JP6403940B2 - 圧粉磁心とその製造方法 - Google Patents
圧粉磁心とその製造方法Info
- Publication number
- JP6403940B2 JP6403940B2 JP2013110376A JP2013110376A JP6403940B2 JP 6403940 B2 JP6403940 B2 JP 6403940B2 JP 2013110376 A JP2013110376 A JP 2013110376A JP 2013110376 A JP2013110376 A JP 2013110376A JP 6403940 B2 JP6403940 B2 JP 6403940B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- powder
- glass
- magnetic powder
- soft magnetic
- crystallization temperature
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Landscapes
- Powder Metallurgy (AREA)
- Soft Magnetic Materials (AREA)
Description
磁性体粉末としては、純鉄粉や非晶質軟磁性粉末(以下、単に「軟磁性粉末」という。
)が使用できる。軟磁性粉末としては、Fe系(Fe−Si−B―Cr系)の合金アトマイズ粉、粉砕粉が挙げられる。例えば、Fe系の合金粉末として、Si成分が6.7%、B成分が2.5%、Cr成分が2.5%、C成分が0.75%、残り成分がFeのものを使用できる。
ガラスは、ビスマス系、リン酸系、アルカリ系、バナジウム系の低融点ガラスを使用する。その他に、軟化点が磁性体粉末の結晶化温度以下のガラスを使用することができる。軟化点が磁性体粉末の結晶化温度以下のガラスを使用することで、ガラスが軟化する温度まで加熱した場合でも、磁性体粉末の結晶化による磁気特性の低減を防止することができる。
結着性樹脂は、磁性体粉末とガラス粉末の混合粉に添加する。結着性樹脂としては、常温で磁性体粉末とガラス粉末の混合物を加圧した場合に、ある程度緻密化された状態の成形体が得られ、しかも、その成形体に過大な力が加わらない限り、所定の形状を維持することのできる程度の粘性のある樹脂を用いる。
潤滑性樹脂として、ステアリン酸及びその金属塩ならびにエチレンビスステアラマイドなどのワックスが使用できる。これらを混合することにより、粉末同士の滑りを良くすることができるので、混合時の密度を向上させ成形密度を高くすることができる。さらに、成形時の上パンチの抜き圧低減、金型と粉末の接触によるコア壁面の縦筋の発生を防止することが可能である。潤滑性樹脂の添加量は、磁性体粉末に対して、0.1wt%〜1.0wt%程度が好ましく、一般的には、0.5wt%程度である。
本実施形態の圧粉磁心の製造方法は、次のような各工程を有する。
(a)磁性体粉末と、低融点ガラスを混合する工程。
(b)混合工程で得られた混合物に対して、結着性樹脂を添加する工程。
(c)結着性樹脂添加工程を経た混合物を、加圧して成形体を作製する成形工程。
(d)成形工程によって得られた成形体を加熱する熱処理工程。
(a)ガラスの混合工程
混合工程では、例えば、平均粒径が30〜100μmの磁性体粉末に対して、その0.5wt%〜5wt%ガラス粉末を添加して混合する。例えば、前記の混合物を、V型混合機を使用して2時間程度混合する。
磁性体粉末とガラス粉末の混合物に対して、磁性体粉末に対して0.75〜2.0wt%の結着性樹脂と、0.1〜1.0wt%の潤滑性樹脂を添加して、更に混合する。前記(a)のガラス粉末の混合と、(b)の結着性樹脂及び潤滑性樹脂の混合を同時に行うことも可能である。
成形工程では、結着性樹脂を添加した混合物を金型内に充填して、加圧成形する。その場合、金型温度は常温が好ましいが、80℃までの範囲であっても構わない。すなわち、ここでの常温とは、5℃〜35℃までの範囲をいうが、5℃〜80℃の範囲であっても構わない。成形圧力は、例えば、1300〜1700MPaである。
成形体に対する熱処理は、大気雰囲気などの非還元雰囲気で行う。非還元雰囲気としては大気中以外に、100%窒素ガスなどの不活性ガス雰囲気中でも良い。例えば、成形体を、大気中で、350℃の温度で、2時間加熱し、その後、窒素雰囲気に切り換えて、470℃で、2時間加熱することもできる。非還元雰囲気での熱処理により、水素によるガラスの還元を防止し、コーティング膜の絶縁性の劣化を防ぐことができると共に、ガラス中の酸素を失うことなく、本来のガラスの性質を保ち、磁性体粉末の周囲をコーティングする機能を果たす。
測定項目として、透磁率と鉄損を次のような手法により測定した。透磁率は、作成された各圧粉磁心に1次巻線(10ターン)を施し、インピーダンスアナライザーを使用することで、100kHz、0.5Vにおけるインダクタンスから算出した。
Ph=Kh×f…(2)
Pe=Ke×f2…(3)
Pc:鉄損
Kh:ヒステリシス損係数
Ke:渦電流損係数
f:周波数
Ph:ヒステリシス損失
Pe:渦電流損失
特性比較で使用する試料は、下記のように作製した。
平均粒経45μm、結晶化温度450℃のFe−Si−BのFe系非晶質軟磁性粉末に、各種、転移点、粒径が異なるビスマス系ガラスを1.5wt%、ステアリン酸リチウム(潤滑剤)を0.3wt%混合し、有機バインダー(シリコーン樹脂)2.0wt%混合して、150℃で乾燥し、目開き850μmの篩を通したものに、さらにステアリン酸リチウム(潤滑剤)を0.3wt%混合して、造粒粉末を作製した。
表1および図1に使用したガラス粉末を示す。各ガラス粉末は転移点、結晶化温度、粒径(D50)および線膨張係数が異なっているものを使用した。表1に、これらの数値、並びに、使用した軟磁性粉末の結晶化温度と、ガラスの転移点および結晶化温度との乖離を数値化して示し、図1に、その乖離をグラフ化して示す。
Claims (12)
- 非晶質軟磁性粉末と、転移点が前記非晶質軟磁性粉末の結晶化温度より低く、結晶化温度が前記非晶質軟磁性粉末の結晶化温度より高いガラス粉末とが混合されてなる圧粉磁心において、
前記ガラス粉末の転移点が、前記非晶質軟磁性粉末の結晶化温度と50℃以上差を有し、
前記ガラス粉末の結晶化温度が482℃以上495℃以下であり、前記非晶質軟磁性粉末の結晶化温度と50℃以下の差を有していることを特徴とする圧粉磁心。 - 前記ガラス粉末の混合量が、前記非晶質軟磁性粉末の0.5wt%〜5wt%の範囲で
あることを特徴とする請求項1に記載の圧粉磁心。 - 前記ガラス粉末の粒径が、0.5μm〜5μmであることを特徴とする請求項1又は請
求項2に記載の圧粉磁心。 - 前記非晶質軟磁性粉末と前記ガラス粉末に加え、結着性樹脂が混合されていることを特
徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の圧粉磁心。 - 前記結着性樹脂がメチルフェニル系シリコーン樹脂であることを特徴とする請求項4に
記載の圧粉磁心。 - 非晶質軟磁性粉末と、転移点が前記非晶質軟磁性粉末の結晶化温度より低く、結晶化温度が前記非晶質軟磁性粉末の結晶化温度より高いガラス粉末とを混合し、加圧成形した後、前記非晶質軟磁性粉末の結晶化温度より低い温度で熱処理を行う圧粉磁心の製造方法において、
前記ガラス粉末の転移点が、前記非晶質軟磁性粉末の結晶化温度と50℃以上差を有し、かつ、前記ガラス粉末の結晶化温度が482℃以上495℃以下であり、前記非晶質軟磁性粉末の結晶化温度と50℃以下の差を有していることを特徴とする圧粉磁心の製造方法。 - 前記熱処理は、熱処理温度が400℃以上440℃以下であることを特徴とする請求項6に記載の圧粉磁心の製造方法。
- 前記熱処理は、非還元雰囲気中で行うことを特徴とする請求項6又は請求項7に記載の
圧粉磁心の製造方法。 - 前記ガラス粉末の混合量が、前記非晶質軟磁性粉末の0.5wt%〜5wt%の範囲で
あって、製造する圧粉磁心の透磁率に合わせてガラス粉末の混合量を決定することを特徴
とする請求項6から請求項8のいずれか1項に記載の圧粉磁心の製造方法。 - 前記ガラス粉末の粒径が、0.5μm〜5μmであることを特徴とする請求項6から請
求項9のいずれか1項に記載の圧粉磁心の製造方法。 - 前記非晶質軟磁性粉末と前記ガラス粉末を混合するに当たり、結着性樹脂を添加するこ
とを特徴とする請求項6から請求項10のいずれか1項に記載の圧粉磁心の製造方法。 - 前記非晶質軟磁性粉末とガラス粉末を混合するに当たり、潤滑性樹脂を添加することを
特徴とする請求項6から請求項11のいずれか1項に記載の圧粉磁心の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013110376A JP6403940B2 (ja) | 2013-05-24 | 2013-05-24 | 圧粉磁心とその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013110376A JP6403940B2 (ja) | 2013-05-24 | 2013-05-24 | 圧粉磁心とその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2014229839A JP2014229839A (ja) | 2014-12-08 |
JP6403940B2 true JP6403940B2 (ja) | 2018-10-10 |
Family
ID=52129400
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2013110376A Active JP6403940B2 (ja) | 2013-05-24 | 2013-05-24 | 圧粉磁心とその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6403940B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016163008A (ja) * | 2015-03-05 | 2016-09-05 | Necトーキン株式会社 | 圧粉磁心、圧粉磁心の製造方法、および発熱抑制方法 |
CN106890999B (zh) * | 2015-12-21 | 2019-06-28 | 北京中科三环高技术股份有限公司 | 一种非晶或纳米晶软磁磁粉芯的制备方法 |
CN106891000B (zh) * | 2015-12-21 | 2018-10-26 | 北京中科三环高技术股份有限公司 | 瓦形磁体成型模具、磁体成型方法及电机磁体 |
WO2018193745A1 (ja) * | 2017-04-19 | 2018-10-25 | アルプス電気株式会社 | 圧粉コア、圧粉コアの製造方法、インダクタ、および電子・電気機器 |
Family Cites Families (17)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH10212503A (ja) * | 1996-11-26 | 1998-08-11 | Kubota Corp | 非晶質軟磁性合金粉末成形体及びその製造方法 |
JP2000211946A (ja) * | 1999-01-20 | 2000-08-02 | Nippon Electric Glass Co Ltd | ネックガラスへの電子銃の装着方法 |
JP2002170707A (ja) * | 2000-12-04 | 2002-06-14 | Daido Steel Co Ltd | 高い電気抵抗をもつ圧粉磁心とその製造方法 |
JP5062946B2 (ja) * | 2004-06-17 | 2012-10-31 | 株式会社豊田中央研究所 | 磁心用粉末および圧粉磁心並びにそれらの製造方法 |
JP4419829B2 (ja) * | 2004-12-21 | 2010-02-24 | セイコーエプソン株式会社 | 成形体の製造方法および成形体 |
JP2009032739A (ja) * | 2007-07-24 | 2009-02-12 | Nissan Motor Co Ltd | 軟磁性材料及びその製造方法 |
JP5071722B2 (ja) * | 2008-03-05 | 2012-11-14 | 住友電気工業株式会社 | 圧粉磁心、及び圧粉磁心の製造方法 |
JP2010018482A (ja) * | 2008-07-10 | 2010-01-28 | Tdk Corp | フェライト及びその製造方法 |
JP5023041B2 (ja) * | 2008-11-05 | 2012-09-12 | 株式会社タムラ製作所 | 圧粉磁心及びその製造方法 |
JP5372481B2 (ja) * | 2008-12-12 | 2013-12-18 | 株式会社タムラ製作所 | 圧粉磁心及びその製造方法 |
JP2010177271A (ja) * | 2009-01-27 | 2010-08-12 | Nissan Motor Co Ltd | 圧粉磁心材料およびその製造方法 |
JP5174758B2 (ja) * | 2009-08-07 | 2013-04-03 | 株式会社タムラ製作所 | 圧粉磁心及びその製造方法 |
JP5208881B2 (ja) * | 2009-08-07 | 2013-06-12 | 株式会社タムラ製作所 | 圧粉磁心及びその製造方法 |
JP5107993B2 (ja) * | 2009-08-07 | 2012-12-26 | 株式会社タムラ製作所 | 圧粉磁心及びその製造方法 |
CN102763260A (zh) * | 2009-12-31 | 2012-10-31 | 圣戈本陶瓷及塑料股份有限公司 | 用于sofc堆叠体的薄细颗粒化的并且全致密的玻璃-陶瓷密封物 |
TW201210975A (en) * | 2010-07-26 | 2012-03-16 | Asahi Glass Co Ltd | Alkali-free cover glass composition, and light extracting member using same |
JP2013079412A (ja) * | 2011-10-03 | 2013-05-02 | Hitachi Metals Ltd | 金属粉末の製造方法、金属粉末、及び圧粉磁心 |
-
2013
- 2013-05-24 JP JP2013110376A patent/JP6403940B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2014229839A (ja) | 2014-12-08 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5208881B2 (ja) | 圧粉磁心及びその製造方法 | |
JP6026293B2 (ja) | 圧粉磁心とその製造方法 | |
JP6339776B2 (ja) | 軟磁性粉末、コア及びその製造方法 | |
JP5715614B2 (ja) | 圧粉磁心とその製造方法 | |
CN108140462B (zh) | 压粉磁芯材料、压粉磁芯及其制造方法 | |
TWI585787B (zh) | Powder core | |
JP4308864B2 (ja) | 軟磁性合金粉末、圧粉体及びインダクタンス素子 | |
JP5053195B2 (ja) | 圧粉磁心及びその製造方法 | |
JP5372481B2 (ja) | 圧粉磁心及びその製造方法 | |
JP2015005581A (ja) | 圧粉磁心とその製造方法 | |
JP2009302420A (ja) | 圧粉磁心及びその製造方法 | |
JP6346412B2 (ja) | 軟磁性粉末、コア及びその製造方法 | |
JP2009054615A (ja) | 圧粉コア及びその製造方法 | |
JP6042792B2 (ja) | 軟磁性粉末、コア、低騒音リアクトル、およびコアの製造方法 | |
JP4908546B2 (ja) | 圧粉磁心及びその製造方法 | |
JP6403940B2 (ja) | 圧粉磁心とその製造方法 | |
JP2008277775A (ja) | 圧粉磁心およびその製造方法 | |
JP2011038133A (ja) | 圧粉磁心及びその製造方法 | |
TW201738908A (zh) | 壓粉芯、該壓粉芯之製造方法、具該壓粉芯之電感器、及安裝有該電感器之電子・電氣機器 | |
JP5023041B2 (ja) | 圧粉磁心及びその製造方法 | |
JP5916638B2 (ja) | 圧粉磁心の製造方法 | |
TW201712699A (zh) | 壓粉磁芯、該壓粉磁芯之製造方法、具備該壓粉磁芯之電氣.電子零件及安裝有該電氣.電子零件之電氣.電子機器 | |
TWI596624B (zh) | Soft magnetic metal powder and dust core | |
JP2011054924A (ja) | 圧粉磁心及びその製造方法 | |
JP2010245459A (ja) | 圧粉磁心及びその製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20160513 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20170329 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20170509 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20170707 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20171212 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20180309 |
|
A911 | Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911 Effective date: 20180319 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20180605 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20180806 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20180904 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20180912 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6403940 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |