JP5377946B2 - リチウム電池正極用複合材料 - Google Patents

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Description

本発明は、正極活物質粒子と繊維状炭素とを含む複合粒子から構成されるリチウム電池正極用複合材料、並びにこれを用いた正極および電池に関する。
近年、石油資源の高騰、国際的な地球環境保護運動の高まりを背景として、電気自動車、ハイブリッド自動車、燃料電池車の導入を促進すべく研究が行われている。これらの駆動システムには、補助用電源としてバッテリーが不可欠であり、しかも自動車の急発進急加速に追随できる高出力な電池が望まれている。また、車への重量負荷、燃費向上の観点から、エネルギー密度の高い電池が望まれる。このような背景から、二次電池の中で最もエネルギー密度が高く、かつ高出力を発現できるリチウムイオン二次電池が有望視されている。
一般にリチウムイオン二次電池は、リチウムイオン含有酸化物を含む正極と、炭素物質を含む負極とで電極が構成されている。正極では、リチウムイオン含有酸化物(正極活物質)自体の導電性が低いことから、導電性を向上させるために、カーボンブラックやカーボンファイバー等の導電材が添加されている。カーボンファイバーにおいては、近年、気相法による繊維径がナノオーダーのVGCF(登録商標)やカーボンナノチューブが開発され、電池用途への応用が検討されている。
例えば特許文献1では、正極活物質、カーボンナノチューブ、グラファイトおよびバインダーを混合してペースト状にしたものを塗布し、電池電極を作製した例が開示されている。
また、特許文献2には、粒径5〜30μmの球状正極活物質とカーボンナノファイバーを遠心ボールミルで機械的に強いせん断力を加えながら混合し、カーボンナノファイバーを分断して活物質表面に付着させる手法が試みられている。
更に、特許文献3には、遷移金属化合物とリチウム化合物とを混合・焼成して得られた正極活物質と、炭素粉等の導電助剤とを噴霧乾燥して複合化するリチウム電池正極用複合材料の製造方法が開示されている。
特開平11−283629号公報 特開2006−164859号公報 特開2003−173777号公報
しかしながら、カーボンナノチューブのような繊維状炭素は、繊維状炭素同士が絡み合って糸玉状になっているため、特許文献1に記載されたような混合方法では、繊維状炭素をほぐして均一に正極活物質と混合することは非常に困難であり、カーボンナノチューブのポテンシャルを十分に引き出すことができない。
また、特許文献2に開示されているように、遠心ボールミルで機械的に強いせん断力を加えながら混合する方法では、カーボンナノファイバーが分断してしまうため、カーボンナノファイバーの特徴である高いアスペクト比による長距離の導電パスが阻害されてしまうという問題がある。
更に、特許文献3に記載の正極用複合材料の製造方法においても、噴霧乾燥に用いるスラリーを調製する際に繊維状炭素を正極活物質と均一に混合することが困難であるため、この製造方法における導電助剤として、炭素粉に代えて繊維状炭素を用いることは困難であった。
そこで、本発明の目的は、高速放電特性に優れたリチウム電池を与える、Liの拡散経路が十分確保され、導電性が高い、リチウム電池正極用複合材料、並びにこれを用いた正極および電池を提供することにある。
本発明者らは、溶媒中に正極活物質粒子と繊維状炭素とが十分に分散したスラリーを用いて噴霧造粒することで、前記正極活物質粒子が前記繊維状炭素により保持されている造粒物が得られ、この造粒物が高速放電特性に優れた正極用複合材料となることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明のリチウム電池正極用複合材料は、正極活物質粒子と繊維状炭素とを含む複合粒子から構成されるリチウム電池正極用複合材料であって、前記複合粒子は、前記正極活物質粒子が前記繊維状炭素により保持されている形態を有するリチウム電池正極用複合材料である。
更に、本発明は、上記のようなリチウム電池正極用複合材料を用いた正極および電池に関する。
本発明のリチウム電池正極用複合材料は、正極活物質粒子が繊維状炭素により保持されているため、Liの拡散経路が十分確保され、導電性が高い。よって、本発明によれば、高速放電特性に優れたリチウム電池正極用複合材料、正極および電池を提供できると考えられる。
本発明のリチウム電池正極用複合材料(以下、単に「正極用複合材料」という場合がある)は、正極活物質粒子と繊維状炭素とを含む複合粒子から構成されるリチウム電池正極用複合材料であって、前記正極活物質粒子が前記繊維状炭素により保持されているリチウム電池正極用複合材料である。ここで、「正極活物質粒子が繊維状炭素により保持されている」とは、複合粒子に含まれる正極活物質粒子が繊維状炭素により保持されて、複合粒子の形状が維持される状態を指し、後述する方法により確認することができる。
本発明の正極用複合材料は、正極活物質粒子が繊維状炭素により保持されていることから、全ての正極活物質粒子に導電ネットワークが構築されており、非常に導電性が高い正極用複合材料を提供できると考えられる。また、繊維状炭素の絡み合いによって微細な空間ができ易いため、この隙間を介してリチウムイオンがスムーズに拡散できることから、高速放電に優れた正極用複合材料を提供できると考えられる。さらに、繊維状炭素からなるネットが正極活物質を包み込んでいる場合は、このネットが柔軟性に富んでいるため、電極を作製する際のプレスにより球形構造が押しつぶされて崩壊しづらい安定な構造を有している。このようなことから、本発明の正極用複合材料は、従来のものよりも電池の内部抵抗を小さくできるため、高速放電特性に優れたリチウム電池を提供することができると考えられる。
つまり、本発明のリチウム電池正極用複合材料の複合粒子は、繊維状炭素の少なくとも一部が正極活物質粒子間隙に存在する形態を有することが好ましく、繊維状炭素の一部が正極活物質粒子間隙に存在するとともに、繊維状炭素が正極活物質粒子を網目状に包み込んだ形態を有することがより好ましい。このような形態は、後述する実施例で示すように、走査型電子顕微鏡観察により確認することができる。
正極活物質粒子の材料としては、従来公知の何れの材料も使用でき、例えば、LiMnなどのLi・Mn系複合酸化物、LiCoOなどのLi・Co系複合酸化物、LiNiOなどのLi・Ni系複合酸化物、LiFeOなどのLi・Fe系複合酸化物などが挙げられ、LiCoO,LiNiO,MnO,LiMnO,LiMn,LiMn2−y,α−V,TiS等が挙げられる。なかでも、熱的安定性、及び容量、出力特性に優れるという観点から、LiMnなどのマンガン酸リチウム,LiCoOなどのコバルト酸リチウム,LiNiOなどのニッケル酸リチウムが好ましく、LiMnなどのマンガン酸リチウムがより好ましい。
正極活物質粒子の平均凝集粒径としては、正極活物質の安全性や安定性、サイクル特性の観点から、好ましくは0.1μm以上、より好ましくは0.3μm以上、さらに好ましくは、0.5μm以上、また、反応性、高速放電性の観点から10μm以下が好ましく、より好ましくは5μm以下、さらに好ましくは2μm以下である。これらの観点を総合すると、0.1〜10μmが好ましく、0.3〜5μmがより好ましく、0.5〜2μmが更に好ましい。
本発明では、各繊維状炭素が絡み合いながら、正極活物質が繊維状炭素により保持されていることが好ましい。このような観点から、繊維状炭素は、繊維径が細く、かつ繊維長が長いことが好ましい。更に導電性の観点から、繊維状炭素の繊維長(L)に対する繊維径(W)のアスペクト比(L/W)は、好ましくは50以上、より好ましくは100以上、更に好ましくは200以上であり、繊維状炭素の分散性の観点から、好ましくは20000以下、より好ましくは5000以下、さらに好ましくは1000以下である。これらの観点を総合すると、50〜20000が好ましく、100〜5000がより好ましく、200〜1000が更に好ましい。
同様の観点から、繊維状炭素は絡まりやすい構造のものが好ましく、繊維状炭素の繊維長は、好ましくは50nm以上、より好ましくは500nm以上、更に好ましくは1μm以上である。また、本発明の正極用複合材料を用いて作製された、正極電極表面の平滑性の観点から、繊維状炭素の繊維長は、好ましくは50μm以下、より好ましくは30μm以下、さらに好ましくは10μm以下である。これらの観点を総合すると、50nm〜50μmが好ましく、500nm〜30μmがより好ましく、1μm〜10μmが更に好ましい。また、繊維状炭素の繊維長と正極活物質粒子の平均凝集粒径(活物質粒径)の比(繊維状炭素の繊維長/活物質粒径)は、正極活物質を繊維状炭素に保持する観点から、好ましくは1以上、より好ましくは2以上、さらに好ましくは3以上である。また、同様の観点から、繊維状炭素の繊維長と活物質粒径の比は、好ましくは500以下、より好ましくは100以下、さらに好ましくは20以下である。これらの観点を総合すると、繊維状炭素の繊維長と活物質粒径の比は、1〜500が好ましく、2〜100がより好ましく、3〜20がさらに好ましい。
同様の観点から、繊維状炭素は絡まりやすい構造のものが好ましいことと、正極活物質表面とより多く接触して導電経路を確立させる観点とから、繊維状炭素の繊維径は、1〜1000nmが好ましく、1〜500nmがより好ましく、1〜100nmが更に好ましく、1〜50nmが更により好ましい。
繊維状炭素としては、前述の好適なアスペクト比、繊維長及び繊維径を形成し易く、正極活物質粒子が繊維状炭素により保持された造粒物が噴霧造粒(後述する)により得られ易い観点から、ポリアクリロニトリル(PAN)に代表される高分子を原料とした繊維状炭素、ピッチを原料としたピッチ系繊維状炭素も使用可能であるが、カーボンナノチューブ(グラファイトの1枚面つまりグラフェンシートを巻いて筒状にした形状物(微粒子工学大系第I巻P651、株式会社フジ・テクノシステム))であって、炭化水素ガスを原料とする気相成長系の繊維状炭素(例えば、VGCF:登録商標)、アーク放電法、レーザー蒸発法、化学気相成長法などで得られる、いわゆる狭義のカーボンナノチューブ(以下、狭義のカーボンナノチューブを単にカーボンナノチューブという)などが好適に用いられる。より多くの導電経路を構築させる観点から、繊維径の細い繊維状炭素が好ましく、VGCFやカーボンナノチューブが好適に用いられ、中でもカーボンナノチューブを用いることが好ましい。カーボンナノチューブは、例えば、HeやAr、CH、Hなどの雰囲気ガスのもとで、黒鉛電極をアーク放電で蒸発させるアーク放電法、NiやCo、Y、Feなどの金属触媒を含む黒鉛電極をアーク放電で蒸発させるアーク放電法、Ni−Co、Pd−Rdなどの金属触媒を混ぜた黒鉛にYAGレーザーを当て蒸発させ、Arの気流で1200℃程度に加熱された電気炉に送り出すレーザー蒸発法、触媒にペンタカルボニル鉄(Fe(CO))を用い、一酸化炭素を高圧で熱分解するHiPCO法等で得ることができる。カーボンナノチューブのアスペクト比については、例えば、炭化水素(ベンゼン等)と水素ガス等の雰囲気ガスの濃度比が小さいほど、生成するカーボンナノチューブの直径が細くなり、アスペクト比が大きくなる。また、反応時間が短いほど、生成するカーボンナノチューブの直径が細くなり、やはりアスペクト比が大きくなる。
本発明では、繊維状炭素の他に導電性を補助する炭素材料を配合しても良い。そのような炭素材料としては、グラファイトやカーボンブラックが挙げられ、これらのうちカーボンブラックを使用することが好ましい。
カーボンブラックとしては、サーマルブラック法、アセチレンブラック法等の分解法、チャンネルブラック法、ガスファーネスブラック法、オイルファーネスブラック法、松煙法、ランプブラック法等の不完全燃焼法のいずれの製法で製造されたものも使用できるが、導電性の観点からファーネスブラック、アセチレンブラックが好ましく用いられる。これらは単独で用いても良いし、2種以上を混合しても良い。
カーボンブラックのDBP吸収量は、繊維状炭素の導電性を好適に補助する観点から、40〜300cm/100gが好ましく、80〜200cm/100gがより好ましい。
繊維状炭素以外の炭素材料を添加する場合、このような炭素材料は、繊維状炭素の分散液の中に添加し、繊維状炭素とともに正極活物質粒子と複合するのに使用しても良い。また、繊維状炭素と正極活物質の分散液から噴霧造粒により得られた粒子と炭素材料を混合して、造粒物間の導電性を向上させる目的に利用しても良い。
繊維状炭素以外の炭素材料の配合量は、導電性を補助しつつ造粒物の形状を保持する観点から、正極活物質100重量部に対して、好ましくは0〜20重量部、より好ましくは0〜10重量部、更に好ましくは0〜5重量部である。
炭素材料の総配合量、即ち、繊維状炭素と繊維状炭素以外の炭素材料の総配合量は、正極用複合材料の体積抵抗低減の観点から、正極活物質100重量部に対して、好ましくは0.02重量部以上、より好ましくは0.1重量部以上、更に好ましくは0.5重量部以上である。また、正極用複合材料のエネルギー密度を高める観点から、好ましくは30重量部以下、より好ましくは20重量部以下、更に好ましくは10重量部以下である。これらの観点を総合すると、0.02〜30重量部が好ましく、0.1〜20重量部がより好ましく、0.5〜10重量部が更に好ましい。
本発明の正極用複合材料の体積抵抗は、正極において十分な導電性を付与する観点から、0〜3Ω・cmが好ましく、0〜2Ω・cmがより好ましく、0〜1.5Ω・cmが更に好ましい。
また、本発明の正極用複合材料は、繊維状炭素の絡みあった部分の隙間や正極活物質間の隙間により微細孔が形成され易い。微細孔が形成される場合、Liの移動がスムーズに行われる観点から、0.01〜1μmの細孔容量の合計が、0.3ml/g以上が好ましく、0.4ml/g以上がより好ましい。また、バインダー添加量を少なくさせる観点から、0.01〜1μmの細孔容量の合計が0.8ml/g以下が好ましく、0.6ml/g以下がより好ましい。
本発明の正極用複合材料は、溶媒中に正極活物質粒子と繊維状炭素とが分散した状態で含まれるスラリーから噴霧造粒により得られることが好ましい。正極活物質が繊維状炭素により保持されている複合粒子を容易に形成できるからである。以下、本発明の正極用複合材料の好適な製造方法について説明する。
本発明の正極用複合材料は、主として2つの工程、好ましくは3つの工程により作製することができる。
まず[工程1]として、溶媒中に正極活物質粒子と繊維状炭素とが分散した状態で含まれるスラリーを得る。ここに、正極活物質粒子と繊維状炭素とが分散した状態とは、スラリーをサンプリングして所定濃度に希釈し、遅滞なく粒度分布測定装置で平均粒径を測定した際に、当該平均粒径が正極活物質の平均凝集粒径の130%以内になるような分散状態を指す(具体的な測定方法は後述する)。つまり、初期の凝集状態からこのような分散状態に移行することによって、測定される平均粒径が正極活物質の平均凝集粒径に近づき(繊維状炭素の分散状態もこの測定値に反映される)、この現象から上記の分散状態を把握することができる。
このように正極活物質粒子と繊維状炭素とが分散した状態にする方法としては、繊維状炭素を溶媒中、分散剤を用いて分散させた後、正極活物質、場合によっては繊維状炭素以外の炭素材料を添加して、超音波を照射する方法が例示できる。
次いで、[工程2]として、工程1で得たスラリーを用いて噴霧造粒し、正極活物質粒子と繊維状炭素とを含有する造粒物を得る。好ましくは、スラリーを噴霧し球形状の液滴を生成させた後、熱で溶媒を蒸発させて乾燥し、球形状の造粒粉体を形成する、いわゆる噴霧造粒を行うものである。
更に工程2において又は工程2の後に、任意の工程である[工程3]として、造粒物から分散剤を除去して複合粒子を得ることが好ましい。
繊維状炭素の選択については、次の観点が考慮される。即ち、本方法では各繊維が絡み合って糸玉状に凝集している繊維状炭素を、溶媒中で上述した分散状態にまで分散せしめ(好ましくは分散剤を用いて分散せしめ)、これに正極活物質を混合することで繊維状炭素と正極活物質粒子が均一に混合したスラリーを形成し、それを噴霧乾燥し、前記正極活物質と前記繊維状炭素とを有する球状の複合粒子を構築させるのが好ましい。本方法によれば、噴霧造粒を行う際に、正極活物質に分散した繊維状炭素が絡まることにより、近傍の正極活物質が繊維状炭素により保持される。この際、包み込んだ状態で保持されて球状粒子が形成されることが好ましい。このような観点から、繊維状炭素としては、上述したVGCFやカーボンナノチューブが好適に用いられ、中でもカーボンナノチューブを用いることが好ましい。
スラリー中の繊維状炭素の添加量は、正極材料の体積抵抗の低減の観点から、正極活物質100重量部に対して、好ましくは0.01重量部以上、より好ましくは、0.1重量部以上、更に好ましくは0.5重量部以上である。また、正極活物質表面への被覆性の観点から、好ましくは15重量部以下、より好ましくは10重量部以下、更に好ましくは5重量部以下である。これらの観点を総合すると、0.01〜15重量部が好ましく、0.1〜10重量部がより好ましく、0.5〜5重量部が更に好ましい。
また、上記3つの工程により得られた粒子間の導電パスを好適に構築するために、繊維状炭素以外の炭素材料を混合する工程を加えても良い。
工程1で分散に用いる溶媒としては、N−メチル−2−ピロリドン(NMP、沸点202℃)、ジメチルホルムアミド(DMF、沸点153℃)、ジメチルアセトアミド(沸点165℃)、水(沸点100℃)、メチルエチルケトン(沸点79.5℃)、テトラヒドロフラン(沸点66℃)、アセトン(沸点56.3℃)、エタノール(沸点78.3℃)、酢酸エチル(沸点76.8℃)などが好適に用いられる。コスト面および繊維状炭素の分散のさせやすさの観点から水を用いることが好ましい。
工程1における溶媒の使用量は、繊維状炭素を十分に分散させ、かつ、工程2である噴霧造粒を行うのに十分な粘度とする観点から、正極活物質100重量部に対して、60重量部以上が好ましく、100重量部以上がより好ましく、200重量部以上が更に好ましい。また、生産性の観点から、3000重量部以下が好ましく、2000重量部以下がより好ましく、1500重量部以下が更に好ましい。
工程1では、分散剤を使用することも可能であり、その場合に使用する分散剤としては、アニオン性、ノニオン性もしくはカチオン性界面活性剤、または高分子分散剤を用いることが出来る。繊維状炭素は、直径が1000nm以下の微細炭素繊維であるが、炭素六角網面のネットワークが円筒状に延びた構造を呈している。このような構造と親和性の良好な分散剤の特徴として、炭素六角網面とサイズおよび形状が似ている芳香族の官能基を有しているものや、脂環化合物を官能基ユニットとして有する分散剤が特に繊維状炭素に吸着しやすい性質を有しているため好ましい。つまり、使用する分散剤としては、芳香族環及び/又は脂肪族環を含む官能基を有することが好ましい。
高分子分散剤としては種々の化合物を使用することができるが、分子内に複数のカルボキシル基を有するポリカルボン酸系高分子分散剤、分子内に複数のアミノ基を有するポリアミン系高分子分散剤、分子内に複数のアミド基を有する高分子分散剤や分子内に複数の多環式芳香族化合物を含有する高分子分散剤が好ましい。
ポリカルボン酸系高分子分散剤としてはポリ(メタ)アクリル酸とその誘導体が挙げられる。その誘導体の具体例としては、(メタ)アクリル酸と(メタ)アクリル酸エステルとの共重合体、(メタ)アクリル酸と無水マレイン酸との共重合体、更にはそのアミド化物やエステル化物、(メタ)アクリル酸とマレイン酸との共重合体、および(メタ)アクリル酸ユニットを持つくし型ポリマー等を挙げることができる。なお、本明細書において、(メタ)アクリル酸は、アクリル酸又はメタクリル酸を指す。
ポリアミン系高分子分散剤としてはポリアルキレンアミンおよびその誘導体、ポリアリルアミンおよびその誘導体、ポリジアリルアミンおよびその誘導体、ポリN,N−ジメチルアミノエチルメタクリレートおよびその誘導体、更には上記ポリアミンにポリエステルをグラフトさせたくし型ポリマー等を挙げることができる。
分子内に複数のアミド基を有する高分子分散剤としては、縮合反応によって得られるポリアミドおよびその誘導体やポリビニルピロリドンおよびその誘導体やポリN,N−ジメチルアクリルアミドおよびその誘導体、更にはこれらポリアミドにポリエステルやポリアルキレングリコールをグラフトさせたくし型ポリマー等を挙げることができる。
多環式芳香族化合物を含有する高分子分散剤としては、ピレンやキナクリドン骨格を有するビニルモノマーと各種モノマーとの共重合体を挙げることが出来る。
これらの分散剤は単独で、あるいは二種以上の分散剤を混合して用いることができる。分散剤を用いる場合の好適な添加量は、スラリーの分散を好適に行いながらスラリー粘度を下げる観点から、スラリーに対して0.05〜20重量%であり、より好ましくは0.05〜10重量%である。
また、分散剤が本発明の正極用複合材料に残留していると、それ自体が抵抗成分となり、電池の高速放電性能を阻害する場合がある。従って、後ほど詳細に説明する工程3のように、分散剤を除去するのが好ましい。除去法は、分散剤を洗浄により除去する手法と熱処理により分解する手法が主として用いられるが、そのような観点から、洗浄しやすい分散剤として、界面活性剤を用いることが好ましい。また、熱処理により完全に分解し、カウンターイオンを残留させず気化してしまう性質のものが好ましい観点から、ノニオン性の界面活性剤が更に好ましい。
工程1における分散剤の配合量は、繊維状炭素を分散させる観点から、繊維状炭素100重量部に対して、好ましくは1重量部以上、より好ましくは5重量部以上、10重量部以上が更に好ましい。また、工程3である分散剤除去工程での負荷を軽減させる観点から、好ましくは200重量部以下、より好ましくは150重量部以下、100重量部以下が更に好ましい。これらの観点を総合すると、1〜200重量部が好ましく、5〜150重量部がより好ましく、10〜100重量部が更に好ましい。
繊維状炭素をスラリー化する際、分散に先立って解凝集(予備分散)を行うことが好ましい。即ち、カーボンナノファイバー等の繊維状炭素は、一般的に糸玉状に凝集しているが、これを分散剤で分散する前に、ある程度機械的に解砕し、解凝集させることが好ましい。このような事前の解凝集には、乾式粉砕機を用いることが好ましく、具体的には、ロータースピードミル、ハンマーミル等の衝撃式粉砕機、乾式転動ボールミル、乾式振動ボールミル、乾式遊星ミル、媒体撹拌ミル等の乾式媒体粉砕機、ジェットミル等の気流式粉砕機、などを用いる方法が挙げられる。なかでも、適度な粉砕を行う観点から、ロータースピードミル、ハンマーミル等の衝撃式粉砕機を用いる方法が好ましい。
工程1では、分散剤を使って溶媒中で繊維状炭素を分散させることが好ましいが、その際、分散を促進するために、分散剤をスラリーに加えながら、もしくは加える前又は後、好ましくは後に、分散機を用いて強制的に分散することがより好ましい。分散機としては、例えば超音波型分散機、攪拌型分散機、高速回転せん断型分散機、ミル型分散機、高圧噴射型分散機などが挙げられるが、強制分散させる工程に使用する場合、超音波型分散機、高圧噴射型分散機が好適に用いられる。
工程1により、繊維状炭素は溶媒中に分散するが、その際の繊維状炭素の平均凝集粒径としては、繊維状炭素を単繊維までほぐす観点から、0.1〜40μmが好ましく、0.1〜10μmがより好ましく、0.1〜5μmが更に好ましい。
工程1で得られるスラリーの固形分濃度(正極活物質+繊維状炭素+その他の炭素材料+分散剤)としては、次工程の噴霧造粒の生産性を高める観点から、1重量%以上が好ましく、2重量%以上がより好ましく、5重量%以上が更に好ましい。また、工程2で得られる造粒物の粒径を好ましい範囲にする観点から、60重量%以下が好ましく、50重量%以下がより好ましく、40重量%以下が更に好ましい。これらの観点を総合すると、1〜60重量%が好ましく、2〜50重量%がより好ましく、5〜40重量%が更に好ましい。また、工程1で得られるスラリーの粘度は、工程2で得られる造粒物の粒径を好ましい範囲に制御する観点から、5000mPa・s以下が好ましく、1000mPa・s以下がより好ましく、100mPa・s以下が更に好ましい。
工程2では、工程1で得られたスラリーを用いて噴霧造粒するが、噴霧造粒の方法としては、スラリーをノズル、アトマイザー等により液滴化し、これをごく短時間に乾燥する、いわゆる噴霧乾燥法のほか、前記液滴を短時間に凍結した後、減圧下等で乾燥する噴霧凍結乾燥法や、噴霧乾燥と焼成を組み合わせた噴霧熱分解法等の方法を用いることができる。このうち、噴霧乾燥法が好ましい。
工程2において、噴霧により得られた液滴の乾燥温度は、繊維状炭素や他の炭素材料が、燃焼されない温度で乾燥することが好ましく、具体的には、400℃以下が好ましく、300℃以下がより好ましい。
工程2における造粒物の平均凝集粒径は、Liの挿入・脱離能を向上させ、かつ塗膜の平滑性を維持する観点から、20μm以下が好ましく、15μm以下がより好ましく、10μm以下が更に好ましい。また、電池の正極として、塗膜を作製する際に、バインダーの量を減らす観点から、1μm以上が好ましく、3μm以上がより好ましく、5μm以上が更に好ましい。これらの観点を総合すると、1〜20μmが好ましく、3〜15μmがより好ましく、5〜10μmが更に好ましい。
工程3は、工程2により得られた粒子内に、繊維状炭素を分散するために加えた分散剤が含まれる場合に有効である。分散剤が残留していると、分散剤が抵抗成分となってしまい、電池の高速放電特性を阻害するだけでなく、電池中で分解することによる、ガスの発生や、充放電のサイクル特性の低下要因になる。したがって、残留した分散剤を除去する必要があり、これの処理が工程3である。
具体的な手法としては2つの手法が挙げられ、(1)分散剤を溶解できる溶媒で洗浄して除去する方法と、(2)分散剤を熱処理により分解気化させて除去する方法である。(1)の方法はほとんどの分散剤に適用できる面で好ましく、(2)の方法は、(1)の方法よりも低コストで生産性の高い手法である面で好ましい。
工程3において、熱処理を行って分散剤を除去する場合(上記(2)の手法)、分散剤を効率よく分解させる観点から、加熱温度は、100℃以上が好ましく、150℃以上がより好ましい。また、繊維状炭素を分解させない観点から、400℃以下が好ましく、300℃以下がより好ましい。
以上の工程1〜3によって得られた正極用複合材料の形状は、球形状であるが、必ずしも真球状のもののみが得られるわけではなく、粒子表面に多少凸凹があるもの、球全体が多少歪んだもの、一部がへこんだものや、欠けたもの、球状粒子がいくつか合体して凝集したものなど、噴霧造粒で得られうる粒子形態のものが得られうる。また、繊維状炭素として、繊維径の大きいカーボンファイバーを含有する場合、カーボンファイバーが、球形状の粒子表面から突き出た形態を示すものも得られうる。
工程3を経て得られた複合粒子の平均凝集粒径は、電池の正極として、塗膜を作製する際に、バインダーの量を減らす観点から、1μm以上が好ましく、3μm以上がより好ましく、5μm以上が更に好ましい。また、本複合粒子を用いて得られる正極電極の表面性の観点から、好ましくは20μm以下、より好ましくは15μm以下、10μm以下が更に好ましい。これらの観点を総合すると、1〜20μmが好ましく、3〜15μmがより好ましく、5〜10μmが更に好ましい。
本発明のリチウム電池正極は、上述した正極用複合材料及びバインダーを含有してなる。また、本発明のリチウム電池は、上述した正極用複合材料及びバインダーを含有してなる正極を備える。即ち、本発明のリチウム電池正極およびリチウム電池は、上述した正極用複合材料を正極材料として用いる限り、他の構成要件に関しては、何ら制限されるものではない。例えば、上記バインダーとしては、ポリフッ化ビニリデン、ポリアミドイミド、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメタクリル酸メチルなどの従来のバインダーが何れも使用できる。
本発明の正極用複合材料を用いた電池の用途は、特に限定されないが、例えばノートパソコン、電子ブックプレーヤー、DVDプレーヤー、携帯オーディオプレーヤー、ビデオムービー、携帯テレビ、携帯電話などの電子機器に使用できるほか、コードレス掃除機やコードレス電動工具、電気自動車、ハイブリッドカーなどのバッテリー、燃料電池車の補助電源などの民生用機器に使用できる。このうち特に高出力が求められる自動車用バッテリーとして好適に用いられる。
以下、本発明を具体的に示す実施例等について説明する。なお、実施例等における評価項目は下記のようにして測定を行った。
(1)DBP吸収量
DBP吸収量は、JISK6217−4に基づいて測定した。
(2)平均凝集粒径
レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置LA920(堀場製作所製)を用い、水を分散媒とし、超音波3分照射後の粒度分布を相対屈折率1.5で測定したときの体積中位粒径(D50)の値を繊維状炭素、カーボンブラックの平均凝集粒径、正極活物質、工程2における造粒物、及び工程3を経て得られた複合粒子の平均凝集粒径とした。
(3)カーボンブラックの一次粒子径
電界放出形走査電子顕微鏡(日立製S−4000)により撮影した倍率10000〜50000倍のSEM像から、一次粒子50個を抽出し、それらの直径の平均値を一次粒子径とした。ただし、前記直径とは、(長軸径+短軸径)/2で算出される値で、着目するカーボンブラックのSEM像を2本の平行線ではさんだ時、その2本の平行線の間隔が最小となるときの間隔を短軸径、この平行線に直角な方向の2本の平行線でこのカーボンブラックのSEM像をはさんだ時、その2本の平行線の間隔を長軸径とする。
(4)繊維状炭素の繊維径および繊維長
電界放出形走査電子顕微鏡(日立製S−4000)により撮影した倍率2000〜50000倍のSEM像から、繊維状炭素30個を抽出し、以下のように測定した線分の長さの平均値を繊維径とし、繊維の長さの平均値を繊維長とした。ここで、前記線分の長さとは、30個の繊維状炭素のそれぞれについて、繊維状炭素の画像の長さ方向の輪郭が描く2本の曲線の一方の曲線の法線が、これら2本の曲線に切り取られる線分の長さをいう。
(5)繊維状炭素のアスペクト比
繊維状炭素の繊維長を繊維径で除することで求めた。
(6)体積抵抗
JIS K 1469の方法において、粉体試料量を0.3g、粉体圧縮時圧力を100kg/cmに変更して、円筒状に圧縮した圧縮粉体試料の電気抵抗値を測定し、測定抵抗値より下記の式1を用いて体積抵抗率(電気抵抗率)を算出した。具体的には、絶縁性円筒(ベークライト製、外径28mm、内径8mm)と(−)電極からなる円筒容器に粉体試料を0.3g充填し、試料を詰めた絶縁性円筒容器に(+)電極を挿入して粉体試料を挟み、プレス機架台上に設置した。プレス機により円筒容器内の試料に100kg/cmの力を加え、圧縮した。(+)電極と(−)電極をデジタルマルチメーターの測定用入力ケーブルに接続し、圧縮開始から3分経過後、電気抵抗値を測定した。
ρ=S/h×R (式1)
ここで、ρは電気抵抗率(Ω・cm)、Sは試料の断面積(cm)、hは試料の充填高さ(cm)、Rは電気抵抗値(Ω)である。
用いた(−)電極は、電池グレードの黄銅製であり、電極面は7.8±1mmφで、高さ5mmの突起部のある台座状電極であり、(+)電極は、電池グレードの黄銅製であり、電極面は7.8±1mmφで、長さ60mmの棒状電極であった。
(7)細孔容量
水銀圧入式細孔分布測定装置(ポアサイザー9320、島津製作所製)を用いて、0.01〜1μmの範囲の細孔容量の合計を測定し、得られた値を細孔容量とした。
(8)溶媒中での分散状態の確認方法
レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置LA920(堀場製作所製)に、スラリーと同一の溶媒120mLを添加し、攪拌循環(循環レベル4)させた。そこに、サンプリングしたスラリー(溶媒中に正極活物質粒子と繊維状炭素とを含有するスラリー)を滴下し、装置のセル内のレーザーの透過率が75%〜95%の範囲になるようスラリー濃度を調節した。そして、装置のメモリ7で超音波3分照射後の粒度分布を相対屈折率1.5で測定し、このときの体積中位粒径(D50)を上記(2)の条件で測定した正極活物質の平均凝集粒径で除して、これに100を乗じて比率を算出した。本発明では、この比率が130%以内になるような状態を分散状態とする。
(9)正極活物質粒子が繊維状炭素により保持されている状態の確認方法
正極活物質と繊維状炭素とを有する一粒の複合粒子を、600℃1時間加熱したとき、当該一粒の複合粒子が、複数の複合粒子に崩壊するか、又は繊維状炭素がほぼ消失した正極活物質粒子に崩壊した場合、当該一粒の複合粒子中の正極活物質粒子は繊維状炭素により保持されていたものとする。すなわち、600℃1時間加熱した複合粒子を電界放出形走査電子顕微鏡(日立製S-4000)により撮影し、倍率1000〜50000倍のSEM画像を目視観察する。観察の結果、繊維状炭素がほぼ消失した正極活物質粒子のみ観察される場合、正極活物質粒子に繊維状炭素が絡んだ複合粒子のみ観察される場合、さらには、繊維状炭素がほぼ消失した正極活物質粒子と正極活物質粒子に繊維状炭素が絡んだ複合粒子の両方が観察される場合を正極活物質粒子が繊維状炭素により保持されていたものとする。一方、繊維状炭素がほぼ消失した正極活物質粒子と凝集した繊維状炭素の粒子が観察される場合、正極活物質粒子が繊維状炭素により保持されていなかったものとする。
(10)電池の作製
表2に示す配合比にて正極用複合材料、カーボンブラック、12%ポリフッ化ビニリデン(PVDF)のNメチルピロリドン溶液、Nメチルピロリドンを均一に混合し、塗工用ペーストを調製した。当該ペーストをコーター(YBA型ベーカーアプリケーター)にて集電体として用いたアルミニウム箔(厚さ20μm)上に均一に塗工(乾燥後に0.009g/cm)し、80℃にて12時間以上かけて減圧(100〜300mmHg)乾燥した。乾燥後、所定の大きさ(20mm×15mm)に切断し、アルミニウム箔を含む全体の厚さが55μmになるようにプレス機で均一膜厚に成型して、試験用正極とした。
ハードカーボン10重量部、12重量%ポリフッ化ビニリデン(PVDF)のNメチルピロリドン溶液9.3重量部、Nメチルピロリドン8.5重量部を均一に混合し、塗工用ペーストを調製した。当該ペーストをコーター(YBA型ベーカーアプリケーター)にて集電体として用いた銅箔(厚さ18μm)上に均一に塗工し、80℃にて12時間以上かけて減圧(100〜300mmHg)乾燥した。乾燥後、所定の大きさ(20mm×15mm)に切断し、プレス機で均一膜厚に成型して、試験用負極とした。このときの負極層の厚さは25μmとした。セパレータはセルガード#2400(セルガード製)を使用した。電解液は、1mol/LのLiPFのエチレンカーボネート:ジエチルカーボネート(1:1vol%)溶液を用いた。試験セルの組み立てはアルゴン雰囲気下のグローブボックス内で行った。試験セルの組み立て後、25℃にて24時間放置後、内部抵抗特性評価を行った。
(11)内部抵抗特性評価
後述する実施例3,4および比較例1により得られたリチウムイオン二次電池の内部抵抗を評価した。まず、0.2Cの定電流で4.0Vまで充電した後、4.0Vで定電位充電を1時間行うことにより、各電池を満充電の約60%の充電状態に調整した。そして、5Cの定電流値で30秒間放電を行い、電位降下値を測定した。この電位降下値を放電電流値で除した値を電池の内部抵抗値として、得られたリチウムイオン二次電池の内部抵抗を評価した。表2には比較例1の内部抵抗値を100とした場合の実施例3,4の内部抵抗値の相対値を示す。
実施例1
水100重量部にフェニル基を官能基にもつノニオン型分散剤(花王製エマルゲンA−90)を0.375重量部添加し溶解させた。その溶液に繊維径20nm、繊維長5μm、アスペクト比250のカーボンナノチューブを0.375重量部添加し、カーボンナノチューブの平均凝集粒径が3μmになるまで超音波分散した。このカーボンナノチューブ分散液に超音波を照射しながら、平均凝集粒径2μm(一次粒子径25nm)、DBP吸収量155cm/100gのカーボンブラックを0.15重量部添加し1分間超音波照射した後、平均凝集粒径1.2μmのマンガン酸リチウム7.5重量部を添加し、更に超音波による分散を2分行った。得られた分散液を噴霧乾燥機(東京理化器械製SD−1000)を用いて熱風温度135℃で噴霧乾燥した。得られた顆粒6gを円筒ろ紙にいれ、ソックスレー抽出機で、400mlのエタノールにより、8時間抽出し、顆粒に残留している分散剤を除去した。得られた正極用複合材料を図1に、物性を表1に示す。得られた正極用複合材料は、上記(9)に示す方法で確認したところ、正極活物質粒子がカーボンナノチューブにより保持された複合粒子であり、より詳細には、図1に示すように、カーボンナノチューブが正極活物質粒子間隙に存在するとともに、カーボンナノチューブが正極活物質粒子を網目状に包み込んだ形態を有していた。
実施例2
実施例1と同じ要領で噴霧乾燥して得た、分散剤が含有した顆粒1.5gを電気炉で200℃、10時間加熱し、分散剤を分解気化させ除去した。得られた正極用複合材料を図2に、物性を表1に示す。得られた正極用複合材料は、上記(9)に示す方法で確認したところ、正極活物質粒子がカーボンナノチューブにより保持された複合粒子であり、より詳細には、図2に示すように、カーボンナノチューブが正極活物質粒子間隙に存在するとともに、カーボンナノチューブが正極活物質粒子を網目状に包み込んだ形態を有していた。
実施例3
フェニル基を官能基にもつノニオン型分散剤の使用量を0.15重量部、カーボンナノチューブの使用量を0.15重量部にしたこと以外は、実施例1と同じ手法で正極用複合材料を得た。得られた正極用複合材料を図3に、物性を表1、電池作製時の内部抵抗を表2に示す。得られた正極用複合材料は、上記(9)に示す方法で確認したところ、正極活物質粒子がカーボンナノチューブにより保持された複合粒子であり、より詳細には、図3に示すように、カーボンナノチューブが正極活物質粒子間隙に存在するとともに、カーボンナノチューブが正極活物質粒子を網目状に包み込んだ形態を有していた。
実施例4
カーボンナノチューブの代わりに、繊維径120nm、繊維長10μm、アスペクト比83のVGCF(0.225重量部)を用い、分散剤の使用量を0.225重量部としたこと以外は、実施例1と同じ手法により正極用複合材料を得た。得られた正極用複合材料を図4に、物性を表1、電池作製時の内部抵抗を表2に示す。得られた正極用複合材料は、上記(9)に示す方法で確認したところ、正極活物質粒子がVGCFにより保持された複合粒子であり、より詳細には、図4に示すように、VGCFが正極活物質粒子間隙に存在するとともに、VGCFが正極活物質粒子を網目状に包み込んだ形態を有していた。
比較例1
実施例1において、カーボンナノチューブ0.375重量部を使用する代わりに、カーボンブラック0.375重量部を使用することで、カーボンブラックの合計量を0.525重量部としたこと以外は、実施例1と同じ手法により正極用複合材料を得た。得られた正極用複合材料の物性を表1、電池作製時の内部抵抗を表2に示す。
比較例2
実施例1において、分散剤を加えずに、同量のカーボンナノチューブ、カーボンブラック、及びマンガン酸リチウムをマグネチックスターラーにより混合して、スラリーを調製したこと以外は、実施例1と同じ手法により正極用複合材料を得た。得られた正極用複合材料の物性を表1に示す。なお、実施例1〜4では、噴霧乾燥前の分散液の状態について、上記(8)に示す方法で求めた比率が何れも130%以内であったが、この比較例2では、当該比率が400%であり、分散状態とはいえなかった。また、比較例2の正極用複合材料は、上記(9)に示す方法で確認したところ、一粒の複合粒子が、繊維状炭素がほぼ消失した正極活物質粒子と凝集した繊維状炭素の粒子とに崩壊したため、正極活物質粒子が繊維状炭素(カーボンナノチューブ)により保持された複合粒子ではなかった。
Figure 0005377946
Figure 0005377946
表1の結果が示すように、実施例1〜4のリチウム電池正極用複合材料は、体積抵抗が小さく、細孔容量も十分であるため、電池の放電時にリチウムイオンの移動がスムーズになると考えられる。また、表2の結果が示すように、電池作製時の特性として、その内部抵抗をより小さくすることができた。
一方、繊維状炭素を使用せずに得られたリチウム電池正極用複合材料(比較例1)では、体積抵抗が大きく、細孔容量も不十分であり、電池作製時の内部抵抗も大きい値となった。また、繊維状炭素の分散が不十分なスラリーを使用して噴霧造粒により得られたリチウム電池正極用複合材料(比較例2)では、正極活物質粒子がカーボンナノチューブにより保持されていないため、体積抵抗が大きかった。
実施例1で得られた正極用複合材料の走査型電子顕微鏡(SEM)写真 実施例2で得られた正極用複合材料の走査型電子顕微鏡(SEM)写真 実施例3で得られた正極用複合材料の走査型電子顕微鏡(SEM)写真 実施例4で得られた正極用複合材料の走査型電子顕微鏡(SEM)写真

Claims (13)

  1. 正極活物質粒子と繊維状炭素とを含む複合粒子から構成されるリチウム電池正極用複合材料であって、
    前記複合粒子は、前記正極活物質粒子が前記繊維状炭素により保持され、前記繊維状炭素の一部が前記正極活物質粒子間隙に存在するとともに、前記繊維状炭素が前記正極活物質粒子を網目状に包み込んだ形態を有し、
    前記正極活物質粒子の平均凝集粒径が、0.1〜10μmであるリチウム電池正極用複合材料。
  2. 前記繊維状炭素の繊維径が、1〜1000nmである請求項1に記載のリチウム電池正極用複合材料。
  3. 前記繊維状炭素の繊維長(L)に対する繊維径(W)のアスペクト比(L/W)が、50〜20000である請求項1又は2に記載のリチウム電池正極用複合材料。
  4. 前記繊維状炭素の繊維長と前記正極活物質粒子の平均凝集粒径(活物質粒径)の比(繊維状炭素の繊維長/活物質粒径)が、1〜500である請求項1〜3いずれか1項に記載のリチウム電池正極用複合材料。
  5. 前記繊維状炭素が、カーボンナノチューブである請求項1〜のいずれか1項に記載のリチウム電池正極用複合材料。
  6. 前記複合粒子は、溶媒中に前記正極活物質粒子と前記繊維状炭素とが分散した状態で含まれるスラリーから噴霧造粒により得られる請求項1〜のいずれか1項に記載のリチウム電池正極用複合材料。
  7. 前記複合粒子は、溶媒中に前記正極活物質粒子と前記繊維状炭素とが超音波分散機を用いて分散した状態で含まれるスラリーから噴霧造粒により得られる請求項1〜6のいずれか1項に記載のリチウム電池正極用複合材料。
  8. 前記複合粒子は、前記溶媒中にて前記繊維状炭素が分散剤により分散されている前記スラリーから噴霧造粒により得られる請求項6又は7に記載のリチウム電池正極用複合材料。
  9. 前記分散剤が、芳香族環及び/又は脂肪族環を含む官能基を有する請求項に記載のリチウム電池正極用複合材料。
  10. 前記複合粒子は、前記噴霧造粒で得られた造粒物から前記分散剤を除去して得られる請求項8又は9に記載のリチウム電池正極用複合材料。
  11. 前記複合粒子は、前記噴霧造粒で得られた造粒物から、前記分散剤を溶解できる溶媒で洗浄することによって当該分散媒を除去して得られる請求項8又は9に記載のリチウム電池正極用複合材料。
  12. 請求項1〜11のいずれか1項に記載のリチウム電池正極用複合材料、及びバインダーを含有してなるリチウム電池正極。
  13. 請求項1〜11のいずれか1項に記載のリチウム電池正極用複合材料、及びバインダーを含有してなる正極を備えるリチウム電池。
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