JP2008181835A - リチウム二次電池用負極 - Google Patents

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Abstract

【課題】リチウム二次電池用負極活物質としてケイ素を用いる際に、表面に凹凸を有する集電体上5に斜め方向からの蒸着により空間と柱状粒子6から成る活物質層1を有する電極を形成することができるが、表面部分での空間が小さくなるため、電解液を介してのリチウムイオンの拡散が不十分となる。
【解決手段】蒸着法により製造され、表面に凹凸のパターンを有する集電体14の凸部上に担持された空間とジグザグ形状の柱状粒子15から成る活物質層13を有する電極において、ジグザグ形状を形成する層の厚みが柱状粒子15の上部より下部で広い形状とすることで、電極表面部分での空間を確保する。
【選択図】図3

Description

本発明は、集電体と前記集電体に担持された活物質とを有するリチウム二次電池用負極に関する。
近年、パーソナルコンピュータ、携帯電話などのポータブル機器の開発に伴い、その電源としての電池の需要が増大している。上記のような用途に用いられる電池には、高いエネルギー密度と優れたサイクル特性が要望される。このような要求に対して、正極および負極のそれぞれにおいて、新たに高容量の活物質の開発が行われている。中でも非常に高い容量が得られるケイ素(Si)もしくは錫(Sn)の単体、酸化物または合金は、負極活物質として有望視されている。ところが、ケイ素もしくは錫を負極活物質として用いる際には、負極の変形が大きな問題となる。充放電時には、負極活物質へのリチウムイオンの挿入および脱離の反応が起こるが、この際、負極活物質が大きく膨張および収縮する。このため、集電体を含む負極に大きな応力が発生して歪みが生じ、負極のしわや切れ、活物質の剥がれ等が起こる。また、負極の歪み、しわの影響で負極とセパレータとの間に空間が生じ、充放電反応が不均一になる。もちろん、活物質の剥がれが生じた場合でも充放電反応は不均一となる。その結果、電池が局部的な特性低下を引き起こす懸念がある。
このような問題に対し、活物質の膨張応力を緩和する空間を、負極に設けることが提案されている。この提案は、負極の歪み、しわ、剥がれを抑制し、サイクル特性の劣化を抑えることを意図している。例えば特許文献1は、集電体上に、リチウムを吸蔵・放出する活物質からなり、空隙を有する薄膜が集電体上に堆積して形成されている電極が提案されている。また、特許文献2は、特許文献1と同様にリチウムを吸蔵・放出する活物質からなる薄膜であり、エッチング処理によって空隙を形成することが提案されている。さらに、特許文献3では、負極活物質を形成する柱状粒子を、集電体表面の法線方向に対して傾斜させることを提案している。
一般的にリチウム二次電池の電極反応では電解液を介して電極にリチウムイオンが供給されるため、活物質層内に厚み方向へ延びた空隙が存在する場合には、膨張応力の緩和効果だけでなく、この空隙内に満たされた電解液を通して電極表面から遠い活物質層下部へもイオンの供給がなされるため電極反応が行われやすくなる利点も有する。しかしながら、特許文献1では活物質層の下部である集電体面に近い側に向かうにつれて空隙の幅が広くなる形状である。この様な空隙の形状では活物質層表面での空隙が狭いために下部の空隙部に満たされた電解液へのイオンの供給が阻害され、電極反応を良好にする効果が得られない。
特許文献2ではエッチング処理により空隙を形成する必要があるため、工程が煩雑になるだけでなくエッチング処理のための装置の導入なども必要で高コストとなってしまう。
特許文献3によれば、表面に凹凸を有する集電体に前記集電体面の法線方向に対して傾斜した入射方向からの蒸着を行うことで、凹凸の形状よって生じる陰の効果により柱状粒子を成長させ空隙を容易に形成することができ、大きな空隙率を有する負極を得ることが可能である。
従って、特許文献1および特許文献3ではエッチング等の新たな工程を必要とせず、集電体上に活物質層を堆積させるのみで容易に空隙を有する活物質層を形成することが可能であり、この点で特許文献2よりも優れている。
特許文献3においては、平均表面粗さRaのみを規定しており凹凸形状の具体的な検討はなされていないが、より大きな空隙を確保して充電時の活物質の膨張による負極の歪み、しわ、剥がれを効果的に抑制するためには、一定の形状を有する凹凸を規則的に形成したような集電体を用いることが有効である。表面にランダムな形状の凹凸を有する集電体は電着法により金属粒子を電着させて粗面化することなどの方法により容易に得ることができるが、このような集電体を用いた場合には、形成される柱状粒子の形状も不規則であるため、シート状の電極での面方向において空隙の分布が不均一となり空隙の小さな部分が生成しやすくなる。このような状態では、空隙の小さな部分で発生する膨張応力の影響により、電極全体で歪、しわ、剥がれなどが生じる可能性が懸念される。これに対して、規則的な形状の凹凸を有する場合には、形成される柱状粒子形状も一定であるため大きな空隙率が確保しやすく、同時に電極の面方向において均一な空隙の分布を有する負極を得ることができる。
しかしながら、一定の方向にのみ傾斜した柱状粒子を形成した場合には、蒸着による粒子の成長に伴い粒子幅が広がるため、活物質層の上部で空隙が小さくなる傾向がある。このため、活物質層の厚みを大きくした場合には、活物質層上部で発生する膨張応力のため電極全体で歪、しわ、剥がれなどが生じる可能性がある。その場合には、活物質層上部の空隙が減少してしまい空隙部分に満たされた電解液を通しての活物質層下部へのリチウムイオンの供給が阻害され電極反応向上の効果も低減してしまうことが懸念される。
これに対して、蒸着時に傾斜方向を集電体面の法線方向に対して逆方向に交互に複数回切り替えることでジグザグ形状を有する柱状粒子を形成することができる。この場合には、一方向にのみ傾斜した柱状粒子を形成した場合と比較して、粒子成長に伴う粒子幅の広がりを抑制することができる。
特開2002−313319号公報 特開2003−17040号公報 特開2005−196970号公報
一定の形状を有する凹凸を規則的に形成した集電体を用い、蒸着時に傾斜方向を複数回切り替えることによりジグザグ形状を有する柱状粒子を形成させることで、電極の面方向に均一で、なおかつ、活物質層の厚み方向においても均一な空隙を有する電極を得ることができる。これにより、充電による活物質の膨張時の応力を緩和することができ、電極の歪、しわ、剥がれなどの変形を抑制することが可能である。しかしながら、活物質の膨張時には空隙の幅が小さくなるため、充分な電極反応向上の効果が得られない場合がある。膨張時においても充分な空隙を確保するためには空隙をより大きくする必要があるが、その場合には活物質層内での空隙の占める割合が大きくなるため、充放電容量が小さくなり電池の設計容量を低下させる一因として懸念される。
上記課題を解決する観点から、本発明のリチウム二次電池用負極は、表面に凹凸を有する集電体の、凸部の少なくとも一部に担持された、柱状粒子から成る活物質層を有しており、前記柱状粒子が前記集電体面の法線方向に対して傾斜した複数の層の積層により形成されるジグザグ形状を有しており、前記ジグザグ形状を有する柱状粒子を形成する各層の厚みが下部に対して上部で小さくなっている負極を用いる。
本発明によれば、表面に凹凸を有する集電体の凸部の少なくとも一部に担持され、前記集電体の法線方向に対して傾斜した複数の層の積層により形成されるジグザグ形状を有した柱状粒子と空隙から成る活物質層を有するリチウム二次電池用負極において、活物質層の厚み方向で空隙の最も小さな部分においても膨張により発生する応力を低減し、電極の歪み、しわ、切れ、剥がれを抑制することができると同時に、電極反応を向上させる効果が得られる。
以下、図面を参照しながら説明するが、本発明は、特許請求の範囲に記載された特徴を有する限り、以下の内容に限定されない。
蒸着法により電極を作製する場合、集電体表面に凹凸を設け、この集電体面の法線方向に対して斜めの方向から蒸着すると、凹部は周囲の凸部により入射方向に対して陰となるため活物質の堆積が阻害される。このため、凸部のみに堆積された活物質が柱状に成長し隣接する柱状粒子との間に空隙が形成される。その結果、集電体上の凸部に担持され、集電体面に対して傾斜した柱状粒子と前記柱状粒子間の空隙部からなる電極が得られる。
ここで、蒸着による粒子成長の途中段階で蒸着の傾斜方向を変化させると、屈曲点を有する柱状粒子が形成される。図1は表面に規則的な形状の凹凸を有する集電体を用い、蒸着の入射方向を集電体面の法線方向に対して対称な二種類の斜めの方向から蒸着して作成した電極の模式図である。全蒸着時間の1/4の時間ずつに分割し、前記二種類の斜めの蒸着方向を交互に切り替えて蒸着を行ったものであり、交互に傾斜方向の異なる四つの層の積層からなる、三箇所の屈曲点を有した四段のジグザグ形状の柱状粒子が形成される。このような柱状粒子一つの模式図を図5に示すが、最下層16と三層目18が集電体面の法線方向に対して傾斜角度φ1、また、二層目17と最上層19は集電体面の法線方向に対して傾斜角度φ2である。φ1およびφ2の傾斜角度を有する層が交互に積層することによって、一つのジグザグ形状を有する柱状粒子が形成されており、各層の境界部分は傾斜の方向が変化する屈曲点となる。なお、この場合のφ1とφ2は傾斜の方向が異なるのみで、その大きさは等しくなる。
柱状粒子形状および空隙部分の形状に着目すると、蒸着により形成される柱状粒子は一定の幅を維持した状態では成長しておらず、成長に伴い幅方向にも広がっていく。そのため、一方向にのみ傾斜した柱状粒子を形成した場合には活物質層の厚み方向において表面に近い上部で空隙率の小さな領域を有する形状となりやすい。膜厚が厚く上部の空隙率が過度に小さな場合には、活物質が膨張した際には隣接する柱状粒子が接触してしまい応力を緩和することができず、電極のしわ、切れ、剥がれが発生してしまう。さらに、そのような場合には、活物質層の上部で柱状粒子間の隙間がなくなるため、活物質層の下部への電解液を介したリチウムイオンの供給も阻害されてしまう。
これに対して、図1の様に交互に逆方向に傾斜した複数の層の積層によるジグザグ形状を有する柱状粒子3を形成した場合には、短い蒸着時間で形成した傾斜方向の異なる層を積層させたことによる効果で、柱状粒子全体の成長に伴う幅方向の広がりを抑制することができ、活物質層上部での空隙率低下が低減される。積層した各層において、集電体面の法線方向に対する傾斜角度の大きさ、厚みを一定とした場合には、柱状粒子および空隙部分の幅は厚み方向で一定となる。
しかしながら、この場合でも極充電状体では図2に示すように、活物質層上部での膨張応力の増大を低減することはできても、膨張時には活物質層上部での空隙部分が大幅に減少してしまい、極端な場合には活物質層下部へのリチウムイオン供給量が不充分となる可能性がある。空隙部分の幅を大きくすることで膨張時にも充分な幅の空隙を確保することができるが、その場合には電極容量の減少を伴うことになり高容量化の面で不利となる。
そこで、図3に示すように本発明の電極では交互に逆方向に傾斜した複数の層の積層によるジグザグ形状において各層の厚みを一定とせず、下部に対して上部の厚みが小さくなるようにした。このような形状を有する柱状粒子は、例えば、蒸着によりジグザグ形状を有する柱状粒子を成長させる際、ジグザグ形状を構成する各層を形成するための蒸着時間を制御することで作成できる。図1ではジグザグ形状を構成する各層を形成するための蒸着時間を均等とした場合の模式図を示したが、最下層から二層目までの層を形成するための蒸着時間に対して、三層目以上の層を形成するための蒸着時間を短くすることで図3の模式図に示すような柱状粒子を有する電極を作成できる。
これにより、下部に対して上部の幅が小さくなる形状を有した柱状粒子9が形成され、活物質層上部で大きな空隙が確保できる。その結果、図4に示すように活物質の膨張時においても活物質層の上部に向けて空隙の大きくなる形状が維持されるため、応力が緩和されることはもちろんのこと、空隙部分に満たされた電解液を介してのリチウムイオンの供給が阻害されることなく行われ、良好な電極特性を得ることができる。また、この場合は空隙の形状が上部に向けて開いた形状であるため、厚み方向で均等な幅の空隙を有する場合よりもリチウムイオンの供給においてより効果的である。
なお、ジグザグ形状を形成する各層の形状は、蒸着時間だけでなく入射角度や蒸発源の加熱条件の制御による蒸着速度、さらにはガス導入などの蒸着条件によっても制御することができる。蒸着時に酸素を導入することで活物質として酸化物を堆積させることができるが、その際の酸素導量や導入ノズルの位置などの条件を制御することによっても成長の形状を変化させることが可能である。
また、集電体面とは、集電体表面の凹凸の高さを平均化した平面であり。集電体面の法線方向とは前記集電体面に垂直な方向である。本発明のように一定形状の規則的な凹凸を有する場合には、各凸部の最上面部分もしくは頂点部分を結んだ平面と並行な面である。
また、交互に逆方向に傾斜した複数の層の積層によるジグザグ形状における各層とは、屈曲部で分割される個々の領域である。
図6に本発明で用いた蒸着装置の模式図を示す。図6(a)は正面図、図6(b)は水平方向に90°回転させた側面図である。蒸着装置20は、真空雰囲気を実現するためのチャンバー21と、蒸発源25と蒸発源25の加熱手段である電子ビーム装置(図示せず)と、ガスをチャンバー内に導入するガス導入部と、集電体26を固定する固定台22とを具備する。ガス導入部は、ガスを放出するノズル23と、外部からノズル23にガスを導入する配管24とを具備する。集電体26を固定する固定台22は、ノズル23の上方に設置されている。固定台22の鉛直下方には、集電体26の表面に柱状に活物質を堆積させるための蒸発源25が設置されている。例えば酸化ケイ素を柱状に堆積させる場合、蒸発源にケイ素単体を用い、ノズル23からは、高純度の酸素ガスを放出する。電子ビームを蒸発源25に照射すると、蒸発源が加熱され、気化する。気化したケイ素は、酸素雰囲気を通過して、酸化ケイ素として集電体26の表面に堆積する。蒸着装置20では、蒸発源25に対して鉛直方向にある固定台22の回転により、集電体26と蒸発源25との位置関係を変更可能である。固定台22と水平面とが成す角θが0°を超えて90°未満の範囲の角度となるように傾斜させ、入射方向を傾斜させた状態で活物質の堆積を行うと、一定方向に傾斜した柱状粒子が得られる。また、固定台22を、角θが水平面を挟んで上方への傾斜角および下方への傾斜角となるように、繰り返し交互に傾斜させて活物質の堆積を行うことで、ジグザグ形状を有する柱状粒子が得られる。
本発明において、柱状粒子は、単結晶からなる粒子でもよく、複数の結晶子(結晶粒:crystallite)を含む多結晶粒子でもよい。また、柱状粒子は、結晶子サイズが100nm以下の微結晶からなる粒子でもよく、均一なアモルファスでもよい。
柱状粒子の太さは、特に限定されず、充電時の膨張で柱状粒子が割れるのを防止する観点から、50μm以下が好ましく、1〜20μmが特に好ましい。なお、柱状粒子の太さは、例えば任意の2〜10個の柱状粒子の中心高さにおける直径の平均値として求められる。ここで、中心高さとは、集電体の法線方向における柱状粒子の中心高さである。また、直径とは、集電体面に平行な幅である。
集電体表面の凹凸パターンの大きさは、特に限定されず、凸部の幅は凸部上に担持された柱状粒子の膨張応力による電極の変形を防止する観点から、50μm以下が好ましく、1〜20μmが特に好ましい。凸部の高さは凸部の強度の観点から30μm以下が好ましく、3μm〜20μmが特に好ましい。
本発明において、集電体の構成材料は、特に限定されない。一般に、銅が集電体に適しており、例えば圧延銅箔、圧延銅合金箔、電解銅箔、および電解銅合金箔の表面に凹凸パターンを形成したものなどが用いられる。また、チタン、ニッケル、ステンレスなども集電体に適している。集電体の厚みは、特に限定されないが、例えば1〜50μmが一般的である。集電体表面の凹凸パターンは、レジスト樹脂等を用いたエッチングや電着、メッキ法により形成することができる。また、凹凸パターンを形成した金型やセラミック型を押しつけて加圧し、形状を転写する方法等によっても形成することができる。
また、集電体表面に形成した凹凸パターンの形状も特に限定されない。凸部および凹部の集電体面の法線方向からの投影面での形状が正方形、長方形、円形、楕円形、菱形、多角形などの形状とすることができ、法線方向に平行な断面の形状が正方形、長方形、多角形、半円形、および、これらを組み合わせた形状であっても良い。なお、凹凸パターンの断面形状が曲線で構成された形状であるなど、凹部、凸部の境界が明確でない場合には、凹凸パターン全体の平均高さ以上の部分を凸部、平均高さ未満の部分を凹部と表現する。
高容量化という観点から、柱状粒子は、ケイ素元素を含んでいる。柱状粒子は、例えば、ケイ素単体、ケイ素合金、ケイ素と酸素とを含む化合物、および、ケイ素と窒素とを含む化合物よりなる群から選択される少なくとも1種からなる。これらは単独で活物質層を構成してもよく、複数種が同時に活物質層を構成してもよい。なお、ケイ素と窒素とを含む化合物は、更に酸素を含んでいても構わない。複数種が同時に活物質層を構成する例として、ケイ素と酸素と窒素を含む化合物からなる活物質層が挙げられる。また、ケイ素と酸素との比率が異なる複数の酸化ケイ素の複合物からなる活物質層が挙げられる。
ケイ素と酸素とを含む化合物は、一般式(1):SiO(ただし、0<x<2)で表される組成を有することが望ましい。ここで、酸素元素の含有量を示すX値は、0.01≦x≦1であることが更に好ましい。
活物質層の厚みは、例えば5μm以上、100μm以下であることが好ましく、5μm以上、50μm以下であることが特に好ましい。活物質層の厚みが5μm以上であれば、ある程度のエネルギー密度を確保できる。よって、ケイ素を含む活物質の高容量特性を十分に活かすことができる。また、活物質層の厚みが100μmを超える場合には活物質層の形成が困難であるだけでなく、柱状粒子のアスペクト比が大きくなるために折れ等の破損が起こりやすくなり、特性劣化の要因となる。
ジグザグ形状を有する柱状粒子を構成する各層の厚みは0.2μm以上5μm以下であることが好ましい。この範囲外の厚みとなるように蒸着を行った場合には、柱状粒子の幅方向の広がり抑制の効果が十分に得られない。
また、ジグザグ形状を有する柱状粒子を構成する各層(屈曲部で分割される個々の領域)の傾斜状態は同じでもよく、異なってもよい。
さらに、柱状粒子を構成する層の数は三層以上が好ましく、二層以下では柱状粒子の幅方向の広がり抑制の十分な効果が得られない。層数の上限に関しては、活物質層の厚みと上述の柱状粒子を構成する各層の好ましい層厚の最小値から算出される値以下であることが望ましい。
柱状粒子を構成する層の厚みは、最下層の厚みが最上層の厚みの1.5倍以上であることが好ましい。1.5倍未満では空間確保の充分な効果が得られない。
また、柱状粒子を構成する層の厚みは、下部と上部の間で二段階以上に変化しておればよく、下部から上部に向けて複数種の厚みの組み合わせにより段階的に小さくなっていてもよい。
さらに、最も厚みの大きな層は最下層を含む二層以上を含む層であり、活物質層全体に対して3/4以下の厚みであれば良い。この範囲内であれば特に優れた効果が得られる。
両面に負極活物質層を有する負極の場合には、両面のジグザグ形状を有する柱状粒子の形状は上述の範囲内であれば同じでもよく、異なっていてもよい。
本発明のリチウム二次電池用負極は、捲回型の極板群を有する円筒型電池や角型電池、また積層型電池、コイン型電池などに適用できる。積層型電池では、正極と負極とを3層以上に積層してもよい。電池の構成には、全ての正極活物質層が負極活物質層と対向し、かつ、全ての負極活物質層が正極活物質層と対向するように、両面もしくは片面に正極活物質層を有する正極と、両面もしくは片面に負極活物質層を有する負極とを用いる。
本発明は、負極の構成に特徴を有することから、リチウム二次電池においては、負極以外の構成要素は特に限定されない。例えば、正極活物質層には、コバルト酸リチウム(LiCoO)、ニッケル酸リチウム(LiNiO)、マンガン酸リチウム(LiMn)などのリチウム含有遷移金属酸化物を用いることができるが、これに限定されない。また、正極活物質層は、正極活物質のみで構成してもよいし、正極活物質と結着剤と導電剤を含む合剤で構成してもよい。また、正極活物質層を負極活物質層と同様に、屈曲部を有する複数の柱状粒子で構成してもよい。なお、正極集電体には、Al、Al合金、Tiなどを用いることができる。
リチウムイオン伝導性の電解質には、様々なリチウムイオン伝導性の固体電解質や非水電解液が用いられる。非水電解液には、非水溶媒にリチウム塩を溶解したものが好ましく用いられる。非水電解液の組成は特に限定されない。
セパレータや外装ケースも特に限定されず、様々な形態のリチウム二次電池に用いられている材料を特に限定されることなく用いることができる。
次に、本発明を実施例に基づいて具体的に説明する。
(実施例1)
本発明の負極の作製を行った。図6に示すような、電子ビーム加熱手段(図示せず)を具備する蒸着装置((株)アルバック製)を用いて、負極を作製した。蒸着装置20は、酸素ガスをチャンバー21内に導入するためのガス管(図示せず)と、ノズル23を具備する。ノズル23は、チャンバー21内に導入された配管(図示せず)に接続した。配管は、マスフローコントローラを経由して、酸素ボンベと接続した。蒸発源25には、純度99.9999%のケイ素単体((株)高純度化学研究所製)を用いた。
固定台22には、負極集電体として表面に凹凸のパターンを形成した銅箔を40mm×40mmのサイズに裁断して固定した。銅箔表面の凹凸パターンは次のようにして形成した。先ず、厚み14μmの圧延銅箔(日本製箔(株)製)に日立化成工業(株)製のドライフィルムレジストをラミネートした。10μm角のドットパターンが10μm間隔で配置されたフォトマスクを用いて、銅箔上のドライレジストフィルムを露光し、NaHCO水溶液で現像した。この銅箔を用いて銅の電解メッキを行った後、水酸化ナトリウム水溶液に浸しレジストを除去した。これにより、凸部高さが6μmの凹凸パターンを形成した。
続いて、前記銅箔を固定台22に固定し、角θをそれぞれ水平面に対して上下方向に60°となるように傾斜させた状態で交互に活物質を蒸着させて6層を積層しジグザグ形状を有する柱状粒子を形成した。蒸着後の活物質層の厚みが20μmとなるように、なおかつ最下層および二層目のそれぞれの厚みが三層目以降の各層の厚みの2倍となるように蒸着時間を調整した。
ケイ素単体の蒸発源25に照射する電子ビームの加速電圧は−8kVとし、エミッションを250mAに設定した。ケイ素単体の蒸気は、チャンバー中の酸素とともに、負極集電体として固定台23に設置された銅箔上に堆積し、ケイ素と酸素とを含む化合物(酸化ケイ素)からなる負極活物質層が形成された。こうして得られた負極を電極Aとした。
得られた負極活物質層に含まれる酸素量を燃焼法により定量した結果、酸化ケイ素の組成はSiO0.3であった。
比較例として同様の方法で負極の作成を行った。比較例の負極は、本発明と同様に6層の積層としたが、蒸着後の活物質層の厚みが20μmとなるように、なおかつ各層の厚みが均一となるように蒸着時間を調整した。その他の条件は本発明と同様とした。こうして得られた負極を電極Bとした。
得られた負極活物質層に含まれる酸素量を燃焼法により定量した結果、酸化ケイ素の組成はSiO0.3であった。
図7は、電極AのSEM写真、図8は、電極BのSEM写真である。
表1に電極Aと電極Bでの、柱状粒子の下部二層目までと、四層目以上の部分の幅と一層の厚み、および空隙部分の幅を示す。なお、表1中では柱状粒子の下部二層目までの部分を領域1、四層目以上の部分を領域2と表記した。柱状粒子の各層の厚み幅、空隙部分の幅は電極の断面のSEM写真から求めることが可能である。図9に代表的な断面のSEM写真を示すが、破線に挟まれた領域を一つの層とし、柱状粒子の幅は前記の範囲の最大幅を測定した。
比較例の電極Bでは空隙部分の幅が厚み方向でほぼ一定であるのに対して、本発明の電極Aでは下部の二層目までと比較して四層目以降では空隙部分の幅が増加している。
以上のようにして作成した、各電極を用いて図10に示すコイン型電池を作成した。直径1.25cmに切り出した電極30とLi対極41をセパレータ32である多孔質ポリエチレンシートを挟んで重ねた電極群を、予め厚み調製のためのスペーサー33を配置したコイン電池ケース34内に設置し、電解液としてエチレンカーボネートとジエチルカーボネートの1:1の混合溶媒に1Mの濃度で六フッ化リン酸リチウムを溶解した溶液を充填した後、ガスケット35を付けた封口板36で封口し2016サイズのコイン電池を作成した。電極Aを用いて作成した電池を試験電池A、電極Bを用いて作成した電池を試験電池Bと称する。
以上のようにして作製した試験電池A、Bをそれぞれ20℃の恒温槽に収納し、定電流定電圧方式で充放電を行った。ここでは、電池電圧が0Vになるまで1mAの定電流で放電し、30分間休止した後、再度電池電圧が0Vになるまで0.5mAの定電流で放電を行い、さらに30分間休止した後、再度電池電圧が0Vになるまで0.1mAの定電流で放電を行った。続いて、30分間休止した後、1mAの定電流で電池電圧が1.5Vになるまで充電を行った。
上記の充放電を1サイクル行った後に電池を分解して負極のしわ発生の有無を観察したが、いずれの電極にもしわの発生は見られなかった。
表2に、試験電池Aおよび試験電池Bの、1mAでの放電容量と、その後の0.5mAおよび0.1mAでの放電容量の、それぞれの電池の全放電容量に対する割合を百分率で示す。
表2に示すように、電極Aを用いて作成した試験電池Aは、電極Bを用いて作成した試験電池Bと比較して、高レートである1mAでの放電容量の割合が大きくなっている。試験電池Bに対する試験電池Aの容量の比率は、1mAでの容量が107%、0.5mAでの容量は80%、0.1mAでの容量は66%と、低レート時の容量割合が減少しているが、高レートでの容量割合が増加しており、高レートでの電極反応が良好に行われている。
なお、本実施例ではジグザグ形状を有する柱状粒子の各層の厚みを変化させる手段として蒸着時間の制御を行ったが、それ以外の方法として、蒸着時の酸素導入量の制御や蒸着速度の制御により行うことも可能である。
本発明は、様々な形態のリチウム二次電池に適用することができるが、特に、高容量と良好なサイクル特性が要求されるリチウム二次電池において有用である。本発明を適用可能なリチウム二次電池の形状は、特に限定されず、例えばコイン型、ボタン型、シート型、円筒型、偏平型、角型などの何れの形状でもよい。また、正極、負極およびセパレータからなる極板群の形態は、捲回型でも積層型でもよい。また、電池の大きさは、小型携帯機器などに用いる小型でも電気自動車等に用いる大型でもよい。本発明の製造法によるリチウム二次電池は、例えば携帯情報端末、携帯電子機器、家庭用小型電力貯蔵装置、自動二輪車、電気自動車、ハイブリッド電気自動車等の電源に用いることができるが、用途は特に限定されない。
従来技術によるリチウム二次電池用負極の一部の断面拡大図 従来技術によるリチウム二次電池用負の一部の極充電状態での断面拡大図 本発明のリチウム二次電池用負極の一部の断面拡大図 本発明のリチウム二次電池用負の一部の極充電状態での断面拡大図 従来技術によるリチウム二次電池用負極の柱状粒子の断面拡大図 本発明のリチウム二次電池用負極の製造装置の一例の構成を示す概略断面図 (a)実施例の方法で作成した電極Aの一部のSEM写真(b)(a)のSEM写真の輪郭をトレースした図 (a)比較例の方法で作成した電極Bの一部のSEM写真(b)(a)のSEM写真の輪郭をトレースした図 (a)実施例の方法で作成した代表的な電極の一部の断面SEM写真(b)(a)のSEM写真の輪郭をトレースした図 本発明のコイン形電池の一例の縦断面図
符号の説明
1 活物質層
2 集電体
3 柱状粒子
4 活物質層
5 集電体
6 柱状粒子
7 活物質層
8 集電体
9 柱状粒子
10 活物質層
11 集電体
12 柱状粒子
13 活物質層
14 集電体
15 柱状粒子
16 最下層
17 二層目
18 三層目
19 最上層
20 蒸着装置
21 チャンバー
22 固定台
23 ノズル
24 配管
25 蒸発源
26 集電体
30 電極
31 Li対極
32 セパレータ
33 スペーサー
34 ケース
35 ガスケット
36 封口板

Claims (4)

  1. 表面に凹凸を有する集電体の、
    凸部の少なくとも一部に担持された、
    柱状粒子から成る活物質層を有しており、
    前記柱状粒子が前記集電体面の法線方向に対して傾斜した複数の層の積層により形成されるジグザグ形状を有しており、
    前記ジグザグ形状を有する柱状粒子を形成する各層の厚みが下部に対して上部が小さいことを特徴とするリチウム二次電池用負極。
  2. 表面の凹凸が規則的に配列していることを特徴とする請求項1記載のリチウム二次電池用負極。
  3. 前記活物質層がケイ素元素を含んでいることを特徴とする請求項1、2に記載のリチウム二次電池用負極。
  4. 前記活物質層がケイ素酸化物を含んでいることを特徴とする請求項3に記載のリチウム二次電池用負極。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010182620A (ja) * 2009-02-09 2010-08-19 Panasonic Corp リチウムイオン二次電池
WO2011145251A1 (ja) * 2010-05-21 2011-11-24 パナソニック株式会社 リチウムイオン二次電池用負極及びリチウムイオン二次電池
WO2023240785A1 (zh) * 2022-06-14 2023-12-21 广东小天才科技有限公司 中间结构及制备方法、锂二次电池电极及制备方法

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