JP2008124003A - リチウム二次電池用負極およびそれを含むリチウム二次電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】主としてサイクル特性に優れた高容量のリチウム二次電池用負極およびそれを用いるリチウム二次電池を提供する。
【解決手段】本発明のリチウム二次電池用負極は、集電体と、その上に担持された負極活物質層とを具備する。負極活物質層は、複数の柱状粒子を含む。集電体の表面は、凹部と、前記凹部で区画された複数の突出した領域とを含む。前記突出領域は、柱状粒子を担持している。また、本発明は、前記負極を用いるリチウム二次電池に関する。
【選択図】図1

Description

本発明は、リチウム二次電池に関し、特に負極の集電体と活物質層の構造に関する。
近年、パーソナルコンピュータ、携帯電話などのポータブル機器の開発に伴い、その電源としての電池の需要が増大している。上記のような用途に用いられる電池には、常温使用が求められると同時に、高いエネルギー密度と優れたサイクル特性が要望されている。
この要望に対し、高容量の正極活物質および負極活物質が新たに開発されている。中でも、非常に高い容量が得られるケイ素(Si)もしくは錫(Sn)の単体、その酸化物またはその合金を負極活物質として用いる電池が有望視されている。
一方で、例えば、ケイ素を含む材料を負極活物質として用いる電池の場合、充放電の繰り返しによる負極の変形が問題となる。すなわち、充放電時には、リチウム(Li)が挿入および脱離することで、負極活物質が大きく膨張および収縮する。よって、充放電を繰り返すことにより、負極が大きく歪み、集電体にしわが生じたり、集電体が切れたりする。また、負極とセパレータとの間に空間が生じ、充放電反応が不均一になる。このため、電池特性が低下する。
上記のような問題に対し、従来、活物質の膨張応力を緩和するために、負極活物質層に空間を設けることが提案されている。この提案は、負極の歪み、うねりを抑制し、サイクル特性の劣化を抑えることを意図している。
例えば、特許文献1は、集電体上に、ケイ素の柱状粒子を形成することを提案している。
特許文献2は、集電体上に、リチウムと合金を形成する活物質を、所定のパターンで規則的に配列させることを提案している。
特許文献3は、ケイ素、錫などの薄膜電極を凹凸のある集電体上に形成した後、凹凸を平坦化することで、薄膜に網目状のクラックを形成することを提案している。
特許文献4は、負極活物質を形成する柱状粒子を、集電体表面の法線方向に対して傾斜させることを提案している。
特開2003−303586号公報 特開2004−127561号公報 特開2005−108522号公報 特開2005−196970号公報
特許文献1〜3においては、集電体上にその法線方向に直立した柱状粒子からなる負極活物質層が形成されている。このような負極において、正極活物質層に対向する負極集電体の露出部の面積の割合は、正極活物質層に対向する負極活物質の面積の割合よりも大きい。このため、正極活物質の多くは、負極活物質と対向せず、負極集電体の露出部に対向する。よって、充電時に正極活物質から負極に供給されるリチウムが、負極活物質に吸蔵されずに、負極集電体の露出部に析出しやすくなる。その結果、放電時には、リチウムが負極から効率良く放出されず、充放電効率が低下する。
特許文献4の負極は、傾斜した柱状粒子を有するため、正極活物質と負極活物質との利用率が高められている。このため、特許文献4の負極は、容量維持率に関しては、特許文献1〜3の負極と比較して優れている。しかし、柱状粒子を傾斜させたとしても、柱状粒子の粒径を増加させていくと、粒子同士がつながり、充電時の活物質の膨張の際に、負極が大きく歪み、集電体にしわが生じたり、集電体が切断されたりすることがある。この場合、充放電サイクルを少し繰り返しただけでも、負極が劣化することがある。
そこで、本発明は、主としてサイクル特性に優れた高容量のリチウム二次電池用負極およびそれを用いるリチウム二次電池を提供することを目的とする。
本発明のリチウムイオン二次電池用負極は、集電体と、負極活物質層とを含み、前記負極活物質層が、複数の柱状粒子を含む。集電体は、凹部もしくは溝部(以下、単に「凹部という」)と、前記凹部で区画された複数の突出領域とを含む。前記突出領域は、柱状粒子を担持している。集電体の表面は、上記のように凹部および複数の突出領域を有するが、目視によれば、平坦に見えるため、集電体の法線方向は一義的に定められる。
集電体の活物質層を担持する領域において、突出領域の面積と凹部の面積との合計に占める突出領域の面積の割合は、10〜30%であることが好ましい。ここで、「面積」とは、集電体を上から見たとき(あるいは、上面図)の面積である。
前記集電体の表面上に、突出領域と重複する部分の合計長さの割合が最も大きくなるように描かれた線分において、前記合計長さは、前記線分の全長の35〜60%であることが好ましい。
前記突出領域の最大径Wに対して垂直な方向に沿って隣接する突出領域間の距離Lと、突出領域の高さHとは、以下の関係式:
2≦(L/H)≦6
を満たすことが好ましい。
突出領域の最大径Wと、最大径Waに垂直な方向の最大径Wbとは、以下の関係式:
1≦(Wa/Wb)≦4
を満たすことが好ましい。
本発明の一実施形態において、前記複数の突出領域が、互いに交差しない複数の第1の線および互いに交差しない複数の第2の線に沿って配置されており、前記第1の線と前記第2の線とは、交差しており、前記第1の線と前記最大径Wbの方向とがなす角度αが、45°≦α<90°を満たし、前記第2の線と前記最大径Wbの方向とがなす角度βが、45°≦β<90°を満たすことが好ましい。
前記突出領域の形状は、多角形、円形、または楕円形であることが好ましい。前記多角形の角には、丸みが付けられていることがさらに好ましい。
前記柱状粒子は、ケイ素の単体、ケイ素合金、ケイ素と酸素とを含む化合物、およびケイ素と窒素とを含む化合物よりなる群から選択される少なくとも1種を含むことが好ましい。ケイ素合金がケイ素と金属元素Mとの合金である場合、金属元素Mは、リチウムと合金を形成しないことが好ましい。金属元素Mは、チタン、銅およびニッケルよりなる群から選択される少なくとも1種であることがさらに好ましい。
ケイ素と酸素とを含む化合物は、一般式(1):
SiOx (1)
(ただし、0<x<2)
で表されることが好ましい。
前記柱状粒子は、集電体の表面の法線方向に対して、傾斜していることが好ましい。
前記柱状粒子は、集電体の表面の法線方向に対して傾斜して成長した複数の粒層の積層体を含むことが好ましい。前記複数の粒層は、それぞれ異なる方向に成長していることがさらに好ましい。
また、本発明は、上記負極と、リチウムイオンを吸蔵および放出可能な正極活物質を含む正極と、リチウムイオン伝導性の電解質と、を備えたリチウム二次電池に関する。
本発明においては、凹部と、前記凹部で区画された突出領域とを備える集電体を用い、前記突出領域に、柱状粒子が担持されている。このため、柱状粒子同士のつながりが起こりにくくなり、集電体にしわが生じたり、集電体が切れたりすることが抑制される。よって、本発明により、リチウム二次電池のサイクル特性を向上させることができる。
柱状粒子の成長方向が、集電体の表面の法線方向に対して傾斜している場合、正極活物質層と対向する負極集電体の露出部の面積を減少させ、負極集電体の露出部に析出するリチウムの量を低下させることができる。よって、柱状粒子の成長方向を、集電体の表面の法線方向に対して傾斜させることにより、充放電効率を向上させることができる。
以下、本発明を、図面を参照しながら説明する。
図1に、本発明の一実施形態に係るリチウム二次電池用負極10の断面図を示す。
負極10は、集電体11と、集電体11の両面に担持された負極活物質層12とを含む。負極活物質層12は、集電体11の片面のみに担持されていてもよい。
集電体11は、その表面に、凹部11aと、凹部11aで区画された複数の突出領域11bとを有する。負極活物質層12は、複数の柱状粒子12aを含み、柱状粒子12aは、突出領域11bに担持されている。なお、各突出領域には、1つの柱状粒子が担持されてもよいし、2つ以上の柱状粒子が担持されてもよい。
突出領域11bの周囲が凹部11aで囲まれるとともに、突出領域11bに柱状粒子が担持される。このため、凹部11aは、負極活物質層12に空隙を与える。よって、凹部11aは、活物質層を形成するときに、柱状粒子同士のつながりを抑制したり、充電時における柱状粒子の膨張による応力を緩和したりする作用を有する。
突出領域の横断面の形状(または、上から見たときの形状)は、多角形、例えば、正方形、長方形、平行四辺形またはひし形などの四角形、正五角形、ホームプレイト型などの五角形であってもよいし、円形または楕円形などであってもよい。
突出領域の横断面の形状が多角形の場合、その角に丸みが付けられていることが好ましい。突出領域の角に丸みがないと、上部に形成する柱状粒子が充電時に膨張したときに、突出領域の角部に応力が集中しやすくなることがある。その結果、柱状粒子が突出領域から剥離しやすくなり、リチウム二次電池のサイクル特性が低下することがある。
上記集電体において、突出領域の面積と凹部の面積との合計に占める突出領域の面積の割合(突出領域の面積比率)は、10〜30%であることが好ましい。前記割合が10%より小さい場合、柱状粒子を突出領域の上部だけに選択的に形成することが出来ず、突出領域以外の場所にも形成される。このため、隣接する柱状粒子間の空間が不足し、充電時における柱状粒子の膨張を緩和できないことがある。その結果、集電体にしわが生じたり、集電体が切れたりするため、リチウム二次電池のサイクル特性が低下することがある。前記割合が30%より大きい場合、隣接する柱状粒子間の空間が不足し、充電時における柱状粒子の膨張を緩和できないことがある。その結果、集電体にしわが生じたり、集電体が切れたりするため、リチウム二次電池のサイクル特性が低下することがある。
上記突出領域の面積および凹部の面積は、例えば、集電体の表面の0.1mm角の領域について、集電体の表面の法線方向から電子顕微鏡で観察し、その画像を用いて測定することができる。また、その電子顕微鏡の画像から所定の二点間の寸法を測定することもできる。
リチウム二次電池に含まれる集電体の観察は、次のようにして行うことが出来る。リチウム二次電池を充電状態で分解し、負極板を取り出す。負極板を水に浸すと、負極中に存在するリチウムが水と急激に反応し、負極活物質が集電体から容易に剥離する。集電体を水洗し、乾燥した後に電子顕微鏡で観察する。
図2に概略的に示すように、集電体の表面上には、突出領域21と重複する部分23の合計長さの割合が最も長くなるように所定の長さの線分22を描き、もしくは想定することができる。このとき、前記線分22の全長に対する前記合計長さの割合(線分比率)は、35〜60%であることが好ましく、40〜55%であることがさらに好ましい。なお、図2は、横断面の形状が四角形の突出領域を示している。
前記合計長さが、前記線分の長さの35%より小さい場合、線分方向に沿って隣接する柱状粒子間の空間が不足するため、充電状態における柱状粒子が線分方向で隣接する柱状粒子と衝突することがある。その結果、集電体の線分方向にしわが発生したり破断したりするため、リチウム二次電池のサイクル特性が低下することがある。前記合計長さが、前記線分の長さの60%より大きい場合、柱状粒子を突出領域の上部だけに選択的に形成することが出来ず、突出領域以外の場所にも形成されることがある。このため、隣接する柱状粒子間の線分方向の空間が不足し、充電状態における柱状粒子が線分方向で隣接する柱状粒子と衝突することがある。その結果、集電体の線分方向にしわが発生したり、破断したりするため、リチウム二次電池のサイクル特性が低下することがある。
例えば、0.05mm〜0.2mm角の範囲の集電体の表面の電子顕微鏡写真を得、突出領域と重複する部分の合計長さの割合が最も長くなるように、線分を引く。その線分において、突出領域と重複する部分の合計長さが、前記線分の全長の35〜60%であればよい。
図3に概略的に示すように、突出領域21の最大径Waに対して垂直な方向24に沿って隣接する突出領域間の距離Lと、突出領域21の高さHとは、以下の関係式:
2≦(L/H)≦6
を満たすことが好ましい。比(L/H)は、2〜4.4であることがさらに好ましい。
突出領域21の最大径Waと、最大径Waに垂直な方向の最大径Wbとは、以下の関係式:
1≦(Wa/Wb)≦4
を満たすことが好ましい。比(Wa/Wb)は、1.5〜3であることがさらに好ましい。
なお、図3では、突出領域の横断面の形状を四角形としているが、突出領域の横断面の形状等は、上記条件を満たすならば、特に限定されない。
比(L/H)が、2より小さい場合には、突出領域の上部のみ柱状粒子が形成されるため、突出領域の下部がムダな空間となり、電池のエネルギー密度が低下することがある。
比(L/H)が、6より大きい場合には、柱状粒子を突出領域だけに選択的に形成することが出来ず、突出領域以外の場所にも形成されるため、隣接する柱状粒子間の空間が不足し、充電時における柱状粒子の膨張を緩和できないことがある。その結果、集電体にしわが生じたり、集電体が切れたりするため、リチウム二次電池のサイクル特性が低下することがある。
突出領域の最大径Waおよび最大径Waに垂直な方向における最大径Wbは、それぞれ突出領域を上から見たときのその投影面において求めることができる。
突出領域の最大径Waは、例えば、集電体の上面の電子顕微鏡写真を得、任意の2〜10個の柱状粒子について、最大径を測定し、それらの値を平均することにより求めることができる。最大径Waに垂直な方向における最大径Wbも、前記と同様にして求めることができる。
突出領域の最大径Waは、8〜30μmであることが好ましい。最大径Waに垂直な方向における最大径Wbは、5〜20μmであることが好ましい。
突出領域の高さH、つまり凹部の深さは、図3に示される、凹部で区画された突出領域の上面の表面粗さ(Ra)を測定するときの基準面25と、凹部の最も深い箇所との間の距離のことをいう。凹部の深さは、例えば、任意の2〜10箇所において、深さを測定し、それらの値を平均することにより求めることができる。
隣接する突出領域間の距離Lは、突出領域の最大径Waに垂直な方向に隣接する2つの突出領域間の最短距離のことをいう。この最短距離は、突出領域の高さの半分の高さにおける距離である。
このような二点間の距離は、例えば、集電体の断面の電子顕微鏡の画像において、前記二点間の寸法を、任意の2〜10箇所測定し、それらの値を平均することにより求めることができる。
突出領域の面積と凹部の面積との合計に占める突出領域の面積の割合(突出領域の面積比率)は、例えば、距離L、突出領域21の最大径Waに平行な方向に沿って隣接する突出領域間の距離等を調節することにより、制御することができる。また、突出領域の面積比率は、突出領域と重複する部分の合計長さの割合が最も大きくなるように集電体上に描かれた線分の全長に対する、突出領域と重複する部分の合計長さの割合(線分比率)を調節することによっても、制御することができる。
突出領域の高さHは、1〜30μmの範囲であればよく、1〜10μmの範囲であることが好ましく、5〜10μm程度が特に好ましい。突出領域の高さは、10μm程度であることが最も好ましい。突出領域の高さHは、均一であってもよいし、不均一であってもよい。すなわち、突出領域は、場所によって、その高さが異なっていてもよい。例えば、10個の突出領域の高さの平均が10μmであればよい。
凹部は、規則的な配列を有することが好ましい。
なかでも、集電体が長尺のシート状である場合、凹部は、互いに交差しない複数の第1凹部と、互いに交差しない複数の第2凹部とを有し、第1凹部と第2凹部とは交差していることが好ましい。複数の第1凹部は、直線状であってもよいし、略直線状であってもよいし、曲線であってもよい。また、複数の第1凹部は、平行であってもよいし、交差しなければ略平行状態であってもよい。このことは、複数の第2凹部でも同様である。
つまり、複数の突出領域が、互いに交差しない複数の第1の線と、互いに交差しない複数の第2の線に沿って規則的に配置されているとともに、第1の線と第2の線とは、交差していることが好ましい。複数の第1の線は、直線であってもよいし、略直線状であってもよいし、曲線であってもよい。また、複数の第1の線は、平行であってもよいし、交差しなければ略平行状態であってもよい。このことは、複数の第2の線でも同様である。
さらに、第1の線と最大径Wbの方向とがなす角度αは、45°≦α<90°を満たすことが好ましく、第2の線と最大径Wbの方向とがなす角度βは、45°≦β<90°を満たすことが好ましい。
図4に、集電体の表面に規則的なパターンで設けられた複数の突出領域の一例を示す。
図4において、複数の突出部41は、複数の第1の線42および複数の第2の線43に沿って、規則的に配置されている。また、複数の第1の線42はそれぞれ平行であり、同様に、複数の第2の線43はそれぞれ平行である。
なお、図4においては、複数の突出領域は、その中心が第1の線および第2の線に沿うように配置されている。また、図4に示されるように、複数の第1の線42がそれぞれ平行であり、複数の第2の線43がそれぞれ平行である場合には、複数の突出領域41は、格子状に配置される。
例えば、図4に示されるようなひし形、楕円形等において、突出領域を、その法線方向から見たときの最大径Waと最大径Wbとの交点が、前記「中心」となる。
図4において、矢印D1は、突出領域41の最大径Waに垂直な方向における最大径Wbと平行な方向を示している。矢印D1と、第1の線42とは角度αをなしている。矢印D1と第2の線43とは角度βをなしている。
上記のように、角度αおよび角度βは、それぞれ45°以上90°未満を満たすことが好ましい。突出領域41に担持された柱状粒子の高さ(負極活物質層の厚み)が増加するにつれ、柱状粒子同士がつながりやすくなるが、角度αおよび角度βが、上記範囲にあることにより、柱状粒子同士のつながりを効果的に抑制することができる。これは、矢印D1に対して垂直および平行な方向における柱状粒子間の距離が、長くなりやすいためである。また、柱状粒子同士のつながりを十分に防止する観点からは、角度αおよびβは、それぞれ45°以上80°以下を満たすことが好ましく、50°以上75°以下を満たすことがさらに好ましい。
角度αおよび角度βが、それぞれ45°より小さいと、矢印D1に平行な方向における柱状粒子間の距離が短くなりやすい。また、矢印D1に対して垂直な方向における柱状粒子間の距離も、柱状粒子の厚みが厚くなると、柱状粒子が、矢印D1に対して垂直な方向に広がるため、短くなりやすい。
なお、角度αおよび角度βが、それぞれ90°である場合、第1の線42と第2の線43とが交差しない。
なお、突出領域の最大径Waの方向は、集電体の長手軸方向に垂直であることが好ましい。つまり、矢印D1の方向が、集電体の長手軸方向に平行であることが好ましい。
第1の線に沿って隣接する突出領域間の距離W3は、1〜100μmの範囲であればよく、5〜50μmの範囲であることが好ましい。同様に、第2の線に沿って隣接する突出領域間の距離W4は1〜100μmの範囲であればよく、5〜50μmの範囲であることが好ましい。距離W3およびW4は、15〜25μm程度が最も好ましい。
ここで、突出領域間の距離W3とは、突出領域の半分の高さにおける、第1の線に沿って隣接する2つの突出領域の中心を通る直線に平行な距離のことをいう。同様に、距離W4とは、突出領域の半分の高さにおける、第2の線に沿って隣接する2つの突出領域の中心を通る直線に平行な距離のことをいう。距離W3およびW4は、例えば、任意の2〜10箇所において、突出領域間の距離を測定し、それらの値を平均することにより求めることができる。
第1の線が曲線状である場合、矢印D1と第1の線とがなす角度αは、突出領域の中心における第1の線の接線と矢印D1とがなす角度のことをいう。同様に、第2の線が曲線状である場合、矢印D1と第2の線とがなす角度βは、突出領域の中心における第2の線の接線と矢印D1とがなす角度のことをいう。第1の線および第2の線が曲線状である場合にも、矢印D1と第1の線の前記接線とがなす角度αが45°≦α<90°を満たし、矢印D1と第2の線の前記接線とがなす角度βが45°≦β<90°を満たせば、上記のような効果が得られる。
さらなる例として、図5に、突出領域の横断面の形状が楕円形である突出領域を示す。また、別のさらなる例を、図6に示す。図6においては、図4とは異なり、四角形の突出領域の各辺が、第1の線および第2の線のいずれとも平行になっていない。
なお、図5および図6において、図4と同じ構成要素には、同じ番号を付している。
図5および6の場合にも、突出領域の高さ、隣接する突出領域間の距離、前記距離と突出領域の幅との比などは、上記範囲にあることが好ましい。また、矢印D1と第1の線とがなす角度α、および矢印D1と第2の線とがなす角度βも、上記範囲であることが好ましい。
なお、上記突出領域の面積比率および線分比率は、例えば、隣接する突出領域間の距離L等を調節することによっても、それぞれ10〜30%および35〜60%に調節することができる。このとき、突出領域のサイズは、一定であることが好ましい。
凹部および凹部で区画された複数の突出領域を含む集電体は、所定の基材の表面に、例えば、メッキ法または転写法により、所定の形状および所定の厚みで、突出領域を形成することにより作製することができる。または、前記集電体は、所定の基材に、例えば、切削法を用いて、所定のパターンで凹部を設けることにより形成することができる。
上記基材の構成材料は、特に限定されない。前記材料としては、例えば、圧延法、電解法などで作製された銅、銅合金などを用いることができる。上記基材の厚みは、特に限定されないが、一般的に1〜50μmである。
前記集電体を、基材に突出領域を形成することにより作製する場合、前記突出領域を構成する材料としては、例えば、Cu(銅)、Ni(ニッケル)、およびTi(チタン)を用いることができる。
本発明において、突出領域の上面には、凹凸が存在していてもよい。この場合、柱状粒子は、凸部上に成長しやすい。突出領域の周囲に存在する凹部の内壁にも、微小な凸部が存在してもよい。この場合、前記凹部にも、少量の活物質が担持されることとなる。
本発明において、突出領域の周囲に存在する凹部と、突出領域上に存在する凹部(微小凹部)とは、その形状により、区別することができる。
突出領域上に存在する凹凸は、無秩序または秩序的に配列された微小凸部と微小凹部とからなる。このような凹凸は、集電体が電解銅箔や電解銅合金箔などである場合には必然的に形成される。なお、前記凹凸は、例えば、メッキ法、転写法、切削法などを用いて、人工的に形成してもよい。
一方、突出領域の周囲に存在する凹部は、直線状または曲線状であり、その長さは、突出領域上に存在する微小凹部の長さと比較して非常に長い。また、突出領域の周囲に存在する凹部は、好ましくは所定のパターンを有している。
突出領域の上面に凹凸が存在する場合、互いに隣接する凸部の中心間距離は、0.1μm以上50μm以下であることが望ましく、1μm以上20μm以下であることがさらに望ましい。
突出領域の上面の表面粗さRaは、0.1〜30μmであることが望ましく、0.3〜10μmであることがさらに望ましい。例えば、1つの突出領域に2つ以上の柱状粒子が形成される場合、表面粗さRaが小さいと、互いに隣接する柱状粒子間に間隔を設けることが困難になる場合がある。表面粗さRaが大きくなるにつれて、集電体の平均厚みも厚くなる。
表面粗さRaは、日本工業規格(JIS B0601−1994)に定められており、例えば、表面粗さ計等により測定することができる。
なお、突出領域の表面粗さRaの値は、突出領域の高さの値よりも小さいことが好ましい。
突出領域を所定のパターンの孔を形成したローラ等を用いる転写法で作製する場合、基材の表面粗さが、0.1〜30μmであってもよい。
負極活物質層は、突出領域に担持された柱状粒子を含む。本発明において、柱状粒子は、ケイ素元素を含むことが好ましい。
柱状粒子は、例えば、ケイ素単体、ケイ素合金、ケイ素と酸素とを含む化合物、およびケイ素と窒素とを含む化合物よりなる群から選択される少なくとも1種を含むことが好ましい。例えば、負極活物質層は、前記物質のうちの1種類のみから構成されてもよい。または、活物質層は、前記物質からなる粒子を2種以上含んでいてもよい。例えば、活物質層は、ケイ素単体からなる粒子とケイ素合金からなる粒子を含んでいてもよい。
ケイ素と窒素とを含む化合物は、さらに酸素を含んでもよい。複数種の柱状粒子が活物質層を構成する例として、ケイ素と酸素と窒素を含み、これらの元素のモル比が異なる柱状粒子を複数種含む活物質層が挙げられる。また、活物質層は、1つの粒子内に、ケイ素と酸素とのモル比が異なる複数のケイ素酸化物を含む柱状粒子を含んでいてもよい。
ケイ素合金に含まれる、ケイ素以外の金属元素Mは、リチウムと合金を形成しない金属元素であることが望ましい。金属元素Mは、化学的に安定な電子伝導体であればよいが、例えば、チタン(Ti)、銅(Cu)およびニッケル(Ni)よりなる群から選択される少なくとも1種であることが望ましい。金属元素Mは、1種が単独でケイ素合金に含まれていてもよく、複数種がケイ素合金に含まれていてもよい。ケイ素合金におけるケイ素と金属元素Mのモル比は、下記範囲が好ましい。
金属元素MがTiである場合、0<Ti/Si<2が好ましく、0.1≦Ti/Si≦1.0が特に好ましい。
金属元素MがCuである場合、0<Cu/Si<4が好ましく、0.1≦Cu/Si≦2.0が特に好ましい。
金属元素MがNiである場合、0<Ni/Si<2が好ましく、0.1≦Ni/Si≦1.0が特に好ましい。
ケイ素と酸素とを含む化合物は、一般式(1):
SiOx (1)
(式中、0<x<2)
で表される組成を有することが好ましい。ケイ素に対する酸素のモル比xは、0.01≦x≦1であることがさらに好ましい。
ケイ素と窒素とを含む化合物は、一般式(2):
SiNy (2)
(式中、0<y<4/3)
で表される組成を有することが好ましい。ケイ素に対する窒素のモル比yは、0.01≦y≦1であることがさらに好ましい。
柱状粒子は、単結晶粒子であってもよいし、複数の結晶子(結晶粒:crystallite)を含む多結晶粒子でもよい。あるいは、柱状粒子は、結晶子サイズが100nm以下の微結晶からなる粒子であってもよいし、アモルファスであってもよい。
また、柱状粒子の形状や横断面の形は、特に限定されない。
突出領域に担持される柱状粒子は、図1に示されるように単一粒子から構成されてもよいし、図7および8に示されるように、柱状粒子は、複数の粒層の積層体から構成されてもよい。
さらに、柱状粒子の成長方向は、図1に示されるように集電体の表面の法線方向に対して、角度θ(以下、傾斜角度θという)だけ傾斜していてもよいし、図7および8に示されるように、集電体の表面の法線方向と平行であってもよい。
図7および8は、本発明の別の実施形態に係るリチウムイオン二次電池用負極に含まれる活物質粒子を概略的に示す。図7および8において、図1と同じ構成要素には、同じ番号を付している。
図7の柱状粒子60は、8個の粒層60a、60b、60c、60d、60e、60f、60g、および60hを含む積層体を有する。図7の柱状粒子の場合、各粒層の成長方向は、集電体の表面の法線方向から傾いているが、柱状粒子全体としての成長方向は、集電体の表面の法線方向と平行となっている。なお、柱状粒子全体としての成長方向が、集電体の表面の法線方向と平行となれば、各粒層の成長方向は、それぞれ異なる方向に傾斜していてもよい。
図7の柱状粒子は、例えば、以下のようにして作製することができる。まず、突出領域11bの頂部およびそれに続く側面の一部を被覆するように粒層60aを形成する。次に、突出領域11bの残りの側面および粒層60aの頂部表面の一部を被覆するように、粒層60bを形成する。すなわち、図7において、粒層60aは突出領域11bの頂部を含む一方の端部に形成され、粒層60bは部分的には粒層60aに重なるが、残りの部分は突出領域11bの他方の端部に形成される。さらに、粒層60aの頂部表面の残りおよび粒層60bの頂部表面の一部を被覆するように、粒層60cが形成される。すなわち、粒層60cは主に粒層60aに接するように形成される。さらに、粒層60dは主に粒層60bに接するように形成される。以下同様にして、粒層60e、60f、60g、60hを交互に積層することによって、図7に示されるような柱状粒子が形成される。
図8の柱状粒子70は、複数の第1の粒層71および複数の第2の粒層72を有する。
図8の柱状粒子の各粒層の厚みは、図7の柱状粒子の粒層の厚みより薄い。また、図8の柱状粒子は、その輪郭が、図7の柱状粒子と比較して、滑らかとなっている。
図8の柱状粒子においても、柱状粒子全体としての平均的な成長方向が集電体の表面の法線方向と平行となれば、各粒層の成長方向は、集電体の表面の法線方向から傾斜していてもよい。なお、図8の柱状粒子において、第1の粒層71の成長方向はA方向であり、第2の粒層72の成長方向は、B方向である。
柱状粒子の成長方向が集電体の表面の法線方向に対して傾斜している場合において、柱状粒子は、1つ以上の屈曲部を有していてもよい。
図1のような柱状粒子の場合、柱状粒子の成長方向を集電体の表面に投影した方向は、突出領域の最大径Wbの方向と平行であることが好ましい。また、図7および8のような柱状粒子の場合、各粒層の成長方向を集電体の表面に投影した方向が、突出領域の最大径Wbの方向と平行であることが好ましい。
互いに隣接する柱状粒子の中心間距離は、柱状粒子と集電体との接触部の中心間の距離(以下、ピッチという)を意味する。ピッチは、例えば、突出領域間のWa方向および/またはWb方向の距離に依存し、ほぼ突出領域間の距離と見なすことができる。
ピッチは、例えば、任意の2〜10組の互いに隣接する柱状粒子の中心間距離を測定し、それらの値を平均することにより求められる。
柱状粒子の直径は、突出領域の幅に依存する。充電時の膨張で柱状粒子が割れたり、集電体から離脱したりすることを防止する観点から、柱状粒子の直径は100μm以下であることが好ましく、1〜50μmであることが特に好ましい。ここで、柱状粒子の直径とは、柱状粒子の中心高さにおける、柱状粒子の成長方向に対して垂直な方向の粒径である。中心高さとは、集電体の法線方向における柱状粒子の最も高い位置と、突出領域の柱状粒子が接する上面との間の中間点の高さのことをいう。柱状粒子の直径は、例えば、任意の2〜10個の柱状粒子において、中心高さでの、成長方向に垂直な方向の粒径を測定し、それらの値を平均することにより求められる。
なお、柱状粒子において、成長方向に対して垂直な方向の粒径は、柱状粒子の成長方向に沿って、同じであってもよいし、異なってもよい。
互いに隣接する複数の柱状粒子は、成長途中で合体する場合がある。ただし、個々の柱状粒子は、成長の始点が異なる。よって、成長途中で合体した柱状粒子は、集電体の表面付近では分離しており、結晶の成長状態も異なる。よって、個々の柱状粒子の直径を求めることは可能である。
上記のように、比(Wa/Wb)は、1〜4であることが好ましい。比(Wa/Wb)が、4より大きい場合には、柱状粒子が充電時に膨張する歪み量が、最大径Wbの方向で大きいため、柱状粒子が割れたり、集電体にしわが生じたりする。その結果、リチウム二次電池のサイクル特性が低下することがある。
負極活物質層の厚みは、0.1μm以上100μm以下であることが好ましく、1μm以上50μm以下であることが特に好ましい。活物質層の厚みが0.1μm以上であれば、ある程度のエネルギー密度を確保できる。活物質層の厚みが100μm以下であれば、各柱状粒子が他の柱状粒子で遮蔽される割合を低く抑え、柱状粒子からの集電抵抗も低く抑制できる。よって、大電流での充放電(ハイレート充放電)に有利である。
ここで、負極活物質層の厚みとは、集電体の法線方向における柱状粒子の最も高い位置と、突出領域の柱状粒子が接する上面との間の距離(高さh)のことをいう。負極活物質層の厚みは、例えば、任意の2〜10個の柱状粒子において、前記高さhを測定し、それらの値を平均することにより求められる。
負極活物質層の厚みおよび柱状粒子の直径は、負極活物質が不可逆容量に相当するリチウムを含むが可逆容量に相当するリチウムを含まない状態(可逆容量が0である状態)で測定することが望ましい。可逆容量が0である状態は、完成した電池内における負極活物質層の体積が最小の状態に相当する。充電により、リチウムが柱状粒子に吸蔵されると、柱状粒子は膨張し、負極活物質層の体積は増加する。
電解質と柱状粒子との接触面積を十分に確保するとともに、柱状粒子の膨張による応力を十分に緩和する観点から、負極活物質層の空隙率Pは、10%〜70%であることが望ましく、30%〜60%であることがさらに望ましい。負極活物質層の空隙率Pが10%以上であれば、柱状粒子の膨張および収縮による応力を緩和するのに十分と考えられる。よって、粒状粒子と接触する電解質の量も十分に確保できる。空隙率Pが70%を超えると、負極のエネルギー密度が小さくなる。なお、負極活物質層の空隙率が70%より大きい場合でも、電池の用途によっては、好適に負極として用いることができる。
活物質層の空隙率Pは、例えば、水銀ポロシメータを用いる方法、または一定面積の活物質層の重量と厚みと活物質の密度から計算する方法により測定することができる。
空隙率の測定に用いる負極試料には、一様(均一)に活物質層を担持している集電体部分だけを切り出した試料を用いることが好ましい。その際、両面に活物質層を担持した集電体部分を試料に用いてもよいし、片面に活物質層を担持した集電体部分を試料に用いてもよい。
水銀ポロシメータを用いた測定において、試料の空隙に侵入した水銀の体積をVHとし、活物質層の真体積(活物質層に含まれる柱状粒子の合計の真体積)をVTとすると、空隙率P(%)は、式:100{VH/(VT+VH)}より求められる。なお、試料の集電体部分が表面に凹凸を有する場合には、集電体部分の凹凸に侵入した水銀の体積もVHに含めて、空隙率を計算する。
水銀ポロシメータを用いた空隙率Pの測定は、活物質層がリチウムを全く含まない状態で行うことが好ましい。可逆容量が0である状態における活物質層の空隙率P’は、空隙率Pを補正することにより求めることができる。可逆容量が0である状態の活物質層の真体積をVaとし、リチウムを全く含まない状態との活物質層の体積をV0とする。そのとき、空隙率Pと空隙率P’とは、P’=100−Va(100−P)/V0の関係を満たす。
空隙率PまたはP’は、一定面積の活物質層の重量と厚みと、活物質の密度から計算することもできる。試料における一定面積Sの活物質層の厚みをTとし、その活物質層の重量をWとし、活物質の密度をDとすると、空隙率P(%)は、式:100〔{ST−(W/D)}/ST〕により求められる。
柱状粒子の成長方向が、集電体の表面の法線方向に対して傾斜しており、かつ集電体の両面に活物質層が担持されている場合、集電体の一方の面に担持された柱状粒子の傾斜方向と、他方の面に担持された柱状粒子の傾斜方向は、互いに異なっていてもよいし、同じであってもよい。例えば、図1においては、集電体の一方の面に担持された柱状粒子の傾斜方向と他方の面に担持された柱状粒子の傾斜方向とが同じになっている。つまり、集電体の一方の面に担持された柱状粒子の傾斜角度と、集電体の他方の面に担持された柱状粒子の傾斜角とは、集電体を対称軸とした線対称となっている。また、例えば、集電体の一方の面に担持された柱状粒子の傾斜方向と、他方の面に担持された柱状粒子の傾斜方向とは、互いに反対方向であってもよい。さらに、集電体の一方の面に担持された柱状粒子の傾斜角度と、集電体の他方の面に担持された柱状粒子の傾斜角度は、同じであってもよいし、異なっていてもよい。
柱状粒子の傾斜角度θは、柱状粒子の高さとともに変化してもよい。なお、図1には、柱状粒子の傾斜角度θが、高さに対して一定である場合を示している。
柱状粒子が傾斜している場合、柱状粒子の傾斜角度θは、10°以上90°未満であることが望ましく、10°以上80°以下であることがより望ましい。傾斜角度θが90°に近くなると、柱状粒子を集電体に担持することが困難となる。また、所定の柱状粒子において、他の柱状粒子で遮蔽される部分が多くなる。このため、電池のハイレート特性が低下する場合がある。角度θが10°未満となると、正極活物質層に対向する負極集電体の露出部の面積が増加するため、電池の充放電効率が低下する。
傾斜角度θは、例えば、集電体の成長方向と集電体の表面の法線方向とがなす角度を、任意の2〜10個の柱状粒子について測定し、それらの値を平均することにより求めることができる。
柱状粒子の成長方向が、集電体の表面の法線方向に対して傾斜している場合、例えば、正極活物質層と対向する負極集電体の露出部の面積が減少するとともに、負極集電体の露出部にリチウムが析出する可能性を低減することができる。よって、集電体の柱状粒子が凹部に囲まれた突出領域に担持され、かつ柱状粒子の成長方向を集電体の表面の法線方向から傾けることにより、充放電効率および充放電サイクル特性を向上させることができる。特に、大電流で充放電を行う場合に見られる急激なサイクル特性の低下を、顕著に抑制することができる。
図4、5または6に示されるような長尺のシート状の集電体が用いられる場合、柱状粒子の成長方法を集電体の表面に投影したときの方向は、集電体の長尺方向、つまり矢印D1に平行であることが好ましく、矢印D1と一致することがさらに好ましい。これにより、例えば、柱状粒子同士のつながりを顕著に抑制することができる。
図1に示されるような負極活物質層は、例えば、図9に示すような蒸着装置80を用いて作製することができる。図9は、蒸着装置80の構成を模式的に示す側面図である。
蒸着装置80は、真空雰囲気を実現するためのチャンバー81と、加熱手段である電子ビーム(図示せず)と、ガスをチャンバー81内に導入するガス導入配管82と、集電体86を固定する固定台83と具備する。ガス導入配管82は、チャンバー81内にガスを放出するノズル84を具備する。集電体を固定する固定台83は、ノズル84の上方に設置されている。固定台83の鉛直下方には、集電体の表面に堆積して柱状粒子を形成するターゲット85が設置されている。
例えば、集電体の表面にケイ素酸化物からなる柱状粒子を成長させる場合、ターゲット85にケイ素単体を用い、ノズル84からは、高純度の酸素ガスを放出する。電子ビームをターゲット85に照射すると、ターゲットが加熱され、気化する。気化したケイ素は、酸素雰囲気を通過して、ケイ素酸化物が集電体の表面に堆積する。このとき、集電体11の突出領域上に、ケイ素酸化物からなる柱状粒子12aが形成される。
蒸着装置80では、固定台83の角度により、集電体とターゲット85との位置関係を変更可能である。すなわち、柱状粒子の傾斜角度θは、集電体の表面の法線方向と水平方向とがなす角度θ2を調節することにより制御することができる。
図7に示されるような柱状粒子を含む負極活物質層は、例えば、図10に示されるような蒸着装置90を用いて作製することができる。図10は、蒸着装置90の構成を模式的に示す側面図である。図10において、図9と同様の構成要素には同じ番号を付すとともに、それらの説明は省略する。
板状部材である固定台91は、角変位または回転自在にチャンバー81内に支持され、その厚み方向の一方の面に負極集電体11が固定される。固定台91の角変位は、図10における実線で示される位置と一点破線で示される位置との間で行われる。実線で示される位置は、固定台91の負極集電体11を固定する側の面が鉛直方向下方のターゲット85を臨み、固定台91と水平方向の直線とがなす角の角度がγ°である位置(位置A)である。一点破線で示される位置は、固定台91の負極集電体11を固定する側の面が鉛直方向下方のターゲット85を臨み、固定台91と水平方向の直線とが成す角の角度が(180−γ)°である位置(位置B)である。角度γ°は、形成しようとする負極活物質層の寸法などに応じて適宜選択できる。
蒸着装置90を用いる負極活物質層の作製方法においては、まず、負極集電体11を固定台91に固定し、チャンバー81内部に酸素ガスを導入する。この状態で、ターゲット85に電子ビームを照射して加熱し、その蒸気を発生させる。例えば、ターゲットとしてケイ素を用いた場合、気化したケイ素は、酸素雰囲気を通過して、ケイ素酸化物が集電体の表面に堆積する。このとき、固定台91を実線の位置に配置することによって、突出領域に図6に示す粒層60aが形成される。次に、固定台91を一点破線の位置に角変位させることによって、図7に示す粒層60bが形成される。このように固定台91の位置を交互に角変位させることによって、図7に示す8つの粒層を有する柱状粒子60が形成される。
図8に示される柱状粒子も、基本的には、図10の蒸着装置を用いて作製することができる。図8の柱状粒子は、例えば、位置Aおよび位置Bにおける蒸着時間を、図7の柱状粒子の場合より短くし、粒層の積層数を多くすることにより作製することができる。
上記のような負極は、リチウムイオン二次電池の負極として用いられる。図11に、本発明の一実施形態にかかるリチウムイオン二次電池を示す。
図11の電池100は、電池ケース104に収容された積層型の極板群およびリチウムイオン伝導性を有する電解質(図示せず)を含む。極板群は、正極101、負極102および正極101と負極102との間に配置されたセパレータ103を含む。電解質は、セパレータ103に含浸されている。
負極102は、上記で説明したような負極集電体102aおよび負極活物質層102bを具備する。すなわち、負極活物質層102bは、集電体の突出領域上に担持された柱状の負極活物質粒子を含む。なお、図11の電池において、負極活物質層は、負極集電体の片面にのみ設けられている。
正極101は、正極集電体101aおよびその片面に担持された正極活物質層101bを具備する。
負極集電体102aの負極活物質層が形成されていない面には、負極リード106の一端が接続されており、正極集電体101aの正極活物質層が形成されていない面には、正極リード105の一端が接続されている。
電池ケース104は、互いに反対方向の位置に開口部を有しており、電池ケース104の一方の開口部から、正極リード105の他端が外部に延ばされており、電池ケース104の他方の開口部から、負極リード106の他端が外部に延ばされている。電池ケース104の開口部は、樹脂材料107を用いて密封されている。
正極活物質層101bは、充電時にリチウムを放出し、放電時にリチウムを吸蔵する。負極活物質層102bは、充電時にリチウムを吸蔵し、放電時にリチウムを放出する。
図11では、積層型リチウム二次電池の一例を示したが、本発明のリチウム二次電池用負極は、スパイラル型(捲回型)の極板群を有する円筒型電池や角型電池などにも用いることができる。
なお、積層型電池では、正極と負極との合計が3層以上になるように電極を積層してもよい。この場合、全ての正極活物質層が負極活物質層と対向し、かつ、全ての負極活物質層が正極活物質層と対向するように、集電体の両面または片面に正極活物質層を有する正極と、集電体の両面または片面に負極活物質層を有する負極とを用いる。
柱状粒子の傾斜状態は、全ての負極活物質層で、同じでもよいし、負極活物質層ごとに異なってもよい。例えば、柱状粒子は、全ての負極活物質層において、集電体の表面の法線方向に対して傾斜していなくてもよいし、傾斜していてもよい。また、集電体の両面に負極活物質層を有する負極において、集電体の一方の面に形成された柱状粒子の傾斜状態と、集電体の他方の面に形成された柱状粒子の傾斜状態とは同じでもよいし、異なってもよい。さらに、同じ負極内の異なる場所において、柱状粒子の傾斜状態が異なってもよい。
本発明のリチウム二次電池においては、負極以外の構成要素は、特に限定されない。
正極活物質としては、当該分野で公知の材料を用いることができる。このような材料としては、例えば、コバルト酸リチウム(LiCoO2)、ニッケル酸リチウム(LiNiO2)、マンガン酸リチウム(LiMn24)などのリチウム含有遷移金属酸化物が挙げられる。
正極活物質層は、正極活物質のみで構成してもよいし、正極活物質と結着剤と導電剤を含む合剤で構成してもよい。正極活物質層を負極活物質層と同様に、複数の柱状粒子で構成してもよい。
正極集電体を構成する材料としては、当該分野公知の材料を用いることができる。このような材料としては、Al、Al合金、Ni、Tiなどが挙げられる。
リチウムイオン伝導性の電解質としては、当該分野で公知の様々なリチウムイオン伝導性の固体電解質および非水電解質が挙げられる。例えば、非水電解質は、非水溶媒と、それに溶解したリチウム塩を含む。本発明においても、従来よりリチウム二次電池で用いられている非水溶媒およびリチウム塩を用いることができる。また、非水電解質の組成は、特に限定されない。
セパレータや電池ケースを構成する材料としては、従来からリチウム二次電池に用いられている、様々な形態の材料を用いることができる。
なお、本発明においては、セパレータの代わりに、リチウムイオン伝導性を有する固体電解質をよいし、上記電解質を含むゲル電解質を用いてもよい。
次に、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、以下の実施例は本発明を限定するものではない。
《実施例1》
図11に示すような積層型リチウム二次電池を作製した。
(i)正極の作製
正極活物質である平均粒径10μmのコバルト酸リチウム(LiCoO2)粉末を10gと、導電剤であるアセチレンブラックを0.3gと、結着剤であるポリフッ化ビニリデン粉末を0.8gと、適量のN−メチル−2−ピロリドン(NMP)とを充分に混合して、正極合剤ペーストを調製した。
得られたペーストを厚み20μmのアルミニウム箔からなる正極集電体の片面に塗布し、乾燥し、圧延して、正極活物質層を形成した。次いで、得られた正極シートを、所定形状に切断して、正極を得た。集電体の片面に担持された正極活物質層の厚みは70μmであり、そのサイズは14.5mm×14.5mmであった。集電体の正極活物質層を有さない面には、アルミニウムからなる正極リードを接続した。
(ii)負極の作製
まず、厚み18μmで、80mm×15mmのサイズに裁断された圧延銅箔(日本製箔(株)製)の片面に、めっき法により、以下のようにして、図4に示すようなパターンで、凹部と凹部で区画された複数の突出領域を形成した。なお、圧延銅箔の表面粗さは、1μmであり、互いに隣接する凸部の中心間距離は1μmであった。
まず、圧延銅箔(日本製箔製)上にネガ型フォトレジストを塗布し、対角線の長さが10μm×30μmのひし形のパターンが配置されたネガ型マスクを用いて、銅箔上のレジストフィルムを露光し、現像した。形成された溝に、電解法により銅粒子を析出させた。その後、レジストを除去して、凹部および凹部で区画された突出領域(10μm(Wb)×30(Wa)μmのひし形)を有する集電体を得た。
圧延銅箔の片面に形成した突出領域の高さHは、8μmとした。また、第1の線に沿って隣接する突出領域間の距離W3および第2の線に沿って隣接する突出領域間の距離W4は、それぞれ16μmであった。突出領域の幅W1および幅W2は、それぞれ16μmであった。
突出領域の最大径Waに対して垂直な方向に沿って隣接する前記突出領域間の距離Lは、12μmとした。
集電体の長尺方向に平行な軸D1と、第1の線とがなす角度αは70°とした。前記軸Dと、第2の線とがなす角度βは70°とした。
次いで、図9に示すような、電子ビーム加熱手段(図示せず)を具備する蒸着装置((株)アルバック製)を用いて、集電体上に、図1に示されるような負極活物質層を形成した。負極活物質層は、集電体の表面の法線方向から、所定の角度だけ傾いた方向から活物質を蒸着させることに形成した(斜角蒸着)。
蒸着装置に設けられたガス導入配管を、マスフローコントローラを経由して、酸素ボンベと接続した。ノズルからは、純度99.7%の酸素ガス(日本酸素(株)製)を、流量80sccmで放出した。
ノズルの上方には、負極集電体を固定する固定台を設置した。固定台と水平面との角度θ2を60°に設定した。固定台には、上記のようにして作製した負極集電体を固定した。ここで、集電体上に形成される柱状粒子の成長方向を集電体の表面に投影したときの方向が、集電体の長尺方向に平行になるように、負極集電体を固定台に固定した。
固定台の鉛直下方には、負極集電体の表面に堆積させるターゲットを設置した。ターゲットには、純度99.9999%のケイ素単体((株)高純度化学研究所製)を用いた。
ケイ素単体のターゲットに照射する電子ビームの加速電圧を−8kVとし、エミッションを500mAに設定した。ケイ素単体の蒸気は、酸素雰囲気を通過したのち、固定台に固定された負極集電体上に堆積した。蒸着時間は30分間に設定した。負極活物質を負極集電体上に30分間堆積させた。こうして、柱状のケイ素と酸素を含む化合物(ケイ素酸化物)粒子からなる負極活物質層を負極集電体上に備える負極シートを得た。得られた負極シートにおいて、集電体の片面のみに活物質層を形成した。なお、形成された柱状粒子の成長方向を集電体の表面に投影したときの長さ(つまり、柱状粒子の集電体の長尺方向における長さ)は20μmであった。柱状粒子の成長方向の集電体の表面の法線方向における長さは20μmであった。柱状粒子の成長方向を集電体の表面に投影したときの方向は、突出領域の最大径Waの方向と垂直であった。
その後、負極表面に、真空蒸着法によって、厚さ10μmのLi金属膜を蒸着した。
得られた負極シートを15mm×15mmのサイズに切断して、負極1Aを得た。負極1Aの負極活物質層を有さない面には、ニッケル製の負極リードを接続した。
得られた負極活物質層に含まれる酸素量を燃焼法により定量して、形成したケイ素酸化物の組成を求めた。その結果、ケイ素酸化物の組成は、SiO0.5であった。
次に、負極1Aの表面および断面を電子顕微鏡で観察した。
表面観察の結果、柱状粒子同士のつながりが抑制されており、柱状粒子の成長方向と集電体の表面の法線方向とがなす角度θは45°であった。負極活物質層の厚みは20μmであり、互いに隣接する柱状粒子のピッチは9μmであった。柱状粒子の中心高さにおける直径は、5μmであった。
次いで、水銀ポロシメータ((株)島津製作所製のオートポアIII9410)を用いて、負極1Aの活物質層の空隙率Pを、以下のようにして測定した。
まず、上記負極1Aで用いた圧延銅箔(表面粗さ:1μm、厚み:35μm)を15mm×15mmのサイズに切断し、その表面に、上記と同様のめっき法により、凹部および複数の突出領域を含む集電体を作製した。得られた集電体の片面に、上記と同様の条件で、SiO0.5の組成を有する柱状粒子を形成して、試料を作製した。
得られた試料の重量から、集電体の重量を差し引いて、活物質層の重量を求めた。活物質層の重量およびSiO0.5の密度(2.29g/cm3)から、活物質層に含まれる活物質粒子の合計体積(VT)を求めた。なお、上記の計算において、Siの真密度(2.33g/cm3)とSiOの真密度(2.24g/cm3)の平均値を、SiO0.5の密度とした。
次に、水銀ポロシメータにより、試料の活物質層の空隙に水銀を侵入させて、侵入した水銀の体積(VH)を求めた。活物質層の真体積(VT)と、活物質層の空隙に侵入した水銀の体積(VH)から、空隙率P(=100×{VH/(VT+VH)})を求めた。その結果、活物質層の空隙率は34%であった。
以下に、負極1Aの物性をまとめる。
(負極集電体)
基材(圧延銅箔)の厚み:18μm
基材の表面粗さ:1μm
基材における互いに隣接する凸部の中心間距離:1μm
突出領域の横断面の形状:ひし形
突出領域のWa:30μm
突出領域のWb:10μm
突出領域の高さH:8μm
突出領域間の距離L:12μm
突出領域間の距離W3:16μm
突出領域間の距離W4:16μm
集電体の長尺方向に平行な軸D1と第1の線とがなす角度α:70°
集電体の長尺方向に平行な軸D1と第2の線とがなす角度β:70°
突出領域の面積比率:25%
線分比率:50%
比(L/H):1.5
比(Wa/Wb):3
(負極活物質層)
組成:SiO0.5
サイズ:15mm×15mm
柱状粒子の成長方向と集電体の表面の法線方向とがなす角度θ:45°
厚みt:20μm
柱状粒子の中心高さにおける直径:5μm
空隙率P:34%
柱状粒子の成長方向における長さ:30μm
柱状粒子の集電体表面の法線方向における長さ(つまり、活物質層の厚みt):20μm
柱状粒子の集電体の長尺方向における長さ:20μm
(iii)電池の組立
上記のように作製した正極と負極との間に、セパレータを配置して、積層型の極板群を得た。得られた極板群において、正極活物質層と負極活物質層とが、セパレータを介して対向するように、正極と負極を配置した。セパレータとしては、厚み20μmのポリエチレン製微多孔膜(旭化成(株)製)を用いた。
得られた極板群を、電解質とともに、アルミニウムラミネートシートからなる電池ケースに挿入した。電解質は、エチレンカーボネート(EC)とエチルメチルカーボネート(EMC)とを体積比1:1で混合した混合溶媒に、LiPF6を1.0mol/Lの濃度で溶解することにより調製した。
所定の時間放置して、電解質を、正極活物質層、負極活物質層およびセパレータにそれぞれ含浸させた。この後、正極リードと負極リードとを、電池ケースの互いに逆方向に位置する開口部からそれぞれ外部に延ばした。この状態で、電池ケース内を減圧しながら、電池ケースの両方の開口部をそれぞれ樹脂材料を用いて密封した。こうして、電池を完成させた。得られた電池を電池1Aと称する。
《比較例1》
負極集電体として、電解銅箔(古河サーキットフォイル(株)製、表面粗さ:2μm、厚み:18μm)を用いたこと以外、実施例1と同様にして、比較負極1Bを作製した。なお、比較負極1Bにおいて、集電体には、凹部は形成しなかった。つまり、比較負極1Bの集電体は、凹部および突出領域を有さなかった。
次に、比較負極1Bを切断し、その断面を電子顕微鏡で観察した。さらに、上記と同様に、水銀ポロシメータを用いて、比較負極1Bの活物質層の空隙率Pを求めた。
以下、負極1Bの物性をまとめる。
(負極集電体(電解銅箔))
厚み:18μm
表面粗さ:2μm
互いに隣接する凸部の中心間距離:9μm
(負極活物質層)
組成:SiO0.5
サイズ:15mm×15mm
柱状粒子の成長方向と集電体の表面の法線方向とがなす角度θ:45°
厚みt:20μm
互いに隣接する柱状粒子の中心間距離:9μm
柱状粒子の中心高さにおける直径:5μm
空隙率P:31%
比較負極1Bを用いたこと以外、実施例1と同様にして、比較電池1Bを作製した。
[評価方法]
(i)充放電特性
電池1Aおよび比較電池1Bを、それぞれ20℃の恒温室に収容し、以下のような定電流定電圧方式で、各電池を充電した。まず、各電池を、電池電圧が4.2Vになるまで1Cレート(1Cとは1時間で全電池容量を使い切ることができる電流値)の定電流で充電した。電池電圧が4.2Vに達した後は、電流値が0.05Cになるまで、各電池を定電圧で充電した。
20分間休止した後、充電後の電池を、1Cレートのハイレートの定電流で、電池電圧が2.5Vになるまで放電した。ハイレートでの放電後、各電池を、更に0.2Cの定電流で、電池電圧が2.5Vになるまで再度放電した。再放電後、20分間休止した。
上記のような充放電を500サイクル繰り返した。図12に、サイクル数と全放電容量(ハイレート放電と再放電との合計)との関係を示す。なお、図12において、縦軸である全放電容量(%)は、10サイクル目での全放電容量を基準としている。
また、10サイクル目における、充電容量に対する全放電容量の割合を百分率値で求めた。同様に、500サイクル目における、充電容量に対する全放電容量の割合を百分率値で求めた。得られた値を、充放電効率として、表1に示す。
また、10サイクル目における、全放電容量に対するハイレート放電での放電容量の割合を、百分率値で求めた。同様に、500サイクル目における、全放電容量に対するハイレート放電での放電容量の割合を、百分率値で求めた。得られた値を、ハイレート比率として、表1に示す。
さらに、10サイクル目での全放電容量を100とし、10サイクル目での全放電容量に対する500サイクル目での全放電容量の割合を、百分率値で求めた。得られた値を、容量維持率として、表1に示す。
Figure 2008124003
表1および図12に示すように、電池1Aにおいては、10サイクル目のようなサイクル初期においても、500サイクル後おいても、充放電効率、ハイレート比率および容量維持率は、高い値を示した。
一方、比較電池1Bの500サイクル目での容量維持率は、電池1Aと比べて、顕著に低下していた。これは、比較電池1Bにおいて、充電時の膨張の際に、集電体にしわが生じたり、集電体が切れたりすることが抑制されたためと考えられる。
以上のように、本発明の負極を用いることにより、サイクル特性を効果的に向上できることが確認された。なお、本実施例では、凹部および突出部が図4に示されるパターンを有する集電体を用いた。図4以外のパターンで凹部および複数の突出領域が配置された集電体を用いた場合でも、例えば、角度αおよび角度βが45°以外の角度であったとしても、上記と同様の効果が得られる。
《実施例2》
次に、突出領域のサイズを変化させて、適正なサイズの範囲を求める実験を行った。集電体に設けられた突出領域のパターンを以下のように変更するとともに、負極活物質層を以下のように変更したこと以外は、実施例1と同様にして、負極2A〜2Dを作製した。負極2A〜2Dを用いたこと以外、実施例1と同様にして、電池2A〜2Dを作製した。
(i)負極2A
突出領域の横断面の形状を、Waが8μmであり、Wbが10μmであるひし形とした。最大径Waに対して垂直な方向に沿って隣接する突出領域間の距離Lを18μmとした。突出領域の高さHを6μmとした。これら以外は、実施例1と同様にして、負極集電体2Aを作製した。
なお、負極2B〜2Dでは、突出領域の最大径Waは、柱状粒子の成長方向を集電体の表面に投影した方向に垂直であり、最大径Wbは、柱状粒子の成長方向を集電体の表面に投影した方向に平行である。負極2Aにおいても、便宜上、柱状粒子の成長方向を集電体の表面に投影した方向に垂直な方向における突出領域の最大径をWaとし、柱状粒子の成長方向集電体の表面に投影した方向に平行な方向における突出領域の最大径をWbとしている。
次に、図10に示されるような蒸着装置を用い、傾斜蒸着により、集電体2Aの上に、図7に示されるような複数の柱状粒子を含む負極活物質層を形成した。
得られた負極集電体2Aを、固定台91に設置した。固定台91は、水平面と60°の角αを成すように傾斜させた。シリコン単体のターゲット85に照射する電子ビームの加速電圧を−8kVとし、エミッションを500mAに設定した。酸素ガス流量は80sccmに設定した。この状態で3分45秒間の蒸着を行い、一段目の粒層を形成した。
次に、固定台91を水平面に対して120°の角度(180−α)を成すように傾斜させたこと以外、上記と同じ条件で、一段目の粒層上に、二段目の粒層を形成した。その後、固定台の角度を60°または120°に交互に変えて、上記の操作を繰り返し、図7に示すような粒層が8層積層された積層体からなる柱状粒子を含む負極活物質層を形成した。
負極活物質層を上記のように形成したこと以外、実施例1と同様にして、負極2Aを作製した。活物質層の厚みt(積層体の高さ)は20μmであった。
得られた負極活物質層に含まれる酸素量を燃焼法により定量して、シリコンと酸素とを含む化合物からなる負極活物質の組成を求めた。その結果、負極活物質の組成はSiO0.5であった。
(ii)負極2B
突出領域の横断面の形状を、Waが10μmであり、Wbが10μmであるひし形とし、突出領域間の距離Lを18μmとし、突出領域の高さHを6μmとしたこと以外、実施例1と同様にして、負極集電体2Bを作製した。
得られた負極集電体2B上に、負極2Aと同様にして、負極活物質層を形成して、負極2Bを作製した。
(iii)負極2C
突出領域の横断面の形状を、Waが40μmであり、Wbが10μmであるひし形とし、突出領域間の間隔Lを18μmとし、突出領域の高さHを6μmとしたこと以外は、実施例1と同様にして、負極集電体2Cを作製した。
得られた負極集電体2C上に、負極2Aと同様にして、負極活物質層を形成して、負極2Cを作製した。
(iv)負極2D
突出領域の横断面の形状を、Waが45μmであり、Wbが10μmであるひし形とし、突出領域間の距離Lを18μmとし、突出領域の高さHを6μmとしたこと以外は、実施例1と同様にして、負極集電体2Dを作製した。
得られた負極集電体2D上に、負極2Aと同様にして、負極活物質層を形成して、負極2Dを作製した。
表2に、負極2A〜2Dに用いた集電体2A〜2Dの物性値について示し、表3に、負極2A〜2Dの活物質層の物性値について示す。
Figure 2008124003
Figure 2008124003
電池2A〜2Dの500サイクル後の容量維持率を、実施例1と同様にして測定した。結果を、表4に示す。
Figure 2008124003
電池2A〜2Dの結果から、ひし形の対角線WaとWbとの比(Wa/Wb)が1〜4であれば、良好なサイクル特性が得られることがわかる。
一方、比(Wa/Wb)が1より小さいか、または4より大きい場合には、サイクル特性がやや低下した。比(Wa/Wb)が1より小さいと、活物質の空隙率が低くなり、活物質が膨張したときに隣接する活物質が衝突して、一部の活物質が集電体から剥がれるため、サイクル特性がやや低下したと考えられる。比(Wa/Wb)が4より大きいと、活物質粒子のWaと平行な方向な径が大きくなり、活物質粒子が膨張したときに、集電体のWaと平行な方向の歪みが大きい。このため、活物質が割れたり、集電体から剥がれたりするため、サイクル特性がやや低下したと考えられる。
《実施例3》
次に、突出領域の面積比率および線分比率の適正な範囲を求める実験を行った。
突出領域の面積比率および線分比率は、最大径Waに対して垂直な方向に沿って隣接する突出領域間の距離Lを変化させることにより、調節した。
集電体に設けられたひし形の突出領域のパターンを、以下のように変更して、負極3A〜3Dを作製した。負極3A〜3Dを用いたこと以外、実施例1と同様にして、電池3A〜3Dを作製した。
(i)負極3A
突出領域の横断面の形状をWaが20μmであり、Wbが10μmであるひし形とし、突出領域間の距離Lを7μmとし、突出領域の高さHを3.5μmとしたこと以外は、実施例1と同様にして、負極集電体3Aを作製した。
得られた負極集電体上に、負極2Aと同様にして、負極活物質層を形成して、負極3Aを作製した。
(ii)負極3B
突出領域間の距離Lを10μmとし、突出領域の高さHを5μmとしたこと以外は、負極3Aと同様にして、負極集電体3Bを作製した。
得られた負極集電体3B上に、負極2Aと同様にして、負極活物質層を形成して、負極3Bを作製した。
(iii)負極3C
突出領域間の距離Lを27μmとし、突出領域の高さHを6μmとしたこと以外は、負極3Aと同様にして、負極集電体3Cを作製した。
得られた負極集電体3C上に、負極2Aと同様にして、負極活物質層を形成して、負極3Cを作製した。
(iv)負極3D
突出領域間の距離Lを30μmとし、突出領域の高さHを6μmとしたこと以外は、負極3Aと同様にして、負極集電体3Dを作製した。
得られた負極集電体3D上に、負極2Aと同様にして、負極活物質層を形成して、負極3Dを作製した。
表5に、負極3A〜3Dに用いた集電体3A〜3Dの物性値について示し、表6に、負極3A〜3Dの活物質層の物性値について示す。
Figure 2008124003
Figure 2008124003
電池3A〜3Dの500サイクル後の容量維持率を、実施例1と同様にして測定した。結果を、表7に示す。
Figure 2008124003
電池3A〜4Dの結果から、突出領域の面積と凹部の面積との合計に占める突出領域の面積の割合が10〜30%の場合に、サイクル特性が、特に優れていることが分かった。また、突出領域と重複する部分の合計長さの割合が最も長くなるように集電体上に描かれた線分の全長に対する前記合計長さの割合が35〜60%の場合に、サイクル特性が特に優れていることが分かった。
一方、負極3Aは突出領域の面積比率と線分比率が高い。この結果、突出領域の上部に形成した活物質粒子を含む活物質層の空隙率が低くなり、活物質が膨張したときに、隣接する活物質粒子同士が衝突して、活物質粒子が集電体から剥がれるため、サイクル特性がやや低下したと考えられる。
負極3Dは、突出領域の面積比率および線分比率が小さい。つまり、活物質の斜角蒸着において、突出領域の影となる面積が小さく、突出領域以外の部分にも活物質が形成される。このため、負極活物質層の空隙率Pが低下する。よって、負極3Dにおいても、負極3Aと同様に、活物質が膨張したときに、隣接する活物質粒子同士が衝突し、活物質粒子が集電体から剥がれるため、サイクル特性がやや低下したと考えられる。
《実施例4》
次に、突出領域の高さの適正範囲を求める実験を行った。
突出領域の形状とその高さを以下のように変更したこと以外、実施例2と同様にして、負極4A〜4Eを作製した。負極4A〜4Eを用いたこと以外、実施例1と同様にして、電池4A〜4Eを作製した。
(i)負極4A
突出領域の横断面の形状を、Waが20μmであり、Wbが10μmであるひし形とし、突出領域間の距離Lを18μmとし、突出領域の高さHを12μmとしたこと以外は、実施例1と同様にして、負極集電体4Aを作製した。
得られた負極集電体4A上に、負極2Aと同様にして、負極活物質層を形成して、負極4Aを作製した。
(ii)負極4B
突出領域の高さHを9μmとしたこと以外、負極4Aと同様にして、負極4Bを作製した。
(iii)負極4C
突出領域の高さHを6μmとしたこと以外、負極4Aを同様にして、負極4Cを作製した。
(iv)負極4D
突出領域の高さHを3μmとしたこと以外、負極4Aと同様にして、負極4Dを作製した。
(v)負極4E
突出領域の高さHを2μmとしたこと以外、負極4Aと同様にして、負極4Eを作製した。
表8に、負極4A〜4Eに用いた集電体4A〜4Eの物性値について示し、表9に、負極4A〜4Eの活物質層の物性値について示す。
Figure 2008124003
Figure 2008124003
電池4A〜4Eの500サイクル後の容量維持率を、実施例1と同様にして測定した。結果を、表10に示す。
Figure 2008124003
電池4A〜4Eの結果から、突出領域の高さHに対する、突出領域の最大径Waに対して垂直な方向に沿って隣接する突出領域間の距離Lの比(L/H)が6以下であれば、特にサイクル特性が優れることが分かった。
一方、負極4Eを含む電池4Eでは、サイクル特性がやや低下していた。負極4Eの集電体において、突出領域の高さが低く、比(L/H)が大きい。このため、斜角蒸着において突出領域の影となる面積が小さく、突出領域以外の部分にも活物質が形成され、活物質層の空隙率が低下する。従って、負極4Eにおいては、活物質粒子が膨張したときに、隣接する活物質粒子同士が衝突して、活物質粒子が集電体から剥がれるため、サイクル特性がやや低下してと考えられる。
電池4Aと4Bは、同じ容量維持率を示した。これは、負極4Aと4Bの空隙率Pが同じ値であることに起因すると考えられる。空隙率Pは、斜角蒸着における突出領域の影となる面積によって決定されるが、比(L/H)が2以下である場合、空隙率は同程度となる。負極集電体4Aの突出領域を含めた厚みは42μmであり、負極集電体4Bのそれは36μmである。負極集電体4Aは、負極集電体4Bと比較して、6μm厚いため、電池4Aの単位体積あたりの電池容量は、電池4Bのそれと比較して小さくなる。従って、比(L/H)は2以上であることが好ましい。
《実施例5》
本実施例では、負極活物質層を構成する柱状粒子に含まれる粒層の積層数を変化させて、負極5A〜5Cを得た。負極5A〜5Cを用い、実施例1と同様にして、電池5A〜5Cを作製した。
負極5A〜5Cにおいて、負極集電体としては、負極集電体4Cを用いた。
(i)負極5A
基本的には、実施例2と同様にして、粒層の積層数と30段としたこと以外、実施例2と同様にして、負極活物質層を形成した。具体的には、以下のようにして、負極活物質層を形成した。
負極集電体4Cを、固定台91に設置した。固定台91は、水平面と60°の角αを成すように傾斜させた。シリコン単体のターゲット85に照射する電子ビームの加速電圧を−8kVとし、エミッションを500mAに設定した。酸素ガスの流量は80sccmに設定した。この状態で1分間の蒸着を行い、一段目の粒層を形成した。
次に、固定台91を水平面に対して120°の角度(180−α)を成すように傾斜させたこと以外、上記と同じ条件で、一段目の粒層上に、二段目の粒層を形成した。その後、固定台の角度を60°または120°に交互に変えて、上記の操作を繰り返し、図8に示すような粒層が30層積層された積層体を含む負極活物質層を形成した。
(ii)負極5B
蒸着時間を、30秒間に変更したこと以外、負極5Aと同様にして、負極5Bを作製した。負極5Bにおいて、積層体に含まれる粒層の積層数は、60段とした。
(iii)負極5C
蒸着時間を、20秒間に変更したこと以外、負極5Aと同様にして、負極5Cを作製した。負極5Cにおいて、積層体に含まれる粒層の積層数は、90段とした。
負極5A〜5Cについて、得られた負極活物質層に含まれる酸素量を燃焼法により定量して、シリコンと酸素とを含む化合物からなる負極活物質の組成を求めた。その結果、いずれの負極においても、負極活物質の組成はSiO0.5であった。また、負極5A〜5Cの活物質層の厚み(積層体の高さ)は、いずれも20μmであった。
電池5A〜5Cの500サイクル後の容量維持率を、実施例1と同様にして測定した。結果を、表11に示す。
Figure 2008124003
電池5A〜5Cの結果から、積層体に含まれる粒層の積層数を増加させても、優れたサイクル特性が得られることが分かった。
本発明により、例えばサイクル特性に優れた高容量のリチウム二次電池を提供することができる。このようなリチウム二次電池は、例えば、携帯型電子機器用の電源として用いることができる。
本発明の一実施形態に係るリチウム二次電池用負極の、柱状粒子の成長方向に平行な縦断面を示す概略図である。 本発明の別の実施形態に係るリチウム二次電池用負極で用いられる集電体における、突出領域と重複する部分の合計長さの割合が最も大きくなるように描かれた線分を説明する図である。 (a)本発明のさらに別の実施形態に係るリチウム二次電池用負極で用いられる集電体における、突出領域の最大径Wa、最大径Waに垂直な方向の最大径Wb、および突出領域の最大径Waに対して垂直な方向に沿って隣接する突出領域間の距離Lを説明する図である;(b)突出領域の高さHを説明する図である。 集電体の表面に設けられる突出領域の形成パターンの一例を示す。 集電体の表面に設けられる突出領域の形成パターンの別の例を示す。 集電体の表面に設けられる突出領域の形成パターンのさらに別の例を示す。 本発明のさらに別の実施形態に係るリチウム二次電池用負極に含まれる柱状粒子を概略的に示す図である。 本発明のなおさらに別の実施形態に係るリチウム二次電池用負極に含まれる柱状粒子を概略的に示す図である。 負極活物質層の作製に用いられる蒸着装置の一例の概略図である。 負極活物質層の作製に用いられる蒸着装置の別の例の概略図である。 本発明の一実施形態に係るリチウム二次電池の縦横断面図である。 電池1Aと比較電池1Bの充放電サイクル数と全放電容量との関係を示すグラフである。
符号の説明
10 負極
11 負極集電体
11a 凹部
11b、21、41、73 突出領域
12 負極活物質層
12a、60、70 柱状粒子
42 第1の線
43 第2の線
60a、60b、60c、60d、60e、60f、60g、60h 粒層
71 第1の粒層
72 第2の粒層
80、90 蒸着装置
81 チャンバー
82 ガス導入配管
83、91 固定台
84 ノズル
85 ターゲット
100 電池
101 正極
101a 正極集電体
101b 正極活物質層
102 負極
102a 負極集電体
102b 負極活物質層
103 セパレータ
104 電池ケース
105 正極リード
106 負極リード
107 樹脂材料

Claims (16)

  1. 集電体と、負極活物質層とを具備するリチウム二次電池用負極であって、
    前記負極活物質層が、複数の柱状粒子を含み、
    前記集電体の表面は、凹部と、前記凹部で区画された複数の突出領域とを含み、
    前記突出領域は、前記柱状粒子を担持している、リチウム二次電池用負極。
  2. 前記突出領域の面積と前記凹部の面積との合計に占める前記突出領域の面積の割合が、10〜30%である、請求項1記載のリチウム二次電池用負極。
  3. 前記集電体の表面上に、前記突出領域と重複する部分の合計長さの割合が最も大きくなるように描かれた線分において、前記合計長さが、前記線分の全長の35〜60%である、請求項1または2記載のリチウム二次電池用負極。
  4. 前記突出領域の最大径Waに対して垂直な方向に沿って隣接する前記突出領域間の距離Lと、前記突出領域の高さHとが、以下の関係式:
    2≦(L/H)≦6
    を満たす、請求項1〜3のいずれかに記載のリチウム二次電池用負極。
  5. 前記突出領域の最大径Waと、最大径Waに垂直な方向の最大径Wbとが、以下の関係式:
    1≦(Wa/Wb)≦4
    を満たす、請求項1〜4のいずれかに記載のリチウム二次電池用負極。
  6. 前記複数の突出領域が、互いに交差しない複数の第1の線および互いに交差しない複数の第2の線に沿って配置されており、前記第1の線と前記第2の線とは、交差しており、
    前記第1の線と前記最大径Wbの方向とがなす角度αが、45°≦α<90°を満たし、
    前記第2の線と前記最大径Wbの方向とがなす角度βが、45°≦β<90°を満たす、請求項1〜5のいずれかに記載のリチウム二次電池用負極。
  7. 前記突出領域の形状が、多角形、円形、または楕円形である、請求項1〜6のいずれかに記載のリチウム二次電池用負極。
  8. 多角形の角に丸みが付けられている、請求項7記載のリチウム二次電池用負極。
  9. 前記柱状粒子が、ケイ素の単体、ケイ素合金、ケイ素と酸素とを含む化合物、およびケイ素と窒素とを含む化合物よりなる群から選択される少なくとも1種を含む、請求項1〜8のいずれかに記載のリチウム二次電池用負極。
  10. 前記ケイ素合金が、ケイ素と金属元素Mとの合金であり、前記金属元素Mが、リチウムと合金を形成しない元素である、請求項9記載のリチウム二次電池用負極。
  11. 前記金属元素Mが、チタン、銅およびニッケルよりなる群から選択される少なくとも1種である、請求項10記載のリチウム二次電池用負極。
  12. 前記ケイ素と酸素とを含む化合物が、以下の一般式(1):
    SiOx (1)
    (式中、0<x<2)
    で表される、請求項9記載のリチウム二次電池用負極。
  13. 前記柱状粒子が、前記集電体の表面の法線方向に対して、傾斜している、請求項1〜12のいずれかに記載のリチウム二次電池用負極。
  14. 前記柱状粒子が、前記集電体の表面の法線方向に対して傾斜して成長した複数の粒層の積層体を含む、請求項1〜13のいずれかに記載のリチウム二次電池用負極。
  15. 前記複数の粒層が、それぞれ異なる方向に成長している、請求項14記載のリチウム二次電池用負極。
  16. 請求項1〜15のいずれかに記載の負極と、リチウムイオンを吸蔵および放出可能な正極活物質を含む正極と、リチウムイオン伝導性の電解質と、を備えたリチウム二次電池。
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