JP5350507B2 - 車両塗装面の保護処理方法 - Google Patents

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Description

本発明は、車両塗装面の保護処理方法に関する。さらに詳しくは、シリコーンアルコキシオリゴマー(以下「アルコキシオリゴマー」という。)を必須成分とし、加水分解触媒で加水分解速度が調整されてなる湿気硬化性のシリコーン系保護剤を用いて、車両塗装面に硬化保護膜を形成する保護処理方法に係る発明である。
なお、本明細書及び特許請求の範囲における数値範囲は、アルコキシオリゴマーの種類(組成)等により変動するもので、実用的に可能ないし効果を奏すると考えられる範囲を表記したものであって、臨界的意義を有するものではない。
従来、車両塗装面に保護膜を形成する保護剤としては、従来のワックス類や有機高分子系のものに代わって、艶・防汚性維持、表面硬度確保および耐久性の見地から、いわゆる「ガラス系コーティング剤」と称されるシロキサン結合を骨格に有する無機質の硬化保護膜を形成可能なシリコーン系保護剤(コーティング剤;以下単に「保護剤」という。)が普及しつつあり、種々提案されている(特許文献1〜3等参照)。
特許文献1には、「屈折率が1.400以上である湿気硬化性シリコーンオリゴマーと、硬化触媒とを含有していることを特徴とする、車両用艶出しコーティング剤。」(請求項1等)に係る発明が記載されている。本文献の要約には、「このコーティング剤(塗料)は、車両の金属面、塗装面または樹脂面に塗布すれば、これらの傷を確実に埋め、これらの傷を確実に隠すことができ、かつ、艶出し性能を持続的に発揮して、長期にわたってその艶を維持することができる。また、この車両用艶出しコーティング剤は、貯蔵安定性に優れ、安定した保存を実現することができる。」と記載されている。
特許文献2には、「湿気硬化性オリゴマーと硬化触媒とを含有するコーティング剤であって、コーティング剤の硬化塗膜の表面硬度が、鉛筆硬度で4H以上であることを特徴とする、車両用防汚コーティング剤。」(請求項1)に係る発明が記載されている。本文献の要約には、「この車両用防汚コーティング剤によれば、貯蔵安定性に優れ、塗布直後のみならず、車両の長距離走行後においても、車両の表面を保護するとともに防汚性を維持することができる。」と記載されている。
特許文献3には、「フルオロアルコキシシランおよびアルコキシシランを含むことを特徴とする乗り物用コーティング組成物。」(請求項1)が記載されている。本文献の要約[課題]には、「防汚性、撥水性、光沢性に優れるとともに、硬化持続性並びに耐変色性に優れ、高度の高いコーティング皮膜を形成して、乗り物の塗装の保護性の向上を可能とする乗り物用コーティング組成物・・・を提供する。」と記載されている。
特開2008-38049号公報 特開2007-70606号公報 特開2003-105263号公報
上記各特許文献に記載されている如く、車両塗装面の保護剤(コーティング剤)は、反応性ケイ素化合物(例えば、アルコキシ基含有シラン)のモノマーやオリゴマーさらには加水分解触媒成分を必須とし、湿気硬化させて徐々に硬化させるものである。
例えば、アルコキシ基含有シランの場合、加水分解により、脱アルコール反応が起こり、シラノール基(Si(OH))が生成し、シラノール基相互の脱水縮合反応により、シロキサン結合の架橋構造を骨格とする硬化保護膜が形成される。これら加水分解・脱水縮合反応は、水が過剰に存在すると、急激に進み、均質な硬化塗膜を得がたい。この傾向は、特許文献3のモノマーや、特許文献2の低分子オリゴマー(動粘度20mm2/s<25℃>以下:請求項3)の場合、より顕著となる。即ち、低分子オリゴマーの場合、結果的に単位体積当りのアルコキシ基率が高くなって水分子と接触しやすくなるためである。
このため、車両塗装面への保護剤の塗布(適用)に際して、水(滴)の残存は望ましくなく、さらに、塗装後においても、長時間(長期間)水に接触させないことが望ましいとされるのが当業者常識であった。例えば、特許文献3の請求項7には「乗り物用コーティング組成物の塗布方法において、脱脂後、乗り物基材上には水分が残存していないことを確認する工程を含むこと」と記載されている。
また、特許文献1[0054]、同2[0046]には、塗布方法として「コーティング剤をスポンジに含浸させて、そのスポンジで、金属面、塗装面または樹脂面などを擦るなど、適宜公知の方法が用いられる。・・・なお、塗布後は所定時間後に、布や紙などで、必要により拭き取ればよい。」と記載され、水分を積極的に存在させたり補充したりする旨の記載はない。
さらに、特許文献1[0055]、同2[0047]には、「コーティング剤は、希釈剤などの溶剤成分が揮発するに伴って、硬化触媒および空気中の水分が作用して湿気硬化性シリコーンオリゴマーが硬化し、金属面、塗装面または樹脂面に硬化塗膜が形成される。」と記載されて、徐々に硬化して、塗膜硬化までは、水等との接触は望ましくないことを伺わせる記載がある。
なお、特許文献1・2の少なくともいずれかの商品であると推定される「G´zoxボディガラスコート」(登録商標)の商品説明書(メインテナンスガイド)には、「施工後、[24時間が経過するまでは水道水などで濡らさない]ようにしてください。」の記載がある。
そして、上記の如く、塗装面における水濡れなしの状態(乾燥状態)乃至水を補給しない状態での湿気硬化性のアルコキシシリコーンオリゴマーを必須成分とする保護剤(コーティング剤)を用いての車両塗装面への保護処理方法における問題点を纏めると下記の如くになる。
1)洗車後、完全に水を除去、乾燥させる必要があるために、保護剤の塗布作業開始までの時間乃至工数が嵩む。
2)塗布時、保護剤の伸びが悪い。このため、小さな塗布区画(0.1〜0.2m:35cm乃至45cm四方)毎で塗布作業を繰り返す必要があるとともに、仕上げ拭き性も重くて良好でない。したがって、保護処理完了までの合計時間が嵩むとともに、外観ムラが発生し易く、発生したムラの修正も困難である。
3)さらに、保護処理完了後の保護膜が硬化して車両が使用(路上走行)可能になるまでの時間がかかる。このため、保護処理完了後、車両が使用可能になるまでの養生工程(長い硬化時間)が特別に必要となる。
本発明は、上記の問題点を一挙に解決できる、車両塗装面の保護処理方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題(問題点)を解決するために鋭意開発に努力をする過程で、湿気硬化性の特定動粘度のアルコキシシリコーンオリゴマーを必須成分とするコーティング剤を特定の希釈剤で希釈して、積極的に補給水存在下で塗装した場合、均質な硬化保護膜を短時間で得られることを知見して、下記構成の車両塗装面の保護処理方法に想到した。
シリコーンアルコキシオリゴマーを必須成分とし、加水分解触媒で加水分解速度が調整されてなる湿気硬化性のシリコーン系保護剤を用いて、車両塗装面に硬化保護膜を形成する保護処理方法であって、
前記シリコーン系保護剤を、動粘度(25℃)22〜200mm/sのシリコーンアルコキシオリゴマーが、水混和性溶剤を主体とし水難溶性極性溶剤を添加した混合溶剤で希釈されたものとし、
前記車両塗装面上に、前記シリコーン系保護剤を補給水でさらに希釈して引き伸ばしながら塗布する区画塗布工程を経て前記硬化保護膜の形成を行なうことを特徴とする。
(A)および(B)は、それぞれ、水使用および水不使用の車両塗装面の保護処理方法の流れ図である。
以下、本発明の実施形態について説明する。
基本的には、シリコーンアルコキシオリゴマーを必須成分とし、加水分解触媒で加水分解速度が調整されてなる湿気硬化性のシリコーン系保護剤を用いて、車両塗装面に硬化保護膜を形成する保護処理方法である。
そして、本発明は、シリコーン系保護剤として、下記のものを使用することを特徴的要件とする。
シリコーン系保護剤におけるアルコキシオリゴマーを、動粘度(25℃)22〜200mm/s、望ましくは動粘度(25℃)22〜100mm/sのものとする。
動粘度が低いと、補給水の存在により、加水分解反応さらには架橋反応が急速に進み、均質な未硬化保護膜を得難くなる(白化・変色・色むら等)。即ち、補給水の積極的な補充乃至存在下での塗布が困難となり、車両塗装面上に、前記シリコーン系保護剤が補給水でさらに希釈されて引き伸ばされた、均質な未硬化保護膜を形成することが困難となる。動粘度が高いと、良好な塗り伸ばし性乃至仕上げ拭き性を得難くなる。
そして、当該シリコーンアルコキシオリゴマーが、アルコキシ基(RO)含量10〜35wt%(さらには13〜30wt%)で、SiO分含量35wt%以上(さらには38wt%以上)であるものが望ましい。
RO含量が少ないと、反応速度が遅くなる傾向にありタックフリー(区画塗布工程後の保護膜乾燥)までの時間が長くなりやすくなるとともに、硬化保護膜における必要な硬さを確保するための架橋密度を確保し難くなる。RO含量が多いと、反応速度が早くなる傾向にあり、区画塗布大きさを増大させた場合における保護膜に均質性を得難くなる(白化・変色や色ムラ)とともに、架橋密度が高くなりすぎて、脆くなり、塗膜にクラックが発生し易くなる。
SiO分含量が少ないと、相対的に無機分(ガラス分:シロキサン結合部)が少なく有機分が多くなって、耐候性、耐熱性、耐薬品性、光輝性等を確保し難くなる。
上記要件を満たすアルコキシオリゴマーとしては、具体的には、特許文献1に記載のもののうち、動粘度(25℃)およびアルコキシ基含量およびSiO分含量が前記範囲にあるものを好適に使用できる。
すなわち、アルコキシオリゴマー(湿気硬化性シリコーンオリゴマー)は、下記一般式(1)で示されるアルコキシシラン化合物またはその部分加水分解縮合物である。
Si(OR4−n(1)
(一般式(1)中、Rは、水素原子、または、置換もしくは非置換の1価の炭化水素基を、Rはアルキル基を、nは0〜3の整数を示す。また、RおよびRは、同一またはそれぞれ相異なっていてもよい。)(特許文献1[0008]〜[0009]参照)。
より具体的には、信越シリコーン社の製品カタログから引用した表1における薄ズミ着色部の各種アルコキシオリゴマーを好適に使用可能である。なお、Rのアルキル基炭素数は1〜4が望ましい。
そして、この各種アルコキシオリゴマーには、通常、下記加水分解促進触媒(硬化触媒)を添加して、反応速度を調整する。
硬化触媒は、アルコキシオリゴマーを硬化させ得る触媒であれば、特に制限されないが、1)有機チタニウム系、2)有機アルミニウム系、さらには、リン酸系等を好適に使用できる。
具体的には、有機チタニウム系としては、チタニウムテトラキス(エチレングリコールモノメチルエーテル)、チタニウムテトラキス(エチレングリコールモノエチルエーテル)、チタニウムテトラキス(エチレングリコールモノブチルエーテル)などを挙げることができる。
また、有機アルミニウム系としては、アルミニウムトリス(アセチルアセトン)、アルミニウムトリス(アセトアセテートエチル)、アルミニウムジイソプロポキシ(アセトアセテートエチル)などを挙げることができる。
これらの触媒のアルコキシオリゴマー100部に対する添加量は、塗料組成や触媒の種類により異なり、市販アルコキシオリゴマー用触媒の仕様書における使用量基準に基づくものとする。例えば、信越シリコーン株式会社のアルコキシオリゴマー用触媒に関する仕様書では、「D20」(有機チタニウム系):2〜5部、「D25」(有機チタニウム系):0.5〜3部、「DX−9740」(有機アルミニウム系)3〜10部、リン酸系:10〜50部と記載されている。
本発明のシリコーン系保護剤においては、塗膜副要素として、さらに、アルコキシオリゴマーの加水分解物と反応性を有するフルオロアルキルアルコキシシランを含有させることが望ましい。
ここで、フルオロアルキルアルコキシシランは下記示性式(2)で示されるものであり、アルコキシオリゴマーと同様加水分解して、加水分解後のアルコキシオリゴマーと脱水縮合してシロキサン結合の骨格の一部をなす。したがって、塗膜表面にフルオロアルキル基が分散存在することにより、従来のシリコーン系塗膜に比して撥水性・防汚性の向上が期待できる。
(C2n+12mSi(OR)4−l・・・(2)
(但し、n=2〜10、m=1〜2、l=1〜3の整数、R:アルキル基)
これらの示性式(2)で示されるもののうち、特に、l=1のトリアルコキシシランが望ましい。アルコキシオリゴマーが形成するシラン骨格に組み込まれやすいためである。これらの内で、R炭素数2のものが望ましく、具体的には、パーフルオロオクチルトリエトキシシラン、パーフルオロへキシルトリエトキシシラン等を好適に使用できる。
ここで、上記フルオロアルキルアルコキシシランは、さらに、フルオロアルキルアルカノールと併用することが、塗膜の撥水性・防汚性(特に、水シミ付着防止)の向上が期待できて望ましい。
フルオロアルキルアルカノールは、下記示性式(3)で示されるものである。
2n+12mOH・・・(3)
(但し、n=2〜10、m=1〜2の整数)
このフルオロアルキルアルカノールの水酸基は、強力な電子吸引基であるフルオロアルキル基を有するためアルキルアルコールの水酸基と異なりアルコキシシラン加水分解物の水酸基と脱水縮合しやすい。そして、脱水縮合してアルコキシシラン加水分解物の水酸基を封鎖するとともに、結合したフルオロアルキル基が、隣接水酸基の水との接触を困難にするため、水の存在下におけるアルコキシシラン加水分解物脱水縮合反応を抑制(マイルドに)する。さらに、当該フルオロアルキルアルカノールは、塗膜のシロキサン骨格中に保持されながら、徐々にブリードアウトして、前記フルオロアルキルアルコキシシランと相乗して撥水性、防汚性等のさらなる向上に寄与する。
上記示性式(3)で示されるフルオロアルキルアルカノールの内、具体的には、2−(パーフルオロブチル)エタノール、2−(パーフルオロへキシル)エタノール等を好適に使用できる。
ここで、これらのフルオロ化合物(フルオロアルキルアルコキシシランおよびフルオロアルキルアルカノール)の、アルコキシオリゴマーとの質量比は、前者/後者=0.5/99.5〜30/70(さらには1/99〜20/80)が望ましい。反応性フルオロ化合物のアルコキシオリゴマーに対する比率が少ないと、フルオロ化合物の添加効果(撥水性・防汚性)が得難くなる。また、逆にフルオロ化合物のアルコキシオリゴマーに対する比率が多いと、硬化塗膜形成性乃至耐久性が低下する傾向にある。
また、フルオロアルキルアルコキシシランとフルオロアルキルアルカノールとを併用する場合は、両者の質量比率は、後者/前者=0.1/99.9〜10/90(さらには0.5/99.5〜5/95)が望ましい。
フルオロアルキルアルカノールが多いと、アルコキシ加水分解で生成するシラノールが封鎖されてシラン結合生成が阻害され易く、また、未反応フルオロアルキルアルカノールのブリードアウトが発生し易くなる。また、フルオロアルキルアルカノールが少ないと、フルオロアルキルアルコキシシランとの併用による相乗的な添加効果(特に、洗浄性・防汚性)を得難くなる。
そして、本発明においては、水の存在下における塗布作業性を容易とする希釈剤(溶剤)は、アルコキシオリゴマーの加水分解・脱水縮合反応を制御する目的で添加することが必須である。
希釈剤は、当該目的を達成できる水混和性溶剤(水と自由混和する溶剤)を主体とし、水難溶性極性溶剤(水に対する溶解度0.5g以下、)を添加した混合溶剤とする。当然、混合溶剤中には、カルボン酸やアミンのようなアルコキシオリゴマーの加水分解物と反応性を有するものは除かれる。
これらの水混和性溶剤としては、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール(IPA)、t−ブチルアルコール、エチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチレングリコール、エチレングリコールアルキルエーテル類、等を挙げることができる。
上記水難溶性極性溶剤としては、2−エチルブタノール、n−オクチルアルコール、n−デシルアルコール(デカノール)、n−ブチルエーテル、2−エチルヘキサノール、等を挙げることができる。
これらの内、水混和性溶剤と水難溶性極性溶剤の組合わせは、前者:炭素数1〜4のアルコール系溶剤、後者:炭素数8〜12のアルコール系溶剤とすることが望ましく、特に、前者:IPA、後者:デカノールとすることが望ましい。
これらの希釈剤(混合溶剤)のアルコキシオリゴマーに対する混合比率(質量比)は、前者/後者=95/5〜50/50、望ましくは、90/10〜70/30とする。
希釈剤が多いと保護膜の厚みを確保し難くなり、希釈剤が少ないと粘度が増大して塗り伸ばし性に問題が発生するおそれがある。
また、水混和性溶剤と水難溶性極性溶剤の混合比率(質量比)は、前者/後者=95/5〜70/30、望ましくは90/10〜80/20とする。水難溶性極性溶剤が多いと水と接触塗布するに際して、加水分解反応が遅くなり硬化時間が長くなり易く、逆に水難溶性極性溶剤が少ないと、加水分解反応が急激になって均一な硬化保護膜を形成し難くなる。
次に上記保護剤を使用しての車両塗装面の保護処理方法は、通常、図1(A)の水使用処方に従って行なう。しかし、図1(B)の水不使用処方でも、区画塗布工程における作業性等は低下するが、水使用と余り変わらない性能の保護膜を形成することができる。
即ち、水使用処方では、逆に、積極的に塗布具(スポンジ等)を介して水を補給することが必要である。即ち、補給水は、前記車両塗装面の洗車後表面水、塗布水又は前記シリコーン塗料を付着させた含水塗布材からの移行水のいずれか又はそれらの組合わせとする。
そして、洗車後の水拭き・乾燥工程が不要であり、かつ、塗布後の膜養生工程が実質的に不要である。
以下、本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明する。
各実施例及び各比較例のシリコーン系保護剤を、それぞれ表2および表3に示す配合処方に従って調製した(比較例3・4は市販品)。
なお、比較例1は、アルコキシオリゴマーの動粘度1.2mm/sと、本発明の下限値以下の事例であり、比較例2は、アルコキシオリゴマーのRO含量が7%と、本発明の下限値以下の事例である。
調製後の各シリコーン系保護剤は、スプレー缶(容量:50cc)に封入した。比較例3・4(市販品)は茶色ガラス瓶充填タイプである。
塗装テスト板としては、JIS−K−2398規定の黒色塗装板(90mm×150mm)を用いた。
そして、各シリコーン系保護剤を用いて、塗装テスト板に下記水使用・水不使用の各方法に従って、硬化保護膜を形成した。
(1)水使用処方による保護処理(図1(A)参照):
水中を潜らせ水濡れ状態とした直後の塗装テスト板の表面に対して、水を含ませた塗布用スポンジ(市販ワックス用スポンジ)に各保護剤を所要量を取り出し付着させる。その後、スポンジでテスト板上に塗り伸ばし後、表面残存水(過剰水)を塗装テスト板から除去する。その後、拭き取り用専用クロス(「キーパークロス」アイタック技研株式会社登録商標)で表面を仕上げ拭きした。
(2)水不使用処方による保護処理(図1(B)参照):
上記において塗装テスト板は乾燥したものを用いるとともに塗布用スポンジも乾燥させたものを用いた。最後は、上記(1)と同様にして、前記と同一の拭き取り用クロスで表面を拭いて仕上げた。
上記各保護処理完了後、1時間放置後の各塗装テスト板について、下記各項目の官能評価(目視・手の感触等、五感に基づく。)を行なった。そして、そのときの評価基準は下記内容とした。
<区画塗布作業性>
この試験は、塗装テスト板を使用せずに、実車において実施したものである。
・塗り伸ばし性・・・◎:非常に良好、○:良好、△:やや悪い、×:悪い
・区画塗布大きさ・・◎:1m超、
○:1m以下0.5m超、
△:0.5m以下0.2超m
×:0.2m以下
・仕上げ拭き性・・・◎:非常に良好、○:良好、△:やや悪い、×:悪い
<直後保護膜状態>
・白化・変色・・・◎:全く認められず、○:殆ど認められず、△:やや認められる、×:明らかに認められる。
・色ムラ・・・◎:全く認められず、○:殆ど認められず、△:やや認められる、×:明らかに認められる。
・色ムラ修正性・・・◎:柔軟クロスで修正容易、○:柔軟クロスで修正可能、△:柔軟クロスで完全には修正困難、×:修正不可
・光沢性・・・◎:非常に良好、○:良好、△:余りない、×:殆どない
・撥水性・・・◎:非常に良好、○:良好、△:余りない、×:殆どない
<30日後保護膜状態>
・光沢性・・・◎:非常に良好、○:良好、△:余りない、×:殆どない
・撥水性・・・◎:非常に良好、○:良好、△:余りない、×:殆どない
・洗浄性・・・◎:非常に良好、○:良好、△:余り良くない、×:良くない
・防汚性・・・◎:非常に良好、○:良好、△:余り良くない、×:良くない
上記各試験の評価結果を、実施例は表4・5に、比較例は表6・7にそれぞれ示す。
表4に示す結果から、水使用処方における各実施例は、全ての項目について、◎ないし○であり、従来の問題点を解決できることが確認できた。さらに、フルオロアルキルシランやフルオロアルキルアルカノールを所定量以上含む実施例3・4等の場合は、光沢性、撥水性等(30日経過後も)において、さらに改善されることが確認できた。
表5に示す結果から、水不使用処方における各実施例は、区画塗布大きさ、仕上げ拭き性では、△乃至△〜○の評価となったが、直後・30日後保護膜状態において、一部の小項目(色ムラ及び色むら修正性)を除いて、水使用と同様な膜性能を得られることが確認できた。
表6に示す結果から、水不使用処方を予定している比較例3・4は、何れも区画塗布大きさは小さいが、一部の小項目(色ムラ及び色むら修正性)を除いて、各実施例と同様な膜性能を得られることが確認できた。また、比較例1・2は、塗布作業性、直後・30日後保護膜状態の殆どの小項目おいて、問題が発生することが確認できた(特に、比較例2はゴム系膜であるためである)。
表7に示す結果から、水使用処方とした各比較例は、水不使用処方を水使用処方としたため、殆どの区画塗布作業性の殆どの小項目において、問題が発生するとともに、保護処理完了直後・30日経過後の膜性能も殆ど良好な結果を得られないことが確認できた。これは、水の作用で急激な硬化が進むためであると考えられる。

Claims (6)

  1. シリコーンアルコキシオリゴマーを必須成分とし、加水分解触媒で加水分解速度が調整されてなる湿気硬化性のシリコーン系保護剤を用いて、車両塗装面に硬化保護膜を形成する保護処理方法であって、
    前記シリコーン系保護剤を、動粘度(25℃)22〜200mm/sのシリコーンアルコキシオリゴマーが、水混和性溶剤を主体とし水難溶性極性溶剤を添加した混合溶剤で希釈されたものとし、
    前記車両塗装面上に、前記シリコーン系保護剤を補給水でさらに希釈して引き伸ばしながら塗布する区画塗布工程を経て前記硬化保護膜の形成を行なう、
    ことを特徴とする車両塗装面の保護処理方法。
  2. 前記補給水を、前記車両塗装面の洗車後表面水、塗布水又は前記シリコーン塗料を付着させた含水塗布材からの移行水のいずれか又はそれらの組合わせとすることを特徴とする請求項1記載の車両塗装面の保護処理方法。
  3. 前記シリコーンアルコキシオリゴマーが、アルコキシ基(RO)含量10〜35wt%およびSiO分含量35wt%以上であることを特徴とする請求項1又は2記載の車両塗装面の保護処理方法。
  4. 前記混合溶剤が、炭素数1〜4のアルコール系溶剤と、炭素数8〜12のアルコール系溶剤との、前者/後者(質量比)=95/5〜70/30で混合物であること特徴とする請求項1、2又は3記載の車両塗装面の保護処理方法。
  5. 前記シリコーン系保護剤が、さらに、フルオロアルキルアルコキシシランを塗膜形成要素として含有することを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の車両塗装面の保護処理方法。
  6. さらに、フルオロアルキルアルカノールを前記フルオロアルキルアルコキシシランと併用することを特徴とする請求項5記載の車両塗装面の保護処理方法。
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