JP2003253207A - コーティング用硬化性シリコーン樹脂組成物 - Google Patents
コーティング用硬化性シリコーン樹脂組成物Info
- Publication number
- JP2003253207A JP2003253207A JP2002053174A JP2002053174A JP2003253207A JP 2003253207 A JP2003253207 A JP 2003253207A JP 2002053174 A JP2002053174 A JP 2002053174A JP 2002053174 A JP2002053174 A JP 2002053174A JP 2003253207 A JP2003253207 A JP 2003253207A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- group
- weight
- parts
- curable silicone
- silicone resin
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Abstract
化物表面への塗工性に優れ、硬化後は平滑性、撥水性お
よび離型性に優れた硬化皮膜を形成し得るコーティング
用硬化性シリコーン樹脂組成物を提供する。 【解決手段】 (A)水酸基またはアルコキシ基を2〜
5重量%有するメチルポリシロキサンレジン、(B)分
子鎖末端に水酸基またはアルコキシ基を有するジメチル
ポリシロキサン、(C)25℃における液体表面張力が
21.0mN/m以下である炭素原子数5〜10の分岐状炭
化水素油および(D)硬化促進触媒からなることを特徴
とする、コーティング用硬化性シリコーン樹脂組成物。
Description
性シリコーン樹脂組成物に関し、詳しくは、硬化前は保
存安定性および金属または金属酸化物表面への塗工性に
優れ、硬化後は平滑性、撥水性および離型性に優れた硬
化皮膜を形成し得るコーティング用硬化性シリコーン樹
脂組成物に関する。
末端水酸基封鎖ジメチルポリシロキサンとメチルトリス
(メチルエチルケトキシム)シラン等の加水分解性基含
有オルガノシランを配合してなる室温硬化性シリコーン
樹脂組成物は知られており、この組成物は、水、油、粘
着剤等の付着を防止するためのコーティング剤として使
用されている(特公昭61−18939号公報参照)。
しかしこの組成物は、硬化性や塗膜の平滑性が不十分で
あり、用途によっては必ずしも満足できるものではなか
った。また、メチルポリシロキサンレジンに両末端水酸
基封鎖ジメチルポリシロキサンと両末端トリメチルシロ
キシ基封鎖ジメチルポリシロキサンを配合した硬化性シ
リコーン剥離組成物(特開2001−115092号公
報参照)も提案されているが、硬化後の皮膜の平滑性が
不十分であるという欠点があった。そこで本発明者らは
先に、メチルポリシロキサンレジンと両末端水酸基封鎖
ジメチルポリシロキサンを揮発性ジメチルポリシロキサ
ンで希釈した硬化性組成物を提案した(特開平12−3
45043号公報参照)。しかしながら、この組成物は
希釈剤として揮発性ジメチルポリシロキサンを使用する
ために高価であり、また、加熱硬化した場合に揮発性ジ
メチルポリシロキサンが揮散して周囲の装置を汚染する
という欠点があることに気付いた。
点を解消するために鋭意研究した結果、揮発性ジメチル
ポリシロキサンを使用することなく特定の溶剤で希釈す
れば、上記問題点が一気に解決できることを見出し、本
発明に到達した。即ち、本発明の目的は、硬化前は保存
安定性および金属または金属酸化物表面への塗工性に優
れ、硬化後は平滑性、撥水性および離型性に優れた硬化
皮膜を形成し得るコーティング用硬化性シリコーン樹脂
組成物を提供することにある。
は、本発明組成物の主成分であり、平均単位式:Me
a(R1O)bSiO(4-a-b)/2で示される。式中、Meはメ
チル基であり、R1は、水素原子、または、メチル基、
エチル基、プロピル基、ブチル基で例示される炭素原子
数1〜4のアルキル基である。aは1以上2未満の範囲
で表わされる数値である。bは本成分中におけるR1O
基の比率が2〜5重量%となるような数であり、好まし
くは2.5〜4.8重量%となるような数である。これ
は、R1O基の含有量が2重量%未満であると硬化皮膜
の持続性が十分でなく、また、5重量%を超えると保存
安定性が低下するためである。このメチルポリシロキサ
ンレジンは、式:SiO4/2で示されるシロキサン単位
または式:R5SiO3/2で示されるシロキサン単位を必
須構成単位とするものであり、その他のシロキサン単位
としては、式:R5 2SiO2/2や式:R5 3SiO1/2で示
されるシロキサン単位が挙げられる。ここで、R5は上
記Me基またはR1O基である。本成分としては、式:
R5SiO3/2で示されるシロキサン単位を主骨格とする
ポリシロキサンレジンが好ましく、該シロキサン単位が
70モル%以上であるポリシロキサンレジンがより好ま
しい。具体的には、式:R5SiO3/2で示されるシロキ
サン単位と式:R5 2SiO2/2で示されるシロキサン単
位から構成されるポリシロキサンレジンや、式:R5S
iO3/2で示されるシロキサン単位と式:R5 2SiO2/2
で示されるシロキサン単位と式:R5 3SiO1/2で示さ
れるシロキサン単位から構成されるポリシロキサンレジ
ンが挙げられる。本成分の数平均分子量は500〜20000で
あることが好ましく、1000〜10000であることがより好
ましい。このような(A)成分は、例えば、メチルトリ
クロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルク
ロロシラン、テトラクロロシラン、メチルトリアルコキ
シシラン、ジメチルジアルコキシシラン、トリメチルア
ルコキシシラン、テトラアルコキシシラン等の加水分解
性シラン化合物を出発原料として、これらの1種または
2種以上の混合物を有機溶媒存在下で加水分解した後、
縮合反応させることによって製造することができる。
成物の硬化皮膜の離型性を向上させる成分であり、一般
式:R2Me2SiO(Me2SiO)dSiMe2R2で示さ
れる。式中、Meはメチル基であり、R2は、水酸基、
炭素原子数1〜4のアルキル基、炭素原子数1〜4のア
ルコキシ基から選択される基であり、アルキル基として
はメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基が挙げら
れ、アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、
プロポキシ基、ブトキシ基が挙げられる。同一分子中の
R2は同一でも異なっていても良いが、少なくとも1個
は水酸基またはアルコキシ基であることが必要である。
dは自然数であるが、より良好な離型性を発現させるた
めには、40以上の整数であることが好ましく、50〜
3000であることがより好ましく、50〜1000で
あることがさらに好ましい。(B)成分としては、両末
端水酸基封鎖ジメチルポリシロキサン、α−トリメチル
シロキシ−ω−水酸基封鎖ジメチルポリシロキサン、お
よびこれらの混合物が例示される。このような(B)成
分は、例えば、ジメチルジクロロシランを加水分解した
後、揮発性のジメチルシロキサン環状体を減圧留去して
得た両末端水酸基封鎖のジメチルポリシロキサンを重縮
合することにより、高重合度の両末端水酸基封鎖ジメチ
ルポリシロキサンを製造することができる。また、両末
端水酸基封鎖のジメチルポリシロキサンに、末端停止剤
として両末端トリメチルシロキシ封鎖ジメチルシロキサ
ンオリゴマーを加えて平衡化重合することにより、両末
端水酸基封鎖のジメチルポリシロキサンと、α−トリメ
チルシロキシ−ω−水酸基封鎖ジメチルポリシロキサン
の混合物を製造することができる。尚、この混合物中に
は、微量の両末端トリメチルシロキシ封鎖ジメチルポリ
シロキサンが含まれる。本成分の配合量は、(A)成分1
00重量部に対して1〜20重量部の範囲であり、好ま
しくは1〜10重量部の範囲である。
0mN/m以下である炭素原子数5〜10の分岐状炭化水
素油は、本発明組成物の表面張力を低下させて、塗工時
に発生していた皮膜のヨリやハジキを改善する成分であ
る。これにより、均一な皮膜の形成が可能となる。この
ような(C)成分としては、イソオクタン(表面張力1
8.3mN/m)、2−メチルペンタン(表面張力17.
3mN/m)、2,2,3−トリメチルペンタン(表面張
力20.2mN/m)が例示される。これらの中でも、イ
ソオクタンが好ましい。本成分の配合量は、(A)成分1
00重量部に対して10〜1,000重量部の範囲であ
り、好ましくは50〜600重量部の範囲である。
促進する成分であり、シラノール基の脱水縮合反応に用
いられる縮合反応促進触媒が使用される。本成分は高温
度条件下でも硬化皮膜に悪影響を与えることの少ない触
媒が好ましく、特に、亜鉛化合物、鉄化合物、アルミニ
ウム化合物、錫化合物、ジルコニウム化合物が好まし
い。具体的には、亜鉛オクトエート、鉄オクトエート、
ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジラウレート、ジ
ルコニウムオクトエートなどのカルボン酸金属塩、アル
ミニウムキレートが挙げられる。本成分の添加量は本発
明組成物を硬化させるのに十分な量であり、通常、(A)
成分100重量部に対して0.0001〜40重量部の
範囲であり、0.001〜30重量部の範囲が好まし
い。
分からなるものであるが、(E)芳香族炭化水素油を配
合することが好ましい。特に、(A)成分が固形状の場
合には、(E)成分に溶解させてから他の成分と混合す
ることが好ましい。このような(E)成分としては、ト
ルエン,キシレン,エチルベンゼンが例示される。本成
分の配合量は、 (A)成分100重量部に対して10〜
500重量部の範囲であることが好ましく、10〜30
0重量部の範囲がより好ましい。
材への密着性を向上させるために、(F)一般式:R3 e
SiX4- eで表される架橋剤を加えることが好ましい。
式中、R3は炭素原子数1〜10の一価炭化水素基であ
り、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などが
挙げられる。Xは加水分解性基であり、ジメチルケトオ
キシム基,メチルエチルケトオキシム基などのジオルガ
ノケトオキシム基;メトキシ基,エトキシ基などのアル
コキシ基;アセトキシ基などのアシロキシ基;N−ブチ
ルアミノ基などのオルガノアミノ基;メチルアセトアミ
ド基などのオルガノアシルアミド基;N、N−ジエチル
ヒドロキシアミノ基などのN、N−ジオルガノヒドロキ
シアミノ基;プロペノキシ基などのアルケニロキシ基が
例示される。eは0〜2の整数である。本成分の配合量
は、(A)成分100重量部に対して5〜100重量部の
範囲であることが好ましく、より好ましくは5〜80重
量部の範囲である。
のオルガノポリシロキサンを添加配合することは、本発
明の目的を損なわない限り差し支えない。接着促進剤と
してはシランカップリング剤が挙げられ、具体的には、
3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−
アクリロキシプロピルトリメトキシシラン等のアクリロ
キシ基含有オルガノアルコキシシラン;3−アミノプロ
ピルトリメトキシシラン,3−(2−アミノエチル)−
アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノ基含有オ
ルガノアルコキシシラン;3-グリシドキシプロピルト
リメトキシシラン等のエポキシ基含有オルガノアルコキ
シシランが例示される。その添加量は、(A)成分10
0重量部に対して0.01〜20重量部が好ましい。
(B)成分以外のオルガノポリシロキサンとしては、不
揮発性の両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルポリ
シロキサンが挙げられ、その添加量は(A)成分100
重量部に対して0.1〜20重量部が好ましい。
損なわない限り、上記(C)成分および(E)成分以外
の有機溶剤を併用しても良い。かかる有機溶剤として
は、ヘキサン、ヘプタン、オクタンなどの直鎖状脂肪族
飽和炭化水素類;ヘキセン、ヘプテン、オクテンなどの
脂肪族不飽和炭化水素類;シクロヘキサンなどの環状飽
和炭化水素類;シクロヘキセンなどの環状不飽和炭化水
素類;ジエチルエーテル、エチルブチルエーテル、ジブ
チルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル類;
アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケト
ン、ジエチルケトン、エチルイソブチルケトンなどのケ
トン類;酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸
イソアミル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチルなど
のカルボン酸エステル類が例示される。その配合量は、
(A)成分100重量部に対して10〜500重量部が
好ましい。
貯蔵可能であり、湿気存在下では室温で硬化して皮膜を
形成する。また、加熱によっても硬化皮膜を形成し、加
熱条件は、100〜350℃で5分〜5時間が好まし
い。本発明組成物が適用される基材としては、金属また
は金属酸化物が挙げられ、具体的には、鉄や鉄酸化物が
挙げられる。基材としての鉄は、通常、平面ないし湾曲
した板状であるが、粒状であってもよい。鉄酸化物は板
状でもよいが、通常は微粒子状である。
保存安定性、皮膜形成性に優れ、硬化後は、撥水性、耐
熱性、離型性等に優れた平滑な硬化皮膜を形成するとい
う特徴を有する。得られた硬化皮膜は、鉛筆硬度が2H
以上の高硬度の皮膜であり、高温度条件下で使用された
場合にも離型性の持続性が良好である上、食品と接触し
ても人体に悪影響を及ぼさないという利点を有する。こ
のため本発明組成物は、パン焼き用鉄板、ケーキ焼き用
鉄板、フライパン、焼き肉用鉄板等の食品加工部材の離
型性コーティング剤に好適である。また、金属または金
属酸化物の微粒子の撥水・疎水化コーティング剤として
も有用であり、特に、複写機やレーザービームプリンタ
ーに使用されるキャリアなどの磁性微粉末の表面処理剤
に好適である。
尚、実施例中、部とは重量部であり、Meはメチル基を
示す。水に対する接触角は、自動接触角測定装置(協和
界面化学株式会社製 CA−R1)を使用して25℃で
測定した。鉛筆硬度、剥離抵抗値、液体表面張力は25
℃における値である。
ル150gを攪拌しながら、トルエン120g、メチル
トリクロロシラン254g(1.7モル)、ジメチルジ
クロロシラン39g(0.3モル)の混合物を徐々に滴
下した。滴下終了後、加熱して2時間還流温度で混合し
た。冷却後、水層を分離し、有機層に温水を加えて水洗
を行い、pH7になるまで繰り返した。次いで、水層を
分離して加熱した後共沸脱水して、比重が1.05にな
るまでトルエンを留去した。これを冷却してろ過した
後、得られたろ液の固形分を測定して、固形分が50重
量%になるようにトルエンを加えて混合した。このよう
にして、式:(CH3)SiO3/2で示されるシロキサン単
位85モル%と式:(CH3)2SiO2/2で示されるシロ
キサン単位15モル%からなるメチルポリシロキサンレ
ジン(ケイ素原子に結合した水酸基の含有量は3.3重
量%であり、エトキシ基の含有量は0.5重量%であっ
た。)の固形分50重量%のトルエン溶液を得た。尚、
固形分とは、反応溶液2gをアルミ皿に取り、150℃
で30分間加熱した後の残存量から計算したものであ
る。
ピルアルコール120gを攪拌しながら、トルエン12
0g、メチルトリクロロシラン254g(1.7モ
ル)、ジメチルジクロロシラン39g(0.3モル)の
混合物を徐々に滴下した。滴下終了後、加熱して2時間
還流温度で混合した。冷却後、水層を分離し、有機層に
温水を加えて水洗を行い、pH7になるまで繰り返し
た。次いで、水層を分離して加熱した後共沸脱水して、
比重が1.05になるまでトルエンを留去した。これを
冷却してろ過した後、得られたろ液の固形分を前記と同
様にして測定して、固形分が50重量%になるようにト
ルエンを加えて混合した。このようにして、式:(C
H3)SiO3/2で示されるシロキサン単位85モル%と
式:(CH3)2SiO2/2で示されるシロキサン単位15
モル%からなるメチルポリシロキサンレジン(ケイ素原
子に結合した水酸基の含有量は2.3重量%であり、イ
ソプロポキシ基の含有量は0.4重量%であった。)の
固形分50重量%のトルエン溶液を得た。
(平均重合度60)99.6部、両末端トリメチルシロ
キシ基封鎖ジメチルポリシロキサン(平均重合度12)
0.4部、水酸化カリウムの20重量%水溶液0.00
25部を混合しながら加熱して、180℃で3時間攪拌
した。炭酸ガスを吹き込んだ後、10トルにまで減圧に
して揮発分を除去し、その後、冷却してろ過を行った。
得られた反応生成物は、粘度16Pa・s、平均重合度6
00のジメチルポリシロキサンであり、分子鎖末端の水
酸基とトリメチルシロキシ基のモル比率は、1.7:
0.3であった。これより、得られた反応生成物は、両
末端水酸基封鎖ジメチルポリシロキサン(平均重合度6
00)が約72重量%、片末端水酸基片末端トリメチル
シロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン(平均重合度6
00)が約26重量%、両末端トリメチルシロキシ基封
鎖ジメチルポリシロキサン(平均重合度600)が約2
重量%からなる混合物であることが判明した。以下、こ
の混合物をジメチルポリシロキサンBとする。
示されるシロキサン単位85モル%と式:(CH3)2Si
O2/2で示されるシロキサン単位15モル%からなるメ
チルポリシロキサンレジン(ケイ素原子結合水酸基含有
量:3.3重量%、エトキシ基含有量:0.5重量%)
の固形分50重量%のトルエン溶液200部と、参考例
3で得たジメチルポリシロキサンB10部、イソオクタ
ン(液体表面張力18.3mN/m)328部およびジ
ルコニウムオクトエート4部を加えて均一に混合して、
硬化性シリコーン樹脂組成物を調製した。この組成物2
gをアルミ皿に採り、150℃の加熱オーブンに30分
間入れて不揮発分を測定したところ、その値は21重量
%であった。また、この組成物をガラス瓶に封入して、
密封状態で室温下に3か月間放置したところ、組成物の
粘度や外観の変化は認められず、保存安定性は良好であ
った。さらにこの硬化性シリコーン樹脂組成物を平滑な
鉄板上に塗布して、200℃で1時間加熱して厚さ2μ
mの硬化皮膜を形成させた。得られた硬化皮膜は平滑で
あり、水に対する接触角が108度と優れた撥水性を有
していた。また、その鉛筆硬度は5Hと高硬度であっ
た。さらに得られた硬化皮膜に、ポリエステル粘着テー
プ[日東電工製;型番31B]を置いて2kgのゴムローラー
を用いて圧着させた後、テンシロン[Orient RTC-1210
A]で180°の角度で引張り、剥離に要した力(剥離抵抗
値)を測定した。剥離抵抗値は1N/mと小さく、硬化皮
膜が剥離性に優れていることが判明した。また、上記と
同様にして硬化皮膜を形成した鉄板の上に、小麦粉と水
の混合物(小麦粉と水の重量比は7:3)をのせて、こ
れをホットプレートの上に置いて加熱した。該混合物が
固体状になった後、鉄板を傾けながらへらを用いて剥が
したところ、鉄板の離型性は良好であり、該混合物をき
れいに剥がすことができた。
示されるシロキサン単位85モル%と式:(CH3)2Si
O2/2で示されるシロキサン単位15モル%からなるメ
チルポリシロキサンレジン(ケイ素原子結合水酸基含有
量:2.3重量%、イソプロポキシ基含有量:0.4重
量%)の固形分50重量%のトルエン溶液200部と、
式:HO(Me2SiO)100SiMe2OHで示される
両末端水酸基封鎖ジメチルポリシロキサンオイル4部、
イソオクタン(液体表面張力18.3mN/m)144
部およびジルコニウムオクトエート2部を加えて均一に
混合して、硬化性シリコーン樹脂組成物を調製した。こ
の組成物2gをアルミ皿に採り、150℃の加熱オーブ
ンに30分間入れて不揮発分を測定したところ、その値
は30重量%であった。また、この組成物をガラス瓶に
封入して、密封状態で室温下に3か月間放置したとこ
ろ、組成物の粘度や外観の変化は認められず、保存安定
性は良好であった。さらにこの硬化性シリコーン樹脂組
成物を平滑な鉄板上に塗布して、200℃で1時間加熱
して厚さ3μmの硬化皮膜を形成させた。得られた硬化
皮膜は平滑であり、水に対する接触角が106度と優れ
た撥水性を有していた。また、その鉛筆硬度は3Hと高
硬度であった。さらに得られた硬化皮膜に、ポリエステ
ル粘着テープ[日東電工製;型番31B]を置いて2kgのゴ
ムローラーを用いて圧着させた後、テンシロン[Orient
RTC-1210A]で180°の角度で引張り、剥離に要した力
(剥離抵抗値)を測定した。剥離抵抗値は1.1N/mと
小さく、硬化皮膜が剥離性に優れていることが判明し
た。また、上記と同様にして硬化皮膜を形成した鉄板の
上に、小麦粉と水の混合物(小麦粉と水の重量比は7:
3)をのせて、これをホットプレートの上に置いて加熱
した。該混合物が固体状になった後、鉄板を傾けながら
へらを用いて剥がしたところ、鉄板の離型性は良好であ
り、該混合物をきれいに剥がすことができた。
示されるシロキサン単位85モル%と式:(CH3)2Si
O2/2で示されるシロキサン単位15モル%からなるメ
チルポリシロキサンレジン(ケイ素原子結合水酸基含有
量:3.3重量%、エトキシ基含有量:0.5重量%)
の固形分50重量%のトルエン溶液200部と、式:H
O(Me2SiO)5 0 0SiMe2OHで示される両末端
水酸基封鎖ジメチルポリシロキサンオイル3部、イソオ
クタン(液体表面張力18.3mN/m)430部、メ
チルトリメトキシシラン70部、3−(2−アミノエチ
ル)アミノプロピルトリメトキシシラン10部、ジブチ
ル錫ジオクトエート4部を加えて均一に混合して、硬化
性シリコーン樹脂組成物を調製した。この組成物2gを
アルミ皿に採り、150℃の加熱オーブンに30分間入
れて不揮発分を測定したところ、その値は20重量%で
あった。また、この組成物をガラス瓶に封入して、密封
状態で室温下に3か月間放置したところ、組成物の粘度
や外観の変化は認められず、保存安定性は良好であっ
た。さらにこの硬化性シリコーン樹脂組成物を平滑な鉄
板上に塗布して、200℃で1時間加熱して厚さ2μm
の硬化皮膜を形成させた。得られた硬化皮膜は平滑であ
り、水に対する接触角が105度と優れた撥水性を有し
ていた。また、その鉛筆硬度は5Hと高硬度であった。
また、上記と同様にして硬化皮膜を形成した鉄板の上
に、小麦粉と水の混合物(小麦粉と水の重量比は7:
3)をのせて、これをホットプレートの上に置いて加熱
した。該混合物が固体状になった後、鉄板を傾けながら
へらを用いて剥がしたところ、鉄板の離型性は良好であ
り、該混合物をきれいに剥がすことができた。
の代わりにn−オクタン(液体表面張力21.2mN/
m)300部を使用した以外は実施例1と同様にして、
硬化性シリコーン樹脂組成物を調製した。この組成物2
gをアルミ皿に採り、150℃の加熱オーブンで30分
間加熱して不揮発分を測定したところ、その値は21重
量%であった。また、この組成物を、実施例1と同様に
して硬化皮膜を形成させたところ、得られた硬化皮膜の
表面は、平滑性が不十分であった。また、上記と同様に
して硬化皮膜を形成した鉄板の上に、小麦粉と水の混合
物(小麦粉と水の重量比は7:3)をのせて、これをホ
ットプレートの上に置いて加熱した。該混合物が固体状
になった後、鉄板を傾けながらへらを用いて剥がそうと
したがきれいに剥がれず、鉄板の離型性は不十分であっ
た。
ルポリシロキサンB10部を配合しなかった以外は実施
例1と同様にして、硬化性シリコーン樹脂組成物を調製
した。この組成物2gをアルミ皿に採り、150℃の加
熱オーブンに30分間入れて不揮発分を測定したとこ
ろ、その値は20重量%であった。また、この硬化性シ
リコーン樹脂組成物を平滑な鉄板上に塗布して、200
℃で1時間加熱して厚さ2μmの硬化皮膜を形成させ
た。得られた硬化皮膜の表面は平滑であったが、水に対
する接触角は99度と撥水性が不十分であった。また、
その鉛筆硬度は5Hであった。さらに得られた硬化皮膜
に、ポリエステル粘着テープ[日東電工製;型番31B]
を置いて2kgのゴムローラーを用いて圧着させた後、テ
ンシロン[Orient RTC-1210A]で180°の角度で引張
り、剥離に要した力(剥離抵抗値)を測定した。剥離抵
抗値は4N/mと大きく、硬化皮膜の剥離性は不十分であ
った。また、上記と同様にして硬化皮膜を形成した鉄板
の上に、小麦粉と水の混合物(小麦粉と水の重量比は
7:3)をのせて、これをホットプレートの上に置いて
加熱した。該混合物が固体状になった後、鉄板を傾けな
がらへらを用いて剥がそうとしたがきれいに剥がれず、
鉄板の離型性は不十分であった。
分、(A)成分〜(E)成分あるいは(A)成分〜(F)成分か
らなるが故に、硬化前は保存安定性および金属または金
属酸化物表面への塗工性に優れ、硬化後は平滑性、撥水
性、離型性に優れた高硬度の皮膜を形成するという特徴
を有する。
Claims (6)
- 【請求項1】 (A)平均単位式:Mea(R1O)bSiO(4-a-b)/2 (式中、Meはメチル基であり、R1は水素原子または炭素原子数1〜4のアル キル基であり、aは1以上2未満の数であり、bは本成分中におけるR1O基の 比率が2〜5重量%となるような数である。)で示されるメチルポリシロキサン レジン 100重量部、 (B)一般式:R2Me2SiO(Me2SiO)dSiMe2R2 (式中、Meはメチル基であり、R2は水酸基、炭素原子数1〜4のアルキル基 、炭素原子数1〜4のアルコキシ基から選択される基であるが、R2の内少なく とも1個は水酸基またはアルコキシ基である。dは自然数である。)で示される ジメチルポリシロキサン 1〜20重量部、 (C)25℃における液体表面張力が21.0mN/m以下である、炭素原子数5〜 10の分岐状炭化水素油 10〜1,000重量部、 および (D)硬化促進触媒 本発明組成物を硬化させるのに十分な量 からなることを特徴とする、コーティング用硬化性シリコーン樹脂組成物。
- 【請求項2】 さらに、(E)芳香族炭化水素油を、
(A)成分100重量部に対して10〜500重量部含
有することを特徴とする、請求項1に記載のコーティン
グ用硬化性シリコーン樹脂組成物。 - 【請求項3】 さらに、(F)一般式:R3 eSiX4- e
(式中、R3は炭素原子数1〜10の一価炭化水素基で
あり、Xは加水分解性基であり、eは0〜2の整数であ
る。)で表される架橋剤を、(A)成分100重量部に
対して5〜100重量部含有することを特徴とする、請
求項1または請求項2に記載のコーティング用硬化性シ
リコーン樹脂組成物。 - 【請求項4】 (D)成分が、亜鉛化合物、鉄化合物、
アルミニウム化合物、錫化合物およびジルコニウム化合
物からなる群から選択された金属化合物である、請求項
1〜請求項3のいずれか1項に記載のコーティング用硬
化性シリコーン樹脂組成物。 - 【請求項5】 金属または金属酸化物表面に塗工される
離型性コーティング剤である、請求項1〜請求項4のい
ずれか1項に記載のコーティング用硬化性シリコーン樹
脂組成物。 - 【請求項6】 食品加工部材の離型性コーティング剤で
ある請求項5に記載のコーティング用硬化性シリコーン
樹脂組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002053174A JP2003253207A (ja) | 2002-02-28 | 2002-02-28 | コーティング用硬化性シリコーン樹脂組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002053174A JP2003253207A (ja) | 2002-02-28 | 2002-02-28 | コーティング用硬化性シリコーン樹脂組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003253207A true JP2003253207A (ja) | 2003-09-10 |
Family
ID=28664670
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002053174A Pending JP2003253207A (ja) | 2002-02-28 | 2002-02-28 | コーティング用硬化性シリコーン樹脂組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003253207A (ja) |
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007070606A (ja) * | 2005-08-08 | 2007-03-22 | Soft99 Corporation | 車両用防汚コーティング剤 |
JP2007161989A (ja) * | 2005-11-17 | 2007-06-28 | Soft99 Corporation | 屋外設置物用防汚コーティング剤 |
KR100758604B1 (ko) | 2005-12-30 | 2007-09-13 | 주식회사 케이씨씨 | 음극선관의 점착테이프용 이형 필름 조성물 |
WO2009153853A1 (ja) * | 2008-06-16 | 2009-12-23 | シーシーアイ株式会社 | コーティング組成物 |
JP2010202717A (ja) * | 2009-02-28 | 2010-09-16 | Kobe Gosei Kk | 外装面用の表面撥水保護剤 |
JP2012236892A (ja) * | 2011-05-11 | 2012-12-06 | Takashi Taniguchi | 撥水性コーティング剤 |
JP2013166957A (ja) * | 2013-04-25 | 2013-08-29 | Kobe Gosei Kk | 外装面用の表面撥水保護剤 |
JP2017533292A (ja) * | 2014-09-29 | 2017-11-09 | エルジー・ケム・リミテッド | シリコーン系コーティング組成物及びこれを含むシリコーン系離型フィルム |
-
2002
- 2002-02-28 JP JP2002053174A patent/JP2003253207A/ja active Pending
Cited By (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007070606A (ja) * | 2005-08-08 | 2007-03-22 | Soft99 Corporation | 車両用防汚コーティング剤 |
JP2007161989A (ja) * | 2005-11-17 | 2007-06-28 | Soft99 Corporation | 屋外設置物用防汚コーティング剤 |
JP4754445B2 (ja) * | 2005-11-17 | 2011-08-24 | 株式会社ソフト99コーポレーション | 屋外設置物用防汚コーティング剤 |
KR100758604B1 (ko) | 2005-12-30 | 2007-09-13 | 주식회사 케이씨씨 | 음극선관의 점착테이프용 이형 필름 조성물 |
WO2009153853A1 (ja) * | 2008-06-16 | 2009-12-23 | シーシーアイ株式会社 | コーティング組成物 |
JP2010202717A (ja) * | 2009-02-28 | 2010-09-16 | Kobe Gosei Kk | 外装面用の表面撥水保護剤 |
JP2012236892A (ja) * | 2011-05-11 | 2012-12-06 | Takashi Taniguchi | 撥水性コーティング剤 |
JP2013166957A (ja) * | 2013-04-25 | 2013-08-29 | Kobe Gosei Kk | 外装面用の表面撥水保護剤 |
JP2017533292A (ja) * | 2014-09-29 | 2017-11-09 | エルジー・ケム・リミテッド | シリコーン系コーティング組成物及びこれを含むシリコーン系離型フィルム |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
EP2954024B1 (en) | Curable silicone compositions comprising clustered functional polyorganosiloxanes and silicone reactive diluents | |
JP3669718B2 (ja) | ワンパッケージのオルガノシロキサン組成物 | |
JP3574226B2 (ja) | 硬化性シリコーン組成物およびその硬化物 | |
US5486565A (en) | Organosilicon compounds and low temperature curing organosiloxane compositions containing same | |
JPH061918A (ja) | 紙質剥離用オルガノポリシロキサン組成物 | |
JP4663969B2 (ja) | 硬化性シリコーンレジン組成物およびその硬化物 | |
JPH0978032A (ja) | 硬化性シリコーン剥離剤組成物及び剥離紙 | |
JPS6357470B2 (ja) | ||
JP2543925B2 (ja) | 金属基材のコ―ティング法 | |
US5399650A (en) | Adhesion promoting additives and low temperature curing organosiloxane compositions containing same | |
JP3813467B2 (ja) | 硬化性シリコーン剥離剤組成物 | |
JP3935530B2 (ja) | プライマー組成物および接着方法 | |
JP2003253207A (ja) | コーティング用硬化性シリコーン樹脂組成物 | |
JP2002309089A (ja) | 硬化性シリコーン接着剤組成物 | |
JP3539167B2 (ja) | プライマー組成物 | |
JPH0641508A (ja) | Uv硬化性組成物に有用な接着用添加剤混合物及びそれを含む組成物 | |
JPH04178461A (ja) | 硬化性オルガノポリシロキサン組成物 | |
JP2009263505A (ja) | プラスチックフィルム用無溶剤型硬化性シリコーン剥離剤組成物及び剥離性プラスチックフィルム | |
CN113015775B (zh) | 粘接性聚有机硅氧烷组合物 | |
KR20190105599A (ko) | 실리콘 조성물, 박리지 및 박리 필름 | |
JP2007302775A (ja) | 硬化性シリコ−ン離型剤組成物及びそれを用いた調理用シート | |
JPH07304955A (ja) | 接着促進用添加剤及びその添加剤を含む低温硬化性オルガノシロキサン組成物 | |
JP3475128B2 (ja) | 硬化性メチルポリシロキサンレジン組成物 | |
JPH02233763A (ja) | 表面処理用ポリオルガノシロキサン組成物 | |
JP2004307691A (ja) | 硬化性シリコ−ン剥離剤組成物 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20050126 |
|
A977 | Report on retrieval |
Effective date: 20070913 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20070925 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20071126 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20071225 |