JP7416180B1 - 炭素材料、炭素材料分散組成物、合材スラリー、電極膜、二次電池、および車両 - Google Patents

炭素材料、炭素材料分散組成物、合材スラリー、電極膜、二次電池、および車両 Download PDF

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Abstract

【課題】高い分散性を有する炭素材料、および炭素材料分散組成物を提供すること。また、導電性の高い電極膜を得ることができる合材スラリー、さらに詳しくは、優れたレート特性およびサイクル特性を有する二次電池、二次電池を有する車両を提供すること。【解決手段】下記(1)および(2)を満たすことを特徴とする炭素材料により解決される。(1)BET比表面積が、400m2/g~650m2/gであること。(2)粉末X線回折分析において、回折角2θ=24.0°~27.0°の範囲内に少なくとも2つのピークを有すること。【選択図】図1

Description

本発明は、炭素材料、および炭素材料分散組成物に関する。さらに詳しくは、炭素材料と分散剤と分散媒とを含む炭素材料分散組成物、炭素材料分散組成物と活物質を含む合材スラリー、それを塗工してなる電極膜、電極膜を有する電極と電解質とを備えた二次電池、二次電池を備えた車両に関する。
電気自動車の普及や携帯機器の小型軽量化及び高性能化に伴い、高いエネルギー密度を有する二次電池、さらに、その二次電池の高容量化が求められている。このような背景の下で、高エネルギー密度、高電圧という特徴から非水系電解液を用いる非水電解質二次電池、特に、リチウムイオン二次電池が多くの機器に使われるようになっている。
これらリチウムイオン二次電池に用いられる負極材料としては、リチウム(Li)に近い卑な電位で単位質量あたりの充放電容量の大きい、黒鉛に代表される炭素材料が用いられている。しかしながら、これらの電極材料は質量当たりの充放電容量が理論値に近いところまで使われており、電池としての質量当たりのエネルギー密度は限界に近づいている。従って、電極の利用率を上げるため、放電容量には寄与しない導電助剤やバインダーを減らす検討が進められている。
導電助剤としては、カーボンブラック、ケッチェンブラック、フラーレン、グラフェン、微細炭素材料等の炭素材料が使用されており、近年、特に微細炭素材料の一種である、比表面積が大きいカーボンナノチューブが多く使用されている。例えば、カーボンナノチューブ分散組成物と、活物質とを含む合材スラリーを塗工膜してなる電極膜は、電極抵抗が低く、電池の負荷抵抗やサイクル特性が向上することが知られている(例えば、特許文献1、2参照)。
しかしながら、従来の比表面積が大きいカーボンナノチューブは、溶媒への濡れ性が低いため、高濃度かつ分散安定性に優れた分散組成物を作製することが難しい。
そのため、溶媒への濡れ性が優れ、比表面積が高く、かつ導電性に優れたカーボンナノチューブの開発が急務となっている。
カーボンナノチューブの特性を改善する方法としては、例えば、カーボンナノチューブを、不活性雰囲気下で、1000~3000℃にて、熱処理を行う方法が提案されている(特許文献1、3参照)。しかしながら、これらの方法は、得られたカーボンナノチューブが含有する、金属および金属酸化物を除去することを主目的としており、比表面積が大きいカーボンナノチューブの熱処理についての詳細な検討は行われておらず、分散性と導電性の両立はできていない。
特許第6586197号 特開2011-70908号公報 特許第6590034号
そこで本発明が解決しようとする課題は、高い分散性と導電性を有する炭素材料、および炭素材料分散組成物を提供することである。また、導電性の高い電極膜を得ることができる合材スラリー、さらに詳しくは、優れたレート特性およびサイクル特性を有する二次電池、該二次電池を有することで、安全性が高く、燃費が向上した車両を提供することである。
本発明の発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した。発明者らは、多層カーボンナノチューブを含む炭素材料のBET比表面積が、400m/g~650m/gであり、さらに粉末X線回折分析において、回折角2θ=24.0°~27.0°に少なくとも2つのピークを有することにより、高い分散性を有することを見いだした。また、このような炭素材料を使用することにより、導電性に優れた電極膜が得られること、優れたレート特性およびサイクル特性を有する二次電池が得られることを見出した。発明者らは、かかる発見を基に、本発明をするに至った。
すなわち本発明は、以下の実施形態を含む。本発明の実施形態は以下に限定されない。
〔1〕多層カーボンナノチューブを含み、かつ下記(1)および(2)を満たすことを特徴とする炭素材料。
(1)BET比表面積が、400m/g~650m/gであること。
(2)粉末X線回折分析において、回折角2θ=24.0°~27.0°の範囲内に少なくとも2つのピークを有すること。
〔2〕粉末X線回折分析において、回折角2θ=24.0°~27.0°の範囲内での低角側のピーク強度をA、高角側のピーク強度をBとした際に、B/A比が1.0~2.5である、〔1〕記載の炭素材料。
〔3〕純度が99.9%以上である、〔1〕または〔2〕記載の炭素材料。
〔4〕ラマンスペクトルにおいて、1560cm-1~1600cm-1の範囲内での最大ピーク強度をG、1310cm-1~1350cm-1の範囲内での最大ピーク強度をDとした際に、G/D比が1.0~4.5である、〔1〕~〔3〕いずれか記載の炭素材料。
〔5〕〔1〕~〔4〕いずれか記載の炭素材料と、分散剤と、分散媒を含む、炭素材料分散組成物。
〔6〕炭素材料分散組成物を製造後、60℃条件下で1週間保管後の炭素材料分散組成物を、B型粘度計により25℃、ローター回転速度6rpmで測定した粘度が、500mPa・s~20,000mPa・sである、〔5〕記載の炭素材料分散組成物。
〔7〕フッ素樹脂を含む、〔5〕~〔6〕いずれか記載の炭素材料分散組成物。
〔8〕〔5〕~〔7〕記載の炭素材料分散組成物と、活物質とを含む、合材スラリー。
〔9〕〔8〕記載の合材スラリーから形成された電極膜。
〔10〕〔9〕記載の電極膜を有する電極と、電解質を備えた二次電池。
〔11〕〔10〕記載の二次電池を備えた車両。
〔12〕炭素材料、分散剤、および分散媒を含む炭素材料分散組成物(I)と、単層カーボンナノチューブとフッ素樹脂を含む炭素材料分散組成物(II)(ただし、炭素材料分散組成物(I)である場合は除く)とを混合する工程を備え、
前記炭素材料は、多層カーボンナノチューブを含み、かつ下記(1)および(2)を満たす炭素材料である、
炭素材料分散組成物の製造方法。
(1)BET比表面積が、400m/g~650m/gであること。
(2)粉末X線回折分析において、回折角2θ=24.0°~27.0°の範囲内に少なくとも2つのピークを有すること。
本発明の多層カーボンナノチューブを含む炭素材料は分散性に優れ、このような炭素材料を使用することにより、導電性にも優れた炭素材料分散組成物、合材スラリー、および電極膜が得られる。また、レート特性およびサイクル特性に優れた二次電池が得られる。
これにより、搭載する二次電池に高容量、高出力、高耐久性が求められる、ハイブリッド自動車、プラグインハイブリッド自動車、電気自動車等の車両用途であっても、好適に用いることができる。
図1は本発明の実施例、または比較例で使用した炭素材料のXRDスペクトルである。実施例の炭素材料は、回折角2θ=24.0°~27.0°の範囲内に2つのピークを有することが確認できる。
以下、本発明の炭素材料、炭素材料分散組成物、合材スラリー、電極膜、二次電池について詳しく説明するが、これに限定されない。なお、本明細書において特定する数値は、実施形態または実施例に開示した方法により求められる値である。
本明細書において、カーボンナノチューブを「CNT」と表記することがある。
また、本明細書において「~」を用いて特定される数値範囲は、「~」の前後に記載される数値を下限値及び上限値の範囲として含むものとする。
なお、本明細書中に出てくる各種成分は特に注釈しない限り、それぞれ独立に一種単独でも二種以上を併用してもよい。
≪炭素材料≫
本実施形態の炭素材料は、多層カーボンナノチューブを含みかつ、下記(1)および(2)を満たす。
(1)BET比表面積が、400m/g~650m/gであること。
(2)粉末X線回折分析において、回折角2θ=24.0°~27.0°の範囲内に少なくとも2つのピークを有すること。
カーボンナノチューブは、平面的なグラファイトを円筒状に巻いた形状であり単層カーボンナノチューブは一層のグラファイトが巻かれた構造を有し、多層カーボンナノチューブは、二又は三以上の層のグラファイトが巻かれた構造を有する。また、カーボンナノチューブの側壁はグラファイト構造でなくともよい。例えば、アモルファス構造を有する側壁を備えるカーボンナノチューブをカーボンナノチューブとして用いることもできる。
本実施形態の炭素材料は、主成分が多層カーボンナノチューブであることが好ましいが、単層カーボンナノチューブが混在するものであってもよい。
なお、主成分とは、炭素材料を構成する成分の中で、もっとも含有率が高い成分のことをいう。
本実施形態の炭素材料に含まれる多層カーボンナノチューブの含有率として具体的には、炭素材料100質量%中50質量%以上99.9質量%以下であることが好ましく、60質量%以上98質量%以下であることがさらに好ましい。多層カーボンナノチューブの含有量は、例えば、TG-DTAを用いて、窒素雰囲気化で25℃~600℃まで加熱した後、加熱温度を400℃まで下げ、雰囲気ガスを窒素から空気に切り替えて400℃~1000℃まで加熱することで求めることができる。この時、窒素雰囲気化で600℃まで加熱した時の重量減少量を非晶質炭素の重量、空気雰囲気に切り替えて800℃まで加熱した時の重量減少量を多層カーボンナノチューブの重量、800℃~1000℃まで加熱した時の重量減少量を、結晶質炭素の重量と考えることができる。
多層カーボンナノチューブを含むことで、二次電池の導電材として使用した際、二次電池の負荷抵抗やサイクル特性を向上させることができる。
本実施形態の炭素材料は、BET比表面積が、400m/g~650m/gであり、450m/g~600m/gであることが好ましく、450m/g~550m/gであることがさらに好ましい。
(2)に加えて、BET比表面積が(1)の400m/g~650m/gの範囲内であることにより、少量で効率的な導電ネットワークを形成することができ、電極中の導電材量を低減することができる。それにより、活物質やバインダー樹脂を増量する等の電池設計の自由度が高くなる。さらには、合材スラリー作製時、活物質とカーボンナノチューブの複合化が進みやすくなるため、活物質表面にカーボンナノチューブが被覆された均質な導電ネットワークを有する電極膜が得られやすく、電解液と活物質の界面での電解液分解反応を抑制し、電池のサイクル特性を向上することができる。
BET比表面積は、JIS Z 8833記載のBET法により、測定することができる。
本実施形態の炭素材料は、粉末X線回折分析において、回折角2θ=24.0°~27.0°の範囲内に少なくとも2つのピークを有する。好ましくは2つのピークを有する場合である。
2つのピークのうち、低角側のピークは多層カーボンナノチューブ由来であり、主に高角側におけるピークは、黒鉛に由来するピークであると推察される。このようなピークを有する炭素材料であることで、分散性および導電性が優れたものとできる。分散性が優れる理由は、多層カーボンナノチューブの欠陥部分に存在する、非晶質炭素成分が選択的に黒鉛化するため、分散組成物作製時に形状の揃った多層カーボンナノチューブが得られやすいことが考えられる。また、導電性が優れる理由は、多層カーボンナノチューブの欠陥部分が黒鉛化、結晶性向上し、炭素材料の主成分である多層カーボンナノチューブの導電性が向上すること、多層カーボンナノチューブ同士の接触抵抗が低減することが考えられる。
低角側のピーク強度をA、高角側のピーク強度をBとした際のB/A比は、1.0~2.5であることが好ましく、1.5未満であることがより好ましい。このような炭素材料であることで、分散性および導電性が、より優れたものとなる。
なお、ピークが2つ以上の場合には、ピーク強度の大きい2つのピークについてが、上記要件を満たすことが好ましい。
本実施形態の炭素材料は、粉末X線回折分析によって算出した、格子面間隔d002が、3.45Å~3.80Åであることが好ましい。
粉末X線回折分析は、炭素材料と高純度シリコンを、メノウ乳鉢を用いて十分に混合した後、所定のサンプルホルダーに表面が平らになるように詰め、粉末X線回折分析装置にセットし、5°から80°までX線源の照射角度を変化させ測定し求めることができる。X線源としては例えばCuKα線が用いられる。
本実施形態の炭素材料は、硫黄含有量が、500ppm以下であることが好ましく、100ppm以下であることがさらに好ましい。硫黄含有量が上記含有量以下であれば、分散性が低下することを抑えることができるために好ましい。
本実施形態の炭素材料は、純度が95%以上であることが好ましく、99%以上であることがより好ましく、99.9%以上であることがさらに好ましい。炭素材料の純度が上記よりも高い場合、炭素材料以外の導電性異物が少ないため、二次電池の保存安定性がより向上できる。
炭素材料の純度は、炭素材料の重量から、炭素材料に含まれる鉄、コバルト、マグネシウム、アルミニウム、銅、ニッケル、ジルコニア、モリブデンの総重量を差分することで求めることができる。鉄、コバルト、マグネシウム、アルミニウム、銅、ニッケル、ジルコニア、モリブデンの総含有量が、300ppm以下であることが好ましく、100ppm以下であることがより好ましい。
上記金属および硫黄の含有量は、炭素材料を乾燥後、マイクロ波試料前処理装置(マイルストーンゼネラル社製、ETHOS1)を使用し、酸分解し、炭素材料に含まれる金属を抽出した後、マルチ型ICP発光分光分析装置(Agilent社製、720-ES)を用いて分析することができる。
本実施形態の炭素材料のG/D比(G-bandとD-bandのピーク比)は、ラマンスペクトルにおいて1560cm-1~1600cm-1の範囲内での最大ピーク強度をG、1310cm-1~1350cm-1の範囲内での最大ピーク強度をDとした際に、G/D比が、1.0~5.0であることが好ましく、1.0~4.5であることがより好ましい。
炭素材料のG/D比が上記範囲内である場合、多層カーボンナノチューブの欠陥が黒鉛化され、多層カーボンナノチューブ同士の接触抵抗が小さくなり、良好な導電性が得られやすいと考えられる。また、多層カーボンナノチューブ表面の官能基量が適切であり、溶媒との親和性が良好で、分散性がより良好となるためと推察される。
本実施形態の炭素材料は、平均外径が4nm~25nmであることが好ましく、4nm~9nmであることがより好ましい。平均外径が、上記範囲内である場合、電極内で良好な導電ネットワークを形成しやすく、充放電時に、二次電池内部の活物質が均質に利用されるため、活物質の劣化が抑制され、二次電池のサイクル特性がより向上する。
本実施形態の炭素材料の外径および平均外径は次のように求められる。まず透過型電子顕微鏡によって、炭素材料を観測するとともに撮像する。次に観測写真において、任意の300本の炭素材料を選び、それぞれの外径を計測する。次に外径の数平均として炭素材料の平均外径(nm)を算出する。
本実施形態の炭素材料の体積抵抗率は、1.0×10-2Ω・cm~3.0×10-2Ω・cmであることが好ましく、1.0×10-2Ω・cm~2.0×10-2Ω・cmであることがより好ましい。
炭素材料の体積抵抗率は粉体抵抗率測定装置((株)三菱化学アナリテック社製:ロレスターGP粉体抵抗率測定システムMCP-PD-51))を用いて測定することができる。炭素材料の体積抵抗率が上記範囲内である場合、電極膜の導電性が良好となりやすく、優れたレート特性およびサイクル特性を有する二次電池が得られやすい。
本実施形態の炭素材料の灰分は、500ppm以下であることが好ましく、300ppm以下であることがさらに好ましい。
<炭素材料の製造方法>
本実施形態の炭素材料は、多層カーボンナノチューブを含み、かつ(1)およぎ(2)の特性を満足すれば、どのような方法で製造した炭素材料でも構わない。炭素材料は一般にレーザーアブレーション法、アーク放電法、熱CVD法、プラズマCVD法及び燃焼法で製造できるが、これらに限定されない。例えば、酸素濃度が1体積%以下の雰囲気中、500℃~1000℃にて、炭素源を触媒と接触反応させることで炭素材料を製造することができる。炭素源は炭化水素及びアルコールの少なくともいずれか一方でもよい。
本実施形態の炭素材料は、ラマンスペクトルにおいて1560cm-1~1600cm-1の範囲内での最大ピーク強度をG、1310cm-1~1350cm-1の範囲内での最大ピーク強度をDとした際にG/D比が、1.0未満の炭素材料をさらに熱処理して作製することがより好ましい。熱処理の温度は、1000℃~2000℃が好ましく、1400℃~1800℃がより好ましく、1400℃~1600℃がさらに好ましい。
本実施形態の炭素材料は、鉄、コバルトおよび/またはニッケルを含む炭素材料をさらに熱処理して作製することが好ましく、鉄および/またはコバルトを1000ppm~10000ppm含むカーボンナノチューブをさらに熱処理して作製することがより好ましい。鉄、コバルト、ニッケルには、黒鉛化を促進する作用があり、カーボンナノチューブに含有する鉄、コバルト、ニッケルの量を最適化することにより、低温で、黒鉛化することができる。そのため、カーボンナノチューブの欠陥部分を選択的に黒鉛化でき、カーボンナノチューブ自身の特性を失わずに、導電性を向上することができると考えられる。
≪炭素材料分散組成物≫
炭素材料分散組成物は、少なくとも本発明の炭素材料と、分散剤と、分散媒とを含む。
また、炭素材料分散組成物はフッ素樹脂を含むことが好ましい。炭素材料分散組成物にフッ素樹脂を含むことで、フッ素樹脂による立体障害のため、炭素材料の凝集を起こしにくく、分散状態が良好な炭素材料分散組成物が得られやすい。
また、分散剤としてフッ素樹脂を用いると、後述の合材スラリー作製時のバインダー樹脂との相溶性に優れ、またバインダー樹脂としてフッ素樹脂を用いた場合、電気化学的な酸化還元耐性の観点から好ましい。
なお、本明細書においては、活物質を含む場合は、合材スラリーであると定義する。
<分散剤>
本実施形態の分散剤は、炭素材料を分散安定化できる範囲で特に限定されず、界面活性剤、樹脂型分散剤、フッ素樹脂等を使用することができる。界面活性剤は主にアニオン性、カチオン性、ノニオン性及び両性に分類される。炭素材料の分散に要求される特性に応じて適宜好適な種類の分散剤を、好適な配合量で使用することができる。
分散剤の含有量は、炭素材料100質量部に対して、1質量部~100質量部が好ましく、10質量部~100質量部がより好ましく、20質量部~50質量部がさらに好ましい。分散剤量が上記範囲内である場合、炭素材料表面に吸着する分散剤量が適切であり、導電性および分散安定性に優れた炭素材料分散組成物が得られやすい。
アニオン性界面活性剤を選択する場合、その種類は特に限定されない。具体的には脂肪酸塩、ポリスルホン酸塩、ポリカルボン酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルアリールスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ジアルキルスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル硫酸塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキルリン酸スルホン酸塩、グリセロールボレイト脂肪酸エステル及びポリオキシエチレングリセロール脂肪酸エステルが挙げられるが、これらに限定されない。さらに、具体的にはドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリル酸硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル硫酸エステル塩及びβ-ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物のナトリウム塩が挙げられるが、これらに限定されない。
またカチオン性界面活性剤としては、アルキルアミン塩類及び第四級アンモニウム塩類がある。具体的にはステアリルアミンアセテート、トリメチルヤシアンモニウムクロリド、トリメチル牛脂アンモニウムクロリド、ジメチルジオレイルアンモニウムクロリド、メチルオレイルジエタノールクロリド、テトラメチルアンモニウムクロリド、ラウリルピリジニウムクロリド、ラウリルピリジニウムブロマイド、ラウリルピリジニウムジサルフェート、セチルピリジニウムブロマイド、4-アルキルメルカプトピリジン、ポリ(ビニルピリジン)-ドデシルブロマイド及びドデシルベンジルトリエチルアンモニウムクロリドが挙げられるが、これらに限定されない。また両性界面活性剤としては、アミノカルボン酸塩が挙げられるが、これらに限定されない。
またノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレン誘導体、ポリオキシエチレンフェニルエーテル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル及びアルキルアリルエーテルが挙げられるが、これらに限定されない。具体的にはポリオキシエチレンラウリルエーテル、ソルビタン脂肪酸エステル及びポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテルが挙げられるが、これらに限定されない。
選択される界面活性剤は単独の界面活性剤に限定されない。このため二種以上の界面活性剤を組み合わせて使用することも可能である。例えばアニオン性界面活性剤及びノニオン性界面活性剤の組み合わせ、又はカチオン性界面活性剤及びノニオン性界面活性剤の組み合わせが利用できる。その際の配合量は、それぞれの界面活性剤成分に対して好適な配合量とすることが好ましい。組み合わせとしてはアニオン性界面活性剤及びノニオン性界面活性剤の組み合わせが好ましい。アニオン性界面活性剤はポリカルボン酸塩であることが好ましい。ノニオン性界面活性剤はポリオキシエチレンフェニルエーテルであることが好ましい。
また樹脂型分散剤として具体的には、セルロース誘導体(セルロースアセテート、セルロースアセテートブチレート、セルロースブチレート、シアノエチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、ニトロセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースなど)、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリビニルピロリドン、水素化ニトリルブタジエンゴム、ポリアクリロニトリル系重合体等が挙げられる。特にメチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリビニルピロリドン、水素化ニトリルブタジエンゴム、ポリアクリロニトリル系重合体が好ましく、ポリビニルピロリドン、ポリビニルブチラール、水素化ニトリルブタジエンゴムがさらに好ましい。樹脂型分散剤の分子量は1万~30万であることが好ましく、1万~15万であることがより好ましい。
フッ素樹脂は、分子内にフッ素原子を有する高分子化合物である。
具体的には、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニル、テトラフルオロエチレン等が挙げられる。
分散剤として、フッ素樹脂を用いる場合、界面活性剤または樹脂型分散剤などのフッ素樹脂以外の分散剤とあわせて用いることがより好ましい。界面活性剤または樹脂型分散剤と、フッ素樹脂を分散剤として使用した場合、炭素材料表面に界面活性剤または樹脂型分散剤が吸着しやすく、濡れ性や分散性が向上しやすい。
本実施形態のフッ素樹脂の重量平均分子量は、10,000~2,000,000が好ましく、100,000~1,000,000がより好ましく、200,000~1,000,000が特に好ましい。
本実施形態のフッ素樹脂の含有量は、炭素材料分散組成物中の炭素材料100質量部を基準として、1質量部~100質量部であることが好ましく、10質量部~70質量部であることが好ましい。フッ素樹脂の含有量が上記範囲である場合、流動性の良好な炭素材料分散組成物が得られやすい。
また、分散剤に加えて、アミン化合物や無機塩基を加えることが好ましい。アミン化合物としては、第1アミン(1級アミン)、第2アミン(2級アミン)、第3アミン(3級アミン)が用いられ、アンモニアや第4級アンモニウム化合物は含まない。アミン系化合物は、モノアミン以外にも、分子内に複数のアミノ基を有するジアミン、トリアミン、テトラミンといったアミン系化合物を用いることができる。具体的には、例えば、メチルアミン、エチルアミン、ブチルアミン、オクチルアミンなどの脂肪族1級アミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジブチルアミンなどの脂肪族2級アミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジメチルオクチルアミンなどの脂肪族3級アミン、アラニン、メチオニン、プロリン、セリン、アスパラギン、グルタミン、リシン、アルギニン、ヒスチジン、アスパラギン酸、グルタミン酸、システインなどのアミノ酸、ジメチルアミノエタノール、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、メチルエタノールアミン、トリエタノールアミンなどのアルカノールアミン、ヘキサメチレンテトラミン、モルホリン、ピペリジンなどの脂環式含窒素複素環化合物等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。無機塩基としては、アルカリ金属の水酸化物、アルカリ土類金属の水酸化物、アルカリ金属の炭酸塩、アルカリ土類金属の炭酸塩、アルカリ金属のリン酸塩、アルカリ土類金属のリン酸塩等が挙げられる。
アミン化合物、および無機塩基の使用量は、分散剤100質量部に対して、0.01質量部以上であることが好ましく、0.1質量部以上であることがより好ましい。アミン化合物、および無機塩基の使用量は、分散剤100質量部に対して20質量部以下であることが好ましく、10質量部以下であることがより好ましく、5質量部以下であることがさらに好ましい。
<分散媒>
本実施形態の分散媒である溶媒は、炭素材料が分散可能なものであれば、限定されないが、水またはアミド系有機溶媒が好ましい。アミド系有機溶媒としては、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)、N-エチル-2-ピロリドン(NEP)、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N,N-ジエチルアセトアミド、N-メチルカプロラクタムなどが挙げられる。特に、N-メチル-2-ピロリドン及びN-エチル-2-ピロリドンからなる群から選択される少なくとも1種を含むことがより好ましい。
分散媒として、アミド系有機溶媒を使用する場合、水分は、1000ppm以下が好ましく、500ppm以下がさらに好ましい。
本実施形態の分散媒の含有率は、炭素材料分散組成物を基準(100質量%)として、90質量%~99質量%が好ましく、95質量%~99質量%がより好ましい。上記範囲内である場合、流動性のある炭素材料分散組成物が得られやすく、分散安定性に優れた炭素材料分散組成物が得られやすい。分散安定性に優れた炭素材料組成物を使用することで、安定した導電性を有する電極膜が得られ、二次電池の品質が安定しやすい。
<バインダー樹脂>
本実施形態の炭素材料分散組成物は、バインダー樹脂を含むことができる。
バインダー樹脂とは、炭素材料の物質間を結着するために用いられる樹脂である。
バインダー樹脂としては、特に制限はないが、例えば、フッ素樹脂、エチレン、プロピレン、塩化ビニル、酢酸ビニル、ビニルアルコール、マレイン酸、アクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸、メタクリル酸エステル、アクリロニトリル、スチレン、ビニルブチラール、ビニルアセタール、ビニルピロリドン等を構成単位として含む重合体または共重合体; ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキッド樹脂、アクリル樹脂、ホルムアルデヒド樹脂、シリコン樹脂、フッ素樹脂; カルボキシメチルセルロースのようなセルロース樹脂; スチレンブタジエンゴムのようなゴム類; ポリアニリン、ポリアセチレンのような導電性樹脂等が挙げられる。
なかでも、バインダー樹脂として、フッ素樹脂を用いることが、電気化学的な酸化還元耐性の観点から好ましい。
フッ素樹脂としては、分散剤において説明したフッ素樹脂と同じものを用いることができる。
本実施形態のフッ素樹脂としては、例えば、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニル、テトラフルオロエチレンが好ましい。
本実施形態のフッ素樹脂の重量平均分子量は、10,000~2,000,000が好ましく、100,000~1,000,000がより好ましく、200,000~1,000,000が特に好ましい。
本実施形態のバインダー樹脂の含有量は、炭素材料分散組成物中の炭素材料100質量部を基準として、1質量部~100質量部であることが好ましく、10質量部~70質量部であることが好ましい。バインダー樹脂の含有量が上記範囲内である場合、流動性の良好な炭素材料分散組成物が得られやすい。
<炭素材料分散組成物の製造方法>
本実施形態の炭素材料分散組成物を得るには、炭素材料を分散媒中に分散させる処理を行うことが好ましい。かかる処理を行うために使用される分散装置は特に限定されない。
また、炭素材料と分散剤を分散媒中に分散させる処理を行った後に、得られた分散組成物にバインダー樹脂を混合し、均一化して用いることが好ましい。混合方法としては、従来公知の様々な方法を行うことができる。バインダー樹脂としては、フッ素樹脂を用いることが好ましい。
本実施形態の炭素材料分散組成物は、本発明の炭素材料に加えて、本発明の炭素材料以外の単層カーボンナノチューブを含んでいてもよい。
このとき、炭素材料分散組成物は、従来公知の様々な方法で作製することができる。
具体的には、本発明の炭素材料と、単層カーボンナノチューブと、分散剤と、分散媒と、必要に応じて任意成分を含む混合液を分散して炭素材料分散組成物を作製して用いてもよいし、本発明の炭素材料を含む炭素材料分散組成物(I)と、単層カーボンナノチューブを含む炭素材料分散組成物(II)(ただし、炭素材料分散組成物(I)である場合は除く)とをそれぞれ作製してから用いてもよい。
なかでも、炭素材料分散組成物(I)が、炭素材料、分散剤、および分散媒を含むであり、炭素材料分散組成物(II)が、単層カーボンナノチューブとフッ素樹脂を含む炭素材料分散組成物であることが、安定性および電池特性の観点から好ましい。
本発明の炭素材料と、単層カーボンナノチューブと、分散剤と、分散媒とを混合する順序は特に限定されず、それぞれを順次添加してもよいし、いずれか2つ以上を同時に添加してもよい。
なかでも、製造方法(I):下記(I-1)の工程を含む方法、または製造方法(II):下記(II-1)~(II-3)の工程を含む方法であることが炭素材料の凝集およびフッ素樹脂のゲル化を抑制する観点から好ましく、製造方法(II):下記(II-1)~(II-3)の工程を備える方法がより好ましい。
・製造方法(I)
(I-1)本発明の炭素材料と、単層カーボンナノチューブと、フッ素樹脂と、分散媒を含む混合液を分散する工程。
・製造方法(II)
(II-1)本発明の炭素材料と、分散剤と、分散媒を含む混合液を分散して炭素材料分散組成物(I)を製造する工程。
(II-2)単層カーボンナノチューブと、フッ素樹脂と、分散媒を含む混合液を分散して炭素材料分散組成物(II)を製造する工程。
(II-3)炭素材料分散組成物(I)、および炭素材料分散組成物(II)を混合する工程。
分散装置としては、顔料分散等に通常用いられている分散機を使用することができる。例えば、ディスパー、ホモミキサー、プラネタリーミキサー等のミキサー類、ホモジナイザー(BRANSON社製Advanced Digital Sonifer(登録商標)、MODEL 450DA、エム・テクニック社製「クレアミックス」、PRIMIX社「フィルミックス」等、シルバーソン社製「アブラミックス」等)類、ペイントコンディショナー(レッドデビル社製)、コロイドミル(PUC社製「PUCコロイドミル」、IKA社製「コロイドミルMK」)類、コーンミル(IKA社製「コーンミルMKO」等)、ボールミル、サンドミル(シンマルエンタープライゼス社製「ダイノミル」等)、アトライター、パールミル(アイリッヒ社製「DCPミル」等)、コボールミル等のメディア型分散機、高圧ホモジナイザー(ジーナス社製「ジーナスPY」、スギノマシン社製「スターバースト」、ナノマイザー社製「ナノマイザー」等)、エム・テクニック社製「クレアSS-5」、奈良機械社製「MICROS」等のメディアレス分散機、その他ロールミル等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本実施形態の炭素材料分散組成物は、水分が100ppm~1500ppmであることが好ましく、200ppm~1000ppmであることが好ましい。炭素材料分散組成物の水分が上記範囲である場合、後述の合材スラリーのゲル化が抑制され、安定した品質の合材スラリーおよび電極膜が得られやすい。
本実施形態の炭素材料分散組成物の分散剤の量は、炭素材料100質量部に対して、10質量部~100質量部が好ましく、20質量部~50質量部がより好ましい。炭素材料分散組成物の分散剤量が上記範囲である場合、炭素材料表面に吸着する分散剤量が適切であり、導電性および分散安定性に優れた炭素材料分散組成物が得られやすい。
本実施形態の炭素材料分散組成物中の炭素材料の含有率は、炭素材料分散組成物100質量%を基準として、0.5質量%~5.0質量%が好ましく、1.0質量%~3.5質量%がより好ましく、1.5質量%~3.0質量%がさらに好ましい。炭素材料分散組成物中の炭素材料の量が上記範囲である場合、炭素材料分散組成物作製時、多層カーボンナノチューブが適切に分散され、導電性および分散安定性に優れた炭素材料分散組成物が得られやすい。
本実施形態の炭素材料分散組成物の初期粘度は、B型粘度計を用いて、6rpmで測定した粘度が、100mPa・s以上10,000mPa・s未満であることが好ましく、500mPa・s以上5,000mPa・s未満であることがより好ましい。
炭素材料分散組成物の初期粘度が上記範囲である場合、炭素材料組成物に含まれる多層カーボンナノチューブの分散状態が適切であり、導電ネットワークを形成しやすいことが考えられる。
炭素材料分散組成物の液性は、炭素材料組成物のチキソ性(TI値)を、つぎのように評価することで判断できる。炭素材料組成物を25℃の恒温槽に24時間静置した後、B型粘度計ローター回転速度で6rpmで粘度測定した後、60rpmで粘度測定する。この時6rpmにて測定を行った粘度をS、60rpmで測定を行った粘度をTとした際、S/T比が、TI値となる。炭素材料組成物のTI値は、2以上7未満が好ましく、3以上5以下がさらに好ましい。TI値が上記範囲である場合、炭素材料組成物に含まれる多層カーボンナノチューブのアスペクト比が適切であり、導電性および経時安定性に優れた炭素材料組成物が得られやすい。
本実施形態の炭素材料分散組成物は、分散組成物を製造後、60℃条件下で1週間保管後の粘度は、25℃に冷却後、B型粘度計により25℃、ローター回転速度6rpmで測定した粘度が、500mPa・s~20,000mPa・sであることが好ましく、2,000mPa・s~10,000mPa・sであることがさらに好ましい。
粘度が上記範囲内の炭素材料分散組成物は、炭素材料、分散剤、分散媒の組成比率や分散プロセスが適切であり、分散安定性が良好であると考えられる。炭素材料分散組成物に含まれる分散剤の炭素材料表面への吸着反応は、吸熱反応であるため、高温条件下で保管した後の炭素材料分散組成物の粘度評価を行うことで、分散安定性に優れた炭素材料分散組成物を得るために、必要十分な分散剤量を判断することができる。
≪合材スラリー≫
本実施形態の合材スラリーは、炭素材料分散組成物と、活物質を含む。すなわち、少なくとも本発明の炭素材料と、分散剤と、分散媒と、活物質を含み、分散剤またはバインダー樹脂としてフッ素樹脂を含むことが好ましい。
<活物質>
本実施形態の活物質とは、電池反応の基となる材料のことである。活物質は起電力から正極活物質と負極活物質に分けられる。
本明細書では、正極活物質および負極活物質を、単に「活物質」という場合がある。活物質とは、電池反応の基となる材料のことである。活物質は、起電力から、正極活物質と負極活物質に分けられる。
正極活物質としては、特に限定はされないが、リチウムイオンをドーピングまたはインターカレーション可能な金属酸化物、金属硫化物等の金属化合物、および導電性高分子等を使用することができる。例えば、Fe、Co、Ni、Mn等の遷移金属の酸化物、リチウムとの複合酸化物、遷移金属硫化物等の無機化合物等が挙げられる。具体的には、MnO、V、V13、TiO等の遷移金属酸化物粉末、層状構造のニッケル酸リチウム、コバルト酸リチウム、マンガン酸リチウム、スピネル構造のマンガン酸リチウムなどのリチウムと遷移金属との複合酸化物粉末、オリビン構造のリン酸化合物であるリン酸鉄リチウム系材料、TiS、FeSなどの遷移金属硫化物粉末等が挙げられる。また、ポリアニリン、ポリアセチレン、ポリピロール、ポリチオフェン等の導電性高分子を使用することもできる。また、上記の無機化合物や有機化合物を混合して用いてもよい。
負極活物質としては、リチウムイオンをドーピングまたはインターカレーション可能なものであれば特に限定されない。例えば、金属Li、その合金であるスズ合金、シリコン合金、鉛合金等の合金系、LiXFe、LiXFe、LiXWO(xは0<x<1の数である。)、チタン酸リチウム、バナジウム酸リチウム、ケイ素酸リチウム等の金属酸化物系、ポリアセチレン、ポリ-p-フェニレン等の導電性高分子系、ソフトカーボンやハードカーボンといった、アモルファス系炭素質材料や、高黒鉛化炭素材料等の人造黒鉛、あるいは天然黒鉛等の炭素質粉末、カーボンブラック、メソフェーズカーボンブラック、樹脂焼成炭素材料、気層成長炭素繊維、炭素繊維などの炭素系材料が挙げられる。これら負極活物質は、1種または複数を組み合わせて使用することもできる。
正極活物質は、Al、Fe、Co、Ni、Mn等の遷移金属を含むリチウムとの複合酸化物であることが好ましく、Al、Co、Ni、Mnのうちいずれかを含むリチウムとの複合酸化物であることがより好ましく、Ni、および/または、Mnを含むリチウムとの複合酸化物であることが特に好ましい。これらの活物質を用いたとき、特に良好な効果を得ることができる。
活物質のBET比表面積は0.1m/g~10m/gのものが好ましく、0.2m/g~5m/gのものがより好ましく、0.3m/g~3m/gのものがさらに好ましい。
活物質の平均粒子径は0.05μm~100μmの範囲内であることが好ましく、さらに好ましくは、0.1μm~50μmの範囲内である。本明細書でいう活物質の平均粒子径とは、活物質を電子顕微鏡で測定した粒子径の平均値である。
<合成スラリーの製造方法>
本実施形態の合材スラリーを得るには、炭素材料分散組成物に活物質を加えた後、分散させる処理を行うことが好ましい。かかる処理を行うために使用される分散装置は特に限定されない。合材スラリーは前記炭素材料分散組成物で説明した分散装置を用いて、合材スラリーを得ることができる。
合材スラリー中の活物質の含有率は、合材スラリー100質量%を基準として、20質量%~85質量%であることが好ましく、40質量%~85質量%であることが特に好ましい。
合材スラリー中の炭素材料の含有率は、活物質100質量%を基準として、0.05質量%~10質量%であることが好ましく、0.1質量%~5質量%であることが好ましく0.1質量%~3質量%であることが好ましい。
合材スラリー中のフッ素樹脂の含有率は、活物質100質量%を基準として、0.5質量%~20質量%であることが好ましく、1質量%~10質量%であることがさらに好ましく、1質量%~5質量%であることが特に好ましい。
合材スラリーの固形分濃度は、合材スラリー100質量%を基準として、30質量%~90質量%であることが好ましく、40質量%~85質量%であることが好ましい。
合材スラリー中の水分量は500ppm以下であることが好ましく、300ppm以下であることがさらに好ましく、100ppm以下であることが特に好ましい。
≪電極≫
本実施形態の電極膜は、集電体と、合材スラリーから形成してなる電極膜とを備える。
電極膜は、合材スラリーの塗工膜である。例えば、集電体上に合材スラリーを塗工乾燥することで、電極合材層を形成した塗工膜である。
本実施形態の電極膜に使用する集電体の材質や形状は特に限定されず、各種二次電池にあったものを適宜選択することができる。例えば、集電体の材質としては、アルミニウム、銅、ニッケル、チタン、又はステンレス等の金属や合金が挙げられる。また、形状としては、一般的には平板上の箔が用いられるが、表面を粗面化したものや、穴あき箔状のもの、及びメッシュ状の集電体も使用できる。
集電体上に合材スラリーを塗工し、電極膜を形成する方法としては、特に制限はなく公知の方法を用いることができる。具体的には、ダイコーティング法、ディップコーティング法、ロールコーティング法、ドクターコーティング法、ナイフコーティング法、スプレーコティング法、グラビアコーティング法、スクリーン印刷法または静電塗装法等が挙げる事ができ、乾燥方法としては放置乾燥、送風乾燥機、温風乾燥機、赤外線加熱機、遠赤外線加熱機などが使用できるが、特にこれらに限定されるものではない。
また、塗工後に平版プレスやカレンダーロール等による圧延処理を行っても良い。電極合材層の厚みは、一般的には1μm以上、500μm以下であり、好ましくは10μm以上、300μm以下である。
≪二次電池≫
本実施形態の二次電池は、本発明の電極膜を有する電極と電解質とを備える。
本発明の炭素材料は、二次電池電極内の良好な導電ネットワークを形成するためレート特性に優れ、充放電時に、活物質が均質に利用されるため、活物質の劣化が進みにくい。さらには、充放電時の過充電および過放電が抑制される。そのため、電解液分解や金属析出による電池特性の劣化が起きにくく、サイクル特性に優れている。
正極としては、集電体上に正極活物質を含む合材スラリーを塗工乾燥して電極膜を作製したものを使用することができる。
負極としては、集電体上負極活物質を含む合材スラリーを塗工乾燥して電極膜を作製したものを使用することができる。
電解質としては、イオンが移動可能な従来公知の様々なものを使用することができる。例えば、LiBF、LiClO、LiPF、LiAsF、LiSbF、LiCFSO、Li(CFSON、LiCSO、Li(CFSOC、LiI、LiBr、LiCl、LiAlCl、LiHF、LiSCN、又はLiBPh(ただし、Phはフェニル基である)等リチウム塩を含むものが挙げられるが、これらに限定されず、ナトリウム塩を含むものも使用できる。電解質は非水系の溶媒に溶解して、電解液として使用することが好ましい。
非水系の溶媒としては、特に限定はされないが、例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、及びジエチルカーボネート等のカーボネート類;γ-ブチロラクトン、γ-バレロラクトン、及びγ-オクタノイックラクトン等のラクトン類;テトラヒドロフラン、2-メチルテトラヒドロフラン、1,3-ジオキソラン、4-メチル-1,3-ジオキソラン、1,2-メトキシエタン、1,2-エトキシエタン、及び1,2-ジブトキシエタン等のグライム類;メチルフォルメート、メチルアセテート、及びメチルプロピオネート等のエステル類;ジメチルスルホキシド、及びスルホラン等のスルホキシド類;並びに、アセトニトリル等のニトリル類等が挙げられる。これらの溶媒は、それぞれ単独で使用しても良いが、2種以上を混合して使用しても良い。
本実施形態の二次電池には、セパレーターを含むことが好ましい。セパレーターとしては、例えば、ポリエチレン不織布、ポリプロピレン不織布、ポリアミド不織布及びこれらに親水性処理を施したものが挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。
本実施形態の二次電池の構造は特に限定されないが、通常、正極及び負極と、必要に応じて設けられるセパレーターとから構成され、ペーパー型、円筒型、ボタン型、積層型等、使用する目的に応じた種々の形状とすることができる。
本実施形態の二次電池の用途は特に制限されず、具体的には、携帯電話、ノートパソコン、デジタルカメラ等の民生用機器の電源用、病院、工場、ビル等の非常用電源、ハイブリッド自動車、プラグインハイブリッド自動車、電気自動車、アシスト自転車、鉄道用車両等の車両用などに用いることができる。二次電池は、例えば車両の動力の回生エネルギーを回収するものである。
なかでも、高い充放電性能を有し、サイクル特性に優れる二次電池であることから、車両に好適に用いることができ、安全性が高く、燃費向上も期待できる車両が得られる。さらに、大電流での充放電が望まれる車両用途である場合にも優れた効果を発揮できる。
本実施形態の車両における二次電池の搭載位置は、特には限定されない。例えば、二次電池を自動車に搭載する場合、二次電池は、車両のエンジンルーム、車体後方又は座席の下に搭載することができる。
以下に実施例を挙げて、本発明をさらに具体的に説明する。本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、特に断らない限り、「部」は「質量部」、「%」は「質量%」を表す。また、表中の配合量は、質量部であり、溶剤以外は、不揮発分換算値である。尚、表中の空欄は配合していないことを表す。
実施例および比較例において使用した材料を下記に示す。
<分散剤>
・ポリビニルピロリドン(日本触媒社製、K-30、重量平均分子量40,000)以下、分散剤(A)とした。
・ポリビニルブチラール樹脂(積水化学工業社製、BL-10、重量平均分子量15,000)以下、分散剤(B)とした。
・水素化ニトリルブタジエンゴム(特許第6933285号公報に従って製造した分散剤6)以下、分散剤(C)とした。
<分散剤の重量平均分子量(Mw)の測定>
分散剤の重量平均分子量(Mw)は、RI検出器を装備したゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した。装置としてHLC-8320GPC(東ソー株式会社製)を用い、分離カラムを3本直列に繋ぎ、充填剤には順に東ソー株式会社製「T
SK-GEL SUPER AW-4000」、「AW-3000」、及び「AW-2500」を用い、オーブン温度40℃、溶離液として30mMトリエチルアミン及び10mM LiBrのN,N-ジメチルホルムアミド溶液を用い、流速0.6mL/分で測定した。測定サンプルは前記溶離液からなる溶剤を用いて1%の濃度となるように濃度を調整し、20マイクロリットル注入した。重量平均分子量はポリスチレン換算値である。
<標準負極の作製>
容量150mlのプラスチック容器にアセチレンブラック(デンカブラック(登録商標)HS-100、デンカ製)0.5質量部と、MAC500LC(カルボキシメチルセルロースナトリウム塩 サンローズ特殊タイプ MAC500L、日本製紙社製、不揮発分100%)1質量部と、水98.4質量部とを加えた後、自転・公転ミキサー(シンキー製 あわとり練太郎、ARE-310)を用いて、2000rpmで30秒間撹拌した。さらに活物質として人造黒鉛(日本黒鉛工業製、CGB-20)92質量部、シリコン(大阪チタニウムテクノロジー社製、SILICON MONOOXIDE SiO 1.3C 5μm、不揮発分100%)5質量部添加し、高速撹拌機を用いて、3000rpmで10分間撹拌した。続いてSBR(TRD2001、JSR社製)を3.1質量部加えて、前記自転・公転ミキサーを用いて、2000rpmで30秒間撹拌して、負極用合材スラリーを得た。その後、負極用合材スラリーを、アプリケーターを用いて、電極の単位当たりの目付量が8mg/cmとなるように銅箔上に塗工した後、電気オーブン中で120℃±5℃で25分間、塗膜を乾燥させた。さらに、ロールプレス(株式会社サンクメタル社製、3t油圧式ロールプレス)による圧延処理を行い、合材層の密度が1.6g/cmとなる標準負極を作製した。
≪物性測定および評価方法≫
後述の各実施例及び比較例において使用された炭素材料、炭素材料分散組成物、電極膜、および二次電池の物性測定および評価方法は以下のとおりである。
<炭素材料のBET比表面積>
炭素材料を電子天秤(sartorius社製、MSA225S100DI)を用いて、0.03g計量した後、110℃で15分間、脱気しながら乾燥させた。その後、全自動比表面積測定装置(MOUNTECH社製、HM-model1208)を用いて、炭素材料のBET比表面積を測定した。
<炭素材料の黒鉛化度(B/A比)>
ガラス試料板(外径5.0cm×3.5cm、厚さ3mm、試料部2.0cm×2.0cm、厚さ2mm)の凹部に炭素材料をのせ、スライドガラスを用いて、平坦化した。その後、全自動多目的X線回折装置(SmartLab、Rigaku社製)に炭素材料の粉末X線回折分析用サンプルを設置し、15°から35°まで操作し、分析を行った。サンプリングは0.01°毎に行い、スキャンスピードは1°/分とした。電圧は40kV、電流は40mA、X線源はCuKα線とした。この時得られる回折角2θ=15°~35°に観察される2つのピーク強度比は、回折角2θ=15°~35°に出現するプロットをそれぞれ11点単純移動平均し、回折角2θ=20°~30°の範囲において、低角側のピーク強度をA、高角側のピーク強度をBとし、つぎのように算出した。この時、ベースラインは2θ=16°および2θ=34°のプロットを結んだ線とした。炭素材料の黒鉛化度は以下の式1にて算出した。
(式1)炭素材料の黒鉛化度=B/A
炭素材料の黒鉛化度(B/A比)は、
α;1.0以上1.5未満
β;1.5以上2.5以下
γ;2.5を超える
-:1.0未満またはピークが1つであった
<炭素材料の炭素純度>
炭素材料をマイクロ波試料前処理装置(マイルストーンゼネラル社製、ETHOS1)を使用し、酸分解し、炭素材料に含まれる金属を抽出した。その後、マルチ型ICP発光分光分析装置(Agilent社製、720-ES)を用いて分析を行い、抽出液に含まれる金属量(鉄、コバルト、マグネシウム、アルミニウム、銅、ニッケル、ジルコニア、モリブデンの総量)を算出した。炭素材料の炭素純度は次のようにして計算した。
炭素材料の炭素純度(%)=((炭素材料質量-金属量)÷炭素材料質量)×100
<炭素材料のG/D比>
ラマン顕微鏡(XploRA、株式会社堀場製作所社製)に炭素材料を設置し、532nmのレーザー波長を用いて測定を行った。測定条件は取り込み時間60秒、積算回数2回、減光フィルタ10%、対物レンズの倍率20倍、コンフォーカスホール500、スリット幅100μm、測定波長は100cm-1~3000cm-1とした。測定用の炭素材料はスライドガラス上に分取し、スパチュラを用いて平坦化した。得られたピークの内、スペクトルで1560cm-1~1600cm-1の範囲内で最大ピーク強度をG、1310cm-1~1350cm-1の範囲内で最大ピーク強度をDとし、G/Dの比を炭素材料のG/D比とした。
<炭素材料の平均外径>
炭素材料を電子天秤(sartorius社製、MSA225S100DI)を用いて、450mLのSMサンプル瓶(株式会社三商社製)に炭素材料0.2gを計量し、トルエン200mLを加えて、超音波ホモジナイザー(Advanced Digital Sonifer(登録商標)、MODEL 450DA、BRANSON社製)を使用し、振幅30%で5分間氷冷下分散処理を行い、炭素材料分散組成物を調整した。その後、炭素材料分散組成物を適宜希釈し、コロジオン膜状に数μL滴下し、室温で乾燥させた後、直接透過型電子顕微鏡(H-7650、株式会社日立製作所社製)を用いて、観察した。観察は5万倍の倍率で、視野内に10本以上の多層CNTが含まれる写真を複数撮り、任意に抽出した300本の多層CNTの外径を測定し、その平均値を炭素材料の平均外径(nm)とした。
<炭素材料の体積抵抗率>
粉体抵抗率測定装置((株)三菱化学アナリテック社製:ロレスターGP粉体抵抗率測定システムMCP-PD-51)を用い、試料質量1.2gとし、粉体用プローブユニット(四探針・リング電極、電極間隔5.0mm、電極半径1.0mm、試料半径12.5mm)により、印加電圧リミッタを90Vとして、種々加圧下の炭素材料の体積抵抗率[Ω・cm]を測定した。1g/cmの密度における炭素材料の体積抵抗率の値を算出した。
炭素材料の導電性の評価は、1.0×10―2Ω・cm以上2.0×10―2Ω・cm未満:++(優良)、2.0×10―2Ω・cm以上3.0×10―2Ω・cm未満:+(良)、3.0×10―2Ω・cm以上:-(不良)とした。
<炭素材料分散組成物の初期粘度>
炭素材料分散組成物を25℃の恒温槽に1時間以上静置した後、炭素材料分散組成物をB型粘度計ローター回転速度6rpmにて直ちに行った。測定には、No.3のローターを用いた。初期粘度が200mPa・s未満の場合は、No.2のローターを用いた。
初期粘度の評価基準は、500mPa・s以上5,000mPa・s未満:++(優良)、100mPa・s以上500mPa・s未満または5,000mPa・s以上10,000mPa・s未満:+(良)、100mPa・s未満または10000mPa・s以上:-(不良)
<炭素材料分散組成物のチキソ性(TI値)>
炭素材料分散組成物を25℃の恒温槽に24時間静置した後、炭素材料分散組成物を十分に撹拌してから、B型粘度計ローター回転速度6rpmにて直ちに行った。その後、B型粘度計ローター回転速度60rpmにて、直ちに行った。この時6rpmにて測定を行った粘度をS、60rpmで測定を行った粘度をTとした際、S/Tを、TI値とした。
TI値の評価基準は、3以上5未満:++(優良)、2以上3未満または5以上7未満:+(良)、2未満または7以上:-(不良)とした。
<炭素材料分散組成物の経時安定性>
炭素材料分散組成物を60℃の恒温槽に7日間静置した後、25℃の恒温槽に移し、CNT分散組成物が25℃になるまで静置した。さらにその後、B型粘度計ローター回転速度6rpmで測定を行った。測定には、No.3のローターを用いた。
経時安定性の評価基準は、2,000mPa・s以上10,000mPa・s以下:++(優良)、500mPa・s以上2,000mPa・s未満または10,000mPa・sを超え20,000mPa・s未満:++(良)、500mPa・s未満または20,000mPa・sを超える:-(不良)とした。
<電極膜の体積抵抗率>
合材スラリーを、アプリケーターを用いて、電極の単位当たりの目付量が20mg/cmとなるようにアルミ箔上に塗工した後、電気オーブン中で120℃±5℃で25分間、塗膜を乾燥させた。その後、(株)三菱化学アナリテック社製:ロレスターGP、MCP-T610を用いて乾燥後の塗膜の表面抵抗率(Ω/□)を測定した。測定後、アルミ箔上に形成した電極合材層の厚みを掛けて、電極膜の体積抵抗率(Ω・cm)とした。電極合材層の厚みは、膜厚計(NIKON社製、DIGIMICRO MH-15M)を用いて、電極膜中の3点を測定した平均値から、アルミ箔の膜厚を引き算し、電極膜の体積抵抗率(Ω・cm)とした。
体積抵抗率の評価基準は、4Ω・cm未満:++(優良)、4Ω・cm以上8Ω・cm未満:+(良)、8Ω・cm以上:-(不良)とした。
<電極膜の剥離強度>
合材スラリーを、アプリケーターを用いて、電極の単位当たりの目付量が20mg/cmとなるようにアルミ箔上に塗工した後、電気オーブン中で120℃±5℃で25分間、塗膜を乾燥させた。その後、塗工方向を長軸として90mm×20mmの長方形に2本カットした。剥離強度の測定には卓上型引張試験機(東洋精機製作所社製、ストログラフE3)を用い、180度剥離試験法により評価した。具体的には、100mm×30mmサイズの両面テープ(No.5000NS、ニトムズ(株)製)をステンレス板上に貼り付け、作製した電池電極合材層を両面テープのもう一方の面に密着させ、一定速度(50mm/分)で下方から上方に引っ張りながら剥がし、このときの応力の平均値を剥離強度とした。
剥離強度の評価基準は、0.7N/cm以上:++(優良)、0.5N/cm以上0.7N/cm未満:+(良)、0.5N/cm未満:-(不良)とした。
<リチウムイオン二次電池のレート特性評価>
ラミネート型リチウムイオン二次電池を25℃の恒温室内に設置し、充放電装置(北斗電工社製、SM-8)を用いて充放電測定を行った。充電電流10mA(0.2C)にて充電終止電圧4.2Vで定電流定電圧充電(カットオフ電流1.0mA(0.02C))を行った後、放電電流10mA(0.2C)にて、放電終止電圧2.5Vで定電流放電を行った。この操作を3回繰り返した後、充電電流10mA(0.2C)にて充電終止電圧4.2Vで定電流定電圧充電(カットオフ電流(1.0mA0.02C))を行い、放電電流0.2Cおよび3Cで放電終止電圧2.5Vに達するまで定電流放電を行って、それぞれ放電容量を求めた。レート特性は0.2C放電容量と3C放電容量の比、以下の式2で表すことができる。
(式2) レート特性 = 3C放電容量/3回目の0.2C放電容量 ×100 (%)
レート特性評価は、レート特性が80%以上のものを+++(優良)、70%以上80%未満のものを++(良)、60%以上70%未満のものを+(可)、60%未満のものを-(不良)とした。サイクル特性は、サイクル特性が90%以上を+++(優良)、85%以上90%未満を++(良)、80%以上85%未満を+(可)、80%未満を-(不良)とした。
<リチウムイオン二次電池のサイクル特性評価>
ラミネート型リチウムイオン二次電池を25℃の恒温室内に設置し、充放電装置(北斗電工社製、SM-8)を用いて充放電測定を行った。充電電流50mA(1C)にて充電終止電圧4.2Vで定電流定電圧充電(カットオフ電流1.25mA(0.025C))を行った後、放電電流50mA(1C)にて、放電終止電圧2.5Vで定電流放電を行った。この操作を200回繰り返した。1Cは正極の理論容量を1時間で放電する電流値とした。サイクル特性は25℃における3回目の1C放電容量と200回目の1C放電容量の比、以下の式3で表すことができる。
(式3)サイクル特性=3回目の1C放電容量/200回目の1C放電容量×100(%)
サイクル特性評価は、サイクル特性が90%以上を+++(優良)、85%以上90%未満を++(良)、80%以上85%未満を+(可)、80%未満を-(不良)とした。
(実施例1-1)
炭素材料(多層CNT、JEIO社製、JENOTUBE6A)を120Lの耐熱性容器に10kgを計量し、炭素材料が入った耐熱性容器を炉内に設置した。その後、炉内に窒素ガスを導入して、陽圧を保持しながら、炉内中の空気を排出した。炉内の酸素濃度が0.1%以下になった後、30時間かけて、1400℃まで加熱した。炉内温度を1400℃に保持しながら、塩素ガスを50L/分の速度で100時間導入した。その後、窒素ガスを50L/分で導入して陽圧を維持したまま冷却し、多層カーボンナノチューブを含む炭素材料(A)を得た。
(実施例1-2~1-4)、(比較例1-1~1-2)
炉内温度を表1記載の温度に変更した以外は、実施例1-1と同様の方法にて、多層カーボンナノチューブを含む炭素材料(B)~(F)を得た。
(比較例1-3~1-5)
炭素材料(多層CNT、KUMHO PETROCHEMICAL社製、100T)を炭素材料(G)、炭素材料(多層CNT、Nanocyl社製、NC7000)を炭素材料(H)、炭素材料(多層CNT、JEIO社製、JENOTUBE6A)を炭素材料(I)とした。炭素材料(G)は鉄を3000ppm、コバルトを1500ppm、炭素材料(H)は鉄を11000ppm、コバルトを3000ppm、炭素材料(I)は鉄を4000ppm、コバルトを2000ppm含んでいた。
(比較例1-6~1-9)
特許第6586197号公報の純化CNT(C)を、炭素材料(J)、特許第6590034号公報のCNT(F)を炭素材料(K)、特許第6590034号公報のCNT(G)を炭素材料(L)、特許第6801806号公報のCNT(D)を炭素材料(M)とした。
(比較例1-10)
炭素材料(CNT、JEIO社製、JENOTUBE6A)を、CNT(Nanocyl社製、NC7000)に変更した以外は、実施例1-1と同様の方法により、CNT(N)を得た。
表1に、実施例1-1~1-4、比較例1-1~1-10で作製したCNTの評価結果を示す。実施例の炭素材料は全て回折角2θ=24.0°~27.0°の範囲内に2つのピークを有しており、比較例1-3~1-5、1-7、1-9は、ピークが1つであった。
Figure 0007416180000002
(実施例2-1)
ステンレス容器に、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)95.5部、分散剤(A)(ポリビニルピロリドン(日本触媒社製、K-30、重量平均分子量40,000))1.5質量部を加えて、ディスパーで均一になるまで撹拌した。その後、炭素材料(A)を3.0質量部とり、ディスパーで撹拌しながら添加して、ハイシアミキサー(L5M-A、SILVERSON製)に角穴ハイシアスクリーンを装着し、8,600rpmの速度で全体が均一になり、グラインドゲージにて分散粒度が250μm以下になるまでバッチ式分散を行った。次に、上記ステンレス容器の内容物を送液し、直径1.0mmφのジルコニアビーズを充填したビーズミル(ダイノーミルMULTI LAB、シンマルエンタープライセズ社製)により、滞留時間10分間の循環式分散処理を行った。続いて、配管を介して高圧ホモジナイザーに被分散液を供給し、15回パス式分散処理を行った。分散処理はシングルノズルチャンバーを使用し、ノズル径0.25mm、圧力100Mpaにて行った後、表面磁束密度17,000ガウスのマグフィルターを介し、目開き20μmのナイロンメッシュを通過させ、3.0質量部の炭素材料(A)を含む炭素材料分散組成物(A1)を得た。
(実施例2-2~2-12)、(比較例2-1~2-10)
表2に掲載した炭素材料、分散剤、分散条件に変更した以外は同様の方法により、(実施例2-2)~(比較例2-12)の炭素材料分散組成物(A2)~(N1)を得た。
表2に(実施例2-1~2-12)、(比較例2-1~2-10)で作製した分散組成物の評価結果を示す。
Figure 0007416180000003
(実施例2-13)
<単層カーボンナノチューブ分散組成物(S1)の製造>
ステンレス容器にNMP97.6部を加えて、ディスパーで撹拌しながら、ポリフッ化ビニリデン樹脂(solvay製、solef5130)2.0部を加えて、ディスパーでsolef5130が溶解するまで撹拌した。その後、単層カーボンナノチューブ(TUBALL:OCSiAl製、炭素純度93%)0.4部を計量し、ディスパーで撹拌しながら添加して、ハイシアミキサー(L5M-A、SILVERSON製)に角穴ハイシアスクリーンを装着し、8,600rpmの速度で全体が均一になるまでバッチ式分散を行った。続いて、ステンレス容器から、配管を介して高圧ホモジナイザー(スターバーストラボHJP-17007、スギノマシン製)に被分散液を供給し、パス式分散処理を5回行い、単層カーボンナノチューブ分散組成物(S1)を得た。分散処理はシングルノズルチャンバーを使用し、ノズル径0.25mm、圧力60MPaにて行った。
単層カーボンナノチューブ(TUBALL:OCSiAl製、炭素純度93%)のBET比表面積は975m/gであった。
<炭素材料分散組成物の製造>
続いて、単層カーボンナノチューブ分散組成物(S1)66.7部に対して、実施例2-1で作製した分散組成物(A1)33.3部、NMP24部を加えて、ディスパーで均一になるまで撹拌して、分散組成物(A1S1-1)を得た。分散組成物(A1S1-1)の固形分は2.5%であった。
(実施例2-14)
単層カーボンナノチューブ分散組成物(S1)66.7部の代わりに単層カーボンナノチューブ分散組成物(S1)50部、炭素材料分散組成物(A1)33.3部の代わりに炭素材料分散組成物(A1)50部、NMP24部の代わりにNMP18部を使用した以外は、実施例2-13と同様の方法にて、炭素材料分散組成物(A1S1-2)を得た。炭素材料分散組成物(A1S1-2)の固形分は2.5%であった。
(実施例2-15)
単層カーボンナノチューブ分散組成物(S1)66.7部の代わりに単層カーボンナノチューブ分散組成物(S1)33.3部、炭素材料分散組成物(A1)33.3部の代わりに炭素材料分散組成物(A1)66.7部、NMP24部の代わりにNMP52部を使用した以外は、実施例2-13と同様の方法にて、炭素材料分散組成物(A1S1-3)を得た。炭素材料分散組成物(A1S1-3)の固形分は2.5%であった。
(実施例2-16)
単層カーボンナノチューブ分散組成物(S1)66.7部の代わりに単層カーボンナノチューブ分散組成物(S1)20部、炭素材料分散組成物(A1)33.3部の代わりに炭素材料分散組成物(A1)80部、NMP24部の代わりにNMP63部を使用した以外は、実施例2-13と同様の方法にて、炭素材料分散組成物(A1S1-4)を得た。炭素材料分散組成物(A1S1-4)の固形分は2.5%であった。
表3に(実施例2-13~2-16で作製した分散組成物の評価結果を示す。
Figure 0007416180000004
(実施例3-1)
容量150cmのプラスチック容器に、PVDF(ポリフッ化ビニリデン、Solvey社製、Solef#5130)を8質量%溶解したNMP溶液を6.3質量部、NMP20質量部を計量した。その後、炭素材料分散組成物(A1)8.3質量部添加し、自転・公転ミキサー(あわとり練太郎、ARE-310)を用いて、2000rpmで30秒間撹拌した。さらにその後、正極活物質(BASF戸田バッテリーマテリアルズ合同会社製、HED(登録商標)NCM-111 1100)を98.7質量部加えて、自転・公転ミキサー(あわとり練太郎、ARE-310)を用いて、2000rpmで2.5分間撹拌し、合材スラリー(A1)を得た。
続いて、合材スラリー(A1)を、アプリケーターを用いて、電極の単位当たりの目付量が20mg/cmとなるようにアルミ箔上に塗工した後、電気オーブン中で120℃±5℃で25分間塗膜を乾燥させ、電極膜(A1)を得た。その後、電極膜(A1)をロールプレス(サンクメタル製、3t油圧式ロールプレス)による圧延処理を行って、正極(A1)を得た。なお、合材層の単位当たりの目付量は20mg/cmであり、圧延処理後の合材層の密度は3.1g/ccとした。
(実施例3-2~実施例3-16)、(比較例3-1~3-10)
表4記載の通りに、分散組成物(A1)の代わりに分散組成物(A2)~(N1)を用いた以外は合材スラリー(A1)の製造と同様の方法により、合材スラリー(A2)~(N1)を得た。
続いて表4記載の通りに、合材スラリー(A1)を合材スラリー(A2)~(N1)に変更した以外は、正極(A1)の製造と同様の方法により、電極膜(A2)~(N1)、正極(A2)~(N1)を作製した。
表4に(実施例3-1~3-16)、(比較例3-1~3-10)で作製した電極膜の評価結果を示す。
Figure 0007416180000005
(実施例4-1)
正極(A1)と標準負極を各々45mm×40mm、50mm×45mmに打ち抜き、その間に挿入されるセパレーター(多孔質ポリプロプレンフィルム)とをアルミ製ラミネート袋に挿入し、電気オーブン中、60℃で1時間乾燥した。その後、アルゴンガスで満たされたグローブボックス内で、電解液(エチレンカーボネートとエチルメチルカーボネートとジメチルカーボネートを1:1:1(体積比)の割合で混合した混合溶媒を作製し、さらに添加剤として、VC(ビニレンカーボネート)を混合溶媒100質量部に対して2質量部加えた後、LiPFを1Mの濃度で溶解させた非水電解液)を2mL注入した後、アルミ製ラミネートを封口してラミネート型リチウムイオン二次電池(A1)を作製した。
(実施例4-2~実施例4-16)、(比較例4-1~比較例4-10)
表5に掲載した正極に変更した以外はラミネート型リチウムイオン二次電池(A1)の製造と同様の方法により、ラミネート型リチウムイオン二次電池(A2)~(N1)を作製した。
表5に(実施例4-1~実施例4-16)、(比較例4-1~比較例4-10)で作製したリチウムイオン二次電池の評価結果を示す。
Figure 0007416180000006
上記実施例では、炭素材料のBET比表面積が、400m/g~650m/gであり、粉末X線回折分析において、回折角2θ=24.0°~27.0°の範囲に2つのピークを有する炭素材料を用いた。実施例では、比較例に比べて、炭素材料分散組成物の経時安定性に優れ、それを用いた電極膜の体積抵抗率と、剥離強度が優れ、レート特性とサイクル特性の優れたリチウムイオン二次電池が得られた。よって、本発明は従来の炭素材料分散組成物では実現しがたい高容量、高出力かつ高耐久性を有するリチウムイオン二次電池を提供できることが明らかとなった。
本発明のリチウムイオン二次電池を有する車両は、高い充放電性能に有し、サイクル特性に優れているため、安全性が高く、燃費も向上する車両が得られることが確認できた。
以上、実施の形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記によって限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。

Claims (12)

  1. 多層カーボンナノチューブを含み、かつ下記(1)および(2)を満たすことを特徴とする炭素材料。
    (1)BET比表面積が、400m/g~650m/gであること。
    (2)粉末X線回折分析において、回折角2θ=24.0°~27.0°の範囲内に少なくとも2つのピークを有すること。
  2. 粉末X線回折分析において、回折角2θ=24.0°~27.0°の範囲内での低角側のピーク強度をA、高角側のピーク強度をBとした際に、B/A比が1.0~2.5である、請求項1記載の炭素材料。
  3. 炭素純度が99.9%以上である、請求項1記載の炭素材料。
  4. ラマンスペクトルにおいて、1560cm-1~1600cm-1の範囲内での最大ピーク強度をG、1310cm-1~1350cm-1の範囲内での最大ピーク強度をDとした際に、G/D比が1.0~4.5である、請求項1記載の炭素材料。
  5. 請求項1~4いずれか1項記載の炭素材料と、分散剤と、分散媒を含む、炭素材料分散組成物。
  6. 炭素材料分散組成物を製造後、60℃条件下で1週間保管後の炭素材料分散組成物を、B型粘度計により25℃、ローター回転速度6rpmで測定した粘度が、500mPa・s~20,000mPa・sである、請求項5記載の炭素材料分散組成物。
  7. フッ素樹脂を含む、請求項5記載の炭素材料分散組成物。
  8. 請求項5項記載の炭素材料分散組成物と、活物質とを含む、合材スラリー。
  9. 請求項8記載の合材スラリーから形成された電極膜。
  10. 請求項9記載の電極膜を有する電極と、電解質を備えた二次電池。
  11. 請求項10記載の二次電池を備えた車両。
  12. 炭素材料、分散剤、および分散媒を含む炭素材料分散組成物(I)と、単層カーボンナノチューブとフッ素樹脂を含む炭素材料分散組成物(II)(ただし、炭素材料分散組成物(I)である場合は除く)とを混合する工程を備え、
    前記炭素材料は、多層カーボンナノチューブを含み、かつ下記(1)および(2)を満たす炭素材料である、
    炭素材料分散組成物の製造方法。
    (1)BET比表面積が、400m/g~650m/gであること。
    (2)粉末X線回折分析において、回折角2θ=24.0°~27.0°の範囲内に少なくとも2つのピークを有すること。
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