JP2013149604A - 非水系二次電池用負極及び非水系二次電池並びにその製造方法 - Google Patents

非水系二次電池用負極及び非水系二次電池並びにその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】充放電容量が大きく、急速充放電が可能であり、また充放電による電池特性の劣化が少ない非水系二次電池を提供する。
【解決手段】集電体と、活物質層と、を有し、集電体は、実質的に垂直方向に延びた複数の突起部と、複数の突起部と接続する基礎部と、を有し、突起部及び基礎部は、チタンを含む共通の材料からなり、突起部の上面及び側面、並びに基礎部の上面は活物質層に覆われており、活物質層は、複数のウィスカを有する負極である。また、活物質層は、グラフェンに覆われていてもよい。
【選択図】図1

Description

本発明は、非水系二次電池用負極及び非水系二次電池並びにその製造方法に関する。
近年、環境技術の高まりにより、従来の発電方式よりも環境への負荷が小さい発電装置(例えば、太陽光発電)の開発が盛んに行われている。そして発電技術の開発と並行して、リチウム二次電池等の非水系二次電池、リチウムイオンキャパシタ、空気電池等の蓄電装置の開発も進められている。
特に非水系二次電池は、携帯電話やスマートフォン、ノート型のパーソナルコンピュータ等の携帯情報端末、携帯音楽プレーヤ、デジタルカメラ等の電気機器、あるいは医療機器、ハイブリッド車(HEV)、電気自動車(EV)、又はプラグインハイブリッド車(PHEV)等の次世代クリーンエネルギー自動車など、半導体産業の発展と併せて急速にその需要が拡大し、充電可能なエネルギーの供給源として現代の情報化社会に不可欠なものとなっている。特に電気自動車や冷蔵庫等の家電を用途とする場合には、より高容量・高出力の電池が望まれる。
非水系二次電池に用いられる負極(非水系二次電池用負極)は、集電体の一表面に活物質を含む層(以下、活物質層という。)を形成することにより製造される。従来、負極活物質としては、キャリアとなるイオン(以下、キャリアイオンという。)の吸蔵及び放出が可能な材料であるグラファイト(黒鉛)が用いられてきた。すなわち、負極活物質であるグラファイトと、導電助剤としてカーボンブラックと、結着剤としての樹脂を混練してスラリーを形成し、集電体上に塗布し、乾燥させることで負極を製造していた。
これに対して、負極活物質にシリコン又はリンがドープされたシリコンを用いた場合には、炭素に比べ、約4倍のキャリアイオンを吸蔵することが可能であり、炭素(黒鉛)負極の理論容量372mAh/gに対してシリコン負極の理論容量は4200mAh/gと飛躍的に大きい。このため、非水系二次電池の大容量化という点において最適な材料であり、高容量化を目的として負極活物質にシリコンを用いた非水系二次電池の開発が今日盛んに行われている。
しかしながら、キャリアイオンの吸蔵量が増えると、充放電サイクルにおけるキャリアイオンの吸蔵放出に伴う体積の変化が大きく、集電体とシリコンとの密着性が低下し、充放電により電池特性が劣化してしまう。さらに、場合によってはシリコンが変壊し、剥脱や微粉化することで電池としての機能を維持することができなくなるという重大な課題を有する。
そこで、例えば特許文献1では、表面の粗い銅箔等からなる集電体上に、負極活物質として微結晶又は非晶質のシリコンからなる層を柱状又は粉末状に形成し、当該シリコンからなる層上にシリコンよりも電気伝導性の低い黒鉛等の炭素材料からなる層を設けている。これによって、シリコンからなる層が剥離しても黒鉛等の炭素材料からなる層を介して集電することができるため、電池特性の劣化が低減される。
特開2001−283834号公報
しかしながら、特許文献1において、負極活物質層が柱状又は粉末状のいずれの場合においても、当該文献に記載の10サイクルを超えて充放電を繰り返す場合には、キャリアイオンが負極活物質に吸蔵及び脱離される以上、体積膨張及び収縮は避けることができない。このため、負極活物質層の変壊を防ぐことはできず、電池としての信頼性を維持することは困難である。
特に、負極活物質であるシリコンを柱状の構造体として用いた場合、充放電の繰り返しにより柱状の構造体は集電体から滑落してしまい、サイクル数の増加により充放電容量及び放電速度が著しく低下するおそれがある。これは、柱状構造体の場合には、柱状構造の全体が膨張及び収縮することに加えて、集電体と柱状構造体とが接する部分が柱状構造体の底面に限られることに起因する。このため、特許文献1においては活物質であるシリコンが集電体から剥離することを前提とした上で、黒鉛からなる層での集電を図っている。このため、当該構成はサイクル特性の観点で信頼性の確保に問題がある。
また、集電体上に設けられたシリコンからなる層を黒鉛からなる層で覆う場合、黒鉛からなる層の厚さがサブミクロンからミクロンと厚くなってしまい、電解液及びシリコンからなる層の間でのキャリアイオンの移動量が低減してしまう。一方、黒鉛を被覆したシリコン粉末を含む活物質層は、黒鉛を厚く形成したために、活物質層に含まれるシリコン含有量が低減してしまう。これらの結果、シリコン及びキャリアイオンの反応量が低下してしまい、充放電容量の低下の原因となると共に、二次電池の急速充放電が困難である。
また、特許文献1に記載の活物質の柱状構造体は、集電体の粗い表面上にその底部のみを密着させて設けられているため、集電体と活物質との接着強度が極めて弱い。このため、シリコンの膨張収縮によって、柱状構造体は容易に集電体から剥離してしまう。
そこで、本発明の一態様は、充放電容量が大きく、急速充放電が可能であり、また充放電による電池特性の劣化が少なく信頼性の高い非水系二次電池用負極及びそれを用いた非水系二次電池並びにその製造方法を提供する。
本発明の一態様は、集電体と、活物質層と、を有し、集電体は、実質的に垂直方向に延びた複数の突起部と、複数の突起部と接続する基礎部と、を有し、突起部及び基礎部は、チタンを含む共通の材料からなり、突起部の上面及び側面、並びに基礎部の上面は活物質層に覆われており、活物質層は、複数のウィスカを有する非水系二次電池用負極である。
また、本発明の一態様は、集電体と、活物質層と、を有し、集電体は、実質的に垂直方向に延びた複数の突起部と、複数の突起部と接続する基礎部と、を有し、突起部及び基礎部は、チタンを含む共通の材料からなり、突起部の上面及び側面、並びに基礎部の上面は活物質層に覆われており、活物質層は、複数のウィスカを有し、活物質層は、グラフェンに覆われている非水系二次電池用負極である。なお、本明細書等において、集電体や活物質等が明らかに負極の要素と理解される場合においては、負極集電体や負極活物質等の語句を省略して、集電体や活物質等と記述する場合がある。
負極集電体において、基礎部は突起部に対して極めて厚く、基礎部が電極端子としての機能を有する。一方で、複数の突起部は基礎部の表面に形成され、負極集電体の表面積を増大させる機能を有するとともに、負極活物質層の芯として機能する。複数の突起部は、基礎部の表面に対して実質的に垂直方向に延びている。ここで「実質的に」とは、基礎部の表面と突起部の長手方向における中心軸とのなす角が90°であることが好ましいが、負極集電体の製造工程における水平だしの誤差や、突起部の製造工程における工程ばらつき、充放電の繰り返しによる変形等による垂直方向からの若干の逸脱を許容することを趣旨とした語句である。具体的には、基礎部の表面と突起部の長手方向における中心軸とのなす角が90°±10°以下であれば良く、好ましくは90°±5°以下である。なお、複数の突起部が基礎部から延びている方向を長手方向と呼ぶ。
負極集電体には、リチウム等のキャリアイオンと合金化することがなく、また負極活物質層にウィスカを形成することが可能な導電性材料を用いる。例えば、ステンレス、タングステン、ニッケル、チタン等に代表される金属、及びこれらの合金などを用いることができるが、特にチタンを用いることが好ましい。チタンは鋼鉄以上の強度を有する一方で、質量は鋼鉄の半分以下であり非常に軽い。また、チタンはアルミニウムよりも約2倍の強度を有し、他の金属よりも金属疲労が生じにくい。このため、軽量な電池の形成が実現できるとともに、繰り返しの応力に強い負極活物質層の芯として機能させることができ、シリコンの膨張収縮による劣化や崩壊を抑制することができる。さらに、チタンはドライエッチングの加工に非常に適した材料であり、高いアスペクト比の突起部を集電体表面に容易に形成することが可能である。
このような負極集電体の基礎部及び突起部を覆って、負極活物質層が設けられる。負極活物質層には、非晶質(アモルファス)シリコン、微結晶シリコン、多結晶シリコン又はこれらの組み合わせとするシリコンからなる負極活物質を用いることができる。これらシリコンには、リンまたはボロン等の導電性を付与する不純物を添加してもよい。
ここで、負極活物質層は、複数のウィスカを有する。ウィスカとは、髭状、紐状、繊維状、針状又は柱状の突起形状構造体であり、負極活物質層の一部である。すなわち、負極活物質層は、薄膜状の部分とウィスカとに区分でき、いずれにもリチウム等のキャリアイオンを挿入することが可能である。ウィスカは薄膜状の活物質層の表面に着接しており、着接した部分、すなわちウィスカの根元から所定の方向又は任意の方向に伸長している。ここで伸長とは、ウィスカが成長して長くなることをいう。また、ウィスカは屈曲又は枝分かれした部分を有していてもよく、特定の方向にのみ伸長するものに限られない。
負極活物質層は、シリコンを含む堆積性ガスを原料ガスとして用い、低圧化学気相成長法(以下、減圧CVD法又はLPCVD(Low Pressure Chemical Vapor Deposition)法ともいう。)により形成する。LPCVD法は、反応空間にシリコンを含む堆積性ガスを有する原料ガスを供給して、500℃よりも高温の条件下で行う。これにより負極活物質層の薄膜状の部分が集電体上に形成されるとともに、複数のウィスカが負極活物質層の一部として成長する。
ウィスカは、負極活物質層の薄膜状の部分と同様に、非晶質(アモルファス)シリコン、微結晶シリコン、多結晶シリコン又はこれらの組み合わせとするシリコンを用いることができる。特に、軸となる芯の部分は結晶質のシリコンからなり、その周辺部分である外殻は非晶質構造(アモルファス構造)のシリコンからなることが好ましい。ウィスカの伸長は芯の部分の結晶成長により進み、芯を覆うように芯の周辺に非晶質構造のシリコンが形成される。
また、負極活物質層をグラフェンで覆うとよい。本発明では、sp結合を有する1原子層の炭素分子のシートのことを単層のグラフェンといい、グラフェンは、単層のグラフェン及び2層以上100層以下の多層グラフェンを含むものとする。グラフェンは、2%以上11%以下、好ましくは3%以上10%以下の酸素を含んでいてもよい。酸化グラフェンを還元したグラフェンを有することで、グラフェンの層間距離は0.34nm以上0.5nm以下、好ましくは0.38nm以上0.42nm以下、さらに好ましくは0.39nm以上0.41nm以下となる。通常のグラファイトは、単層グラフェンの層間距離が0.34nmであり、本発明におけるグラフェンの方が層間距離が長いため、単層グラフェンの表面と平行な方向におけるイオンの移動が容易となる。なお、グラフェンについて活物質を「覆う」とは、露出する活物質の表面に設ける意であって、隙間なく完全に活物質の表面を被覆することに限られない。
また、本発明の一態様は、チタンを含む集電体材料上にフォトレジストパターンを形成し、フォトレジストパターンをマスクにして集電体材料をエッチングして、基礎部及び複数の突起部を有する集電体を形成し、突起部の上面及び側面、並びに基礎部の上面に、複数のウィスカを有する活物質層を形成する非水系二次電池用負極の製造方法である。
また、本発明の一態様は、チタンを含む集電体材料上に保護層を形成し、保護層上にフォトレジストパターンを形成し、フォトレジストパターンをマスクにして保護層をエッチングし、エッチングした保護層をマスクにして集電体材料をエッチングして、基礎部及び複数の突起部を有する集電体を形成し、突起部の上面及び側面、並びに基礎部の上面に、複数のウィスカを有する活物質層を形成する非水系二次電池用負極の製造方法である。
また、本発明の一態様は、基礎部及び複数の突起部を有する集電体材料上に導電層を形成して、基礎部及び複数の突起部を有する集電体を形成し、突起部の上面及び側面、並びに基礎部の上面に、複数のウィスカを有する活物質層を形成する非水系二次電池用負極の製造方法である。
また、本発明の一態様は、これらの負極活物質層上にグラフェンを形成することを特徴とする非水系二次電池用負極の製造方法である。当該グラフェンは、電気泳動法により負極活物質上に電着した酸化グラフェンを還元することで形成することができる。この還元は、真空又は不活性ガスの雰囲気中で、150℃以上に加熱することで行うとよい。また、還元は、負極活物質を有する集電体と対極とを浸漬した電解液中で、酸化グラフェンの還元反応が生じる電位を集電体に供給して行ってもよい。この場合、集電体に供給する電位は、リチウムの酸化還元電位を基準にして、1.6V以上2.4V以下であることが好ましい。
負極集電体は、基礎部、及び基礎部から突出する複数の突起部を有する。また、複数の突起は実質的に垂直方向に延びているため、電極において突起の密度を高めることが可能であり、表面積を増加させることができる。従って、当該負極集電体を理論容量の大きいシリコンを有する負極活物質層で覆うことにより、充放電容量の大きな非水系二次電池の製造が可能である。
しかし、負極活物質層を無制限に厚く形成すると、負極活物質の膨張収縮により負極活物質層、特に負極集電体の基礎部上の負極活物質層が、負極集電体から剥離剥脱するおそれがある。そこで、負極活物質層に複数のウィスカを設けることで、一定の体積を維持しつつ、負極活物質層の薄膜状の部分の厚さを薄くすることが可能となる。これによって、負極集電体からの負極活物質層の剥脱を防止することができる。
さらに、負極活物質層をグラフェンが覆うため、活物質の膨張収縮に伴い活物質層が剥離しても、活物質層の崩落を防ぐことができる。特に突起部にチタンを用いると、機械的強度の高い負極活物質層の芯として機能するため、膨張収縮によるシリコンのサイクル劣化を抑制することができる。このことから、特に、負極活物質層におけるウィスカの形成、負極活物質層のグラフェンによる被覆、並びにチタンを用いた突起部構造を併せることで、負極活物質層のサイクル劣化に対して著しい効果を奏する。
また、複数の突起は並進対称性を有し、負極において均一性高く形成されているため、正極及び負極においての局所的な反応が低減し、キャリアイオン及び活物質の反応が正極及び負極の間で均質に生じる。
以上のことから、当該負極を非水系二次電池に用いた場合、高速な充放電が可能となると共に、充放電による活物質の崩壊及び剥離を抑制できる。すなわち、高充放電サイクル特性がさらに向上するとともに信頼性の高い非水系二次電池を製造することができる。
また、非水系二次電池において、活物質表面が非水電解液と接触することにより、非水電解液及び活物質が反応し、活物質の表面に皮膜が形成される。当該皮膜は(SEI(Solid Elctrolyte Interface))と呼ばれ、活物質と電解液との反応を緩和し、安定化させるために必要であると考えられている。しかしながら、当該皮膜が厚くなると、キャリアイオンが電極に吸蔵されにくくなり、活物質と電解液間のキャリアイオン伝導性の低下、電解液の消耗などの問題がある。そこで、負極活物質をグラフェンで覆うことで、当該皮膜の膜厚の増加を抑制することが可能であり、キャリアイオン伝導性の低下、電解液の消耗を抑制することができる。
また、シリコンは炭素と比較すると電気伝導性が低く、また充放電による非晶質化によりさらに電気伝導性が低下するため、シリコンを活物質とする負極は抵抗率が高くなる。しかしながら、グラフェンは電気伝導性が高いため、シリコンをグラフェンで覆うことで、キャリアイオンが通過する場であるグラフェンにおいて電子の移動を高速化することができる。また、グラフェンは厚さの薄いシート状であるため、複数の突起をグラフェンで覆うことで、活物質層に含まれるシリコン量をより多くすることが可能であると共に、キャリアイオンの移動がグラファイトに比べて容易となる。これらの結果、キャリアイオンの伝導性を高めることができ、活物質であるシリコン及びキャリアイオンの反応性を高めることが可能であり、キャリアイオンがシリコンに吸蔵されやすくなる。このため、当該負極を用いた非水系二次電池において、急速充放電が可能となる。
本発明の一態様により、突起部を有する複数の集電体と、該集電体を覆う負極活物質を少なくとも有することで、充放電容量が高く、急速充放電が可能であり、また充放電による劣化が少ない非水系二次電池用負極及びそれを用いた非水系二次電池を提供することができる。
また、本発明の一態様により、突起部を有する複数の集電体にアルミニウムや銅等の金属に比べ強度の高いチタンを含む材料を用いることで、信頼性の高い非水系二次電池用負極及びそれを用いた非水系二次電池を提供することができる。
また、本発明の一態様により、負極活物質層にウィスカを形成することで、負極活物質層の体積を増大させることができるため、その分、負極活物質層全体の膜厚を減らすことができる。よって、負極活物質層の厚膜化に伴う負極活物質の膨張収縮による剥離、剥脱を抑制することができる。さらに、ウィスカを形成することにより負極活物質層の表面積が増大するため、高速出力化が可能となる。
また、本発明の一態様により、負極活物質をグラフェンで覆うことで負極活物質の膨張収縮の繰り返しによる剥離、剥脱を抑制し、信頼性の高い非水系二次電池用負極及びそれを用いた非水系二次電池を提供することができる。
負極を説明する図。 負極を説明する図。 負極集電体の突起部の形状を説明する図。 負極集電体を説明する図。 負極の製造方法を説明する図。 負極の製造方法を説明する図。 負極の製造方法を説明する図。 負極の製造方法を説明する図。 負極を説明する図。 電気泳動法及び電気化学還元法を説明する図。 正極を説明する図。 正極を説明する図。 セパレータレスの非水系二次電池を説明する図。 コイン形の非水系二次電池を説明する図。 円筒型の非水系二次電池を説明する図。 電気機器を説明する図。 電気機器を説明する図。 電気機器を説明する図。 試料Aの負極のSEM像。 試料Bの負極のSEM像。 試料Cの負極のSEM像。 試料Dの負極のSEM像。 試料Eの負極のSEM像。 試料Fの負極のSEM像。 試料Gの負極のSEM像。 断面TEM像。 ウィスカの電子線回折像。
以下、実施の形態について図面を参照しながら説明する。ただし、実施の形態は多くの異なる態様で実施することが可能であり、趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本発明は、以下の実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
(実施の形態1)
本実施の形態では、充放電による劣化が少なく、高充放電サイクル特性を有する非水系二次電池用負極の構造及びその製造方法について、図1乃至図8を用いて説明する。
非水系二次電池は非水電解液を用い、キャリアイオンを充放電反応に用いる二次電池である。特にキャリアイオンとしてリチウムイオンを用いる二次電池を、リチウム二次電池という。また、リチウムイオンの代わりに用いることが可能なキャリアイオンとしては、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属イオン、カルシウム、ストロンチウム、バリウム等のアルカリ土類金属イオン、ベリリウムイオン、またはマグネシウムイオン等がある。
(負極の構造)
図1(A)は、負極集電体の表面部分を拡大して模式的に示した断面図である。負極集電体101は、複数の突起部101bと、複数の突起部のそれぞれが共通して接続する基礎部101aを有する。このため、負極集電体101は、あたかも生け花で用いる剣山(Kenzan:Spiky Frog)のような構造をしている。図においては基礎部101aを薄く記載しているが、突起部101bに対して基礎部101aは極めて厚い。
複数の突起部101bは、基礎部101aの表面に対して実質的に垂直方向に延びている。ここで「実質的に」とは、基礎部101aの表面と突起部の長手方向における中心軸とのなす角が90°であることが好ましいが、負極集電体の製造工程における水平だしの誤差や、突起部101bの製造工程における工程ばらつき、充放電の繰り返しによる変形等による垂直方向からの若干の逸脱を許容することを趣旨とした語句である。具体的には、基礎部101aの表面と突起部の長手方向における中心軸とのなす角が90°±10°以下であれば良く、好ましくは90°±5°以下である。なお、複数の突起部101bが基礎部101aから延びている方向を長手方向と呼ぶ。
負極集電体101には、集電体として使用する電位領域においてリチウムと合金化しない材料であり、耐食性の高い導電性材料を用いる。また、負極活物質層にウィスカを形成することが可能な導電性材料を選択する。例えば、ステンレス、タングステン、ニッケル、チタン等に代表される金属、及びこれらの合金など、導電性の高い材料を用いることができる。また、負極集電体101の材料として、シリコンと反応してシリサイドを形成する金属元素で形成してもよい。シリコンと反応してシリサイドを形成する金属元素としては、ジルコニウム、チタン、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、モリブデン、タングステン、コバルト、ニッケル等がある。
特に、負極集電体101の材料として、チタンを用いることが好ましい。チタンは鋼鉄以上の強度を有する一方で、質量は鋼鉄の半分以下であり非常に軽い。また、チタンはアルミニウムよりも約2倍の強度を有し、他の金属よりも金属疲労が生じにくい。このため、軽量な電池の形成が実現できるとともに、繰り返しの応力に強い負極活物質の芯として機能させることができ、シリコンの膨張収縮による劣化や崩壊を抑制することができる。さらに、チタンはドライエッチングの加工に非常に適した材料であり、高いアスペクト比の突起部を集電体表面に形成することが可能である。
負極集電体101は、箔状、板状(シート状)、網状、パンチングメタル状、エキスパンドメタル状等の形状を適宜用いることができる。網状等の開口を有する形状の集電体材料を用いた場合には、次に形成する突起部は開口部を除いた集電体材料の表面部分に形成する。
図1(B)は、負極集電体101上に負極活物質層102が形成された負極100の断面図である。負極活物質層102は、突起部101bが設けられていない基礎部101aの上面、突起部101bの側面及び上面、すなわち露出した負極集電体101の表面を覆って設けられている。負極活物質層102は、複数のウィスカを有する。
なお、活物質とは、キャリアイオンの吸蔵(又は挿入)及び放出(又は脱離)に関わる物質を指し、活物質と活物質層とは区別される。
負極活物質層102としては、キャリアであるイオンの吸蔵及び放出が可能なシリコン、ゲルマニウム、スズ、アルミニウム等のいずれか一以上を用いることができる。特に、充放電理論容量が高いため、負極活物質層102としてシリコンを用いることが好ましい。シリコンを負極活物質として用いた場合、現状用いられている黒鉛と比較して理論吸蔵容量が大きいため、非水系二次電池の高容量化や小型化を実現することができる。
負極活物質層102をシリコンとする場合には、非晶質(アモルファス)シリコン、微結晶シリコン、多結晶シリコン又はこれらの組み合わせを用いることができる。一般に結晶性が高い程シリコンの電気伝導度が高いため、導電率の高い電極として、電池に利用することができる。一方、シリコンが非晶質の場合には、結晶質に比べてリチウム等のキャリアイオンを吸蔵することができるため、放電容量を高めることができる。
また、負極活物質層102にリン、ボロン等の一導電型を付与する不純物元素が添加されたシリコンを用いてもよい。リン、ボロン等の一導電型を付与する不純物元素が添加されたシリコンは、導電性が高くなるため、負極の導電率を高めることができる。
ここで、負極活物質層102は、複数のウィスカ102aを有する。ウィスカとは、髭状、紐状、繊維状、針状又は柱状の突起形状構造体であり、負極活物質層の一部である。すなわち、負極活物質層は、薄膜状の部分とウィスカとに区分できる。ウィスカ102aは薄膜状の活物質層の表面に着接しており、着接した部分、すなわちウィスカ102aの根元から所定の方向又は任意の方向に伸長している。ここで伸長とは、ウィスカが成長して長くなることをいう。ウィスカは屈曲又は枝分かれした部分を有していてもよい。
ウィスカ102aは、負極活物質層102の薄膜状の部分と同様に、非晶質(シリコン、微結晶シリコン、多結晶シリコン又はこれらの組み合わせとするシリコンを用いることができる。特に、軸となる芯の部分は結晶質のシリコンからなり、その周辺部分である外殻は非晶質構造(アモルファス構造)のシリコンからなることが好ましい。ウィスカ102aの伸長は芯の部分の結晶成長により進み、芯を覆うように芯の周辺に非晶質構造のシリコンが形成される。
負極集電体101の基礎部101aは、非水系二次電池の端子として機能するとともに、複数の突起部101bの下地として機能する。基礎部101aと複数の突起部101bとは同一の金属部材からなり、基礎部101aと突起部101bとは物理的に連続している。このため、突起部101bと基礎部101aとの接続部は一体であるから強固に結合しており、基礎部101a及び突起部101b上に設けられる負極活物質層102の膨張、収縮により特に応力が集中する接続部においても該応力に耐える強度を有する。従って、突起部101bは負極活物質層102の芯として機能することができる。
特に、図2(A)に示すように、突起部101bは基礎部101aとの接続部近傍において、曲率104を有する形状であることが好ましい。突起部の根元を湾曲させて、基礎部101aの表面と突起部101bの側面とを角部を持たない滑らかな曲線とすることで、一点に応力が集中することを防止し、構造上強固な突起とすることができる。
また、図2(A)に示すように、突起部の側面と上面との境界部分に丸み103を帯びさせることで端部への応力集中を緩和し、負極上方からの圧力に対して機械的強度を持たせることができる。
また、負極集電体において基礎部101aから複数の突起部101bが突出していることに加え、負極活物質層102がウィスカ102aを有しているため、板状の集電体に薄膜状の負極活物質層を形成する場合に比べ、集電体を覆う負極活物質層の表面積が著しく広い。また、複数の突起部の延伸する方向が揃っており、さらに基礎部に対して垂直方向に突出しているため、負極において突起の密度を高めることが可能であり、表面積を増加させることができる。
また、複数の突起の間には隙間が設けられており、リチウムイオンの挿入により活物質が膨張しても、突起を被覆する活物質層同士の接触を低減することが可能である。
また、複数の突起部は並進対称性を有し、負極100において均一性高く形成されているため、正極及び負極においての局所的な反応が低減し、キャリアイオン及び活物質の反応が正極及び負極の間で均一に生じる。これらのため、負極100を非水系二次電池に用いた場合、高速な充放電が可能となると共に、充放電による活物質の崩壊及び剥離を抑制でき、サイクル特性がさらに向上した非水系二次電池を製造することができる。
さらには、突起の形状を概略同形とすることができるため、局所的な充放電を低減すると共に、活物質の重量を制御することが可能である。また、突起の高さが揃っていると、電池の製造工程時において局所的な荷重を防ぐことが可能であり、歩留まりを高めることができる。これらのため、電池の仕様を制御しやすい。
次に、図1(B)とは異なる負極の構造を、図2(B)を用いて説明する。図2(B)に示す負極は、既述の図1(B)の負極に対して負極集電体101の突起部の上に保護層105を有する点において異なる。
負極集電体101は、図1(B)に示す負極と同様の材料、構造で形成される。負極集電体の基礎部101a上に、突起部101bが設けられている。さらに本負極においては、突起部101bの上部に保護層105が形成され、基礎部101a及び突起部101bを有する負極集電体101と、保護層105を被覆するように負極活物質層102が設けられている。
保護層105の厚さは、100nm以上10μm以下が好ましい。保護層はエッチング工程におけるハードマスクとして機能させるため、集電体材料のエッチングの際に用いるガス種に対して高いエッチング耐性を有する材料であることが好ましい。また、後述するスペーサを用いた二次電池を製造する場合には、突起部上面の平坦性が求められるため、保護層上の負極活物質にはウィスカ102aが形成されない材料であることが好ましい。例えば保護層105の材料として、窒化珪素膜、酸化珪素膜、酸窒化珪素膜等の絶縁体を用いることができる。
これら絶縁体を保護層105として用いることで、フォトレジストよりも高いエッチング選択性を得ることができる。また、同時に保護層105上の負極活物質層102には、ウィスカ102aが形成されにくい。
その他、リチウムと合金化する材料を選択する場合には、保護層105は負極活物質の一部として利用することができ、非水系二次電池の高容量化に寄与する。また電気伝導性の高い材料を選択する場合には、保護層105は負極集電体の突起部の一部として機能させることができる。ただし電池の初回充電時にリチウムイオンと反応して不可逆容量を形成する材料は、保護層105として選択すべきではない。
本実施の形態に示す突起部101bの形状について、図3を用いて説明する。突起部101bには図3(A)に示す円柱状の突起110を用いることができる。円柱状の突起110は基礎部に平行な断面形状が円であるため、全方向からの応力を等方的に受けることができ、均質な負極となる。図3(B)及び(C)は同様に円柱状であり、柱が内側に凹んでいる場合の突起111と外側に突出している場合の突起112を示している。これらの形状は、図3(A)に示す単純な円柱状の突起と比較して、突起に付加される応力をその形状によって制御できるため、適切な構造設計を施すことにより、機械的強度をさらに向上させることができる。図3(D)に示す突起113は図3(A)の円柱の上面を湾曲させた構造である。図3(A)に示す円柱状の突起110に対し、上面の端部にかかる応力を緩和することができることに加え、突起113上の負極活物質の被覆性を向上させることができる。図3(E)に示す突起114は円錐状であり、図3(F)に示す突起115はこの頂部を湾曲させた突起である。また、図3(G)に示す突起116は、円錐状であり、頂部に平坦面を設けた突起である。突起114、115及び116で示すように、その形状を円錐状とすることで、特に負極集電体の基礎部との接続面積を増やし、応力耐性を強化することができる。図3(H)に示す突起117は、板状の突起である。図3(I)に示す突起118は、パイプ状の突起である。内部に空洞を有するパイプ状とすることで、空洞内にも負極活物質を配置することができ、負極の放電容量を増加させることができる。
以上の突起は基礎部101aとの接続部近傍において、図2(A)に示すように、曲率104を有する形状であることが好ましい。突起部の根元を湾曲させて基礎部101aの表面と突起部101bの側面とを、角部を持たない滑らかな曲線とすることで、一点に応力が集中することを防止し、構造上強固な突起とすることができる。
以上に示した突起部101bの形状は一例であって、本実施の形態に示す突起部101bに用いる突起の形状はこれら突起110乃至118の形状に限られない。突起部101bはこれらの形状の要素の組み合わせであっても良く、これらの形状の変形であってもよい。また、複数の突起部101bは、突起110乃至118のうちから複数の突起を選択して形成してもよい。
特に、突起110、111、112、116、117、118はいずれも頂部に平坦面を有しているため、後述するスペーサを突起の上方に形成する場合には、平坦面によってスペーサを支持することができるため、セパレータレスの構成に適した構造である。なお、図1(A)においては、突起部101bとして円柱状の突起110を用いて示す。
また、頂部に平坦面を有する突起においては、平坦面の形状は突起110、111、112、116で示される円状、突起117で示される板状、突起118で示されるパイプ状に限られず、C字型、I字型、L字型、H型、S字型、T字型、U字型、V字型等の多角形状、楕円状、その他平坦面が形成可能な任意の形状とすることができる。
以上の突起部101bの形状は、いずれもその上面又は側面に負極活物質層102を形成することが可能であり、この限りにおいてはいずれの形状においてもウィスカ102aを形成することができる。
本実施の形態に示す負極集電体101の上面形状について、図4を用いて説明する。
図4(A)は、基礎部101aと、基礎部101aから突出する複数の突起部101bの上面図である。ここでは、上面形状が円形である複数の突起部101bが配置されている。図4(B)は、図4(A)を方向aに移動したときの上面図である。図4(A)及び図4(B)おいて、複数の突起部101bの位置が同一である。また、ここでは、図4(A)において、方向aに移動したが、方向b、方向cにそれぞれ移動しても、図4(B)と同様の配置となる。すなわち、図4(A)に示す複数の突起部101bは突起の断面が並ぶ平面座標において、並進操作において対称である並進対称性を有する。
また、図4(C)は、基礎部101aと、基礎部101aから突出する複数の突起部の上面図である。ここでは、上面形状が円形である突起部101bと、上面形状が正方形である突起部101cが交互に配置されている。図4(D)は、突起部101b、突起部101cを方向cに移動したときの上面図である。図4(C)及び図4(D)の上面図において、突起部101b、突起部101cの配置が同一である。すなわち、図4(C)に示す複数の突起部101b、突起部101cは並進対称性を有する。
複数の突起を並進対称に配置することで、複数の突起それぞれの電子伝導性のばらつきを低減することができる。このため、正極及び負極においての局所的な反応が低減され、キャリアイオン及び活物質の反応が均質に生じ、拡散過電圧(濃度過電圧)を防ぐと共に、電池特性の信頼性を高めることができる。
複数の突起部101bについて、断面形状における幅(直径)は、50nm以上5μm以下である。また、複数の突起部101bの高さは、1μm以上100μm以下である。従って突起部101bのアスペクト比(縦横比)は、0.2以上2000以下である。
ここで、突起部101bにおける「高さ」とは、突起部の長手方向の断面形状において、突起部101bの頂点(または上面)から基礎部101aの表面まで垂直に下ろした線分の長さをいう。なお、基礎部101aと突起部101bとの界面は必ずしも明確ではない。後述するように、同一の集電体材料から基礎部101aと突起部101bを形成するためである。このため、集電体の基礎部101aと突起部101bとの接続部において、基礎部101aの上面と同一平面上にある集電体中の面を、基礎部と突起部との界面として定義する。ここで、基礎部の上面には、基礎部と突起物との界面は除かれる。また、基礎部の上面が粗い場合には、その平均粗さの位置をもって基礎部の上面とする。
また、一の突起部101bと、隣り合う他の突起部101bとの間隔は、突起部101b上に形成する負極活物質層102の膜厚の3倍以上5倍未満とすることが好ましい。突起部101b同士の間隔を負極活物質層102の膜厚の2倍とすると、負極活物質層102の形成後の突起の間隔に隙間がなくなる一方で、間隔を5倍以上とすると、露出する基礎部101aの面積が増大し、突起を形成して表面積を増大させる効果が薄れるためである。
これらの結果、負極100を用いた非水系二次電池の充電により突起部に設けられた負極活物質の体積が膨張しても、突起同士が接触せず、突起の崩壊を妨げることができると共に、非水系二次電池の充放電容量の低下を妨げることができる。
(負極の製造方法1)
次に、図1(B)に示す負極100の製造方法について、図5を用いて説明する。
図5(A)に示すように、集電体材料121上にエッチング工程におけるマスクとなるフォトレジストパターン120を形成する。
集電体材料121は、集電体として使用する電位領域においてリチウムと合金化しない材料であり、耐食性の高い導電性材料を用いる。また負極活物質層にウィスカを形成することが可能な導電性材料を選択する。例えば、ステンレス、タングステン、ニッケル、チタン等に代表される金属、及びこれらの合金など、導電性の高い材料を用いることができる。また、集電体材料121として、シリコンと反応してシリサイドを形成する金属元素で形成してもよい。シリコンと反応してシリサイドを形成する金属元素としては、ジルコニウム、チタン、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、モリブデン、タングステン、コバルト、ニッケル等がある。
特に、集電体材料121として、チタンを用いることが好ましい。チタンは鋼鉄以上の強度を有する一方で、質量は鋼鉄の半分以下であり非常に軽い。また、チタンはアルミニウムよりも約2倍の強度を有し、他の金属よりも金属疲労が生じにくい。このため、軽量な電池の形成が実現できるとともに、負極活物質層の芯として機能することで、シリコンの膨張収縮による劣化や崩壊を抑制することができる。さらに、チタンはドライエッチングの加工に非常に適した材料であり、高いアスペクト比の突起部を集電体表面に形成することが可能である。
集電体材料121は、箔状、板状(シート状)、網状、パンチングメタル状、エキスパンドメタル状等の形状を適宜用いることができる。網状等の開口を有する形状の集電体材料を用いた場合には、次に形成する突起部は開口部を除いた集電体材料の表面部分に形成する。
フォトレジストパターン120は、フォトリソグラフィ工程で露光及び現像することによって所望の形状に形成することができる。また、フォトレジストパターン120はフォトリソグラフィの他、インクジェット法、印刷法等を用いて形成することもできる。
次に、フォトレジストパターン120を用いて、集電体材料121を選択的にエッチングし、図5(B)に示すように、基礎部101a及び複数の突起部101bを有する負極集電体101を形成する。集電体材料のエッチング方法としては、ドライエッチング法、ウエットエッチング法を適宜用いることができる。特にアスペクト比の高い突起部を形成する場合には、ドライエッチング法を用いることが好ましい。
例えば、ICP(Inductively Coupled Plasma:誘導結合型プラズマ)装置を用い、エッチングガスとしてBClとClの混合ガスを用いて、集電体材料121をエッチングすることで、基礎部101a及び複数の突起部101bを有する負極集電体101を形成することができる。また、エッチングガスの流量比は適宜調整すればよいが、エッチングガスの流量比の一例として、BClとClそれぞれの流量比を3:1とすることができる。また、ドライエッチングとして、平行平板型RIE(Reactive Ion Etching)法を用いることができる。
また、フォトレジストパターンの初期形状や、エッチング時間、エッチングガス種、印加バイアス、チャンバー内圧力、基板温度等のエッチング条件を適宜調整することによって、突起部101bを任意の形状とすることができる。
本実施の形態に示すように、フォトレジストパターン120をマスクとして用いて集電体材料をエッチングすることで、長手方向に実質的に垂直に延びた複数の突起部を形成することができる。また、形状が略一致している均質な突起部を複数形成することができる。
形成した突起部101b以外の残存した集電体材料121は基礎部101aとなる。基礎部101aの表面は平坦であってもよいが、エッチング工程によって粗い表面となった場合には、この後に形成する負極活物質の表面積の増加となるため、電池容量の増大に寄与する。
エッチング工程により突起部101bを形成した後、マスクとして用いたフォトレジストパターン120をフォトレジスト剥離工程において除去する。
次に、負極集電体101上に負極活物質層を形成する。図5(C)に示すように、負極活物質層102は、負極集電体の露出する上面を覆うことが好ましい。すなわち、突起部101bの側面、上面、及び突起部101bが形成されていない基礎部101aの上面が負極活物質層102によって覆われるように形成する。このとき、同時に負極活物質層102中にウィスカ102aを形成する。
負極活物質層102としてシリコンを用いる場合、プラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)法若しくは熱CVD法に代表される化学蒸着法、又はスパッタリング法に代表される物理蒸着法を用いて形成することができる。特にウィスカを形成するために、熱CVD法を用いることが好ましい。シリコンは、単結晶シリコン、多結晶シリコン、非晶質シリコン又はこれらの組み合わせとすることができる。なお、シリコンは、リンが添加されたn型シリコン、ボロンが添加されたp型シリコンとしてもよい。
ウィスカ102aは、所定のサイズに成長が進まなければ電池の高容量化に寄与しないため、長さ及び直径が十分となるように形成する。一方で、所定のサイズを超えてウィスカが成長した場合、集電体の突起部を芯として負極活物質層で被覆した構造体の趣旨が没却し、ランダムに成長する複数のウィスカ群に当該構造体が埋没することになる。
(負極の製造方法2)
次に、図2(B)に示す負極100の製造方法について、図6(A)乃至(D)を用いて説明する。本製造方法では負極の製造方法1と比べ、保護層を形成しエッチングの際のハードマスクとして用いる点で異なる。
まず、負極の製造方法1で示したものと同等の集電体材料121上に保護層105を成膜する(図6(A)参照)。保護層105は、CVD法、スパッタリング法、蒸着法、めっき法等により形成することができる。保護層105の厚さは100nm以上10μm以下が好ましい。保護層105はエッチング工程におけるハードマスクとして機能させるため、集電体材料121のエッチングの際に用いるガス種に対して高いエッチング耐性を有する材料であることが好ましい。例えば保護層105の材料として、窒化珪素膜、酸化珪素膜、酸窒化珪素膜等の絶縁体を用いることができる。これら絶縁体を保護層105として用いることで、フォトレジストよりも高いエッチング選択性を得ることができる。その他、リチウムと合金化する材料を選択する場合には、保護層105は負極活物質の一部として利用することができ、非水系二次電池の高容量化に寄与する。また電気伝導性の高い材料を選択する場合には、保護層105は負極集電体の突起部の一部として機能させることができる。ただし電池の初回充電時にリチウムイオンと反応して不可逆容量を形成する材料は、保護層105として選択すべきではない。
次に、図6(A)に示すように、保護層105上にフォトレジストパターン120を形成する。負極の製造方法1とは異なり、フォトレジストパターン120は保護層105をパターニング加工するために用いる。ドライエッチング法又はウエットエッチング法によって、フォトレジストパターン120をマスクに保護層105を所望のパターンに加工する(図6(B)参照)。ドライエッチングとしては、平行平板型RIE(Reactive Ion Etching)法や、ICP(Inductively Coupled Plasma:誘導結合型プラズマ)エッチング法を用いることができる。
フォトレジストパターン120を薬液により剥離除去した後、図6(C)に示すように、個々のパターンに分離された保護層105をハードマスクとして用い、集電体材料121を選択的にエッチングする。このエッチング工程により、負極集電体101における突起部101b及び基礎部101aが形成される。
その後、図6(D)に示すように、突起部の設けられていない基礎部101aの表面、突起部101bの側面、及び保護層105の側面及び上面を覆うように、負極活物質層102を形成する。負極の製造方法1で示した方法と同様に行えばよい。これにより、ウィスカ102aを有する負極活物質層が形成される。
以上の製造方法により、突起部101bの直上に保護層105を有する負極100を形成することができる。なお、本製造方法においては保護層105のパターン加工後に、集電体材料121をエッチングする前にフォトレジストパターン120を除去したが、フォトレジストパターン120の除去は集電体材料121のエッチング後に行ってもよい。
突起部101bの高さが高い場合、すなわちエッチング時間が長い場合、フォトレジストパターンのみをマスクとするとエッチング工程においてマスクの厚さが徐々に薄くなり、一部のマスクが除去され、集電体材料121の表面が露出されてしまう。この結果、突起部101bの高さにばらつきが生じてしまう。しかし、分離された保護層105をハードマスクとして用いることで、集電体材料121の露出を妨げることが可能であり、突起部101bの高さのばらつきを低減することができる。
突起部101b直上の保護層105は、導電性材料であれば集電体の一部として機能することができる。また、リチウムと合金化する材料であれば、負極活物質の一部として機能することも可能である。
また、突起部101b直上の保護層105は、負極活物質層102の表面積を増加させることにも寄与する。特に、突起部101bの高さが高い場合には、エッチングに要する時間が長く、さらには製造可能な高さには限界がある。そこで、保護層105を厚く形成することで基礎部101a上の突起を長くすることができ、その結果電池の放電容量を増加させることができる。集電体材料からなる突起部101bの高さと保護層105の高さ(膜厚)との比率は、膜厚やエッチング条件の制御により任意に調整することができる。このような比率の自由な設計によって、様々な効果を得ることができる。例えば保護層105と突起部101bの側面は、材料が異なり、また異なるエッチング工程により処理されているため、必ずしも形状が一致しない。このことを利用して、突起の形状を任意に設計することができる。また、保護層105と突起部101bとの界面位置を設計することで、機械的強度の高い突起を形成することが可能である。
(負極の製造方法3)
負極の製造方法1及び2では、フォトレジストパターンの形成にフォトリソグラフィ技術を用いて負極を製造したが、本製造方法においてはこれと異なる方法により図1(B)に示す負極100を製造する。本製造方法は、図7(A)乃至(D)を用いて説明する。本製造方法においては、ナノインプリント法を用いて負極集電体を製造する。
ナノインプリント法(ナノインプリントリソグラフィ)は1995年にプリンストン大学のStephen.Y.Chouらによって提案された微細配線加工技術であり、コスト高な露光装置を用いずに安価に10nm程度の解像度の微細加工が可能である点で注目されている。ナノインプリント法には、熱ナノインプリント法と光ナノインプリント法とがある。熱ナノインプリント法では熱加塑性のある樹脂を用い、光ナノインプリント法では光硬化性のある樹脂を用いる。
図7(A)に示すように、負極の製造方法1で示したものと同等の集電体材料121上に樹脂124を塗布形成する。樹脂124は、上述の熱ナノインプリント法の場合には熱可塑性樹脂を用い、光ナノインプリント法の場合には紫外線で硬化する光硬化性樹脂を用いる。熱可塑性樹脂としては、例えばPMMA(ポリメタクリル酸メチル)などを用いることができる。この集電体材料121上に形成した樹脂124にモールド123を押しつけて、樹脂124を所望のパターンに加工する。モールド123は熱酸化珪素膜等の上にレジストを塗布し、レジストを電子ビームにより直接描画することでパターニングし、これをマスクとしてエッチング加工したものを用いることができる。
熱ナノインプリント法の場合、モールドの押しつけの前に、熱可塑性樹脂を加熱して軟化させておく。モールド123を樹脂124に接触させて加圧することで樹脂124を変形させ、加圧した状態で冷却することで樹脂124を硬化させてモールド123の凹凸を樹脂124に転写する(図7(B)参照)。
一方、光ナノインプリント法の場合には、モールド123を液状の樹脂に接触させて樹脂124を変形させ、この状態で紫外線を照射して樹脂124を硬化させる。その後モールドを引き離すことで、モールド123の凹凸を樹脂124に転写することできる(図7(B)参照)。
熱ナノプリント法又は光ナノインプリント法のいずれの方法においても、モールド123を加圧しているため、樹脂124が押しつけたモールド123の下に残存する場合があり、変形加工された樹脂124の凹部の底に残膜が生じ得る。このため、酸素ガスを用いた異方性エッチング(RIE)を樹脂124の表面に施し、残膜を除去する工程を行う。以上の工程によって、エッチング工程におけるマスクとして機能する分離した樹脂124が形成される。
この後、負極の製造方法1と同様の方法により、樹脂124をマスクとして集電体材料121をエッチングし、複数の突起部101b及び基礎部101aを形成する(図7(C)参照)。さらに、負極集電体101を覆って負極活物質層102を形成する(図7(D))。
以上により、フォトリソグラフィ技術を用いずに微細構造を有する負極集電体101を製造することができる。特に本製造方法においては、高価な露光装置やフォトマスクを用いることがないため、安価に負極100を製造することができる。また、集電体材料121としてシート状の材料を用いることができ、Roll to Roll法で製造することができるため、本製造方法は負極の大量生産に適している。
(負極の製造方法4)
本製造方法においては、負極の製造方法1乃至3に記載の方法と異なる方法により図1(B)に示す負極100を製造する。本製造方法について、図8(A)乃至(C)を用いて説明する。本製造方法は、集電体材料の表面に突起部を形成した後、該材料とは異なる導電材料からなる導電層で被覆して負極集電体を製造する。
まず図8(A)に示すように、負極の製造方法1乃至3で説明した方法等により集電体材料125に突起部を形成する。またプレス加工によって突起部を成形してもよい。突起部はこの後さらに導電層により被覆されるため、被覆する導電層の膜厚を考慮した径とすべきである。
本製造方法において集電体材料125には、負極活物質層の芯として機能することが困難な材料であっても、導電層を被覆するため選択することができる点において利点がある。例えば、銅やアルミニウムは電気伝導度が高く、また金属加工に適している。このためプレス加工による突起部の形成も可能である。しかし、延性及び展性が大きいため、負極活物質層の芯として構造的な強度が十分に高いとはいえない。またアルミニウムは表面に絶縁体である不動態皮膜を形成するため、アルミニウム表面に直接活物質層を接触させても電極反応は生じない。このため、これらの集電体材料上に導電層126を別途形成することで、上記課題を解決することができる。
また、集電体材料125が負極活物質層の芯として機能することが可能な材料であっても、さらに硬度の高い材料からなる導電層を被覆することで、機械的強度を一層強化することができる。
図8(B)に示すように、突起部を形成した集電体材料の表面を覆って導電層126を形成する。これによって、突起部101b及び基礎部101aを有する負極集電体101が形成される。
導電層126は、リチウムと合金化せず、また負極活物質層にウィスカを形成することが可能な導電性材料を用いることができる。例えば、ステンレス、タングステン、ニッケル、チタン等に代表される金属、及びこれらの合金を用いることができる。
導電層126はめっき法、スパッタリング法、蒸着法、MOCVD法(有機金属気相成長法:Metal Organic Chemical Vapor Deposition)等によって形成することができる。
その後、図8(C)に示すように、導電層126上に負極活物質層102を既述の方法により形成し、負極100を製造する。
本製造方法によって、例えば銅からなる集電体材料に、スパッタリング法によってチタンからなる導電層を成膜することより、強度の高い突起部を形成することができる。このため、リチウムの挿入脱離によるシリコン負極活物質の膨張収縮に対しても、突起部は芯として十分機能することができるため、負極の信頼性を向上させることができる。
本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせて実施することが可能である。
(実施の形態2)
本実施の形態では、実施の形態1で説明した負極において、負極活物質層上にグラフェンを設ける形態について、図9(A)乃至(C)を用いて説明する。
(グラフェンを用いた負極の構造)
本実施の形態におけるグラフェンとは、sp結合を有する1原子層の炭素分子のシートである単層のグラフェン、又は2層以上100層以下の多層グラフェンのことをいう。グラフェンは化学的に安定であり、また電気特性が良好であるため、トランジスタのチャネル領域、ビア、配線等、半導体装置への応用が期待され、近年盛んに研究されている。本実施の形態においては、このグラフェンを実施の形態1で説明した負極に用いる。
図9(A)は、実施の形態1における負極の製造方法1又は3で示した方法等により製造した負極100にグラフェン127を適用した例である。グラフェン127は、負極集電体101の基礎部及び突起部上に形成された負極活物質層102を覆うように形成される。ウィスカ102aの表面もグラフェン127によって被覆される。グラフェン127は負極活物質層102の表面を完全に覆っても良く、部分的に覆ってもよい。例えば突起部側壁の負極活物質層102のみをグラフェン127で被覆してもよい。また、グラフェンは炭素分子のシートであるが、負極活物質層102の表面を隙間無く被覆してもよいし、所々に隙間を残した斑状に被覆してもよい。
図9(B)は、実施の形態1における負極の製造方法2で示した方法等により製造した負極100にグラフェン127を適用した例である。突起部の先端に保護層105がある点を除いて、図9(A)と同様である。
図9(C)は、実施の形態1における負極の製造方法4で示した方法等により製造した負極100にグラフェン127を適用した例である。突起部が集電体材料と導電層からなる点を除いて、図9(A)と同様である。
グラフェン127は、導電助剤として機能する。また、グラフェン127は、活物質として機能する場合もある。
グラフェン127は、単層グラフェンまたは多層グラフェンを含む。グラフェン127は、長さが数μmのシート状である。
単層グラフェンは、sp結合を有する1原子層の炭素分子のシートのことをいい、極めて厚さが薄い。また、炭素で構成される六員環が平面方向に広がっており、一部に、六員環の一部の炭素結合が切断された部分が形成される。
なお、当該部分では、結合が切断された炭素に酸素が結合する。このため、当該炭素及び酸素の結合の内部には、イオンの移動が可能な通路として機能する隙間を有する。すなわち、グラフェンに含まれる酸素の割合が多いほど、イオンの移動が可能な通路である隙間の割合が増加する。
なお、グラフェン127に酸素が含まれる場合、酸素の割合は全体の2%以上11%以下、好ましくは3%以上10%以下である。酸素の割合が低い程、グラフェンの導電性を高めることができる。また、酸素の割合を高める程、グラフェンにおいてイオンの通路となる隙間をより多く形成することができる。
グラフェン127が多層グラフェンの場合、複数の単層グラフェンで構成され、代表的には、単層グラフェンが2層以上100層以下で構成されるため、極めて厚さが薄い。酸化グラフェンを還元したグラフェンを有することで、グラフェン127の層間距離は0.34nm以上0.5nm以下、好ましくは0.38nm以上0.42nm以下、さらに好ましくは0.39nm以上0.41nm以下となる。通常のグラファイトは、単層グラフェンの層間距離が0.34nmであり、グラフェン127の方が層間距離が長いため、単層グラフェンの表面と平行な方向におけるイオンの移動が容易となる。また、グラフェン127は酸素を含み、多員環が構成される単層グラフェンまたは多層グラフェンで構成され、所々に隙間を有する。このため、グラフェン127が多層グラフェンの場合、単層グラフェンの表面と平行な方向、すなわち単層グラフェン同士の隙間と共に、グラフェンの表面に対する垂直方向、すなわち単層グラフェンそれぞれに設けられる隙間をイオンが移動することが可能である。
また、負極活物質層102が基礎部101aから突出した複数の突起部101bを覆っていることに加え、負極活物質層102が複数のウィスカ102aを有するため、板状(薄膜状)の活物質に比べて表面積が広い。また、複数の突起部101bの長手方向が揃っており、基礎部101aに対して垂直方向に突出しているため、負極において突起の密度を高めることが可能であり、表面積を増加させることができる。また、複数の突起部の間には隙間が設けられており、さらに、負極活物質をグラフェンが覆うため、充電により負極活物質が膨張しても、突起同士の接触を低減することが可能であると共に、負極活物質が剥離してもグラフェンにより、負極活物質の崩落を防ぐことができる。また、複数の突起部は並進対称性を有し、負極において複数の突起の形状が均一性高く形成されているため、正極及び負極においての局所的な反応が低減し、キャリアイオン及び活物質の反応が正極及び負極の間で均質に生じる。さらに、ウィスカ102aを負極活物質層102内に設けることにより、負極活物質層を薄くすることができるため、充放電速度を高めることができる。これらの理由から、負極100を非水系二次電池に用いた場合、高速な充放電が可能となると共に、充放電による活物質の崩壊及び剥離を抑制でき、サイクル特性がさらに向上した非水系二次電池を製造することができる。さらには、突起の形状を概略同形のものとすることができるため、局所的な充放電を低減すると共に、活物質の重量を制御することが可能である。また、突起の高さが揃っていると、電池の製造工程時において局所的な荷重を防ぐことが可能であり、歩留まりを高めることができる。これらのため、電池の仕様を制御しやすい。
また、非水系二次電池において、負極活物質層102表面が非水電解液と接触することにより、非水電解液及び活物質が反応し、活物質の表面に皮膜が形成される。当該皮膜はSEIと呼ばれ、負極活物質と非水電解液の反応を緩和し、安定化させるために必要であると考えられている。しかしながら、当該皮膜が厚くなると、キャリアイオンが負極活物質に吸蔵されにくくなり、負極活物質と非水電解液間のキャリアイオン伝導性の低下、非水電解液の消耗などの問題が生じる。
本実施の形態においては、負極活物質層102をグラフェン127で覆う。このため、当該皮膜の膜厚の増加を抑制することが可能であり、キャリアイオン伝導性の低下、非水電解液の消耗を抑制することができる。
また、グラフェンは導電性が高いため、グラフェンよりも導電性の低いシリコンをグラフェンで覆うことで、グラフェンにおいて電子の移動を十分早くすることができる。また、グラフェンは厚さの薄いシート状であるため、複数の突起をグラフェンで覆うことで、活物質層に含まれる活物質量をより多くすることが可能であると共に、キャリアイオンの移動がグラファイトと比較して容易となる。これらの結果、キャリアイオンの伝導性を高めることができ、負極活物質であるシリコン及びキャリアイオンの反応性を高めることが可能であり、キャリアイオンが負極活物質に吸蔵されやすくなる。このため、当該負極を用いた非水系二次電池において、急速充放電が可能である。
なお、負極活物質層102とグラフェン127との間に、酸化シリコン層を有してもよい。負極活物質層102上に酸化シリコン層を設けることで、非水系二次電池の充電時に酸化シリコン中にキャリアであるイオンが挿入される。この結果、LiSiO、NaSiO、KSiO等のアルカリ金属シリケート、CaSiO、SrSiO、BaSiO等のアルカリ土類金属シリケート、BeSiO、MgSiO等のシリケート化合物が形成される。これらのシリケート化合物は、キャリアイオンの移動パスとして機能する。また、酸化シリコン層を有することで、負極活物質層102の膨張を抑制することができる。これらのため、放電容量を維持しつつ、負極活物質層102の崩壊を抑えることができる。なお、充電の後、放電しても、酸化シリコン層において形成されたシリケート化合物から、キャリアイオンとなる金属イオンは全て放出されず、一部残存するため、酸化シリコン層は、酸化シリコン及びシリケート化合物の混合層となる。
当該酸化シリコン層の厚さは、2nm以上10nm以下とすることが好ましい。酸化シリコン層の厚さを2nm以上とすることで、充放電による負極活物質層102の膨張を緩和することができる。また、酸化シリコン層の厚さ10nm以下であると、キャリアとなるイオンの移動が容易であり、放電容量の低下を妨げることができる。酸化シリコン層を負極活物質層102上に設けることで、充放電における負極活物質層102の膨張及び収縮を緩和し、負極活物質層102の崩壊を抑制することができる。
(グラフェンを用いた負極の製造方法1)
次に、負極100の製造方法について図9を用いて説明する。実施の形態1に示すように、基礎部及び複数の突起部からなる負極集電体101上に負極活物質層102を被覆した後、負極活物質層102上にグラフェン127を形成することで、図9(A)乃至(C)に示すように、負極100を製造することができる。ここで、図9(A)の構造は、図5(C)又は図7(D)に、図9(B)の構造は図6(D)に、図9(C)の構造は、図8(C)にそれぞれ対応する。
グラフェン127の形成方法としては、ウィスカ102aを含む負極活物質層102上にニッケル、鉄、金、銅またはそれらを含む合金を核として形成した後、メタンまたはアセチレン等の炭化水素を含む雰囲気で核からグラフェンを成長させる気相法がある。また、酸化グラフェンを含む分散液を用いて、負極活物質層102の表面に酸化グラフェン設けた後、酸化グラフェンを還元し、グラフェンとする液相法がある。
酸化グラフェンを含む分散液は、酸化グラフェンを溶媒に分散させる方法、溶媒中でグラファイトを酸化した後、酸化グラファイトを酸化グラフェンに分離して、酸化グラフェンを含む分散液を形成する方法等がある。ここでは、グラファイトを酸化した後、酸化グラファイトを酸化グラフェンに分離して形成した酸化グラフェンを含む分散液を用いて、負極活物質層102上にグラフェン127を形成する方法について、説明する。
本製造方法では、Hummers法と呼ばれる酸化法を用いて酸化グラフェンを形成する。Hummers法は、単結晶グラファイト粉末に過マンガン酸カリウムの硫酸溶液、過酸化水素水等を加えて酸化反応させて酸化グラファイトを含む混合液を形成する。酸化グラファイトは、グラファイトの炭素の酸化により、エポキシ基、カルボニル基、カルボキシル基、ヒドロキシル基等の官能基を有する。このため、複数のグラフェンの層間距離がグラファイトと比較して長い。次に、酸化グラファイトを含む混合液に超音波振動を加えることで、層間距離の長い酸化グラファイトを劈開し、酸化グラフェンを分離することができると共に、酸化グラフェンを含む分散液を形成することができる。なお、Hummers法以外の酸化グラフェンの形成方法を適宜用いることができる。
なお、酸化グラフェンは、エポキシ基、カルボニル基、カルボキシル基、ヒドロキシル基等を有する。これらの置換基は極性が高いため、極性を有する液体中において、異なる酸化グラフェン同士は分散しやすい。このため、極性を有する液体においては、均一に酸化グラフェンが分散する。
酸化グラフェンを含む分散液に負極活物質層102を浸し、負極活物質層102上に酸化グラフェンを設ける方法としては、塗布法、スピンコート法、ディップ法、スプレー法、電気泳動法等がある。また、これらの方法を複数組み合わせてもよい。電気泳動法については、グラフェンを用いた負極の製造方法2において詳説する。
負極活物質層102上に設けられた酸化グラフェンを還元する方法としては、真空中あるいは不活性ガス(窒素あるいは希ガス等)中等の雰囲気で、150℃以上、好ましくは300℃以上の温度で、かつ負極活物質層102が耐えうる温度以下で加熱する。加熱する温度が高い程、また、加熱する時間が長いほど、酸化グラフェンが還元されやすく、純度の高い(すなわち、炭素以外の元素の濃度の低い)グラフェンが得られる。ただし、加熱する温度は酸化グラフェンと被形成物との反応性も考慮して決定されるべきである。なお、酸化グラフェンは150℃で還元されることが知られている。また、還元性溶液に浸し、酸化グラフェンを還元する方法がある。
また、加熱する温度が高いほど、また、加熱する時間が長いほど、欠陥の修復も進み、導電性が向上する。本発明者の測定では、例えば、ガラス基板上の酸化グラフェンを加熱してグラフェンに還元したところ、加熱温度100℃(1時間)ではグラフェンの抵抗率は、240MΩcm程度であるが、加熱温度200℃(1時間)では4kΩcmとなり、300℃(1時間)では2.8Ωcmとなった。なお、いずれの抵抗率もvan der Pauw法によって測定した8試料の平均値である。
なお、Hummers法では、グラファイトを過マンガン酸カリウムの硫酸溶液で処理するため、酸化グラファイトは、スルホン基等の官能基も結合しているが、官能基の脱離(分解)は、300℃前後で開始する。したがって、加熱により酸化グラファイトを還元する方法において、酸化グラフェンの還元処理は300℃以上で行うことが好ましい。
グラフェンは、還元処理の温度により、上述のように導電性が変化するが、それ以外にも柔軟性や強度等も変化する。還元処理の温度は、必要とする導電性、柔軟性、強度等を考慮して決定すればよい。
上記還元処理において、形成された酸化グラフェンはグラフェンとなる。その際グラフェンは、隣接するグラフェン同士が結合し、より巨大な網目状あるいはシート状のネットワークを形成する。また、当該還元処理において、酸素の脱離により、グラフェン内には隙間が形成される。さらには、グラフェン同士が基体の表面に対して、平行に重なり合う。この結果、グラフェンの層間及びグラフェン内の隙間においてキャリアイオンの移動が可能なグラフェンが形成される。
本負極の製造方法により、図9(A)乃至(C)に示す負極100を形成することができる。
(グラフェンを用いた負極の製造方法2)
次に、グラフェンを用いた負極の製造方法1で示した方法とは異なる方法で、グラフェンを負極活物質層102上に形成する方法を説明する。本製造方法においては、電気泳動法を用いてグラフェンを形成する。
まず、グラフェンを用いた負極の製造方法1に記載の方法と同様に、グラファイトを酸化して得られる酸化グラファイトを分散させた酸化グラファイト溶液を用意する。酸化グラファイトはHummers法を用いて形成する。用意した酸化グラファイト溶液に超音波振動を加えることで、層間距離の長い酸化グラファイトを劈開し、酸化グラフェンが分散した溶液(酸化グラフェン溶液)製造し、溶媒を取り除き、酸化グラフェンを得る。
次に、酸化グラフェンを水やN−methylpyrrolidone(NMP)等の溶媒に分散させて、酸化グラフェン溶液を得る。溶媒は極性溶媒であることが好ましい。酸化グラフェンの濃度は1リットル当たり0.1g以上10g以下とすればよい。なお、酸化グラフェンは極性を有する溶液中においては、官能基中の酸素がマイナスに帯電するため、異なる酸化グラフェン同士で凝集しにくい。なお、市販の酸化グラフェンを溶媒に分散させた溶液、または市販の酸化グラフェン溶液を用いてもよい。また、用いる酸化グラフェンの一辺の長さ(フレークサイズともいう)は10μm以下であると好ましい。
次に、酸化グラフェン溶液を、実施の形態1で示した負極における、負極活物質層上に設ける。複数のウィスカを形成したことで複雑な曲面や凹凸形状を有する負極活物質層に酸化グラフェンを形成するため、特に電気泳動法を用いることが好ましい。そこで、電気泳動法を用いる場合について以下説明する。
図10(A)は電気泳動法の説明するための断面図である。容器201には上記方法で得られた酸化グラフェンを分散させた溶液(以下、酸化グラフェン溶液202という)が入っている。また、酸化グラフェン溶液202中に被形成物203を設けて、これを陽極とする。また、酸化グラフェン溶液202中に陰極となる導電体204を設ける。なお、被形成物203は、負極集電体101及びその上に形成された負極活物質層102とする。また、導電体204は、導電性を有する材料、例えば、金属材料又は合金材料とすればよい。
陽極と陰極の間に適切な電圧を加えることで、被形成物203の表面、すなわち、集電体の基礎部101a及び複数の突起部101b上の負極活物質層102の表面に酸化グラフェンの層が形成される。これは、酸化グラフェンは、上記したように極性溶媒中において負に帯電するため、電圧を加えることで負に帯電した酸化グラフェンは陽極に引き寄せられ、被形成物203に付着するからである。酸化グラフェンの負の帯電は、酸化グラフェンが有するエポキシ基、カルボキシル基等の置換基から水素イオンが離脱していることに由来し、物体と当該置換基とが結合することで中性化する。なお、加える電圧は一定でなくてもよい。また、陽極と陰極の間を流れる電荷量を測定することで、物体に付着した酸化グラフェンの層の厚さを見積もることができる。
陽極と陰極の間に加える電圧は、0.5V以上2.0V以下の範囲とするとよい。より好ましくは、0.8V以上1.5V以下である。例えば陽極と陰極の間に加える電圧を1Vとすると、被形成物と酸化グラフェンの層との間に陽極酸化の原理により生じうる酸化膜が、形成されにくい。
必要な厚さの酸化グラフェンが得られたら、被形成物203を酸化グラフェン溶液202から引き上げ、乾燥させる。
電気泳動法による酸化グラフェンの電着において、酸化グラフェンで既に覆われている部分にさらに酸化グラフェンが積層することは少ない。これは、酸化グラフェンの導電率が十分に低いためである。一方、まだ酸化グラフェンに覆われていない部分には、酸化グラフェンが優先的に積層される。このため、被形成物203の表面に形成される酸化グラフェンの厚さは実用的に均一な厚さになる。
電気泳動を行う時間(電圧を加える時間)は、被形成物203の表面が酸化グラフェンに覆われるのにかかる時間より長時間行えばよく、例えば、0.5分以上30分以下、好ましくは5分以上20分以下とすればよい。
電気泳動法を用いると、イオン化した酸化グラフェンを電気的に活物質まで移動させることができるため、複雑な表面形状となるウィスカを有する負極活物質層を十分に被覆することができる。また、基礎部及び複数の突起部の接する領域(すなわち、突起部の根元)にまで酸化グラフェンを設けることが可能である。このため、突起部の高さが高い場合でも、基礎部及び突起部の表面に均一に酸化グラフェン設けることができる。ただし、このためには、隣り合う突起部の隙間に酸化グラフェンが進入することができるように、複数の突起部の間隔の設計、及び酸化グラフェンのフレークサイズの選択に留意する必要がある。
次に、還元処理を行い、負極活物質を被覆した酸化グラフェンから酸素の一部を脱離させる。還元処理としてはグラフェンを用いた負極の製造方法1で説明した、加熱による還元処理等を行ってもよいが、ここでは電気化学的な還元処理(以下、電気化学還元という)について説明する。
酸化グラフェンの電気化学還元は、加熱処理による還元とは異なり、電気エネルギーを用いた還元である。図10(B)に示すように負極活物質層102上に設けた酸化グラフェンを有する負極100を導電体207として用いて閉回路を構成し、この導電体207に当該酸化グラフェンの還元反応が生じる電位、又は当該酸化グラフェンが還元される電位を供給し、当該酸化グラフェンをグラフェンに還元する。なお、本明細書では、酸化グラフェンの還元反応が生じる電位、又は当該酸化グラフェンが還元される電位を還元電位という。
図10(B)を用いて酸化グラフェンの還元方法を具体的に記述する。容器205に電解液206を満たし、そこに酸化グラフェンを設けた導電体207と、対極208とを挿入し、浸漬させる。次に、酸化グラフェンを設けた導電体207を作用極とし、他に少なくとも対極208及び電解液206を用いて電気化学セル(開回路)を組み、当該導電体207(作用極)に酸化グラフェンの還元電位を供給し、当該酸化グラフェンをグラフェンに還元する。なお、供給する還元電位は、対極208を基準にした場合の還元電位、又は電気化学セルに参照極を設けて、当該参照極を基準にした場合の還元電位とする。例えば、対極208及び参照極をリチウム金属とする場合、供給する還元電位はリチウム金属の酸化還元電位を基準とした還元電位(vs.Li/Li+)となる。本工程によって、電気化学セル(閉回路)には、酸化グラフェンが還元される際に還元電流が流れる。そのため、酸化グラフェンの還元を確認するには、当該還元電流を逐次確認すればよく、還元電流が一定値を下回った状態(還元電流に対応するピークが消失した状態)を、酸化グラフェンが還元された状態(還元反応が終了した状態)とすればよい。
また、当該導電体207の電位を制御する際は、酸化グラフェンの還元電位に固定するだけではなく、酸化グラフェンの還元電位を含んで掃引してもよく、さらに当該掃引は、サイクリックボルタンメトリのように周期的に繰り返してもよい。また、当該導電体207の電位の掃引速度に限定はないが、0.005mV/sec.以上1mV/sec.以下が好ましい。なお、当該導電体207の電位の掃引を行う場合は、高電位側から低電位側に掃引してもよいし、低電位側から高電位側に掃引してもよい。
酸化グラフェンの還元電位は、その酸化グラフェンの構成(官能基の有無など)、及び電位制御の仕方(掃引速度など)によって値が多少異なるが、約2.0V(vs.Li/Li+)程度である。具体的には、1.6V以上2.4V以下(vs.Li/Li+)の範囲で上記導電体207の電位を制御すればよい。
以上の工程により、導電体207上にグラフェンを形成することができる。電気化学的還元処理を行った場合、加熱処理によって形成したグラフェンに比べてsp結合である二重結合の炭素−炭素結合を有する割合が増大するため、導電性の高いグラフェン127を負極活物質層102上に形成することができる。
なお、後述するスペーサの形成のため、酸素プラズマ処理により突起部上面のグラフェンのみを除去してもよい。
本負極の製造方法により、図9(A)乃至(C)に示す負極100を形成することができる。
本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせて実施することが可能である。
(実施の形態3)
本実施の形態では、非水系二次電池の構造及び製造方法について説明する。
はじめに、正極及びその製造方法について説明する。
図11(A)は正極300の断面図である。正極300は、正極集電体301上に正極活物質層302が形成される。
正極集電体301には、ステンレス、金、白金、亜鉛、鉄、銅、アルミニウム、チタン等の金属、及びこれらの合金など、導電性の高い材料を用いることができる。また、シリコン、チタン、ネオジム、スカンジウム、モリブデンなどの耐熱性を向上させる元素が添加されたアルミニウム合金を用いることができる。また、シリコンと反応してシリサイドを形成する金属元素で形成してもよい。シリコンと反応してシリサイドを形成する金属元素としては、ジルコニウム、チタン、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、モリブデン、タングステン、コバルト、ニッケル等がある。正極集電体301は、箔状、板状(シート状)、網状、パンチングメタル状、エキスパンドメタル状等の形状を適宜用いることができる。
正極活物質層302は、LiFeO、LiCoO、LiNiO、LiMn、V、Cr、MnO等の化合物を材料として用いることができる。
または、オリビン型構造のリチウム含有複合酸化物(一般式LiMPO(Mは、Fe(II),Mn(II),Co(II),Ni(II)の一以上))を用いることができる。一般式LiMPOの代表例としては、LiFePO、LiNiPO、LiCoPO、LiMnPO、LiFeNiPO、LiFeCoPO、LiFeMnPO、LiNiCoPO、LiNiMnPO(a+bは1以下、0<a<1、0<b<1)、LiFeNiCoPO、LiFeNiMnPO、LiNiCoMnPO(c+d+eは1以下、0<c<1、0<d<1、0<e<1)、LiFeNiCoMnPO(f+g+h+iは1以下、0<f<1、0<g<1、0<h<1、0<i<1)等のリチウム化合物を材料として用いることができる。
または、一般式LiMSiO(Mは、Fe(II),Mn(II),Co(II),Ni(II)の一以上)等のリチウム含有複合酸化物を用いることができる。一般式LiMSiOの代表例としては、LiFeSiO、LiNiSiO、LiCoSiO、LiMnSiO、LiFeNiSiO、LiFeCoSiO、LiFeMnSiO、LiNiCoSiO、LiNiMnSiO(k+lは1以下、0<k<1、0<l<1)、LiFeNiCoSiO、LiFeNiMnSiO、LiNiCoMnSiO(m+n+qは1以下、0<m<1、0<n<1、0<q<1)、LiFeNiCoMnSiO(r+s+t+uは1以下、0<r<1、0<s<1、0<t<1、0<u<1)等のリチウム化合物を材料として用いることができる。
なお、キャリアイオンが、リチウムイオン以外のアルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、ベリリウムイオン、またはマグネシウムイオンの場合、正極活物質層302として、上記リチウム化合物及びリチウム含有複合酸化物において、リチウムの代わりに、アルカリ金属(例えば、ナトリウムやカリウム等)、アルカリ土類金属(例えば、カルシウム、ストロンチウム、バリウム等)、ベリリウム、またはマグネシウムを用いてもよい。
また正極活物質層302は、正極集電体301上に直接接して形成する場合に限らない。正極集電体301と正極活物質層302との間に、正極集電体301と正極活物質層302との密着性の向上を目的とした密着層や、正極集電体301の表面の凹凸形状を緩和するための平坦化層、放熱のための放熱層、正極集電体301又は正極活物質層302の応力を緩和するための応力緩和層等の機能層を、金属等の導電性材料を用いて形成してもよい。
図11(B)は、正極活物質層302として、キャリアイオンの吸蔵放出が可能な粒子状の正極活物質303と、当該正極活物質303の複数を覆いつつ、当該正極活物質303が内部に詰められたグラフェン304で構成される正極活物質層302の平面図である。複数の正極活物質303の表面を異なるグラフェン304が覆う。また、一部において、正極活物質303が露出していてもよい。
正極活物質303の粒径は、20nm以上100nm以下が好ましい。なお、正極活物質303内を電子が移動するため、正極活物質303の粒径はより小さい方が好ましい。
また、正極活物質303の表面にグラファイト層が被覆されていなくとも十分な特性が得られるが、グラファイト層が被覆されている正極活物質とグラフェンを共に用いると、キャリアが正極活物質間をホッピングし、電流が流れるためより好ましい。
図11(C)は、図11(B)の正極活物質層302の一部における断面図である。正極活物質303、及び該正極活物質303を覆うグラフェン304を有する。グラフェン304は断面図においては線状で観察される。同一のグラフェンまたは複数のグラフェンにより、複数の正極活物質を内包する。すなわち、同一のグラフェンまたは複数のグラフェンの間に、複数の正極活物質が内在する。なお、グラフェンは袋状になっており、該内部において、複数の正極活物質を内包する場合がある。また、グラフェンに覆われず、一部の正極活物質が露出している場合がある。
正極活物質層302の厚さは、20μm以上100μm以下の間で所望の厚さを選択する。なお、クラックや剥離が生じないように、正極活物質層302の厚さを適宜調整することが好ましい。
なお、正極活物質層302は、グラフェンの体積の0.1倍以上10倍以下のアセチレンブラック粒子や1次元の拡がりを有するカーボンナノファイバー等のカーボン粒子など、公知のバインダを有してもよい。
なお、正極活物質においては、キャリアとなるイオンの吸蔵により体積が膨張するものがある。このため、充放電により、正極活物質層が脆くなり、正極活物質層の一部が崩落してしまい、この結果非水二次電池の信頼性が低下する。しかしながら、正極活物質が充放電により体積膨張しても、当該周囲をグラフェンが覆うため、グラフェンは正極活物質の分散や正極活物質層の崩落を妨げることが可能である。すなわち、グラフェンは、充放電にともない正極活物質の体積が増減しても、正極活物質同士の結合を維持する機能を有する。
また、グラフェン304は、複数の正極活物質と接しており、導電助剤としても機能する。また、キャリアイオンの吸蔵放出が可能な正極活物質を保持する機能を有する。このため、正極活物質層302にバインダを混合する必要が無く、正極活物質層当たりの正極活物質量を増加させることが可能であり、非水系二次電池の放電容量を高めることができる。
次に、正極活物質層302の製造方法について説明する。
粒子状の正極活物質及び酸化グラフェンを含むスラリーを形成する。次に、正極集電体301上に、当該スラリーを塗布した後、実施の形態2に示すグラフェンの製造方法と同様に、還元雰囲気での加熱により還元処理を行って、正極活物質を焼成すると共に、酸化グラフェンに含まれる酸素を脱離させ、グラフェンに隙間を形成する。なお、酸化グラフェンに含まれる酸素は全て還元されず、一部の酸素はグラフェンに残存する。以上の工程により、正極集電体301上に正極活物質層302を形成することができる。この結果、正極活物質層の導電性が高まる。
酸化グラフェンは酸素を含むため、極性溶媒中では負に帯電する。この結果、酸化グラフェンは互いに分散する。このため、スラリーに含まれる正極活物質が凝集しにくくなり、焼成による正極活物質の粒径の増大を低減することができる。このため、正極活物質内の電子の移動が容易となり、正極活物質層の導電性を高めることができる。
ここで、正極300の表面にスペーサ305を設けた例を図12に示す。図12(A)はスペーサを有する正極の斜視図であり、図12(B)は、図12(A)の一点波線A−Bの断面図である。
図12(A)及び図12(B)に示すように、正極300は、正極集電体301上に正極活物質層302が設けられた構造を採る。正極活物質層302上に、さらにスペーサ305が設けられる。
スペーサ305は、絶縁性を有し、且つ非水電解液と反応しない材料を用いて形成することが可能である。代表的には、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリイミド、ポリアミド、の有機材料、ガラスペースト、ガラスフリット、ガラスリボン等の低融点ガラスを用いることができる。
スペーサ305は、スクリーン印刷等の印刷法、インクジェット法等を用いて形成することができる。このため、任意の形状を形成することが可能である。
スペーサ305は、正極活物質層302の直上に薄膜状に平面的に形成するが、矩形、多角形、円等の開口部を複数有する。従って、スペーサ305の平面形状は、格子状、円又は多角形の閉ループ状、多孔質状等の形状を採りうる。あるいは開口部が線状に延在することで、複数のスペーサがストライプ状に配列する構成であってもよい。スペーサ305が有する開口部によって、正極活物質層302の一部が露出する。この結果、スペーサ305が正極及び負極の接触を防ぐ機能を果たすとともに、開口部により正極負極間のキャリアイオンの移動を確保する。
スペーサ305の厚さは、1μm以上5μm以下、好ましくは2μm以上3μmとすることが好ましい。この結果、従来の非水系二次電池のように、正極及び負極の間に厚さ数十μmのセパレータを設けた場合と比較して、正極及び負極の間隔を狭めることが可能であり、正極及び負極の間のキャリアイオンの移動距離を短くできる。このため、非水系二次電池内に含まれるキャリアイオンを充放電のために有効に活用することができる。
以上のことから、スペーサ305の設置によって、非水系二次電池におけるセパレータを不要とすることができる。この結果、非水系二次電池の部品数を削減することが可能であり、コストを削減できる。
図13に、スペーサ305を用いたセパレータレスの非水系二次電池の例を示す。図13(A)は、上記の負極の製造方法で作製した負極100と、既述の正極300とをスペーサ305を介して組み合わせた電池であり、これらの間は非水電解液306により満たされている。負極100の突起部とスペーサ305とが接するように、突起部又はスペーサの形状を設計する。機械的強度を保持するため、突起部とスペーサとの接触は面で行われることが好ましい。従って、互いに接する部分となるスペーサ305の表面、及び負極100の突起部の表面はできるだけ平坦であることが好ましい。
このことから、負極活物質層102が有するウィスカ102aは、負極100の上面には設けないことが好ましい。このため、図13に示すように、特に負極の製造方法2で作製した、突起部の上部に保護層105を有する負極を用いることが好ましい。保護層105の上に形成された負極活物質層102は、ウィスカ102aを有さないためである。
なお、図13においては、全ての突起部とスペーサとが接触しているが、必ずしも全ての突起部がスペーサと接する必要はない。すなわち、スペーサ305中の開口部と対向する位置に負極の複数の突起部のうち一部が位置していても問題ではない。
スペーサと接する負極100の突起部は、スペーサ305とともに、正極300と負極100との間隔を保持する役割を果たす。従って、突起部に十分な機械的強度があることが重要となる。このため、突起部を形成する負極活物質層の芯に突起部を形成する集電体材料を配置し、さらに銅等に比べ強度の高いチタンを用いることは極めて意義のある構成といえる。
図13(B)に、グラフェンを用いた負極を有するセパレータレスの非水系二次電池の例を示す。上記の図13(A)の例と比べグラフェンを設けた点において異なるが、形状及び構成については同様のことがいえる。
次に、非水系二次電池の構造及び製造方法の一形態について、図14を用いて説明する。ここでは、非水系二次電池の断面構造について、以下に説明する。
図14(A)は、コイン型(単層式偏平型)の非水系二次電池の外観図であり、図14(B)は、その断面図である。
コイン形の非水系二次電池6000は、正極端子を兼ねた正極缶6003と負極端子を兼ねた負極缶6001とが、ポリプロピレン等で形成されたガスケット6002で絶縁シールされている。上記のように正極6010は、正極集電体6008とこれに接するように設けられた正極活物質層6007により形成される。一方、負極6009は、負極集電体6004とこれに接するように設けられた負極活物質層6005により形成される。正極活物質層6007と負極活物質層6005との間にはセパレータ6006と、非水電解液(図示せず)を有する。正極6010は、上記工程により得られた正極活物質層302を正極活物質層6007として用いる。
負極6009は、実施の形態1又は実施の形態2に示す負極100を適宜用いて形成すればよい。
正極集電体6008及び正極活物質層6007はそれぞれ、本実施の形態に示す正極集電体301及び正極活物質層302を適宜用いることができる。
セパレータ6006には、セルロース(紙)、または空孔が設けられたポリプロピレン、ポリエチレン等の絶縁体を用いることができる。
なお、正極6010として、前述した図12に示すスペーサ305を有する正極を用いる場合には、セパレータ6006を設けなくともよい。
非水電解液の溶質は、キャリアイオンを有する材料を用いる。非水電解液の溶質の代表例としては、LiClO、LiAsF、LiBF、LiPF、Li(CSON等のリチウム塩がある。
なお、キャリアイオンが、リチウムイオン以外のアルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、ベリリウムイオン、またはマグネシウムイオンの場合、非水電解液の溶質として、上記リチウム塩において、リチウムの代わりに、アルカリ金属(例えば、ナトリウムやカリウム等)、アルカリ土類金属(例えば、カルシウム、ストロンチウム、バリウム等)、ベリリウム、またはマグネシウムを用いてもよい。
また、非水電解液の溶媒としては、キャリアイオンの移送が可能な材料を用いる。非水電解液の溶媒としては、非プロトン性有機溶媒が好ましい。非プロトン性有機溶媒の代表例としては、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート(DEC)、γーブチロラクトン、アセトニトリル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン等があり、これらの一つまたは複数を用いることができる。また、非水電解液の溶媒としてゲル化される高分子材料を用いることで、漏液性を含めた安全性が高まる。また、非水系二次電池の薄型化及び軽量化が可能である。ゲル化される高分子材料の代表例としては、シリコーンゲル、アクリルゲル、アクリロニトリルゲル、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、フッ素系ポリマー等がある。また、非水電解液の溶媒として、難燃性及び難揮発性であるイオン液体(常温溶融塩)を一つまたは複数用いることで、二次電池の内部短絡や、過充電等によって内部温度が上昇しても、二次電池の破裂や発火などを防ぐことができる。
また、非水電解液の代わりに、硫化物系や酸化物系等の無機物材料を有する固体電解質や、PEO(ポリエチレンオキシド)系等の高分子材料を有する固体電解質を用いることができる。固体電解質を用いる場合には、セパレータやスペーサの設置が不要となる。また、電池全体を固体化できるため、漏液のおそれがなくなり安全性が飛躍的に向上する。
正極缶6003、負極缶6001には、耐腐食性のあるステンレス鋼や鉄、ニッケル、アルミニウム、チタン等の金属、又はこれらの合金やこれらと他の金属との合金(ステンレス鋼など)を用いることができる。特に、二次電池の充放電によって生じる非水電解液による腐食を防ぐため、ニッケル等を腐食性金属にめっきすることが好ましい。正極缶6003は正極6010と、負極缶6001は負極6009とそれぞれ電気的に接続する。
これら負極6009、正極6010及びセパレータ6006を非水電解液に含浸させ、図14(B)に示すように、正極缶6003を下にして正極6010、セパレータ6006、負極6009、負極缶6001をこの順で積層し、正極缶6003と負極缶6001とをガスケット6002を介して圧着してコイン形の非水系二次電池6000を製造する。
次に、図15(A)及び(B)を用いて円筒型の非水系二次電池の構造を説明する。円筒型の非水系二次電池7000は図15(A)に示すように、上面に正極キャップ(電池蓋)7001を有し、側面及び底面に電池缶(外装缶)7002を有している。これら正極キャップと電池缶(外装缶)7002とは、ガスケット7010(絶縁パッキン)によって絶縁されている。
図15(B)は、円筒型の非水系二次電池の断面を模式的に示した図である。中空円柱状の電池缶7002の内側には、帯状の正極7004と負極7006とが帯状のセパレータ7005を間に挟んで捲回された電池素子が設けられている。図示しないが、電池素子はセンターピンを中心に捲回されている。電池缶7002は、一端が閉じられ、他端が開いている。電池缶7002には、耐腐食性のあるステンレス鋼や鉄、ニッケル、アルミニウム、チタン等の金属、又はこれらの合金やこれらと他の金属との合金(ステンレス鋼など)を用いることができる。特に、二次電池の充放電によって生じる非水電解液による腐食を防ぐため、ニッケル等を腐食性金属にめっきすることが好ましい。電池缶7002の内側において、正極、負極及びセパレータが捲回された電池素子は、対向する一対の絶縁板7008、7009により挟まれている。また、電池素子が設けられた電池缶7002の内部は、非水電解液(図示せず)が注入されている。非水電解液は、コイン形の非水系二次電池と同様のものを用いることができる。
正極7004及び負極7006は、上述したコイン形の非水系二次電池の正極及び負極と同様に製造すればよいが、円筒型の非水系二次電池に用いる正極及び負極は捲回するため、集電体の両面に活物質を形成する点において異なる。負極7006は、実施の形態1又は実施の形態2に記載の負極を用いることで、高容量の二次電池を製造することができる。正極7004には正極端子(正極集電リード)7003が接続され、負極7006には負極端子(負極集電リード)7007が接続される。正極端子7003及び負極端子7007は、ともにアルミニウムなどの金属材料を用いることができる。正極端子7003は安全弁機構7012に、負極端子7007は電池缶7002の底にそれぞれ抵抗溶接される。安全弁機構7012は、PTC素子(Positive Temperature Coefficient)7011を介して正極キャップ7001と電気的に接続されている。安全弁機構7012は電池の内圧の上昇が所定の閾値を超えた場合に、正極キャップ7001と正極7004との電気的な接続を切断するものである。また、PTC素子7011は温度が上昇した場合に抵抗が増大する熱感抵抗素子であり、抵抗の増大により電流量を制限して異常発熱を防止するものである。PTC素子には、チタン酸バリウム(BaTiO)系半導体セラミックス等を用いることができる。
なお、本実施の形態では、非水系二次電池として、コイン形及び円筒型の非水系二次電池を示したが、封止型非水系二次電池、角型非水系二次電池等様々な形状の非水系二次電池を用いることができる。また、正極、負極、及びセパレータが複数積層された構造、正極、負極、及びセパレータが捲回された構造であってもよい。
本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせて実施することが可能である。
(実施の形態4)
本発明の一態様に係る非水系二次電池は、電力により駆動する様々な電気機器の電源として用いることができる。
本発明の一態様に係る非水系二次電池を用いた電気機器の具体例として、テレビ、モニタ等の表示装置、照明装置、デスクトップ型やノート型等のパーソナルコンピュータ、ワードプロセッサ、DVD(Digital Versatile Disc)などの記録媒体に記憶された静止画又は動画を再生する画像再生装置、CD(Compact Disc)プレーヤやデジタルオーディオプレーヤ等の携帯型又は据置型の音響再生機器、携帯型又は据置型のラジオ受信機、テープレコーダやICレコーダ(ボイスレコーダ)等の録音再生機器、ヘッドホンステレオ、ステレオ、置き時計や壁掛け時計等の時計、コードレス電話子機、トランシーバ、携帯無線機、携帯電話、自動車電話、携帯型又は据置型のゲーム機、歩数計、電卓、携帯情報端末、電子手帳、電子書籍、電子翻訳機、マイクロフォン等の音声入力機器、スチルカメラやビデオカメラ等の写真機、電気シェーバ、電子レンジ等の高周波加熱装置、電気炊飯器、電気洗濯機、電気掃除機、温水器、扇風機、毛髪乾燥機、加湿器や除湿器やエアコンディショナー等の空気調和設備、食器洗い器、食器乾燥器、衣類乾燥器、布団乾燥器、電気冷蔵庫、電気冷凍庫、電気冷凍冷蔵庫、DNA保存用冷凍庫、懐中電灯、電動工具、煙感知器、補聴器、心臓ペースメーカ、携帯型X線撮影装置、放射線測定器、電気マッサージ器や透析装置等の健康機器や医療機器、などが挙げられる。さらに、誘導灯、信号機、ガスメータや水道メータ等の計量器、ベルトコンベア、エレベータ、エスカレータ、産業用ロボット、無線用中継局、携帯電話の基地局、電力貯蔵システム、電力の平準化やスマートグリッドのための蓄電装置等の産業機器が挙げられる。また、非水系二次電池からの電力を用いて電動機により推進する移動体なども、電気機器の範疇に含まれるものとする。上記移動体として、例えば、電気自動車(EV)、内燃機関と電動機を併せ持ったハイブリッド車(HEV)、プラグインハイブリッド車(PHEV)、これらのタイヤ車輪を無限軌道に変えた装軌車両、農業機械、電動アシスト自転車を含む原動機付自転車、自動二輪車、電動車椅子、電動カート、小型又は大型船舶、潜水艦、固定翼機や回転翼機等の航空機、ロケット、人工衛星、宇宙探査機や惑星探査機、宇宙船などが挙げられる。
なお、上記電気機器は、消費電力のほとんど全てを賄うための主電源として、本発明の一態様に係る非水系二次電池を用いることができる。あるいは、上記電気機器は、上記主電源や商用電源からの電力の供給が停止した場合に、電気機器への電力の供給を行うことができる無停電電源として、本発明の一態様に係る非水系二次電池を用いることができる。あるいは、上記電気機器は、上記主電源や商用電源からの電気機器への電力の供給と並行して、電気機器への電力の供給を行うための補助電源として、本発明の一態様に係る非水系二次電池を用いることができる。
図16に、上記電気機器の具体的な構成を示す。図16において、表示装置8000は、本発明の一態様に係る非水系二次電池8004を用いた電気機器の一例である。具体的に、表示装置8000は、TV放送受信用の表示装置に相当し、筐体8001、表示部8002、スピーカー部8003、非水系二次電池8004等を有する。本発明の一態様に係る非水系二次電池8004は、筐体8001の内部に設けられている。表示装置8000は、商用電源から電力の供給を受けることもできるし、非水系二次電池8004に蓄積された電力を用いることもできる。よって、停電などにより商用電源から電力の供給が受けられない時でも、本発明の一態様に係る非水系二次電池8004を無停電電源として用いることで、表示装置8000の利用が可能となる。
表示部8002には、液晶表示装置、有機EL素子などの発光素子を各画素に備えた発光装置、電気泳動表示装置、DMD(Digital Micromirror Device)、PDP(Plasma Display Panel)、FED(Field Emission Display)などの、半導体表示装置を用いることができる。
なお、表示装置には、TV放送受信用の他、パーソナルコンピュータ用、広告表示用など、全ての情報表示用表示装置が含まれる。
図16において、据え付け型の照明装置8100は、本発明の一態様に係る非水系二次電池8103を用いた電気機器の一例である。具体的に、照明装置8100は、筐体8101、光源8102、非水系二次電池8103等を有する。図16では、非水系二次電池8103が、筐体8101及び光源8102が据え付けられた天井8104の内部に設けられている場合を例示しているが、非水系二次電池8103は、筐体8101の内部に設けられていてもよい。照明装置8100は、商用電源から電力の供給を受けることもできるし、非水系二次電池8103に蓄積された電力を用いることもできる。よって、停電などにより商用電源から電力の供給が受けられない時でも、本発明の一態様に係る非水系二次電池8103を無停電電源として用いることで、照明装置8100の利用が可能となる。
なお、図16では天井8104に設けられた据え付け型の照明装置8100を例示しているが、本発明の一態様に係る非水系二次電池は、天井8104以外、例えば側壁8105、床8106、窓8107等に設けられた据え付け型の照明装置に用いることもできるし、卓上型の照明装置などに用いることもできる。
また、光源8102には、電力を利用して人工的に光を得る人工光源を用いることができる。具体的には、白熱電球、蛍光灯などの放電ランプ、LEDや有機EL素子などの発光素子が、上記人工光源の一例として挙げられる。
図16において、室内機8200及び室外機8204を有するエアコンディショナーは、本発明の一態様に係る非水系二次電池8203を用いた電気機器の一例である。具体的に、室内機8200は、筐体8201、送風口8202、非水系二次電池8203等を有する。図16では、非水系二次電池8203が、室内機8200に設けられている場合を例示しているが、非水系二次電池8203は室外機8204に設けられていてもよい。あるいは、室内機8200と室外機8204の両方に、非水系二次電池8203が設けられていてもよい。エアコンディショナーは、商用電源から電力の供給を受けることもできるし、非水系二次電池8203に蓄積された電力を用いることもできる。特に、室内機8200と室外機8204の両方に非水系二次電池8203が設けられている場合、停電などにより商用電源から電力の供給が受けられない時でも、本発明の一態様に係る非水系二次電池8203を無停電電源として用いることで、エアコンディショナーの利用が可能となる。
なお、図16では、室内機と室外機で構成されるセパレート型のエアコンディショナーを例示しているが、室内機の機能と室外機の機能とを1つの筐体に有する一体型のエアコンディショナーに、本発明の一態様に係る非水系二次電池を用いることもできる。
図16において、電気冷凍冷蔵庫8300は、本発明の一態様に係る非水系二次電池8304を用いた電気機器の一例である。具体的に、電気冷凍冷蔵庫8300は、筐体8301、冷蔵室用扉8302、冷凍室用扉8303、非水系二次電池8304等を有する。図16では、非水系二次電池8304が、筐体8301の内部に設けられている。電気冷凍冷蔵庫8300は、商用電源から電力の供給を受けることもできるし、非水系二次電池8304に蓄積された電力を用いることもできる。よって、停電などにより商用電源から電力の供給が受けられない時でも、本発明の一態様に係る非水系二次電池8304を無停電電源として用いることで、電気冷凍冷蔵庫8300の利用が可能となる。
なお、上述した電気機器のうち、電子レンジ等の高周波加熱装置、電気炊飯器などの電気機器は、短時間で高い電力を必要とする。よって、商用電源では賄いきれない電力を補助するための補助電源として、本発明の一態様に係る非水系二次電池を用いることで、電気機器の使用時に商用電源のブレーカーが落ちるのを防ぐことができる。
また、電気機器が使用されない時間帯、特に、商用電源の供給元が供給可能な総電力量のうち、実際に使用される電力量の割合(電力使用率と呼ぶ)が低い時間帯において、非水系二次電池に電力を蓄えておくことで、上記時間帯以外において電力使用率が高まるのを抑えることができる。例えば、電気冷凍冷蔵庫8300の場合、気温が低く、冷蔵室用扉8302、冷凍室用扉8303の開閉が行われない夜間において、非水系二次電池8304に電力を蓄える。そして、気温が高くなり、冷蔵室用扉8302、冷凍室用扉8303の開閉が行われる昼間において、非水系二次電池8304を補助電源として用いることで、昼間の電力使用率を低く抑えることができる。
本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせて実施することが可能である。
(実施の形態5)
次に、電気機器の一例である携帯情報端末について、図17を用いて説明する。
図17(A)及び図17(B)は2つ折り可能なタブレット型端末である。図17(A)は、開いた状態であり、タブレット型端末は、筐体9630、表示部9631a、表示部9631b、表示モード切り替えスイッチ9034、電源スイッチ9035、省電力モード切り替えスイッチ9036、留め具9033、操作スイッチ9038、を有する。
表示部9631aは、一部をタッチパネルの領域9632aとすることができ、表示された操作キー9638にふれることでデータ入力をすることができる。なお、表示部9631aにおいては、一例として半分の領域が表示のみの機能を有する構成、もう半分の領域がタッチパネルの機能を有する構成を示しているが該構成に限定されない。表示部9631aの全ての領域がタッチパネルの機能を有する構成としてもよい。例えば、表示部9631aの全面にキーボードボタンを表示させてタッチパネルとし、表示部9631bを表示画面として用いることができる。
また、表示部9631bにおいても表示部9631aと同様に、表示部9631bの一部をタッチパネルの領域9632bとすることができる。また、タッチパネルのキーボード表示切り替えボタン9639が表示されている位置に指やスタイラスなどでふれることで表示部9631bにキーボードボタンを表示することができる。
また、タッチパネルの領域9632aとタッチパネルの領域9632bに対して同時にタッチ入力することもできる。
また、表示モード切り替えスイッチ9034は、縦表示または横表示などの表示の向きを切り替え、白黒表示やカラー表示の切り替えなどを選択できる。省電力モード切り替えスイッチ9036は、タブレット型端末に内蔵している光センサで検出される使用時の外光の光量に応じて表示の輝度を最適なものとすることができる。タブレット型端末は光センサだけでなく、ジャイロ、加速度センサ等の傾きを検出するセンサなどの他の検出装置を内蔵させてもよい。
また、図17(A)では表示部9631bと表示部9631aの表示面積が同じ例を示しているが特に限定されず、一方のサイズともう一方のサイズが異なっていてもよく、表示の品質も異なっていてもよい。例えば一方が他方よりも高精細な表示を行える表示パネルとしてもよい。
図17(B)は、閉じた状態であり、タブレット型端末は、筐体9630、太陽電池9633、充放電制御回路9634、バッテリー9635、DCDCコンバータ9636を有する。なお、図17(B)では充放電制御回路9634の一例としてバッテリー9635、DCDCコンバータ9636を有する構成について示しており、バッテリー9635は、上記実施の形態で説明した非水系二次電池を有している。
なお、タブレット型端末は2つ折り可能なため、未使用時に筐体9630を閉じた状態にすることができる。従って、表示部9631a、表示部9631bを保護できるため、耐久性に優れ、長期使用の観点からも信頼性の優れたタブレット型端末を提供できる。
また、この他にも図17(A)及び図17(B)に示したタブレット型端末は、様々な情報(静止画、動画、テキスト画像など)を表示する機能、カレンダー、日付又は時刻などを表示部に表示する機能、表示部に表示した情報をタッチ入力操作又は編集するタッチ入力機能、様々なソフトウェア(プログラム)によって処理を制御する機能、等を有することができる。
タブレット型端末の表面に装着された太陽電池9633によって、電力をタッチパネル、表示部、または映像信号処理部等に供給することができる。なお、太陽電池9633は、筐体9630の一面または二面に設けることによって効率的なバッテリー9635の充電を行う構成とすることができるため好適である。なおバッテリー9635としては、本発明の一態様に係る非水系二次電池を用いると、小型化を図れる等の利点がある。
また、図17(B)に示す充放電制御回路9634の構成、及び動作について図17(C)にブロック図を示し説明する。図17(C)には、太陽電池9633、バッテリー9635、DCDCコンバータ9636、コンバータ9637、スイッチSW1、スイッチSW2及びスイッチSW3、表示部9631について示しており、バッテリー9635、DCDCコンバータ9636、コンバータ9637、スイッチSW1、スイッチSW2及びスイッチSW3が、図17(B)に示す充放電制御回路9634に対応する箇所となる。
まず、外光により太陽電池9633により発電がされる場合の動作の例について説明する。太陽電池で発電した電力は、バッテリー9635を充電するための電圧となるようDCDCコンバータ9636で昇圧または降圧がなされる。そして、表示部9631の動作に太陽電池9633からの電力が用いられる際にはスイッチSW1をオンにし、コンバータ9637で表示部9631に必要な電圧に昇圧または降圧をすることとなる。また、表示部9631での表示を行わない際には、スイッチSW1をオフにし、スイッチSW2をオンにしてバッテリー9635の充電を行う構成とすればよい。
なお、太陽電池9633については、発電手段の一例として示したが、特に限定されず、圧電素子(ピエゾ素子)や熱電変換素子(ペルティエ素子)などの他の発電手段によるバッテリー9635の充電を行う構成であってもよい。例えば、無線(非接触)で電力を送受信して充電する無接点電力伝送モジュールや、また他の充電手段を組み合わせて行う構成としてもよい。
また、上記実施の形態で説明した非水系二次電池を具備していれば、図17に示した電気機器に特に限定されないことは言うまでもない。
(実施の形態6)
さらに、電気機器の一例である移動体の例について、図18を用いて説明する。
実施の形態1乃至3で説明した非水系二次電池を制御用のバッテリーに用いることができる。制御用のバッテリーは、プラグイン技術や非接触給電による外部からの電力供給により充電をすることができる。なお、移動体が鉄道用電気車両の場合、架線や導電軌条からの電力供給により充電をすることができる。
図18(A)及び(B)は、電気自動車の一例を示している。電気自動車9700には、非水系二次電池9701が搭載されている。非水系二次電池9701の電力は、制御回路9702により出力が調整されて、駆動装置9703に供給される。制御回路9702は、図示しないROM、RAM、CPU等を有する処理装置9704によって制御される。
駆動装置9703は、直流電動機若しくは交流電動機単体、又は電動機と内燃機関と、を組み合わせて構成される。処理装置9704は、電気自動車9700の運転者の操作情報(加速、減速、停止など)や走行時の情報(上り坂や下り坂等の情報、駆動輪にかかる負荷情報など)の入力情報に基づき、制御回路9702に制御信号を出力する。制御回路9702は、処理装置9704の制御信号により、非水系二次電池9701から供給される電気エネルギーを調整して駆動装置9703の出力を制御する。交流電動機を搭載している場合は、図示していないが、直流を交流に変換するインバータも内蔵される。
非水系二次電池9701は、プラグイン技術による外部からの電力供給により充電することができる。例えば、商用電源から電源プラグを通じて非水系二次電池9701に充電する。充電は、AC/DCコンバータ等の変換装置を介して、外部からの電力を一定の電圧値を有する直流定電圧に変換して行うことができる。非水系二次電池9701として、本発明の一態様に係る非水系二次電池を搭載することで、充電時間の短縮化などに寄与することができ、利便性を向上させることができる。また、充放電速度の向上により、電気自動車9700の加速力の向上に寄与することができ、電気自動車9700の性能の向上に寄与することができる。また、非水系二次電池9701の特性の向上により、非水系二次電池9701自体を小型軽量化できれば、車両の軽量化に寄与するため、燃費を向上させることができる。
本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせて実施することが可能である。
以下、本発明について実施例及び比較例を用いて具体的に説明する。なお、本発明は以下の実施例のみに限定されるものではない。
(実施例1)
負極の形状を確認するために、以下に説明する条件で試料Aを作製した。
基板として(001)面を表面に有する単結晶シリコンウェハを用い、このシリコンウェハの上面にスパッタリング法によりチタン膜を約5μm堆積した。チタン膜のスパッタリング法による形成は、チタンターゲットを用い、アルゴン(Ar)を流量20sccm、電源電力12kW、圧力0.1Paで行った。この後、フォトリソグラフィによりフォトマスクパターンを形成し、トライエッチング法によりフォトマスクパターンから露出したチタン膜をエッチングした。エッチングは、ソース(13.56MHz)/バイアス(3.2MHz)を1000/50W、圧力を0.67Pa、エッチングガスをBClとClの混合ガスとしてその流量を150/50sccm、基板温度を−10℃とした条件下で600秒行った。当該エッチングにより、基礎部及び突起部を有する負極の集電体を形成した。なお、形成した突起部の高さは約4〜4.2μmであった。
この後、集電体上に負極活物質となるシリコンを減圧CVD法により形成した。シリコン層の成膜は、モノシラン(SiH)と窒素(N)とをそれぞれ300sccmの流量で反応室に導入し、圧力20Pa、基板温度650℃の条件で、10分かけて行った。これにより、集電体上に400nm程度のシリコンからなる負極活物質層を形成した。
上記のようにして作製した負極のSEM(Scanning Electron Microscope)による観察写真を、図19(A)乃至(C)に示す。図19(A)乃至(C)は、それぞれ5000倍、1万倍、3万倍で試料表面を鳥瞰したものである。図19(A)において、複数の突起500が縦横マトリクス状に配列している様子が確認できる。これら突起は、チタンにより形成された突起部が負極活物質であるシリコンにより被覆されたものである。さらに拡大すると、図19(B)及び(C)に示すように、突起500にそれぞれ複数のウィスカ501が形成されていることがわかる。
本実施例においては、ウィスカ501の先端が尖った針状の形状となっている。ウィスカ501はそれぞれの突起からランダムに発生し、ランダムな方向に伸長している。複数のウィスカ501がそれぞれの突起500から伸長し、複数の突起500の隙間に設けられたことで、負極活物質層の表面積が増大した。
なお、負極活物質の成膜時間を10分とした試料Aに対し、成膜時間を15分としその他の条件を同一とした試料Cについての観察結果を、図21(A)乃至(C)に示す。図21(A)乃至(C)は、図19(A)乃至(C)に示す写真とそれぞれ同倍率である。
成膜時間を15分とした試料Cの負極においては、マトリクス状に形成したチタン膜を被覆するように、突起503から複数のウィスカ504が成長していること確認できる。特にシリコンの成膜時間を10分とした試料Aと比較して、ウィスカ504は太く長く成長していることがわかる。この場合においても、負極活物質層が表面積の増大に寄与している。
図26に、試料Aにおける突起500の断面TEM(Transmission Electron Microscope)観察像を示す。図26(A)は、位相コントラスト像(TE像)であり、図26(B)は原子番号によりコントラスト差を強調したZコントラスト像(ZC像)である。チタン膜の基礎部600上に、高さが約4μmの突起部601が観察される。基礎部600及び突起部601の周囲をシリコンからなる負極活物質層602が覆っている。負極活物質層602は複数のウィスカ603を有している。ウィスカ603は、特に突起部601の側面から横方向に伸長していることがわかる。なお、負極活物質層602上には炭素膜を成膜しているが、これはTEM観察を行うために形成したものであり、負極の構成とは関係しない。
図27に、試料Aのウィスカの結晶性を評価するための電子線回折分析結果を示す。図27(A)に示すZC像は試料Aの突起部を拡大したものであり、ウィスカ604が確認できる。当該ウィスカ604において、DIFF1、DIFF2、DIFF3で示す3点において電子線回折による結晶性の評価を行った。図27(B)乃至(D)は電子線回折像であり、図27(A)におけるDIFF1乃至3の測定箇所に対応する回折像である。DIFF1乃至DIFF3のいずれの箇所に置いても、結晶性を示す回折スポットが得られているため、当該ウィスカ604は全体的に多結晶のシリコンであると考えられる。
(比較例1)
実施例1に記載の試料Aの負極活物質層の成膜時間は、10分であった。これに対し、負極活物質層の成膜時間を1分とした試料Bの観察結果を、比較例1として説明する。
試料Bは、減圧CVD法による成膜時間を1分とした以外の条件については、試料Aと同じ作製方法により作製したものである。試料BのSEMによる観察写真を図20に示す。図20(A)乃至(C)は、図19(A)乃至(C)に示す写真とそれぞれ同倍率である。
図20(A)及び(B)により、複数の突起502がマトリクス状に配列している様子が確認できる。チタンからなる突起部がシリコン膜により被覆されたものである。しかし、本比較例においては、図20(C)の観察写真に示されるように、ウィスカが形成されていないことがわかる。すなわち、基板温度650℃とした場合、1分という短時間ではウィスカは成長しないことが明らかになった。
(比較例2)
一方で、負極活物質層の成膜時間は30分としたのが、本比較例における試料Dである。成膜時間を変更したことの他は、試料Aの負極作製条件と同一の条件で試料Dを作製した。試料DのSEMによる観察写真を、図22(A)乃至(C)に示す。図22(A)乃至(C)は、図19(A)乃至(C)に示す写真とそれぞれ同倍率である。
成膜時間を30分とした試料Dの負極においては、マトリクス状に形成したチタン膜からなる突起構造体が全く確認できない。図22(B)又は(C)に示すように、ウィスカ505が例えば700nm程度の径にまで太く成長しており、ウィスカ505によってチタン膜からなる突起は埋没していると考えられる。
(評価)
実施例1、比較例1、2から、基板温度650℃とした場合、負極活物質層であるシリコン膜の成膜時間は、1分ではウィスカが成長するには短く、30分では目的とする構造を逸脱する程ウィスカが成長するため長いということが分かった。従って、実施例1に記載の試料Aの条件のごとく、成膜時間を10分〜15分程度の条件とすることが好ましい。
(比較例3)
次に、基板温度を変更して試料のSEMによる観察を行った。試料Aでは負極活物質層の成膜の際の基板温度を650℃としたのに対し、本比較例で示す試料Eでは基板温度を550℃、試料Fでは基板温度を600℃とした。その他の条件は試料Aの負極の作製条件と同一としたが、試料Eの成膜においては圧力を150Paとして行った。
試料EのSEMによる観察写真を、図23(A)乃至(C)に示す。図23(A)乃至(C)は、図19(A)乃至(C)に示す写真とそれぞれ同倍率である。
図23(A)及び(B)に示すように、チタン膜を負極活物質層で被覆した突起506がマトリクス状に配列していることがわかる。しかし、図23(B)及び(C)に示すSEM写真のように、突起506にはウィスカの発生は確認されなかった。
次に、試料FのSEMによる観察写真を、図24(A)乃至(C)に示す。図24(A)乃至(C)も、図19(A)乃至(C)に示す写真とそれぞれ同倍率である。
図24(A)及び(B)に示すように、チタン膜を負極活物質層で被覆した突起507がマトリクス状に配列していることがわかる。図24(C)に示す突起507の一つを拡大したSEM写真をみると、突起507に複数のウィスカ508の形成が確認できる。しかし、ウィスカ508は、試料Aにおいて形成されたウィスカ501に比べ、細く短い。このためウィスカ508は、負極活物質層の表面積の拡張には寄与するところが少なく、放電容量の増大にもつながらない。
以上のことから、試料Aにおける負極活物質層の成膜条件である基板温度650℃は、試料Eの作製の際の550℃、及び試料Fの600℃と比較し、電池性能の点において適しているといえる。
従って、負極活物質層に最適なウィスカを形成するために、減圧CVD法による成膜条件を、基板温度が600℃を超える温度とし、5分〜15分程度の時間で成膜することが好ましい。
(実施例2)
次に、図2(B)で示す保護層105を有する負極を実際に試料Gとして作製した。試料Gの作製は試料Aの作製方法に準ずるが、保護層をハードマスクとしてスパッタリング法により堆積した1μm厚のチタン膜をエッチングし、突起部を形成する点で異なる。また、試料Gはガラス基板を用いた。保護層には、酸化窒化珪素膜を用いた。酸化窒化珪素膜の作製はプラズマCVDを用いて行い、その形成条件は、原料ガスであるSiH及びNOの流量をそれぞれ27sccm、1000sccmとし、RF電力35W(周波数:13.56MHz)、圧力133Pa、電極間隔20mmとした。
この保護層を、ICP(Inductively Coupled Plasma:誘導結合型プラズマ)エッチング法を用いてエッチングし、分離されたパターンからなる保護層105を形成した。ICPエッチングは、ICP(13.56MHz)/バイアス(3.2MHz)を475/300W、圧力を3.5Pa、エッチングガスをCHF、He、CHの混合ガスとしてその流量を22.5/127.5/5sccm、基板温度を70℃とした条件下で291秒かけて行った。
この後、当該保護層105をハードマスクとして用い、ICP(13.56MHz)/バイアス(3.2MHz)を450/100W、圧力を1.9Pa、エッチングガスをBCl、Clの混合ガスとしてその流量を60/20sccm、基板温度を70℃とした条件でチタン膜をエッチングして、突起を形成した。さらにチタン膜及び酸化窒化珪素膜を覆うように、試料Aと同一の条件により負極活物質層としてのシリコン層を形成した。
試料GのSEMによる観察写真を、図25(A)乃至(C)に示す。図25(A)乃至(C)は、図19(A)乃至(C)に示す写真とそれぞれ同倍率である。
図25(A)及び(B)に示すように、マトリクス状に配列した突起509が確認できる。拡大した図25(C)の写真を見ると、突起509の上部がドーム状になっていることがわかる。当該部分は保護層である酸化窒化珪素膜にシリコン層が被覆した部分510である。突起には、試料Aと同様にウィスカ511が確認できるが、突起部の上部である保護層上の負極活物質層にはウィスカは形成されていない。
このことから、保護層を形成した場合には、突起の上面に比較的平坦な面を形成することができることが明らかである。よって、保護層を突起部上部に形成した場合には、上述したように図13に示すようなスペーサを用いた二次電池を形成することができる。突起部上部の平坦面によってスペーサを支持することができ、二次電池全体の機械的強度を維持することが可能となるためである。
100 負極
101 負極集電体
101a 基礎部
101b 突起部
101c 突起部
102 負極活物質層
102a ウィスカ
103 丸み
104 曲率
105 保護層
110 突起
111 突起
112 突起
113 突起
114 突起
115 突起
116 突起
117 突起
118 突起
120 フォトレジストパターン
121 集電体材料
123 モールド
124 樹脂
125 集電体材料
126 導電層
127 グラフェン
201 容器
202 酸化グラフェン溶液
203 被形成物
204 導電体
205 容器
206 電解液
207 導電体
208 対極
300 正極
301 正極集電体
302 正極活物質層
303 正極活物質
304 グラフェン
305 スペーサ
306 非水電解液
500 突起
501 ウィスカ
502 突起
503 突起
504 ウィスカ
505 ウィスカ
506 突起
507 突起
508 ウィスカ
509 突起
510 部分
511 ウィスカ
600 基礎部
601 突起部
602 負極活物質層
603 ウィスカ
604 ウィスカ
6000 コイン形の非水系二次電池
6001 負極缶
6002 ガスケット
6003 正極缶
6004 負極集電体
6005 負極活物質層
6006 セパレータ
6007 正極活物質層
6008 正極集電体
6009 負極
6010 正極
7000 円筒型の非水系二次電池
7001 正極キャップ
7002 電池缶
7003 正極端子
7004 正極
7005 セパレータ
7006 負極
7007 負極端子
7008 絶縁板
7009 絶縁板
7010 ガスケット
7011 PTC素子
7012 安全弁機構
8000 表示装置
8001 筐体
8002 表示部
8003 スピーカー部
8004 非水系二次電池
8100 照明装置
8101 筐体
8102 光源
8103 非水系二次電池
8104 天井
8105 側壁
8106 床
8107 窓
8200 室内機
8201 筐体
8202 送風口
8203 非水系二次電池
8204 室外機
8300 電気冷凍冷蔵庫
8301 筐体
8302 冷蔵室用扉
8303 冷凍室用扉
8304 非水系二次電池
9033 留め具
9034 スイッチ
9035 電源スイッチ
9036 スイッチ
9038 操作スイッチ
9630 筐体
9631 表示部
9631a 表示部
9631b 表示部
9632a 領域
9632b 領域
9633 太陽電池
9634 充放電制御回路
9635 バッテリー
9636 DCDCコンバータ
9637 コンバータ
9638 操作キー
9639 ボタン
9700 電気自動車
9701 非水系二次電池
9702 制御回路
9703 駆動装置
9704 処理装置
SW1 スイッチ
SW2 スイッチ
SW3 スイッチ

Claims (17)

  1. 集電体と、活物質層と、を有し、
    前記集電体は、実質的に垂直方向に延びた複数の突起部と、前記複数の突起部と接続する基礎部と、を有し、
    前記突起部及び前記基礎部は、チタンを含む共通の材料からなり、
    前記突起部の上面及び側面、並びに前記基礎部の上面は前記活物質層に覆われており、
    前記活物質層は、複数のウィスカを有することを特徴とする非水系二次電池用負極。
  2. 集電体と、活物質層と、を有し、
    前記集電体は、実質的に垂直方向に延びた複数の突起部と、前記複数の突起部と接続する基礎部と、を有し、
    前記突起部及び前記基礎部は、チタンを含む共通の材料からなり、
    前記突起部の上面及び側面、並びに前記基礎部の上面は前記活物質層に覆われており、
    前記活物質層は、複数のウィスカを有し、
    前記活物質層は、グラフェンに覆われていることを特徴とする非水系二次電池用負極。
  3. 請求項1又は2において、
    前記活物質層は、非晶質シリコン、微結晶シリコン、多結晶シリコン又はこれらの組み合わせからなることを特徴とする非水系二次電池用負極。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一項において、
    前記突起部は、アスペクト比が0.2以上2000以下であることを特徴とする非水系二次電池用負極。
  5. 請求項1乃至4のいずれか一項において、
    前記突起部の形状は、柱状、錐体状、又は板状であることを特徴とする非水系二次電池用負極。
  6. 請求項1乃至5のいずれか一項において、
    前記突起部の先端に保護層を有することを特徴とする非水系二次電池用負極。
  7. 請求項1乃至6のいずれか一項において、
    前記活物質層のうち前記保護層に接する部分には、前記ウィスカを有さないことを特徴とする非水系二次電池用負極。
  8. 請求項1乃至7のいずれか一項に記載の非水系二次電池用負極を有する非水系二次電池。
  9. チタンを含む集電体材料上にフォトレジストパターンを形成し、
    前記フォトレジストパターンをマスクにして前記集電体材料をエッチングして、基礎部及び複数の突起部を有する集電体を形成し、
    前記突起部の上面及び側面、並びに前記基礎部の上面に、複数のウィスカを有する活物質層を形成することを特徴とする非水系二次電池用負極の製造方法。
  10. チタンを含む集電体材料上に保護層を形成し、
    前記保護層上にフォトレジストパターンを形成し、
    前記フォトレジストパターンをマスクにして前記保護層をエッチングし、
    前記エッチングした保護層をマスクにして前記集電体材料をエッチングして、基礎部及び複数の突起部を有する集電体を形成し、
    前記突起部の上面及び側面、並びに前記基礎部の上面に、複数のウィスカを有する活物質層を形成することを特徴とする非水系二次電池用負極の製造方法。
  11. 請求項10において、
    前記活物質層のうち前記保護層に接する部分には、前記ウィスカを有さないことを特徴とする非水系二次電池用負極の製造方法。
  12. 基礎部及び複数の突起部を有する集電体材料上に導電層を形成して、基礎部及び複数の突起部を有する集電体を形成し、
    前記突起部の上面及び側面、並びに前記基礎部の上面に、複数のウィスカを有する活物質層を形成することを特徴とする非水系二次電池用負極の製造方法。
  13. 請求項9乃至12のいずれか一項において、
    前記活物質層上にグラフェンを形成することを特徴とする非水系二次電池用負極の製造方法。
  14. 請求項13において、
    前記グラフェンは、電気泳動法により前記活物質層上に電着した酸化グラフェンを還元することで形成することを特徴とする非水系二次電池用負極の製造方法。
  15. 請求項14において、
    前記還元は、真空又は不活性ガスの雰囲気中で、150℃以上に加熱することで行われることを特徴とする非水系二次電池用負極の製造方法。
  16. 請求項14において、
    前記還元は、前記活物質層を有する前記集電体と対極とを浸漬した電解液中で、前記酸化グラフェンの還元反応が生じる電位を前記集電体に供給して行われることを特徴とする非水系二次電池用負極の製造方法。
  17. 請求項16において、
    前記集電体に供給する電位は、リチウムの酸化還元電位を基準にして、1.6V以上2.4V以下であることを特徴とする非水系二次電池用負極の製造方法。
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