JP2009117484A - 圧粉磁心の製造方法及び圧粉磁心 - Google Patents

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Abstract

【課題】軟磁性粉末を磁化させることなくヒステリシス損の小さい圧粉磁心を製造可能な製造方法及び、ヒステリシス損の小さい圧粉磁心を提供する。
【解決手段】圧粉磁心の製造方法が、鉄を主成分とする軟磁性粉末に有機−金属カップリング剤を混合させるカップリング剤混合処理と、カップリング剤が混合された軟磁性粉末を第1の温度で加熱する第1熱処理と、第1熱処理後に軟磁性粉末に無機絶縁体を被覆する絶縁被覆処理と、絶縁被覆処理後に軟磁性粉末を加圧成形して圧粉磁心を形成する成形処理と、成形処理後に圧粉磁心を第1の温度よりも低い第2の温度で加熱する第2熱処理とを含む構成とした。また、圧粉磁心が、表面にケイ素化合物の単層膜が形成された鉄を主成分とする軟磁性粉末に無機絶縁体を被覆し、これを加圧成形することによって形成される構成とした。
【選択図】 図1

Description

本発明は、圧粉磁心及びその製造方法に関する。
チョークコイルや電磁石等において、ワイヤが巻回される磁性体を磁心という。コイル、特に変圧器などの交流回路に利用されるものの磁心には、「保磁力が小さい」「透磁率が高い」「飽和磁束密度が高い」及び「鉄損(コアロス)が小さい」等の特性を有することが望まれる。
磁心に使用される磁性体としては、フェライトなどの非金属の強磁性材料を主成分とするものや、鉄などの金属の強磁性材料を主成分とするものがある。金属製の磁心は、フェライト等の非金属製のものに比べて、コイルの飽和磁束密度が大きい。このため、金属、特に純鉄やFe−Si合金のように鉄の含有量が多い金属製の磁心を用いたコイルは、直流重畳特性に優れ、交流モータや変圧器のような大電流下での利用や、強い静磁場の存在する環境下での使用に適している。
一方、一般に強磁性金属材料はフェライトなどの非金属材料と比べて保磁力が高いため、金属製の磁心をもつコイルは鉄損の一種であるヒステリシス損が大きくなる。また、強磁性金属は導電性であるため、磁場が変動する環境下(例えば交流電流が流れるコイル)においては、磁場の変化を打ち消す方向の渦電流が発生する。このため、金属製の磁心をもつコイルにおいては、渦電流が作る磁場の影響により、鉄損(渦電流損)が大きくなる傾向にある。
従って、金属製の磁心においては、鉄損を小さくすることが課題となる。鉄損のうち、渦電流損は、磁束方向の導電体の寸法の二乗に比例することが知られている。そのため、導電体である強磁性金属を主体とする材料を粉末化して磁性体粉末を得、磁性体粉末の粒子の各々をシリコーン樹脂などの絶縁皮膜で被覆した上で成形することによって、渦電流損を低減させることができる。このような磁性体粉末を成形して得られた磁心を圧粉磁心という。
上記のような金属を主体とする磁性体粉末を主原料とする圧粉磁心は、バルクの(粉末化されていない)金属製磁心と比べて、渦電流損が小さいという長所を有する反面、鉄損のもう一つの要素であるヒステリシス損が大きい。この圧粉磁心のもつ大きなヒステリシス損は、磁性体粉末の製造処理(アトマイズ法など)に伴って増加する、粉末粒子内の結晶欠陥や残留ひずみが原因であると考えられている。このヒステリシス損を減少させる手法として、特許文献1に記載のものが考案されている。
特開2005−336513号
特許文献1においては、金属を主体とする磁性体粉末を事前に加熱して焼鈍を行い、磁性体粉末中の金属粒子内の結晶欠陥や残留ひずみを除去し、鉄損を低減させている。また、無機化合物(軽金属やケイ素、ホウ素の酸化物、窒化物又は炭化物)からなるスペーサ粒子を磁性体粉末に混入して磁性体粉末の粒子同士が直接接触しないようにし、その上で焼鈍を行うことで磁性体粉末の焼結を防止している。磁性体粉末が焼結してしまうと、絶縁皮膜を形成する前に、焼結した磁性体粉末をボールミルなどによって粉砕して粉末に戻す必要があり、この粉砕処理によって磁性体粉末粒子内に結晶欠陥や残留ひずみが発生し、このひずみによってヒステリシス損が増大する可能性がある為である。この構成においては、破砕処理を必要としないため、ヒステリシス損失のより小さい圧粉磁心を得ることができる。また、純鉄等の保持力の小さい(すなわち軟磁性の)材料を磁性体粉末中の金属材料とする軟磁性粉末を磁性体粉末として使用することによって、ヒステリシス損をより小さくすることができる。
しかしながら、この方法においては、圧粉磁心の成形を行う前にスペーサ粒子を除去する必要がある(スペーサ粒子は磁性体ではないため、スペーサ粒子を除去せずに製造した圧粉磁心は、除去したものと比べて飽和磁束密度や透磁率が大幅に低下する)。具体的には、磁石を用いて磁性体粉末からスペーサ粒子を除去している。このため、スペーサ粒子を除去する際に使用する磁石によって磁性体粉末が磁化してしまう可能性がある。磁性体粉末が磁化すると、磁性体粉末の粒子同士が磁力で吸引し合って流動性が低下し、加圧成形が困難になるという問題が生じてくる。
本発明は上記の問題を解決するためになされたものである。すなわち、本発明は、ヒステリシス損の小さい圧粉磁心が得られるとともに、その製造過程において磁性体粉末が磁化されることのない製造方法、及びヒステリシス損の小さい圧粉磁心を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明の製造方法は、鉄を主成分とする軟磁性粉末に有機−金属カップリング剤を混合させるカップリング剤混合処理と、カップリング剤が混合された軟磁性粉末を第1の温度で加熱する第1熱処理と、第1熱処理後に軟磁性粉末に無機絶縁体を被覆する絶縁被覆処理と、絶縁被覆処理後に軟磁性粉末を加圧成形して圧粉磁心を形成する成形処理と、成形処理後に圧粉磁心を第1の温度よりも低い第2の温度で加熱する第2熱処理とを含む。
このような構成とすると、カップリング剤によって軟磁性粉末粒子の表面に単層膜が形成され、この単層膜によって軟磁性粉末の焼結が妨げられる。従って、第1熱処理において十分に高い温度で軟磁性粉末を焼結させずに加熱することができるため、ヒステリシス損の低減が可能となる。また、カップリング剤は軟磁性粉末の表面に単層膜を形成するため、軟磁性粉末と混合するカップリング剤が微量であっても、軟磁性粉末の粒子表面がある程度単層膜で覆われて、焼結防止の効果が現れる。このように、混合するカップリング剤が微量であるため、飽和磁束密度や透磁率が十分に高い圧粉磁心を得ることができる。そして、磁石によってスペーサを除去する必要がないため、加圧成型前の軟磁性粉末が磁化されることもない。加圧成型前の軟磁性粉末を磁化させる必要が無いため、軟磁性粉末の加圧成形を容易に行うことができる。
第1の温度は800℃以上に設定することが好ましく、1000℃以下であればなお好ましい。
第1熱処理は非酸化雰囲気、特に還元雰囲気中で行われることが好ましい。還元雰囲気は、例えば窒素と水素からなる雰囲気である。
軟磁性粉末として、ガスアトマイズ法又は水ガスアトマイズ法によって形成されたものを使用することが好ましい。あるいは、水アトマイズ法によって得られた粉末に表面改質処理を行ってアスペクト比を改善したものを軟磁性粉末として使用しても良い。
カップリング剤混合処理においては、有機−金属カップリング剤の混合比が0.05重量%以上であることが好ましく、1重量%以下であればなお好ましい。
或いは、カップリング剤混合処理において、有機−金属カップリング剤による軟磁性粉末の被覆率が0.2以上となるように有機−金属カップリング剤の混合比を設定することが好ましい。この被覆率は0.3以上が特に好ましく、加えて1以下であることが好ましい。
有機−金属カップリング剤としては、シランカップリング剤を使用することが望ましい。
第2の温度は500℃以上に設定することが好ましい。
また、本発明の圧粉磁心は、表面にケイ素化合物の単層膜が形成された鉄を主成分とする軟磁性粉末に無機絶縁体を被覆し、これを加圧成形することによって形成されている。
軟磁性粉末としては、純鉄が適している。
無機絶縁体としては、シリコーン樹脂を使用することが好ましい。
ケイ素化合物の単層膜による軟磁性粉末の被覆率を0.2以上とすることが好ましく、0.3以上とすることが特に好ましい。また、ケイ素化合物の単層膜による軟磁性粉末の被覆率が1以下であることが好ましい。
本発明の製造方法においては、軟磁性粉末に有機−金属カップリング剤を混合させて軟磁性粉末粒子の表面に有機−金属カップリング剤の単層膜を形成させた後、軟磁性粉末を比較的高温の第1の温度で加熱(第1熱処理)して焼鈍を行っている。第1熱処理の際は、単層膜の作用によって、高い温度で軟磁性粉末を加熱しても軟磁性粉末は焼結しない。従って、第1熱処理において十分に高い温度で軟磁性粉末を加熱することができ、これによって、ヒステリシス損を低下させることが可能となる。また、カップリング剤は軟磁性粉末の表面に単層膜を形成するため、軟磁性粉末と混合するカップリング剤が微量であっても、軟磁性粉末の粒子表面はある程度単層膜で覆われ、焼結を防止できる。このように混合するカップリング剤を微量とすることができるため、飽和磁束密度や透磁率が十分に高い圧粉磁心を得ることができる。このため、加圧成型前の軟磁性粉末が磁化することはない。そして、加圧成型前の軟磁性粉末を磁化させる必要が無いため、軟磁性粉末の加圧成形を容易に行うことができる。
このように、本発明によれば、軟磁性粉末を磁化させることなくヒステリシス損の小さい圧粉磁心を製造可能な製造方法が実現される。また、飽和磁束密度や透磁率が十分に高く、且つヒステリシス損の小さい圧粉磁心が実現される。
以下、本発明の実施の形態につき、図面を用いて詳細に説明する。図1は、本実施形態による圧粉磁心の製造の手順を示すフローである。
圧粉磁心を製造するに当たり、まず原料である磁性体粉末を用意する(ステップS1)。本実施形態においては、保持力の小さい(すなわち軟磁性材料である)純鉄をガスアトマイズ法、水ガスアトマイズ法又は水アトマイズ法によって粉末化した軟磁性粉末が利用される。ガスアトマイズ法は、溶融した金属に高圧、高速で流れるガスを吹きつけて溶融金属のミスト化を行い、これを冷却させて金属粉末を生成するものであり、略球状の(すなわち、アスペクト比の分布が1付近に集中しており、且つ、表面が平滑に構成されている)粒子が得られる。
水ガスアトマイズ法は、溶融した金属に高圧、高速で流れるガスを吹きつけて溶融金属のミスト化を行い、これを水で急冷することよって金属粉末を生成するものである。例えば、水の入ったチャンバを高速で回転させて、遠心力によってチャンバ内壁に水の層を形成し、このチャンバ内で溶融金属のミスト化を行えば、ミスト化した溶融金属のスプレー流がチャンバ内壁の水の層に衝突して急冷される。この水ガスアトマイズ法によっても、略球状の粒子が得られる。
水アトマイズ法は、溶融した金属を高圧のウォータージェットで溶融金属のミスト化と冷却を同時に行うものであり、ガスアトマイズ法及び水ガスアトマイズ法で生成した粉末と比べて、粒子のアスペクト比の分布にバラツキはあるものの、安価に金属粉末を生成することができる。
なお、本実施形態においては、軟磁性粉末として純鉄を用いているが、例えば3〜6.5重量%のケイ素を含み且つ残部は鉄からなる組成のFe−Si合金(例えばケイ素を約3.5又は約6.5重量%含むFe−Si合金)、Fe−Si−Al合金であるセンダスト(典型的にはFe−9.5wt%Si−5.5wt%Al)、パーマロイなどの鉄を主成分とする合金の粉末を軟磁性粉末として使用しても良い。特に、Fe−Si合金は、センダストやパーマロイと比べて鉄の含有量が多いために最大磁束密度が大きく、純鉄と同様大電流下や強い静磁場下で使用されるコイルの磁心として利用されている。また、Fe−Si合金は純鉄よりも電気抵抗が大きいため、渦電流が発生しにくい。そのため、純鉄の金属粉末から作製された圧粉磁心は主に低周波環境で、Fe−Si合金の金属粉末から作製された圧粉磁心は主に高周波環境で使用される。
次いで、ステップS1で用意した金属粉末に、有機−金属カップリング剤としてのシランカップリング剤を混入する(ステップS2)。シランカップリング剤は、ケイ素原子に、アミノ基、エポキシ基、ビニル基等の有機官能基を含む有機鎖と、メトキシ基、エトキシ基、アセトキシ基等の加水分解性基とが結合した材料である。本実施形態においては、ケイ素に有機鎖としてのアミノプロピル基(CNH)と、3つのエトキシ基が結合したγ−アミノプロピルトリエトキシシランカップリング剤(HNCSi(OCHCH)を使用するが、他の種のシランカップリング剤、例えばエポキシ基を有機官能基として用いるタイプのシランカップリング剤を使用しても良い。
シランカップリング剤は、加水分解性基が空気中の水分によって加水分解してシラノール基(Si−OH)に変化することにより、シラノールとなる。このシラノール同士が、互いのシラノール基と脱水縮合してシロキサン結合を生成し、ポリシロキサンを形成するとともに、一部のシラノール基が金属表面の水酸基と脱水縮合して、金属粒子の表面に固定される。この結果、金属粉末粒子の表面には、外側に有機鎖を備えたポリシロキサン単層膜が形成される。シラノール基は、他のシラノール分子のシラノール基よりも、金属表面の水酸基と結合しやすいため、単層膜の厚さは、元々のシランカップリング剤の分子と同程度の、極めて薄いものとなる。
次いで、シランカップリング処理を行った軟磁性粉末を、還元雰囲気中で少なくとも800℃以上、好ましくは1000℃以下の温度で所定時間(例えば2時間)加熱する(第1熱処理、ステップS3)。還元雰囲気としては、例えば窒素95%と水素5%を混合したガスを用いる。なお、本実施形態においてはボックス炉で第1熱処理が行われるが、代わりにロータリーキルン炉を用いても良い。また、第1熱処理は、還元雰囲気のみならず、真空中又は不活性ガス雰囲気等、酸素等の酸化性ガスを含まない他の雰囲気(言い換えれば、非酸化雰囲気)で行っても良い。
この第1熱処理によって、軟磁性粉末内部に残留するひずみや応力の除去、結晶粒界等の欠陥の除去、結晶粒子の成長が起こる(焼鈍)。この結果、粉末粒子内での磁壁が移動しやすくなり、軟磁性粉末の保磁力を小さくすることができる。
本実施形態においては、ステップS2の処理にて金属粉末粒子表面にケイ素化合物の単層膜が形成される。従って、この状態で粉末を加熱しても、金属原子の拡散はほとんど起こらないため、金属粉末の焼結は起こらず、金属粉末は粉末状を保つ。
次いで、金属粉末にシリコーン樹脂である耐熱塗装用熱硬化型シリコーンレジンを1.0重量%混合し(ステップS4)、次いでこれを低温(200℃以下)で所定時間(例えば2時間)加熱乾燥する(ステップS5)。これによって、絶縁体であるケイ素樹脂が金属粉末粒子表面に被覆される。なお、ステップS2にて金属粉末粒子表面に形成された単層膜の有機官能基とシリコーン樹脂とは容易に結合するため、金属粉末にシランカップリング剤を形成しない場合と比較して、より確実に絶縁物質を被覆させることができる。
次いで、ステップS5で得られた粉末に潤滑剤(例えばステアリン酸リチウム)を添加混合して(ステップS6)、これを室温にて加圧成形する(ステップS7)ことによって、固形の磁心が得られる。金属粉末表面に絶縁体であるシリコーン樹脂が被覆されているため、作製された磁心は全体として絶縁性を有する。そして、形成された磁心を、磁心の絶縁破壊が起きない程度の温度で加熱する(第2熱処理)。これによって、第1熱処理以降の処理(ステップS4〜S7)で生じたひずみ、応力を除去することができる。なお、この第2熱処理でも、ある程度の焼鈍が起こって鉄損が改善される。従って、第2熱処理での加熱温度は高い方が好ましいが、シリコーン樹脂の熱による反応・分解が進行して絶縁皮膜の電気抵抗が低下すると、磁心の絶縁破壊が発生する。従って、第2熱処理の加熱温度は、シリコーン樹脂の反応の進行が磁心の絶縁破壊を引き起こさない範囲内で、できる限り高い温度とすることが望ましい。
以上の処理によって得られた圧粉磁心は、金属粉末にあらかじめシランカップリング剤を作用させることにより、高温で金属粉末を加熱しても金属粉末が焼結しないようになっている。また、金属粉末にシランカップリング剤を作用させることによって生ずる皮膜は熱安定性の優れた単層膜であり、また、前述のように極めて薄く金属粉末の体積に対して極めて微量であるため、金属粉末の密度に実質的に影響を与えることもなく、圧粉磁心の形成後にこの皮膜を除去する必要はない。このため、第1熱処理にて高温で金属粉末を加熱することが可能であり、従って焼鈍の効果を高めることができ、ヒステリシス損の小さい圧粉磁心が得られる。特に、センダストやパーマロイよりも鉄損が大きくなる傾向にある純鉄やFe−Si合金の金属粉末から作製された圧粉磁心においては、以上の処理によって鉄損を大きく減少させることができる。また、ヒステリシス損を小さくすることによって、磁心の直流重畳を向上させることができる。
なお、圧粉磁心の原材料である金属粉末は、平均粒子径が小さいほど渦電流損を小さくすることができる。また、比表面積が小さいほど、焼結防止に必要なシランカップリング剤の量が少なくなり、透磁率や飽和磁束密度の大きいコイルが得られる。従って、粒子径に対する比表面積の小さい、すなわち粒子が球状且つその表面が平滑であるような金属粉末(例えばガスアトマイズ法又は水ガスアトマイズ法によって作製されたもの)を圧粉磁心の原材料として使用することによって、透磁率や飽和磁束密度が大きく、且つ鉄損の小さいコイルが得られる。
また、ガスアトマイズ法又は水ガスアトマイズ法によって作製された金属粉末の代わりに、水アトマイズ法によって作製された金属粉末に表面改質処理を行って、アスペクト比を1に近づけ、且つ粒子表面を平滑にしたものを使用してもよい。表面改質処理としては、ボールと粉末とを衝突させるボールミルやビーズミル、粉末粒子同志を衝突させるジェットミル、高速回転するロータを粉末に衝突させる高速気流中衝撃法等がある。このように表面改質処理を行うことによって、ガスアトマイズ法又は水ガスアトマイズ法によって作製された粉末に近いものを、比較的安価に作製することができる。
以下、本実施形態の製造方法にて製造された圧粉磁心につき説明する。
[焼結の判定:ガスアトマイズ法]
ガスアトマイズ法で生成され、粒径が75μm以下となるよう分級した純鉄の粉末に、γ−アミノプロピルトリエトキシシランカップリング剤を混合し、乾燥後に還元雰囲気(窒素95%、水素5%)で2時間の第1熱処理を行い、焼結の程度を確認した。その結果を表1に示す。なお、表1および後述の表2、3において、記号○は「粉末状態を保つ」、△は「粉砕処理により粉末化可能(わずかに焼結)」、×は「粉末化不可(完全に焼結)」を示す。△の状態では、粉砕処理が必要であるものの、焼結の結合力は小さく、わずかな力を加えることによって粉末に戻る。この粉末に残留する応力やひずみは小さいので、この粉末からヒステリシス損の比較的小さい圧粉磁心を作製可能である。一方、×の状態では、粉末が完全に焼結してしまい、これを粉末に戻すには機械加工を行う必要がある。機械加工後の粉末には残留応力やひずみが多く含まれており、この粉末から作った圧粉磁心は、ヒステリシス損の大きいものとなる可能性が高い。
Figure 2009117484
表1に示されるように、シランカップリング剤を混合していない粉末は、750℃で粉末が完全に焼結してしまう。これに対して、シランカップリング剤を0.05重量%
混合した粉末は、750℃では粉砕処理により粉末化可能な状態となり、改善がみられる。さらに、シランカップリング剤の量を0.5重量%にした粉末は、第1熱処理の温度を1000℃としても粉末状態を保つことが確認された。
[焼結の判定:水ガスアトマイズ法]
水ガスアトマイズ法で生成され、粒径が75μm以下となるよう分級した純鉄の粉末に、γ−アミノプロピルトリエトキシシランカップリング剤を混合し、乾燥後に還元雰囲気(窒素95%、水素5%)で2時間の第1熱処理を行い、焼結の程度を確認した。その結果を表2に示す。
Figure 2009117484
表2に示されるように、シランカップリング剤を混合していない粉末は、800℃で粉末が完全に焼結してしまう。これに対して、シランカップリング剤を0.05重量%
混合した粉末は、800℃では粉砕処理により粉末化可能な状態となり、改善がみられる。さらに、シランカップリング剤の量を0.5重量%にした粉末は、第1熱処理の温度を1000℃としても粉末状態を保つことが確認された。
[焼結の判定:水アトマイズ法]
水アトマイズ法で生成され、粒径が75μm以下となるよう分級した純鉄の粉末に、γ−アミノプロピルトリエトキシシランカップリング剤を混合し、乾燥後に還元雰囲気(窒素95%、水素5%)で2時間の第1熱処理を行い、焼結の程度を確認した。その結果を表3に示す。
Figure 2009117484
表3に示されるように、シランカップリング剤を混合していない粉末は、850℃で粉末が完全に焼結してしまう。これに対して、シランカップリング剤を0.1重量%混合した粉末は、800℃では粉砕処理により粉末化可能な状態となり、改善がみられる。さらに、シランカップリング剤の量を1.0重量%にした粉末は、第1熱処理の温度を1000℃としても粉末状態を保つことが確認された。
[第1熱処理の温度と鉄損の比較]
ガスアトマイズ法で生成され、粒径が75μm以下となるよう分級した純鉄の粉末に、γ−アミノプロピルトリエトキシシランカップリング剤を0.5重量%混合し、乾燥後に還元雰囲気(窒素95%、水素5%)で750℃(実施例1)、800℃(実施例2)、850℃(実施例3)、900℃(実施例4)、1000℃(実施例5)で2時間の第1熱処理を行った。次いで、これらの試料に対して、耐熱塗装用熱硬化型シリコーンレジンを1.0重量%混合し、180℃で2時間の加熱乾燥を行い、さらに潤滑剤としてのステアリン酸リチウムを添加して混合した。これを、室温にて10ton/cmの圧力で加圧成形し、外径16mm、内径8mm、高さ7mmのリング状の圧粉磁心を作製した。さらに、この圧粉磁心を窒素雰囲気中にて600℃で30分間の第2熱処理を行った。また、比較例1として、シランカップリング剤の混合及び第1熱処理を行わずに作製した圧粉磁心を用意した。
これらの実施例1〜5及び比較例1の圧粉磁心に1次巻線を施し、インピーダンスアナライザ(アジレントテクノロジー:4294A)を用いて、10kHz、0.5Vでの1次巻線のインダクタンスLを計測した。さらに、下記の数1によって透磁率μを求めた。
Figure 2009117484
なお、数1において、l及びAは夫々磁心の実効磁路長及び実効断面積であり、共に磁心の外径r、内径r、高さhから下記の数2にて算出される。また、Nは1次巻線の巻数である。
Figure 2009117484
また、圧粉磁心に1次及び2次巻線を施し、BHアナライザ(岩通:SY−8232)を用いて、最大磁束密度Bm=0.1Tの条件下で鉄損Pcを測定した。ところで、ヒステリシス損Phは周波数fに比例し、渦電流損Peは周波数fの2乗に比例することが知られており、次の数3の関係が成立する。
Figure 2009117484
なお、数3中のKhはヒステリシス損係数、Keは渦電流損係数である。数3を用いて、鉄損Pcの測定値からヒステリシス損Ph及び渦電流損Peを算出した。具体的には、10kHz前後の複数の周波数fで鉄損Pcを測定し、数3の式が成立するような定数Kh、Keを最小自乗法で求めることによって、f=10kHzの時のヒステリシス損Ph及び渦電流損Peを算出した。以上の手順で求めた透磁率μ及び鉄損Wの計測結果を表4に示す。
Figure 2009117484
なお、表4に示されるように、実施例1〜5のいずれにおいても比較例1と比べて透磁率の向上と鉄損(主にヒステリシス損)の低下がみられ、交流回路で利用されるコイルにより適した性能を有するものとなっていることが判る。特に、第1熱処理の加熱温度を800℃〜900℃とすると、ヒステリシス損が大幅に低下することが確認された。
[シランカップリング剤の量の影響]
ガスアトマイズ法で生成され、粒径が75μm以下となるよう分級した純鉄の粉末に、γ−アミノプロピルトリエトキシシランカップリング剤を0.1重量%(実施例6)、0.2重量%(実施例7)、0.3重量%(実施例8)、0.5重量%(実施例9)、1.0重量%(実施例10)混合し、乾燥後に還元雰囲気(窒素95%、水素5%)にて800℃で2時間の第1熱処理を行った。次いで、これらの試料に対して、耐熱塗装用熱硬化型シリコーンレジンを1.0重量%混合し、180℃で2時間の加熱乾燥を行い、さらに潤滑剤としてのステアリン酸リチウムを添加して混合した。これを、室温にて10ton/cmの圧力で加圧成形し、外径16mm、内径8mm、高さ7mmのリング状の圧粉磁心を作製した。さらに、この圧粉磁心を窒素雰囲気中にて500℃で30分間の第2熱処理を行った。また、比較例2として、シランカップリング剤の混合及び第1熱処理を行わずに作製した圧粉磁心を用意した。
これらの実施例6〜10及び比較例2の圧粉磁心に1次巻線を施し、インピーダンスアナライザを用いて10kHz、0.5Vでの1次巻線のインダクタンスLを計測した。さらに、数1によって透磁率μを求めた。また、この圧粉磁心に1次及び2次巻線を施し、BHアナライザを用いて周波数f=10kHz、最大磁束密度Bm=0.1Tの条件下で鉄損Pcを測定した。さらに、鉄損Pcの測定結果から前述の計算によりヒステリシス損Ph及び渦電流損Peを求めた。これらの計測結果を表5に示す。
Figure 2009117484
表5に示されるように、実施例6〜10のいずれにおいても、比較例2と比べて透磁率の向上と鉄損(主にヒステリシス損)の低下がみられ、交流回路で利用されるコイルにより適した性能を有するものとなっていることが判る。ただし、実施例6においては、第1熱処理後に粉砕処理を行っており(表1参照)、多少鉄損が大きくなっている。また、表5中の「被覆率」とは、金属粉末の全表面積中、どの程度がシランカップリング剤による単層膜で覆われているかを示す指標であり、下記の数4によって定義される。
Figure 2009117484
なお、上記の数4において、「被表面積」とは、金属粉末(実施例においては純鉄の粉末)の表面積を質量で割った値である。より具体的には、金属粉末の平均粒子表面積aに粒子数nを掛け、これを粉末全体の質量Mで割った値である。ここで、粒子数nは粉末全体の嵩Voを平均粒子体積voで割った値である。平均粒子表面積a及び平均粒子体積voは、夫々平均粒子径dを用いて数5によって演算される。
Figure 2009117484
従って、比表面積は、以下の数6で求められる。なお、数6におけるρは、金属粉末の見かけの嵩密度である。
Figure 2009117484
表1及び表5から解るように、シランカップリング剤を0.2重量%以上混合した、すなわち被覆率が0.22以上の時に、金属粉末の焼結(凝固)は起こらず、鉄損は小さくなる。また、表4の結果を考慮すると、シランカップリング剤を0.3重量%以上混合した、すなわち被覆率が0.34以上の時は、900℃で第1熱処理を行っても焼結が起こらず、鉄損をさらに小さくすることが可能となることが判る。
なお、被覆率が1以上である時は、金属粉末を直接被覆しないシランカップリング剤があるということを意味する。このようなシランカップリング剤は磁心の性能向上に寄与しない不純物であり、寧ろ圧粉磁心の性能を低下させる可能性がある。従って、被覆率は1以下であることが望ましい。
また、表4及び5から、第2熱処理の温度は500℃よりも600℃にした方が、ヒステリシス損をより低減可能であることが判る。
[水アトマイズ法で作製した金属粉末の表面改質処理]
水アトマイズ法で作製した後、高速気流中衝撃法による表面改質処理を行ってアスペクト比を改善(平均アスペクト比:1.1)し、且つ粒径が106μm以下となるよう分級した純鉄の粉末に、γ−アミノプロピルトリエトキシシランカップリング剤を混合し、乾燥後に還元雰囲気(窒素95%、水素5%)で2時間の第1熱処理を行い、焼結の程度を確認した。その結果を表6に示す。
Figure 2009117484
表6を表3と比較すると、アスペクト比の改善により、凝固が起こらない温度をより高くすることができることが判る。
また、水アトマイズ法で作製し、粒径が106μm以下となるよう分級した純鉄の粉末に、γ−アミノプロピルトリエトキシシランカップリング剤を1.0重量%混合し、乾燥後に還元雰囲気(窒素95%、水素5%)にて900℃で2時間の第1熱処理を行った。次いで、これらの試料に対して、耐熱塗装用熱硬化型シリコーンレジンを1.0重量%混合し、180℃で2時間の加熱乾燥を行い、さらに潤滑剤としてのステアリン酸リチウムを添加して混合した。これを、室温にて10ton/cmの圧力で加圧成形し、外径16mm、内径8mm、高さ7mmのリング状の圧粉磁心を作製した。さらに、この圧粉磁心を窒素雰囲気中にて500℃で30分間の第2熱処理を行った。なお、比較例3〜6は、シランカップリング剤の混合及び第1熱処理を行わずに作製した圧粉磁心である。
ここで、実施例11及び比較例3はアスペクト比の改善を行っていないものであり(平均アスペクト比:1.8)、実施例12及び比較例4は平均アスペクト比を1.4としたもの、実施例13及び比較例5は平均アスペクト比を1.2としたもの、実施例14及び比較例6は平均アスペクト比を1.1としたものである。
これらの実施例11〜14及び比較例3〜6の圧粉磁心に1次巻線を施し、インピーダンスアナライザを用いて10kHz、0.5Vでの1次巻線のインダクタンスLを計測した。さらに、数1によって透磁率μを求めた。また、この圧粉磁心に1次及び2次巻線を施し、BHアナライザを用いて周波数f=10kHz、最大磁束密度Bm=0.1Tの条件下で鉄損Pcを測定した。さらに、鉄損Pcの測定結果から前述の計算によりヒステリシス損Ph及び渦電流損Peを求めた。これらの計測結果を表7に示す。
Figure 2009117484
表7に示されるように、シランカップリング剤で処理した実施例11〜14は、対応する比較例3〜6と比べて鉄損、特にヒステリシス損の減少が確認された。
また、水アトマイズ法で作製し、粒径が106μm以下となるよう分級した純鉄の粉末に、γ−アミノプロピルトリエトキシシランカップリング剤を0.5重量%(実施例15、17、19)又は1.0重量%(実施例16、18、20)混合し、乾燥後に還元雰囲気(窒素95%、水素5%)にて900℃で2時間の第1熱処理を行った。次いで、これらの試料に対して、耐熱塗装用熱硬化型シリコーンレジンを1.0重量%混合し、180℃で2時間の加熱乾燥を行い、さらに潤滑剤としてのステアリン酸リチウムを添加して混合した。これを、室温にて10ton/cmの圧力で加圧成形し、外径16mm、内径8mm、高さ7mmのリング状の圧粉磁心を作製した。さらに、この圧粉磁心を窒素雰囲気中にて600℃で30分間の第2熱処理を行った。
ここで、実施例15及び16は平均アスペクト比を1.4としたもの、実施例17及び18は平均アスペクト比を1.2としたもの、実施例19及び20は平均アスペクト比を1.1としたものである。
これらの実施例15〜20の圧粉磁心に1次巻線を施し、インピーダンスアナライザを用いて10kHz、0.5VでのインダクタンスLを測定した。さらに、数1により透磁率μを求めた。また、圧粉磁心に1次及び2次巻線を施し、BHアナライザを用いて周波数f=10kHz、最大磁束密度Bm=0.1Tの条件下で鉄損Pcを測定した。さらに、鉄損Pcの測定結果から前述の計算によりヒステリシス損Ph及び渦電流損Peを求めた。これらの計測結果を表8に示す。
Figure 2009117484
表8に示されるように、シランカップリング剤を1.0重量%混合した実施例16、18、20は、シランカップリング剤を0.5重量%混合した実施例15、17、19と比べて鉄損、特に渦電流損の減少が確認された。また、表7と表8とを比較すると、第2熱処理を600℃で行うことにより、ヒステリシス損が減少することが判る。
[アスペクト比改善粉末の直流重畳特性]
実施例14及び比較例としての実施例11の直流重畳特性を示すグラフを図2に示す。図2のグラフは、縦軸に比透磁率、横軸に直流バイアス磁界を取ったグラフである。なお、図2における比透磁率μr/μrは、直流バイアス磁界H(A/m)における比透磁率μrを直流バイアス磁界が0である時の比透磁率μrで無次元化された値である。図2に示されるように、アスペクト比を改善した実施例14は、実施例11と比べて、直流バイアス磁界を大きくしても比透磁率が低下しにくくなっており、直流重畳特性に優れている。
本発明の実施の形態において、圧粉磁心を製造する手順を示すフローである。 実施例において、水アトマイズ法によって生成された金属粉末のアスペクト比改善による、直流重畳特性を示したグラフである。

Claims (21)

  1. 鉄を主成分とする軟磁性粉末に有機−金属カップリング剤を混合させるカップリング剤混合処理と、
    前記カップリング剤混合処理をした軟磁性粉末を第1の温度で加熱する第1熱処理と、
    前記第1熱処理後の軟磁性粉末に無機絶縁体を被覆する絶縁被覆処理と、
    前記絶縁被覆処理後の軟磁性粉末を加圧成形して圧粉磁心を形成する成形処理と、
    前記成形処理後の圧粉磁心を前記第1の温度よりも低い第2の温度で加熱する第2熱処理と、
    を含む、圧粉磁心の製造方法。
  2. 前記第1の温度が800℃以上であること、を特徴とする請求項1に記載の圧粉磁心の製造方法。
  3. 前記第1の温度が1000℃以下であること、を特徴とする請求項2に記載の圧粉磁心の製造方法。
  4. 前記第1熱処理が非酸化雰囲気中で行われること、を特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の圧粉磁心の製造方法。
  5. 前記非酸化雰囲気が還元雰囲気であること、を特徴とする請求項4に記載の圧粉磁心の製造方法。
  6. 前記還元雰囲気が窒素と水素からなる雰囲気であること、を特徴とする請求項5に記載の圧粉磁心の製造方法。
  7. 前記軟磁性粉末がガスアトマイズ法又は水ガスアトマイズ法によって形成されていること、を特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載の圧粉磁心の製造方法。
  8. 前記軟磁性粉末が、水アトマイズ法によって得られた粉末にアスペクト比を改善する表面改質処理を施すことによって形成されていること、を特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載の圧粉磁心の製造方法。
  9. 前記カップリング剤混合処理において、前記有機−金属カップリング剤の混合比が0.05重量%以上であること、を特徴とする請求項1から請求項8のいずれかに記載の圧粉磁心の製造方法。
  10. 前記カップリング剤混合処理において、前記有機−金属カップリング剤の混合比が1重量%以下であること、を特徴とする請求項1から請求項9のいずれかに記載の圧粉磁心の製造方法。
  11. 前記カップリング剤混合処理において、前記有機−金属カップリング剤による前記軟磁性粉末の被覆率が0.2以上となるように該有機−金属カップリング剤の混合比が設定されること、を特徴とする請求項1から請求項8のいずれかに記載の圧粉磁心の製造方法。
  12. 前記カップリング剤混合処理において、前記有機−金属カップリング剤による前記軟磁性粉末の被覆率が0.3以上となるように該有機−金属カップリング剤の混合比が設定されること、を特徴とする請求項11に記載の圧粉磁心の製造方法。
  13. 前記カップリング剤混合処理において、前記有機−金属カップリング剤による前記軟磁性粉末の被覆率が1以下となるように該有機−金属カップリング剤の混合比が設定されること、を特徴とする請求項11または請求項12に記載の圧粉磁心の製造方法。
  14. 前記有機−金属カップリング剤がシランカップリング剤であること、を特徴とする請求項1から請求項13のいずれかに記載の圧粉磁心の製造方法。
  15. 前記第2の温度が500℃以上であること、を特徴とする請求項1から請求項14のいずれかに記載の圧粉磁心の製造方法。
  16. 表面にケイ素化合物の単層膜が形成された鉄を主成分とする軟磁性粉末に無機絶縁体を被覆し、これを加圧成形することによって形成された圧粉磁心。
  17. 前記軟磁性粉末が純鉄からなること、を特徴とする請求項16に記載の圧粉磁心。
  18. 前記無機絶縁体がシリコーン樹脂からなること、を特徴とする請求項16又は17に記載の圧粉磁心。
  19. 前記ケイ素化合物の単層膜による軟磁性粉末の被覆率が0.2以上であること、を特徴とする請求項16から請求項18のいずれかに記載の圧粉磁心。
  20. 前記ケイ素化合物の単層膜による軟磁性粉末の被覆率が0.3以上であること、を特徴とする請求項19に記載の圧粉磁心。
  21. 前記ケイ素化合物の単層膜による軟磁性粉末の被覆率が1以下であること、を特徴とする請求項16から請求項20のいずれかに記載の圧粉磁心。
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