JP5703749B2 - 圧粉コア - Google Patents

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Description

本発明は、圧粉コアに関する。
従来、モータ、ジェネレータ、リアクトル、インダクタ等の電磁気デバイスに備えられる磁芯として、圧粉コア(圧粉磁芯)が用いられている。とりわけ、軟磁性粉末を絶縁処理した後に圧縮成形することにより得られる圧粉コアは、例えばフェライト磁芯に比して、大電流下においても高透磁率を保つことが可能であり、また、数kH以上の高周波領域においても低損失であるという利点を有するため、小型化或いは高周波化が求められる用途において実用化が進んでいる。
この種の圧粉コアにおいては、近年の著しい小型化或いは高周波化の要求にともない、或いは、発熱による温度上昇及びこれにともなう熱暴走等を防止するために、コアロスが低いことが求められる。
コアロスの低い軟磁性材料として、Fe−Si系合金粉末、Fe−Ni系合金粉末、Fe−Si−Al系合金粉末等が知られており、とりわけ、Fe−Si−Al系合金粉末の一種であるセンダストは、透磁率が高くコアロスが小さいため、注目されている。しかしながら、このような合金粉末は、成形性が悪く、高密度化が困難なため、これを圧縮成形して得られる圧粉コアは、磁束密度が比較的に低いという問題があり、改善が求められている。一方、磁束密度が高い軟磁性材料としては、表面にリン酸被膜を形成した純鉄粉末が知られている。
ここで、圧粉コアのコアロスは、一般的に、渦電流損失とヒステリシス損失との和で表される。とりわけ、渦電流損失は周波数の2乗に比例して大きくなる傾向にあるため、高周波域で使用する圧粉コアにおいては、渦電流損失が小さいことが必要とされる。そのため、圧粉コアの渦電流損失を低減するために、軟磁性粉末間の絶縁性が高いこと、及び、圧粉コアの電気抵抗(コア抵抗)が高いことが重要となる。また、成形体の圧縮成形時に生じる圧縮歪みがヒステリシス損失の増加に寄与しているため、圧粉コアを熱処理(アニール処理)する等して圧縮歪みを解放することも重要となる。
このような設計思想の圧粉コアとして、特許文献1には、表面にリン酸被膜を形成した純鉄粉末を必要に応じてシリコーン樹脂等の熱硬化性樹脂とともに圧縮成形した後、得られた成形体を空気中で350〜550℃の熱処理を施すことにより作製された圧粉コアが記載されている。しかしながら、この技術では、合金粉末に比してヒステリシス損失が大きい純鉄粉末を用いている。しかも、この技術では、純鉄粉末の表面に耐熱性が低いリン酸被膜が形成されており、高温で熱処理を行うと粒子間の絶縁が破壊されて渦電流損失が増加してしまうため、熱処理温度を350〜550℃とする必要がある。そのため、コアロスの低減が不十分であった。
これらの問題を解決するため、合金粉末と純鉄粉末との併用が検討されている。例えば、特許文献2には、Fe−3Si合金粉末と3〜10wt%の純鉄粉末との混合物を加圧成形した後、得られた成形体を焼成することにより作製された圧粉コアが記載されている。また、特許文献3には、合金粉末と絶縁被膜が形成された純鉄粉末等の高圧縮性軟磁性粒子との混合物を加圧成形した後、得られた成形体を絶縁被膜の熱分解温度未満であって300℃以上の温度で熱処理することにより作製された圧粉コアが記載されている。
特許第3851655号 特開2010−153638号公報 特開2006−135164号公報
しかしながら、上記特許文献2に記載の技術では、純鉄粉末の含有量が少ないため、磁束密度の向上効果が乏しい。また、上記特許文献3に記載の技術では、依然として、絶縁被膜の熱分解温度未満の比較的に低温で熱処理を行っているため、コアロスの低減が不十分であった。
本発明は、かかる実情に鑑みて為されたものであり、その目的は、コアロスが低く、且つ、磁束密度が高い、圧粉コアを提供することにある。
本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、所定量の純鉄粉末を含む特定の配合組成の混合物を用い、これを比較的に高温で熱処理することにより、コアロスが十分に低減され、且つ、磁束密度が十分に高められた圧粉コアが得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の圧粉コアは、軟磁性粉末としてFe,Si,Alを少なくとも含有する合金粉末とビッカース硬さが該合金粉末の1/3以下である純鉄粉末とを含む混合物をコア形状に成形加工して得られる成形体を熱処理してなり、該純鉄粉末の占有体積率が10〜32vol%である、ものである。なお、本明細書において、純鉄粉末の占有体積率(vol%)とは、純鉄粉末の体積を、合金粉末の体積と純鉄粉末の体積と空孔の体積との和で除した値を意味する。この純鉄粉末の占有体積率は、以下に示すとおり、合金粉末及び純鉄粉末の混合重量比と圧粉コアの測定密度とから算出したものとする。すなわち、まず、合金粉末及び純鉄粉末の真密度と混合重量比から、合金粉末及び純鉄粉末の理論密度を計算し、これらの理論密度と成形体の測定密度から相対密度を計算して、空孔の体積を算出する。次に、合金粉末及び純鉄粉末の真密度から、合金粉末及び純鉄粉末の混合重量比を、混合体積比に換算する。次いで、相対密度と混合体積比から、合金粉末及び純鉄粉末の体積を算出する。そして、得られた合金粉末及び純鉄粉末の体積と空孔の体積から、純鉄粉末の占有体積率を算出する。
本発明者らが、上記の圧粉コアの特性を測定したところ、その圧粉コアは、従来のものに比して、コアロスが十分に低減され、且つ、磁束密度が十分に高められたものであることが判明した。かかる効果が奏される作用機構の詳細は、未だ明らかではないものの、例えば、以下のとおり推定される。
すなわち、本発明者らの知見によれば、合金粉末と純鉄粉末とを含有する混合物(圧粉コアの原料粉末)において、両粉末のビッカース硬さの相対関係に着目してFe−Si−Al系合金粉末と純鉄粉末とを選択することにより、従来技術に比して純鉄粉末の配合割合が高い混合物が得られることが見出された。そして、この純鉄粉末が高配合された混合物を用いることによって、磁束密度が十分に高められる。また、上記構成の混合物においては、ビッカース硬さが比較的に低い純鉄粉末がFe−Si−Al系合金粉末の周囲に分散し、加圧成形時の流動性を向上させるので、得られる圧粉コアの高密度化が図られるとともに成形性が高められる。そしてさらに、ビッカース硬さの高いFe−Si−Al系合金粉末でビッカース硬さの低い純鉄粉末を分断し、純鉄粉末同士の接触を回避できるため、この配合組成の混合物を従来技術に対して比較的に高温で熱処理した際には、絶縁破壊が抑制されるので、コア抵抗が比較的高く維持されるとともに、コアロスが十分に低減される。これらの作用が相まった結果、本発明の圧粉コアは、従来のものに比して、コアロスが十分に低減され、且つ、磁束密度が十分に高められたものと推察される。但し、作用は、これらに限定されない。
なお、本発明の如く、純鉄粉末の配合割合が高められた混合物を比較的に高温で熱処理する技術思想は、意外なことに、当業界において従来から一貫して排除されている。すなわち、特許文献2の技術においては、ビッカース硬さがFe−Si−Al系合金粉末に比べて低いFe−3Si(ビッカース硬さ 150程度)を用いており、純鉄粉末の配合割合を高めることができないので、当業者は、純鉄粉末を高配合する技術思想を想到し得ない。また、特許文献3においては、純鉄粉末を用いる場合には絶縁被膜の熱分解によって渦電流損失が増大することを抑止するために高温で熱処理することは制限されるとの当業界の従来の技術常識に拘泥したものとなっているので、当業者は、絶縁被膜の熱分解温度以上の熱処理を想到し得ない。それ故、本発明は、本発明者らが発想を転換して熟考を重ねた結果、到達したものであり、当業界の従来の技術常識を打破した、本発明者らの新たな技術思想に基づくものであることが理解される。
上記において、前記圧粉コアは、前記合金粉末と前記純鉄粉末と潤滑剤とを含む混合物をコア形状に成形加工して得られる前記成形体を600〜900℃の非酸化性雰囲気下で熱処理することにより得られるものであることが好ましい。かかる製法によれば、コアロスが十分に低減され、且つ、磁束密度が十分に高められた圧粉コアが、再現性よく簡易且つ低コストで実現され得る。
また、前記潤滑剤は、金属石鹸であることがより好ましい。かかる金属石鹸は、加圧成形時に合金粉末及び純鉄粉末の周囲に均一な被膜を形成し易く、また、絶縁性にも優れるので、上記の圧粉コアにおいて好適に用いることができる。
ここで、前記合金粉末は、以下の組成:9.0≦Si≦10.5(wt%)、5.0≦Al≦6.5(wt%)、残部がFe、を有することが好ましい。このような組成を有するFe−Si−Al系合金は、所謂センダストを呼ばれるものであり、ビッカース強度が500程度であり、透磁率が高く、且つ、コアロスが小さい。そのため、これを用いることにより、得られる圧粉コアのコアロスが十分に低減され得る。しかも、所謂センダストは、比較的に低コストで入手可能であるため、得られる圧粉コアの経済性が高められ得る。
一方、前記純鉄粉末は、99%以上のFeを含有するものであることが好ましい。このような組成を有する純鉄は、ビッカース強度が100程度であり、磁束密度が高い。そのため、これを用いることにより、得られる圧粉コアの磁束密度が十分に高められ得る。しかも、99%以上のFeを含有する純鉄粉末は、所謂合金粉末に比して極めて安価に得ることができるので、これを採用することにより、得られる圧粉コアの経済性が高められ得る。
そして、上記の圧粉コアは、密度が5.3g/cm3以上であるとより好適である。また、上記の圧粉コアは、コア抵抗が200mΩ以上であるとより好適である。
本発明によれば、コアロスが低く、且つ、磁束密度が高い、高性能な圧粉コアが実現される。
実施形態の圧粉コアを製造する手順の一例を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施の形態について説明する。なお、以下の実施の形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明はその実施の形態のみに限定されるものではない。
本実施形態の圧粉コアは、軟磁性粉末としてFe,Si,Alを少なくとも含有する合金粉末とビッカース硬さが合金粉末の1/3以下である純鉄粉末とを含む混合物をコア形状に成形加工して得られる成形体を熱処理してなり、純鉄粉末の占有体積率が10〜32vol%であることを特徴とする。
合金粉末は、Fe、Si、及びAlを少なくとも含有するものであれば、特に限定されない。Fe、Si、及びAlを少なくとも含有するFe−Si−Al系合金粉末は、当業界において、市販品として容易に入手可能であり、また、公知の方法により製造することができる。例えば、ガスアトマイズ法、水アトマイズ法、回転アトマイズ法等の公知の製法を用いて、任意の組成及び任意の粒径のFe−Si−Al系合金粉末を得ることができる。なお、Fe−Si−Al系合金粉末は、単一の粒子(一次粒子)であっても、複数の粒子(コア片)が凝集或いは結合したもの(二次粒子)であっても構わない。
上記のFe−Si−Al系合金粉末は、以下の組成:9.0≦Si≦10.5(wt%)、5.0≦Al≦6.5(wt%)、残部がFe、を有することが好ましい。かかる組成のFe−Si−Al系合金粉末は、所謂センダストと呼ばれ、ビッカース強度が500程度であり、透磁率が高く且つコアロスが小さいので、本実施形態において特に有用である。ここで、Siの含有量は、9.2〜10.2wt%であることがより好ましく、9.4〜9.9wt%であることがさらに好ましい。また、Alの含有量は、5.1〜6.3wt%であることがより好ましく、5.3〜5.8wt%であることがさらに好ましい。
Fe−Si−Al系合金粉末は、任意の添加元素として或いは不可避不純物として、例えば、P、Co、Ni、Cr、Mo、Mn、Cu、Sn、Zn、B,V、Sn等を含有していてもよい。
Fe−Si−Al系合金粉末の粒径は、所望の性能に応じて適宜設定すればよく、特に限定されない。Fe−Si−Al系合金粉末の粒径は、形成される圧粉コアの密度及び透磁率に影響を与え、粒径が大きいと温間成形時の圧力により変形して、密度が上がりやすい傾向にある。そのため、Fe−Si−Al系合金粉末は、平均粒径が10〜100μmであることが好ましく、より好ましくは30〜90μm、さらに好ましくは40〜80μmである。なお、ここでいう平均粒径とは、体積基準による累積分布でのメジアン径(D50%粒子径)を意味する。平均粒径は、乾式のレーザー回折散乱式の粒子径分布測定装置、例えば、レーザー回折式乾式粒度測定装置(Sympatec社製、HELOSシステムによって測定することができる。
Fe−Si−Al系合金粉末の比表面積は、所望の性能に応じて適宜設定すればよく、特に限定されない。Fe−Si−Al系合金粉末の比表面積は、0.05〜1.0m2/gであることが好ましく、より好ましくは0.08〜0.4m2/g、さらに好ましくは0.1〜0.2m2/gである。なお、ここでいう比表面積は、例えば、全自動比表面積計(MOUNTECH社製、Macsorb model−1201)により測定することができる。
Fe−Si−Al系合金粉末のアスペクト比は、所望の性能に応じて適宜設定すればよく、特に限定されない。Fe−Si−Al系合金粉末のアスペクト比は、1〜3.5であることが好ましく、より好ましくは1〜3であり、さらに好ましくは1〜2.5である。なお、ここでいうアスペクト比は、Fe−Si−Al系合金粉末の投影面積に相当する円の直径を粒子の厚さで割った値を意味し、本明細書では、100個の金属軟磁性粉末の測定値の平均値とする。アスペクト比は、例えば、圧粉コアの断面を研磨し、その研磨面をSEMによって観察することで得られた画像により測定することができる。
純鉄粉末は、鉄(純鉄および不可避的不純物を含む鉄が含まれる。)を主成分とする鉄基粉(粒子、粉末)である。このような純鉄粉末の具体例としては、例えば、鉄のみ、鉄に他の元素(例えば、Si、P、Co、Ni、Cr、Al、Mo、Mn、Cu、Sn、Zn、B,V、Snなど)を少量添加した組成物、パーマロイ等が挙げられるが、これらに特に限定されない。これらは、1種のみを単独で、或いは2種以上を組み合わせて、用いることができる。
純鉄粉末は、鉄を99wt%以上含むものであることが好ましい。鉄を99wt%以上含む純鉄粉末は、上記従来のFe−Al−Si系合金粉末やFe−Si系合金粉末などの純度99%未満の鉄系の粉末に比して、粒子のビッカース硬さが低く、成形性に優れる傾向にある。とりわけ、0.5wt%以下のP、0.1wt%以下のMn、0.03wt%以下のAl、V、Cu、As、Mo、残部がFeの組成を有するものが、より好ましい。
純鉄粉末の粒径は、所望の性能に応じて適宜設定すればよく、特に限定されない。純鉄粉末の粒径は、形成される圧粉コアの密度及び磁束密度に影響を与え、粒径が大きいと加圧成形時の圧力により変形し、密度が上がりやすい傾向にある。そのため、純鉄粉末の平均粒径は、1〜60μmであることが好ましく、より好ましくは10〜58μm、さらに好ましくは20〜55μmである。なお、ここでいう平均粒径とは、体積基準による累積分布でのメジアン径(D50%粒子径)を意味する。平均粒径は、乾式のレーザー回折散乱式の粒子径分布測定装置、例えば、レーザー回折式乾式粒度測定装置(Sympatec社製、HELOSシステムによって測定することができる。
純鉄粉末は、公知の方法により製造することができ、その製法は特に限定されない。例えば、鉱石還元法、メカニカルアロイ法、ガスアトマイズ法、水アトマイズ法、回転アトマイズ法、鋳造粉砕法等の公知の製法を用いて、任意の組成及び任意の粒径の純鉄粉末を得ることができる。
純鉄粉末は、その表面に絶縁膜を有することが好ましく、純鉄の粒子の外周に絶縁膜を備えたコアシェル構造を有することがより好ましい。純鉄粉末に形成する絶縁膜は、純鉄粉末の表面に絶縁性を付与するものであれば特に限定されない。このような絶縁膜を構成する材料の具体例としては、例えば、リン酸鉄、ホウ酸鉄、硫酸鉄、硝酸鉄、酢酸鉄、炭酸鉄、シリカ、チタニア、ジルコニア、マグネシア、アルミナ、酸化クロム、酸化亜鉛等の無機化合物が挙げられる。これらは、1種のみを単独で、或いは2種以上を組み合わせて、用いることができる。耐熱性の観点から、好ましい絶縁膜としては、リン酸鉄、シリカ、チタニア、ジルコニア、マグネシア、アルミナ、酸化クロム、酸化亜鉛等であり、より好ましくはリン酸鉄である。リン酸処理などにより形成されるリン酸鉄は、強磁性を有しないため磁気的な悪影響が小さく、また化合物として安定であることから防錆効果も期待することができる。絶縁膜の形成方法は、公知の方法を採用することができ、特に限定されない。例えば、リン酸及び/又はリン酸塩を含有する水溶液(例えば、オルトリン酸(H3PO4)の80〜90%水溶液等)を用いて純鉄粉末を処理してリン酸被膜を形成した後に自然乾燥する或いはホットプレート等により70℃程度で乾燥する方法が例示される。なお、純鉄粉末の表面に絶縁膜が形成された複合磁性粒子は、市販品として容易に入手可能である。
純鉄粉末の絶縁膜の厚みは、特に限定されないが、0.001〜30μm程度であることが好ましい。かかる範囲内にすることで、目的とする絶縁性を担保し易く、また、得られる圧粉コアのコア抵抗及び透磁率を高めることができる。
本実施形態の圧粉コアは、Fe−Si−Al系合金粉末及び純鉄粉末を含む混合物をコア形状に成形加工し、得られた成形体を熱処理することにより作製することができる。
ここで、上記の混合物において、ビッカース硬さが高いFe−Si−Al系合金粉末に対して純鉄粉末を比較的に多量に配合するためには、純鉄粉末のビッカース硬さが、Fe−Si−Al系合金粉末のビッカース硬さに対して、1/3以下であることが必要とされる。このような相対関係にあるFe−Si−Al系合金粉末と純鉄粉末を選択して使用することにより、従来技術に比して純鉄粉末の配合割合が高い混合物が得られること、及び、この混合物を用いることによって磁束密度が十分に高められ得るとともにコアロスが十分に低減され得ることが本発明者らの知見により見出されている。この関係を満たす選択例としては、例えば、ビッカース硬さが300〜600のFe−Si−Al系合金粉末と、ビッカース硬さが50〜200の純鉄粉末と、の組み合わせが挙げられる。
さらに、上記の混合物は、潤滑剤を含むことが好ましい。潤滑剤は、加圧成形時の際のFe−Si−Al系合金粉末と純鉄粉末の流動性を向上させ、圧力印加の際の変形を促進するとともに、粉末間に介在する絶縁層、並びに、保護膜としても機能し得る。かかる潤滑剤としては、当業界で公知のものを適宜選択して用いることができ、特に限定されない。加圧成形時に粉末の周囲に均一な被膜を形成し易く、また、絶縁性にも優れる観点から、潤滑剤は、金属石鹸であることが好ましい。
金属石鹸の具体例としては、特に限定されないが、例えば、例えば、オレイン酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸銅等が挙げられる。これらは、1種のみを単独で、或いは2種以上を組み合わせて、用いることができる。これらのなかでも、ステアリン酸亜鉛が好ましい。潤滑剤として金属石鹸を用いることにより、より一層の高密度化が図られるとともに高い絶縁性が付与(回復)され、得られる圧粉コアのコア抵抗が高められ、渦電流損失が低下し、コアロスが格別に低減される。
上述した混合物における潤滑剤の配合割合は、使用する潤滑剤の性状によって異なり、特に限定されないが、Fe−Si−Al系合金粉末と純鉄粉末及び潤滑剤の混合物の総量に対して、0.02wt%以上0.45wt%以下であることが好ましい。潤滑剤の配合量が0.02wt%未満であると、Fe−Si−Al系合金粉末と純鉄粉末の周囲に潤滑剤が均一に行き渡り難くなり、絶縁性を担保し難くなる傾向にある。一方、潤滑剤の配合量が0.45wt%を超えると、潤滑剤の配合効果が飽和する傾向にあるとともに、Fe−Si−Al系合金粉末と純鉄粉末の含有率が低下するので、高密度化及び高透磁率化を図り難くなる傾向にある。
上述した混合物は、必要に応じて、絶縁性樹脂、SiO2やAl23等の無機材料、他の潤滑剤、分散剤、成形助剤、硬化剤、架橋剤等、当業界において公知の添加剤を含んでいてもよい。例えば、混合物に0.1〜3.0wt%程度の絶縁性樹脂を配合し、複合磁性粒子の表面の一部又は全部をコーティングすることにより、粒子間の絶縁性を高め得るとともに、圧粉コアの成形時の成形性を高め得る。このような絶縁性樹脂としては、例えば、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、ブチラール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、アジン樹脂、アクリル樹脂及びエポキシ樹脂等の各種有機高分子樹脂が挙げられるが、これらに特に限定されない。なお、得られる圧粉コアの磁気特性をより一層高める観点では、混合物は絶縁性樹脂を含まないことが好ましく、また、かくして得られる圧粉コアは絶縁性樹脂を含まないことが好ましい。
本実施形態の圧粉コアの製造方法は、従来公知の方法を採用することができ、特に限定されない。例えば、上述した混合物をコア形状に成形加工し、得られた成形体を熱処理することにより作製することができる。以下、本実施形態の圧粉コアの好ましい製造方法につき詳述する。
図1は、本実施形態の圧粉コアの製造工程を示すフローチャートである。ここでは、軟磁性粉末としてのFe,Si,Alを少なくとも含有する合金粉末とビッカース硬さが合金粉末の1/3以下である純鉄粉末を混合する工程(S1)と、さらに潤滑剤を添加して混合する工程(S2)と、かくして得られる混合物をコア形状に成形加工する工程(S3)と、この成形加工後に得られる成形体(コア)を600〜900℃の非酸化性雰囲気下で熱処理(アニール処理)する工程(S4)と、を経て、本実施形態の圧粉コアが作製される。
軟磁性粉末を混合する工程(S1)では、所定量のFe−Si−Al系合金粉末と所定量の純鉄粉末を混合する。これらの配合割合は、得られる圧粉コア中における純鉄粉末の占有体積率が10〜32vol%となるように、適宜調整すればよい。具体的には、Fe−Si−Al系合金粉末と純鉄粉末の総量に対して、Fe−Si−Al系合金粉末が58〜85wt%、純鉄粉末が15〜42wt%であることが好ましい。なお、混合時には、均一分散の観点から、溶媒の存在下で行ってもよい。ここで使用可能な溶媒としては、例えば、鉱物油、合成油、植物油等の油や、アセトン、トルエン、アルコールといった有機溶媒等が挙げられるが、これらに特に限定されない。
潤滑剤を添加して混合する工程(S2)では、上記の軟磁性粉末の混合物に所定量の潤滑剤を添加して混合する。これにより、加圧成形時の際のFe−Si−Al系合金粉末と純鉄粉末の流動性が向上し、圧力印加の際の変形が促進される、また、ここで添加する潤滑剤は、粉末間に介在する絶縁層、並びに、保護膜としても機能し得る。潤滑剤の配合割合は、上述したように、Fe−Si−Al系合金粉末と純鉄粉末及び潤滑剤の混合物の総量に対して、0.02wt%以上0.45wt%以下であることが好ましい。なお、混合時には、均一分散の観点から、溶媒の存在下で行ってもよい。ここで使用可能な溶媒としては、例えば、鉱物油、合成油、植物油等の油や、アセトン、トルエン、アルコールといった有機溶媒等が挙げられるが、これらに特に限定されない。
ここで、軟磁性粉末を混合する工程(S1)及び潤滑剤を添加して混合する工程(S2)においては、均一な混合を行うために或いは添加した潤滑剤を均一に行き渡らせるために、かかる混合物を混練することが好ましい。混練は、公知の方法により行えばよく、特に限定されないが、混合機、混練機、造粒機、攪拌機又は分散機等(例えば、アタライタ、振動ミル、ボールミル、ビーズミル、プラネタリーミキサー、オープンニーダー、ヘンシェルミキサー、ホモジナイザー、Vミキサー、流動造粒機、転動造粒機等)を用いて行うことが好ましい。なお、混練時には、均一分散の観点から、溶媒の存在下で行ってもよい。ここで使用可能な溶媒としては、例えば、鉱物油、合成油、植物油等の油や、アセトン、トルエン、アルコールといった有機溶媒等が挙げられるが、これらに特に限定されない。
混合物をコア形状に成形加工する工程(S3)では、上記のようにして得られる軟磁性粉末及び潤滑剤の混合物(混錬物)に熱及び圧力を印加しながら、任意のコア形状に成形する。かかる加圧成形は、公知の方法により行えばよく、特に限定されない。一般的には、所望する形状のキャビティを有する成形金型を用い、そのキャビティ内に混合物を充填し、所定の成形温度及び所定の成形圧力でその混合物を圧縮成形することが好ましい。なお、加圧成形時においては、成形金型に、高級脂肪酸や金属石鹸などを用いて、当業界で公知の金型潤滑を施してもよい。
成形加工時の成形温度は、使用する軟磁性粉末や潤滑剤、或いは、目的とする圧粉コアの性能によって異なり、特に限定されないが、通常、室温25℃〜200℃である。例えば、50℃以上160℃以下、より好ましくは80℃以上140℃以下の条件下で温間成形することにより、得られるコアの密度が向上する傾向にある。一方、室温〜50℃未満の条件下で成形することにより、コア抵抗が高められる傾向にある。
成形加工時の成形圧力は、特に限定されないが、通常、4〜12ton/cm2程度とされる。成形圧力が4ton/cm2を下回ると、加圧成形による高密度化及び高透磁率化を図り難くなる傾向にある。一方、成形圧力が12ton/cm2を上回ると、圧力印加効果が飽和する傾向にあるとともに、製造コストが増加して生産性及び経済性が損なわれ得る傾向にあり、また、成形金型が劣化し易くなり耐久性が低下する傾向にある。なお、成形時間は、使用する素材(軟磁性粉末、潤滑剤等)及びこれらの使用量、並びに、所望する圧粉コアの形状、寸法及び密度などに応じて適宜決定することができ、特に限定されないが、通常、最大圧力に保持する時間を0.1秒間〜1分間程度とすることが好ましい。
得られた成形体を熱処理(アニール処理)する工程(S4)では、加圧成形時において発生する圧縮歪を解放してコア抵抗を高めるとともにコアロス(特に、ヒステリシス損失)を低減させる。かかる熱処理は、公知の方法により行えばよく、特に限定されないが、一般的には、加圧成形により任意のコア形状に成形された成形体を、アニール炉を用いて所定の温度で熱処理することにより行うことが好ましい。
成形体を熱処理する工程(S4)における処理温度は、特に限定されないが、圧縮歪を十分に解放してコアロスを十分に低減させるとともに高温処理による性能劣化を抑制する観点から、600〜900℃が好ましく、より好ましくは650〜850℃、さらに好ましくは700〜800℃である。熱処理時の処理温度を600℃以上とすることにより、成分間の反応が適度に進行し、コア抵抗が小さくなる傾向にある。一方、熱処理時の処理温度を900℃以下とすることにより、反応が適度に抑制され、高密度、高絶縁性を維持でき、コア抵抗が格別に高まる傾向にある。なお、アニール処理時の処理時間は、特に限定されないが、一般的には、10分〜3時間程度が好ましい。
成形体を熱処理する工程(S4)における処理雰囲気は、非酸化性雰囲気であることが好ましい。ここで、非酸化性雰囲気とは、酸素濃度が十分に低い雰囲気を意味し、その具体例としては、例えば、真空度が100Pa以下の真空雰囲気、酸素分圧が1000ppm以下の不活性ガス雰囲気(例えば、窒素雰囲気、アルゴン雰囲気)が挙げられる。600〜900℃の非酸化性雰囲気下で熱処理を行うことにより、軟磁性粉末の絶縁膜の分解が抑制されて得られる圧粉コアのコア抵抗を格別に高めることができるとともに、コアロスを著しく低下させることができる。
なお、必要に応じて、熱処理工程の後に、圧粉コアに防錆処理を施す防錆処理工程を行ってもよい。防錆処理は、公知の手法にしたがって行えばよく、例えば、エポキシ樹脂等をスプレーコートする等して行う。スプレーコートによる膜厚は、通常、数十μm程度である。また、定法にしたがい、防錆処理を施した後には、再度、熱処理を行うことが望ましい。
かくして得られる圧粉コアは、意外にも、高密度化され、高透磁率、高強度、高コア抵抗、低コアロスといった各種性能において優れるものとなり、高周波域で使用される圧粉磁心として好適に用いることができる。
本実施形態の圧粉コアは、密度(成形密度)が5.3g/cm3以上であることが好ましく、より好ましくは5.5g/cm3以上である。密度が5.3g/cm3以上に高密度化された圧粉コアは、高強度、高コア抵抗、高透磁率、低コアロスといった各種性能においても優れる傾向にある。一般に、圧粉コアの高密度化は、磁気特性及び機械特性の向上のために好ましいが、使用する素材(軟磁性粉末、潤滑剤等)及びこれらの使用量によって技術上の限界がある。したがって、成形密度5.3g/cm3以上を実現できる組成及び配合を見出したという点において、本実施形態の圧粉コアは有意なものであると言える。なお、圧粉コアのコア密度は、後述する実施例に記載の方法により測定できる。
また、本実施形態の圧粉コアは、密度(成形密度)が5.3g/cm3以上であるとともにコア抵抗が200mΩ以上であることが好ましく、より好ましくは1000mΩ以上である。上記範囲まで高抵抗化された圧粉コアは、実用上十分に優れた物性を発揮し得る。密度が5.3g/cm3以上に高密度化されるとともにコア抵抗が200mΩ以上に高められた圧粉コアを実現した点において、本実施形態の圧粉コアは有意なものであると言える。なお、圧粉コアのコア抵抗は、後述する実施例に記載の方法により測定できる。
以下、実施例及び比較例を挙げて、本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1〜4及び比較例1〜6)
まず、Fe−Si−Al系合金粉末(水アトマイズ粉、平均粒径D50:70μm、比表面積(SSA):0.128m2/g、Si:9.7wt%、Al:5.5wt%、残部:Fe、ビッカース硬さ:約500)に対し、鉄を99%以上含有する金属磁性粉末の表面に絶縁膜としてリン酸鉄被膜が形成された純鉄粉末(ヘガネスAB社製、商品名:Somaloy 110i、平均粒径D50:47μm、ビッカース硬さ:約100)を、表1に記載の含有量(含有割合)となるように混合した。次に、得られた各々の混合物に、潤滑剤としてステアリン酸亜鉛を0.3wt%の割合でそれぞれ添加し、得られた各々の混合物を混合機(筒井理化学器械製、商品名:Vミキサー)に入れ、回転数12rpmで10分間、混合及び混練処理した。
次いで、得られた混合物(混錬物)を、室温25℃で成形圧力8ton/cm2の条件下において加圧成形し、外径17.5mm、内径10.0mm、厚さ約5.0mmのトロイダルコア形状の成形体(コア)を作製した。その後、得られた成形体を、以下の条件で熱処理することにより、実施例1〜4及び比較例1〜6の圧粉コアを作製した。熱処理は、加熱部970mmのベルト炉を用い、40L/分の流量の窒素雰囲気下、ベルト速度12mm/分で成形体を搬送しながら室温から最大温度が750℃となるように行った(滞在期間81分間)。
[評価]
実施例1〜4及び比較例1〜6の圧粉コアについて、各種性能の測定を行った。表1に、評価結果を示す。なお、比較例1においては、成形性が悪かったため圧粉コアを成形することができなかった。そのため、表1においては、比較例1の密度、磁束密度及びコアロスの値を外挿する目的で、シリコーン樹脂を1wt%添加して作製した圧粉コアの数値を、比較例1の密度、磁束密度及びコアロスの値として記載した。また、各種性能の測定方法は、以下のとおりである。
(1)密度(g/cm3
上皿天秤により計測した圧粉コアの重さとマイクロメータにより測定した圧粉コアの体積から、圧粉コアの密度を算出した。
(2)純鉄粉末の占有体積率(vol%)
純鉄粉末の体積を合金粉末の体積と純鉄粉末の体積と空孔の体積との和で除して、純鉄粉末の占有体積率(すなわち、純鉄粉末の体積/(純鉄粉末の体積+合金粉末の体積+空孔の体積)の百分率表示)を算出した。
ここでは、合金粉末の真密度(6.80g/cm3)、純鉄粉末の真密度(7.87g/cm3)及び各々の混合重量比から、合金粉末及び純鉄粉末の理論密度を計算し、これらの理論密度と圧粉コアの測定密度から相対密度を計算して、空孔の体積を算出した。そして、合金粉末及び純鉄粉末の真密度から、合金粉末及び純鉄粉末の混合重量比を、混合体積比に換算し、得られた混合体積比と相対密度から、合金粉末及び純鉄粉末の体積を算出した。そして、得られた合金粉末及び純鉄粉末の体積と空孔の体積から、純鉄粉末の占有体積率を算出した。
(3)磁束密度(mT)
圧粉コアに巻線を巻きつけ(一次巻線:50ts、二次巻線:10ts)、直流磁化測定装置(METRON SK110)を用いて、磁界8kA/mにおける磁束密度を測定した。
(4)コアロス(kW/m3
圧粉コアに巻線を巻きつけ(一次巻線:50ts、二次巻線:10ts)、B−H/μ アナライザー(IWATSU社製、SY−8258)を用いて、20kHz、50mTにおけるコアロスを測定した。
(5)コア抵抗(mΩ)
圧粉コアの外周の両端側面を研磨してIn−Gaペーストを塗り、その両端間の抵抗値を、電気抵抗計(TSURUGA社製、MODEL3569)を用いて4端子法で測定した。
(6)圧環強度(MPa)
抗折強度試験器(AIKOH ENGINEERING社製、13111D)を用いて、圧環強度を測定した。
Figure 0005703749
表1に示すとおり、実施例1〜4の圧粉コアは、コアロスが低く、且つ、磁束密度が高められ、両者のバランスに優れるものであることが確認された。しかも、実施例1〜4の圧粉コアは、密度が5.3g/cm3以上に高密度化されているとともに、コア抵抗が200mΩ以上に高められており、その上さらに、十分な圧環強度を有する、高性能な圧粉コアであることが確認された。
なお、上述したとおり、本発明は、上記実施形態及び実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内において適宜変更を加えることが可能である。
以上説明した通り、本発明の圧粉コアは、コアロスが低く、且つ、磁束密度が高いので、インダクタや各種トランス等の電気・磁気デバイス、及びそれらを備える各種機器、設備、システム等に広く且つ有効に利用可能である。

Claims (3)

  1. 軟磁性粉末としてFe,Si,Alを少なくとも含有する合金粉末とビッカース硬さが該合金粉末の1/3以下である純鉄粉末とを含む混合物をコア形状に成形加工して得られる成形体を熱処理してなり、該純鉄粉末の占有体積率が10〜32vol%であり、8kA/mでの磁束密度が435mT以上、かつ、20kHz、50mTでのコアロスが82kW/m 以下、であることを特徴とする、圧粉コア。
  2. 前記合金粉末は、以下の組成:9.0≦Si≦10.5(wt%)、5.0≦Al≦6.5(wt%)、残部がFe、を有する、請求項1に記載の圧粉コア。
  3. 前記純鉄粉末は、99%以上のFeを含有する、
    請求項1又は請求項2のいずれか一項に記載の圧粉コア。
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