JP2014138052A - 圧粉磁心とその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】非晶質軟磁性合金粉末と、軟化点が前記非晶質軟磁性合金の結晶化温度より低いガラス粉末を混合する。前記混合物に対して、シランカップリング剤を添加した結着性樹脂を混合し、加圧成形する。得られた成形体を、非晶質軟磁性合金の結晶化温度より低い温度で熱処理する。結着性樹脂に添加するシランカップリング剤の量は、結着性樹脂に対して0.25%以上〜1.0%未満である。結着性樹脂としては、メチルフェニル系シリコーン樹脂を使用することが好ましい。非晶質軟磁性合金粉末と低融点ガラスを混合するに当たり、潤滑性樹脂を添加することができる。
【選択図】図1
Description
前記結着性樹脂に添加するシランカップリング剤の量は、結着性樹脂に対して0.25%以上〜1.0%未満であることを特徴とする。
(1)非晶質軟磁性合金粉末と、低融点ガラスを混合する工程。
(2)混合工程で得られた混合物に対して、結着性樹脂を添加する工程。
(3)結着性樹脂の添加工程を経た混合物を、加圧して成形体を作製する成形工程。
(4)成形工程によって得られた成形体を加熱する熱処理工程。
(1)混合工程
混合工程では、例えば、平均粒径が30〜100μmの合金粉末に対して、その0.5wt%のリン酸系の低融点ガラス及び0.5wt%の潤滑性樹脂を添加し、これらをV型混合機を使用して2時間混合する。合金粉末としては、Fe基合金粉末を使用する。このFe基合金粉末は、Si成分が6.7%、B成分が2.5%、Cr成分が2.5%、C成分が0.75%、残り成分がFeである。
添加工程では、混合工程を経た混合物に、シランカップリング剤を添加した結着性樹脂を更に混合する。結着性樹脂としては、メチルフェニル系シリコーン樹脂が好ましい。結着性樹脂に対するシランカップリング剤の添加量は、0.25%以上〜1.0%未満である。この範囲外では、成形された圧粉磁心の密度の標準偏差、磁気特性、強度のいずれかにおいて、所望の性能を発揮することができない。
成形工程では、結着性樹脂を添加した混合物を金型内に充填して、加圧成形する。その場合、金型温度は25℃〜150℃が好ましい。成形圧力は、例えば、1300〜1700MPaである。
熱処理工程では、成形工程で得られた成形体に対して、窒素雰囲気中で、450〜470℃の温度で、2時間加熱する。450℃の温度を保持する理由は、非晶質である軟磁性合金粉末の結晶化温度以下の状態で、しかも、圧粉磁心を環状に成形した場合に必要とする圧環強度を確保するためである。一方、熱処理温度を上げ過ぎると、合金粉末の結晶化が進み、透磁率が低下し、鉄損(ヒステリシス)が増加する。そのため、450〜470℃の温度を保持することは、鉄損の増加を抑制するために効果的である。
平均粒経45μmのFe−Si−B−Cr−CのFe系非晶質軟磁性合金粉末に、軟化温度360℃の平均粒子径1.1μmのビスマス系ガラスを1.5wt%、潤滑剤であるステアリン酸リチウムを0.3wt%混合した。
(2)鉄損の測定方法
圧粉磁心に1次(15ターン)及び2次巻線(3ターン)を施し、BHアナライザ(岩通:SY−8232)を用いて、周波数100kHz、最大磁束密度Bm=0.05Tの条件下で鉄損Pcvを測定した。鉄損からヒステリシス損失と渦電流損失を算出した。この算出は、鉄損の周波数曲線を次の3式で最小2乗法により、ヒステリシス損係数、渦電流損係数を算出することで行った。
Ph=Kh×f
Pe=Ke×f2
Pc:鉄損
Kh:ヒステリシス損係数
Ke:渦電流損係数
f:周波数
Ph:ヒステリシス損失
Pe:渦電流損失
圧粉磁心形状…外形16.55mm、内径11.00mm、高さ15.00mmのトロイダル形状
成型条件…成型速度11個/分、指定圧力58トン
ばらつきデータ数…200ショット
圧環強度…JIS2507に従って測定
(4−1)密度特性の評価
表1及び図1から分かるように、メチルフェニル系シリコーン樹脂に対してシランカップリング剤を添加しない比較例1では、密度の標準偏差値が大きく、成形体の各部で密度にばらつきがあることが分かる。シランカップリング剤の添加量が0.25%以上で密度のばらつきを抑える効果が出る。シランカップリング剤の添加量が1%を超えると、密度の標準偏差値の変化が少なくなり、1%以上添加しても効果がないことが分かる。
各比較例及び実施例における密度、振幅透磁率(μa)、鉄損及び強度を分析すると、表2及び図2及び図3に示す通りである。これらの分析結果から明らかなように、シランカップリング剤の添加量が増えると密度と振幅透磁率が低下する。圧粉磁心として、好ましい密度と振幅透磁率を得ることができるシランカップリング剤の添加量は、メチルフェニル系シリコーン樹脂の0.25〜1.0%であることが分かる。
表2及び図4から分かるように、シランカップリング剤を添加しない比較例1では、強度が低下している。また、シランカップリング剤を1%以上添加した比較例2及び比較例3は、実施例1〜3に比較して、強度が低下している。このことからも、シランカップリング剤の添加量は、0.25〜1.0%が好ましいことが分かる。
Claims (4)
- 非晶質軟磁性合金粉末と、軟化点が前記非晶質軟磁性合金の結晶化温度より低いガラス粉末を混合し、前記混合物に対して、シランカップリング剤を添加した結着性樹脂を混合し、加圧成形した後、前記非晶質軟磁性合金の結晶化温度より低い温度で熱処理する圧粉磁心の製造方法において、
前記結着性樹脂に添加するシランカップリング剤の量は、結着性樹脂に対して0.25%以上〜1.0%未満であることを特徴とする圧粉磁心の製造方法。 - 前記結着性樹脂が、メチルフェニル系シリコーン樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の圧粉磁心の製造方法。
- 非晶質軟磁性合金粉末と低融点ガラスを混合するに当たり、潤滑性樹脂を添加することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の圧粉磁心の製造方法。
- 前記請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法によって製造された圧粉磁心。
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