JP2004288983A - 圧粉磁心およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の圧粉磁心は、絶縁皮膜で被覆されたFeを主成分とする軟磁性粉末を加圧成形してなる圧粉磁心において、前記軟磁性粉末は、Siを2〜5質量%含み、重量平均粒径が30〜70μmで、平均アスペクト比が1〜3であると共に保磁力(iHc)が200A/m以下の粒子からなり、軟磁性粉末の真密度(ρ0)に対する嵩密度(ρ)の比である密度比(ρ/ρ0:%)が92%以上であると共に周波数が1〜50kHzの交番磁界中で使用されることを特徴とする。低中周波数域用リアクトル等に本発明の圧粉磁心を使用すると、優れた磁気特性が得られ、鉄損の低減が可能となる。
【選択図】図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、Fe−Si系の軟磁性粉末からなる圧粉磁心およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
変圧器(コンバータ、トランス)、インバータ、電動機(モータ)、発電機、各種アクチュエータ等、我々の周囲には電磁気、特に、交番磁界を利用したものが多い。その交番磁界は、通常、磁心(軟磁性材)の周囲にコイルを設けて発生され、磁心およびコイルの電磁機器の性能へ及す影響は大きい。その中でも、磁心の影響は大きく、用途に応じた優れた特性をもった磁心が求められている。
【0003】
このような磁心に求められる特性として、交番磁界中で大きな磁束密度が得られること、交番磁界中で使用したときにその周波数に応じて生じる高周波損失(鉄損)が少ないこと、飽和磁化が大きいことまたは直流重畳特性に優れること等が挙げられる。なお、高周波損失には、ヒステリシス損、渦電流損および残留損失があるが、主に問題となるのはヒステリシス損と渦電流損である。
ところで、これまでは、電磁鋼板等の溶製材やその積層材からなる磁心が多用されてきたが、磁心の性能向上や成形性向上等の観点から、絶縁皮膜で被覆した軟磁性粉末を加圧成形した圧粉磁心も使用されるようになってきた。このような圧粉磁心に関する開示は、例えば、下記特許文献にある。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−30924号公報
【特許文献2】
特開2002−75720号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記特許文献に開示された圧粉磁心の場合、主に、100kHz前後か、またはそれ以上の比較的高周波数域で使用されることが前提とされている。このような高周波数域での鉄損は、周波数の自乗に比例して大きくなる渦電流損が支配的となる。このため、上記特許文献等では、その渦電流損の低減と磁気特性の向上とが大きな主題となっている。
【0006】
ところが、圧粉磁心は、上記のようは高周波域で使用されるとは限られず、それよりも相当低い周波数域で使用されることも多い。この場合、圧粉磁心の鉄損は、周波数に比例して大きくなるヒステリシス損が支配的となる。このため、このような低中周波数域で使用される圧粉磁心の場合、上記特許文献に開示されたような圧粉磁心をそのまま利用することは好ましくない。
本発明は、このような事情に鑑みて為されたものであり、低中周波数域での使用を前提に、優れた磁気特性を発揮すると共に鉄損(特に、ヒステリシス損)が少ない圧粉磁心およびその製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
そこで、本発明者はこの課題を解決すべく鋭意研究し、試行錯誤を重ねた結果、圧粉磁心に使用する軟磁性粉末の粒子形態等を制御することにより、磁気特性に優れると共にヒステリシス損等の少ない圧粉磁心を得ることに成功し、これを発展させて本発明を完成させるに至ったものである。
【0008】
(圧粉磁心)
すなわち、本発明の圧粉磁心は、絶縁皮膜で被覆されたFeを主成分とする軟磁性粉末を加圧成形してなる圧粉磁心において、
前記軟磁性粉末は、Siを2〜5質量%含み、重量平均粒径が30〜70μmで、平均アスペクト比が1〜3であると共に保磁力(iHc)が200A/m以下の粒子からなり、
該軟磁性粉末の真密度(ρ0)に対する嵩密度(ρ)の比である密度比(ρ/ρ0:%)が92%以上であると共に周波数が1〜50kHzの交番磁界中で使用されることを特徴とする。
本発明者は、Fe−Si系の軟磁性粉末からなる圧粉磁心を周波数が1〜50kHzの交番磁界中で使用することを前提に、上記軟磁性粉末を用いて高密度成形した。これにより得られた高密度の圧粉磁心は、成形前の軟磁性粉末の優れた磁気特性等を継承しまたは反映しつつ、磁気特性に優れ、鉄損(特に、ヒステリシス損)の少ないものとなった。
【0009】
(圧粉磁心の製造方法)
本発明は、上記圧粉磁心の製造方法とてしても把握できる。
すなわち、本発明は、Feを主成分としSiを2〜5質量%含み、重量平均粒径が30〜70μmで平均アスペクト比が1〜3であると共に保磁力(iHc)が200A/m以下であり表面が絶縁皮膜で被覆された粒子からなる軟磁性粉末を、成形用金型内へ充填する充填工程と、該成形用金型に充填された該軟磁性粉末を加圧成形する成形工程とを備えてなり、該成形工程後に得られた圧粉磁心は、該軟磁性粉末の真密度(ρ0)に対する嵩密度(ρ)の比である密度比(ρ/ρ0:%)が92%以上であることを特徴とする圧粉磁心の製造方法としても良い。
【0010】
【発明の実施の形態】
次に、実施形態を挙げ、本発明をより詳しく説明する。なお、以下の実施形態を含め、本明細書で説明する内容は、本発明の圧粉磁心のみならず、その製造方法にも、適宜、適用できるものであることを断っておく。
(1)軟磁性粉末
本発明に係る軟磁性粉末は、先ず、Feを主成分としてSiを2〜5質量%含有する粉末からなる。ここでSiは、粉末粒子の電気抵抗率(比抵抗)を高め、圧粉磁心の渦電流損の低減る上で有効な元素である。Si量が2質量%未満では、その効果が薄い。一方、Si量が5質量%を超えると、圧粉磁心の磁束密度、透磁率、直流重畳特性等の低下を招き好ましくない。Si量の下限を2.5質量%、3質量%とし、その上限を4.5質量%、4質量%とすればより好ましい。
【0011】
この軟磁性粉末は、このようなSiと残部がFeと不可避不純物とからなっても良いし、適宜、磁気特性を向上させる元素または鉄損を低減させる元素等を含有しても良い。そのような元素として、例えば、アルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)等がある。
本発明に係る軟磁性粉末は、次に、その重量平均粒径が30〜70μmである。この重量平均粒径とは、微細粒から積算し、重量が50%に至ったところでの粒径により求まる粒径である。
この重量平均粒径(以下、単に「粒径」ともいう。)が25μm未満であると、渦電流損は減少するもののヒステリシス損が増加し過ぎて好ましくない。逆に、その粒径が100μmを超えると、ヒステリシス損が減少するものの渦電流損が増加し過ぎて好ましくない。そして、上記範囲の粒径からなる軟磁性粉末を使用した場合、前述の低中周波数域で、渦電流損とヒステリシス損との和である鉄損を十分に小さくできる圧粉磁心が得られる。
【0012】
上記重量平均粒径の下限を35μm、40μm、45μmとし、その上限を65μm、60μm、55μmとすればより好ましい。
また、本発明に係る軟磁性粉末は、平均アスペクト比が1〜3である。この平均アスペクト比とは、粉末粒子の最大径(長径)と最小径(短径)との比(アスペクト比)の平均値である。この平均値は、多数の粉末粒子をSEMで観察し画像解析により求めれば良い。
本発明の場合、この平均アスペクト比(以下、単に「アスペクト比」ともいう。)が1に近い程、つまり、粉末粒子が球形状である程、低保磁力の圧粉磁心が得られる。圧粉磁心の保磁力の低減は、ヒステリシス損の低減に効果的である。さらに、アスペクト比が1に近い程、比抵抗も大きくなり、渦電流損の低減にも有効である。従って、アスペクト比が1に近い程良く、その上限が2.5、2、1.5等であると一層好ましい。
【0013】
ここで、平均アスペクト比が1に近い程(つまり、粉末粒子の形状が球形に近い程)、圧粉磁心の保磁力が小さくなり、また、比抵抗が大きくなるのは次のように考えられる。
粉末粒子が球形に近ければ、軟磁性粉末を加圧成形した際に、相互に接触する粒子間での攻撃性が低下する。逆に、アスペクト比が大きくて歪な形状の粒子が多いと、成形時の加圧力によって、一つの粒子の突起等が隣接する他の粒子へ突刺さるようになる。そして、粒子の極一部にのみに大きな歪みや応力が加わって、結局、保磁力の増加をもたらすと思われる。また、このように粒子間の攻撃性が増す結果、各粒子表面に形成されていた絶縁皮膜も破壊され易くなり、各粒子が直接的に接触する部分が増加して、比抵抗が低減したと思われる。
【0014】
さらに、本発明に係る軟磁性粉末は、粉末粒子の保磁力(iHc)が200A/m以下である。加圧成形前の段階から使用する軟磁性粉末の保磁力が小さいことにより、得られた圧粉磁心の保磁力も小さくなる。これにより、ヒステリシス損が小さく磁気特性に優れた圧粉磁心が得られる。このiHcはさらに、180A/m以下、160A/m以下、さらには150A/m以下であれば一層好ましい。このような低保磁力の軟磁性粉末は、例えば、アトマイズ粉末等を加熱処理して、残留応力や歪み等を除去することで容易に得られる。そこで、上記軟磁性粉末が、加圧成形前に不活性雰囲気中で800℃以上の加熱処理が施されたものであると好適である。不活性雰囲気は、真空雰囲気でも、不活性ガス雰囲気でも、水素雰囲気等の還元雰囲気でも良い。つまり、酸化雰囲気でない方が好ましい。
【0015】
また、粒径が上述のとおりであって、一つの粉末粒子中の結晶粒数が平均10個以下であると好適である。ヒステリシス損に影響を及す保磁力は、粉末粒子自体の外形状にも依るが、その粉末粒子内部の組織にも依る。そして、その組織が大きな結晶粒からなる程、保磁力も小さくなり、ヒステリシス損の低減を図り易い。前述の重量平均粒径を前提にすれば、粉末粒子中の結晶粒数が平均で10個以下、さらには8個以下、5個以下となる程、好適である。この結晶粒数の平均値は、粉末粒子を樹脂に埋込み光学顕微鏡により組織観察することにより求めれば良い。
【0016】
上述したような軟磁性粉末の製造方法は問わないので、例えば、合金インゴットをボールミル等で粉砕して粉末を得ることも考えられる。しかし、より球形状の粉末を得るためには、アトマイズ法によると好ましい。すなわち、所定組成の溶湯流にガスを吹付けてアトマイズ化するガス噴霧アトマイズ法、その溶湯流に水を吹付けてアトマイズ化する水噴霧アトマイズ法、さらには、その溶湯流にガスと水との混合物を霧状に吹付けてアトマイズ化するガス・水アトマイズ法等によって、軟磁性粉末が製造されると好ましい。これらのアトマイズ法によって得られた粉末を、本明細書中では、ぞれぞれ順に、ガスアトマイズ粉、水アトマイズ粉、ガス水アトマイズ粉と呼ぶ。
【0017】
本発明者が調査したところ、本発明の圧粉磁心に好適なアトマイズ粉はガス水アトマイズ粉であった。これは冷却速度が比較的穏やかなためと思われる。
アトマイズ法に使用するガスには、N2やAr等の不活性ガスが好ましい。
もっとも、酸化雰囲気でアトマイズして、粉末粒子の表面にSiO2等の適度な絶縁酸化皮膜を形成させても良い。これにより、圧粉磁心の比抵抗が大きくなり、渦電流損の低減が図れる点では好ましい。但し、SiO2等は硬質であるため、その量が増え過ぎると軟磁性粉末の成形性が低下し、圧粉磁心の密度低下等を招くため好ましくない。
【0018】
ところで、絶縁皮膜には、上記酸化被膜以外に、樹脂被膜、リン酸塩被膜等がある。酸化被膜は、耐熱性に優れ、焼鈍工程等の加熱処理を行った際にもその破壊が抑制、防止されるので好ましい。このような耐熱性のある酸化被膜として、前記SiO2以外に、Al2O3、TiO2、ZrO2およびそれらの複合酸化物系絶縁皮膜等がある。
【0019】
また、絶縁皮膜は、軟磁性粉末の粉末粒子の酸化等に依る他、絶縁剤若しくは結合剤を混在させた軟磁性粉末を加圧成形させることで形成しても良い。このような絶縁剤には、前述した酸化被膜の他、AlN、BNなどの窒化物、粘土などの鉱物等があり、結合剤にはシリコーン樹脂、アミド樹脂、イミド樹脂、フェノール樹脂等がある。これにより、例えば、樹脂被膜からなる絶縁皮膜が容易に形成される。
【0020】
ここで、本発明の製造方法のように、軟磁性粉末を温間加圧成形する場合、成形用金型の内壁面と軟磁性粉末との間に非常に潤滑性に富んだ新たな潤滑剤(金属石鹸被膜)が形成される。この金属石鹸皮膜はFeを含むとき(例えば、高級脂肪酸の鉄塩被膜のとき)、最も優れた潤滑性を示すことが解っている。従って、そのような被膜の形成を促進する観点からも、絶縁皮膜自体にFeが含まれていると、一層好適である。
そのような絶縁皮膜は、例えば、リン酸塩系であればリン酸鉄が、酸化物系であればFeSiO3、FeAl2O4、NiFe2O4などのFeとの複合酸化物系が望ましい。
【0021】
絶縁皮膜は、膜厚が厚くなるほど比抵抗が大きくなるが、膜厚があまり厚いと、成形された圧粉磁心の磁束密度が低下する。そこで、圧粉磁心の磁束密度と比抵抗とを確保する観点から、膜厚は、1〜1000nm、さらには、10〜100nmであると好ましい。
なお、言うまでもないことであるが、絶縁皮膜は本来、粉末粒子の一粒一粒毎に形成されていることが理想的である。しかし、実際には、当然に、数個の粒子が固まった状態でその周りに絶縁皮膜が形成されていることもあり、このような状態でも本発明の想定するところである。
【0022】
(2)圧粉磁心
本発明の圧粉磁心は、上記のような軟磁性粉末を高密度成形してなるものである。そして、1〜50kHzといった低中周波数域で、透磁率、飽和磁化、直流重畳特性等の磁気特性およびヒステリシス損、渦電流損といった鉄損の何れにも優れたものである。これらの特性に関して以下に具体的に説明する。
【0023】
圧粉磁心の磁気特性の一つの指標として透磁率があるが、これは圧粉磁心の置かれる磁界の強さによって変化する。そこで、特定強さの磁界中においたときの磁束密度で、圧粉磁心の磁気特性が指標されることが多い。本発明の圧粉磁心は、上記周波数域での使用を前提としているため、例えば、10kA/mの磁界中に置いた圧粉磁心に生じる磁束密度B10kで評価すれば良い。本発明の圧粉磁心の場合、磁束密度B10kは、1.1T以上、1.2T以上、1.3T以上、1.4T以上、さらには1.5T以上にもなる。
【0024】
また、飽和磁化(Ms)も磁気特性の重要な一つの指標である。本発明の圧粉磁心の場合、例えば、1.8T以上、1.85T以上、さらには1.9T以上といった高飽和磁化を発揮する。このような高飽和磁化により、本発明の圧粉磁心は優れた重畳特性をも発揮する。なお、この飽和磁化は、例えば、圧粉磁心を0.1MA/mの高磁場中に置いた場合である。
【0025】
また、本発明の圧粉磁心は、保磁力も小さい。これにより、交番磁界に対する追従性が良く、ヒステリシス損も小さくなる。この保磁力は、例えば、220A/m以下、200A/m以下、さらには180A/m以下ともなる。そして、その鉄損も、例えば、周波数が10kHzで磁束密度が0.2Tの交番磁界中で、420kW/m3以下、さらには、400kW/m3以下、380kW/m3以下、350kW/m3以下といった非常に低いものとなる。
【0026】
ところで、圧粉磁心が高密度成形されている程、上述のような優れた磁気特性が得られる。圧粉磁心の密度自体は軟磁性粉末の組成により異なるため、それのみで高密度成形の程度を指標することはできない。そこで、本発明では、軟磁性粉末の真密度(ρ0)に対する、圧粉磁心の嵩密度(ρ)の比である密度比(ρ/ρ0)によって、その高密度成形の程度を指標している。本発明の圧粉磁心の場合、そのρ/ρ0は、密度比が92%以上、93%以上、94%以上、さらに95%以上ともなる。
【0027】
次に、本発明の圧粉磁心の電気特性を指標するものとして比抵抗がある。この比抵抗は、形状に依存しない圧粉磁心ごとの固有値であり、同形状の圧粉磁心であれば比抵抗が大きいほど渦電流損は小さくなる。本発明の圧粉磁心は、前述した特定の軟磁性粉末からなるため、この比抵抗も比較的大きく、その分、渦電流損も小さくできる。本発明の圧粉磁心の場合、その比抵抗は、1000μΩm以上、10000μΩm以上、さらには100000μΩm以上ともなる。
【0028】
(3)圧粉磁心の製造方法
圧粉磁心の製造方法は、上述の軟磁性粉末を成形用金型に充填する充填工程と、充填された軟磁性粉末を加圧成形する成形工程とから基本的になる。使用する軟磁性粉末と得られた圧粉磁心の密度比が前述の通りである限り、それらの工程の具体的な内容は問わない。従って、軟磁性粉末に内部潤滑剤を混在させて、従来通り、成形用金型内で室温高圧成形するものであっても良い。
【0029】
もっとも、成形圧力を大きくすると、成形用金型の内面と軟磁性粉末との間でかじりを生じたり、抜圧が過大となったり、金型寿命が極端に低下したりし易い。このため、試験レベルではともかくとして、工業レベルで考えると、従来の金型成形では、その成形圧力を大きくすることが実際には困難であり、結果的に高密度比の圧粉磁心は得難かった。
【0030】
そこで、本発明者は、画期的な金型潤滑温間加圧成形法を確立してこの課題を見事に解決した。この成形法は、前記充填工程を高級脂肪酸系潤滑剤が内面に塗布された成形用金型内へ軟磁性粉末を充填する工程とし、前記成形工程をその成形用金型内に充填された軟磁性粉末を温間で加圧成形して成形用金型の内面に接する軟磁性粉末の表面に金属石鹸皮膜を生成させる工程とするものである。
【0031】
次に、この製造方法をさらに詳細に説明する。
▲1▼充填工程
充填工程に際して、成形用金型の内面に高級脂肪酸系潤滑剤を塗布する必要がある(塗布工程)。
この高級脂肪酸系潤滑剤は、高級脂肪酸自体の他、高級脂肪酸の金属塩であっても良い。高級脂肪酸の金属塩には、リチウム塩、カルシウム塩又は亜鉛塩等がある。特に、ステアリン酸リチウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛等が好ましい。この他、ステアリン酸バリウム、パルミチン酸リチウム、オレイン酸リチウム、パルミチン酸カルシウム、オレイン酸カルシウム等を用いることもできる。
【0032】
この塗布工程は、加熱された成形用金型内に水、水溶液またはアルコール溶液等に分散させた高級脂肪酸系潤滑剤を噴霧する工程であると好ましい。高級脂肪酸系潤滑剤が水等に分散していると、成形用金型の内面へ高級脂肪酸系潤滑剤を均一に噴霧し易い。さらに、加熱された成形用金型内にそれを噴霧すると、水分等が素早く蒸発して、成形用金型の内面へ高級脂肪酸系潤滑剤が均一に付着する。そのときの成形用金型の加熱温度は、後述の成形工程の温度を考慮する必要があるが、例えば、100℃以上に加熱しておけば足る。もっとも、高級脂肪酸系潤滑剤の均一な膜を形成するために、その加熱温度を高級脂肪酸系潤滑剤の融点未満にすることが好ましい。例えば、高級脂肪酸系潤滑剤としてステアリン酸リチウムを用いた場合、その加熱温度を220℃未満とすると良い。
【0033】
なお、高級脂肪酸系潤滑剤を水等に分散させる際、その水溶液全体の質量を100質量%としたときに、高級脂肪酸系潤滑剤が0.1〜5質量%、さらには、0.5〜2質量%の割合で含まれるようにすると、均一な潤滑膜が成形用金型の内面に形成されて好ましい。
また、高級脂肪酸系潤滑剤を水等へ分散させる際、界面活性剤をその水に添加しておくと、高級脂肪酸系潤滑剤の均一な分散が図れる。そのような界面活性剤として、例えば、アルキルフェノール系の界面活性剤、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(EO)6、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(EO)10、アニオン性非イオン型界面活性剤、ホウ酸エステル系エマルボンT−80等を用いることができる。これらを2種以上組合わせて使用しても良い。例えば、高級脂肪酸系潤滑剤としてステアリン酸リチウムを用いた場合、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(EO)6、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(EO)10及びホウ酸エステルエマルボンT−80の3種類の界面活性剤を同時に用いると好ましい。それらの1種のみを添加する場合に較べて複合添加した場合、ステアリン酸リチウムの水等への分散性が一層活性化されるからである。
また、噴霧に適した粘度の高級脂肪酸系潤滑剤の水溶液を得るために、その水溶液全体を100体積%とした場合、界面活性剤の割合を1.5〜15体積%とすると好ましい。
【0034】
この他、少量の消泡剤(例えば、シリコン系の消泡剤等)を添加しても良い。水溶液の泡立ちが激しいと、それを噴霧したときに成形用金型の内面に均一な高級脂肪酸系潤滑剤の被膜が形成され難いからである。消泡剤の添加割合は、その水溶液の全体積を100体積%としたときに、例えば0.1〜1体積%程度であればよい。
【0035】
水等に分散した高級脂肪酸系潤滑剤の粒子は、最大粒径が30μm未満であると、好適である。
最大粒径が30μm以上となると、高級脂肪酸系潤滑剤の粒子が水溶液中に沈殿し易く、成形用金型の内面に高級脂肪酸系潤滑剤を均一に塗布することが困難となるからである。
【0036】
高級脂肪酸系潤滑剤の分散した水溶液の塗布には、例えば、塗装用のスプレーガンや静電ガン等を用いて行うことができる。
なお、本発明者が高級脂肪酸系潤滑剤の塗布量と粉末成形体の抜出圧力との関係を実験により調べた結果、膜厚が0.5〜1.5μm程度となるように高級脂肪酸系潤滑剤を成形用金型の内面に付着させると好ましいことが解った。
【0037】
▲2▼成形工程
詳細は明らかではないが、この工程で、前述の金属石鹸皮膜がメカノケミカル反応によって生成されると考えられる。
すなわち、その反応によって、軟磁性粉末(特に、絶縁皮膜)と高級脂肪酸系潤滑剤とが化学的に結合し、金属石鹸の被膜(例えば、高級脂肪酸の鉄塩被膜)が軟磁性粉末の成形体表面に形成される。この金属石鹸の被膜は、その粉末成形体の表面に強固に結合し、成形用金型の内表面に付着していた高級脂肪酸系潤滑剤よりも遙かに優れた潤滑性能を発揮する。その結果、成形用金型の内面と粉末成形体の外面との接触面間での摩擦力が著しく低減し、高圧成形にも拘らず、かじり等を生じない。そして、非常に低い抜圧で粉末成形体が成形用金型から取出され、金型寿命を短くすることもなくなった。この金属石鹸皮膜の代表例は、高級脂肪酸系潤滑剤であるステアリン酸リチウムまたはステアリン酸亜鉛とFeとが反応して生成されたステアリン酸鉄皮膜またはステアリン酸亜鉛である。
【0038】
なお、この金属石鹸皮膜は、軟磁性粉末の各粒子が絶縁皮膜で被覆されていても形成されることから、その際必要となるFeは、基本的にはその絶縁皮膜から供給されると考えられる。絶縁皮膜がもともとFe等の金属を含む場合は勿論、そうでなくても、軟磁性粉末と絶縁皮膜との間の反応や拡散により、Fe等が絶縁皮膜中に出現していると考えられる。
【0039】
この成形工程における「温間」とは、各状況に応じた適切な加熱条件の下で成形工程を行うことを意味する。もっとも、軟磁性粉末と高級脂肪酸系潤滑剤との反応を促進するために、概して成形温度を100℃以上とすると好ましい。また、高級脂肪酸系潤滑剤の変質を防止するために、概して成形温度を200℃以下とすると好ましい。成形温度を120〜180℃とするとより好適である。
【0040】
成形工程における「加圧」の程度も、所望する圧粉磁心の特性、軟磁性粉末の組成、絶縁皮膜や高級脂肪酸系潤滑剤の種類、成形用金型の材質や内面性状等に応じて適宜決定されるものである。この製造方法を用いると、従来の成形圧力を超越した高圧力下で成形可能であるため、硬質なFe−Si系軟磁性粉末であっても、高密度な圧粉磁心を容易に得ることができる。そして、成形圧力は、例えば、700MPa以上、785MPa以上、1000MPa以上、1500MPa以上、さらには2000MPa以上ともできる。成形圧力が高圧である程、高密度の圧粉磁心が得られる。もっとも、成形用金型の寿命や生産性を考慮して、その成形圧力の上限を2000MPaとすると好ましい。
【0041】
なお、本発明者は、この成形法を用いて純Fe粉を加圧成形した場合、成形圧力が約600MPaで抜出圧力が最大となり、それ以上ではむしろ抜出圧力が低下することを実験により確認している。そして、成形圧力を900〜2000MPaの範囲で変化させたときでさえ、抜出圧力が5MPa程度と、非常に低い値であった。このようなことから、上記金属石鹸被膜が如何に優れた潤滑性を有するかが解る。そして、この成形法は、実際に、硬質なFe−Si系軟磁性粉末を高圧成形する際にも非常に有効なものであった。このような優れた成形性は、ステアリン酸リチウムの他、ステアリン酸亜鉛やステアリン酸カルシウム等の高級脂肪酸系潤滑剤を用いた場合でも同様であった。
【0042】
▲3▼内部潤滑剤
この金型潤滑温間加圧成形法を用いた場合、従来必要とした内部潤滑剤を軟磁性粉末に添加せずとも、高圧成形が可能である。内部潤滑剤を添加しないことにより、圧粉磁心のさらなる高密度化、高磁束密度化を図れる。
【0043】
その一方で、内部潤滑剤を軟磁性粉末に添加することにより、粉末粒子間のすべりが向上し、また、成形用金型と軟磁性粉末とのかじり等が防止される。しかも、内部潤滑剤には、粉末粒子の塑性歪の抑制効果もある。これにより、圧粉磁心の保磁力が低下し、ヒステリシス損の低減も図られる。
この内部潤滑剤は、例えば、絶縁皮膜で被覆された軟磁性粉末100質量%に対して0.1〜0.6質量%、さらには0.2〜0.5質量%であると好ましい。少なすぎると内部潤滑剤の効果がなく、多すぎると圧粉磁心の高密度化が図れず、磁気特性の低下を招く。
【0044】
この内部潤滑剤が前記成形用金型の内面に塗布された高級脂肪酸系潤滑剤と同一の潤滑剤であると、取扱いが容易となり一層好ましい。具体的には、ステアリン酸亜鉛やステアリン酸リチウム等であれば好ましい。なお、内部潤滑剤の軟磁性粉末への添加は、噴霧、混合、浸漬等種々の方法で行える。
軟磁性粉末へ内部潤滑剤を添加(含有)させる場合であっても、前述の充填工程や成形工程に変りはない。また、その成形工程後に得られた粉末成形体を高温(例えば、650℃以上)で焼鈍工程等を施した場合、その内部潤滑剤は分解し除去される。
【0045】
▲4▼加熱工程
加熱工程は、残留応力や残留歪を除去するために、成形工程後に得られた粉末成形体を加熱、徐冷する工程である。これにより、高飽和磁化で周波数応答性に優れ、低保磁力でヒステリシス損の小さい圧粉磁心が得られる。
【0046】
なお、この加熱工程で除去される歪は、成形工程前から軟磁性粉末の粒子内に蓄積された歪でも、成形工程時の塑性変形によって生じる塑性歪(成形歪)でも、その両方でも良い。もっとも、軟磁性粉末が予め熱処理等によって残留応力や残留歪が除去された状態にある場合、この加熱工程では、主に、高圧成形によって軟磁性粉末へ付与された残留応力や残留歪が除去されることとなる。
【0047】
ところで、このときの加熱温度は、絶縁皮膜の耐熱性に応じて、絶縁皮膜を破壊しない範囲とするのが良い。例えば、絶縁皮膜が耐熱性を有する酸化皮膜等からなる場合は、焼鈍温度を500〜700℃、さらには700〜900℃としても良い。加熱雰囲気は、軟磁性粉末の加熱工程の場合と同様、不活性雰囲気中で行えば好適である。加熱時間は、効果と経済性とから考えて、1〜300分、好ましくは5〜60分である。
【0048】
(4)圧粉磁心の用途
本発明の圧粉磁心は、各種の電磁機器、例えば、電圧コンバータ、インバータ、モータ、アクチュエータ、トランス、誘導加熱器(IH)、スピーカ等に利用できるが、特に、1〜50kHz、1〜30kHzさらには5〜20kHzといった低中周波数域で使用される機器に好適である。この圧粉磁心を使用することで、各種機器の高性能化、省エネルギー化等を図れる。
【0049】
また、各種機器の小型化も図れるようになった。リアクトルを例にとれば、従来、必要となる重畳特性やインダクタンス等を得るために、圧粉磁心を大型化(体積増大)する傾向にあった。ところが、本発明の圧粉磁心によれば、特定周波数域とはいえ、従来になく大幅に向上した性能が得られたため、圧粉磁心の小型化をも図れるようになった。こうして各種リアクトルや電磁機器の軽量コンパクト化をも図れ、それらの設計自由度を拡大させることもできるようになった。
【0050】
ちなみに、このようなリアクトルは、例えば、DC−DCコンバータのような電圧変換回路で用いられることが多い。DC−DCコンバータは、最近注目されている電気自動車やハイブリット車のように、駆動用の高電圧(例えば、200〜300V)の直流電源を補機類等のための低電圧(例えば、12V)に変換するものである。この他、誘導機を駆動するために、直流電源を交流電源に変換するインバータ回路等にもリアクトルが用いられる。
【0051】
【実施例】
次に、実施例を挙げて、本発明をより具体的に説明する。
(実施例)
(1)被覆処理粉末の製造
原料粉末(軟磁性粉末)として、Fe−3%SiおよびFe−4%Siの組成をもつガス水アトマイズ粉を用意した。単位は質量%である(以下、同様)。粉末作製時の冷却ガスにはN2ガスを用い、冷却速度は約103℃/secと推定された。
各種粉末には、水素雰囲気中で950℃x3時間の熱処理を施した。こうして得られた各種粉末の粒子形態、磁気特性を表1に示した。なお、表1中、磁化σ10kは、800kA/mの磁界中で得られる粉末粒子の磁束密度であり、σrはその残留磁化であり、iHcはその固有保磁力である。
【0052】
また、Fe−3%Siのガス水アトマイズ粉の粒子について、光学顕微鏡で観察した組織写真を図1に示した。同図(a)は上記熱処理を施したものであり、同図(b)は上記熱処理を施さなかったものである。
次に、こうして得られたアトマイズ粉から、篩い分けによって分級し、重量平均粒径30〜70μmの粉末を取出して使用した。使用した粉末の粒径は、特に断らない限りその範囲内のものである。なお、重量平均粒径は、前述の方法に沿って求めた。具体的には、微細粒(細かい粉末)から積算し、重量が50%に至ったところの粒径により求めた。
【0053】
上記の各粉末に絶縁皮膜のコーティング処理を次の方法で行なった。
先ず、市販のシリコーン樹脂(東レ・ダウコーニング・シリコーン社製、「SR−2400」)を5倍の有機溶媒(トルエン)に溶解した被覆処理液を製作した。次に、この被覆処理液を、空気流で流動させた上記原料粉末中にスプレー(噴霧)した後、180℃で30分間乾燥させた。
こうして、原料粉末100質量%に対してシリコーン樹脂1質量%の割合で、原料粉末の各粒子の表面を被覆し(コーティング工程)、シリコーン樹脂で被覆された被覆処理粉末を得た。
【0054】
この被覆処理粉末を、本発明でいう「絶縁皮膜で被覆された軟磁性粉末」と考えても良いが、次のように考えても良い。すなわち、そのシリコーン樹脂は、400℃以上で加熱すると分解し、原料粉末の表面にSiO2の酸化被膜(絶縁皮膜)を形成する。この酸化被膜は、絶縁性を有することは勿論、後述する焼鈍温度でも分解せずに高粘度を維持する。従って、このSiO2の酸化被膜は非常に耐熱性に優れた絶縁皮膜である。そこで、焼鈍工程等の加熱を施す場合なら、この被膜で被覆された軟磁性粉末を本発明でいう「絶縁皮膜で被覆された軟磁性粉末」と考えても良い。
【0055】
(2)圧粉磁心の製造
得られた各被覆処理粉末を用いて、リング状(外径:φ39mm×内径φ30mm×厚さ5mm)と板状(5mm×10mm×55mm)との2種の試験片をそれぞれの試料ごとに製作した。このリング状試験片は磁気特性評価用であり、板状試験片は電気抵抗評価用である。
これらの試験片は主に金型潤滑温間加圧成形法により製造したが、試験片No.6およびNo.8は、0.5質量%のステアリン酸亜鉛(ZnSt)を内部潤滑剤として使用して、通常の金型室温成形法によって成形した。
【0056】
この金型潤滑温間加圧成形法の具体的な内容は次の通りである。
▲1▼上記の各試験片形状に応じたキャビティを有する超硬製の成形用金型を用意した。この成形用金型をバンドヒータで予め150℃に加熱しておいた。また、この成形用金型の内周面には、予めTiNコート処理を施し、その表面粗さを0.4Zとしておいた。
【0057】
そして、加熱した成形用金型の内周面に、水溶液に分散させたステアリン酸リチウム(高級脂肪酸系潤滑剤)をスプレーガンにて、1cm3/秒程度の割合で均一に塗布した(塗布工程)。ここで用いた水溶液は、水に界面活性剤と消泡剤とを添加したものである。界面活性剤には、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(EO)6、(EO)10及びホウ酸エステルエマルボンT−80を用い、それぞれを水溶液全体(100体積%)に対して1体積%づつ添加した。また、消泡剤には、FSアンチフォーム80を用い、水溶液全体(100体積%)に対して0.2体積%添加した。
【0058】
また、ステアリン酸リチウムには、融点が約225℃で、平均粒径が20μmのものを用いた。その分散量は、上記水溶液100cm3に対して25gとした。そして、これをさらにボールミル式粉砕装置で微細化処理(テフロンコート鋼球:100時間)し、得られた原液を20倍に希釈して最終濃度1%の水溶液として、上記塗布工程に供した。
▲2▼ステアリン酸リチウムが内面に塗布されたその成形用金型へ、それと同温の150℃に加熱しておいた上記の各種被覆処理粉末を自然充填した(充填工程)。
【0059】
なお、一部の粉末には、内部潤滑剤として0.5質量%のステアリン酸亜鉛(ZnSt)を添加、混合した混合粉末を成形用金型へ充填した(詳細は表2参照)。この混合粉末は、粉末のままのZnStを所定量を秤量した後、それと被覆処理したFe−Si粉末とをV型ミキサーや回転ボールミルにより混合したものである。
【0060】
▲3▼成形用金型を150℃に保持したまま、1176〜1960MPaの成形圧力で、充填された各被覆処理粉末を温間加圧成形した(成形工程)。
なお、この温間加圧成形に際して、いずれの被覆処理粉末も成形用金型とかじり等を生じることがなく、5MPa程度の低い抜圧で粉末成形体をその金型から取出すことができた。
【0061】
▲4▼得られた粉末成形体に、非酸素雰囲気(N2ガス雰囲気またはArガス雰囲気)中で、焼鈍温度:750℃、焼鈍時間:30分の焼鈍(加熱処理)を適宜施した(加熱工程)。
各試験片の製造条件等を表2に示す。
【0062】
(比較例)
原料粉末として、Fe−3%SiおよびFe−7%Siの組成をもつ軟磁性粉末を、上記実施例の場合と同様に用意した。Fe−3%Si粉末は、ガスアトマイズ粉の他、水アトマイズ粉も用意した。Fe−7%Si粉末はガスアトマイズ粉を用意した。その一部の粉末には、前述した950℃x3時間の熱処理を施した。その粉末の特徴を表1に併せて示した。表1にはFe粉(ガスアトマイズ粉)の特徴も参考までに示した。また、用意した粉末の重量平均粒径は、30〜70μm、30μm未満および70μm超である。そして、表2に示すように、試験片毎に使用する粉末を変えた。
【0063】
これらの原料粉末へ、上記実施例と同様にして、前記絶縁皮膜の被覆処理を行った後、試験片No.C1〜C8を製造した。その製造条件等も表2に併せて示す。なお、試験片No.C2は、0.5質量%のZnStを内部潤滑剤として使用して、通常の金型室温成形法によって成形した。
また、参考試験片として、Fe−3%Siの組成をもつ市販の電磁鋼板(新日鉄社製、35H270)の特性も表2に挙げた。
【0064】
(圧粉磁心の測定)
前述したリング状試験片と板状試験片とをそれぞれ用いて、それらの磁気特性と電気特性とを評価した。特に、比抵抗、密度および各種磁気特性について測定した。この測定結果を表2に併せて示す。
なお、比抵抗の測定は、マイクロオームメータ(メーカ:ヒューレットパカード(HP)社、型番:34420A)を用いて4端子法により測定した。
【0065】
磁気特性の内、静磁場特性は直流自記磁束計(メーカ:東英工業、型番:MODEL−TRF)により測定した。交流磁場特性はB−Hアナライザ(メーカ:岩崎通信機社製、型番:SY−8232)により測定し、検出コイル、励磁コイルにはそれぞれ90ターン巻いたものを用いた。表中の交流磁場特性は、圧粉磁心を10kHz、0.2Tの磁場中に置いたときの高周波損失(ヒステリシス損、渦電流損)を測定したものである。なお、鉄損は、ヒステリシス損と渦電流損との和とした。
【0066】
静磁場中の磁束密度は、10kA/m中にできる磁束密度を示したものであり、表中ではB10kとして示した。また、表中に示した飽和磁化(Ms)は、0.1MA/mでの磁束密度(B)の値である。
圧粉磁心の密度(ρ)は、アルキメデス法により測定した。なお、Fe−3%Siの真密度(ρ0)は7.67x103kg/m3であり、Fe−4%Siの真密度(ρ0)は7.60x103kg/m3であり、Fe−7%Siの真密度(ρ0)は7.47x103kg/m3である。これに基づいて、密度比(ρ/ρ0)を算出し、その結果も表2に併せて示した。
【0067】
(評価)
(1)軟磁性粉末
▲1▼平均アスペクト比
表1に示した結果から、水アトマイズ粉よりもガス水アトマイズ粉の方が、平均アスペクト比がより1に近かった。
【0068】
▲2▼熱処理の影響
先ず、表1に示した結果から、軟磁性粉末に熱処理を施すことにより、所定強さの磁界中での磁化に大差はないものの、残留磁化および保磁力の両方ともに小さくなっている。従って、この熱処理を施した粉末は、圧粉磁心のヒステリシス損の低減に非常に有効であることが解る。
次に、図1に示した写真から明らかなように、熱処理を施すことにより、一粉末粒子内の結晶粒は大きくなっている。そして、その結晶粒の形状も円形に近づいている。
【0069】
(2)圧粉磁心
実施例の試験片No.1〜8に示すように、組成、重量平均粒径、平均アスペクト比および保磁力が本発明の範囲内の軟磁性粉末を使用して、高密度成形した圧粉磁心は、いずれも、磁気特性、電気特性および鉄損に関して優れた特性を示した。
【0070】
これらの試験片に対して、比較例の試験片No.C1〜C8に示す圧粉磁心の場合、上記のいずれかの構成との相違によって、磁気特性または鉄損(ヒステリシス損、渦電流損)の少なくとも一方が、実施例の試験片に比べて好ましくなかった。具体的には次の通りである。
【0071】
▲1▼組成の影響
試験片No.C8を観れば解るように、Si量が2〜5質量%の上限を超えているため、B10kやMs等の磁束密度が低下した。また、試験片No.C8の場合、平均アスペクト比の大きな水アトマイズ粉を使用したため、鉄損も大きくなった。
【0072】
▲2▼平均アスペクト比の影響
試験片No.C1またはC2を観れば解るように、平均アスペクト比が3.1〜4.0といった3を超える水アトマイズ粉を使用しているため、ヒステリシス損が増加して、結果的に鉄損が大きくなった。
【0073】
▲3▼軟磁性粉末の熱処理の影響
前述したように、軟磁性粉末の熱処理の有無によって、その保磁力(iHc)が変化する。
試験片No.C3を観れば解るように、その熱処理を施さない軟磁性粉末(つまり、iHcの大きな軟磁性粉末)を使用したため、ヒステリシス損が増加して、結果的に鉄損が大きくなった。
【0074】
▲4▼重量平均粒径の影響
試験片No.C4またはC5を観れば解るように、重量平均粒径が大き過ぎるか小さすぎる軟磁性粉末を使用しているため、結果的に鉄損が大きくなった。
具体的には、試験片No.C4のように、重量平均粒径が大きい場合、渦電流損が増加した。逆に、試験片No.C5のように、重量平均粒径が小さい場合、ヒステリシス損が増加した。
【0075】
▲5▼密度の影響
添加する樹脂を5倍として、上記と同様に作製した試験片No.C6の場合、密度比が92%未満と小さいため、鉄損は小さくなるものの、磁気特性が大きく低下した。
【0076】
▲6▼焼鈍工程(加熱工程)の影響
試験片No.C7を観れば解るように、磁気特性は優れているものの、ヒステリシス損が増加して、結果的に鉄損が大きくなった。
【0077】
(3)その他
本発明の圧粉磁心は、試験片No.1〜5または7のように、前述した金型潤滑温間成形法によって成形されることが好ましい。しかし、試験片No.6、8を観れば解るように、通常の金型室温成形法であっても、適量の内部潤滑剤を使用することで、磁気特性に優れ、鉄損の少ない圧粉磁心を得ることも可能である。勿論、内部潤滑剤の存在によって成形密度が多少低下するものの、得られた圧粉磁心は、磁気特性(特に、飽和磁化)および鉄損が高次元でバランスしたものであった。
【0078】
また、本発明者が上記実施例の圧粉磁心を切断して微細に調査したところ、使用した軟磁性粉末の特徴がほぼそのまま継承されていた。つまり、高圧成形したにもかかわらず、粉末粒子の形状(例えば、アスペクト比等)に大きな変化がなかった。これは、使用した軟磁性粉末が硬質であったためと思われる。また、その粉末粒子を組織的に観ても、焼鈍工程後の組織は、成形前と大差なかった。これは、成形前の熱処理によって、残留歪みや残留応力が十分に除去されていたためではないかと思われる。いずれにしても、本発明の場合、軟磁性粉末の特性が圧粉磁心の特性向上に多大に寄与していると思われる。
【0079】
【表1】
【0080】
【表2】
【図面の簡単な説明】
【図1】熱処理の有無による軟磁性粉末の結晶粒組織の相違を示す光学顕微鏡写真であり、同図(a)は熱処理を施したものを示し、同図(b)は熱処理を施さなかったものを示す。
Claims (10)
- 絶縁皮膜で被覆された鉄(Fe)を主成分とする軟磁性粉末を加圧成形してなる圧粉磁心において、
前記軟磁性粉末は、ケイ素(Si)を2〜5質量%含み、重量平均粒径が30〜70μmで、平均アスペクト比が1〜3であると共に保磁力(iHc)が200A/m以下の粒子からなり、
該軟磁性粉末の真密度(ρ0)に対する嵩密度(ρ)の比である密度比(ρ/ρ0:%)が92%以上であると共に周波数が1〜50kHzの交番磁界中で使用されることを特徴とする圧粉磁心。 - 前記軟磁性粉末は、粉末粒子中の結晶粒数が平均10個以下である請求項1に記載の圧粉磁心。
- 前記軟磁性粉末は、前記加圧成形前に不活性雰囲気中で800℃以上の加熱処理が施されたものである請求項1に記載の圧粉磁心。
- 飽和磁化が1.8T以上である請求項1に記載の圧粉磁心。
- 周波数が10kHzで磁束密度が0.2Tの交番磁界中での鉄損が420kW/m3以下である請求項1に記載の圧粉磁心。
- Feを主成分としSiを2〜5質量%含み、重量平均粒径が30〜70μmで平均アスペクト比が1〜3であると共に保磁力(iHc)が200A/m以下であり表面が絶縁皮膜で被覆された粒子からなる軟磁性粉末を、成形用金型内へ充填する充填工程と、
該成形用金型に充填された該軟磁性粉末を加圧成形する成形工程とを備えてなり、
該成形工程後に得られた圧粉磁心は、該軟磁性粉末の真密度(ρ0)に対する嵩密度(ρ)の比である密度比(ρ/ρ0:%)が92%以上であることを特徴とする圧粉磁心の製造方法。 - 前記充填工程は、高級脂肪酸系潤滑剤が内面に塗布された前記成形用金型内へ前記軟磁性粉末を充填する工程であり、
前記成形工程は、該成形用金型内に充填された該軟磁性粉末を温間で加圧成形して該成形用金型の内面に接する該軟磁性粉末の表面に金属石鹸皮膜を生成させる工程である請求項6に記載の圧粉磁心の製造方法。 - 前記軟磁性粉末は、内部潤滑剤を含有している請求項6または7に記載の圧粉磁心の製造方法。
- 前記絶縁皮膜は、前記軟磁性粉末の粉末粒子の酸化または該軟磁性粉末へ混在させた絶縁剤若しくは結合剤によって形成される請求項6に記載の圧粉磁心の製造方法。
- さらに、前記成形工程後に得られた粉末成形体を加熱して残留応力または残留歪みを除去する加熱工程を備える請求項6に記載の圧粉磁心の製造方法。
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