JP2005167097A - 磁気部品の製造方法及びその磁気部品 - Google Patents

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【課題】 簡便な方法で粒子間の隙間に磁路を形成しやすくし、容易に透磁率の向上を可能とした磁気部品の製造方法及びその磁気部品を提供すること。
【解決手段】 複数のフェライト被覆金属磁性粒子1の隙間は、非フェライト被覆金属磁性粒子3により、フェライト被覆金属磁性粒子1のフェライト皮膜2を介して相互に接触するようにして埋められており、各フェライト被覆金属磁性粒子1間の磁路形成が、非フェライト被覆金属磁性粒子3として高透磁率材料である金属磁性粒子を介して行われるため、磁気部品全体としての透磁率を大きく向上させることができる。各フェライト被覆金属磁性粒子1同士は、フェライト皮膜2を介して接触しているので電気的な絶縁性は保たれており、渦電流損失が抑えられるために高周波領域で使用することが可能である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、フェライトにより被覆された金属磁性粒子と、フェライトにより被覆されていない金属磁性粒子との混合粉末を圧縮成型して作製した磁気部品の製造方法及びその磁気部品に関し、より詳細には、スイッチング電源などに搭載されるトランスやリアクトルなどの磁気部品の製造方法及びその磁気部品に関する。
近年、各種電子機器は小型・軽量化されてきており、なおかつ低消費電力化が求められている。これに伴い電子機器に搭載される電源として小型のスイッチング電源に対する要求が高まっている。特にノート型パソコンや携帯電話などの小型携帯機器、薄型CRT、テレビのフラットパネルディスプレイに用いられるスイッチング電源では、小型・薄型化が強く求められている。
しかしながら、このような従来のスイッチング電源では、その主要な構成部品であるトランスやリアクトルなどの磁気部品が大きな体積を占め、小型・薄型化することに限界があった。これら磁気部品の体積を縮小しない限り、スイッチング電源を小型・薄型化することは困難となっていた。
従来、このようなスイッチング電源に使用されているトランスやリアクトルなどの磁気部品には、センダストやパーマロイなどの金属磁性材料や、フェライトなどの酸化物磁性材料が使用されていた。金属磁性材料は、一般に高い飽和磁束密度と透磁率を有するが、電気抵抗率が低いため、特に高周波数領域では渦電流損失が大きくなってしまう。近年、電源回路を高周波駆動して必要なインダクタンス値を下げることにより磁気部品を小型化する傾向にあるが、渦電流損失の影響から金属磁性材料を高周波で使用することはできない。
一方、酸化物磁性材料は、金属磁性材料に比べ電気抵抗率が高いため、高周波数領域でも発生する渦電流損失が小さい。しかしながら、飽和磁束密度が小さいため、その体積を小さくすることができなかった。つまり、いずれの場合でも、磁性コアの体積が、インダクタンス値を決定付ける一番大きな要因となっていて、磁性材料自体の磁気特性を向上させない限り、小型・薄型化が困難となっていた。
このように、従来の磁気部品では、小型化に限界があり、電子機器の小型・薄型化の要求に充分に応えられるものではなかった。
最近、金属磁性材料および酸化物磁性材料の両者の長所を有する磁性材料として、飽和磁束密度および透磁率が高い金属磁性材料の表面に、電気抵抗率の高い酸化物磁性材料の皮膜を形成した磁性材料が提案されている。
例えば、金属磁性材料の粉末の表面に高透磁率金属酸化物の皮膜を形成した高透磁率材料が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、1〜10μmの粒子からなる金属磁性材料の表面をM−Fe(但しM=Ni、Mn、Zn、x≦2)で表されるスピネル組成の金属酸化物磁性材料で被覆してなる高密度焼結磁性体も提案されている(例えば、特許文献2参照)。
さらに、特願2002−9210号では、表面がフェライト層で被覆された金属または金属間化合物の強磁性体微粒子粉末が圧縮成形され、フェライト層を介して、強誘電体粒子粉末の粒子間に磁路を形成するような複合磁性材料が提案されている。また、表面をフェライト層により被覆された金属または金属間化合物の強磁性体微粒子粉末に、フェライト超微粒子粉末が混合されて圧縮成型され、複合体を形成するような複合磁性材料が提案されている。さらに、表面がフェライト層で被覆された金属または金属間化合物強磁性体微粒子が粒度分布をもって配合されており、大きい粒子が充填されて生じた粒子の隙間を小さい粒子が順次埋めていくことにより、粒子の充填率を高めた構造が模式的に示されている。
特開昭53−91397号公報 特開昭56−38402号公報 D.R Hudson, J.Appl.Phys. 20, 154(1949)
フェライトにより被覆された金属磁性粒子を圧縮成型して作製した複合磁性材料の透磁率は、粒子の充填率によって大きく左右される。これは、粒子間に隙間が存在すると粒子間の磁路が切断されてしまい、粒子の表面に磁極が現れて粒子内に反磁場が生じるためである。したがって、複合磁性材料の透磁率を高めるためには、充填率をできるだけ100%に近づけることが重要である。しかしながら、粒径の均一な粉末のみを圧縮成型した場合、最密充填したとしても、約26%の隙間ができてしまうという問題がある。
そこで、粒子の充填率を向上させる方法として、例えば、上述した特願2002−9210号では、表面がフェライト層で被覆された金属または金属間化合物強磁性体粒子の隙間に、フェライト超微粒子あるいは粒径のより小さいフェライト被覆された金属または金属間化合物粒子を埋めていくことにより充填率を上げることが提案されている。
しかしながら、フェライトの透磁率は金属磁性材料に比べて小さく、金属または金属間化合物粒子間を電気的に絶縁するのが主たる効果であり、粒子間の隙間を埋めて磁路を形成する点においては、より透磁率の高い材料を使用することが望まれている。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、簡便な方法で粒子間の隙間に磁路を形成しやすくし、容易に透磁率の向上を可能とした磁気部品の製造方法及びその磁気部品を提供することにある。
本発明は、このような目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、酸化物磁性材料であるフェライトにより金属磁性材料の粒子を被覆したフェライト被覆金属磁性粒子と、フェライトにより金属磁性材料の粒子が被覆されていない非フェライト被覆金属磁性粒子との混合粉末を圧縮成型して作製された磁気部品であって、前記フェライト被覆金属磁性粒子と前記非フェライト被覆金属磁性粒子の粒径比率及び混合比率を調節することにより、渦電流損失を抑えつつ透磁率が決められていることを特徴とする。
このような構成により、フェライト被覆金属磁性粒子の隙間が、非フェライト被覆金属磁性粒子で埋められており、フェライト被覆金属磁性粒子間の磁路形成が、高透磁率材料である金属磁性粒子を介して行われるために、磁気部品全体としての透磁率を大きく向上させることができる。なおかつ、粒子同士はフェライト皮膜を介して接触しているので電気的な絶縁性は保たれており、渦電流損失が抑えられるために高周波領域で使用することが可能となる。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の構成において、前記フェライト被覆金属磁性粒子に対する前記非フェライト被覆金属磁性粒子の粒径比率r及び相対個数nが、以下の式(3)及び式(4)を満たすように調整されていることを特徴とする。
Figure 2005167097
このような構成により、最密充填したフェライト被覆金属磁性粒子によって囲まれた隙間に、非フェライト被覆金属磁性粒子をちょうど埋め込むことができるので、最密充填構造を崩すことなく充填率を高めることができ、磁気部品の透磁率は大きく向上する。
また、請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の製造方法によって製造されることを特徴とする磁気部品である。
以上に説明したように、本発明によれば、フェライト被覆金属磁性粒子と非フェライト被覆金属磁性粒子との粒径比率及び混合比率を調節することにより、渦電流損失を抑えつつ透磁率が決められるので、フェライト被覆金属磁性粒子のみを圧縮成型して作製された場合に比べて高透磁率を有した、1MHz以上の高周波帯域で使用可能な磁気部品を容易に作製することができる。
また、ノート型パソコン・小型携帯機器・薄型ディスプレイなどのスイッチング電源に向けた、高機能でかつ小型・薄型の磁気部品を作ることが可能となる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明に係る磁気部品の一実施形態を説明するための構成図で、酸化物磁性材料であるフェライトにより被覆された金属磁性粒子の隙間に、フェライトにより被覆されていない金属磁性粒子が充填されている状態を模式的に示した図である。図中符号1は、酸化物磁性材料であるフェライトにより被覆された金属磁性粒子(フェライト被覆金属磁性粒子)、2はフェライト皮膜、3はフェライトにより被覆されていない金属磁性粒子(非フェライト被覆金属磁性粒子)を示している。
本発明の磁気部品は、フェライト被覆金属磁性粒子1と、非フェライト被覆金属磁性粒子3との混合粉末を圧縮成型して作製されており、フェライト被覆金属磁性粒子1と非フェライト被覆金属磁性粒子3の粒径比率及び混合比率を調節することにより渦電流損失を抑えつつ透磁率が決められている。
このように、複数のフェライト被覆金属磁性粒子1の隙間は、非フェライト被覆金属磁性粒子3により、フェライト被覆金属磁性粒子1のフェライト皮膜2を介して相互に接触するようにして埋められており、各フェライト被覆金属磁性粒子1間の磁路形成が、非フェライト被覆金属磁性粒子3、つまり、高透磁率材料である金属磁性粒子を介して行われるため、磁気部品全体としての透磁率を大きく向上させることができる。また、各フェライト被覆金属磁性粒子1同士は、フェライト皮膜2を介して接触しているので電気的な絶縁性は保たれており、渦電流損失が抑えられるために高周波領域で使用することが可能となる。
また、フェライト被覆金属磁性粒子1に対する非フェライト被覆金属磁性粒子3の粒径比率r及び相対個数nが、以下の式(5)及び式(6)を満たすように調整されている。
Figure 2005167097
最密充填している粒子(一次粒子という)の隙間に、粒子の小さい粒子(二次粒子という)を埋め込むことによって充填率を高めることができる。隙間に入る二次粒子の個数nは、一次粒子と二次粒子の粒径比率rによって決まる。n=1の時のrを計算すると0.41となり、以降、n=2,3,・・・とした時のrを計算した結果を、図2のデータ点Aに示す(非特許文献1参照)。これらのnとrの関係を1つの式で完全に表すことはできないが、近似的には、図2の曲線Bに示したように、上述した式(5)で表すことができる。
図3は、本発明に係る磁気部品の一実施形態を説明するための構成図で、最密充填しているフェライト被覆金属磁性粒子によって囲まれた隙間に、非フェライト被覆金属磁性粒子が充填されている状態を模式的に示した図である。図中符号4は、フェライト被覆金属磁性粒子1に対する粒径比率が0.15である非フェライト被覆金属磁性粒子を示している。なお、図1と同じ機能を有する構成要素については同一の符号を付してある。
このように、図3には、上述した式(5)及び式(6)において、例えば、r=0.15、n=21とした場合における金属磁性粒子の充填の状態を模式的に示してあり、最密充填した複数のフェライト被覆金属磁性粒子1によって囲まれた隙間Cに、非フェライト被覆金属磁性粒子4をちょうど埋め込むことができるので、最密充填構造を崩すことなく充填率を高めることができ、磁気部品の透磁率は大きく向上させることができる。
以下、具体的な実施例について説明する。
フェライト被覆金属粒子粉末の作製は、上述した特願2002−9210号に記載の超音波励起フェライトめっき法を用いて以下のように行った。
まず、金属磁性材料の粒子としては、水アトマイズ法により作製したNi47Fe粒子(平均粒子径8μm)を10g用いた。フェライトめっきの前処理として、これらの粒子をHO 300ml+47%HSO 1250μl+2mol/l HCl 1250μlの溶液中(液温70℃)に入れて、5分間超音波を印加した。
その後、純水を入れたガラス製の反応容器中にNi47Fe粒子を移し替え、19.5kHzの超音波を印加した。この反応容器に反応液(HO 1000ml+FeCl・4HO 10g+NiCl・6HO 2.39g+ZnCl 0.27g)および酸化液(HO 1000ml+NaNO 2g)をそれぞれ3ml/min、2ml/minの速度で供給しながら、適宜アンモニア水を滴下することによりpHを8.0に保った。このめっき処理を1時間行った。めっき処理後、粒子を分級・乾燥させた。以上の処理により、金属磁性粒子の表面に約200nmのNi−Zn系フェライト皮膜が形成された。
このようにして得られたフェライト被覆Ni47Fe粒子を0.8g秤量し、また、フェライト被覆されていない平均粒径4μmのNi47Fe粒子を0.1g秤量して、両者を純水中に投入して超音波を印加した。この操作により、両者の粒子は均一に混合した。上述した重量比率で混合すると、前者の粒子に対する後者の粒子の相対個数は1となる。
このようにして得られたフェライト被覆Ni47Fe粒子と、フェライト被覆されていないNi47Fe粒子との混合粉末を超硬合金製の金型に充填し、10ton/cmの一軸プレスにより内径3mmφ、外形8mmφ、高さ約3mmのリングコア形状に成型した。
このリングコアに1次および2次巻線をそれぞれ5ターン巻回し、B−Hアナライザにて複素透磁率μ=μ′+1μ″を100kHz〜10MHzの周波数領域で測定した。図4に示したデータEは、複素透磁率の実部μ′の周波数依存性を示したものである。つまり、フェライト被覆された平均粒径8μmのNi47Fe粒子に対して、フェライト被覆されていない平均粒径4μmのNi47Fe粒子が相対個数1で混合された粉末のμ′を示している。
また、データFは、複素透磁率の虚部μ″の周波数依存性を示したものである。つまり、フェライト被覆された平均粒径8μmのNi47Fe粒子に対して、フェライト被覆されていない平均粒径4μmのNi47Fe粒子が相対個数1で混合された粉末のμ″を示している。
(比較例1)
比較用のデータとして、平均粒径8μmのNi47Fe粒子を実施例1で説明したのと同様の条件でフェライトめっきし、それを単独で圧縮成型(プレス圧力は10ton/cm)したものの複素透磁率を測定した。その実部μ′および虚部μ″の周波数依存性をそれぞれ図4のデータGとHに示す。つまり、データGは、フェライト被覆された平均粒径8μmのNi47Fe粒子のμ′を示している。また、データHは、フェライト被覆された平均粒径8μmのNi47粒子のμ″を示している。
(比較例2)
また、比較用のデータとして、前記平均粒径8μmのNi47Fe粒子を、フェライトめっきせずに、単独で圧縮成型(プレス圧力は10ton/cm)したものの複素透磁率を測定した。その実部μ′および虚部μ″の周波数依存性をそれぞれ図4のデータIとJに示す。つまり、データIは、フェライト被覆されていない平均粒径8μmのNi47Fe粒子のμ′を示している。また、データJは、フェライト被覆されていない平均粒径8μmのNi47Fe粒子のμ″を示している。
実施例1の混合粉末のμ′は、比較例1の粉末のμ′よりも、約10%向上している。一方、実施例1の混合粉末のμ″は、2〜3MHzまでほぼゼロであるのに対して、比較例2の粉末は、500kHzでμ″がピークを示し、それに伴いμ′が減少している。このことから、実施例1の混合粉末では、粒子同士が電気的に絶縁されて渦電流損失が抑えられていることが分かる。
これらの結果から明らかなように、混合粉末を圧縮成型した磁気部品により、渦電流損失が抑えられ、なおかつ高い透磁率を得ることが可能となった。
平均粒径8μmのNi47Fe粒子を、実施例1で説明したのと同様の条件でフェライトめっきした後、0.90gを秤量した。また、フェライト被覆されていない平均粒径1.2μmのNi47Fe粒子を0.064g秤量した。これらの粒子を純水中に投入し、超音波を印加して均一に混合した。これにより、フェライト被覆されたNi47Fe粒子に対する、フェライト被覆されていないNi47Fe粒子の粒径比率が0.15で、相対個数が21である混合粉末が作製された。この粒径比率と相対個数は、上述した式(5)及び式(6)の関係を満たしている。
上述した混合粉末を10ton/cmのプレス圧力で圧縮成型し、複素透磁率を測定した。その実部μ′の周波数依存性を図5のデータKに示す。つまり、このデータKは、フェライト被覆された平均粒径8μmのNi47Fe粒子に対して、フェライト被覆されていない平均粒径1.2μmのNi47Fe粒子が相対個数21で混合された粉末のμ′を示している。
(比較例3)
比較用のデータとして、実施例2で説明したフェライト被覆されたNi47Fe粒子とフェライト被覆されていないNi47Fe粒子を、それぞれ0.90gと0.12g秤量して混合した。これにより、フェライト被覆されたNi47Fe粒子に対する、フェライト被覆されていないNi47Fe粒子の粒径比率が0.15で、相対個数が40である混合粉末が作製された。この粒径比率と相対個数は、上述した式(6)は満たしているが、式(5)の関係を満たしていない。
上述した混合粉末を10ton/cmのプレス圧力で圧縮成型し、複素透磁率を測定した。その実部μ′の周波数依存性を図5のデータLに示す。つまり、このデータLは、フェライト被覆された平均粒径8μmのNi47Fe粒子に対して、フェライト被覆されていない平均粒径1.2μmのNi47Fe粒子が相対個数40で混合された粉末のμ′を示している。
(比較例4)
また、比較用のデータとして、フェライト被覆された平均粒径8μmのNi47Fe粒子とフェライト被覆されていない平均粒径8μmのNi47Fe粒子を、それぞれ1.0gと0.071g秤量して混合した。これにより、フェライト被覆されたNi47Fe粒子に対する、フェライト被覆されていないNi47Fe粒子の粒径比率が1.0で、相対個数が0.71である混合粉末が作製された。この粒径比率と相対個数は、上述した式(5)は満たしているが、式(6)の関係を満たしていない。
上述した混合粉末を10ton/cmのプレス圧力で圧縮成型し、複素透磁率を測定した。その実部μ′の周波数依存性を図5のデータMに示す。つまり、このデータMは、フェライト被覆された平均粒径8μmのNi47Fe粒子に対して、フェライト被覆されていない平均粒径8μmのNi47Fe粒子が相対個数0.07で混合された粉末のμ′を示している。
上述した式(5)及び式(6)を満たしている実施例2で説明した混合粉末のμ′は、満たしていない比較例3あるいは比較例4の粉末のμ′よりも、10%から20%大きくなっている。これは、実施例2で説明した混合粉末では、最密充填したフェライト被覆Ni47Fe粒子の隙間に、フェライト被覆されていないNi47Fe粒子がちょうど良く埋め込まれているのに対して、比較例3の混合粉末では、フェライト被覆されていないNi47Fe粒子の粒径が大きすぎ、また、比較例4の混合粉末では、フェライト被覆されていないNi47Fe粒子の相対個数が多すぎるために、フェライト被覆Ni47Fe粒子の最密構造が崩されて、充填率が下がってしまうためである。
これらの結果から明らかなように、上述した式(5)及び式(6)を満たす混合粉末を圧縮成型した磁気部品により透磁率を向上させることが可能となった。
なお、上述した実施例1及び実施例2では、金属磁性粒子としてNi47Fe粒子を用いているが、他の材料を用いても同様の効果が得られることは明らかである。例えば、種々の組成のNi−Fe系合金やCo−Fe系合金、純鉄、Fe−Si系合金、センダスト合金、各種アモルファス合金などを用いることが可能である。
また、本発明における実施例においては、ノート型パソコンや携帯電話などの小型携帯機器、薄型CRT、テレビのフラットパネルディスプレイに用いられるスイッチング電源の磁気部品について説明したが、本発明の磁気部品の機能と同様の機能が要求されているその他の電子機器などに対しても適用可能であることは明らかである。
本発明に係る磁気部品の一実施形態を説明するための構成図で、フェライト被覆された金属磁性粒子の隙間に、フェライト被覆されていない金属磁性粒子が充填されている状態を模式的に示した図である。 最密充填した一次粒子の隙間に、粒径比率rの二次粒子を埋め込んだ時に、入り得る個数nをグラフに示した図である。 本発明に係る磁気部品の一実施形態を説明するための構成図で、最密充填しているフェライト被覆金属磁性粒子によって囲まれた隙間に、フェライト被覆されていない金属磁性粒子が充填されている状態を模式的に示した図である。 本発明の実施例1、比較例1及び比較例2に記載した複素透磁率の実部μ′及び虚部μ″の周波数依存性をグラフに示した図である。 本発明の実施例2、比較例3及び比較例4に記載した複素透磁率の実部μ′の周波数依存性をグラフに示した図である。
符号の説明
1 フェライト被覆金属磁性粒子
2 フェライト皮膜
3 非フェライト被覆金属磁性粒子
4 フェライト被覆金属磁性粒子に対する粒径比率が0.15である非フェライト被覆金属磁性粒子

Claims (3)

  1. 酸化物磁性材料であるフェライトにより金属磁性材料の粒子を被覆したフェライト被覆金属磁性粒子と、フェライトにより金属磁性材料の粒子が被覆されていない非フェライト被覆金属磁性粒子との混合粉末を圧縮成型して作製された磁気部品の製造方法であって、前記フェライト被覆金属磁性粒子と前記非フェライト被覆金属磁性粒子の粒径比率及び混合比率を調節することにより、渦電流損失を抑えつつ透磁率を決めることを特徴とする磁気部品の製造方法。
  2. 前記フェライト被覆金属磁性粒子に対する前記非フェライト被覆金属磁性粒子の粒径比率r及び相対個数nが、以下の式(1)及び式(2)を満たすように調整されていることを特徴とする請求項1に記載の磁気部品の製造方法。
    Figure 2005167097
  3. 請求項1又は2に記載の製造方法によって製造されることを特徴とする磁気部品。
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