JP6998549B2 - 軟磁性粉末とその製造方法、および、それを用いた圧粉磁心 - Google Patents
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Description
また、酸化していない軟磁性材料の軟磁性粉末層と、前記軟磁性粉末層の外周に位置する酸化鉄の酸化層と、前記酸化層の表層を切れ目なく覆うSi濃化層と、を含み、前記軟磁性粉末層の中心部から表層に向かって連続的にSi濃度が高くなる軟磁性粉末であり、前記酸化層は、表層側に位置する第1酸化層と、前記軟磁性粉末層側に位置する鉄またはホウ素との第2酸化層とによって構成され、前記酸化層は、20nm~500nmの膜厚を有する軟磁性粉末を用いる。
また、軟磁性組成物を粉末にする粉砕工程と、前記粉末の表層20nm~500nmの領域に酸化層を形成する熱処理工程と、前記酸化層の表層にSi濃化層を形成するSi濃化工程と、を含む軟磁性粉末の製造方法であり、前記熱処理工程では、前記粉末のみをホットプレスで上下から挟み込んで熱処理をする軟磁性粉末の製造方法を用いる。
<軟磁性粉末の製造>
まず、実施の形態の軟磁性粉末の製造方法について説明する。
(1)合金組成物を、高周波加熱などによって融解し、液体急冷法でアモルファス層の薄帯または薄片を作製する。アモルファス層の薄帯を作製する液体急冷法としては、Fe基アモルファス薄帯の製造などに使用される単ロール式のアモルファス製造装置や、双ロール式のアモルファス製造装置を使用することができる。
<圧粉磁心の作製>
(1)実施の形態における圧粉磁心の作製は、上記の軟磁性粉末と、フェノール樹脂やシリコーン樹脂などの絶縁性が良好で耐熱性が高いバインダーとを混合して造粒粉を作製する。
軟磁性粉末における全体酸素量は、以下のように測定する。まず、不活性ガス雰囲気(ヘリウムなど)で黒鉛ルツボのみを加熱し、軟磁性粉末が溶融する温度まで加熱する。次に、軟磁性粉末中の酸素は黒鉛と反応して一酸化炭素になる。その一酸化炭素は赤外線吸収が活性であるため、赤外線吸収法で検出できる。
軟磁性粉末における表面酸素量は、以下のように測定する。エネルギー分散型X線分析装置(EDX(Energy Dispersive X-ray Spectroscopy))を用いる。電子照射により発生する特性X線をエネルギーで分光することによって、元素分析および組成分析が行える。
急冷単ロール法により作製したFe73.5-Cu1-Nb3-Si13.5-B9(原子%)のFe系アモルファス合金薄帯を、回転ミルを用いて粉砕し、アモルファス層の軟磁性合金粉末を得た。粉砕は、粗粉砕3分後、微粉砕20分実施した。
実施例1は、ホットプレスで550℃、20秒加熱した。比較例は、熱風炉で430℃、10分加熱した。
図2(a)に実施例1における軟磁性粉末の断面のSEM画像を示す。図2(b)に図2(a)のA領域の拡大図を示す。軟磁性粉末は、酸化鉄であるFeO、Fe2O3、あるいはFe3O4で形成された表面に位置する第1酸化層101、酸素が進入してFeやBなどと結合して形成された内部に位置する第2酸化層102、軟磁性粉末層103で構成される。
なお、第2酸化層102は、Bを少量含む。または、含まない場合もある。第1酸化層101は、第2酸化層102より、酸素濃度が高い。
(実施の形態2)
図6に本発明の実施の形態2における軟磁性粉末の断面の模式図を示す。
軟磁性粉末600は、軟磁性粉末層601、軟磁性粉末層601の表層に位置する第1酸化層602、第1酸化層602の表層(軟磁性粉末の最表層)に位置するSi濃化層603、粉砕痕604により形成される。
まず、実施の形態の軟磁性粉末600の製造方法について説明する。
(1)実施の形態における圧粉磁心の作製は、軟磁性粉末600と、フェノール樹脂やシリコーン樹脂などの絶縁性が良好で耐熱性が高いバインダーとを混合して造粒粉を作製する。
急冷単ロール法により作製したFe73.5-Cu1-Nb3-Si13.5-B9(原子%)のFe系アモルファス合金薄帯を、回転ミルを用いて粉砕し、アモルファス層の軟磁性合金粉末を得た。粉砕は、粗粉砕3分後、微粉砕20分実施した。
軟磁性粉末600の表層部は、Si濃度が高くなり、透磁率が高くなり、渦電流損失を低減することができる。軟磁性粉末100の中心部と表層部の透磁率の差によって、励磁状態では、磁束が表層に集中する。表層部に磁束が集中し、それよりも内部での磁束変化がないとすると磁束密度変化よって生じる渦電流も表層のみの発生となるため、軟磁性粉末600の渦電流損失を低減できる。
図9に本発明の実施の形態3における軟磁性粉末の断面の模式図を示す。図9において、図6と同じ要素構成については同じ符号を用い、説明を省略する。記載しない事項は、実施の形態2と同様である。
第1酸化層602以外に第2酸化層905を有することにより、軟磁性粉末900の表層付近の電気抵抗が大きくなる。高周波時の表皮効果により、電流は軟磁性粉末900の表層付近を流れるため、電流量を小さくできる。よって、実施の形態1の軟磁性粉末900の表層部分のSi濃度が高くなって、渦電流損失が低減できる効果に加えて、さらに、渦電流損失を低減できる。
また、第1酸化層602、第2酸化層905は薄いので、保磁力の増加をおさえることができる。
なお、軟磁性粉末は、金属、合金、ケイ素鋼板、アモルファス、ナノ結晶合金など、軟磁性特性を示すものであれば何でもよい。
101 第1酸化層
102 第2酸化層
103 軟磁性粉末層
201 第1酸化層
202 第2酸化層
203 軟磁性粉末層
300 粉砕粉
301 第1酸化層
302 第2酸化層
303 軟磁性粉末層
304 粉砕痕
401 軟磁性薄帯
402 粉末
403 粉砕痕
404 微粉末
501 主面
502 粉砕面
503 主面
504 粉砕面
600 軟磁性粉末
601 軟磁性粉末層
602 第1酸化層
603 Si濃化層
604 粉砕痕
701 軟磁性薄帯
702 粉末
703 粉砕痕
704 微粉末
900 軟磁性粉末
905 第2酸化層
Claims (12)
- 軟磁性材料の軟磁性粉末層と、
前記軟磁性粉末層の外周に位置する鉄またはホウ素の酸化物の第2酸化層と、
前記第2酸化層の外周に位置する酸化鉄の第1酸化層と、を含む軟磁性粉末であり、前記第1酸化層と前記第2酸化層は、前記軟磁性粉末の表面から20nm以上520nm以下の領域に位置し、前記表面から520nmより深く1600nm以下の領域に存在しない
軟磁性粉末。 - 前記第1酸化層と前記第2酸化層は、前記表面から20nm以上100nm以下の領域に位置し、前記表面から100nmより深く1600nm以下の領域に存在しない
請求項1記載の軟磁性粉末。 - 前記第1酸化層と前記第2酸化層は、前記表面から20nm以上50nm以下の領域に位置し、前記表面から50nmより深く1600nm以下の領域に存在しない
請求項1記載の軟磁性粉末。 - 全体酸素量が1.1重量%以下である
請求項1から3のいずれか1項に記載の軟磁性粉末。 - 粉末表層にとげ状の粉砕痕がある
請求項1から4のいずれか1項に記載の軟磁性粉末。 - 軟磁性組成物を粉末にする粉砕工程と、
前記粉末を前記粉末の表面から20nm以上520nm以下の領域に酸化層を有し、前記表面から520nmより深く1600nm以下の領域に酸化層を有しない粉末にする熱処理工程と、を含む軟磁性粉末の製造方法であり、
前記熱処理工程では、前記粉末のみをホットプレスで上下から挟み込んで熱処理をする
軟磁性粉末の製造方法。 - 前記熱処理工程で、前記粉末の全体酸素量が1.1重量%以下であることを特徴とする
請求項6に記載の軟磁性粉末の製造方法。 - 酸化していない軟磁性材料の軟磁性粉末層と、
前記軟磁性粉末層の外周に位置する酸化鉄の酸化層と、
前記酸化層の表層を切れ目なく覆うSi濃化層と、を含み、
前記軟磁性粉末層の中心部から表層に向かって連続的にSi濃度が高くなる軟磁性粉末であり、
前記酸化層は、表層側に位置する第1酸化層と、前記軟磁性粉末層側に位置する鉄またはホウ素との第2酸化層とによって構成され、
前記酸化層は、20nm~500nmの膜厚を有する
軟磁性粉末。 - 前記Si濃化層は、700nm~1μmの膜厚を有する
請求項8に記載の軟磁性粉末。 - 前記Si濃化層は、前記軟磁性粉末層のSi濃度より、0.5原子%~3原子%高いSi濃度を有する
請求項8又は9に記載の軟磁性粉末。 - 請求項1~5、8~10のいずれか1項に記載の軟磁性粉末と、バインダーとを、含む
圧粉磁心。 - 軟磁性組成物を粉末にする粉砕工程と、
前記粉末の表層20nm~500nmの領域に酸化層を形成する熱処理工程と、
前記酸化層の表層にSi濃化層を形成するSi濃化工程と、
を含む軟磁性粉末の製造方法であり、
前記熱処理工程では、前記粉末のみをホットプレスで上下から挟み込んで熱処理をする
軟磁性粉末の製造方法。
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