JP6802953B2 - 撥水性コーティング組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、車両のガラスや車体本体、建築物のガラスや外壁、道路標識などの所望の物品の表面に塗布することにより水をはじくことができる撥水性コーティング組成物に関するものである。
従来、例えばアルコキシシランなどの金属アルコキシド、アルコール、触媒などを含有する組成物を用いて、ゾル-ゲル法によって、ガラスや陶器などの無機物からなる基材、及び樹脂、塗料などの有機物からなる基材の表面に撥水性を付与するなどの表面改質手段が知られている。
例えば、特許文献1において、所定の粒子径を有する疎水化処理されたシリカと、アルキル基を有するアルコキシシランと、酸触媒、溶媒からなるコーティング組成物が開示されており、また、その処理組成物をガラスに塗布し、熱処理を行って被膜形成したときに、接触角が140°以上である撥水性を示すことが開示されている。
そして、特許文献2において、所定の粒子径を有する無機または有機の微粒子と、フッ素化アルコキシシランと、アクリル樹脂などの樹脂と、酸触媒と、溶媒と、水からなる組成物が開示されており、また、その組成物を用いて鏡表面にスプレー塗装により塗布して処理を行ったときに、接触角が150°以上の超撥水性を示すことが開示されている。
特開2010−254734号公報 特開2003−306670号公報
しかしながら、引用文献1及び引用文献2の組成物では、塗布する基材との密着性を向上させるなどのために、無機微粒子としてシリカを配合しているが、シリカの種類によって撥水性などの性能が均一なものとならないという課題があった。
また、引用文献1及び引用文献2の組成物では、カップリング剤又はアンカリング剤として使用しているアルコキシシランのアルコキシ基を加水分解するために、無機酸又は有機酸などの酸触媒を配合しているところ、使用しないで保管している間に徐々にその酸触媒による加水分解が進行し凝集が起こるなどして経時的に品質が変化するために、冷暗所で保存する必要があるという課題があった。
さらに、引用文献1の組成物では、明細書の記載にあるように、酸触媒による加水分解を行うときには、塗布後に熱処理を行って基材へ密着させて耐久性を向上させる必要があった。
そこで、本発明において、酸やアンモニア水である塩基などの触媒を含有せず、また、塗布後に熱処理を行わなくても、作成される塗膜に安定した優れた撥水性を付与することができる撥水性コーティング組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、コーティング組成物について鋭意研究を重ね、シリカ粒子の比表面積及び表面処理剤の種類を特定し、アルコキシシランのうちアミノ基を有する化合物を処方することにより、外観上透明で、耐久性に優れ超撥水性を示す塗膜を作成することができることを見出し、これらの知見に基づいて本発明に至った。
〔1〕すなわち、本発明は、化1で表されるアルコキシシランと、
Figure 0006802953
化2で表されるアミノ基含有アルコキシシランと、
Figure 0006802953
BET比表面積が150〜300m2/gであり、トリメチルシリル基を表面に有するシリカ粒子と
アルコールと、を含有し、
酸、アンモニア水から選ばれる触媒を含有せず、
前記アルコキシシランが、前記アミノ基含有アルコキシシランに対して、0.8〜10倍の重量比で含有されていることを特徴とする撥水性コーティング組成物である。
〔2〕そして、前記アミノ基含有アルコキシシランが、3−アミノプロピルメトキシシラン、3−アミノプロピルエトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシランから選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする前記〔1〕に記載の撥水性コーティング組成物である。
本発明によれば、酸やアンモニア水である塩基などの触媒を含有せず、また、塗布後に熱処理を行わなくても、作成される塗膜に安定した優れた撥水性を付与することができる。さらに、外観上透明で、耐久性に優れ超撥水性を示す塗膜を作成することができる。
以下、本発明の撥水性コーティング組成物に関する実施形態について詳しく説明する。なお、説明中における範囲を示す表記は、上限と下限を含有するものである。
本発明の撥水性コーティング組成物は、特定のアルコキシシランと、特定のアミノ基含有アルコキシシランと、特定のシリカ粒子と、アルコールを含有している。少なくともこれら成分を配合した組成物により、後述するように、塗膜作製後に処理表面の性能の一つの指標である水に対する接触角を測定した際に、その接触角が150度を超える超撥水性を示す塗膜を作成できる。
本発明に含有されるアルコキシシランは、下記の化1で表される化合物である。
Figure 0006802953
当該アルコキシシランによれば、塗布する基材および含有するシリカ微粒子と結合し、塗膜に撥水性を付与することができる。なお、化1におけるX,Yは、化2におけるX,Yは独立している。
当該アルコシシランとしては、例えば、1官能のトリメチルメトキシシラン、トリエチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、トリエチルエトキシシランなどや、2官能のジメチルジメトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジイソプロピルジメトキシシラン、ジイソブチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジエトキシシランなどや、3官能のメチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、イソプロピルトリメトキシシラン、n−ブチルトリメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、n−ヘキシルトリメトキシシラン、n−オクチルトリメトキシシラン、n−デシルトリメトキシシラン、n−ドデシルトリメトキシシラン、n−テトラデシルトリメトキシシラン、n−ヘキサデシルトリメトキシシラン、n−オクタデシルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、イソプロピルトリエトキシシラン、n−ブチルトリエトキシシラン、イソブチルトリエトキシシラン、n−ヘキシルトリエトキシシラン、n−オクチルトリエトキシシラン、n−デシルトリエトキシシラン、n−ドデシルトリエトキシシラン、n−テトラデシルトリエトキシシラン、n−ヘキサデシルトリエトキシシラン、n−オクタデシルトリエトキシシランなどが好ましく、3官能の上記アルコシシランがさらに好ましい。このうちの1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
また、本発明の撥水性コーティング組成物における当該アルコキシシランの含有割合は、0.05〜1.0重量%であることが好ましく、0.1〜0.5重量%であることが好ましい。当該アルコキシシランの含有割合がこの範囲であると、塗布する基材の表面を撥水性とし、さらに、加水分解による凝集も生じにくくなり保存安定性を向上させることができる。
本発明に含有されるアミノ基含有アルコキシシランは、下記の化2で表される化合物である。
Figure 0006802953
当該アミノ基含有アルコキシシランによれば、塗布する基材および含有するシリカ微粒子と結合し、塗膜に撥水性を付与することができるともに、当該アルコキシシラン及び当該アミノ基含有アルコキシシランの加水分解をアミノ基により促進することができる。なお、化2におけるX,Yは、化1におけるX,Yは独立している。
当該アミノ基含有アルコシシランとしては、例えば、3−アミノプロピルメトキシシラン、3−アミノプロピルエトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシランが好ましい。このうちの1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
また、本発明の撥水性コーティング組成物における当該アミノ基含有アルコキシシランの含有割合は、0.001〜1.3重量%であることが好ましく、0.003〜0.7重量%であることが好ましい。当該アルコキシシランの含有割合がこの範囲であると、塗布する基材の表面を撥水性とし、さらに、加水分解による凝集も生じにくくなり保存安定性を向上させることができる。そして、無機酸や有機酸などの酸触媒、およびアンモニア水である塩基触媒を配合しなくても塗膜を作成することができ、その後の熱処理を行わなくても耐久性に優れた塗膜を作成することができる。
当該アルコキシシランと当該アミノ基含有アルコキシシランとの配合比は、当該アルコキシシラン/当該アミノ基含有アルコキシシラン=0.8/1〜10/1であることが好ましく、さらに当該アルコキシシラン/当該アミノ基含有アルコキシシラン=1/1〜7/1であることが好ましい。すなわち、当該アルコキシシランは、当該アミノ基含有アルコキシシランに対して、0.8〜10倍の重量比で含有されていることが好ましく、さらに1〜7倍の重量比で含有されていることが好ましい。該アルコキシシランと当該アミノ基含有アルコキシシランとの配合割合がこの範囲であると、加水分解による凝集も生じにくくなり保存安定性を向上させることができるとともに、無機酸や有機酸などの酸触媒、およびアンモニア水である塩基触媒を配合しなくても塗膜を作成することができる。



本発明に含有されるシリカ粒子としては、BET比表面積が150〜300m/gであり、トリメチルシリル基を表面に有する特定のものである。当該シリカ粒子によると、当該アルコシシランおよび当該アミノ基含有アルコキシシランとの相乗効果によって、耐久性に優れ、透明性の高い超撥水性の塗膜を作成することができる。
ブルナウアー,エメット及びテラーの方法(BET 法)に基づき粉体状の粒子に対して物理吸着したガスの量を測定することにより、試料の絶対表面積を試料質量で除した比表面積を求める比表面積測定方法(JIS Z8830)に準じて測定された比表面積(本明細書においてBET比表面積という)としては、150〜300m/gであることが好ましく、200〜260m/gであることがさらに好ましい。
また、シリカ微粒子には、その表面を種々のアルキル鎖により疎水化処理されているものもあるが、トリメチルシリル基により疎水化処理されていることが好ましい。
BET比表面積が上記の範囲で、表面にトリメチルシリル基により疎水化処理されているシリカ粒子を配合することにより、上述したように、当該アルコシシランおよび当該アミノ基含有アルコキシシランとの相乗効果によって、耐久性に優れ、透明性の高い超撥水性の塗膜を作成することができる。
当該シリカ粒子は、粉末状のものを使用することができるし、また、メタノール、イソプロパノール、ジメチルアセトアミド、エチレングリコール、エチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、酢酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、トルエンなどの有機溶媒に分散したシリカゾルを使用することができる。このうちの1種又は2種以上を組み合わせて使用することもできる。
また、本発明の撥水性コーティング組成物における当該シリカ粒子の含有割合は、0.1〜5.0重量%であることが好ましく、0.3〜2.0重量%であることが好ましい。当該シリカ粒子の含有割合がこの範囲であると、塗布する基材の処理表面に撥水性を付与することができる。
本発明に含有されるアルコールは、当該アルコキシシラン、当該アミノ基含有アルコシシラン、および当該シリカ粒子などを均一に分散させる溶剤である。当該アルコールとしては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ノルマルプロパノール等の炭素数1〜4の低級アルコールや、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノイソブチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノ-2-エチルヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノ-2-エチルヘキシルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル等のグリコールエーテルが好ましく、炭素数1〜4の低級アルコールがさらに好ましい。この他に必要に応じて、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素など非極性の有機溶媒を使用することもできる。また、このうちの1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明において、水を任意に配合することができる。水としては、精製水、工業用水など任意の水を使用することができる。また、水に含有される微量成分も塗膜作製時の硬化性に影響を及ぼさない範囲で含有されていてもよい。
本発明の撥水性コーティング組成物は、各成分を配合後、室温で撹拌して調製される。アルコキシシラン、アミノ基含有アルコキシシラン、シリカ粒子と、アルコールの配合に際し、任意の順番で配合することもできるし、同時に配合することもできる。
そして、本発明の撥水性コーティング組成物は、必要に応じて、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン系界面活性剤など界面活性剤、紫外線吸収剤、防汚剤、粘度調整剤、着色剤、防腐剤、pH調整剤などを添加することができる。
本発明の撥水性コーティング組成物は、ガラスや樹脂、金属やセラミックスなどを対象基材にすることが好ましい。
本発明の表コーティング組成物を各基材に処理する方法は、特に限定されず、スピンコート、ディップコート、ロールコート、フローコート、スプレーコートなどで処理してもよいし、スポンジや布などの治具を用いた手塗などで処理してもよい。その後、溶剤として使用される当該アルコールを自然乾燥させることで塗膜を作成することができ、加熱乾燥による後処理は必要でない。
以下、本発明の実施例について具体的に説明する。なお、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
メチルトリメトキシシラン(信越化学工業社製、商品名:KBM13)0.15重量%、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業社製、商品名:KBM603)0.05重量%、BET比表面積が200m/gであり、トリメチルシリル基を表面に有するシリカ粒子(トクヤマ社製、商品名:レオロシールHM-30S)0.3重量%、エタノール99.5重量%からなる撥水性コーティング組成物を得た。
(実施例2)
n−プロピルトリメトキシシラン(信越化学工業社製、商品名:KBM3303)0.15重量%、3−アミノプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業社製、商品名:KBM903)0.15重量%、BET比表面積が220m/gであり、トリメチルシリル基を表面に有するシリカ粒子(日本アエロジル社製、商品名:アエロジルR812S)1.0重量%、エタノール98.7重量%からなる撥水性コーティング組成物を得た。
(実施例3)
ヘキシルトリメトキシシラン(信越化学工業社製、商品名:KBM3063)0.35重量%、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業社製、商品名:KBM603)0.05重量%、BET比表面積が200m/gであり、トリメチルシリル基を表面に有するシリカ粒子(トクヤマ社製、商品名:レオロシールHM-30)0.5重量%、イソプロパノール99.1重量%からなる撥水性コーティング組成物を得た。
(実施例4)
オクチルトリメトキシシラン(信越化学工業社製、商品名:KBM3083)0.18重量%、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業社製、商品名:KBM603)0.05重量%、BET比表面積が260m/gであり、トリメチルシリル基を表面に有するシリカ粒子(日本アエロジル社製、商品名:アエロジルR812)0.7重量%、エタノール99.07重量%からなる撥水性コーティング組成物を得た。
(実施例5)
デシルトリメトキシシラン(信越化学工業社製、商品名:KBM3103C)0.1重量%、3−アミノプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業社製、商品名:KBM903)0.1重量%、BET比表面積が220m/gであり、トリメチルシリル基を表面に有するシリカ粒子(日本アエロジル社製、商品名:アエロジルR812S)0.4重量%、イソプロパノール99.4重量%からなる撥水性コーティング組成物を得た。
(実施例6)
メチルトリメトキシシラン(信越化学工業社製、商品名:KBM13)0.16重量%、デシルトリメトキシシラン(信越化学工業社製、商品名:KBM3103C)0.2重量%、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業社製、商品名:KBM603)0.04重量%、BET比表面積が260m/gであり、トリメチルシリル基を表面に有するシリカ粒子(日本アエロジル社製、商品名:アエロジルR812)1.5重量%、エタノール98.1重量%からなる撥水性コーティング組成物を得た。
(比較例1)
メチルトリメトキシシラン(信越化学工業社製、商品名:KBM13)0.2重量%、BET比表面積が200m/gであり、トリメチルシリル基を表面に有するシリカ粒子(トクヤマ社製、商品名:レオロシールHM-30S)0.5重量%、アンモニア水1.0重量%、エタノール98.3重量%からなるコーティング組成物を得た。
(比較例2)
ヘキシルトリメトキシシラン(信越化学工業社製、商品名:KBM3063)0.5重量%、BET比表面積が220m/gであり、トリメチルシリル基を表面に有するシリカ粒子(日本アエロジル社製、商品名:アエロジルR812S)0.3重量%、1Nの塩酸水溶液0.8重量%、エタノール98.4重量%からなるコーティング組成物を得た。
(比較例3)
デシルトリメトキシシラン(信越化学工業社製、商品名:KBM3103C)0.3重量%、BET比表面積が260m/gであり、トリメチルシリル基を表面に有するシリカ粒子(日本アエロジル社製、商品名:アエロジルR812)0.4重量%、アンモニア水0.5重量%、エタノール98.8重量%からなるコーティング組成物を得た。
(比較例4)
ヘキシルトリメトキシシラン(信越化学工業社製、商品名:KBM3063)0.2重量%、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業社製、商品名:KBM603)0.1重量%、BET比表面積が140m/gであり、トリメチルシリル基を表面に有するシリカ粒子(日本アエロジル社製、商品名:アエロジルRX200)1.5重量%、エタノール98.2重量%からなるコーティング組成物を得た。
(比較例5)
オクチルトリメトキシシラン(信越化学工業社製、商品名:KBM3083)0.2重量%、3−アミノプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業社製、商品名:KBM903)0.15重量%、BET比表面積が240m/gであり、ジメチルシリル基を表面に有するシリカ粒子(日本アエロジル社製、商品名:アエロジルR976S)1.0重量%、エタノール98.65重量%からなるコーティング組成物を得た。
(比較例6)
デシルトリメトキシシラン(信越化学工業社製、商品名:KBM3103C)0.1重量%、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業社製、商品名:KBM603)0.05重量%、BET比表面積が125m/gであり、ジメチルポリシロキサンを表面に有するシリカ粒子(日本アエロジル社製、商品名:アエロジルRY300)0.5重量%、イソプロパノール99.35重量%からなるコーティング組成物を得た。
そして、実施例1〜6に記載の撥水性コーティング及び比較例1〜6に記載の組成物コーティングを用いて、ソーダガラス板(25mm×75mm)にフローコートし、室温にて1日間自然乾燥及び養生して塗膜を作成した。
これらの塗膜を用いて、撥水性及び透明性の評価を行った。初期撥水性については、作成された塗膜について、協和界面科学株式会社のDropMasterを用いて、当該塗膜表面における水に対する接触角をθ/2法により5点測定しその平均値を求めた。なお、作成した塗膜に対して水滴が転がるだけで全く付着しないものについては、測定できないために、便宜上180°として評価した。
透明性については、作成された塗膜を目視にて評価を行った。透明である塗膜を○と評価し、くすんでいる塗膜を△、白濁している塗膜を×と評価し、○である塗膜を良好と判断した。
耐久性試験後の撥水性については、まず作成された塗膜に対して、シリンジに入っている50mlの水を15cmの高さより20秒かけて流した後、上述の方法にて接触角を測定した。
得られた撥水性コーティング組成物、およびそれらの組成物により作成された塗膜の物性評価の結果を、一覧にして表1に示す。
Figure 0006802953
表1に示すように、実施例1〜6のコーティング組成物により作成された塗膜において、初期撥水性が150°を超える接触角となり超撥水性を示し、流水による耐久試験後の撥水性に関してもほとんど劣化することなく150°を超える接触角となり超撥水性を維持し、さらに、透明性に優れていることが分かった。一方、アミノ基含有アルコキシシランを用いない比較例や、シリカ粒子において、BET比表面積が150〜300m/gの範囲外である比較例、また、シリカ粒子において、BET比表面積が150〜300m/gの範囲内であるもののトリメチルシリル基以外で表面処理がされている比較例では、透明性においても白濁するものが多く、初期撥水性があったとしても耐久試験後の撥水性はいずれも超撥水性を示さず不良であった。
このように、アミノ基含有アルコキシシランが含有され、特定のBET比表面積の範囲のものであり、特定の表面処理が行われているシリカ粒子が含有されている処方において、相乗効果的に、作成された塗膜が流水でもおおよそ剥がれることなく安定した超撥水性を基材に付与することができることができる。

Claims (2)

  1. 化1で表されるアルコキシシランと、
    Figure 0006802953
    化2で表されるアミノ基含有アルコキシシランと、
    Figure 0006802953
    BET比表面積が150〜300m2/gであり、トリメチルシリル基を表面に有するシリカ粒子と
    アルコールと、
    を含有し、
    酸、アンモニア水から選ばれる触媒を含有せず、
    前記アルコキシシランが、前記アミノ基含有アルコキシシランに対して、0.8〜10倍の重量比で含有されていることを特徴とする撥水性コーティング組成物。
  2. 前記アミノ基含有アルコキシシランが、3−アミノプロピルメトキシシラン、3−アミノプロピルエトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシランから選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1に記載の撥水性コーティング組成物。
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