JP6954584B2 - 親水性コーティング組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、ガラス、金属、樹脂などの基材表面に塗布され、親水性の塗膜を形成する親水性コーティング組成物に関するものである。
従来、例えばテトラアルコキシシランなどのアルコキシシランを含有する組成物を用いて、ゾル-ゲル法によって、ガラスや陶器などの無機物からなる基材、及び樹脂、塗料などの有機物からなる基材の表面に親水性を付与するなどの表面改質手段が知られている。
これは、アルコキシシランにおいて、加水分解によりアルコールが離脱し、水酸基同士による脱水縮合反応が進行し高分子量化されることにより、硬化塗膜が形成される。
例えば、特許文献1において、微粒子シリカと、アルコキシシランと、溶媒と、水からなる無機塗料組成物が開示されており、また、その無機塗料組成物を用いてガラス基材にスプレー塗装により塗布して処理を行ったときに、接触角が0〜5°の親水性を示すことが開示されている。
特許第3367953号公報
しかしながら、引用文献1の組成物では、良好な親水性を有するものの、用途によっては他の物品との接触等により擦られるなどの物理的な力が加わることにより摩耗や裂傷が生じることによって経時的に親水性が低下し、親水性に関する耐久性が乏しいという課題があった。
そこで、本発明において、ガラス、金属、樹脂などの基材表面に塗布され、親水性の塗膜が形成されたときに、他の物品との接触等により擦られるなどの物理的な力が加わったとしても、高い親水性を示すという親水性に関する耐久性が優れた塗膜を形成することができる親水性コーティング組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、親水性コーティング組成物について鋭意研究を重ね、セルロースナノファイバーなどを配合することにより、物理的な力が加わっても耐久性に優れる塗膜を作製することができることを見出し、これらの知見に基づいて本発明に至った。
〔1〕すなわち、本発明は、アルコキシシランと、炭素数1〜4の低級アルコールと、エチレングリコールモノイソブチルエ−テルと、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルと、セルロースナノファイバーと、シリカ粒子と、水を含有することを特徴とする親水性コーティング組成物である。
〕そして、前記セルロースナノファイバーは、前記アルコキシシランに対して、0.005重量%〜0.15重量%配合されていることを特徴とする前記〔1〕に記載の親水性コーティング組成物である。
〕そして、前記アルコキシシランが0.5重量%〜5重量%配合されていることを特徴とする前記〔1〕又は前記〔2〕に記載の親水性コーティング組成物。

本発明によれば、ガラス、金属、樹脂などの基材表面に塗布され、親水性の塗膜が形成されたときに、他の物品との接触等により擦られるなどの物理的な力が加わったとしても、高い親水性を示すという親水性に関する耐久性が優れた塗膜を形成することができる。
以下、本発明の親水性コーティング組成物に関する実施形態について詳しく説明する。なお、説明中における範囲を示す表記は、上限と下限を含有するものである。
本発明の親水性コーティング組成物は、アルコキシシランと、(炭素数1〜4の低級アルコールと、セルロースナノファイバーを含有している。少なくともこれら成分を配合した組成物により、後述するように、ガラス、金属、樹脂などの基材表面に塗布され、塗膜作製後に物理的な力が加わっても親水性を継続し得る耐久性に優れた塗膜を作製することができる。
本発明のアルコキシシランは、アルコキシル基を1官能又は2官能以上有するケイ素化合物である。アルコキシシランを配合することにより、ガラス、金属、樹脂などの基材表面との密着性を向上させたり、親水性を付与したり、また、シリカ粒子を配合するときにはそのシリカ粒子と結合するバインダーとして機能したりする。
当該アルコシシランとしては、例えば、1官能のトリメチルメトキシシラン、トリエチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン及びトリエチルエトキシシランなどや、2官能のジメチルジメトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジイソプロピルジメトキシシラン、ジイソブチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン及びジエチルジエトキシシランなどや、3官能のメチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、イソプロピルトリメトキシシラン、n−ブチルトリメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、n−ヘキシルトリメトキシシラン、n−オクチルトリメトキシシラン、n−デシルトリメトキシシラン、n−ドデシルトリメトキシシラン、n−テトラデシルトリメトキシシラン、n−ヘキサデシルトリメトキシシラン、n−オクタデシルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、イソプロピルトリエトキシシラン、n−ブチルトリエトキシシラン、イソブチルトリエトキシシラン、n−ヘキシルトリエトキシシラン、n−オクチルトリエトキシシラン、n−デシルトリエトキシシラン、n−ドデシルトリエトキシシラン、n−テトラデシルトリエトキシシラン、n−ヘキサデシルトリエトキシシラン及びn−オクタデシルトリエトキシシランなどや、4官能のテトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトラ−イソプロポキシシラン及びテトラフェノキシシランなどが好ましく、各種基材表面の塗膜を作製したときに硬い塗膜が形成されるために3官能又は4官能の上記アルコシシランがさらに好ましい。このうちの1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
また、当該アルコシシランとしては、上記1官能から4官能のアルコキシシランの1種又は2種以上を用いて、加水分解及び脱水縮合して得られたアルコキシル基を有する加水分解縮合物も含まれる。例えば、上記1官能から4官能のアルコキシシランの1種又は2種以上に水を加えて、触媒の存在下で撹拌しながら昇温することにより、アルコキシル基の一部を加水分解させるとともに、縮合させることにより得られるものである。縮合度としては平均2〜10量体であることが好ましい。縮合度がこの範囲であれば、塗膜作成に掛かる時間を短縮できるとともに基材表面に均一な塗膜を形成することができる。
加水分解縮合して得られたアルコキシシランは、市販品として入手可能であり、例えば、テトラエトキシシランの平均5量体であるエチルシリケート40(コルコート社製)、テトラメトキシシランの部分加水分解縮合物であるMS51(三菱化学社製、)、テトラメトキシシランの2〜3量体であるX−40−2308(信越化学社製)などが用いられる。これら加水分解縮合物であるアルコキシシランは、単独で用いてもよく、また、2種以上併用してもよい。
また、本発明のアルコキシシランの親水性コーティング組成物中における含有割合は、0.5〜5重量%であることが好ましく、1〜3重量%であることが好ましい。当該アルコキシシランの含有割合がこの範囲であると、親水性コーティング組成物を塗布する基材表面に親水性を付与し、さらに、基材表面に均一な塗膜を形成することができる。
本発明のセルロースナノファイバーは、セルロース分子鎖が水素結合及び分子間力によって結合した化合物であるセルロースミクロフィブリル、又はそのセルロースミクロフィブリルを最小単位として複数が集合した集合体であり、その太さが数nm〜数百nmの名のサイズのものである。また、その長さは数百nmから数μmに及ぶものである。一般に、セルロースナノファイバーは、天然に存在するセルロース組織を機械的に解繊して得られる。
セルロースナノファイバーは、その太さが数nm〜数百nmの名のサイズのものであり、比表面積が大きく表面に存在するフリーの水酸基(他と結合していない)が多くなるために、セルロースナノファイバーを配合することにより、アルコキシシランが加水分解することにより生成する水酸基又は各種基材表面との親和性が良好であるために、おおよそ均一で透明な塗膜を作製することができるとともに、塗膜の機械的強度を向上させることができる。市販品としては、粉末状や水分散体であるスラリー状、ペースト状、ゲル状などの形態で入手することができ、レオクリスタ(第一工業製薬社製)、セリッシュ(ダイセルファインケム社製)、セルロースナノファイバー(大王製紙社製)、変性セルロースナノファイバー(日本製紙社製)などが用いられる。
また、当該セルロースナノファイバーの親水性コーティング組成物中における含有割合は、0.00001〜0.0025重量%であることが好ましく、0.0001〜0.002重量%であることが好ましい。セルロースナノファイバーの含有割合がこの範囲であると、各種基材表面に親水性コーティング組成物を塗布したときに作製される塗膜の物理的力に対する耐久性を向上することができる。
さらに、セルロースナノファイバーは、アルコキシシランに対して、0.005重量%〜0.15重量%配合されていることが好ましく、0.01重量%〜0.1重量%であることが好ましい。セルロースナノファイバーの含有割合がこの範囲であると、各種基材表面に親水性コーティング組成物を塗布したときに作製される塗膜の物理的力に対する耐久性を向上することができる。
本発明の炭素数1〜4の低級アルコールは、直鎖又は分岐鎖を有する、炭素数が1〜4から選ばれる少なくとも一つのアルコール化合物である。炭素数1〜4の低級アルコールを配合することにより、揮発性に優れるために各種基材表面に親水性コーティング組成物を塗布したときに速乾性に優れ、親水性コーティング組成物を均一な分散溶液とすることができる。
当該炭素数1〜4の低級アルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、tert−ブチルアルコールなどが好ましい。このうちの1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
また、当該炭素数1〜4の低級アルコールの親水性コーティング組成物中における含有割合は、40〜90重量%であることが好ましく、50〜80重量%であることが好ましい。炭素数1〜4の低級アルコールの含有割合がこの範囲であると、各種基材表面に親水性コーティング組成物を塗布したときに速乾性に優れ、親水性コーティング組成物を均一な分散溶液とすることができる。
必要に応じて、炭素数1〜4の低級アルコール以外のアルコールや酢酸エチルなどのエステル系溶剤、メタノール、エタノール、イソプロパノールなどのアルコール系溶剤、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン系溶剤などの有機溶剤を配合することができる。炭素数1〜4の低級アルコール以外のアルコールとしては、例えば、エチレングリコールモノイソブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルなどのグリコール系アルコールなどが好ましい。これら有機溶媒を配合することにより、塗膜の残存成分であるアルコキシシラン、セルロースナノファイバー、必要に応じて配合されるシリカ粒子などの配合物を、親水性コーティング組成物を均一に分散し、各種基材表面におおよそ均一な厚みで塗布して塗膜を形成することができる。
また、炭素数1〜4の低級アルコール以外の有機溶媒の親水性コーティング組成物中における含有割合は、5〜40重量%であることが好ましく、10〜30重量%であることが好ましい。炭素数1〜4の低級アルコール以外の有機溶媒の含有割合がこの範囲であると、各種基材表面に親水性コーティング組成物を塗布したときに均一な塗膜を形成することができ、親水性コーティング組成物を均一な分散溶液とすることができる。
シリカ粒子は、粒状の二酸化ケイ素である。当該シリカ粒子を配合することにより、各種基材表面に親水性コーティング組成物を塗布したときに硬く親水性の高い塗膜を形成することができる。
シリカ粒子の平均粒子径は、2〜50nmであることが好ましく、5〜20nmであることが好ましい。なお、シリカ粒子の平均粒子径の測定方法としては、レーザー回折・散乱法による粒度分布測定が用いられることが好ましい。
当該シリカ粒子は、粉末状のものを使用することができるし、また、メタノール、イソプロパノール、ジメチルアセトアミド、エチレングリコール、エチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、酢酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどの有機溶媒に分散したシリカゾルを使用することができる。このうちの1種又は2種以上を組み合わせて使用することもできる。
また、本発明の親水性コーティング組成物における当該シリカ粒子の含有割合は、0.1〜5.0重量%であることが好ましく、0.3〜2.0重量%であることが好ましい。当該シリカ粒子の含有割合がこの範囲であると、塗布する基材の処理表面に撥水性を付与することができる。
水は、親水性コーティング組成物における溶媒であり、アルコキシシランを加水分解する材料である。水としては、精製水、工業用水など任意の水を使用することができる。また、水に含有される微量成分も塗膜作製時の硬化性に影響を及ぼさない範囲で含有されていてもよい。
本発明の親水性コーティング組成物中の水の割合は、0.5〜10重量%であることが好ましく、1〜5重量%であることが好ましい。
本発明の親水性コーティング組成物は、各成分を配合後、室温などで撹拌して調製される。アルコキシシラン、セルロースナノファイバー、炭素数1〜4の低級アルコールなどの配合に際し、任意の順番で配合することもできるし、同時に配合することもできる。
そして、本発明の親水性コーティング組成物は、必要に応じて、酸触媒、塩基性触媒、界面活性剤、紫外線吸収剤、粘度調整剤、着色剤、防腐剤、pH調整剤などを添加することができる。
本発明の親水性コーティング組成物を各基材に処理する方法は、特に限定されず、スピンコート、ディップコート、ロールコート、フローコート、スプレーコートなどで処理してもよいし、スポンジや布などの治具を用いた手塗などで処理してもよい。その後、溶剤として使用される当該アルコールを自然乾燥させることで塗膜を作製することができ、加熱乾燥による後処理は必要でない。
以下、本発明の実施例について具体的に説明する。なお、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
テトラエトキシシラン3.0重量%、セルロースナノファイバー(第一工業製薬社製、商品名:レオクリスタ、2重量%水溶液品)0.03重量%、エタノール71.97重量%、エチレングリコールモノイソブチルエーテル15.0重量%、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル5.0重量%、イソプロパノール分散型シリカゾル(日産化学工業社製、商品名:IPA−ST)3.0重量%、水2.0重量%からなる親水性コーティング組成物を得た。
(実施例2)
テトラエトキシシラン1.0重量%、テトラエトキシシラン加水分解重縮合物(コルコート社製、商品名:エチルシリケート40)0.5重量%、セルロースナノファイバー(第一工業製薬社製、商品名:レオクリスタ、2重量%水溶液品)0.04重量%、エタノール73.46重量%、エチレングリコールモノイソブチルエーテル10.0重量%、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル10.0重量%、イソプロパノール分散型シリカゾル(日産化学工業社製、商品名:IPA−ST)2.0重量%、水3.0重量%からなる親水性コーティング組成物を得た。
参考例
テトラエトキシシラン0.5重量%、テトラメトキシシラン加水分解重縮合物(三菱化学社製、商品名:MS51)1.5重量%、セルロースナノファイバー(第一工業製薬社製、商品名:レオクリスタ、2重量%水溶液品)0.1重量%、イソプロパノール68.9重量%、エチレングリコールモノイソブチルエーテル20.0重量%、イソプロパノール分散型シリカゾル(日産化学工業社製、商品名:IPA−ST)5.0重量%、水4.0重量%からなる親水性コーティング組成物を得た。
(実施例
テトラエトキシシラン加水分解重縮合物(コルコート社製、商品名:エチルシリケート40)1.5重量%、テトラメトキシシラン加水分解重縮合物(信越化学社製、商品名:X−40−2308)0.5重量%、セルロースナノファイバー(第一工業製薬社製、商品名:レオクリスタ、2重量%水溶液品)0.075重量%、エタノール54.925重量%、イソプロパノール24.5重量%、エチレングリコールモノイソブチルエーテル10.0重量%、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル5.0重量%、イソプロパノール分散型シリカゾル(日産化学工業社製、商品名:IPA−ST)1.5重量%、水2.0重量%からなる親水性コーティング組成物を得た。
(実施例
テトラメトキシシランの加水分解重縮合物(三菱化学社製、商品名:MS51)1.0重量%、セルロースナノファイバー(第一工業製薬社製、商品名:レオクリスタ、2重量%水溶液品)0.005重量%、エタノール76.995重量%、エチレングリコールモノイソブチルエーテル10.0重量%、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル10.0重量%、イソプロパノール分散型シリカゾル(日産化学工業社製、商品名:IPA−ST)1.0重量%、水1.0重量%からなる親水性コーティング組成物を得た。
(比較例1)
テトラエトキシシラン加水分解重縮合物(コルコート社製、商品名:エチルシリケート40)1.0重量%、テトラメトキシシラン加水分解重縮合物(三菱化学社製、商品名:MS51)0.5重量%、エタノール75.5重量%、エチレングリコールモノイソブチルエーテル10.0重量%、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル5.0重量%、イソプロパノール分散型シリカゾル(日産化学工業社製、商品名:IPA−ST)3.0重量%、水5.0重量%からなるコーティング組成物を得た。
(比較例2)
テトラエトキシシラン1.0重量%、テトラメトキシシラン加水分解重縮合物(信越化学社製、商品名:X−40−2308)1.0重量%、エタノール75.0重量%、エチレングリコールモノイソブチルエーテル20.0重量%、水3.0重量%からなるコーティング組成物を得た。
(比較例3)
イソプロパノール70.0重量%、エチレングリコールモノイソブチルエーテル10.0重量%、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル10.0重量%、イソプロパノール分散型シリカゾル(日産化学工業社製、商品名:IPA−ST)5.0重量%、水5.0重量%からなるコーティング組成物を得た。
(試験片の作製)
スポンジにしみこませた各コーティング組成物を洗浄済みのポリカーボネート板(50mm×50mm)表面に処理し、1日間自然乾燥させて試験板とした。これらの塗膜を付した試験片を用いて、塗膜の外観および親水性の評価を行った。
(外観)
乾燥後の試験板表面の状態を目視により確認し、透明であるものを〇と評価し、ムラが残るとものを×と評価し、〇である塗膜を良好と判断した。
(初期接触角)
試験片の作製直後である初期時に、協和界面科学株式会社のDropMasterを用いて、処理したポリカーボネート表面における水に対する接触角をθ/2法により5点測定し、その平均値を求めた。こうして得られた接触角が、10°未満のものを○、10°以上のものを×と評価し、○である塗膜を良好と判断した。
(擦り後接触角)
レーヨン70%、パルプ30%からなるレンズ用クリーナー紙で処理表面を100回乾拭きした後、再度水に対する接触角を測定し、初期接触角と同様に評価した。
得られた親水性コーティング組成物及びその組成物により作製された塗膜の物性評価の結果を、一覧にして表1に示す。
Figure 0006954584
表1に示すように、実施例1〜の親水性コーティング組成物により作製された塗膜において、はムラなく透明な塗膜を作製することができた。そして、親水性において、初期親水性が10°未満の接触角となり極めて優れた親水性を示すともに、物理的な力を加えた後でも親水性に関してもほとんど劣化することなく優れた親水性を維持した。このように、親水性に関して塗膜の機械的強度が向上することにより親水性を高いレベルで維持できることが明らかとなった。一方、セルロースナノファイバーが配合されていない比較例に関して、少なくとも物理的な力を加えた後では親水性が劣化しており耐久性に乏しいことが明らかになった。
このように、アルコキシシランと、炭素数1〜4の低級アルコールと、セルロースナノファイバーが配合された処方において、物理的な力を加えた後でも高い親水性を維持することができる塗膜を作製することができることが分かった。このように、とりわけ透明性が確保される必要がある用途、例えば、車のフロントグラス、防犯カメラの防護材などに有用であることが分かった。

Claims (3)

  1. アルコキシシランと、
    炭素数1〜4の低級アルコールと、
    エチレングリコールモノイソブチルエ−テルと、
    ジプロピレングリコールモノメチルエーテルと、
    セルロースナノファイバーと、
    シリカ粒子と、
    水を含有することを特徴とする親水性コーティング組成物。
  2. 前記セルロースナノファイバーは、前記アルコキシシランに対して、0.005重量%〜0.15重量%配合されていることを特徴とする請求項1に記載の親水性コーティング組成物。
  3. 前記アルコキシシランが0.5重量%〜5重量%配合されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の親水性コーティング組成物。
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