JP7369957B2 - コーティング剤及びコーティング膜 - Google Patents
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Description
[1]ガラス基板に塗布し、20度~150度の温度条件で乾燥することで、70~2,000nmの厚さのコーティング膜を得た場合に、接触角測定装置により、θ/2法を用いてコーティング膜の表面と水滴との静止接触角を測定したときの静止接触角が10°以下となる、コーティング剤;
[2]ガラス基板に塗布し、20度~150度の温度条件で乾燥することで、70~2,000nmの厚さのコーティング膜を得た後に、65℃、95%RH条件下に100時間放置した場合に、接触角測定装置により、θ/2法を用いて、放置をした後のコーティング膜の表面と水滴との静止接触角を測定したときの静止接触角が10°以下となる、前記[1]のコーティング剤;
[3]ガラス基板に塗布し、20度~150度の温度条件で乾燥することで、70~2,000nmの厚さのコーティング膜を得た後に、50℃の温水を100ミリリットル/時間で100時間接触させた場合に、接触角測定装置により、θ/2法を用いて、温水による処理をした後のコーティング膜の表面と水滴との静止接触角を測定したときの静止接触角が10°以下となる、前記[1]又は[2]のコーティング剤;
[4]ガラス基板に塗布し、20度~150度の温度条件で乾燥することで、70~2,000nmの厚さのコーティング膜を得た後に、150℃条件下に100時間放置した場合に、接触角測定装置により、θ/2法を用いて、放置をした後のコーティング膜の表面と水滴との静止接触角を測定したときの静止接触角が10°以下となる、前記[1]~[3]のいずれかのコーティング剤;
[5]ガラス基板に塗布し、20度~150度の温度条件で乾燥することで、70~2,000nmの厚さのコーティング膜を得た後に、300~400nmの連続スペクトルを有するキセノンランプを用い、ブラックパネル温度63℃、60W/m2のランプ強度の条件で、102分間の照射、続いて18分間の照射及び水の噴霧のサイクルを繰り返すことで、コーティング膜の表面へ1000時間の照射試験を行なった場合に、接触角測定装置により、θ/2法を用いて、試験を行なった後のコーティング膜の表面と水滴との静止接触角を測定したときの静止接触角が10°以下となる、前記[1]~[4]のいずれかのコーティング剤;
[6]前記[1]~[5]のいずれかのコーティング剤を用いて形成されたコーティング膜;
[7]静電気除電用膜、防汚用膜、抗菌用膜、防カビ用膜、消臭剤用膜、指紋防止用膜、防曇用膜、泡の発生抑制用膜、又は、潤滑用膜として用いられる前記[6]のコーティング膜;
[8]オフセット印刷の刷版用コーティング膜、熱交換器用コーティング膜、又は、ヒートパイプ用コーティング膜として用いられる前記[6]のコーティング膜。
本発明では、水不溶性の金属化合物の微粒子(以下、金属微粒子ということがある)が用いられる。金属微粒子としては、金属の酸化物または金属の水酸化物であって、水に不溶な微粒子を用いることができる。該金属としては、水不溶性を示す微粒子であれば特に限定されないが、Mg、Al、Si、Ca、Ti、Zn、Nb、Zr、Sn、Ta、Ce、Hfの元素記号で表される金属を例示することができる。これら金属の酸化物又は金属の水酸化物等のほか、ケイ酸塩化合物を含む微粒子も用いることができる。これらの中でも、Si原子を含む微粒子、例えば、二酸化ケイ素やケイ酸塩化合物が、得られるコーティング膜の親水性に優れる点から好ましい。
本発明のコーティング剤は無機ポリマーを含有する。無機ポリマーとしては、例えば、Si-O結合、Al-O結合、Ti-O結合、Zr-O結合、Sn-O結合を有するものであり、且つ、分子中に水酸基を有するものが好ましい。
本発明のコーティング剤は溶媒を含む。溶媒としては水または水を含有するアルコール系溶媒、及び、グリコールエーテルを用いることができる。アルコール系溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、n-プロパノール、i-プロパノール、n-ブタノール、i-ブタノール、sec-ブタノール、t-ブタノール、n-ペンタノール、i-ペンタノール、2-メチルブタノール、sec-ペンタノール、t-ペンタノール、3-メトキシブタノール、n-ヘキサノール、2-メチルペンタノール、sec-ヘキサノール、2-エチルブタノール、sec-ヘプタノール、3-ヘプタノール、n-オクタノール、2-エチルヘキサノール、sec-オクタノール、n-ノニルアルコール、2,4,6-ジメチルヘプタノール、n-デカノール、sec-ウンデシルアルコール、トリメチルノニルアルコール、sec-テトラデシルアルコール、sec-ヘプタデシルアルコール、フェノール、シクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノール、3,3,5-トリメチルシクロヘキサノール、ベンジルアルコール、ジアセトンアルコール等の低級脂肪族アルコール系溶媒が挙げられる。グリコールエーテルとしては、例えば、エチレングリコールモノブチルエーテルおよびその誘導体、プロピレングリコールモノアルキルエーテル、ペチレングリコールモノアルキルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルおよびこれらの誘導体が挙げられる。これらのアルコール系溶媒、及び、グリコールエーテルは、1種単独で、または複数を混合して用いることができる。これらの水または水を含有するアルコール系溶媒、または、グリコールエーテルを用いることによって、安定的に金属粒子や無機ポリマーを分散することができる。
本発明のコーティング剤に触媒を添加することで、無機ポリマーの加水分解反応および/または重縮合反応を促進することができる。触媒の種類は特に限定されないが、例えば、非イオン性触媒を用いることが好ましい。非イオン性触媒を用いる場合は、酸触媒または塩基触媒を用いる場合に較べて、酸、塩基に対する腐食性の高い基材にも超親水性膜を形成できる。非イオン性触媒としては、ドロキシアルデヒド誘導体(あるいはヒドロキシケトン誘導体)、ヒドロキシカルボン酸誘導体、アリルアルコール誘導体、およびヒドロキシニトリル誘導体が例示される。
本発明のコーティング剤には、塗膜の平滑化を目的としてレベリング剤等の界面活性剤や、ハジキ防止を目的として増粘剤、また用途に応じて着色顔料などを添加することができる。その他添加剤は、本発明のコーティング剤により形成されるコーティング膜の親水性に影響しない範囲で添加することができる。
本発明の第1の実施形態は、水不溶性の金属化合物の微粒子と、無機ポリマーと、透明ナノファイバーとが溶媒に分散したコーティング剤に関するものである。本発明の実施の形態によれば、親水性、耐温水性、塗工性に優れ、また、クラックの発生しにくいコーティング膜を形成できるコーティング剤を提供することができる。
本発明のコーティング剤は、透明ナノファイバーを含有する。透明ナノファイバーとは、例えば、透明性を有し、且つ、繊維径が100nm以下の繊維をいう。透明ナノファイバーを用いた場合でも、得られるコーティング膜は透明性や硬度、耐久性に優れる。また、透明ナノファイバーを用いることで、得られるコーティング膜を厚膜とした場合にでも基材への密着性は低下せず、また、コーティング膜の親水性や耐久性(例えば、耐温水性、耐熱性、耐温湿熱性、耐候性など)も向上する。さらには、コーティング剤を塗工する際の塗工性も向上し、色むら等がなく均質なコーティング膜を得ることができる。
本発明の第2の実施形態は、水不溶性の金属化合物の微粒子と、無機ポリマーとが溶媒に分散したコーティング剤であって、金属化合物の微粒子は微粒子表面の少なくとも一部に超親水性官能基を有するものである。第2の実施形態のコーティング剤によれば、該コーティング剤を用いて作製したコーティング膜の超親水性が優れるだけでなく、耐恒温恒湿性、耐熱性にも優れ、及び、長期にわたって優れた親水性を発揮することができる。
式(4):
本発明の第3の実施形態は、水不溶性の金属化合物の微粒子と、無機ポリマーと、屈折率調整剤とが溶媒に分散したコーティング剤である。第3の実施形態のコーティング剤によれば、得られるコーティング膜と基材との屈折率差により生じる干渉縞が抑制されたものとなる。
本発明の第1の実施形態のコーティング剤は、例えば、金属微粒子と無機ポリマーが溶媒に分散した混合分散液に透明ナノファイバーを添加し、攪拌により分散させて得られる。具体的には、金属微粒子と無機ポリマーの混合分散液に、透明ナノファイバーの水、アルコール、又はグリコールエーテルの分散液を添加する。本発明の第2の実施形態のコーティング剤は、例えば、無機ポリマーに、超親水性基を導入した金属微粒子と、溶媒を添加し、攪拌により分散させて得られる。本発明の第3の実施形態のコーティング剤は、例えば、金属微粒子と無機ポリマーの混合分散液に透明ナノファイバーを添加し、攪拌により分散させて得られる。具体的には、金属微粒子と無機ポリマーの混合分散液に、透明ナノファイバーの水、アルコール、又はグリコールエーテルの分散液を添加する。
本発明の第1~第3の実施形態のコーティング剤を用いて基材にコーティング膜を形成する方法としては、コーティング剤を基材の表面に塗布する方法、基材をコーティング剤に浸漬する方法が挙げられる。コーティング剤を基材の表面に塗布する方法が、簡便で、コストも低く、また必要な膜の厚さを容易に制御できるため、特に好ましい。
本発明の第1~第3の実施形態のコーティング膜の厚さは、70nm以上であり、100nm以上であることが好ましく、2,000nm以下である。コーティング膜の厚さが70nm未満となると、超親水性が低下する傾向にある。コーティング膜の厚さは、500nm以下であることが好ましく、250nm以下であることがより好ましい。また、コーティング膜の厚さが2,000nmより大きくなると、基材との密着性が低下し、剥離しやすくなる傾向にある。
本発明の第1~第3の実施形態のコーティング剤の用途は、特に限定されないが、建築物の表面コーティングや、熱交換器やヒートパイプの表面コーティングなどの用途にも使用できる。その他、眼鏡レンズ、カメラレンズ、水中眼鏡、車の窓ガラス、ヘルメットのシールド、湿気の多い場所で使用するミラーやレンズ等の表面コーティングなどに用いることができる。
本発明のコーティング剤を用いて基材表面に形成されたコーティング膜を、静電気除電の目的で使用するものである。本発明によるコーティング膜は、基材の表面に超親水性を付与し、その結果、基材表面に水が保持された状態とすることができる。そして、水の導電性により静電気の除電効果が奏される。また、本発明のコーティング剤に、銀など金属の粒子やワイヤーを含有させてコーティング膜を形成した場合、大気中の水分量(湿度)に依存しないで水による導電性を発現させることができる。それゆえ、コーティング膜の透明性を維持しつつ高い帯電防止性が得られることになり、ホコリ等が静電気によって付着することを防ぐことができる。
本発明のコーティング剤を用いて基材表面に形成されたコーティング膜を、防汚の目的で使用するものである。本発明によるコーティング膜は、基材の表面に超親水性を付与し、基材表面に水が保持された状態とすることができる。その結果、汚れ成分が直接基材に触れることが無く、汚れが付着することを防ぐことができる。また、汚れが付着する場合であっても、コーティング膜表面に水をかけることで、水膜が汚れとコーティング膜の間に広がり、汚れを流水と共に除去することができる。このような防汚用膜は、詳細な用途として、窓ガラスや、車のボディー、タイヤホイールまたは車体の下回りや、建材の内装材、流し台、浴室、ウィンドウフィルム、長靴、ベルトコンベヤーなどに適用することで効果が奏される。
手順1:中性洗剤やアルコールなどを用いて、親水性を付与したい表面を洗浄する。
手順2:表面研磨効果のあるスポンジなどで表面研磨する(該表面研磨により、より均一にコーティング剤を塗布可能となる)。
手順3:水滴がなくなるまで、放置により常温乾燥させる。
手順4:塗布対象表面から20~25cm程度の距離から、市販のスプレー容器に充填したコーティング剤を勢いよく(スプレーのレバーを一気に握る)2~3回噴霧する(噴霧したコーティング剤が表面で島状にならず、また、液ダレしない程度に、塗布対象表面全面が濡れる程度)。
手順5:コーティング液が完全に乾く前に水洗する(さらに均一に塗布可能となる)。
手順6:水滴がなくなるよう放置により常温乾燥させる(室温以上で数分~数時間)。
なお、手順2、手順3、手順5については、それぞれ省略することも可能である。
本発明のコーティング剤に、抗菌性能のあるAg粒子やCu粒子を結合させてコーティング膜を形成することで、得られた膜が水はけ性の高い超親水性のみならず、抗菌性や防カビ性に優れたものとなる。
本発明のコーティング剤は、基材に対して耐久性の高い超親水性を付与するものであり、換言すると、超親油性を付与できるものである。この超親油性に基づいて、いわゆる悪臭物質を吸着することが可能であり、消臭剤として好適に用いることができる。従来型消臭剤はイオン性消臭剤であり、本発明のコーティング剤による消臭メカニズムが異なる。本発明のコーティング剤による表面エネルギーを利用したものであり、アルコール系、芳香族系、溶剤系、ガソリン系などのイオン性のない悪臭物質に対しても効果が期待できる。また、消臭剤用途としては、スプレー式の空間消臭用としても用いることができ、被スプレー物に膜を形成することで消臭効果の発揮が期待される。
本発明のコーティング剤による膜は、基材に対して高い親油性を付与することができるので、皮脂の油成分であるオレイン酸との濡れ性が向上する。したがって、ガラス表面などに指紋が付着した場合であっても、本発明のコーティング剤による膜を施さない場合に比べて、指紋跡を目立ちにくくすることができる。
本発明のコーティング剤を用いて基材表面に形成されたコーティング膜を、防曇の目的で使用するものである。本発明によるコーティング膜は、基材の表面に超親水性を付与するので、鏡、自動車のバックミラーやカメラレンズなど光沢性のある基材などの表面が曇りにくくなる。また、住宅の窓ガラスを基材とする場合、結露、結氷や霜が付き難くなるという効果がある。
本発明のコーティング剤を用いて撥水性のフイルム基材表面に形成されたコーティング膜により、オフセット印刷の親水性フイルムとして使用するものである。撥水性フイルムの所望部分に本発明のコーティング剤を塗布して、所望部分にのみ超親水性を付与することができることを利用する。
本発明のコーティング剤を用いて基材表面に形成されたコーティング膜により、基材表面に付与される超親水性を利用して、表面の濡れ性を改善し、水の熱伝導性能によって熱交換器の性能を向上させることができる。熱交換器としては、例えば、空調機のエバポレーターやコンデンサー、ヒートシンクなどが挙げられる。
本発明のコーティング剤を用いてヒートパイプの内面表面に形成されたコーティング膜により、基材表面に付与される超親水性を利用して、水の表面張力が乱れることで、ヒートパイプの熱交換効率を向上させることができる。
本発明のコーティング剤を用いて基材表面に形成されたコーティング膜を泡の発生抑制に用いるものである。基材の固体表面と接触する液体との濡れ性が良好でない場合、固液接触の際に泡の発生を助長することになる。このような場合の泡の発生は、例えば、炭酸飲料をグラスに注ぐ際に過剰な泡を発生させ、口当たりを悪くしたり、光学または超音波顕微鏡の観察において試料をガラス容器等に供する際に泡を発生させ、観察を阻害することがある。本発明のコーティング剤により形成する膜は、基材表面に付与される超親水性を利用して基材表面の濡れ性を改善し、泡の発生を抑制することができる。
本発明のコーティング剤を用いて基材表面に形成されたコーティング膜を潤滑用途に用いるものである。例えば、スケートリンクの表面のような基材表面にコーティング膜を形成することで、基材表面に付与される超親水性により潤滑性も付与されるものとなる。
窒素雰囲気下で、テトラエトキシシラン(多摩化学工業株式会社製)20.9gと、コロイダルシリカ(日産化学工業株式会社製、商品名;スノーテックス(登録商標)ST-XS、シアーズ粒子径4~6nm、固形分20wt%、溶媒;水)30.1gと、溶媒としてエタノール8.4gと、イオン交換水40.7gとを添加し、触媒として硝酸(関東化学株式会社製、商品名;硝酸1.38)を溶液全体のpHが2となるように反応容器に入れ、40℃で9時間攪拌して、無機ポリマー溶液(A)を得た。
ガラス基板上、ポリカーボネート基板に得られたコーティング膜について、初期物性と耐久性評価の試験を行った。具体的には、外観、親水性、JIS K 5600-5-6:99に準じた碁盤目試験による密着性試験、JIS K 5600-5-4:99に準じた鉛筆法による引っかき硬度試験、耐スチールウール性、耐アルコール性を初期物性として評価した。また、得られたコーティング膜の耐久性評価として、耐温水性、耐熱性、耐湿熱性、耐摩耗性、耐候性の評価を試験後の水接触角の測定により行った。各評価方法は以下に記す通りである。
ヘイズメーター(株式会社村上色彩研究所製、HM-150)を用いてコーティング膜を形成したガラス基板の透過率を測定した。実施例1で得られたコーティング膜は透明であった。
接触角測定装置(FAMAS、協和界面科学株式会社製)により、θ/2法を用いて、コーティング膜の表面と水滴との静止接触角を測定した。実施例1で得られたコーティング膜表面の静止接触角は10°未満であった。
JIS K 5600-5-6:99に準じて、コーティング膜に対して垂直になるようにカッター刃を当てて6本の切込みを1mm間隔で平行に行ったのち、90°方向を変えて直行する6本の切込みを行った。75mmの長さにテープを取り出し、テープをコーティング膜の格子にカットした部分に貼り、コーティング膜が透けて見えるようにしっかり指でテープをこすった。テープを付着して、60°に近い角度で、およそ1秒でテープを引き離した。付着量をJISの0~5の分類により評価した。実施例1で得られたコーティング膜を用いた場合の付着量は分類0であった。
JIS K 5600-5-4:99に準じて、7mmの直線を引き、目視によりでコーティング膜表面の跡の種類を評価した。実施例1で得られたコーティング膜表面の引っかき硬度は6Hと評価できた。
♯0000番手のスチールウールを用いて500g/cm2荷重の条件でコーティング膜表面の中央部分を10往復擦り、目視により表面変化を観察した。実施例1で得られたコーティング膜表面に傷はなかった。
純エタノールに含浸した脱脂綿(15mm×15mm、含浸量1ml)を用いてコーティング膜表面を100往復拭き、目視により表面変化を観察した。実施例1で得られたコーティング膜表面は、試験前後で変化はなかった。
コーティング膜を形成したガラス基板のコーティング膜表面に、50℃の温水を100ミリリットル/時間で100時間接触させ続け、コーティング膜の外観の変化を目視で確認し、また、コーティング膜表面の水に対する静止接触角を測定した。目視変化はなく、静止接触角は試験後も10°未満であった。
コーティング膜を形成したガラス基板を150℃条件下に100時間放置し、コーティング膜の外観の変化を目視で確認し、また、コーティング膜表面の水に対する静止接触角を測定した。
コーティング膜を形成したガラス基板を、65℃、95%RH条件下に100時間放置し、コーティング膜の外観の変化を目視で確認し、また、コーティング膜表面の水に対する静止接触角を測定した。
コーティング膜を形成したガラス基板を、平面形の往復試験台に取り付け、大きさ20×20mmの平面摩擦子(日本製紙クレシア株式会社製、クレシアEF)にて500g荷重で摩擦させたのち、コーティング膜表面の水に対する静止接触角を測定した。静止接触角は10°未満であった。
JIS B 7754:91に準じて、キセノンアークランプ式耐候性試験をおこなった。300~400nmの連続スペクトルを有するキセノンランプを用い、ブラックパネル温度63℃、60W/m2のランプ強度で、102分間の照射、続いて18分間の照射及び水の噴霧の120分間のサイクルを繰り返して、コーティング膜表面を1000時間、照射し、コーティング膜の外観の変化を目視で確認し、また、コーティング膜表面の水に対する静止接触角を測定した。静止接触角は10°未満であった。
実施例1の無機ポリマー溶液(A)を用い、実施例1のコーティング剤の製造において透明ナノファイバーとしてセルロースナノファイバー(株式会社スギノマシン社製、商品名;BiNFi-s AMa-10002)を用いた以外は実施例1と同様にしてコーティング剤を製造し、初期物性と耐久性の評価を行った。結果を表1に示す。
実施例1の無機ポリマー溶液(A)の製造において、コロイダルシリカ(日産化学工業株式会社製、商品名;スノーテックス(登録商標)ST-S、BET粒子径8~11nm、固形分30wt%、溶媒;水)20.0gに、イオン交換水を51.2gに変更した以外は実施例1と同様にしてコーティング剤を製造し、初期物性と耐久性の評価を行った。結果を表1に示す。
実施例1の無機ポリマー溶液(A)の製造において、コロイダルシリカ(日産化学工業株式会社製、商品名;スノーテックス(登録商標)ST-30、BET粒子径10~15nm、固形分30wt%、溶媒;水)20.0gに、イオン交換水を51.2gに変更した以外は実施例1と同様にしてコーティング剤を製造し、初期物性と耐久性の評価を行った。結果を表1に示す。
実施例1の無機ポリマー溶液(A)の製造において、コロイダルシリカ(日産化学工業株式会社製、商品名;スノーテックス(登録商標)ST-UP、動的光散乱法の平均粒子径40~100nm、固形分20wt%、溶媒;水)30.1gに変更した以外は実施例1と同様にしてコーティング剤を製造し、初期物性と耐久性の評価を行った。結果を表1に示す。
実施例1の無機ポリマー溶液(A)の製造において、テトラエトキシシランを16.7gに、球状のコロイダルシリカ(日産化学工業株式会社製、商品名;スノーテックス(登録商標)ST-OS、BET粒子径8~11nm、固形分20wt%、溶媒;水)36.1gに、エタノールを6.7gに、イオン交換水を41.0gに変更した以外は実施例1と同様にしてコーティング剤を製造し、初期物性と耐久性の評価を行った。結果を表1に示す。
実施例6の無機ポリマー溶液(A)を用い、実施例6のコーティング剤の製造において透明ナノファイバーとしてセルロースナノファイバー(株式会社スギノマシン社製、商品名;BiNFi-s AMa-10002)を用いた以外は実施例6と同様にしてコーティング剤を製造し、初期物性と耐久性の評価を行った。結果を表1に示す。
実施例1の無機ポリマー溶液(A)の製造において、テトラエトキシシランを20.8gに、鎖状のコロイダルシリカ(日産化学工業株式会社製、商品名;スノーテックス(登録商標)ST-OUP、動的光散乱法の平均粒子径40~100nm、固形分15wt%、溶媒;水)40.0gに、エタノールを8.3gに、イオン交換水を30.8gに変更した以外は実施例1と同様にしてコーティング剤を製造し、初期物性と耐久性の評価を行った。結果を表1に示す。
窒素雰囲気下で、テトラエトキシシラン(多摩化学工業株式会社製)18.8gと、コロイダルシリカ(日産化学工業株式会社製、商品名;スノーテックス(登録商標)ST-XS、シアーズ粒子径4~6nm、固形分20wt%、溶媒;水)30.1gと、溶媒としてエタノール7.5gと、イオン交換水37.6gと、触媒として硝酸(関東化学株式会社製、商品名;硝酸1.38)を溶液全体のpHが2となるように反応容器に入れ、40℃で6時間攪拌した。その後、超親水性官能基を付与する化合物としてスルホン酸塩化合物(キヨスミ研究所社製、商品名;KS-S10X)6.0gを添加し、さらに40℃で3時間攪拌して、無機ポリマー溶液(A)を得た。
次に、得られた無機ポリマー溶液(A)の全量に対して、溶媒としてエタノールを体積比で0.7%添加し、25℃で1時間攪拌してコーティング剤を得て、初期物性と耐久性の評価を行った。結果を表1に示す。
実施例9の無機ポリマー溶液(A)を用い、実施例9のコーティング剤の製造において透明ナノファイバーとしてキチンナノファイバー(株式会社スギノマシン社製、商品名;BiNFi-s SFo-20002)を無機ポリマー溶液(A)全量に対して2質量%添加した以外は実施例9と同様にしてコーティング剤を製造し、初期物性と耐久性の評価を行った。結果を表1に示す。
実施例9の無機ポリマー溶液(A)の製造において、溶媒としてエタノールの代わりにメタノール7.5gを用いて、40℃で4時間攪拌した後、スルホン酸塩化合物を添加し、40℃で2時間攪拌した以外は実施例9と同様にして無機ポリマー溶液(A)を製造した。この無機ポリマー溶液(A)の全量に対して、溶媒としてメタノールを体積比で0.7%添加し、25℃で1時間攪拌してコーティング剤を製造し、初期物性と耐久性の評価を行った。結果を表1に示す。
実施例11の無機ポリマー溶液(A)を用い、実施例11のコーティング剤の製造において透明ナノファイバーとしてキチンナノファイバー(株式会社スギノマシン社製、商品名;BiNFi-s SFo-20002)を無機ポリマー溶液(A)全量に対して2質量%添加した以外は実施例11と同様にしてコーティング剤を製造し、初期物性と耐久性の評価を行った。結果を表1に示す。
実施例11の無機ポリマー溶液(A)の製造において、コロイダルシリカをコロイダルシリカ(日産化学工業株式会社製、商品名;スノーテックス(登録商標)ST-UP、動的光散乱法の平均粒子径40~100nm、固形分20wt%、溶媒;水)30.1gに変更した以外は実施例9と同様にしてコーティング剤を製造し、初期物性と耐久性の評価を行った。結果を表1に示す。
実施例13の無機ポリマー溶液(A)を用い、実施例13のコーティング剤の製造において透明ナノファイバーとしてキチンナノファイバー(株式会社スギノマシン社製、商品名;BiNFi-s SFo-20002)を無機ポリマー溶液(A)全量に対して2質量%添加した以外は実施例13と同様にしてコーティング剤を製造し、初期物性と耐久性の評価を行った。結果を表1に示す。
実施例9の無機ポリマー溶液(A)の製造において、テトラエトキシシランを20.7gに、コロイダルシリカを18.7gに、溶媒としてメタノール15.5gとイオン交換水28.0gに代えて、40℃で4時間攪拌した後、スルホン酸塩化合物(キヨスミ研究所社製、商品名;KS-S10X)8.9gを添加し、40℃で2時間攪拌した以外は実施例9と同様にして無機ポリマー溶液(A)を製造した。この無機ポリマー溶液(A)の全量に対して、溶媒としてメタノールを体積比で0.7%添加し、25℃で1時間攪拌してコーティング剤を製造し、初期物性と耐久性の評価を行った。結果を表1に示す。
実施例15の無機ポリマー溶液(A)の製造において、コロイダルシリカ(日産化学工業株式会社製、商品名;スノーテックス(登録商標)ST-UP、動的光散乱法の平均粒子径40~100nm、固形分20wt%、溶媒;水)8.4gに変更した以外は実施例15と同様にして無機ポリマー溶液(A)を得た。この無機ポリマー溶液(A)に、透明ナノファイバーとしてキチンナノファイバー(株式会社スギノマシン社製、商品名;BiNFi-s SFo-20002)を無機ポリマー溶液(A)全量に対して2質量%添加した以外は実施例15と同様にしてコーティング剤を製造し、初期物性と耐久性の評価を行った。結果を表1に示す。
実施例9の無機ポリマー溶液(A)の製造において、テトラエトキシシランを15.0gに、コロイダルシリカをコロイダルシリカ(日産化学工業株式会社製、商品名;スノーテックス(登録商標)ST-OS、BET粒子径8~11nm、固形分20wt%、溶媒;水)36.0gに、エタノールを19.5gに、イオン交換水を24.8gに変更し、スルホン酸化合物を4.8gにした以外は実施例9と同様にしてコーティング剤を製造し、初期物性と耐久性の評価を行った。結果を表1に示す。
実施例17の無機ポリマー溶液(A)を用い、実施例17のコーティング剤の製造において透明ナノファイバーとしてキチンナノファイバー(株式会社スギノマシン社製、商品名;BiNFi-s SFo-20002)を無機ポリマー溶液(A)全量に対して2質量%添加した以外は実施例17と同様にしてコーティング剤を製造し、初期物性と耐久性の評価を行った。結果を表1に示す。
実施例9の無機ポリマー溶液(A)の製造において、コロイダルシリカをコロイダルシリカ(日産化学工業株式会社製、商品名;スノーテックス(登録商標)ST-OUP、動的光散乱法の平均粒子径40~100nm、固形分15wt%、溶媒;水)40.1gに、エタノールを9.9gに、イオン交換水を25.5gに変更した以外は実施例9と同様にしてコーティング剤を製造し、初期物性と耐久性の評価を行った。結果を表1に示す。
実施例19の無機ポリマー溶液(A)を用い、実施例19のコーティング剤の製造において透明ナノファイバーとしてキチンナノファイバー(株式会社スギノマシン社製、商品名;BiNFi-s SFo-20002)を無機ポリマー溶液(A)全量に対して2質量%添加した以外は実施例19と同様にしてコーティング剤を製造し、初期物性と耐久性の評価を行った。結果を表1に示す。
窒素雰囲気下で、テトラエトキシシラン(多摩化学工業株式会社製)20.6gと、溶媒としてエタノール15.0gと、イオン交換水17.5gと、屈折率調整剤としてチタニアゾル(多木化学株式会社製、商品名;タイノックAM-15、二次粒子径20nm、固形分15wt%)18.7gを反応容器に入れ、40℃で6時間攪拌した後、コロイダルシリカ(日産化学工業株式会社製、商品名;スノーテックス(登録商標)ST-XS、シアーズ粒子径4~6nm、固形分20wt%、溶媒;水)24.5gを添加して40℃で3時間攪拌した後、超親水性官能基を付与する化合物としてスルホン酸塩化合物(キヨスミ研究所社製、商品名;KS-S10X)3.8gを添加し、触媒として硝酸(関東化学株式会社製、商品名;硝酸1.38)を溶液全体のpHが2となるように反応容器に入れ、40℃で3時間攪拌して、無機ポリマー溶液(A)を得た。
次に、得られた無機ポリマー溶液(A)の全量に対して、溶媒としてエタノールを体積比で0.7%添加し、25℃で1時間攪拌してコーティング剤を製造し、バーコーター(バーNo.12)を用いて製膜した以外は実施例1と同様の初期物性と耐久性の評価を行った。結果を表1に示す。
実施例21の無機ポリマー溶液(A)を用い、実施例21のコーティング剤の製造において透明ナノファイバーとしてキチンナノファイバー(株式会社スギノマシン社製、商品名;BiNFi-s SFo-20002)を無機ポリマー溶液(A)全量に対して2質量%添加した以外は実施例21と同様にしてコーティング剤を製造し、初期物性と耐久性の評価を行った。結果を表1に示す。
実施例21の無機ポリマー溶液(A)の製造において、テトラエトキシシランを14.6gに、エタノールを19.8gに、イオン交換水を12.4gに、チタニアゾルをチタニアゾル(多木化学株式会社製、商品名;タイノックM-6、二次粒子径10nm、固形分6wt%)33.2gに変更し、コロイダルシリカを17.4gに、スルホン酸塩化合物を2.7gにした以外は実施例21と同様にしてコーティング剤を製造し、初期物性と耐久性の評価を行った。結果を表1に示す。
実施例23の無機ポリマー溶液(A)を用い、実施例23のコーティング剤の製造において透明ナノファイバーとしてキチンナノファイバー(株式会社スギノマシン社製、商品名;BiNFi-s SFo-20002)を無機ポリマー溶液(A)全量に対して2質量%添加した以外は実施例23と同様にしてコーティング剤を製造し、初期物性と耐久性の評価を行った。結果を表1に示す。
実施例21の無機ポリマー溶液(A)の製造において、コロイダルシリカをコロイダルシリカ(日産化学工業株式会社製、商品名;スノーテックス(登録商標)ST-UP、動的光散乱法の平均粒子径40~100nm、固形分20wt%、溶媒;水)に変更した以外は実施例21と同様にしてコーティング剤を製造し、初期物性と耐久性の評価を行った。結果を表1に示す。
実施例25の無機ポリマー溶液(A)を用い、実施例25のコーティング剤の製造において透明ナノファイバーとしてキチンナノファイバー(株式会社スギノマシン社製、商品名;BiNFi-s SFo-20002)を無機ポリマー溶液(A)全量に対して2質量%添加した以外は実施例25と同様にしてコーティング剤を製造し、初期物性と耐久性の評価を行った。結果を表1に示す。
実施例21の無機ポリマー溶液(A)の製造において、テトラエトキシシランを14.6gに、エタノールを19.8gに、イオン交換水を12.4gに、チタニアゾルをチタニアゾル(多木化学株式会社製、商品名;タイノックM-6、二次粒子径10nm、固形分6wt%)33.2gに変更し、コロイダルシリカをコロイダルシリカ(日産化学工業株式会社製、商品名;スノーテックス(登録商標)ST-UP、動的光散乱法の平均粒子径40~100nm、固形分20wt%、溶媒;水)17.4gに、スルホン酸塩化合物を2.7gに変更した以外は実施例21と同様にしてコーティング剤を製造し、初期物性と耐久性の評価を行った。結果を表1に示す。
実施例27の無機ポリマー溶液(A)を用い、実施例27のコーティング剤の製造において透明ナノファイバーとしてキチンナノファイバー(株式会社スギノマシン社製、商品名;BiNFi-s SFo-20002)を無機ポリマー溶液(A)全量に対して2質量%添加した以外は実施例27と同様にしてコーティング剤を製造し、初期物性と耐久性の評価を行った。結果を表1に示す。
実施例21の無機ポリマー溶液(A)の製造において、コロイダルシリカをコロイダルシリカ(日産化学工業株式会社製、商品名;スノーテックス(登録商標)ST-OS、BET粒子径8~11nm、固形分20wt%、溶媒;水)に変更した以外は実施例21と同様にしてコーティング剤を製造し、初期物性と耐久性の評価を行った。結果を表1に示す。
実施例29の無機ポリマー溶液(A)を用い、実施例29のコーティング剤の製造において透明ナノファイバーとしてキチンナノファイバー(株式会社スギノマシン社製、商品名;BiNFi-s SFo-20002)を無機ポリマー溶液(A)全量に対して2質量%添加した以外は実施例29と同様にしてコーティング剤を製造し、初期物性と耐久性の評価を行った。結果を表1に示す。
実施例21の無機ポリマー溶液(A)の製造において、イオン交換水を9.3gに変更し、コロイダルシリカをコロイダルシリカ(日産化学工業株式会社製、商品名;スノーテックス(登録商標)ST-OUP、動的光散乱法の平均粒子径40~100nm、固形分15wt%、溶媒;水)32.7gに変更した以外は実施例21と同様にしてコーティング剤を製造し、初期物性と耐久性の評価を行った。結果を表2に示す。
実施例31の無機ポリマー溶液(A)を用い、実施例31のコーティング剤の製造において透明ナノファイバーとしてキチンナノファイバー(株式会社スギノマシン社製、商品名;BiNFi-s SFo-20002)を無機ポリマー溶液(A)全量に対して2質量%添加した以外は実施例31と同様にしてコーティング剤を製造し、初期物性と耐久性の評価を行った。結果を表2に示す。
窒素雰囲気下で、テトラエトキシシラン(多摩化学工業株式会社製)19.2gと、コロイダルシリカ(日産化学工業株式会社製、商品名;スノーテックス(登録商標)ST-XS、シアーズ粒子径4~6nm、固形分20wt%、溶媒;水)13.2gと、溶媒としてエタノール17.7gと、イオン交換水9.2gと、屈折率調整剤としてチタニアゾル(多木化学株式会社製、商品名;タイノックAM-15、二次粒子径20nm、固形分15wt%)39.0gを反応容器に入れ、40℃で6時間攪拌して、超親水性官能基を付与する化合物としてスルホン酸塩化合物(キヨスミ研究所社製、商品名;KS-S10X)6.1gを添加し、触媒として硝酸(関東化学株式会社製、商品名;硝酸1.38)を溶液全体のpHが2となるように反応容器に入れ、40℃で3時間攪拌して、無機ポリマー溶液(A)を得た。
次に、得られた無機ポリマー溶液(A)の全量に対して、溶媒としてエタノールを体積比で0.7%添加し、25℃で1時間攪拌してコーティング剤を製造し、実施例1と同様の条件で初期物性と耐久性の評価を行った。結果を表2に示す。
実施例33の無機ポリマー溶液(A)を用い、実施例33のコーティング剤の製造において透明ナノファイバーとしてキチンナノファイバー(株式会社スギノマシン社製、商品名;BiNFi-s SFo-20002)を無機ポリマー溶液(A)全量に対して2質量%添加した以外は実施例33と同様にしてコーティング剤を製造し、初期物性と耐久性の評価を行った。結果を表2に示す。
実施例33の無機ポリマー溶液(A)の製造において、コロイダルシリカをコロイダルシリカ(日産化学工業株式会社製、商品名;スノーテックス(登録商標)ST-UP、動的光散乱法の平均粒子径40~100nm、固形分20wt%、溶媒;水)に変更した以外は実施例33と同様にしてコーティング剤を製造し、初期物性と耐久性の評価を行った。結果を表2に示す。
実施例35の無機ポリマー溶液(A)を用い、実施例35のコーティング剤の製造において透明ナノファイバーとしてキチンナノファイバー(株式会社スギノマシン社製、商品名;BiNFi-s SFo-20002)を無機ポリマー溶液(A)全量に対して2質量%添加した以外は実施例35と同様にしてコーティング剤を製造し、初期物性と耐久性の評価を行った。結果を表2に示す。
実施例33の無機ポリマー溶液(A)の製造において、コロイダルシリカをコロイダルシリカ(日産化学工業株式会社製、商品名;スノーテックス(登録商標)ST-OS、BET粒子径8~11nm、固形分20wt%、溶媒;水)に変更した以外は実施例33と同様にしてコーティング剤を製造し、初期物性と耐久性の評価を行った。結果を表2に示す。
実施例37の無機ポリマー溶液(A)を用い、実施例37のコーティング剤の製造において透明ナノファイバーとしてキチンナノファイバー(株式会社スギノマシン社製、商品名;BiNFi-s SFo-20002)を無機ポリマー溶液(A)全量に対して2質量%添加した以外は実施例37と同様にしてコーティング剤を製造し、初期物性と耐久性の評価を行った。結果を表2に示す。
実施例33の無機ポリマー溶液(A)の製造において、テトラエトキシシランを18.4gに、コロイダルシリカをコロイダルシリカ(日産化学工業株式会社製、商品名;スノーテックス(登録商標)ST-OUP、動的光散乱法の平均粒子径40~100nm、固形分15wt%、溶媒;水)16.8gに、チタニアゾルを37.4gに、スルホン酸塩化合物を4.7gに、溶媒としてエタノールを17.1gとイオン交換水4.7gに変更した以外は実施例33と同様にしてコーティング剤を製造し、初期物性と耐久性の評価を行った。結果を表2に示す。
実施例39の無機ポリマー溶液(A)を用い、実施例39のコーティング剤の製造において透明ナノファイバーとしてキチンナノファイバー(株式会社スギノマシン社製、商品名;BiNFi-s SFo-20002)を無機ポリマー溶液(A)全量に対して2質量%添加した以外は実施例39と同様にしてコーティング剤を製造し、初期物性と耐久性の評価を行った。結果を表2に示す。
窒素雰囲気下で、テトラエトキシシラン(多摩化学工業株式会社製)22.7gと、溶媒としてメタノール14.3gと、イオン交換水20.2gと、屈折率調整剤としてジルコニアゾル(堺化学工業株式会社製、商品名;商品名SZR-W、D503nm、固形分30wt%、溶媒;水)16.1gと、触媒として硝酸(関東化学株式会社製、商品名;硝酸1.38)を溶液全体のpHが終始2となるように反応容器に入れ、40℃で2時間攪拌した後、コロイダルシリカ(日産化学工業株式会社製、商品名;スノーテックス(登録商標)ST-XS、シアーズ粒子径4~6nm、固形分20wt%、溶媒;水)20.2gを添加して2時間攪拌した後、超親水性官能基を付与する化合物としてスルホン酸塩化合物(キヨスミ研究所社製、商品名;KS-S10X)77.2gを添加し、40℃で2時間攪拌して、無機ポリマー溶液(A)を得た。
次に、得られた無機ポリマー溶液(A)の全量に対して、溶媒としてメタノールを体積比で0.7%添加し、25℃で1時間攪拌してコーティング剤を製造し、バーコーター(バーNo.12)を用いて製膜した以外は実施例1と同様の初期物性と耐久性の評価を行った。結果を表2に示す。
実施例41の無機ポリマー溶液(A)の製造において、溶媒としてメタノールの代わりにエタノールを用い、40℃で3時間攪拌した後、コロイダルシリカを添加し、40℃で3時間攪拌した後、スルホン酸塩化合物を添加し、40℃で3時間攪拌して無機ポリマー溶液(A)を製造し、この無機ポリマー溶液(A)全量に対して、透明ナノファイバーとしてキチンナノファイバー(株式会社スギノマシン社製、商品名;BiNFi-s SFo-20002)2質量%、溶媒としてエタノールを体積比で0.7%添加した以外は実施例41と同様にしてコーティング剤を製造し、初期物性と耐久性の評価を行った。結果を表2に示す。
実施例41の無機ポリマー溶液(A)の製造において、コロイダルシリカをコロイダルシリカ(日産化学工業株式会社製、商品名;スノーテックス(登録商標)ST-UP、動的光散乱法の平均粒子径40~100nm、固形分20wt%、溶媒;水)に変更した以外は実施例41と同様にしてコーティング剤を製造し、初期物性と耐久性の評価を行った。結果を表2に示す。
実施例42の無機ポリマー溶液(A)の製造において、コロイダルシリカをコロイダルシリカ(日産化学工業株式会社製、商品名;スノーテックス(登録商標)ST-UP、動的光散乱法の平均粒子径40~100nm、固形分20wt%、溶媒;水)に変更した以外は実施例42と同様にしてコーティング剤を製造し、初期物性と耐久性の評価を行った。結果を表2に示す。
実施例41の無機ポリマー溶液(A)の製造において、コロイダルシリカをコロイダルシリカ(日産化学工業株式会社製、商品名;スノーテックス(登録商標)ST-OS、BET粒子径8~11nm、固形分20wt%、溶媒;水)に変更した以外は実施例41と同様にしてコーティング剤を製造し、初期物性と耐久性の評価を行った。結果を表2に示す。
実施例42の無機ポリマー溶液(A)の製造において、コロイダルシリカをコロイダルシリカ(日産化学工業株式会社製、商品名;スノーテックス(登録商標)ST-OS、BET粒子径8~11nm、固形分20wt%、溶媒;水)に変更した以外は実施例42と同様にしてコーティング剤を製造し、初期物性と耐久性の評価を行った。結果を表2に示す。
実施例41の無機ポリマー溶液(A)の製造において、テトラエトキシシランを22.6gに、溶媒としてメタノールを14.0gとイオン交換水13.6gに変更し、コロイダルシリカをコロイダルシリカ(日産化学工業株式会社製、商品名;スノーテックス(登録商標)ST-OUP、動的光散乱法の平均粒子径40~100nm、固形分15wt%、溶媒;水)26.8gに変更した以外は実施例41と同様にしてコーティング剤を製造し、初期物性と耐久性の評価を行った。結果を表2に示す。
実施例47の無機ポリマー溶液(A)の製造において、溶媒としてメタノールの代わりにエタノールを用い、40℃で3時間攪拌した後、コロイダルシリカを添加して40℃で3時間攪拌した後、スルホン酸塩化合物を添加し、40℃で3時間攪拌して無機ポリマー溶液(A)を製造し、この無機ポリマー溶液(A)全量に対して、透明ナノファイバーとしてキチンナノファイバー(株式会社スギノマシン社製、商品名;BiNFi-s SFo-20002)2質量%、溶媒としてエタノールを体積比で0.7%添加した以外は実施例47と同様にしてコーティング剤を製造し、初期物性と耐久性の評価を行った。結果を表2に示す。
実施例41の無機ポリマー溶液(A)の製造において、テトラエトキシシランを19.0gに、ジルコニアゾルを26.7gに、溶媒をエタノール16.5gとイオン交換水22gに変更し、40℃で3時間攪拌した後、コロイダルシリカを9.6gに変更したうえでコロイダルシリカを添加して40℃で3時間攪拌した後、スルホン酸塩化合物を添加し、40℃で3時間攪拌して無機ポリマー溶液(A)を製造し、この無機ポリマー溶液(A)全量に対して、透明ナノファイバーとしてキチンナノファイバー(株式会社スギノマシン社製、商品名;BiNFi-s SFo-20002)2質量%、溶媒としてエタノールを体積比で0.7%添加した以外は実施例41と同様にしてコーティング剤を製造し、実施例1と同様の条件で初期物性と耐久性の評価を行った。結果を表2に示す。
実施例49の無機ポリマー溶液(A)の製造において、コロイダルシリカをコロイダルシリカ(日産化学工業株式会社製、商品名;スノーテックス(登録商標)ST-UP、動的光散乱法の平均粒子径40~100nm、固形分20wt%、溶媒;水)に変更し、コーティング剤の製造において透明ナノファイバーを用いなかった以外は実施例49と同様にしてコーティング剤を製造し、初期物性と耐久性の評価を行った。結果を表2に示す。
実施例49の無機ポリマー溶液(A)の製造において、コロイダルシリカをコロイダルシリカ(日産化学工業株式会社製、商品名;スノーテックス(登録商標)ST-OS、BET粒子径8~11nm、固形分20wt%、溶媒;水)に変更した以外は実施例49と同様にしてコーティング剤を製造し、初期物性と耐久性の評価を行った。結果を表2に示す。
実施例49の無機ポリマー溶液(A)の製造において、コロイダルシリカをコロイダルシリカ(日産化学工業株式会社製、商品名;スノーテックス(登録商標)ST-OUP、動的光散乱法の平均粒子径40~100nm、固形分15wt%、溶媒;水)12.8gに、イオン交換水を18.8gに変更し、コーティング剤の製造において透明ナノファイバーを用いなかった以外は実施例49と同様にしてコーティング剤を製造し、初期物性と耐久性の評価を行った。結果を表2に示す。
窒素雰囲気下で、テトラメトキシシラン(多摩化学工業株式会社製)14.6gと、溶媒としてメタノール21.9gと、イオン交換水12.1gと、屈折率調整剤としてジルコニアゾル(堺化学工業株式会社製、商品名;商品名SZR-W、D503nm、固形分30wt%、溶媒;水)45.3gと、超親水性官能基を付与する化合物としてスルホン酸塩化合物(キヨスミ研究所社製、商品名;KS-S10X)6.4gを添加し、触媒として硝酸(関東化学株式会社製、商品名;硝酸1.38)を溶液全体のpHが2となるように反応容器に入れ、40℃で6時間攪拌して、無機ポリマー溶液(A)を得た。
次に、得られた無機ポリマー溶液(A)の全量に対して、透明ナノファイバーとしてキチンナノファイバー(株式会社スギノマシン社製、商品名;BiNFi-s SFo-20002)2質量%、溶媒としてメタノールを体積比で0.7%添加し、25℃で1時間攪拌してコーティング剤を製造し、初期物性と耐久性の評価を行った。結果を表2に示す。
実施例31の無機ポリマー溶液(A)の製造において、テトラエトキシシランを15.8gに、エタノールを20.7gに、イオン交換水を17.7gに、チタニアゾルの代わりにセリアゾル(第一稀元素化学工業株式会社製、商品名:CESL-30N、粒子径D505~15nm)13.9gに変更し、コロイダルシリカをコロイダルシリカ(日産化学工業株式会社製、商品名:スノーテックス(登録商標)ST-OUP、動的光散乱法の平均粒子径40~100nm、固形分15wt%、溶媒:水)25.1gに、スルホン酸塩化合物を6.8gに変更した以外は実施例31と同様にしてコーティング剤を製造し、初期物性と耐久性の評価を行った。結果を表2に示す。
実施例1のコーティング剤の製造において、透明ナノファイバーを用いなかった以外は実施例1と同様にしてコーティング剤を製造し、初期物性と耐久性の評価を行った。結果を表3に示す。
実施例21の無機ポリマー溶液(A)の製造において、エタノールを18.8gに変更し、スルホン酸塩化合物を用いなかった以外は実施例21と同様にしてコーティング剤を製造し、初期物性と耐久性の評価を行った。結果を表3に示す。
実施例41の無機ポリマー溶液(A)の製造において、メタノールを21.5gに変更し、透明ナノファイバーとしてキチンナノファイバー(株式会社スギノマシン社製、商品名;BiNFi-s SFo-20002)を無機ポリマー溶液(A)全量に対して2質量%添加し、スルホン酸塩化合物を用いなかった以外は実施例41と同様にしてコーティング剤を製造し、初期物性と耐久性の評価を行った。結果を表3に示す。
実施例53の無機ポリマー溶液(A)の製造において、メタノールを28.3gに変更し、スルホン酸塩化合物を用いなかった以外は実施例53と同様にしてコーティング剤を製造し、初期物性と耐久性の評価を行った。結果を表3に示す。
実施例1において得られたコーティング剤を、バーコーター(バーNo.7)を用いてバーコート法により70mm×50mmの表面にコロナ処理を施したポリカーボネート基板(タキロンシーアイ株式会社製、厚さ1.5mm)の表面に塗布し、120℃で15分間加熱乾燥させてコーティング膜を得た。なお、上記コロナ処理は、新光電気社製コロナフィットCFG-500にて、表面が親水性になるまで行った。また、実施例33~40、49~52、及び、比較例1~3において得られたコーティング剤については、ポリカーボネート基板とバーコーターとしてバーNo.12を用いた以外は上記同様の条件で、コーティング膜の評価を行った。結果を表3に示す。
Claims (8)
- 水不溶性の金属化合物の微粒子と、
Si-O結合、Al-O結合、Ti-O結合、Zr-O結合又はSn-O結合を有し、分子中に水酸基を有する無機ポリマーと、
透明ナノファイバーとが
溶媒に分散し、
透明ナノファイバーの含有量は、固形分全量に対して0.1質量%以上であり、
ガラス基板に塗布し、20度~150度の温度条件で乾燥することで、70~2,000nmの厚さのコーティング膜を得た場合に、接触角測定装置により、θ/2法を用いてコーティング膜の表面と水滴との静止接触角を測定したときの静止接触角が10°以下となる、コーティング剤。 - ガラス基板に塗布し、20度~150度の温度条件で乾燥することで、70~2,000nmの厚さのコーティング膜を得た後に、65℃、95%RH条件下に100時間放置した場合に、接触角測定装置により、θ/2法を用いて、放置をした後のコーティング膜の表面と水滴との静止接触角を測定したときの静止接触角が10°以下となる、請求項1に記載のコーティング剤。
- ガラス基板に塗布し、120度~150度の温度条件で乾燥することで、70~2,000nmの厚さのコーティング膜を得た後に、50℃の温水を100ミリリットル/時間で100時間接触させた場合に、接触角測定装置により、θ/2法を用いて、温水による処理をした後のコーティング膜の表面と水滴との静止接触角を測定したときの静止接触角が10°以下となる、請求項1又は2に記載のコーティング剤。
- ガラス基板に塗布し、20度~150度の温度条件で乾燥することで、70~2,000nmの厚さのコーティング膜を得た後に、150℃条件下に100時間放置した場合に、接触角測定装置により、θ/2法を用いて、放置をした後のコーティング膜の表面と水滴との静止接触角を測定したときの静止接触角が10°以下となる、請求項1~3のいずれかに記載のコーティング剤。
- ガラス基板に塗布し、20度~150度の温度条件で乾燥することで、70~2,000nmの厚さのコーティング膜を得た後に、300~400nmの連続スペクトルを有するキセノンランプを用い、ブラックパネル温度63℃、60W/m2のランプ強度の条件で、102分間の照射、続いて18分間の照射及び水の噴霧のサイクルを繰り返すことで、コーティング膜の表面へ1000時間の照射試験を行なった場合に、接触角測定装置により、θ/2法を用いて、試験を行なった後のコーティング膜の表面と水滴との静止接触角を測定したときの静止接触角が10°以下となる、請求項1~4のいずれかに記載のコーティング剤。
- 請求項1~5のいずれかに記載のコーティング剤を用いて形成されたコーティング膜。
- 静電気除電用膜、防汚用膜、抗菌用膜、防カビ用膜、消臭剤用膜、指紋防止用膜、防曇用膜、泡の発生抑制用膜、又は、潤滑用膜として用いられる請求項6に記載のコーティング膜。
- オフセット印刷の刷版用コーティング膜、熱交換器用コーティング膜、又は、ヒートパイプ用コーティング膜として用いられる請求項6に記載のコーティング膜。
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