JP6339776B2 - 軟磁性粉末、コア及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、平滑用チョークコイル等のコアに使用される非晶質軟磁性粉末、その非晶質軟磁性粉末を用いたコア及びその製造方法に関する。
スイッチング電源等の出力波形を平滑するために、チョークコイルが使用されている。各種電子機器の高性能化・多機能化に伴い、それに使用されるチョークコイルのコアにおいても、大電流でも特性変化の小さいものが要求されている。具体的には、優れた直流重畳特性と低損失特性を有するコアが求められている。この種のコアとしては、従来から、フェライトコアや圧粉磁心が使用されている。中でも、非晶質軟磁性合金(アモルファス軟磁性合金)の粉末から作製された圧粉磁心は、直流重畳特性に優れ、損失が少ない特性を有している。
これらの非晶質軟磁性粉末を用いて圧粉磁心とするためには、非晶質軟磁性粉末を低融点ガラスと結着性樹脂などと混合し、その混合物を常温あるいは高温下で圧縮成形した後、得られた成形体に対して熱処理を行う。また、低融点ガラスはコストが高いという問題点があることから、低融点ガラスに代えて、特許文献1に示すように、第一リン酸アルミニウムを絶縁被膜として用いることで、絶縁性能の改善を図った提案や、特許文献2に示すように、アルミニウムを含有するリン酸塩またはリン酸化合物を使用することで、高い絶縁性と磁束密度を得ようとする試みもなされている。しかし、これらの先行技術は、いずれも絶縁性能の向上に着目したものであり、コアの強度向上を目的としたものではなかった。
特開2003−272911号公報 特開2005−113258号公報
特許文献1の発明に使用される第一リン酸アルミニウムは、Al・3P・6HOの示性式で表される水溶性の酸性リン酸塩で、骨材との反応や、加熱による脱水縮合および高温加熱による結晶転移等により硬化結合性を発現させるものである。その反面、吸湿性が非常に高く、常温下でも周囲の水蒸気と急激な反応を示すため、取り扱いが困難であり、また、吸湿による膨張により成形体密度が低下するなどの問題点があり、量産性が難しい。また、軟磁性粉末の硬度が高いと圧縮成形時における粉末同士のアンカー効果が弱くなり、成形体強度が低下して、コアが破損する問題点が生じる。
特許文献2に記載の発明は、リン酸化合物と金属化合物を混合して軟磁性粉末に添加し、軟磁性粉末の表面で化成反応を生じさせることにより、金属粉末表面の化成膜の密着性の向上を可能としたものであるが、その反面、リン酸化合物と金属化合物の混合を適切に制御しないと軟磁性粉末の表面での化成反応が不十分となり、初期の効果を得られない。また、リン酸塩またはリン酸化合物中に遊離リン酸が未反応のまま残存し、かような残存遊離リン酸は、粉末が吸湿性を持つ原因となる問題もあった。
本発明は、上記のような従来技術の問題点を解決するために提案されたもので、機械的強度が高く、軟磁気特性の優れた圧粉磁心製のコア及びその製造方法を提供することを目的とする。また、このような優れたコアを得るために使用する軟磁性粉末を提供することも、本発明の目的の1つである。
本発明の軟磁性粉末は、非晶質軟磁性粉末に、その0.25〜2.0wt%のトリポリリン酸アルミニウムを混合し、非晶質軟磁性粉末の周囲に前記トリポリリン酸アルミニウムの被覆を形成したことを特徴とする。トリポリリン酸アルミニウムに加えて、低融点ガラスを補強材として添加することも可能である。
前記非晶質軟磁性粉末としては、第1の軟磁性粉末と前記第1の軟磁性粉末より平均粒子径が小さい非晶質で構成された第2の軟磁性粉末を混合して得られるものが好ましい
前記トリポリリン酸アルミニウムに、その硬化促進剤として、Al、SiO、MgO、Mg(OH)、CaO、Ca(OH)、石綿、タルク、フライアッシュの少なくとも1種類を添加することもできる。
前記のような非晶質軟磁性粉末を所定の形状に成型して成るコア、及びそのようなコアの製造方法も、本発明の一態様である。
本発明によれば、平均粒径が異なる2種類以上の非晶質軟磁性粉末を混合した非晶質の複合粉末に対して、リン酸の金属化合物を加熱して脱水縮合させて成る縮合リン酸金属化合物をバインダとして用いることで、常温下における吸湿性がなく、取り扱いが容易な非晶質軟磁性粉末を得ることができる。
縮合リン酸金属化合物のコストは、低融点ガラスと比較して各段に低く、製品のコスト競争力に高い利点がある。縮合リン酸金属化合物は、一般に防錆剤としても使用されており、圧粉磁心の錆対策に有効であり、低融点ガラスのようなヒステリシス損を悪化させる事象は発生しない。
第1の非晶質軟磁性粉末の一例を示すSEM像であり、(a)は主な面を有する非晶質軟磁性粉末、(b)は主な面を有しない非晶質軟磁性粉末を示す。 第2の非晶質軟磁性粉末の一例を示すSEM像であり、(a)は円形度0.962の水アトマイズ粉、(b)は円形度0.965の水アトマイズ粉を示す。 非晶質軟磁性粉末に対する縮合リン酸金属化合物の添加量と、得られた圧粉磁心の圧環強度の関係を示すグラフ。 非晶質軟磁性粉末に対する縮合リン酸金属化合物の添加量と、得られた圧粉磁心の透磁率μaの関係を示すグラフ。 非晶質軟磁性粉末に対する縮合リン酸金属化合物の添加量と、得られた圧粉磁心の損失Pcvの関係を示すグラフ。 第1の非晶質軟磁性粉末と第2の非晶質軟磁性粉末に対する縮合リン酸金属化合物の添加量と、得られた圧粉磁心の圧環強度の関係を示すグラフ。
(1)非晶質軟磁性粉末
本実施形態のコアは、非晶質軟磁性粉末に縮合リン酸金属化合物を混合した後、所定の形状に成型することで得られる。この場合、非晶質軟磁性粉末としては、粉砕粉や、水アトマイズ法、ガスアトマイズ法、水・ガスアトマイズ法により製造される粉末を単独あるいは複数種類を組み合わせて使用できる。すなわち、従来から公知の非晶質軟磁性粉末にバインダとして使用されていた低融点ガラスの代わりに、縮合リン酸金属化合物を使用することが本発明の特徴である。
特に、非晶質軟磁性粉末として、所定の平均粒子径を有する第1の非晶質軟磁性粉末と、第1の非晶質軟磁性粉末より平均粒子径が小さい非晶質で構成された第2の非晶質軟磁性粉末を混合して得られる複合磁性粉末を使用することが好ましい。
第1の非晶質軟磁性粉末は、粉砕粉を用いることが好ましい。第2の非晶質軟磁性粉末は、水アトマイズ法、ガスアトマイズ法、水・ガスアトマイズ法により製造されるものを使用できるが、特に、水アトマイズ法によるものが好ましい。理由は、水アトマイズ法はアトマイズ時に急冷するため、結晶化しにくいからである。
本実施形態のコアは、第1の非晶質軟磁性粉末と第2の非晶質軟磁性粉末が80:20から40:60の混合比率で混合されているものである。例えば、複合磁性粉末のうち、80wt%を第1の非晶質軟磁性粉末とした場合、残りの20wt%を第2の非晶質軟磁性粉末とする。この範囲で混合することで、圧粉磁心の密度が向上し、5.70g/cm以上の密度を有する圧粉磁心とすることができ、透磁率を増加させることができる。
(2)第1の非晶質軟磁性粉末
第1の非晶質軟磁性粉末としては、Fe基アモルファスの粉砕粉を用いることができる。この粉砕粉は、例えば、厚み25μmの薄帯を粉砕したものである。第1の非晶質軟磁性粉末としては、例えば、Si成分が6.7%、B成分が2.5%、Cr成分が2.5%、C成分が0.75%、残り成分がFeのものを使用することができる。他に、非晶質軟磁性粉末としては、FeBPN(NはCu,Ag,Au,Pt,Pdから選ばれる1種以上の元素)が使用できる。このような第1の非晶質軟磁性粉末の結晶化開始温度は、通常、470℃前後である。
第1の非晶質軟磁性粉末は、平均粒径が30μ〜100μmの範囲のものを用いることが好ましい。この範囲より平均粒径が大きいと渦電流損失が増大し、この範囲より平均粒径が小さいと、密度低下によるヒステリシス損失が増加する。
図1(a)のSEM像に示すように、粉砕粉は少なくとも1つの主な面を有している。すなわち、球形のように連続する面を有する形状ではなく、例えば半球や板状のような形状をしている。主な面とは、例えば粉砕粉が半球であると考えた場合には、その半球を構成する円状の面である。また、例えば粉砕粉が高さの低い長方体であると考えた場合に、この長方体を形成する面の中で、最も大きくかつ対向する2つの長方形状の面のことである。
一方、図1(b)に示す粉末は、球形に近い形状をしており、主な面を有していない。図1(b)の粉砕粉は、円形度0.980であるが、主な面を有していない粉砕粉は、実施例に示すように、直流重畳特性が劣るため、使用することができない。
主な面の形状は長方形に限定されるものではなく、方形や円形など種々の形状があり、また均一である必要はない。粉砕粉が複数の主な面を有する場合には、各主な面の面積は異なっていてもよく、粉砕粉を構成する面のうち、面積の大きい順に2つ以上の面を主な面とする。また、主な面は必ずしも平行に対向している必要はなく、隣接する3面でもよく、角度をもって向かいあっていても良い。
主な面の端部は、丸みを帯びた形状をしている。丸みを帯びた形状とは、端部が曲面形状を有しており、頂点を有する角がないことを意味する。曲面形状は真円の弧の形状に限定されるものではなく、角が無ければ曲面形状と解して良い。
粉砕粉の主な面の円形度は0.98以下であることが好ましい。参考までに、正多角形を用いて円形度を説明すると、正12角形の円形度は0.9885、正8角形の円形度は0.9737である。従って、本実施形態の粉砕粉の主な面における円形度が0.980の場合、正12角形と正8角形の中間程度ということになる。ただし、主な面の形状は正多角形に限定されるものではない。
また、例えば正三角形の円形度は、0.7776であり、主な面は少なくとも正三角形程度の円形度を有していることが好ましい。円形度がそれ以下になると、主な面の端部にエッジが生じやすくなるからである。
(3)第2の非晶質軟磁性粉末
第2の非晶質軟磁性粉末は、第1の非晶質軟磁性粉末より平均粒径が小さい非晶質軟磁性粉末を用いる。この第2の非晶質軟磁性粉末としては、Fe系(Fe―Si−Bなど)の合金アトマイズ粉を用いることができる。このような第2の非晶質軟磁性粉末の結晶化開始温度は、通常、450℃前後である。
図2に示す通り、粉末の形状は球形であり、その平均粒径が5μ〜30μmの範囲のもの、好ましくは5μ〜20μmの範囲のもの、更に好ましくは8μ〜15μmの範囲のものを用いることができる。この範囲より平均粒径が大きいとアトマイズ時に冷却速度が追いつかなくなり結晶化してしまい、円形度が低くなり球形が崩れるといった問題が生じる可能性がある。また、この範囲より平均粒径が小さいと、成形時に金型のクリアランス(10μm程度)に入り込み、齧り(カジリ)が発生する。
第2の非晶質軟磁性粉末の円形度は0.962以上であることが好ましい。参考までに、正多角形を用いて円形度を説明すると、正6角形の円形度は0.9523、正8角形の円形度は0.9737である。従って、本実施形態の第2の粉末の円形度が0.962の場合、正6角形と正8角形の中間程度、円に近い形状をしているということになる。ただし、第2の非晶質軟磁性粉末は、円や楕円などの複合形状であり、大きくは球形に属する形状である。以上のような第2の非晶質軟磁性粉末としては、図2(a)や図2(b)の粉末を用いることができるが、これらに限定されるものではない。
非晶質軟磁性粉末としては、Fe−Si−B合金の他、これにNb、Cu、C等の元素を追加したFe−Si−B系合金、Fe−Cr−P系合金、Fe−Zr−B系合金、センダスト系合金、Co−Fe−Si−B系合金等の各種公知の軟磁性合金のアモルファス粉末を単独又は混合して使用することができる。
本実施形態において、各粉末の平均粒子径と円形度は、下記装置を用いて3000個の平均値をとったものであり、ガラス基板上に粉末を分散して、顕微鏡で粉末写真を撮り一個毎自動で画像から測定した。
会社名:Malvern
装置名:morphologi G3S
(4)縮合リン酸金属化合物
縮合リン酸金属化合物としては、第一リン酸アルミを加熱して脱水反応させたトリポリリン酸アルミニウムやメタリン酸アルミニウムなどが適している。他にも、縮合リン酸カルシウムや縮合リン酸マグネシウムなども同様の効果がある。
複合磁性粉末に対する縮合リン酸金属化合物の添加量は、0.25〜2.0wt%が好ましい。添加量が0.25wt%以上で、作製したコアの強度が増加する効果が得られるが、添加量が2.0wt%を超えると、コアの密度が低下し、強度も低下する。
(5)硬化促進剤
縮合リン酸金属化合物に、硬化促進剤として、Al、SiO、MgO、Mg(OH)、CaO、Ca(OH)、石綿、タルク、フライアッシュの少なくとも1種類を添加することもできる。硬化促進剤は、縮合リン酸金属化合物に対して、その10〜30wt%が好ましい。10%以下では硬化剤としての効果が少なく、30wt%を超えると非晶質軟磁性粉末表面における縮合リン酸金属化合物の皮膜形成の妨げとなるからである。
(6)結着性樹脂
複合磁性粉末には、軟化点が第1および第2の非晶質軟磁性粉末の結晶化温度より低いガラス粉末と潤滑性樹脂のうち少なくともひとつが混合される。結着性樹脂は、複合磁性粉末と縮合リン酸金属化合物の混合粉に添加する。結着性樹脂としては、常温で複合磁性粉末と縮合リン酸金属化合物の混合物を加圧した場合に、ある程度緻密化された状態の成形体が得られ、しかも、その成形体に過大な力が加わらない限り、所定の形状を維持することのできる程度の粘性のある樹脂を用いる。
例として、シリコーン系樹脂、ワックスなどが挙げられる。シリコーン系の樹脂としては、メチルフェニル系シリコーン樹脂が好ましい。メチルフェニル系シリコーン樹脂の添加量は、複合磁性粉末に対して0.75〜2.0wt%が適量である。これよりも少なければ成形体の強度が不足して、割れが発生する。これより多いと、密度低下による最大磁束密度の低下、ヒステリシス損失の増加による磁気特性が低下する問題が発生する。
その他の結着性樹脂として、アクリル酸共重合樹脂(EAA)エマルジョンを使用することができる。混合するアクリル酸共重合樹脂(EAA)エマルジョンの添加量は複合磁性粉末に対して0.5〜2.0wt%であり、その場合の乾燥温度と乾燥時間は、80℃〜150℃で2時間である。アクリル酸共重合樹脂(EAA)エマルジョンの代りに、PVA(ポリビニルアルコール)水溶液(12%水溶液)を使用しても良い。PVA(ポリビニルアルコール)水溶液(12%水溶液)の添加量は、複合磁性粉末に対して0.5〜3.0wt%が適量である。
また、PVB(ポリビニルブチラール)の水溶液(12%水溶液)を用いても良く、キシレン、ブタノール等の溶剤に溶かして使用しても良い。その場合の軟磁性粉末に対する添加量は、PVAと同様である。
(7)潤滑性樹脂
潤滑性樹脂として、ステアリン酸及びその金属塩ならびにエチレンビスステアラマイドなどのワックスが使用できる。具体的には、エチレンビスステアラマイド、ステアリン酸リチウム、ステアリン酸アルミなどである。これらを混合することにより、粉末同士の滑りを良くすることができるので、混合時の密度を向上させ成形密度を高くすることができる。さらに、成形時の上パンチの抜き圧低減、金型と粉末の接触によるコア壁面の縦筋の発生を防止することが可能である。
潤滑性樹脂の添加量は、複合磁性粉末に対して、0.1wt%〜1.0wt%程度が好ましく、一般的には、0.5wt%程度である。これよりも少なければ、十分な効果を得ることができず、これより多いと、密度低下による最大磁束密度の低下、ヒステリシス損失の増加により磁気特性が低下する問題が発生する。
(8)ガラス
ガラスは、粉末として複合磁性粉末に混合されても良い。ガラスとしては、ビスマス系またはリン酸系の低融点ガラスを使用する。また、転移点および軟化点が、第1および第2の合金粉末の結晶化開始温度よりも低いガラスを使用することが好ましい。軟化点が結晶化の開始温度よりも低いガラスを使用することで、ガラスが軟化する温度まで加熱した場合でも、合金粉末の結晶化による磁気特性の低減を防止することができる。
ガラスとして、転移点及び軟化点が合金粉末の結晶化開始温度よりも、約50℃程度低い流動性のあるものを使用する。転移点および軟化点と、熱処理温度との差が大きいことにより、ガラスの粘度が低くなり流動性を増すことから、合金粉末間において流動しやすくなる。よって、機械的強度を向上させることができる。
代表的なガラスとしては、ビスマス系のガラス(Bi・B)があげられる。ガラスの混合量は、所望の透磁率にあわせて設定する。ただし、複合磁性粉末に対するガラスの混合量が少ないと、合金粉末間のコーティングが充分でなくなるため、渦電流損失が大きくなってしまう。ガラスの混合量が多いと、合金粉末の透磁率低下につながるとともに、合金粉末同士が凝縮してしまい、充分な磁気特性が確保できない。ガラスの混合量は、例えば、合金粉末の0.75wt%〜1.5wt%程度の範囲から選択すれば良い。
ガラス粉末の平均粒径は0.5μ〜3μmが好ましい。ガラス粉末の平均粒径が0.5μm未満になると、合金粉末に対して、ガラス粉末が小さくなりすぎる。このため、合金粉末同士の接触を十分に防止することが困難になり、渦電流の発生を十分に防止、抑制することが困難となる。また、ガラス粉末の平均粒径が3μmより大きくなると、合金粉末に対して、ガラス粉末が大きくなりすぎるため、合金粉末同士に隙間ができて透磁率と密度が低下する。また、合金粉末同士の接触を十分に防止することが困難になり、渦電流の発生を十分に防止、抑制することが困難になる。
(9)作用効果
上記のような構成を有する本実施形態コアの作用効果は、以下のとおりである。
(9−1)大小の異なる大きさの非晶質軟磁性粉末を混合して成る複合磁性粉末に対して、低融点ガラスに比較して安価で、しかも、吸湿性が少なく取扱が簡単な縮合リン酸金属化合物を添加することで、圧環強度、透磁率μa及び損失Pcvに優れた圧粉磁心製のコアを得ることができる。
(9−2)第1の非晶質軟磁性粉末に、少なくとも2つの主な面を有する非晶質軟磁性粉末を用いることで、隣り合う粉末が面接触となる。面接触の場合には、点接触よりも抵抗を少なくすることができるので、直流重畳特性を向上させることができる。
(9−3)第1の非晶質軟磁性粉末の主な面の端部が丸みを帯びた形状をしているため、絶縁樹脂の皮膜が破られることが無く絶縁性能を向上させることができる。エッジがある場合には、隣合う粉末の間に生じる空間が小さくなるが、端部が丸みを帯びた形状をしている場合には、その分だけ空間を広げることができる。従って、その空間部に第2の非晶質軟磁性粉末が入り込むことによって、圧粉磁心の密度を向上させることができる。
(9−4)第2の非晶質軟磁性粉末として、第1の非晶質軟磁性粉末よりも平均粒径の小さい粉末を用いているため、上記隙間に第2の非晶質軟磁性粉末が入りこみ、圧粉磁心の密度を向上させることができる。従って、成形体強度をさらに高めることができる。これにより、圧粉磁心の密度を5.70g/cm以上にすることで、透磁率を高めることができる。
(9−5)結着性樹脂は、高温で熱処理を行っても絶縁性が劣化せず、酸化などによるヒステリシス損失が増加しない。また、メチルフェニル系シリコーン粘着剤を用いた場合には、粉末同士の粘着力を増すことができるため、成形体強度をさらに高めることができる。また、圧粉磁心の熱処理を大気中で行うことで、緻密で強固なシリカ膜となる。大気中で熱処理を行うことで、熱分解してメチル基が炭素として残ることがないので、機械的強度が改善出来る。
(9−6)潤滑性樹脂としてステアリン酸の金属塩を使用する場合は、触媒効果により金属の種類によってメチル基の熱分解速度(温度)を速めることが可能となるので、より低温からでも、丈夫なシリカ層が形成される。
(9−7)低融点ガラスを添加することで、成形体の成形性を十分に優れたものとしつつ、成形密度を高くすることができる。
(10)製造方法
本実施形態のコアの製造方法は、次のような各工程を有する。
(a)複合磁性粉末と、縮合リン酸金属化合物を混合する工程。
(b)混合工程で得られた混合物に対して、結着性樹脂を添加する工程。
(c)結着性樹脂添加工程を経た混合物を、加圧して成形体を作製する成形工程。
(d)成形工程によって得られた成形体を加熱する熱処理工程。
以下、各工程について、詳細に説明する。
(a)縮合リン酸金属化合物の混合工程
混合工程では、例えば、第1の非晶質軟磁性粉末と第2の非晶質軟磁性粉末が75:25から50:50の混合比率で混合されている複合磁性粉末に対して、その0.25〜2.0wt%の縮合リン酸金属化合物を添加する。その後、これらの混合物を、例えば、V型混合機を使用して2時間程度混合する。この場合、複合磁性粉末に対して所定量のガラス粉末を混合することができる。
縮合リン酸金属化合物を添加するタイミングは、必ずしもこの工程でなくとも良く、(b)の結着性樹脂の添加工程において、潤滑剤と共に添加混合することも可能である。但し、前工程で縮合リン酸金属化合物を混合しておいた方が、複合磁性粉末表面における皮膜形成が効果的に行われる。
(b)結着性樹脂の添加工程
複合磁性粉末と縮合リン酸金属化合物の混合物に対して、複合磁性粉末に対して0.75〜2.0wt%の結着性樹脂と、0.1〜1.0wt%の潤滑性樹脂を添加して、更に混合する。前記(a)の縮合リン酸金属化合物の混合と、(b)の結着性樹脂及び潤滑性樹脂の混合を同時に行うことも可能である。複合磁性粉末に対して0.75wt%〜1.5wt%のガラス粉末と、複合磁性粉末に対して0.3wt%の潤滑性樹脂のうち少なくともひとつが混合される。
結着性樹脂の添加工程において、シランカップリング剤を加えることもできる。シランカップリング剤を使用した場合は、結着性樹脂の分量を少なくすることができる。相性の良いシランカップリング剤の種類としては、アミノ系のシランカップリング剤を使用することができ、特に、γ-アミノプロピルトリエトキシシランが良い。結着性樹脂に対するシランカップリング剤の添加量は、0.25wt%〜1.0wt%が好ましい。結着性樹脂にこの範囲のシランカップリング剤を添加することで、成形された圧粉磁心の密度の標準偏差、磁気特性、強度特性を向上させることができる。
(c)成形工程
成形工程では、結着性樹脂を添加した混合物を金型内に充填して、加圧成形する。その場合、金型温度は常温が好ましいが、80℃までの範囲であっても構わない。すなわち、ここでの常温とは、5℃〜35℃までの範囲をいうが、5℃〜80℃の範囲であっても構わない。成形圧力は、例えば、1300〜1700MPaである。
(d)熱処理工程
成形体に対する熱処理は、大気雰囲気などの非還元雰囲気で行う。非還元雰囲気としては大気中以外に、100%窒素ガスなどの不活性ガス雰囲気中でも良い。例えば、成形体を、大気中で、350℃の温度で、2時間加熱し、その後、窒素雰囲気に切り換えて、470℃で、2時間加熱することもできる。特に、低融点ガラスを添加した場合、非還元雰囲気での熱処理により、ガラス中の酸素を失うこと無く、本来のガラスの性質を保ち、合金粉末の周囲をコーティングする機能を果たす。
熱処理温度は、非晶質軟磁性粉末の場合400℃〜440℃が好ましく、加熱時間は2〜4時間程度である。このような温度と加熱時間を保持する理由は、非晶質軟磁性粉末の結晶化温度以下の状態で、しかも、圧粉磁心を環状に成形した場合に必要とする圧環強度を確保するためである。一方、熱処理温度を上げ過ぎると、非晶質軟磁性粉末の結晶化が進み、透磁率が低下し、鉄損(ヒステリシス)が増加する。そのため、400℃〜440℃の温度を保持することは、鉄損の増加を抑制するために効果的である。また、センダスト合金やFe−Si合金の場合には、600〜750℃の温度で熱処理することが好ましい。
本発明の複合磁性粉末は、必ずしも圧粉磁心にのみ使用するものではない。例えば、本発明の複合磁性粉末と所定の樹脂を射出成型やトランスファー成型することによって、コアを形成することもできる。その場合、樹脂に対する軟磁性金属粉末の充填率は、55〜95重量%が好ましい。樹脂としては、成形後の寸法安定性に優れる樹脂、例えば、熱硬化性樹脂であればエポキシ樹脂またはフェノール樹脂が、熱可塑性樹脂であればポリエーテルサルホンが、好適である。軟磁性金属粉末の充填率が低い場合には、磁気性能が低下する問題がある。一方で、95wt%以上に高充填とした場合には、結着材の充填量が少なくなり、コアの強度が低下する。
本発明の実施例を、表1〜表5及び図3〜6を参照して、以下に説明する。
(1)測定項目
測定項目として、透磁率と鉄損を次のような手法により測定した。
各圧粉磁心に1次巻線(15ターン)及び2次巻線(3ターン)を施し、磁気計測機器であるBHアナライザ(岩通計測株式会社:SY−8232)を用いて、周波数100kHz、最大磁束密度Bm=0.05Tの条件下で鉄損及び振幅透磁率を測定した。その時の励磁磁界をHmとすると、μ=Bm/Hmの最大振幅透磁率が得られる。鉄損の算出は、鉄損の周波数曲線を次の(1)〜(3)式で最小2乗法により、ヒステリシス損係数、渦電流損失係数を算出することで行った。
Pc=Kh×f+Ke×f…(1)
Ph=Kh×f…(2)
Pe=Ke×f…(3)
Pc:鉄損
Kh:ヒステリシス損係数
Ke:渦電流損係数
f:周波数
Ph:ヒステリシス損失
Pe:渦電流損失
強度については、圧環強度をJIS2507に従って測定を行った。
(2)コアの作製方法
特性比較で使用する試料は、下記のように作製した。
図1(a)に示すFe基アモルファス粉砕粉と、図2(b)に示す水アトマイズ法で作成した非晶質合金粉末を60:40比率で混合して成る複合磁性粉末に対して、ステアリン酸リチウム0.3wt%、硬化促進剤として酸化マグネシウムを25wt%混合したトリポリリン酸二水素アルミニウムを、表1の添加量で混合し、この混合粉末に対して、シランカップリング剤0.05wt%、メチルフェニル系シリコーンレジンを2.0wt%混合し、150℃で2時間の加熱乾燥を行った。
これを目開き350μmの篩を通して潤滑剤としてステアリン酸リチウムを0.3wt%混合した。これを室温にて1500MPaの圧力で加圧成形を行い、外形16mm、内径8mm、高さ5mmのリング状の圧粉体を作成し、酸素雰囲気(大気)中にて、410℃で120分間の熱処理を実施し、圧粉磁心から成る実施例1〜6、及び比較例3,4のコアを作成した。
比較例1として、平均粒子径1.1μmのビスマス系の低融点ガラス1.5wt%を強度補強材として添加したコアを作製し、比較例2として、補強材を全く添加しないコアを作製した。
(3)測定結果
表1および図3に作製されたコアの圧環強度を示す。
表1及び図3から分かるように、縮合リン酸金属化合物とその硬化剤の添加量が0.25wt%以上で強度が増加し効果が得られるが、添加量が2.0wt%を超えると、密度が低下し、強度も低下する。製造されたコアは、その後工程で巻線を巻回する作業を要することから、10MPa以上の圧環強度が必要となるが、トリポリリン酸二水素アルミニウムを0.25wt%〜2.0wt%の範囲で添加した実施例1〜6のコアは、いずれも実用上十分な圧環強度を備えている。特に、補強材を添加しない比較例2や、低融点ガラスを単独で補強材とした比較例1,2に比較して、実施例1〜6のコアの圧環強度が各段に優れていることがこれらのデータから確認できる。
透磁率μaについては、トリポリリン酸二水素アルミニウムを0.25wt%〜2.0wt%の範囲で添加した実施例1〜6のコアは、表1及び図4に示すように、低融点ガラスを補強材として使用した比較例1に比べて、実施例1〜3のように大幅に優れているか、あるいは実施例4〜6のようにほぼ同等の性能を示す。
損失Pcvについては、トリポリリン酸二水素アルミニウムを0.25wt%〜2.0wt%の範囲で添加した実施例1〜6のコアは、表1及び図5に示すように、低融点ガラスを補強材として使用した比較例1に比べて、実施例4〜6のように大幅に優れているか、あるいは実施例1〜3のようにほぼ同等の性能を示す。
これらのすべての条件を考慮すると、トリポリリン酸二水素アルミニウムの添加量は、0.25wt%〜2.0wt%の範囲の中でも、1.5wt%〜2.0wt%が、圧環強度、透磁率μa及び損失Pcvのいずれもが低融点ガラスの補強材に比較して優れており、より好ましい範囲である。
(4)他の複合磁性粉末
図1(b)に示すFe基アモルファスの水ガスアトマイズ粉と、図2(a)に示す水アトマイズ法で作成した非晶質合金粉末を70:30比率で混合して成る複合磁性粉末に対して、ステアリン酸リチウム0.3wt%、硬化促進剤として酸化マグネシウムを25wt%混合したトリポリリン酸二水素アルミニウムを、表2の添加量で混合し、この混合粉末に対して、シランカップリング剤0.05wt%、メチルフェニル系シリコーンレジンを2.0wt%混合し、150℃で2時間の加熱乾燥を行った。
これを目開き350μmの篩を通して潤滑剤としてステアリン酸リチウムを0.3wt%混合した。これを室温にて1500MPaの圧力で加圧成形を行い、外形16mm、内径8mm、高さ5mmのリング状の圧粉体を作成し、酸素雰囲気(大気)中にて、410℃で120分間の熱処理を実施し、圧粉磁心から成る実施例7のコアを作成した。
比較例5として、平均粒子径1.1μmのビスマス系の低融点ガラス1.5wt%を強度補強材として添加したコアを作製した。
この実施例から分かるように、トリポリリン酸二水素アルミニウムと硬化促進剤である酸化マグネシウムを添加した実施例7では、低融点ガラスを補強材として使用した比較例5のコアに比較して、強度が高くなっている。但し、トリポリリン酸二水素アルミニウムを1.5wt%添加した実施例4に比較すると、実施例4の粉砕粉のほうが、強度が強く、損失Pcvも低い。
(5)混合タイミング
比較例6として、図1(a)に示すFeアモルファス粉砕粉と、図2(b)に示す水アトマイズ法で作成した非晶質合金粉末を60:40の比率で混合して成る複合磁性粉末に対して、ステアリン酸リチウム0.3wt%を混合し、この混合粉末に対して、シランカップリング剤0.05wt%、メチルフェニル系シリコーンレジンを2.0wt%混合し150℃で2時間の加熱乾燥を行った。
これを目開き350μmの篩を通して潤滑剤としてステアリン酸リチウムを0.3wt%、硬化促進剤として酸化マグネシウムが25wt%混合されているトリポリリン酸二水素アルミニウムを混合した。
これを室温にて1500MPaの圧力で加圧成形を行い、外形16mm、内径8mm、高さ5mmのリング状の圧粉体を作成し、酸素雰囲気(大気)中にて、410℃で120分間の熱処理を実施し、圧粉磁心製のコアを作製した。
表3から分かるように、トリポリリン酸二水素アルミニウムをシリコーンレジンよりも先に混合した実施例4と、シリコーンレジン混合以後にトリポリリン酸二水素アルミニウムを混合した比較例6を比較すると、トリポリリン酸二水素アルミニウムを後から混合した場合には、損失Pcvおよび圧環強度に関して大きな効果は発揮されない。
(6)第1の非晶質軟磁性粉末と第2の非晶質軟磁性粉末の配合割合
前記実施例と同様な方法により、第1の非晶質軟磁性粉末と第2の非晶質軟磁性粉末の円形度及び含有割合を表4に示すように変化させて、その特性を測定した。表4において、Aは、第1の非晶質軟磁性粉末を粉砕粉、第2の非晶質軟磁性粉末を水アトマイズ法による粉末とし、その含有割合を80:20から40:60の5段階に変化させ、それぞれの割合に対して、トリポリリン酸二水素アルミニウムを1.5wt%添加したものである。
Bは、第1の非晶質軟磁性粉末を粉砕粉、第2の非晶質軟磁性粉末を水アトマイズ法による粉末とし、その含有割合を70:30から50:50の3段階に変化させ、それぞれの割合に対して、トリポリリン酸二水素アルミニウムを2.0wt%添加したものである。
Cは、第1の非晶質軟磁性粉末を水ガスアトマイズ法による粉末、第2の非晶質軟磁性粉末を水アトマイズ法による粉末とし、その含有割合を70:30とし、それに対して、トリポリリン酸二水素アルミニウムを1.5wt%添加したものである。
表4及び図6のグラフから分かるように、粉砕粉と水アトマイズ法による粉末との組み合わせでは、トリポリリン酸二水素アルミニウムが1.5wt%、2.0wt%のいずれであっても、第1の非晶質軟磁性粉末と第2の非晶質軟磁性粉末の含有割合が70:30から60:40の場合に、特に圧環強度が優れている。また、実施例8〜16のいずれであっても、低融点ガラスを補強材として使用した比較例5よりも、圧環強度が格段に優れている。
(7)低融点ガラス+トリポリリン酸二水素アルミニウム
前記実施例と同様な方法によりコアを製造した場合において、強度補強部材として、低融点ガラスを単独で使用した比較例5と、トリポリリン酸二水素アルミニウムを単独で使用した場合の実施例10と、低融点ガラスとトリポリリン酸二水素アルミニウムを組み合わせて使用した実施例17,18の比較を表5に示す。
この表5から分かるように、低融点ガラスとトリポリリン酸二水素アルミニウムを組み合わせて使用した実施例17,18は、トリポリリン酸二水素アルミニウムを単独で使用した実施例10に比べて、その圧環強度が各段に増加する。

Claims (13)

  1. 非晶質軟磁性粉末に、前記非晶質軟磁性粉末に対し0.25〜2.0wt%のトリポリリン酸アルミニウムを混合し、非晶質軟磁性粉末の周囲に前記トリポリリン酸アルミニウムの被覆を形成したことを特徴とする軟磁性粉末。
  2. 前記非晶質軟磁性粉末が、所定の平均粒子径を有する第1の非晶質軟磁性粉末と、第1の非晶質軟磁性粉末より平均粒子径が小さい非晶質で構成された第2の非晶質軟磁性粉末を混合して得られる複合磁性粉末であることを特徴とする請求項1に記載の軟磁性粉末。
  3. 前記第1の非晶質軟磁性粉末が粉砕粉であり、前記第2の非晶質軟磁性粉末がアトマイズ法によって得られた軟磁性粉末であることを特徴とする請求項2に記載の軟磁性粉末。
  4. 前記トリポリリン酸アルミニウムに、硬化促進剤として、塩基性物質が添加されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の軟磁性粉末。
  5. 前記塩基性物質が、Al、SiO、MgO、Mg(OH)、CaO、Ca(OH)、石綿、タルク、フライアッシュの少なくとも1種類であることを特徴とする請求項4に記載の軟磁性粉末。
  6. 前記トリポリリン酸アルミニウムに加えて、低融点ガラスを補強材として添加したことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の軟磁性粉末。
  7. 前記請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の軟磁性粉末を成型して構成されたコア。
  8. 非晶質軟磁性粉末に、前記非晶質軟磁性粉末に対し0.25〜2.0wt%のトリポリリン酸アルミニウムを混合した後、所定の形状に成型することを特徴とするコアの製造方法。
  9. 前記非晶質軟磁性粉末が、所定の平均粒子径を有する第1の非晶質軟磁性粉末と、第1の非晶質軟磁性粉末より平均粒子径が小さい非晶質で構成された第2の非晶質軟磁性粉末を混合して得られる複合磁性粉末であることを特徴とする請求項8に記載のコアの製造方法。
  10. 前記第1の非晶質軟磁性粉末が粉砕粉であり、前記第2の非晶質軟磁性粉末がアトマイズ法によって得られた軟磁性粉末であることを特徴とする請求項9に記載のコアの製造方法。
  11. 前記トリポリリン酸アルミニウムに、硬化促進剤として、Al、SiO、MgO、Mg(OH)、CaO、Ca(OH)、石綿、タルク、フライアッシュの少なくとも1種類を添加することを特徴とする請求項8から請求項10のいずれか1項に記載のコアの製造方法。
  12. トリポリリン酸アルミニウムに加えて、低融点ガラスを補強材として添加したことを特徴とする請求項8から請求項11のいずれか1項に記載のコアの製造方法。
  13. 前記請求項8から請求項12のいずれか1項に記載の方法によって製造されたコア。
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