JP6998552B2 - 圧粉磁心 - Google Patents

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Description

本願発明は、磁性粉末を用いた圧粉磁心に関するものである。特に、本願発明は、チョークコイル、リアクトル、トランス等のインダクタで使用される軟磁性粉末を用いた圧粉磁心に関するものである。
近年、車両の電動化、軽量化が求められている。様々な電子部品に対して小型化および軽量化が求められる中、チョークコイル、リアクトル、トランスなどで使用される軟磁性粉末およびそれを用いた圧粉磁心に対してますます高い性能が要求されている。
この軟磁性粉末を用いた圧粉磁心においては、小型化・軽量化のために、材質としては、飽和磁束密度が高いことが優れ、コアロスが小さくことが要求され、さらに直流重畳特性に優れることが要求されている。
例えば、特許文献1には、低いコアロス、優れた直流重畳特性を有するFe系アモルファス合金の粉砕粉を用いる方法が記載されている。
図1(a)、図1(b)に、特許文献1に記載されたFe系アモルファス合金薄帯の粉砕粉の写真を示す。薄帯を砕いて作製した粉である。
図1(a)は、粒径50μm以上の第1粉末1を示す。図1(b)は、粒径50μm以下の第2粉末2を示す。
特許文献1には、Fe系アモルファス合金薄帯を砕いて作製した粉砕粉と、Fe系アモルファス合金アトマイズ球状粉とを主成分とする圧粉磁心が記載されている。粉砕粉の粒径がFe系アモルファス合金薄帯の厚さの2倍(厚さ25μm×2=50μm)を超え6倍(厚さ25μm×6=150μm)以下の第1粉末1が全粉砕粉の80質量%以上である。
かつ、粒径が薄帯の厚さの2倍(厚さ25μm×2=50μm)以下の第2粉末2が、全粉砕粉の20質量%以下である。ここでは、粉砕粉の粒径は、薄板状に粉砕された粉の主面の面方向の最小値とされている。
さらに、アトマイズ球状粉の粒径は、薄帯の厚さの1/2(厚さ25μm×1/2=12.5μm)以下、3μm以上であることを特徴としている。
特許第4944971号公報
しかしながら、特許文献1では、粒径が薄帯の厚さの2倍(粒径50μm)以上の第1粉末1の割合が多いため、第1粉末1自体の電気抵抗が小さくなる。さらに、高周波(例えば、100kHz以上)になると、渦電流が増加し、渦電流損失が急増する。したがって、それを用いた圧粉磁心の損失が増加する。
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、軟磁性粉末の渦電流損失を低減でき、特に高周波領域で損失を小さくできる。高飽和磁束密度かつ優れた軟磁気特性が得られる圧粉磁心を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、軟磁性組成物の粉砕末を含む圧粉磁心において、前記粉砕末の円形度の最大値が0.5以上、平均値が0.2以上である圧粉磁心であり、前記粉砕末の最大長の最大値が50μm以上100μm以下、最大長の最小値が5μm以下、最大長の平均値が5μm以上9μm以下である圧粉磁心を用いる。
また、上記目的を達成するために、軟磁性組成物の粉砕末を含む圧粉磁心において、前記粉砕末の円形度の最大値が0.5以上、平均値が0.2以上である圧粉磁心であり、前記粉砕末の粒径が32μmより大きい第1粉末が、前記粉砕末の30重量%以下である圧粉磁心を用いる。
また、上記目的を達成するために、軟磁性組成物の粉砕末を含む圧粉磁心において、前記粉砕末の円形度の最大値が0.5以上、平均値が0.2以上である圧粉磁心であり、前記粉砕末の粒径が32μm以下の第2粉末が、前記粉砕末の70%重量以上である圧粉磁心を用いる。
また、軟磁性組成物の粉末を含む圧粉磁心において、前記粉末は、粉砕粉と、球状粉とを含み、前記粉砕粉は、円形度の最大値が0.5以上、平均値が0.2以上であり、前記球状粉は、円形度の最大値が0.9以上、平均値が0.5以上である圧粉磁心であり、前記粉砕粉の最大長の最大値が50μm以上100μm以下、最大長の最小値が5μm以下、最大長の平均値が5μm以上9μm以下である圧粉磁心を用いる。
以上のように、実施の形態で開示する手段によれば、軟磁性粉末の渦電流損失を低減でき、特に高周波領域で損失を小さくできる。さらに、高飽和磁束密度かつ優れた軟磁気特性が得られる圧粉磁心を提供することができる。
(a)特許文献1に記載された粒径50μm以上の軟磁性粉末を示す図、(b)特許文献1に記載された粒径50μm以下の軟磁性粉末を示す図 (a)~(b)実施の形態1の軟磁性粉末の製造工程を示す図 (a)実施例1における軟磁性粉末を示すSEM画像図、(b)図2(a)のA領域の拡大画像図 実施の形態1における軟磁性粉末の粒度分布図 (a)実施の形態1における軟磁性粉末を用いた圧粉磁心の断面のSEM画像図、(b)図5(a)のB領域の拡大画像図 実施の形態1における圧粉磁心に含まれる軟磁性粉末の円形度の分布図 実施の形態1における圧粉磁心に含まれる軟磁性粉末の最大長の分布図 実施の形態2における粉砕粉と球状粉を混合した軟磁性粉末を用いた圧粉磁心の断面図 (a)~(b)実施の形態2の軟磁性の粉砕粉の製造工程を示す図 (a)実施の形態2における軟磁性の粉砕粉を示すSEM画像、(b)図9(a)のA領域の拡大画像図 実施の形態2における軟磁性の粉砕粉の粒度分布図 実施の形態2における圧粉磁心に含まれる軟磁性の粉砕粉の最大長の分布図 実施の形態3における粉砕粉と球状粉を混合した軟磁性粉末を用いた圧粉磁心の断面図 実施の形態4における粉砕粉と球状粉を混合した軟磁性粉末を用いた圧粉磁心の断面図
(実施の形態1)
<軟磁性粉末の製造>
まず、実施の形態1の圧粉磁心の製造方法について説明する。
(1)合金組成物を、高周波加熱などによって融解し、液体急冷法でアモルファス層の薄帯または薄片を作製する。アモルファス層の薄帯を作製する方法として液体急冷法がある。液体急冷法としては、Fe基アモルファス薄帯の製造などに使用される単ロール式のアモルファス製造装置や、双ロール式のアモルファス製造装置を使用することができる。
(2)次に、薄帯または薄片を粉砕して粉末化する。薄帯または薄片の粉砕は、一般的な粉砕装置を使用できる。例えば、ボールミル、スタンプミル、遊星ミル、サイクロンミル、ジェットミル、回転ミルなどが使用できる。
この時、薄帯を加熱し結晶化させると、薄帯が脆くなり粉砕しやすくなる。ところが、薄帯の硬度が高くなり、薄帯を小さく粉砕することが困難となり、粒径が小さい第2粉末2の割合が少なくなる。したがって、実施の形態では、薄帯を未加熱のまま粉砕することで、薄帯の硬度が低く、小さく粉砕することができ、粒径が小さい第2粉末2の割合を増やせる。
また、粉砕して得られた粉末を、ふるいを用いて分級することにより、所望の粒度分布を有する軟磁性粉末が得られる。
図2(a)と図2(b)とを用いて、本実施の形態の粉砕粉の製造メカニズムを説明する。図2(a)に示す軟磁性薄帯101を、回転ミルなどの粉砕機で粉砕する。このことで、図2(b)に示すように、粉末102の表面がへき開して、微粉末104に削り取られていく。結果、軟磁性薄帯101は、表面に粉砕痕103を有する粉末102となる。粉末102は、表面がへき開することで、角がなく丸みを帯びた形状となる。また、微粉末104も同様のメカニズムで表面がへき開し、角がなく丸みを帯びた形状となる。
(3)次に、粉末102と微粉末104を熱処理して、粉砕による内部ひずみを取り除いたり、αFe結晶層を析出させたりする。熱処理装置は、例えば、熱風炉、ホットプレス、ランプ、シースー金属ヒーター、セラミックヒーター、ロータリーキルンなどを使用できる。
この時、ホットプレスなどを用いて、急速加熱することが好ましい。粉末102と微粉末104の結晶化がより進み、粉末102の表面のへき開が、さらに進む。したがって、粒径が小さい第2粉末2の割合を増やせる。
<圧粉磁心の作製>
(1)実施の形態1における圧粉磁心の作製は、軟磁性の粉末102と、微粉末104と、フェノール樹脂やシリコーン樹脂などの絶縁性が良好で耐熱性が高いバインダーとを混合して造粒粉を作製する。
(2)次に造粒粉を所望の形状を有する耐熱性が高い金型に充填し、加圧成形して圧粉体を得る。
(3)その後、バインダーが硬化する温度で加熱することで、高周波領域で損失が小さい圧粉磁心が得られる。
<実施例1>
急冷単ロール法により作製したFe73.5-Cu1-Nb3-Si13.5-B9(原子%)のFe系アモルファス合金薄帯を、回転ミルを用いて粉砕し、アモルファス層の軟磁性合金粉末を得た。粉砕は、粗粉砕3分後、通常の微粉砕20分と、冷却しながらの粉砕20分とをした。
次に、軟磁性合金粉末を熱処理して、粉砕による内部ひずみを取り除くとともに、αFe結晶層を析出させた。熱処理は、ホットプレスで550℃、20秒加熱した。
次に、シリコーン樹脂をバインダーとして混合し、造粒を行い、造粒粉を作製した。次に、造粒粉を金型に投入し、プレス機を用いて、成形圧4トン/cmの圧力で加圧成形を行って圧粉体を作製した。シリコーン樹脂は、軟磁性粉末の3重量%程度とした。
<コア損失の評価(コア損失)>
得られたそれぞれの圧粉体に対して、B-Hアナライザーを用いて、周波数1MHz、磁束密度25mTにおけるコア損失を測定した。コア損失の合否基準は、1300kW/m以下とした。その理由は、一般的な金属系の材料のコア損失以下となることを目標としたためである。実施例1の圧粉体を、B-Hアナライザーで測定したコア損失は、1040kW/mで合否基準を合格した。高周波領域で損失が小さい圧粉磁心が得られた。
<粉末の形状>
図3(a)に実施例1における軟磁性粉末のSEM画像を示す。図3(b)に、図3(a)のA領域の拡大画像を示す。粉末201は、粉末102に相当し、粉末202は、微粉末104に相当する。粉末201および粉末202は、前述した粉砕メカニズムにより、角がなく丸みを帯びた形状になっている。
<第1粉末1と第2粉末2>
また、粒径が32μmより大きい第1粉末1が全粉砕粉の30重量%以下であった。また、粒径が32μm以下の第2粉末2が、全粉砕粉の70%重量以上であった。どちらか1方を持たせばよい。粒径は、32μm径の開口を通るかどうかで判断した。以下も同様。
そのため、図3(a)に示すように、第1粉末1が一定数存在し、第2粉末2が多量に存在する粒度分布となった。
次に、図4に、実施例1、比較例における軟磁性粉末の粒度分布を示す。なお、比較例は、粉砕時間を、実施例1より多くしたものである。以下の透磁率のところで製造条件を説明する。粒度分布は、マイクロトラックMT3000(2)シリーズにより測定した。図4は横軸が粒径、縦軸が各粒径の軟磁性粉末が存在する頻度を表している。実施例1では、累積分布で、D10%が7μm、D50%が約14.6μm、D90%が37.7μmであった。
<圧粉磁心>
図5(a)に、実施例1の圧粉磁心の断面のSEM画像を示す。図5(b)に、図5(a)のB領域の拡大画像を示す。粉末401は、粉末102に相当する。粉末402は、微粉末104に相当する。粉末401は、前述したメカニズムで粉砕されるため、粉末401の短辺は、原料の軟磁性薄帯の厚みとほぼ等しくなる。
<円形度の分布>
図6に、実施例1の粉末の円形度の分布を示す。円形度の分布は、WinRoofを使用して算出した。図6の横軸が円形度、縦軸が各円形度の軟磁性粉末が存在する頻度を表している。
円形度の最大値が0.5以上、平均値が0.2以上がよい。円形度の最大値が0.7以上、平均値が0.3以上が好ましい。さらに、円形度の最大値が0.8以上、平均値が0.4以上がよい。
円形度が大きくなると、圧粉磁心作製時、軟磁性粉末を金型へ充填する際の流動性が向上し、圧粉磁心の空隙率を低減することができる。空隙率を低減することにより、単位体積当たりの軟磁性粉末の割合が増加し、圧粉磁心の飽和磁束密度、透磁率といった軟磁気特性を向上することができる。
<粉末の最大長>
図7に、実施例1の粉末の最大長(粉末で一番長い長さ)を示す。最大長の分布は、WinRoofを使用して算出した。図7の横軸が最大長、縦軸が各最大長の軟磁性粉末が存在する頻度を表している。
最大長の最大値が50μm以上、100μm以下、最大長の最小値が5μm以下、最大長の平均値が6μm以上9μm以下がよい。
最大長の最大値が50μm以上80μm以下、最小値が0.5μm以下、平均値が5μm以上9μm以下がよい。
さらに、最大長の最大値が50μm以上60μm以下が好ましい。
最大長が小さくなると、軟磁性粉末の粒径が小さくなり、軟磁性粉末の電気抵抗を大きくすることができる。よって、高周波(例えば、100kHz以上)で、渦電流を低減でき、渦電流損失を低減できる。したがって、それを用いた圧粉磁心の損失を低減することができる。
<空隙率>
さらに、画像解析により、実施例1の圧粉磁心の空隙率を算出した。実施例1の圧粉磁心の空隙率は26.8%であった。
圧粉磁心の空隙率(軟磁性粉末以外の部分)は30%以下がよい。20%以下がよい。さらに、10%以下が好ましい。
空隙率が小さくなると、単位体積当たりの軟磁性粉末の割合が増加し、圧粉磁心の飽和磁束密度、透磁率といった軟磁気特性を向上することができる。
<粒径と酸素量>
軟磁性粉末における全体酸素量は、以下のように測定する。まず、不活性ガス雰囲気(ヘリウムなど)で黒鉛ルツボのみを加熱し、軟磁性粉末が溶融する温度まで加熱する。次に、軟磁性粉末中の酸素は黒鉛と反応して一酸化炭素になる。その一酸化炭素は赤外線吸収が活性であるため、赤外線吸収法で検出できる。
上述の測定方法によると、実施例1の粉体の全体酸素量は1.01%である。第1粉末1の全酸素量が0.8重量%以下、かつ、第2粉末2の全酸素量が1.7重量%以下であることがよい。
第1粉末1の全酸素量が0.4重量%以下、かつ、第2粉末2の全酸素量が0.8重量%以下であることがよりよい。
さらに、第1粉末1の全酸素量が0.2重量%以下、かつ、第2粉末2の全酸素量が0.4重量%以下であることが、さらに好ましい。
酸素量が少なくなると、軟磁性粉末の酸化している割合が小さくなり、良好な軟磁性特性を示す割合が大きくなる。よって、圧粉磁心の飽和磁束密度、透磁率といった軟磁気特性を向上することができる。さらに、損失を低減することができる。
<効果>
粉末表面のへき開を利用した粉砕は、粉末の角がなく丸みを帯びており、第1粉末1と、第2粉末2が多量に存在する粒度分布に容易に制御することができる。
粉砕前に熱処理による脆性化処理をしないことで、粉砕時に、粉体がへき開がしやすい。脆性化のために熱処理をすると、薄帯の硬度が高くなり、逆に粉砕が困難になる。つまりへき開が起こりにくくなる。
よって、圧粉磁心作製時、軟磁性粉末を金型へ充填する際の流動性がよく、第1粉末1の間に、第2粉末2が入り込むことができる。したがって、圧粉磁心の空隙率を低減することができる。空隙率を低減することにより、単位体積当たりの軟磁性粉末の割合が増加し、圧粉磁心の飽和磁束密度、透磁率といった軟磁気特性を向上することができる。
さらに、第1粉末1が全粉砕粉の30重量%以下、かつ、第2粉末2が全粉砕粉の70%重量以上で、粉砕粉の電気抵抗が大きくなり、高周波(例えば、100kHz以上)で、渦電流を低減でき、渦電流損失を低減できる。したがって、それを用いた圧粉磁心の損失を低減することができる。
(透磁率)
次に、圧粉磁心の透磁率を調べた。
<コア損失の評価(透磁率)>
得られたそれぞれの圧粉体に対して、インピーダンスアナライザーを用いて、周波数100kHzにおける透磁率を測定した。透磁率の合否基準は、22以上とした。その理由は、同種の金属系の材料の透磁率以上となることを目標としたためである。実施例1のサンプルをインピーダンスアナライザーで測定した。実施例1の透磁率は、24.0で合否基準をクリアでき、優れた磁気特性をもった圧粉磁心が得られた。
<実施例1>
上記で説明した条件で作製した。なお、通常微粉砕時間の20分にと、冷却しながら粉砕した時間20分とをした。冷却しながらの粉砕は、スポットクーラーで粉砕機のモーターと粉砕容器を冷却しながら粉砕した。冷却により平均65℃に保った。なお、通常の粉砕が2.5分、冷却しながらの粉砕2.5分とを、8回繰り返した。
<比較例>
総微粉砕時間を60分とした。通常微粉砕時間は20分であるが、冷却粉砕時間50分とした。その他、実施例1と同じ条件である。平均80℃であった。なお、通常粉砕1分と冷却2分とを、20回繰り返した。
実施例1、比較例では、粉砕時間を変えた。総粉砕時間が短い実施例1の方が、粒径が大きく透磁率が高くなり磁気特性がよくなる。粉砕時間が長いほど、粒径が小さくなる。粒径が、小さいと粒子の占有体積に対する酸化層の割合が大きくなり、透磁率が低い。
結果、粒径d50%は、10.7μmより大きく、13から17μmが好ましい。
Figure 0006998552000001
(実施の形態2)
図8に本発明の実施の形態2における粉砕粉と球状粉を混合した軟磁性粉末を用いた圧粉磁心の断面を示す。第1粉末501と第2粉末502は粉砕粉であり、球状粉503は球状粉である。
第1粉末501は、粒径が32μmより大きい粉砕粉で全粉砕粉の30重量%以下、第2粉末502は、粒径が32μm以下の粉砕粉で全粉砕粉の70%重量以上である。
球状粉503は、粒径の累積分布D50%が9μm以下の球状粉で、圧粉磁心の1~30体積%を占める。
絶縁膜504は、第1粉末501の表面に形成された電気抵抗が高い絶縁膜である。絶縁膜504の厚さは、自然酸化膜(10nm~20nm)より厚い。また、絶縁膜504は、熱処理により、第1粉末501の構成元素と大気中の酸素とが結合し、FeO、Fe、Fe、Al、SiOなどの酸化膜を形成する。あるいは、化学的手法や物理的手法を用いてSiO、Al、TiOなどの絶縁膜を形成する。
次に、実施の形態2の圧粉磁心の製造方法について説明する。
<第1粉末501、第2粉末502の製造>
(粉砕粉の製造)
(1)合金組成物を、高周波加熱などによって融解し、液体急冷法でアモルファス層の薄帯または薄片を作製する。アモルファス層の薄帯を作製する液体急冷法としては、Fe基アモルファス薄帯の製造などに使用される単ロール式のアモルファス製造装置や、双ロール式のアモルファス製造装置を使用することができる。
(2)次に、薄帯または薄片を粉砕して粉末化する。薄帯または薄片の粉砕は、一般的な粉砕装置を使用できる。例えば、ボールミル、スタンプミル、遊星ミル、サイクロンミル、ジェットミル、回転ミルなどが使用できる。
この時、薄帯を加熱し結晶化させると、薄帯が脆くなり粉砕しやすくなる。ところが、薄帯の硬度が高くなり、薄帯を小さく粉砕することが困難となり、粒径が小さい粉砕粉の割合が少なくなる。したがって、実施の形態では、薄帯を未加熱のまま粉砕することで、薄帯の硬度が低く、小さく粉砕することができ、粒径が小さい粉砕粉の割合を増やせる。
また、粉砕して得られた粉末を、ふるいを用いて分級することにより、所望の粒度分布を有する軟磁性の粉砕粉が得られる。
図9(a)、図9(b)を用いて、本実施の形態の粉砕粉の製造メカニズムを説明する。図9(a)に示す軟磁性薄帯601を回転ミルなどの粉砕機で粉砕する。このことで、図9(b)に示すように、粉末602の表面がへき開して、微粉末604に削り取られていき、表面に粉砕痕603を有する粉末602となる。粉末602は、表面がへき開することで、角がなく丸みを帯びた形状となる。また、微粉末604も同様のメカニズムで表面がへき開し、角がなく丸みを帯びた形状となる。ここで、粉末602が第1粉末501に相当し、微粉末604が第2粉末502に相当する。
(3)次に、薄帯または薄片の粉砕粉(粉末)を熱処理して、粉砕による内部ひずみを取り除いたり、αFe結晶層を析出させたりする。熱処理装置は、例えば、熱風炉、ホットプレス、ランプ、シースー金属ヒーター、セラミックヒーター、ロータリーキルンなどを使用できる。この時、ホットプレスなどを用いて、急速加熱することが好ましい。なぜなら、結晶化がより進み、粉末602の表面のへき開がさらに進みやすいためである。したがって、粒径が小さい粉砕粉の割合を増やせる。
(球状粉503の製造)
球状粉は、ガスアトマイズ法あるいは水アトマイズ法などで、アモルファス相の粉末を作製する。その後、熱処理して、内部ひずみを取り除いたり、αFe結晶相を析出させたりすることで製造する。
あるいは、上記で作製した粉砕粉の表面を、球状になるように、機械的に削ったり、熱プラズマにより再溶融することでも製造できる。
<粉砕粉と球状粉503の混合および圧粉磁心の作製>
(1)実施の形態2における圧粉磁心の作製は、第1粉末501と、第2粉末502と、上記球状粉503と、フェノール樹脂やシリコーン樹脂などの絶縁性が良好で耐熱性が高いバインダーとを、混合攪拌機を用いて混合して造粒粉を作製する。ここで、粉砕粉と球状粉503を混合した粉末が軟磁性粉末である。
(2)造粒粉を所望の形状を有する耐熱性が高い金型に充填し、加圧成形して圧粉体を得る。
(3)その後、バインダーが硬化する温度で加熱することで、高周波領域で損失が小さい圧粉磁心が得られる。
(実施例2)
急冷単ロール法により作製したFe73.5-Cu1-Nb3-Si13.5-B9(原子%)のFe系アモルファス合金薄帯を、回転ミルを用いて粉砕し、アモルファス層の軟磁性の粉砕粉を得た。粉砕は、粗粉砕3分後、微粉砕40分実施した。
球状粉503は、エプソンアトミックス株式会社製のFe―Si-Cr-B(粒径5μm)を用いた。
次に、粉砕粉を熱処理して、粉砕による内部ひずみを取り除くとともに、αFe結晶層を析出させた。熱処理は、ホットプレスで550℃、20秒加熱した。
次に、シリコーン樹脂をバインダーとして、粉砕粉と球状粉503を混合した軟磁性粉末と混合し、造粒を行い、造粒粉を作製した。
次に、造粒粉を金型に投入し、プレス機を用いて、成形圧4トン/cmの圧力で加圧成形を行って圧粉体を作製した。粉砕粉と球状粉503を混合した軟磁性粉末は、粉砕粉と球状粉503の割合を9:1(重量比)とした。シリコーン樹脂は、粉砕粉と球状粉503を混合した軟磁性粉末の3重量%程度とした。
得られたそれぞれの圧粉体に対して、B-Hアナライザーを用いて、周波数1MHz、磁束密度25mTにおけるコア損失を測定した。コア損失の合否基準は、1300kW/m以下としたところ、合否基準をクリアした。合否基準は、従来の金属系の材料のコア損失以下となることを目標とした。よって、高周波領域で損失が小さい圧粉磁心が得られた。
<粉砕粉の形状>
図10(a)に実施例2における軟磁性の粉砕粉のSEM画像を示す。図10(b)に図10(a)のA領域の拡大画像を示す。第1粉末701は、図9(b)の粉末602であり、第2粉末702は、図9(b)の微粉末604である。第1粉末701および第2粉末702は、前述した粉砕メカニズムにより、角がなく丸みを帯びた形状になっている。
<粒径が32μm以上の粉砕粉>
第1粉末701は、粒径が32μmより大きい粉砕粉である。第1粉末701は、全粉砕粉の30重量%以下であった。また、第2粉末702は、粒径が32μm以下の粉砕粉である。第2粉末702は、全粉砕粉の70%重量以上であった。どちらか一方であればよい。粒径は、32μm径の開口を通るかどうかで判断した。以下同様。
そのため、図10(a)に示すように、第1粉末701が一定数存在し、第2粉末702が多量に存在する粒度分布となった。
次に、図11に実施例2における軟磁性の粉砕粉の粒度分布を示す。粒度分布は、マイクロトラックMT3000(2)シリーズにより測定した。図11は横軸が粒径、縦軸が各粒径の軟磁性の粉砕粉が存在する頻度を表している。累積分布では、D10%が7μm、D50%が14.6μm、D90%が37.7μmであった。
<粉砕粉および球状粉503の円形度>
粉砕粉の円形度の分布は、WinRoofを使用して算出した。
実施例2の粉砕粉の円形度の最大値は0.79、平均値は0.31であった。なお、粉砕粉の円形度の最大値は0.5以上、平均値は0.2以上がよい。さらに、粉砕粉の円形度の最大値は0.7以上、平均値は0.3以上がよい。また、粉砕粉の円形度の最大値は0.8以上、平均値は0.4以上が好ましい。
実施例2の球状粉503の円形度の最大値は0.95、平均値は0.6であった。なお、球状粉503は、円形度の最大値は0.9以上、平均値は0.5以上がよい。
円形度が大きくなると、圧粉磁心作製時、軟磁性粉末を金型へ充填する際の流動性が向上し、圧粉磁心の空隙率を低減することができる。空隙率を低減することにより、単位体積当たりの軟磁性粉末の割合が増加し、圧粉磁心の飽和磁束密度、透磁率といった軟磁気特性を向上することができる。
<粉砕粉の最大長>
図12に粉砕粉の最大長(粉末で一番長い長さ)を示す。粉砕粉の最大長の分布は、WinRoofを使用して算出した。図12の横軸が最大長、縦軸が各最大長の軟磁性の粉砕粉が存在する頻度を表している。
最大長の最大値は、50μm以上、100μm以下、最大長の最小値は5μm以下、最大長の平均値は6μm以上、9μm以下がよい。
最大長の最大値は、50μm以上、80μm以下、最小値は、0.5μm以下、平均値は、5μm以上、9μm以下がよい。
さらに、最大長の最大値は、50μm以上60μm以下が好ましい。
最大長が小さくなると、軟磁性の粉砕粉の粒径が小さくなり、軟磁性の粉砕粉の電気抵抗を大きくすることができる。よって、高周波(例えば、100kHz以上)で、渦電流を低減でき、渦電流損失を低減できる。したがって、それを用いた圧粉磁心の損失を低減することができる。
<粉砕粉の酸素量>
軟磁性の粉砕粉における全体酸素量は、以下のように測定する。まず、不活性ガス雰囲気(ヘリウムなど)で黒鉛ルツボのみを加熱し、軟磁性の粉砕粉が溶融する温度まで加熱する。次に、軟磁性の粉砕粉中の酸素は黒鉛と反応して一酸化炭素になる。その一酸化炭素は赤外線吸収が活性であるため、赤外線吸収法で検出できる。
実施例2の粉砕粉の全体酸素量は1.01重量%であった。
第1粉末701の全酸素量は、0.8重量%以下、かつ、第2粉末702の全酸素量は、1.7重量%以下であることがよい。
第1粉末701の全酸素量は、0.4重量%以下、かつ、第2粉末702の全酸素量は、0.8重量%以下であることがよい。
さらに、第1粉末701の全酸素量は、0.2重量%以下、かつ、第2粉末702の全酸素量は、0.4重量%以下であることが好ましい。
酸素量が少なくなると、軟磁性の粉砕粉の酸化している割合が小さくなり、良好な軟磁性特性を示す割合が大きくなる。よって、圧粉磁心の飽和磁束密度、透磁率といった軟磁気特性を向上することができる。さらに、損失を低減することができる。
<効果>
粉末表面のへき開を利用した粉砕粉は、粉末の角がなく丸みを帯びており、第1粉末701と、第2粉末702が多量に存在する粒度分布に容易に制御することができる。
よって、圧粉磁心作製時、軟磁性の粉砕粉を金型へ充填する際の流動性がよく、第1粉末701の間に、第2粉末702が入り込むことができる。
さらに、球状粉503(粒径の累積分布D50%が9μm以下の球状粉)を混合することにより、第1粉末701、第2粉末702の隙間に、球状粉503が入り込むことができる。
したがって、圧粉磁心の空隙率を低減することができる。空隙率を低減することにより、単位体積当たりの粉砕粉と球状粉503を混合した軟磁性粉末の割合が増加し、圧粉磁心の飽和磁束密度、透磁率といった軟磁気特性を向上することができる。
さらに、第1粉末701が全粉砕粉の30重量%以下、かつ、第2粉末702が全粉砕粉の70%重量以上で、粉砕粉の電気抵抗が大きくなり、高周波(例えば、100kHz以上)で、渦電流を低減でき、渦電流損失を低減できる。したがって、それを用いた圧粉磁心の損失を低減することができる。
さらに、第1粉末701の表面に絶縁膜を形成することにより、圧粉磁心の絶縁耐圧を向上させることができ、信頼性の高い圧粉磁心を得ることができる。
なお、実施の形態2と以下の実施の形態3、4の内容を表2にまとめた。
Figure 0006998552000002
(実施の形態3)
図13に本発明の実施の形態3における粉砕粉と第2球状粉503bを混合した軟磁性粉末を用いた圧粉磁心の断面を示す。図13において、図8と同じ要素構成については同じ符号を用い、説明を省略する。説明しない事項は、実施の形態2と同様である。
第1粉末701は、実施の形態2と同じ粉砕粉である。第2球状粉503bも含む。第1粉末701は粒径が32μmより大きい粉砕粉で全軟磁性粉末の30重量%以下、第2球状粉503bは粒径が32μm以下の球状粉で全軟磁性粉末の70%重量以上を占める。絶縁膜504は、第1粉末701の表面に形成された電気抵抗が高い絶縁膜であり、実施の形態2と同じ方法で製造する。
実施の形態3では、実施の形態2の粉砕粉を、粒径が32μm以下の粉砕粉を篩により除去し、粒径が32μmより大きい粉砕粉の第1粉末701と、粒径が32μm以下の第2球状粉503bを混合して、圧粉磁心を作製する。
第2球状粉503bは、ガスアトマイズ法あるいは水アトマイズ法などで、アモルファス相の粉末を作製する。例えば、エプソンアトミックス株式会社製のFe―Si-Cr-B(粒径5μm)を用いる。
<効果>
粒径が32μm以下の粉砕粉(第2粉末702)は、粉末602のへき開により作製されるため、粒子が含む酸素量が多く、保磁力が増大し、圧粉磁心にしたときの損失が増大する。そこで、粒径が32μm以下の粉砕粉(第2粉末702)を篩により除去し、粒径が32μmより大きい第1粉末701と、粒径が32μmより粒径が小さい第2球状粉503bとをまぜ、粉磁心を作製する。第2球状粉503bは、アトマイズ法で雰囲気下で作製されるため、粒子表面は自然酸化のみで、粒子が含む酸素量が少なく、保磁力が小さく、圧粉磁心にしたときの損失を低減できる。
さらに、実施の形態2と同様の粒径の累積分布D50%が9μm以下の第2球状粉503bを混合すれば、圧粉磁心の空隙率を低減でき、単位体積当たりの粉砕粉と球状粉を混合した軟磁性粉末の割合が増加し、圧粉磁心の飽和磁束密度、透磁率といった軟磁気特性を向上することができる。
さらに、粒径が32μmより大きい第1粉末701の表面に絶縁膜504を形成することにより、圧粉磁心の絶縁耐圧を向上させることができ、信頼性の高い圧粉磁心を得ることができる。
(実施の形態4)
図14に本発明の実施の形態4における粉砕粉と第1球状粉503aを混合した軟磁性粉末を用いた圧粉磁心の断面を示す。図14において、図8と同じ要素構成については同じ符号を用い、説明を省略する。説明しない事項は、実施の形態2と同様である。
第2粉末702は実施の形態2と同じ粉砕粉であり、第1球状粉503aを含む。第2粉末702は粒径が32μm以下の粉砕粉で、全軟磁性粉末の70重量%以上、第1球状粉503aは、粒径が32μmより大きい球状粉で全軟磁性粉末の30重量%以下を占める。絶縁膜504bは、第1球状粉503aの表面に形成された電気抵抗が高い絶縁膜であり、実施の形態1と同じ方法で製造する。
実施の形態4では、実施の形態2の粉砕粉を、粒径が32μmより大きい第1粉末701を篩により除去し、粒径が32μmより大きい第1球状粉503aと、粒径が32μm以下の粉砕粉の第2粉末702を混合して、圧粉磁心を作製する。
球状粉は、ガスアトマイズ法あるいは水アトマイズ法などで、アモルファス相の粉末を作製する。例えば、エプソンアトミックス株式会社製のFe―Si-Cr-B(粒径25μm)を用いる。
<効果>
実施の形態2および実施の形態3で用いた第1粉末701は、へき開により作製されるため、粒子表面にへき開の粉砕痕が残り、粉砕痕により絶縁膜を破るおそれがあり、絶縁耐圧が低下する。
そこで、第1粉末701を篩により除去し、粒径が32μm以下の第2粉末702と、粒径が32μmより大きい第1球状粉503aを混合して、圧粉磁心を作製する。第1球状粉503aは、アトマイズ法で雰囲気下で作製されるため、球状で、粉砕粉のような粉砕痕がなく、絶縁膜が破れるおそれはなく、絶縁耐圧が低下することはない。
さらに、粒径の累積分布D50%が32μm以下の第2球状粉503bを混合すれば、圧粉磁心の空隙率を低減でき、単位体積当たりの粉砕粉と球状粉を混合した軟磁性粉末の割合が増加し、圧粉磁心の飽和磁束密度、透磁率といった軟磁気特性を向上することができる。
なお、粒径が32μm以下は粉砕粉(第2粉末702)を使用しているため、形状が偏平形状で、球状と比べて空隙率が小さくなり、圧粉磁心の透磁率を向上させることができる。
さらに、粒径が32μmより大きい第1球状粉503aの表面に絶縁膜を形成することにより、圧粉磁心の絶縁耐圧を向上させることができ、信頼性の高い圧粉磁心を得ることができる。
(全体として)
なお、圧粉磁心を構成する軟磁性粉末は、金属、合金、ケイ素鋼板、アモルファス、ナノ結晶合金など、軟磁性特性を示すものであれば何でもよい。
また、圧粉磁心を構成する軟磁性の粉砕粉および球状粉は、金属、合金、ケイ素鋼板、アモルファス、ナノ結晶合金など、軟磁性特性を示すものであれば何でもよい。
なお、圧粉磁心を構成する軟磁性の粉砕粉と球状粉は、同一の材料でも、異なる材料でもよい。
軟磁性組成物の粉末を含む圧粉磁心において、以下の圧粉磁心は、それぞれ比較例より効果がある。
(圧粉磁心1)軟磁性組成物の粉末を含む圧粉磁心において、上記粉末の円形度の最大値が0.5以上、平均値が0.2以上である圧粉磁心。
(圧粉磁心2)上記粉末の最大長の最大値が50μm以上100μm以下、最大長の最小値が5μm以下、最大長の平均値が5μm以上9μm以下である圧粉磁心1に記載の圧粉磁心。
(圧粉磁心3)上記粉末の粒径が32μmより大きい第1粉末が、上記粉末の30重量%以下である圧粉磁心1または2に記載の圧粉磁心。
(圧粉磁心4)上記粉末の粒径が32μm以下の第2粉末が、上記粉末の70%重量以上である圧粉磁心1~3のいずれか1つに記載の圧粉磁心。
(圧粉磁心5)上記第1粉末の全酸素量が、0.8重量%以下である圧粉磁心1~4のいずれか1つに記載の圧粉磁心。
(圧粉磁心6)上記第2粉末の全酸素量が1.7重量%以下である圧粉磁心1~5のいずれか1つに記載の圧粉磁心。
(圧粉磁心7)上記圧粉磁心の空隙率が30%以下である圧粉磁心1~6のいずれか1つに記載の圧粉磁心。
(圧粉磁心8)上記粉末の粒径d50%が10.7μmより大きい圧粉磁心1~7のいずれか1つに記載の圧粉磁心。
(圧粉磁心9)軟磁性組成物の粉末を含む圧粉磁心において、上記粉末は、粉砕粉と、球状粉とを含み、上記粉砕粉は、円形度の最大値が0.5以上、平均値が0.2以上であり、上記球状粉は、円形度の最大値が0.9以上、平均値が0.5以上である圧粉磁心。
(圧粉磁心10)上記粉砕粉の最大長の最大値が50μm以上100μm以下、最大長の最小値が5μm以下、
最大長の平均値が5μm以上9μm以下である圧粉磁心9に記載の圧粉磁心。
(圧粉磁心11)上記粉砕粉の粒径が32μmより大きい第1粉末が、上記粉砕粉の30重量%以下である圧粉磁心9または10に記載の圧粉磁心。
(圧粉磁心12)上記粉砕粉の粒径が32μm以下の第2粉末が、上記粉砕粉の70%重量以上である圧粉磁心9~11のいずれか1つに記載の圧粉磁心。
(圧粉磁心13)上記第1粉末の全酸素量が、0.8重量%以下である圧粉磁心11または12に記載の圧粉磁心。
(圧粉磁心14)上記第2粉末の全酸素量が1.7重量%以下である圧粉磁心12または13に記載の圧粉磁心。
(圧粉磁心15)上記第1粉末は、表面に10nm以上の絶縁膜を有する圧粉磁心11~14のいずれか1つに記載の圧粉磁心。
(圧粉磁心16)上記第2粉末を含まず、上記第1粉末と、上記球状粉の粒径が32μm以下の粉末とを含む、圧粉磁心12~15のいずれか1つに記載の圧粉磁心。
(圧粉磁心17)上記第1粉末を含まず、上記第2粉末と、上記球状粉の粒径が32μmより大きい粉末とを含む、圧粉磁心9に記載の圧粉磁心。
(圧粉磁心18)上記球状粉の粒径の累積分布D50%が9μm以下である圧粉磁心9~17のいずれか1つに記載の圧粉磁心。
本実施の形態の圧粉磁心は、チョークコイル、リアクトル、トランス等のインダクタで利用される。また、モータにも利用される。
1 第1粉末
2 第2粉末
101 軟磁性薄帯
102 粉末
103 粉砕痕
104 微粉末
201 粉末
202 粉末
401 粉末
402 粉末
501 第1粉末
502 第2粉末
503 球状粉
503a 第1球状粉
503b 第2球状粉
504 絶縁膜
504b 絶縁膜
601 軟磁性薄帯
602 粉末
603 粉砕痕
604 微粉末
701 第1粉末
702 第2粉末

Claims (11)

  1. 軟磁性組成物の粉砕末を含む圧粉磁心において、
    前記粉砕末の円形度の最大値が0.5以上、平均値が0.2以上である圧粉磁心であり、
    前記粉砕末の最大長の最大値が50μm以上100μm以下、最大長の最小値が5μm以下、最大長の平均値が5μm以上9μm以下である圧粉磁心。
  2. 軟磁性組成物の粉砕末を含む圧粉磁心において、
    前記粉砕末の円形度の最大値が0.5以上、平均値が0.2以上である圧粉磁心であり、
    前記粉砕末の粒径が32μmより大きい第1粉末が、前記粉砕末の30重量%以下である圧粉磁心。
  3. 軟磁性組成物の粉砕末を含む圧粉磁心において、
    前記粉砕末の円形度の最大値が0.5以上、平均値が0.2以上である圧粉磁心であり、
    前記粉砕末の粒径が32μm以下の第2粉末が、前記粉砕末の70%重量以上である圧粉磁心。
  4. 前記第1粉末の全酸素量が、0.8重量%以下である請求項2に記載の圧粉磁心。
  5. 前記第2粉末の全酸素量が1.7重量% 以下である請求項3に記載の圧粉磁心。
  6. 軟磁性組成物の粉末を含む圧粉磁心において、
    前記粉末は、粉砕粉と、球状粉とを含み、
    前記粉砕粉は、円形度の最大値が0.5以上、平均値が0.2以上であり、
    前記球状粉は、円形度の最大値が0.9以上、平均値が0.5以上である圧粉磁心であり、
    前記粉砕粉の最大長の最大値が50μm以上100μm以下、
    最大長の最小値が5μm以下、
    最大長の平均値が5μm以上9μm以下である圧粉磁心。
  7. 前記粉砕粉の粒径が32μmより大きい第1粉末が、前記粉砕粉の30重量%以下である請求項6に記載の圧粉磁心。
  8. 前記粉砕粉の粒径が32μm以下の第2粉末が、前記粉砕粉の70%重量以上である請求項6に記載の圧粉磁心。
  9. 前記第1粉末の全酸素量が、0.8重量%以下である請求項7に記載の圧粉磁心。
  10. 前記第2粉末の全酸素量が1.7重量%以下である請求項8に記載の圧粉磁心。
  11. 前記第1粉末は、表面に10nm以上の絶縁膜を有する請求項7又は9に記載の圧粉磁心。
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