JP2013166957A - 外装面用の表面撥水保護剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】 乗用車その他の外装の塗装面の表面に塗布し、塗布後に拭き取りにより簡単に仕上げでき、少量の塗布で初期撥水性に優れ、耐汚れ性、耐候性、特に洗浄時の非ギラツキ性及び耐久性に優れた表面撥水保護剤を提供する。
【解決手段】 湿気硬化性液状シリコーンオリゴマーAを100質量部、Aの硬化触媒Bを0.1〜40質量部、両末端基にシラノール基を有する直鎖状変性ポリジメチルシロキサンCを1質量部以上100質量部未満、平均粒子径1〜50nmの疎水性微粒子Dを0.1〜25質量部含有し、さらにシリコーン系揮発性溶剤、炭化水素系揮発性溶剤、極性基含有揮発性溶剤の少なくとも1種または2種以上を含有し、A、B、CおよびDの各成分を溶解または分散し得る揮発性溶剤Eを、A、B、CおよびDの各成分の合計1質量部に対し、500質量部以下を含有する外装面用の表面撥水保護剤。
【選択図】 なし

Description

本発明の外装面用の保護剤は、外装材の表面に塗布した保護膜が汚れた場合に容易に洗浄できる効果を有しながら、密着性に優れ、かつ、長期間にわたる撥水効果を有し、その結果、外装材の美観を長期間にわたって保持することができ耐久性の特に優れている、乗用車、トラック、バス、単車、飛行機、電車あるいは船舶などの外装の塗装面、ガラス面またはプラスチック面、あるいは自動車のタイヤ、アルミホイール、ミラー、あるいはビル、家屋などの壁面や屋根部分、その他として、石油や液化ガスなどの各種貯蔵タンクの外壁、高速道路の防護壁あるいは橋脚などの各種構造物の外装面を撥水して汚れから保護する働きのある表面撥水保護剤に関する。
従来、乗用車その他の車などの外装の塗装面やあるいは種々の家具の表面や建造物の壁面などの表面に塗布し、撥水性を付与するための各種構造物の外装面用の塗布剤が開発されて使用されている。これらのうち、特に乗用車など車両の塗装面に使用する塗布剤は、ワックスタイプの塗布剤やエマルジョンタイプの塗布剤であり、これらの塗布剤を塗布する用具や方法には、塗布用の布地やスポンジあるいはスエード調の合成皮革で塗布するものあるいはスプレーで塗布するものなどある。これらの種々のタイプの塗布剤の中で、特にエマルジョンタイプの塗布剤が使用の便利さから種々開発されている。
自動車の車体の塗装面に対してカーポリッシュ(オートモビルポリッシュ)として優れた性質を有する、特定のアミノ変性シリコーンオイルと界面活性剤とから乳化した高撥水性である撥水性付与エマルジョンが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。しかし、さらに塗布後に拭き取りにより簡単に仕上げでき、初期撥水性により一層に優れた外装面用の表面撥水保護剤が要望されている。
さらに、長期にわたって車両の金属面、塗装面または樹脂面の、艶および光沢、撥水性や防汚性を洗浄しても維持できるとした車両用コーティング剤として、湿気硬化性シリコーンオリゴマーと、硬化触媒と、両末端型反応性シリコーンオイルを含有し、両末端型反応性シリコーンオイルの配合割合が、湿気硬化性シリコーンオリゴマー100質量部に対して、25質量部以上である車両用コーティング剤が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。しかし、さらに塗布後に拭き取りにより簡単に仕上げでき、初期撥水性により一層に優れ、かつ、洗浄後の耐久性により一層に優れた外装面用の表面撥水保護剤が要望されている。
特開2004−339305号公報 特開2008−75021号公報
本発明が解決しようとする課題は、乗用車その他の車などの外装の塗装面やあるいは種々の家具の表面や建造物の壁面などの表面に塗布して撥水性を付与する塗布剤であって、塗布後に拭き取りにより簡単に仕上げできるとともに、持続性すなわち耐久性が著しく良好で、さらに少量の塗布で初期撥水性により一層優れた塗布面を形成でき、耐汚れ性、耐洗浄性および耐候性などに優れた、特に洗浄時の耐久性に優れた外装面に対する塗布用の表面撥水保護剤を提供することである。
上記の課題を解決するための本発明の手段は、請求項1の発明では、湿気硬化性液状シリコーンオリゴマーAを100質量部、Aの硬化触媒Bを0.1〜40質量部、両末端基にシラノール基を有する直鎖状変性ポリジメチルシロキサンCを1質量部以上100質量部未満、平均粒子径1〜50nmの疎水性微粒子Dを0.1〜25質量部含有し、さらにシリコーン系揮発性溶剤、炭化水素系揮発性溶剤、極性基含有揮発性溶剤の少なくとも1種または2種以上を含有し、かつ、A、B、CおよびDの各成分を溶解または分散し得る揮発性溶剤Eを、A、B、CおよびDの各成分の合計1質量部に対し、500質量部以下を含有することを特徴とする塗装面、ガラス面、金属面、もしくは樹脂面等の外装面用の表面撥水保護剤である。
請求項2の発明では、平均粒子径1〜50nmの疎水性微粒子Dは親水性シリカ微粒子の表面に疎水化処理をして得られる表面疎水化シリカ微粒子からなることを特徴とする請求項1の手段の外装面用の表面撥水保護剤である。
請求項3の発明では、両末端基にシラノール基を有する直鎖状変性ポリジメチルシロキサンCの使用量は、湿気硬化性液状シリコーンオリゴマーA100質量部に対して25質量部未満であることを特徴とする請求項1または2の手段の外装面用の表面撥水保護剤である。
本発明の手段の外装面用の表面撥水保護剤は、乗用車その他の自動車などの外装の塗装面やあるいは種々の家具の表面や建造物の壁面などの表面に塗布して撥水性を付与する塗布剤において、塗布後に拭き取りにより簡単に仕上げでき、塗布ムラがなく、洗浄時の磨耗に対する皮膜の耐久性に特に優れ、従って外観の持続性が著しく良好で、初期撥水性に優れ、耐汚れ性、洗浄耐久性および耐候性に優れ、従来のスポンジやポリッシャーなどの塗布材によって塗布しても優れた塗布面を形成することができるなど、本発明の表面撥水保護剤は優れた効果を奏するものであり、特にC成分である外装面用の表面撥水保護剤はA成分である湿気硬化性液状シリコーンオリゴマーの100質量部に対して1質量部以上で100質量部未満、かつ、D成分である疎水性微粒子を0.1〜25質量部として含有させていることで、洗車を繰り返し行っても未反応のポリジメチルシロキサン油が流出してフロントガラスにギラツキ感が生ずる恐れがなく、耐久性の効果が持続する点で、本発明は従来にない優れた効果を奏する外装面用の表面撥水保護剤である。
本発明を実施するための最良の形態について、以下に表を参照して、本発明の手段に係る外装面用の表面撥水保護剤について説明する。この外装面用の表面撥水保護剤は、各種の外装面に適用することができる。その場合、適用する外装面を洗浄して脱脂した後、専用のスポンジを用いた手塗りや、ポリッシャーなどを用いた機械塗装や、エアガンによる吹付け塗装や、浸漬塗装などによる各種の塗装方法により本発明の外装面用の表面撥水保護剤を塗布して仕上げする。また、乗用車の外装面などの非常に良好な外観が要求される場合には、表面撥水保護剤を塗布した後に拭き取りにより、カーワックスのように簡単に拭き取り仕上げができる、外装面用の表面撥水保護剤である。
以下に、本発明の手段の外装面用の表面撥水保護剤の主要成分について説明する。請求項1に係る発明の必須成分の一つであるA成分は、湿気硬化性の液状のシリコーンオリゴマーからなり、このシリコーンオリゴマーとしては、その化学式は{(R1)a−SiO(4-a-b)/2b}cで、ただし、Rは炭素数1〜8の置換または非置換の炭化水素基であり、Xはアルコキシ、アシル、ハロゲンなどの湿気硬化性基であり、aは0〜1.5、bは湿気硬化性基が5%以上となる値、cは3以上の値であり、湿気により架橋硬化して造膜する性質を有する湿気硬化性炭化水素基含有シリコーンオリゴマーが好適に用いられる。中でもRがメチル基、エチル基などのアルキル基、特にメチル基が好ましく、Xはメトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基などのアルコキシ基、特にメトキシ基が好ましい。この場合、上記において、aが1.5を超えると、得られる被膜の強度が不足して、耐久性が低下する。
A成分は必須成分の一つであるB成分の硬化触媒の促進作用によって、塗布後迅速に緻密な架橋構造を有する硬化皮膜を形成し、優れた耐候性を有し、耐汚染性に優れた架橋皮膜を形成する。これらの効果を良好に得るためには、A成分を100質量部とするとき、B成分の硬化触媒は0.1〜40質量部とする。
A成分の湿気硬化性液状シリコーンオリゴマーは、信越化学(株)からKC89S、KR213、KR400、KR401、KR401N、KR500、KR510、KR9218、X−40−2308、X−40−2327、X−40−2651、X−40−9225、X−40−9227、X−40−9238、X−40−9247、X−40−9250、X−41−1053、X−41−1056、X−41−1805、X−41−1810、GE東芝シリコーン(株)からXC96−B0446、東レ・ダウコーニング(株)からSR2402、AY42−161、AY42−163、AY42−182、AZ−6101、旭化成ワッカー(株)からSILRES MSE 100、SILICATE TES 40 WNなどの名称で市販されているものが好適に例示できる。なお、上記の信越化学(株)のKR−400(アルミ系触媒10質量%配合)、KR401(チタン系触媒5質量%配合)、X−40−2327(リン酸系触媒5質量%配合)には、予め硬化触媒のB成分が配合されている。
Aの硬化触媒として用いられるB成分としては、有機金属化合物、酸、アルカリなどが用いられる。有機金属化合物としては、アルミニウム、チタニウム、ジルコニウム、スズなどの化合物が挙げられ、具体的には、ジ−イソプロポキシ(エチルアセトアセテート)アルミニウム、イソプロポキシビス(エチルアセトアセテート)アルミニウム、トリス(エチルアセトアセテート)アルミニウム、ジ−イソプロポキシビス(アセチルアセトナート)チタニウム、ジ−イソプロポキシビス(エチルアセトアセテート)チタニウム、テトラキス(2−ブトキシエチルアルコラート)チタニウム、ジブトキシビス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、テトラキス(2−ブトキシエチルアルコラート)ジルコニウム、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズビス(オクチロキシカルボニルメチルチオラート)などが例示され、また市販品として信越化学(株)のD−20、D−25、DX−9740などが例示される。
B成分の硬化触媒である酸触媒としては、蟻酸、酢酸、シュウ酸、クエン酸、トリフルオロ酢酸、パラトルエンスルホン酸、塩酸、硫酸、およびリン酸などが挙げられ、市販品として信越化学(株)製のD−220、X−40−2309Aが例示できる。B成分の硬化触媒であるアルカリ触媒としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、アンモニア、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、ブチルアミン、ジブチルアミン、トリブチルアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、エチレンジアミン、トリエチレンジアミン、モルホリン、ピペリジン、ジアザビシクロウンデカン、アミノシラン類、アミノ変性シリコーン類、各種の1級または2級アミンとエポキシ基含有シランカップリング剤との反応物、ジシラザンなどの各種有機・無機アルカリ化合物が例示され、市販品としては信越化学(株)製のKP−390などが例示される。
これらB成分は、A成分100質量部に対して0.1〜40質量部の範囲で加えるのが好ましい。この範囲より少ないと、十分な硬化速度が得られず、これより多いと、ポットライフ(元の包みが開封された後、あるいは促進剤その他の添加剤が混合された後での、塗料が有効な期間)が短くなり、作業性が低下する上に、硬化皮膜の物性にも悪影響を与えるので好ましくない。
請求項1に係る発明のさらなる必須成分であるC成分である、両末端にシラノール基を有する直鎖状変性ポリジメチルシロキサンは、ケイ素原子と直接結合するヒドロキシル基がA成分と縮合して化学結合を形成することにより、A成分が構成する耐久性架橋硬化皮膜の物性を低下することなく、持続性のある撥水性能を皮膜に付与するのに必須な成分である。シラノール基が両末端に存在することにより、片末端のみ反応性の変性ポリシロキサンに比べて反応確率が向上することにより、持続性が著しく向上するとともに、両末端が反応することにより、分子が皮膜表面に横たわって存在するために、より少量で撥水性が発現されるものと推定される。
本成分は鎖の両末端にシラノール基を有する直鎖状両末端変性ポリジメチルシロキサンであり、A成分に直接、または下記のE成分によってA成分と溶解または分解するものであれば、特に制限はないが、粘度が3000cs以下のものが好ましい。粘度が3000csを超えるものは、A成分との反応性が低下し、撥水耐久性が低下するので、粘度の低いものと併用するのが好ましい。
C成分はA成分で構成される硬化被膜に持続性のある撥水性を付与するのに必須な成分であるが、シリコーンオイルなど非反応性撥水性付与剤に置き換えると、経時的にブリードアウトし、長期の撥水性が得られがたい。一方、本発明の組成物を用いることにより、単なる皮膜の耐久性に優れるのみでなく、初期には優れた撥水性を示すとともに、撥水性の持続にも優れる強固な架橋皮膜が得られる。
C成分の使用量は、A成分100質量部に対して1質量部以上100質量部未満の範囲で使用するのが好ましい。すなわち、A成分の撥水性を向上させるために、A成分の100質量部に対してC成分を1質量部以上を用いるのが好ましく、さらに、皮膜の強度を低下させずかつ未反応成分のブリードアウトによる悪影響を防止するためには、C成分は25質量部を超えないことがより好ましい。
C成分の両末端にシラノール基を有する直鎖状変性ポリジメチルシロキサンとしては、GE東芝シリコーン(株)からヒドロキシ末端ジメチルポリシロキサンYF3800、XF3905、YF3057、YF3807、YF3802、XC−96−723として市販されているものが好適に使用できる。
請求項1に係る発明におけるD成分としては、平均粒子径1〜50nmの疎水性微粒子Dが用いられる。D成分の平均粒子径1〜50nmの疎水性微粒子としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアクリル酸アルキルエステル、ポリメタクリル酸アルキルエステル、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン・メチルビニールエーテル共重合体、架橋ポリジメチルシロキサンなどの有機微粒子や、シリカ、アルミナ、チタニアなどの無機微粒子の疎水化処理微粒子などが挙げられる。なかでも、変質のしにくさ、微粒子の得やすさ、分散安定性などの効果の点から、表面疎水化シリカ微粒子が好ましい。また、疎水性微粒子の平均粒子径は1〜50nmの範囲であるのが好ましい。この範囲であれば、被処理表面の皮膜の外観を損なうことがなく、生成する皮膜の耐久性、特に洗車時の磨耗に対する耐久性を向上させる。また、効果も安定的に発現する。好ましい微粒子シリカとしては、日本アエロジル社のアエロジルR104、アエロジルR106、アエロジルR202、アエロジルR711、アエロジルR7200、アエロジルR805、アエロジルR812、アエロジルR8200、アエロジルR972、アエロジル972V、アエロジルRX200、アエロジルRX300、アエロジルRX50、アエロジルRY200などが例示される。D成分の使用量は、A成分100質量部に対して0.1〜25質量部の範囲で使用するのが好ましい。この範囲であれば、塗布作業性を悪化させたり、被処理表面の皮膜の外観を損なうことがなく、生成する皮膜の耐久性、特に洗車時の磨耗に対する耐久性を向上させる。また、効果も安定的に発現する。D成分の使用量が0.1質量部を下回ると、効果が十分でなく、D成分の使用量が25質量部を超えると、皮膜の塗布作業性が低下するうえに、生じる皮膜の外観が悪化し、実用的でない。
請求項1に係る発明におけるE成分としては、シリコーン系揮発性溶剤、炭化水素系揮発性溶剤、極性基含有揮発性溶剤の1種または2種以上からなるA成分、B成分、C成分、D成分を溶解または分散し得る揮発性有機溶剤が用いられる。
E成分のシリコーン系揮発性溶剤としては、粘度が5mm2/s以下のポリジメチルシロキサンオイルや、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサンなどの環状ジメチルシロキサン類、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、トリメチルメトキシシランなどが挙げられ、具体的には信越化学(株)製のKF96L−0.65cs、KF96L−1cs、KF96L−1.5cs、KF96L−2cs、KF96L−5cs、KF994、KF995、GE東芝シリコン(株)製のTSF405、TSF3802A、旭化成ワッカー(株)製のAK0.65などが例示される。
E成分の炭化水素系揮発性溶剤の例としては、n−パラフィン系炭化水素溶剤、イソパラフィン系炭化水素溶剤、ナフテン系炭化水素溶剤、あるいは、これらを主体とする石油留分、残油の改質あるいは分解物の留分などが例示され、イソパラフィン系炭化水素溶剤としてはイソヘキサン、イソオクタン、イソノナン、イソデカン、出光興産(株)製のIPソルベントの1016(沸点93〜140℃)、1620(沸点166〜202℃)(実施例用)、2028(沸点213〜262℃)、2836(沸点277〜353℃)、日本石油(株)製のアイソゾール200(沸点95〜155℃)、300(沸点170〜189℃)、400(沸点206〜257℃)、n−パラフィン系炭化水素溶剤として、n−ヘキサン、n−オクタン、n−デカン、n−ドデカン、0号ソルベントL、0号ソルベントM、0号ソルベントH(いずれも日本石油化学(株)製)、ナフテン系炭化水素溶剤としてシクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロキサン、デカリン、ナフテゾールL、M、H(いずれも日本石油化学(株)製)が、これらを主体とする石油留分、残油の改質あるいは分解物の留分としては、石油エーテル、ガソリン、軽油、灯油、ミネラルスピリット、ターペンなどが挙げられる。
E成分の極性基含有揮発性溶剤としては、ヒドロキシル基、エーテル基、エステル基、カルボニル基、カプロキシル基などを有するアルコール、グリコールエーテル、グリコールエーテルエステル、エーテル、エステル、ケトン類が挙げられる。
これらのうち、アルコール類としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノール、t−ブタノール、n−ペンタノール、ネオペンチルアルコール、n−ヘキサノール、n−オクタノール、イソオクタノール、n−デカノール、n−ドデシアルコール、シクロペンタノール、シクロヘキサノールなどが挙げられる。
次に、グリコールエーテルおよびグリコールエーテルエステルとしては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノn−プロピルエーテル、エチレングリコールn−ブチルエーテル、エチレングリコールモノt−ブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノ2−エチルヘキシルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノn−プロピルエーテル、ジエチレングリコールモノn−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノn−プロピルエーテル、トリエチレングリコールモノn−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノn−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノi−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノn−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノt−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノn−プロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノi−プロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノn−ブチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノn−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノi−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノn−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノt−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノエチルエーテル、3−メトキシ−1−プロパノール、3−メトキシ−1−ブタノール、3−メトキシブチルアセテート、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール、3−メトキシ3−メチルブチルアセテート、ジエチルエーテル、ジi−プロピルエーテル、ジブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテルなどが挙げられる。
エステル類としては、エチルアセテート、プロピルアセテート、ブチルアセテート、エチレングリコールジアセテート、1、4−ブタンジオールジアセテートなどが挙げられる。
ケトン類としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルi−ブチルケトン、ジi−プロピルケトン、ジi−ブチルケトンなどが挙げられる。
これらの中では、イソパラフィン系炭化水素溶剤、n−パラフィン系炭化水素溶剤、ナフテン系炭化水素溶剤、灯油、ミネラルスピリット、ターペンなどの炭化水素系溶剤を単独または混合して、あるいはさらにシリコーン系揮発性溶剤と併用して使用するのが好ましい。また、E成分中に沸点が70℃以上の溶剤を30質量%以上用いるのが好ましい。沸点が70℃以上の溶剤が30質量%を下回ると、乾燥が速すぎて、塗布作業性や得られた皮膜外観性が低下する。
上記のA成分、B成分、C成分およびD成分の合計1質量部に対するE成分の割合は、500質量部以下にするのが好ましい。E成分の量が500質量部を超える場合は、粘度が低くなりすぎて、はじき易くなるとともに、1回の塗布では、形成される膜の厚みが薄くなりすぎて性能が出ない場合があり、作業性の面からも好ましくない。
本組成物には、さらに、初期の撥水性を高めるために、ポリジメチルシロキサンなどのシリコーンオイルやエポキシ基、アミノ基、メルカプト基、アルコキシシリル基、ビニル基などの官能基を有する変性シリコーンオイルや、固体の撥水性シリコーン樹脂などを少量加えることができる。また、紫外線吸収剤、紫外線安定剤、酸化防止剤、顔料、色素、香料、消臭剤、粘度調整剤、はじき抑制剤、拭き取り性向上剤などを添加することもできる。
本発明の外装用の表面撥水保護剤はスポンジなどを用いる手塗り、ポリッシャーによる機械塗り、エアガンによる吹付け、あるいは噴射ガスとともに耐圧缶に充填したエアゾールとして吹き付けることにより塗布できる。また、塗布したあと、必要に応じて拭き取りなどを行うことによって表面のさらなる平滑化を行ってもよい。
本発明の外装用の表面撥水保護剤は、被膜自体の耐久性が特に高く、また、外装面の外観の向上効果に優れることから、乗用車や二輪車、トラック、バス、トラクター、コンバイン、飛行機、電車、船舶、フォークリフト、ユンボ(登録商標)、クレーン、家屋、ビル、あるいは橋梁などの各種の屋外機器あるいは構造物の外装の塗装面、ガラス面、金属面、もしくは樹脂面等に特に好適に使用できる。
本発明の外装面用の表面撥水保護剤を製造する原料について、実施例1〜10および比較例1〜8を表1−1および表1−2に示した。これらの表1−1および表1−2に示すA、B、C、DおよびEの各原料をドライボックス中でステンレスビーカーに秤取し、約10分間撹拌し、その後10分間超音波処理して、各実施例および各比較例の組成物である外装面用の表面撥水保護剤を調製した。なお、組成物の調製方法は上記方法に限定されるものではない。以下の表1−1および表1−2に示す実施例および比較例において、%は質量%を示す。この場合、実施例では組成物No.として、D1、D2、・・・・、D9、D10で、比較例では組成物No.としてH1、H2、・・・・、H7、H8でそれぞれ示した。また、表1−1中および本文中の実施例のKR400とX−40−2327の組成比に関しては、予めA成分及びB成分とに振り分けて記載した。
Figure 2013166957
Figure 2013166957
実施例1の組成例No.D1では、湿気硬化性液状シリコーンオリゴマーAとして信越化学(株)のKC89Sを0.43%およびX−40−9225を0.43%の計0.86%、硬化触媒Bとして信越化学(株)のD−20を0.10%、両末端基にシラノール基を有する直鎖状変性ポリジメチルシロキサンCとして東芝シリコーン(株)のヒドロキシ末端ジメチルポリシロキサンXF3905を0.20%、平均粒子径1〜50nmの疎水性微粒子Dとして日本アエロジル(株)のアエロジルRX300を0.04%で、A成分、B成分、C成分およびD成分の小計は1.20%である。さらに揮発性溶剤Eとして出光興産(株)のIPソルベント1620を84.20%と日本油脂(株)のイソパラフィン系溶剤プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートのNAS3を14.60%の98.80%で、その他は0%であり、A成分、B成分、C成分、D成分、E成分およびその他の合計100%である。したがって、質量部に換算すると、A成分を100質量部に対して、B成分は11.63質量部、C成分は23.26質量部、D成分は4.65質量部である。さらに、A成分、B成分、C成分、D成分の小計の1質量部に対して、E成分は82.33質量部で、いずれも請求項に規定する条件を満足するものであった。調整直後の液外観は○で良好であった。
実施例2の組成例No.D2では、湿気硬化性液状シリコーンオリゴマーAとして信越化学(株)のKC89Sを5.00%、X−40−9225を10.00%およびX−40−2327を4.75%の計19.75%、硬化触媒Bとして信越化学(株)のD−20を0.50%およびA由来分としてのX−40−2327を0.25%の計0.75%、両末端基にシラノール基を有する直鎖状変性ポリジメチルシロキサンCとして東芝シリコーン(株)のヒドロキシ末端ジメチルポリシロキサンXF3905を4.50%、平均粒子径1〜50nmの疎水性微粒子Dとして日本アエロジル(株)のアエロジルR972を2.00%で、A成分、B成分、C成分およびD成分の小計は27.00%である。さらに揮発性溶剤Eとして信越化学(株)のKF96L−0.65csを5.00%および灯油68.00%の計73.00%で、その他は0%であり、A成分、B成分、C成分、D成分、E成分およびその他の合計100%である。したがって、質量部に換算すると、A成分を100質量部に対して、B成分は3.80質量部、C成分は22.78質量部、D成分は10.13質量部である。さらに、A成分、B成分、C成分、D成分の小計の1質量部に対して、E成分は2.70質量部で、いずれも請求項に規定する条件を満足するものであった。調整直後の液外観は○で良好であった。
実施例3の組成例No.D3では、湿気硬化性液状シリコーンオリゴマーAとして信越化学(株)のX−40−9250を1.00%およびKR400を4.50%の計5.50%、硬化触媒Bとして信越化学(株)のD−25を0.20%、DX−9740を0.10%およびA由来分としてのKR400を0.50%の計0.80%、両末端基にシラノール基を有する直鎖状変性ポリジメチルシロキサンCとして東芝シリコーン(株)のヒドロキシ末端ジメチルポリシロキサンXF3057を0.70%、平均粒子径1〜50nmの疎水性微粒子Dとして日本アエロジル(株)のアエロジルRX300を0.20%で、A成分、B成分、C成分およびD成分の小計は7.20%である。さらに揮発性溶剤Eとして信越化学(株)のKF96L−0.65csを20.00%および日本油脂(株)のイソパラフィン系溶剤のNAS3を72.80%の92.80%で、その他は0%であり、A成分、B成分、C成分、D成分、E成分およびその他の合計100%である。したがって、質量部に換算すると、A成分を100質量部に対して、B成分は14.55質量部、C成分は12.73質量部、D成分は3.64質量部である。さらに、A成分、B成分、C成分、D成分の小計の1質量部に対して、E成分は12.89質量部で、いずれも請求項に規定する条件を満足するものであった。調整直後の液外観は○で良好であった。
実施例4の組成例No.D4では、湿気硬化性液状シリコーンオリゴマーAとして信越化学(株)のX−40−9225を5.00%およびX−40−9250を5.00%の計10.00%、硬化触媒Bとして信越化学(株)のD−20を0.30%、両末端基にシラノール基を有する直鎖状変性ポリジメチルシロキサンCとして東芝シリコーン(株)のヒドロキシ末端ジメチルポリシロキサンXF3905を0.70%およびXF3057を0.30%の計1.00%、平均粒子径1〜50nmの疎水性微粒子Dとして日本アエロジル(株)のアエロジルRY200を0.80%で、A成分、B成分、C成分およびD成分の小計は12.10%である。さらに揮発性溶剤Eとして信越化学(株)のKF96L−1csを5.00%、灯油77.80%およびプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートPGMAcを5.00%の計87.80%で、その他はMQ803TFの0.10%であり、A成分、B成分、C成分、D成分、E成分およびその他の合計100%である。したがって、質量部に換算すると、A成分を100質量部に対して、B成分は3.00質量部、C成分は10.00質量部、D成分は8.00質量部である。さらに、A成分、B成分、C成分、D成分の小計の1質量部に対して、E成分は7.26質量部で、いずれも請求項に規定する条件を満足するものであった。調整直後の液外観は○で良好であった。
実施例5の組成例No.D5では、湿気硬化性液状シリコーンオリゴマーAとして信越化学(株)のX−40−9225を3.00%および旭化成ワッカーのSIRES MSE 100を2.00%の計5.00%、硬化触媒Bとして信越化学(株)のD−20を0.30%、両末端基にシラノール基を有する直鎖状変性ポリジメチルシロキサンCとして東芝シリコーン(株)のヒドロキシ末端ジメチルポリシロキサンXF3057を0.10%、平均粒子径1〜50nmの疎水性微粒子Dとして日本アエロジル(株)のアエロジルRX300を0.04%で、A成分、B成分、C成分およびD成分の小計は5.44%である。さらに揮発性溶剤Eとして信越化学(株)のKF96L−0.65csを5.00%、出光興産(株)のIPソルベント1620を58.56%および日本油脂(株)のイソパラフィン系溶剤のNAS3を30.00%の小計93.56%で、その他は信越化学(株)のシリコーンパウダーKMP590の1.00%であり、A成分、B成分、C成分、D成分、E成分およびその他の合計100%である。したがって、質量部に換算すると、A成分を100質量部に対して、B成分は6.00質量部、C成分は2.00質量部、D成分は0.80質量部である。さらに、A成分、B成分、C成分、D成分の小計の1質量部に対して、E成分は17.20質量部で、いずれも請求項に規定する条件を満足するものであった。調整直後の液外観は○で良好であった。
実施例6の組成例No.D6では、湿気硬化性液状シリコーンオリゴマーAとして信越化学(株)のX−40−9250を3.00%、KR401Nを0.50%およびKR400を0.90%、の計4.40%、硬化触媒Bとして信越化学(株)のD−20を0.20%およびA由来分としてのKR400を0.10%の計0.30%、両末端基にシラノール基を有する直鎖状変性ポリジメチルシロキサンCとして東芝シリコーン(株)のヒドロキシ末端ジメチルポリシロキサンXF3800を0.10%、XF3905を0.80%およびYF3057を0.10%の小計1.00%、平均粒子径1〜50nmの疎水性微粒子Dとして日本アエロジル(株)のアエロジルRX300を0.10%で、A成分、B成分、C成分およびD成分の小計は5.80%である。さらに揮発性溶剤Eとして信越化学(株)のKF96L−1csを5.00%および出光興産(株)のIPソルベント1620を87.80%の小計92.80%で、その他は信越化学(株)のシリコーンパウダーKMP590の1.00%およびMQ803TFの0.40%であり、A成分、B成分、C成分、D成分、E成分およびその他の合計100%である。したがって、質量部に換算すると、A成分を100質量部に対して、B成分は6.82質量部、C成分は22.73質量部、D成分は2.27質量部である。さらに、A成分、B成分、C成分、D成分の小計の1質量部に対して、E成分は16.00質量部で、いずれも請求項に規定する条件を満足するものであった。調整直後の液外観は○で良好であった。
実施例7の組成例No.D7では、湿気硬化性液状シリコーンオリゴマーAとして信越化学(株)のX−40−9225を0.50%、X−40−9250を1.00%およびKR400を4.50%の計6.00%、硬化触媒BとしてA由来分としてのKR400を0.50%、両末端基にシラノール基を有する直鎖状変性ポリジメチルシロキサンCとして東芝シリコーン(株)のヒドロキシ末端ジメチルポリシロキサンXF3905を0.50%およびYF3057を0.50%の小計1.00%、平均粒子径1〜50nmの疎水性微粒子Dとして日本アエロジル(株)のアエロジルRY200を0.60%で、A成分、B成分、C成分およびD成分の小計は8.10%である。さらに揮発性溶剤Eとして信越化学(株)のKF96L−0.65csを20.00%および日本油脂(株)のイソパラフィン系溶剤プのNAS3を70.80%の小計90.80%で、その他は信越化学(株)のシリコーンパウダーKMP590を1.00%およびKF96−20csを0.10%であり、A成分、B成分、C成分、D成分、E成分およびその他の合計100%である。したがって、質量部に換算すると、A成分を100質量部に対して、B成分は8.33質量部、C成分は16.67質量部、D成分は10.00質量部である。さらに、A成分、B成分、C成分、D成分の小計の1質量部に対して、E成分は11.21質量部で、いずれも請求項に規定する条件を満足するものであった。調整直後の液外観は○で良好であった。
実施例8の組成例No.D8では、湿気硬化性液状シリコーンオリゴマーAとして信越化学(株)のX−40−9225を12.00%、X−40−9250を1.00%、KR401Nを1.00%および旭化成ワッカーのSIRES MSE 100を1.00%の計15.00%、硬化触媒Bとして信越化学(株)のD−25を0.30%、両末端基にシラノール基を有する直鎖状変性ポリジメチルシロキサンCとして東芝シリコーン(株)のヒドロキシ末端ジメチルポリシロキサンYF3800を0.10%、XF3905を0.40%、YF3057を0.40%およびYF3807を0.10%の小計1.00%、平均粒子径1〜50nmの疎水性微粒子Dとして日本アエロジル(株)のアエロジルR972を0.20%で、A成分、B成分、C成分およびD成分の小計は16.50%である。さらに揮発性溶剤Eとして信越化学(株)のKF96L−0.65csを15.00%および灯油を68.45%の小計83.45%で、その他は信越化学(株)のKF96−500cs(いわゆるシリコーンオイル)を0.05%であり、A成分、B成分、C成分、D成分、E成分およびその他の合計100%である。したがって、質量部に換算すると、A成分を100質量部に対して、B成分は2.00質量部、C成分は6.67質量部、D成分は1.33質量部である。さらに、A成分、B成分、C成分、D成分の小計の1質量部に対して、E成分は5.06質量部で、いずれも請求項に規定する条件を満足するものであった。調整直後の液外観は○で良好であった。
実施例9の組成例No.D9では、湿気硬化性液状シリコーンオリゴマーAとして信越化学(株)のX−40−9250を3.00%、KR401Nを0.50%およびKR400を0.90%、の計4.40%、硬化触媒Bとして信越化学(株)のD−20を0.20%およびA由来分としてのKR400を0.10%の計0.30%、両末端基にシラノール基を有する直鎖状変性ポリジメチルシロキサンCとして東芝シリコーン(株)のヒドロキシ末端ジメチルポリシロキサンXF3800を0.33%、XF3905を2.64%およびYF3057を0.33%の小計3.30%、平均粒子径1〜50nmの疎水性微粒子Dとして日本アエロジル(株)のアエロジルRX300を0.10%で、A成分、B成分、C成分およびD成分の小計は8.10%である。さらに揮発性溶剤Eとして信越化学(株)のKF96L−1csを5.00%および出光興産(株)のIPソルベント1620を85.50%の小計90.50%で、その他は信越化学(株)のシリコーンパウダーKMP590の1.00%およびMQ803TFの0.40%であり、A成分、B成分、C成分、D成分、E成分およびその他の合計100%である。したがって、質量部に換算すると、A成分を100質量部に対して、B成分は6.82質量部、C成分は75.00質量部、D成分は2.27質量部である。さらに、A成分、B成分、C成分、D成分の小計の1質量部に対して、E成分は11.17質量部で、いずれも請求項に規定する条件を満足するものであった。調整直後の液外観は○で良好であった。
実施例10の組成例No.D10では、湿気硬化性液状シリコーンオリゴマーAとして信越化学(株)のX−40−9250を3.00%、KR401Nを0.50%およびKR400を0.90%、の計4.40%、硬化触媒Bとして信越化学(株)のD−20を0.20%およびA由来分としてのKR400を0.10%の計0.30%、両末端基にシラノール基を有する直鎖状変性ポリジメチルシロキサンCとして東芝シリコーン(株)のヒドロキシ末端ジメチルポリシロキサンXF3800を0.42%、XF3905を3.36%およびYF3057を0.42%の小計4.20%、平均粒子径1〜50nmの疎水性微粒子Dとして日本アエロジル(株)のアエロジルRX300を0.10%で、A成分、B成分、C成分およびD成分の小計は9.00%である。さらに揮発性溶剤Eとして信越化学(株)のKF96L−1csを5.00%および出光興産(株)のIPソルベント1620を84.60%の小計89.60%で、その他は信越化学(株)のシリコーンパウダーKMP590の1.00%およびMQ803TFの0.40%であり、A成分、B成分、C成分、D成分、E成分およびその他の合計100%である。したがって、質量部に換算すると、A成分を100質量部に対して、B成分は6.82質量部、C成分は95.45質量部、D成分は2.27質量部である。さらに、A成分、B成分、C成分、D成分の小計の1質量部に対して、E成分は9.96質量部で、いずれも請求項に規定する条件を満足するものであった。調整直後の液外観は○で良好であった。
(比較例1)
比較例1の組成例No.H1では、湿気硬化性液状シリコーンオリゴマーAとして信越化学(株)のKC89Sを0.040%、X−40−9225を0.010%の計0.050%、硬化触媒Bとして信越化学(株)のD−20を0.001%、両末端基にシラノール基を有する直鎖状変性ポリジメチルシロキサンCとして東芝シリコーン(株)のヒドロキシ末端ジメチルポリシロキサンYF3800を0.001%、平均粒子径1〜50nmの疎水性微粒子Dとして日本アエロジル(株)のアエロジルRX300を0.001%で、A成分、B成分、C成分およびD成分の小計は0.053%である。さらに揮発性溶剤Eとして信越化学(株)のKF96L−1csを5.00%および灯油を94.947%の小計99.947%で、その他は0%であり、A成分、B成分、C成分、D成分、E成分およびその他の合計100%である。
したがって、質量部に換算すると、A成分を100質量部に対して、B成分は2.00質量部、C成分は2.00質量部、D成分は2.00質量部である。さらに、A成分、B成分、C成分、D成分の小計の1質量部に対して、E成分は1886質量部で、請求項1に規定する条件を外れるものであった。なお、調整直後の液外観は○で良好であった。

(比較例2)
比較例2の組成例No.H2では、湿気硬化性液状シリコーンオリゴマーAとして信越化学(株)のKC89Sを2.00%、X−40−9250を2.00%の計4.00%、硬化触媒Bとして信越化学(株)のD−20を0.40%、両末端基にシラノール基を有する直鎖状変性ポリジメチルシロキサンCとして東芝シリコーン(株)のヒドロキシ末端ジメチルポリシロキサンYF3800を0.001%、平均粒子径1〜50nmの疎水性微粒子Dとして日本アエロジル(株)のアエロジルRX300を0.100%で、A成分、B成分、C成分およびD成分の小計は4.501%である。さらに揮発性溶剤Eとして信越化学(株)のKF96L−0.65csを15.00%、日本油脂(株)のイソパラフィン系溶剤のNAS3を75.50%およびプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートPGMAcを5.00%の小計95.50%で、その他は0%であり、A成分、B成分、C成分、D成分、E成分およびその他の合計100%である。したがって、質量部に換算すると、A成分を100質量部に対して、B成分は10.00質量部、C成分は0.0251質量部、D成分は2.50質量部である。さらに、A成分、B成分、C成分、D成分の小計の1質量部に対して、E成分は21.22質量部で、C成分は請求項3に規定する条件を僅かに外れるものであった。なお、調整直後の液外観は○で良好であった。
(比較例3)
比較例3の組成例No.H3では、湿気硬化性液状シリコーンオリゴマーAとして信越化学(株)のX−40−9225を1.00%、X−40−9250を1.00%および旭化成ワッカーのSIRES MSE 100を1.00%の計3.00%、硬化触媒Bとして信越化学(株)のD−20を0.001%、両末端基にシラノール基を有する直鎖状変性ポリジメチルシロキサンCとして東芝シリコーン(株)のヒドロキシ末端ジメチルポリシロキサンYF3800を0.20%、平均粒子径1〜50nmの疎水性微粒子Dとして日本アエロジル(株)のアエロジルRX300を0.05%で、A成分、B成分、C成分およびD成分の小計は3.251%である。さらに揮発性溶剤Eとして信越化学(株)のKF96L−0.65csを5.00%、出光興産(株)のIPソルベント1620を81.749%および日本油脂(株)のイソパラフィン系溶剤のNAS3を10.00%の小計96.749%で、その他は0%であり、A成分、B成分、C成分、D成分、E成分およびその他の合計100%である。したがって、質量部に換算すると、A成分を100質量部に対して、B成分は0.03質量部、C成分は6.67質量部、D成分は1.67質量部である。さらに、A成分、B成分、C成分、D成分の小計の1質量部に対して、E成分は29.76質量部で、B成分は請求項1に規定する条件を外れるものであった。なお、調整直後の液外観は○で良好であった。
(比較例4)
比較例4の組成例No.H4では、湿気硬化性液状シリコーンオリゴマーAとして信越化学(株)のKC89Sを1.00%、X−40−9225を1.00%、X−40−9250を1.00%およびKR400を0.90%の計3.90%、硬化触媒BとしてA由来分としてのKR400を0.10%、両末端基にシラノール基を有する直鎖状変性ポリジメチルシロキサンCとして東芝シリコーン(株)のヒドロキシ末端ジメチルポリシロキサンYF3800を5.00%およびXF3905を1.00%、平均粒子径1〜50nmの疎水性微粒子Dとして日本アエロジル(株)のアエロジルRX300を0.01%で、A成分、B成分、C成分およびD成分の小計は10.01%である。さらに揮発性溶剤Eとして信越化学(株)のKF96L−0.65csを10.00%、KF96L−1csを5.00%および灯油を73.69%の小計88.69%で、その他は信越化学(株)のシリコンパウダーKMP590を1.00%、信越化学(株)のKF96−20csを0.30であり、A成分、B成分、C成分、D成分、E成分およびその他の合計100%である。したがって、質量部に換算すると、A成分を100質量部に対して、B成分は2.56質量部、C成分は153.85質量部、D成分は0.26質量部である。さらに、A成分、B成分、C成分、D成分の小計の1質量部に対して、E成分は8.86質量部で、C成分は請求項1に規定する条件を外れるものであった。なお、調整直後の液外観は○で良好であった。
(比較例5)
比較例5の組成例No.H5では、湿気硬化性液状シリコーンオリゴマーAとして信越化学(株)のX−40−9225を0.50%、X−40−9250を0.50%およびのX−40−2327を1.90%の計2.90%、硬化触媒Bとして信越化学(株)のD−20を3.00%およびA由来分としてのX−40−2327を0.10%の小計3.10%、両末端基にシラノール基を有する直鎖状変性ポリジメチルシロキサンCとしては東芝シリコーン(株)のヒドロキシ末端ジメチルポリシロキサンYF3800を0.20%、平均粒子径1〜50nmの疎水性微粒子Dとして日本アエロジル(株)のアエロジルRX300を0.020%で、A成分、B成分、C成分およびD成分の小計は6.22%である。さらに揮発性溶剤Eとして出光興産(株)のIPソルベント1620を0.00%、および灯油を72.68%の小計92.68%で、その他は信越化学(株)のシリコンパウダーKMP590を1%およびKF96−500cs(シリコーンオイル)を0.10%であり、A成分、B成分、C成分、D成分、E成分およびその他の合計100%である。したがって、質量部に換算すると、A成分を100質量部に対して、B成分は106.90質量部、C成分は6.90質量部、D成分は0.69質量部である。さらに、A成分、B成分、C成分、D成分の小計の1質量部に対して、E成分は14.90質量部で、B成分は請求項1に規定する条件を外れるものであった。なお、調整直後の液外観は○で良好であった。
(比較例6)
比較例6の組成例No.H6では、湿気硬化性液状シリコーンオリゴマーAとして信越化学(株)のX−40−9225を0.50%、X−40−9250を4.1%およびKR400を0.9%の計5.50%、硬化触媒BとしてA由来分としてのKR400を0.10%、両末端基にシラノール基を有する直鎖状変性ポリジメチルシロキサンCとしては0%、平均粒子径1〜50nmの疎水性微粒子Dとして日本アエロジル(株)のアエロジルRY200を0.20%で、A成分、B成分、C成分およびD成分の小計は5.80%である。さらに揮発性溶剤Eとして信越化学(株)のKF96L−0.65csを15.00%および日本油脂(株)のイソパラフィン系溶剤のNAS3を76.0%の小計91.70%で、その他は信越化学(株)のシリコンパウダーKMP590を1%およびKF96−500cs(シリコーンオイル)を1.50%であり、A成分、B成分、C成分、D成分、E成分およびその他の合計100%である。したがって、質量部に換算すると、A成分を100質量部に対して、B成分は1.82質量部、C成分は0質量部、D成分は3.64質量部である。さらに、A成分、B成分、C成分、D成分の小計の1質量部に対して、E成分は15.81質量部で、請求項1および3に規定する条件を外れるものであった。なお、調整直後の液外観は○で良好であった。
(比較例7)
比較例7の組成例No.H7では、湿気硬化性液状シリコーンオリゴマーAとして信越化学(株)のX−40−9225を12.00%、X−40−9250を1.00%、旭化成ワッカーのSIRES MSE 100を1.00%および信越化学(株)のKR401Nを1.00%の計15.00%、硬化触媒Bとして信越化学(株)のD−25を0.60%、両末端基にシラノール基を有する直鎖状変性ポリジメチルシロキサンCとして東芝シリコーン(株)のヒドロキシ末端ジメチルポリシロキサンYF3800を0.20%、平均粒子径1〜50nmの疎水性微粒子Dとして日本アエロジル(株)のアエロジルRY200を5.00%で、A成分、B成分、C成分およびD成分の小計は20.80%である。さらに揮発性溶剤Eとして信越化学(株)のKF96L−0.65csを10.00%および灯油を69.20%の小計79.20%で、その他は0%であり、A成分、B成分、C成分、D成分、E成分およびその他の合計100%である。したがって、質量部に換算すると、A成分を100質量部に対して、B成分は4.00質量部、C成分は1.33質量部、D成分は33.33質量部である。さらに、A成分、B成分、C成分、D成分の小計の1質量部に対して、E成分は3.81質量部で、D成分は請求項1に規定する条件を外れるものであった。なお、調整直後の液外観は○で良好であった。
(比較例8)
比較例8の組成例No.H8では、湿気硬化性液状シリコーンオリゴマーAとして信越化学(株)のX−40−9250を3.00%およびKR400を1.80%の計4.80%、硬化触媒Bとして信越化学(株)のD−20を0.30%およびA由来分としてのKR400を0.20%の小計0.50%、両末端基にシラノール基を有する直鎖状変性ポリジメチルシロキサンCとして東芝シリコーン(株)のヒドロキシ末端ジメチルポリシロキサンXF3905を0.30%およびYF3057を0.20%、平均粒子径1〜50nmの疎水性微粒子Dとしては0%で、A成分、B成分、C成分およびD成分の小計は5.80%である。さらに揮発性溶剤Eとして信越化学(株)のKF96L−0.65csを20.00%および灯油を73.20%の小計93.20%で、その他は信越化学(株)のシリコンパウダーKMP590を1.00%であり、A成分、B成分、C成分、D成分、E成分およびその他の合計100%である。したがって、質量部に換算すると、A成分を100質量部に対して、B成分は10.42質量部、C成分は10.42質量部、D成分は0質量部である。さらに、A成分、B成分、C成分、D成分の小計の1質量部に対して、E成分は16.07質量部で、D成分は請求項1に規定する条件を外れるものであった。なお、調整直後の液外観は○で良好であった。
以上の表1−1および表1−2の実施例および比較例の組成物の範囲で調製した表面撥水保護剤を、エアガンによる吹付けおよび専用スポンジによる塗布方法で試験体に塗布し、所定の時間養生した後、外観、初期光沢、初期接触角、初期滑落角、耐汚れ性、耐洗浄性および耐候性の各評価を、実施例1〜10および比較例1〜8について行なった。これらの結果を表2に示した。
また、調製した各外装面用の表面撥水保護剤をガラスビンに充填し、密封の上、45℃で3ヶ月間放置した後、外観を評価し、外観上で問題のないものについて再び性能試験を行い、貯蔵安定性を評価した。
Figure 2013166957
以下の塗布方法でウレタン塗装鉄板を作成した。すなわち、耐汚れ性は白色とし、その他は黒色として、日本ペイント(株)製の2液硬化型ウレタン塗料を、イソプロピルアルコール、次いで石油系溶剤で脱脂したSPCC鋼板(一般用冷間圧延鋼板)に、エアガン吹付けで塗装し、100℃で2時間焼付けて調整してウレタン塗装鉄板を得た。このウレタン塗装鉄板の表面に、専用脱脂剤をポンプスプレーにて均一に吹付け、直ちに拭き取り専用クロスで拭き取ることにより脱脂作業を行った。次いで、脱脂された清浄面に、表1−1、表1−2に記載の外装面用の表面撥水保護剤を、専用スポンジで均一に手塗りして塗布するか、あるいは低圧のエアガンを用いて脱脂済みの表面に均一に塗装し、乾燥させた。乾燥直後に拭取り専用クロスで過剰のポリマーを拭き取って表面を平滑化した。いずれの場合も25℃で1日養生した後に、初期評価を行った。
また、25℃で2週間養生した後に、JIS K 5400に規定の方法で、中性カーシャンプーを水で50倍に希釈した洗浄液を用いて耐洗車性のモデル試験を行った。ブラシで5000回往復した後に、表面を水ですすぎ、残った水滴を紙で軽く押し当てて吸い取った後、表面に水道水を掛けて目視で撥水性が概ね保持されているものを◎とし、保持されているが、明らかに低下したものを〇とした。さらにJIS K 2396に規定の方法で暴露試験台に試験片を固定して3ヶ月間の屋外暴露試験を行った後、表面を50倍に希釈した中性カーシャンプーで洗浄、水洗、水拭き取りした後に、水を掛けて目視評価した。撥水性が概ね保持されているものを◎とし、非施工面よりは撥水性が保持されているが初期に比べて明らかに低下しているものを〇とした。また、25℃で2週間の養生後に、表面にカーボンブラックの粉末を均一に振りかけて、50℃で2時間保持した後、中性カーシャンプーで洗浄した後、その表面を観察し、耐汚れ性試験を行った。表面が清浄なものを◎とし、ほぼ清浄であるがやや黒い汚れの残りが認められるものを〇、明らかに黒い汚れが残っているものを×とした。
これらの試験の結果、本発明の組成物を用いることにより、実施例10で液の伸びがやや他の実施例に比べて悪かった点と、実施例9と10で外観上問題にはならない程度の僅かなムラがあったのを除いては、本発明の実施例は、専用スポンジによる塗布、エアガンによる塗布の両方ともに良好であった。一方、比較例では、比較例5は、乾燥後の拭き取り性が悪く、外観不良であり、比較7も、吹き付け時の塗布ムラが酷く、また、その後のレベリング性も悪いために外観不良であった。また、比較例2は、外観上問題ないものの施工による表面の接触角の向上がほとんど見られなかった。これらの3例については、以後の評価は行わなかった。さらに、比較例4は液の伸びがやや悪く、また、外観上、若干のムラが認められた。
耐汚れ性では、実施例では、実施例1と10のみが〇の良好で、残りの実施例2〜9はいずれも◎で優れていた。一方、比較例では、比較例1、3、4および比較例6が〇の良好で比較例8のみが◎で優れていた。
耐洗車性では、実施例では、実施例1と5と8と9と10が〇の良好で、残りの実施例2〜4、および6、7はいずれも◎で優れていた。一方、比較例では、いずれも×で不良であった。
耐候性では、実施例では、実施例1は〇の良好であったが、残りの実施例2〜10は全て◎で優れていた。一方、比較例では、比較例4が○の良好で、比較例8が◎の良好であったが、残りの比較例1、3、6はいずれも×で不良であった。
以上のように、本願発明の実施例1〜8では、耐汚れ性、耐洗浄性および耐候性の全てにおいて◎か〇で優れており、塗布ムラのない好ましい外観が得られ、特に洗車耐久性に優れる強固な被膜を表面に形成することができることがわかった。また実施例9,10においても、外観上僅かにムラが見られるものの耐汚れ性、耐洗浄性および耐候性の全てにおいて◎か〇で優れており、特に洗車耐久性に優れる強固な被膜を表面に形成することができることがわかった。これに対し、比較例1〜8では、耐汚れ性、耐洗車性および耐候性の3点が共に優れているものはなかった。
さらに、自動車のルーフの塗装面に本願発明の表面撥水保護剤の組成物及び比較例の組成物を塗布及び養生して初期光沢並びに撥水性の良好なものに対して、その後の降雨によりルーフから流動した雨水によりフロントウィンドウガラスに与える影響について調査した。
先ず、調査には新車登録から3年以内の黒色のメタリック塗装の各メーカーのコンパクトカー5台を用意し、5台ともルーフをノンシリコーン系のコンパウンドを用いてポリシングを行い、脱脂剤を用いて油分を除去し、フロントウィンドウガラスに対して市販の強力油膜取りを用いて、水垢や油分などを除去した。表3に実施例11〜13として示した表面撥水性保護剤の組成物D1、D6及びD7並びに比較例9〜10として示した比較例の組成物H4及びH6を用い、表2と同じ塗布方法でルーフのみに塗布し、エアコンディショナーで約25°Cに調整された室内にて約20時間養生を行った後、塗布面の初期の光沢、撥水性を目視評価しいずれも良好であることを確認した。なお、組成物のD1、D6及びD7並びにH4及びH6は表1及び表2のそれらと同一の組成物である。
次に、洗車場にて、エンジンをかけてワイパーを作動した状態で、散水ホースを用いて1分間に約10Lの水道水をルーフの後方からフロントウィンドウガラスの方向に流れるように30分シャワー状に水をかけ続けた。その後、直ちにフロントウィンドウガラスの状態を観察して、油膜の付着によるギラツキ感の有無をギラツキ性として目視評価し、その結果を表3に示した。この評価では、フロントウィンドーガラスの表面にギラツキが殆ど見られないものを◎とし、僅かにギラツキが見られるものの、視界確保の上で問題のないものを○とした。さらにギラツキの明らかに認められるものを×とした。
Figure 2013166957
実施例11〜13においては、フロントウィンドウガラスにギラツキはなくいずれも問題はなく、視界は良好なままであった。一方、比較例9〜10では、いずれの例においてもフロントウィンドウガラスにギラツキ感が感じられた。その原因は、比較例9の組成物H4では、A成分に対するC成分の使用量であるC/A×100の値が153.85とA成分の100質量部に対するC成分が25質量部を大幅に超えていることによるC成分の未反応成分のブリードアウトによるものである。一方、比較例10の組成物H6では、C成分の撥水性付与剤が無く、これが非反応性撥水性付与剤のシリコーンオイルであるKF96−500csに置き換えられているので、ギラツキ感が生じているものである。

Claims (3)

  1. 湿気硬化性液状シリコーンオリゴマー(A)を100質量部、(A)の硬化触媒(B)を0.1〜40質量部、両末端基にシラノール基を有する直鎖状変性ポリジメチルシロキサン(C)を1質量部以上100質量部未満、平均粒子径1〜50nmの疎水性微粒子(D)を0.1〜25質量部含有し、さらにシリコーン系揮発性溶剤、炭化水素系揮発性溶剤、極性基含有揮発性溶剤の少なくとも1種または2種以上を含有し、かつ(A)、(B)、(C)および(D)の各成分を溶解または分散し得る揮発性溶剤(E)を、(A)、(B)、(C)および(D)の各成分の合計1質量部に対し、500質量部以下を含有することを特徴とする塗装面、ガラス面、金属面、もしくは樹脂面等の外装面用の表面撥水保護剤。
  2. 平均粒子径1〜50nmの疎水性微粒子(D)は親水性シリカ微粒子の表面に疎水化処理をして得られる表面疎水化シリカ微粒子からなることを特徴とする請求項1に記載の外装面用の表面撥水保護剤。
  3. 両末端基にシラノール基を有する直鎖状変性ポリジメチルシロキサン(C)の使用量は、湿気硬化性液状シリコーンオリゴマー(A)100質量部に対して1質量部以上25質量部未満であることを特徴とする請求項1または2に記載の外装面用の表面撥水保護剤。
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