましい。ちなみに、こうして得られた外部絶縁被膜の厚さは、通常50〜500nm程度である。また、SiO2被膜が焼成される焼鈍については後述する。
なお、シラン系カップリング剤は、Siを含む界面活性剤であり、1つの分子中に反応性の異なる2種類の官能基を持っている。その一つは、有機質材料と化学結合する反応基であり、もう一つは、無機質材料と化学結合する反応基である。シラン系カップリング剤を添加することで、上記効果に加えて、磁心用粉末の各粒子間のなじみ性が増し、圧粉磁心の成形性が向上する。また、シラン系カップリング剤の少量添加により、圧粉磁心の磁気特性は僅かに低下するとしても、十分な比抵抗値が確保されるようになる。しかも、焼鈍等を行った後にも高い比抵抗値が維持されるため、渦電流損のみならずヒステリシス損も併せた鉄損が十分に低減される。この理由は定かではないが、シラン系カップリング剤を熱処理することでSiO2が焼成し、本発明のSiO2皮膜との界面での整合性が向上するためと考えられる。このようなシラン系カップリング剤の添加は、本発明の絶縁被膜処理後の磁心用粉末100質量%に対して0.0001〜0.50質量%さらには0.005〜0.10質量%であると好適である。シラン系カップリング剤が過多となると磁気特性の低下が顕著となり、それが過少では効果が少ない。
(2)絶縁被膜の形成
本発明の絶縁被膜は、例えば、特定の酸素濃度(酸素分圧)に保持された酸化雰囲気中で、Fe−Si系磁性粉末を600℃〜900℃に加熱処理することで得られる。その酸化雰囲気中の酸素が過少でも過多でも良好な絶縁被膜は形成され難い。
もっとも、上記酸素濃度や酸素分圧を直接的に特定することは現実には困難である。また、そのような酸化雰囲気(還元雰囲気)は、通常、水素ガスの気流中または一酸化炭素ガスの気流中で形成されることが多い。そこで、次のような分圧比を用いて本発明の酸化雰囲気を特定するのが現実的であり、好ましい。
すなわち、酸化雰囲気を水素気流中で形成する場合、例えば、水蒸気分圧(PH2O)の水素分圧(PH2)に対する分圧比(PH2O/PH2)が10〜300x10-6 となるようにすると良い。この分圧比(PH2O/PH2)は、さらに30〜200x10-6であると一層好ましい。
また、酸化雰囲気を一酸化炭素気流中で形成する場合、例えば、二酸化炭素分圧(PCO2)の一酸化炭素(PCO)に対する分圧比(PCO2/PCO)が1〜30x10-6 となるようにすると良い。この分圧比(PCO2/PCO)は、さらに3〜20x10-6であると一層好ましい。
また、酸化雰囲気を水素気流中で形成する場合、その酸化雰囲気は、例えば、前記水素気流中の露点(温度)を管理することでも達成できる。露点は、市販の露点温度計等により容易に観察できる。本発明の場合、水素気流中の水蒸気の露点を−65〜−30℃とすると良い。ちなみに、露点(温度)とは、気体中の水蒸気が飽和に達して結露する温度であり、例えば、相対湿度100%のときの周囲温度である。 酸化雰囲気中の水分量が少ないとこの露点温度が低くなり、逆に、酸化雰囲気中の水分量が多いいとこの露点温度が高くなる。要するに、酸化雰囲気中に水分がどの程度含有されているかを示す指標であって、露点温度と酸化雰囲気自体の温度とは無関係である。但し、露点温度の測定は、熱処理を実施する炉体への雰囲気ガスの出入口において、ガス圧が1気圧の条件下で行われ、本明細書でいう露点は1気圧下(0.1MPa)における値を意味する。
本発明者が上記処理をした種々の磁心用粉末からなる圧粉磁心を製作して、その圧粉磁心の比抵抗値および成形体密度を測定した。その結果、磁性粉末を処理した露点がある温度以下に低下すると、その処理後の磁性粉末から得られた圧粉磁心の比抵抗値がその露点の低下と共に増加することが解った。また、成形体密度は、その露点の低下と共に上昇し、ある露点以下から真密度に近づくことが確認された。これらのことは、後述の図2および図3からも明らかである。なお、その際、露点が−30℃〜−40℃のときに臨界的な挙動を示すこともわかった(磁性粉末の組成:Fe−1質量%Si)。
ちなみに、加熱処理工程は、高温環境下の酸化雰囲気中でなされているので、絶縁被膜処理の促進と磁性粉末の焼結防止のために、その加熱処理工程を回転加熱炉中で行うのが好ましい。
(3)磁性粉末
本発明で対象とする磁性粉末は、前述のように、FeおよびSiを主成分とするFe−Si系磁性粉末である。Fe−Si系磁性粉末は、電気抵抗率が比較的高く、比較的安価であることから、軟質磁性粉末として多用されている。そのSi量は、圧粉磁心に求められる比抵抗値、磁束密度、強度、高周波特性、重畳特性等とのかね合いで決定される。例えば、Si量は、1〜10質量%、1〜7質量%さらには2〜5質量%であると好適である。Si量が過少では電気抵抗率が小さく渦電流損の低減を図れず、Si量が過多となると磁気特性が低下したり成形性が低下して好ましくない。本発明の場合、高圧成形した際の磁性粉末の成形性の点から、Si量は0.5〜4.0%さらには1.0〜3.0%であると好ましい。
磁性粉末はFe−Siは、所定量のSiと残部Feと不可避不純物とからなる合金粉末でも良いし、その二元系に限らず、アルミニウム(Al)、スズ(Sn)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)等を適宜含んでも良い。
磁性粉末は、ガスアトマイズや水アトマイズ等のアトマイズ粉末でも良いし、合金インゴットをボールミル等で粉砕した粉砕粉でも良い。もっとも、球状の粒子からなるアトマイズ粉末よりも、各粒子の形状が異なる粉砕粉の方が形状効果によって高強度で高強度の圧粉磁心が得られる。
磁性粉末の粒径は、圧粉磁心の高密度化の観点から、20〜300μm、さらには50〜200μmであると好ましい。本発明者が試験したところ、渦電流損の低減を図る観点からは、その粒径が細かい程好ましく、例えば、50μm以下とすると良い。一方、ヒステリシス損の低減を図る観点からは、粒径を粗くする方が好ましく、例えば、100μm以上とすると良い。なお、磁性粉末の分級は、篩い分法等により容易に行えるが、上記粒径は質量累積50%の平均粒径で考えても良い。
(4)圧粉磁心の特性
本発明の圧粉磁心は、薄くて耐熱性のある絶縁被膜で被覆された磁性粉末からなるため、高密度化による高磁気特性と、渦電流損およびヒステリシス損の両面で優れたものとなり得る。
例えば、圧粉磁心の比抵抗値が5μΩm以上であり、磁性粉末の真密度(ρ0)に対する該圧粉磁心の嵩密度(ρ)の比である相対密度(ρ/ρ0)が96%以上であり、0.4kHzおよび1.0Tの条件下での鉄損が550kW/m3以下にもなる。また、圧粉磁心の比抵抗値が5μΩm以上であり、10kA/mの磁場中における磁束密度B10kが1.5T以上であり、保磁力(bHc)が200A/m以下ともできる。
圧粉磁心の相対密度は、97%以上さらには98%以上となる。圧粉磁心の磁束密度B10kは1.6T以上さらには1.7T以上となる。
圧粉磁心の比抵抗値は、焼鈍をしていない場合であれば5μΩm以上さらには15μΩm以上となる。焼鈍をした場合でも5μΩm以上さらには10μΩm以上となる。
圧粉磁心の保磁力(bHc)は、焼鈍をした場合200A/m以下さらには160A/m以下となる。0.4kHzおよび1.0Tの条件下での鉄損は550kW/m3以下さらには500kW/m3以下とでき、焼鈍をした場合はより低く400kW/m3以下さらには300kW/m3以下とできる。
ここで、上述した圧粉磁心の各特性について説明しておく。先ず、比抵抗値は、圧粉磁心の電気的特性を指標する代表的なものである。この比抵抗値は、形状に依存しない圧粉磁心ごとの固有値であり、同形状の圧粉磁心であれば比抵抗が大きいほど、渦電流損は小さくなる。本明細書では、圧粉磁心の磁気的特性を指標する代表的なものとして所定の磁束密度(例えば、B10k)および保磁力を用いた。透磁率を用いることも可能ではあるが、一般的なB−H曲線からも解るようにその値は一定ではない。そこで、その代替として、特定強さの磁界中においたときにできる磁束密度により、圧粉磁心の磁気的特性を指標した。勿論、リアクトルのように、比較的安定した透磁率μや飽和磁化Msが重要なものもある。従って、本明細書で磁束密度B10k等は、磁気特性の例示にすぎないことを断っておく。また、圧粉磁心の損失は、渦電流損やヒステリシス損が個別に問題となることもあるが、通常は圧粉磁心全体としての損失、つまり鉄損が問題となる。そこで本明細書では、それらを含めた鉄損により圧粉磁心の損失を評価することとした。ちなみに、高密度成形した圧粉磁心は機械的特性にも優れ、その強度は4点曲げ強度σ等によって指標される。
(5)圧粉磁心の成形
本発明の圧粉磁心は、前述したように、例えば、磁心用粉末を成形用金型へ充填する充填工程と、この磁心用粉末を加圧成形する成形工程とを経て得られる。成形用金型へ充填する磁心用粉末は、本発明の絶縁被膜を伴う磁性粉末に、前述したシラン系カップリング剤や他の絶縁剤等を添加した混合粉末であっても良い。成形用金型へ充填した磁心用粉末(上記混合粉末を含む)の加圧成形は、冷間、温間、熱間を問わず、粉末中に内部潤滑剤等を混合した一般的な成形法により行っても良い。しかし、圧粉磁心の高密度化による磁気特性の向上を図る観点から、次に述べる金型潤滑温間加圧成形法を採用するのがより好ましい。これにより、成形圧力を大きくしても、成形用金型の内面と磁性粉末との間でかじりを生じたり抜圧が過大となったせず、金型寿命の低下も抑制できる。そして、高密度な圧粉磁心を試験レベルではなく、工業レベルで量産可能となる。
本出願人が開発した金型潤滑温間加圧成形法は、前記充填工程を高級脂肪酸系潤滑剤が内面に塗布された成形用金型内へ磁心用粉末を充填する工程とし、前記成形工程をその成形用金型内に充填された磁心用粉末を温間で加圧成形して磁心用粉末と成形用金型の内面との間に金属石鹸皮膜を生成させる工程とするものである。
次に、この金型潤滑温間加圧成形法についてさらに詳述する。
(a)上記充填工程に際して、成形用金型の内面に高級脂肪酸系潤滑剤を塗布する必要がある(塗布工程)。塗布する高級脂肪酸系潤滑剤としては、高級脂肪酸自体の他、高級脂肪酸の金属塩であると好適である。高級脂肪酸の金属塩には、リチウム塩、カルシウム塩又は亜鉛塩等がある。特に、ステアリン酸リチウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛等が好ましい。この他、ステアリン酸バリウム、パルミチン酸リチウム、オレイン酸リチウム、パルミチン酸カルシウム、オレイン酸カルシウム等を用いることもできる。
この塗布工程は、加熱された成形用金型内に溶媒(水、アルコール、水溶液等)に分散させた高級脂肪酸系潤滑剤を噴霧する工程であると好ましい。高級脂肪酸系潤滑剤が水等に分散していると、成形用金型の内面へ高級脂肪酸系潤滑剤を均一に噴霧し易い。さらに、加熱された成形用金型内にそれを噴霧すると、水分等が素早く蒸発して、成形用金型の内面へ高級脂肪酸系潤滑剤が均一に付着する。そのときの成形用金型の加熱温度は、後述の成形工程の温度を考慮する必要があるが、例えば、100℃以上に加熱しておけば足る。もっとも、高級脂肪酸系潤滑剤の均一な膜を形成するために、その加熱温度を高級脂肪酸系潤滑剤の融点未満にすることが好ましい。例えば、高級脂肪酸系潤滑剤としてステアリン酸リチウムを用いた場合、その加熱温度を220℃未満とすると良い。
なお、高級脂肪酸系潤滑剤を水等に分散させる際、その水溶液全体の質量を100質量%としたときに、高級脂肪酸系潤滑剤を0.1〜5質量%さらには0.5〜2質量%の割合で含ませるようにすると、均一な潤滑膜が成形用金型の内面に形成されて好ましい。
また、高級脂肪酸系潤滑剤を水等へ分散させる際、界面活性剤をその水に添加しておくと、高級脂肪酸系潤滑剤の均一な分散が図れる。そのような界面活性剤として、例えば、アルキルフェノール系の界面活性剤、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(EO)6、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(EO)10、アニオン性非イオン型界面活性剤、ホウ酸エステル系エマルボンT−80等を用いることができる。これらを2種以上組合わせて使用しても良い。例えば、高級脂肪酸系潤滑剤としてステアリン酸リチウムを用いた場合、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(EO)6、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(EO)10及びホウ酸エステルエマルボンT−80の3種類の界面活性剤を同時に用いると好ましい。それらの1種のみを添加する場合に較べて複合添加した場合、ステアリン酸リチウムの水等への分散性が一層活性化されるからである。
また、噴霧に適した粘度の高級脂肪酸系潤滑剤の水溶液を得るために、その水溶液全体を100体積%とした場合、界面活性剤の割合を1.5〜15体積%とすると好ましい。
この他、少量の消泡剤(例えば、シリコン系の消泡剤等)を添加しても良い。水溶液の泡立ちが激しいと、それを噴霧したときに成形用金型の内面に均一な高級脂肪酸系潤滑剤の被膜が形成され難いからである。消泡剤の添加割合は、その水溶液の全体積を100体積%としたときに、例えば0.1〜1体積%程度であればよい。
水等に分散した高級脂肪酸系潤滑剤の粒子は、最大粒径が30μm未満であると、好適である。最大粒径が30μm以上となると、高級脂肪酸系潤滑剤の粒子が水溶液中に沈殿し易く、成形用金型の内面に高級脂肪酸系潤滑剤を均一に塗布することが困難となるからである。
高級脂肪酸系潤滑剤の分散した水溶液の塗布には、例えば、塗装用のスプレーガンや静電ガン等を用いて行うことができる。なお、本発明者が高級脂肪酸系潤滑剤の塗布量と粉末成形体の抜出力との関係を実験により調べた結果、膜厚が0.5〜1.5μm程度となるように高級脂肪酸系潤滑剤を成形用金型の内面に付着させると好ましいことが解った。
(b)上記成形工程で、前述の金属石鹸皮膜がメカノケミカル反応によって生成されると考えられる。すなわち、磁心用粉末と高級脂肪酸系潤滑剤とが化学的に結合し、この高級脂肪酸系潤滑剤とは異なる金属石鹸の被膜(例えば、高級脂肪酸の鉄塩被膜)が粉末成形体の表面に形成される。この金属石鹸の被膜は、その粉末成形体の表面に強固に結合し、成形用金型の内表面に付着していた高級脂肪酸系潤滑剤よりも遙かに優れた潤滑性能を発揮する。そして、成形用金型の内面と粉末成形体の外面との接触面間での摩擦力は著しく低減される。こうして、高圧成形したにも拘らず、かじり等を生ぜず、非常に低い抜圧で粉末成形体を成形用金型から取出させ、金型寿命を伸ばすこともできた。この金属石鹸皮膜の代表例は、高級脂肪酸系潤滑剤であるステアリン酸リチウムとFeとが反応して生成されたステアリン酸鉄皮膜である。
なお、金属石鹸皮膜を形成する際に必要となるFe等は、磁性粉末の各粒子が絶縁被膜で被覆されていることから、基本的にはその絶縁被膜に存在すると考えられる。絶縁被膜がもともとFe等の金属を含む場合もあり得るが、そうでなくても、磁性粉末と絶縁被膜との間の反応や拡散により、Fe等が絶縁被膜中に出現していることもある。
成形工程における「温間」は、例えば、磁心用粉末と高級脂肪酸系潤滑剤との反応を促進するために、概して成形温度を100℃以上とするのが好ましい。また、高級脂肪酸系潤滑剤の変質を防止するために、概して成形温度を200℃以下とするのが好ましい。成形温度を120〜180℃とするとより好適である。
成形工程における「加圧」の程度は、圧粉磁心の仕様や製造設備等により適宜選択されるが、上記金型潤滑温間加圧成形法を用いた場合、従来の成形圧力を超越した高圧力下で成形可能である。このため、硬質なFe−Si系磁性粉末であっても、高密度な圧粉磁心を容易に得ることができる。その成形圧力は、例えば、700MPa以上、785MPa以上、1000MPa以上、1500MPa以上、2000MPaさらには2500MPaともできる。成形圧力が高圧である程、高密度の圧粉磁心が得られる。もっとも、通常は、2000MPa以下で十分である。そこまで高圧成形すると圧粉磁心の密度は真密度に近づき、それ以上の高密度化が実質的に望めず、また、金型寿命や生産性を考慮すればその必要性もないからである。そこで例えば、成形圧力を980〜2000MPaとすると好適である。
なお、この成形法を用いた場合、成形圧力がある値以上になると抜出力がむしろ急に減少することを本発明者は確認している。例えば、純Fe粉をこの金型潤滑温間加圧成形法で加圧成形した場合、成形圧力が約600MPaで抜出力が最大となり、それ以上の成形圧力ではむしろ抜出力が低下することを確認している。そして、成形圧力が900〜2000MPaの範囲でさえ、抜出力は5MPa程度の非常に低い値となる。このような抜出力の減少は、粉末成形体と成形用金型の内面との間の潤滑が、成形用金型の内面に塗布した高級脂肪酸系潤滑剤の被膜による潤滑から、それとは別の金属石鹸被膜による潤滑に移行したためと思われる。このような現象は、高級脂肪酸系潤滑剤としてステアリン酸リチウムを用いた場合に限らず、ステアリン酸カルシウムやステアリン酸亜鉛を用いた場合でも同様に生じる。
なお、金型潤滑温間加圧成形法を用いた場合、従来必要とした内部潤滑剤を磁心用粉末に添加する必要はない。これにより、圧粉磁心の高密度化、高磁束密度化を図れる。但し、本発明の場合、この内部潤滑剤の添加を排除するものではない。金型潤滑温間加圧成形法を採用した場合であっても、内部潤滑剤を添加することで、粉末粒子の塑性歪が抑制され得る。その結果、圧粉磁心の保磁力が低下してヒステリシス損の低減を図れる。内部潤滑剤は、例えば、絶縁被膜で被覆された磁心用粉末100質量%に対して0.1〜0.6質量%さらには0.2〜0.5質量%であると好ましい。過少ではその効果がなく、過多では圧粉磁心の高密度化が図れずに磁気的特性の低下を招く。なお、内部潤滑剤として前述の高級脂肪酸系潤滑剤を使用すると、取扱いが容易となり好ましい。例えば、ステアリン酸リチウムやステアリン酸亜鉛等である。
ちなみに、内部潤滑剤を添加して成形した粉末成形体を焼鈍工程等で高温加熱(例えば、700℃以上)すると、その内部潤滑剤は分解する。
ところで、上記金型潤滑温間加圧成形法に限らず、磁心用粉末を加圧成形すると、その内部には残留応力や残留歪を生じる。これを除去するために、成形工程後の粉末成形体を加熱、徐冷する焼鈍工程を施すと好適である。これにより、圧粉磁心の保磁力が低減され、ヒステリシス損が低減される。また、交番磁界に対する追従性等の良好な圧粉磁心が得られる。なお、焼鈍工程で除去される残留歪等は、成形工程前から磁性粉末の粒子内に蓄積された歪等であっても良い。
残留歪等は、焼鈍温度が高い程、有効に除去される。もっとも、あまり焼鈍温度が高すぎると、本発明の耐熱性を有する絶縁被膜であっても少なくとも部分的な破壊を生じる。そこで、絶縁被膜の耐熱性をも考慮して焼鈍温度を決定することが好ましい。例えば、焼鈍温度を450〜800℃とすると良い。焼鈍温度を500〜700℃とすると、残留歪の除去と絶縁被膜の保護の両立を図れて好ましい。加熱時間は、効果と経済性とから考えて、1〜300分、好ましくは5〜60分である。
焼鈍を行うときの雰囲気は、非酸化雰囲気中が好ましい。例えば、真空雰囲気や不活性ガス雰囲気である。なお、焼鈍工程を非酸化雰囲気中で行うのは、圧粉磁心やそれを構成する磁性粉末が過度に酸化されて、磁気特性や電気特性が低下するのを抑止するためである。例えば、絶縁被膜を形成している薄いSiO2被膜が過度に酸化されてFe、SiおよびO等からなる化合物に変化したりするからである。具体的には、FeOのスケールの生成やFe2SiO4層が生成する場合がある。また、前述した第2絶縁被膜の形成に加熱が必要な場合、つまり、第2絶縁被膜を焼成する場合、第2絶縁被膜の加熱処理として上記焼鈍工程を兼用すると効率的で好ましい。
(6)圧粉磁心の用途
本発明の圧粉磁心は、例えば、モータ(特に、コアやヨーク)、アクチュエータ、トランス、誘導加熱器(IH)、スピーカ等の各種の電磁機器に利用できる。特に、本発明の絶縁被膜は薄くて耐熱性を有するため、それにより被覆された磁性粉末からなる圧粉磁心は、高磁束密度と共に焼鈍等によるヒステリシス損の低減も図れ、比較的低周波数域で使用される機器等に有効である。
実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する。
(磁心用粉末の製造)
原料粉末(磁性粉末)として、市販のFe−1%Si粉末、Fe−2%Si粉末およびFe−3%Si粉末(大同特殊鋼社製水アトマイズ粉)を用意した。なお、単位は質量%である(以下、同様)。ここでは、原料粉末はその分級等を特に行わずに、入手した状態のままで使用した。その粒径は約20〜150μmであった。
これらの各粉末に、図1に示す被覆処理装置を用いて、絶縁被膜のコーティング処理を行った。先ず、上記の各磁性粉末を回転式粉末加熱用管状炉(回転加熱炉)中に入れる。この回転加熱炉内を真空排気した後、そこへ水素(H2)ガスを導入した。このガス配管の途中には、水素ガスの露点を調整できる露点調整装置を接続した。この露点調整装置の下流側にある、回転加熱炉の入口側の露点と出口側の露点とを、静電容量式の露点計(日本冶金化学工業株式会社製)で測定した。そして、回転加熱炉内の露点が一定値に安定するようにした(雰囲気保持工程)。なお、本実施例の場合、回転加熱炉内の露点は、熱処理直後(回転加熱炉直後)の上記出口側の露点(出口露点)にほぼ等しいと考えて取扱っている(以下、同様)。また、露点は、露点調整後の水素ガスを1気圧下での状態で特定したものである。
出口露点が安定したのを確認後、回転加熱炉中の温度を10℃/minで昇温させて、850℃で1時間保持した後に冷却した(加熱処理工程)。なお、この加熱処理工程中、回転加熱炉は約3rpmで回転させた。これにより、磁性粉末の粒子同士が焼結するのを妨げると共に磁性粉末への被覆処理能力を高めた。こうして、絶縁被膜処理を施した磁心用粉末を得た。
なお、本実施例では、磁性粉末の被覆処理に用いる水素気流中の露点に着目したが、水素気流中の水蒸気の水素に対する分圧比に着目しても同様である。そこで、各試験片の磁心用粉末の被覆処理を行ったときの分圧比を表1に併せて示した。ちなみに、1気圧下での分圧比と露点とは容易に換算できる。
(圧粉磁心の製造)
上記磁心用粉末に金型潤滑温間加圧成形を行って、リング状(外径:φ39mm×内径φ30mm×厚さ5mm)と板状(5mm×10mm×55mm)との2種の試験片を各試料ごとに製作した。リング状試験片は磁気特性評価用であり、板状試験片は電気抵抗評価用である。
具体的には次のようにして金型潤滑温間加圧成形を行った。
(a)上記の各試験片形状に応じたキャビティを有する超硬製の成形用金型を用意した。この成形用金型をバンドヒータで予め150℃に加熱しておいた。また、この成形用金型の内周面には、予めTiNコート処理を施し、その表面粗さを0.4Zとしておいた。加熱した成形用金型の内周面に、水溶液に分散させたステアリン酸リチウム(高級脂肪酸系潤滑剤)をスプレーガンにて、1cm3/秒程度の割合で均一に塗布した(塗布工程)。ここで用いた水溶液は、水に界面活性剤と消泡剤とを添加したものである。界面活性剤には、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(EO)6、(EO)10及びホウ酸エステルエマルボンT−80を用い、それぞれを水溶液全体(100体積%)に対して1体積%づつ添加した。また、消泡剤には、FSアンチフォーム80を用い、水溶液全体(100体積%)に対して0.2体積%添加した。ここで用いたステアリン酸リチウムは、融点が約225℃で平均粒径が20μmである。その分散量は、上記水溶液100cm3に対して25gとした。これをさらにボールミル式粉砕装置で微細化処理(テフロンコート鋼球:100時間)し、得られた原液を20倍に希釈して最終濃度1%の水溶液として上記塗布工程に供した。
(b)ステアリン酸リチウムが内面に塗布されたその成形用金型へ、それと同温の150℃に加熱しておいた上記の各磁心用粉末を自然充填した(充填工程)。なお、一部の圧粉磁心は、上記絶縁被膜(第1絶縁被膜)を被覆した磁性粉末に、シラン系カップリング剤(信越化学工業株式会社製、KBM−403)またはシリコーン樹脂(東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製、SR−2400)を適量添加した混合粉末を加圧成形して得た。また、一部の圧粉磁心は、上記絶縁被膜処理をせずに、磁性粉末に上記シリコーン樹脂を適量添加した混合粉末を加圧成形して得た。なお、これらの混合粉末はV型ミキサーや回転ボールミルにより混合した。
(c)成形用金型を150℃に保持したまま、1960MPaの成形圧力で充填された各磁心用粉末を温間加圧成形して粉末成形体を得た(成形工程)。なお、この温間加圧成形で、成形用金型の内壁面とかじり等を生じるものはなく、粉末成形体の抜出力も5MPa程度と低いものであった。
(d)得られた粉末成形体の一部には、非酸素雰囲気(N2ガス雰囲気)中で、焼鈍温度500〜750℃、焼鈍時間30分の焼鈍を施した。
こうして得られた圧粉磁心からなる各試験片の製造条件を表1に示した。
(圧粉磁心の測定)
前述したリング状試験片と板状試験片とをそれぞれ用いて、それらの磁気的特性と電気的特性とを評価した。測定結果を表1に併せて示す。なお、比抵抗の測定は、マイクロオームメータ(メーカ:ヒューレットパカード(HP)社、型番:34420A)を用いて4端子法により測定した。
磁気的特性の内、静磁場特性は直流自記磁束計(メーカ:東英工業、型番:MODEL−TRF)により測定した。交流磁場特性は交流B−Hカーブトレーサ(メーカ:理研電子、型番:ACBH−100K)により測定した。表中の交流磁場特性は、圧粉磁心を0.4kHz、1.0Tの磁場中に置いたときの高周波損失(鉄損)を測定したものである。
静磁場中の磁束密度は、2kA/m、5kA/mおよび10kA/m中にできる磁束密度を示したものであり、各表中ではそれぞれB2k、B5kおよびB10kとして示した。圧粉磁心の密度(ρ)は、アルキメデス法により測定した。なお、Fe−1%Si、Fe−2%SiおよびFe−3%Siの真密度(ρ0)はそれぞれ、7.81x103kg/m3、7.74x103kg/m3、7.67x103kg/m3である。これらに基づいて、相対密度(ρ/ρ0)を算出し、表1に併せて示した。
(評価)
(a)表1に示した各試験片中、Fe−1%Siの組成をもつ磁性粉末に850℃の熱処理を施して被膜処理した試験片No.1〜5について、水素気流中の露点と圧粉磁心の比抵抗値との関係を図2のグラフに示した。また、水素気流中の露点と圧粉磁心の成形体密度との関係を図3のグラフに示した。これらの圧粉磁心はいずれも加圧成形後に焼鈍を行っていないものである。
図2のグラフから明らかなように、上記被覆処理の露点が−30℃あたりを境としてそれよりも低下すると、圧粉磁心の比抵抗値が増加している。また、図3のグラフから明らかなように、上記の被覆処理時の露点が−30℃あたりを境として、それよりも低下したときの圧粉磁心の密度は、真密度に近づき、高密度で安定していた。
従って、少なくともFe−1%Siの磁性粉末を使用した場合であれば、上記被覆処理の露点を−30℃以下に低下させることで圧粉磁心の比抵抗値を増加させつつその高密度化(つまりは磁束密度の増加)を図れる。
(b)表1に示した試験片No.1および試験片No.5で用いた上記被覆処理後の磁性粉末(磁心用粉末)の各粒子を光学顕微鏡で観察した。そらの写真をそれぞれ図4(a)、(b)にそれぞれ示した。これらの写真から、被覆処理した際の水素気流中の露点が−30℃以下で磁性粉末の表面が適切に外部酸化処理された場合、薄く均一な絶縁皮膜が形成されていることがわかる。一方、その露点が−30℃より高い場合、磁性粉末の表面から内部深くまで酸化されて(つまり、内部酸化されて)、酸化物が点在した状態となり、薄い均一な絶縁被膜は形成されていない。このため後者の場合、圧粉磁心の比抵抗値、密度および磁気特性の低下を招いたと考えられる。ここでは、磁性粉末の組成がFe−1%Siの場合について説明したが、Fe−2%SiおよびFe−3%Siの場合でも同様の傾向を示すことを本発明者は確認している。
(c)表1に示した試験片No.1〜3と、それらに500℃x30分の焼鈍を施した試験片No.8〜10を対比するとわかるように、焼鈍を施しても圧粉磁心の比抵抗値はさほど低下せず、保磁力bHcは大きく低下している。その結果、焼鈍を施した圧粉磁心の鉄損は、試験片No.10を除き大きく低下した。しかも、磁性粉末中のSi量の多い試験片No.11およびNo.12の圧粉磁心の場合、その傾向はより顕著となった。
(d)表1に示した試験片No.12と試験片No.13〜15とを対比するとわかるように、シラン系カップリング剤やシリコーン樹脂の絶縁剤を添加した圧粉磁心(試験片No.13〜15)の場合、相対密度や磁気特性をさほど犠牲にすることなく、比抵抗値が大幅に増加して鉄損が低減した。
一方、表1に示した試験片No.15と試験片No.16とを対比するとわかるように、下地処理として本発明の絶縁被膜処理を施した圧粉磁心(試験片No.15)の場合、焼鈍後の比抵抗値が明らかに大きく、かつ、保磁力bHcが小さくて、鉄損が大幅に低下した。しかも、試験片No.15の圧粉磁心の方が試験片No.16よりも磁気特性に優れた。
このように、本発明の絶縁被膜(第1絶縁被膜)を備えた磁性粉末からなる圧粉磁心は、その絶縁被膜が薄いため高密度化が容易で磁気特性の向上を図り易い。さらにその圧粉磁心に焼鈍を施した場合、高比抵抗値と低保磁力との両立が可能となり、鉄損が大幅に低減する。これは、本発明の絶縁被膜が優れた耐熱性を備え、高温焼鈍を施した場合でもほとんど破壊されないためと考えられる。また、その絶縁被膜を施した磁性粉末に、シラン系カップリング剤等の絶縁剤をさらに添加して、加圧成形および焼鈍してなる圧粉磁心は、その磁性粉末に絶縁被膜処理を施さなかった圧粉磁心に比べて、高比抵抗値で低鉄損であった。これは、前者の圧粉磁心の場合、シラン系カップリング剤等によって焼成される第2絶縁被膜の下地として第1絶縁被膜が有効に機能して、第2絶縁被膜の耐熱性がより向上したと考えられる。
Figure 2005146315
本発明の実施例で用いた磁性粉末の被覆処理装置を示すブロック図である。 被覆処理雰囲気の露点と、その被覆処理された磁性粉末からなる圧粉磁心の比抵抗値との関係を示すグラフである。 被覆処理雰囲気の露点と、その被覆処理された磁性粉末からなる圧粉磁心の成形体密度との関係を示すグラフである。 被覆処理した磁性粉末を光学顕微鏡(1000倍)で観察した写真であり、同図(a)は被覆処理雰囲気の露点を−50℃としたときであり、同図(b)は被覆処理雰囲気の露点を−20℃としたときである。

Claims (18)

  1. 鉄(Fe)およびケイ素(Si)を主成分とする磁性粉末と、該磁性粉末の粒子表面に形成された絶縁被膜とからなる磁心用粉末において、
    前記絶縁被膜は、前記磁性粉末を外部酸化処理して得られ、該磁性粉末の単位表面積(m2)あたりの酸素量(g)を示す比酸素量(g/m2)が0.005〜0.05g/m2であることを特徴とする磁心用粉末。
  2. 前記絶縁被膜は、主に二酸化ケイ素(SiO2)被膜からなる請求項1に記載の磁心用粉末。
  3. 前記絶縁被膜は、厚さが1〜100nmである請求項1または2に記載の磁心用粉末。
  4. FeおよびSiを主成分とする磁性粉末を、水蒸気分圧(PH2O)の水素分圧(PH2)に対する分圧比(PH2O/PH2)が6.5x10-6〜3.0x10-4 となる水素気流中からなる酸化雰囲気中に保持する雰囲気保持工程と、
    該磁性粉末を該酸化雰囲気中で600℃〜900℃に加熱処理する加熱処理工程とからなり、
    該磁性粉末の表面に絶縁被膜が形成された磁心用粉末が得られることを特徴とする磁心用粉末の製造方法。
  5. 前記水素気流中の露点は、−65〜−30℃である請求項4に記載の磁心用粉末の製造方法。
  6. 前記加熱処理工程は、回転加熱炉中でなされる工程である請求項4に記載の磁心用粉末の製造方法。
  7. 前記絶縁被膜は、前記磁性粉末の単位表面積(m2)あたりの酸素量(g)を示す比酸素量(g/m2)が0.005〜0.05g/m2である請求項4に記載の磁心用粉末の製造方法。
  8. FeおよびSiを主成分とする磁性粉末と、該磁性粉末の粒子表面に形成された絶縁被膜とからなる磁心用粉末を加圧成形して得られる圧粉磁心であって、
    前記絶縁被膜は、前記磁性粉末を外部酸化処理して得られ、該磁性粉末の単位表面積(m2)あたりの酸素量(g)を示す比酸素量(g/m2)が0.005〜0.05g/m2であることを特徴とする圧粉磁心。
  9. 前記圧粉磁心の比抵抗値が5μΩm以上であり、
    前記磁性粉末の真密度(ρ0)に対する該圧粉磁心の嵩密度(ρ)の比である相対密度(ρ/ρ0)が96%以上であり、
    0.4kHzおよび1.0Tの条件下での鉄損が550kW/m3以下である請求項8に記載の圧粉磁心。
  10. 前記圧粉磁心の比抵抗値が5μΩm以上であり、
    10kA/mの磁場中における磁束密度B10kが1.5T以上であり、
    保磁力(bHc)が200A/m以下である請求項8に記載の圧粉磁心。
  11. 前記圧粉磁心を構成する磁性粉末の粒子は、前記絶縁被膜をさらに被覆する第2絶縁被膜を有する請求項8に記載の圧粉磁心。
  12. FeおよびSiを主成分とする磁性粉末と該磁性粉末を外部酸化処理して得られ該磁性粉末の単位表面積(m2)あたりの酸素量(g)を示す比酸素量(g/m2)が0.005〜0.05g/m2である絶縁被膜とからなる磁心用粉末を成形用金型内へ充填する充填工程と、
    該成形用金型内の磁心用粉末を加圧成形する成形工程と、
    からなることを特徴とする圧粉磁心の製造方法。
  13. 前記充填工程は、高級脂肪酸系潤滑剤を内面に塗布した前記成形用金型へ前記磁心用粉末を充填する工程であり、
    前記成形工程は、該磁心用粉末と該成形用金型の内面との間に金属石鹸皮膜を生成させる工程である請求項12に記載の圧粉磁心の製造方法。
  14. 前記成形工程は、成形圧力を980〜2500MPaとする工程である請求項13に記載の圧粉磁心の製造方法。
  15. 前記成形工程は、前記絶縁被膜で被覆された磁性粉末と該絶縁被膜をさらに被覆する第2絶縁被膜を加熱により形成する絶縁剤とを混合した混合粉末を加圧成形する工程である請求項12に記載の圧粉磁心の製造方法。
  16. 前記絶縁被膜および前記第2絶縁被膜は、主にSiO2被膜からなる請求項15に記載の圧粉磁心の製造方法。
  17. さらに、前記成形工程後に得られた粉末成形体を焼鈍する焼鈍工程を備える請求項12〜16のいずれかに記載の圧粉磁心の製造方法。
  18. 前記焼鈍工程は、前記粉末成形体を非酸化雰囲気中で450〜800℃に加熱した後に徐冷する工程である請求項17に記載の圧粉磁心の製造方法。
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