JP2013133572A - 部分吸水編物および衣料 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】撥水性を有する樹脂が編地に対して浸透固着されてなる撥水部を備え、目付が180g/m2以下であり、肌面保水率が20%以下であり、水通過率が70%以上であり、生地含水率が10%以下であり、撥水部の面積が当該部分吸水編物全体の面積の30〜60%である。
【選択図】図1
Description
図1は、本発明の実施の形態1に係る部分吸水編物の表面の構成を示す図である。同図に示す部分吸水編物1は、吸水性を有する編物の片面から撥水剤を添加することによって撥水性を付与した樹脂を編地に対して部分的に浸透固着されてなり、円形点状の複数のドット柄が繰り返しパターン状をなす撥水部11を備える。
本実施の形態1では、円形以外のドット柄を用いて撥水部を構成してもよい。
図2は、本実施の形態1の変形例1に係る部分吸水編物の表面の構成を示す図である。同図に示す部分吸水編物2は、各々が星型をなす複数のドット柄が繰り返しパターン状をなす撥水部21を有する。このように、撥水部の繰り返しパターンは点状に限られるわけではなく、三角形、四角形、菱型等の点状のドット柄を用いて構成してもかまわない。
図3は、本実施の形態1の変形例2に係る部分吸水編物の表面の構成を示す図である。同図に示す部分吸水編物3は、撥水性を有して直線状をなす第1撥水部31と、第1撥水部31の間に設けられ、第1撥水部31よりも長い直線状をなす第2撥水部32とを有する。この意味で、第1撥水部31および第2撥水部32は、全体として撥水部を形成している。部分吸水編物3では、第1撥水部31および第2撥水部32は互いに平行な方向に延びており、同じ直線上に沿って第1撥水部31と第2撥水部32とが交互に配列されているとともに、全ての第1撥水部31および第2撥水部32は互いに平行である。
図4は、本実施の形態1の変形例3に係る部分吸水編物の表面の構成を示す図である。同図に示す部分吸水編物4は、円形のドット柄からなる点状撥水部41と、円からなる曲線状撥水部42との組み合わせによって繰り返しパターンが形成されている。この意味で、点状撥水部41および曲線状撥水部42は、全体として撥水部を形成している。なお、ドット柄は円形でなくてもよい。また、曲線状撥水部42が円以外の形状を有していてもよい。この変形例3によれば、点状撥水部41によって吸水性を維持しつつ、べとつき感を抑制するとともに、曲線状撥水部42との組み合わせによって生地内での汗の拡散を抑制し、表面への汗の移行性を向上させる効果が得られる。
図5は、本発明の実施の形態2に係る部分吸水編物の表面の構成を示す図である。同図に示す部分吸水編物5においては、撥水部の記載を省略しているが、撥水部は実施の形態1で説明したいずれかの構成を有していればよい。
本発明の実施例においては、部分吸水編物の性能を評価するために、以下に説明する(1)〜(10)の評価方法を採用した。
目付は、JISL1096A法の標準状態における単位面積当たりの質量の測定方法に準じて測定した。すなわち、200mm×200mmの試験片を3枚採取し、それぞれの標準状態での質量(g)を量り、次式(1)によって、1m2あたりの質量(g/m2)を求め、その平均値を算出し、小数第2位を四捨五入することによって小数第1位まで算出する(以下、小数第(n+1)位を四捨五入することによって小数第n位まで算出することを、単に「小数第n位まで算出する」という)。
Sm=W/A ・・・(1)
ここで、Smは標準状態における単位面積当たりの質量(g/m2)、Wは標準状態における試験片の質量(g)、Aは試験片の面積(m2)である。
編地から約15cm×15cmの試験片を3枚採取する。直径10cm以上の刺繍枠またはビーカーに対し、試験片の肌に接する面を上にして余分な張力が加わらないようにして固定し、試験片の表面が水平となるようにおく。1滴(約0.5cc)の蒸留水が鉛直下方に滴下するように調整した注射針(TERUMO26G1/2,0.45×13mm,注射器の容量1cc)の先端が、水平に置いた試験片の表面から5cm離れた状態でホルダーに固定する。注射針から1滴の水滴を試験片上に滴下した時から、試験片上の水滴がなくなるまでの時間をストップウォッチで測定し、0.1秒単位で読み取る。ここで、「水滴がなくなる」とは、滴下した水滴が、生地に吸水され、表面に凸状の水がなくなることをいう。この操作を残り3枚のサンプルについて行い、3枚の吸水速度の平均値を小数第1位まで算出する。
伸び率は、JISL1096A法(ストリップ法)を応用して測定した。すなわち、標準状態に調温湿した試料から、幅5cm×長さ15cmの試験片をウェール方向及びコース方向にそれぞれ5枚採取し、自記録装置付定速伸長形引張試験機を用いて、つかみ間隔(元の印間)7.6cm、初荷重29mN、引張速度20cm/minの条件で引っ張り、応力−ひずみ曲線を描き、5N応力時のひずみ率、即ち伸び率を求め、その平均値を算出し、小数第1位まで算出する。
伸長回復率は、JISL1096A法(ストリップ法)を応用して測定した。すなわち、標準状態に調温湿した試料から、幅5cm×長さ15cmの試験片をウェル方向及びコース方向に沿ってそれぞれ5枚採取し、自記録装置付定速伸長形引張試験機を用いて、つかみ間隔(元の印間)7.6cm、初期荷重29mN、引張速度20cm/minで、伸び率80%まで引き伸ばした後、1分間保持する。続いて、同じ速度で元の位置まで戻して3分間保持する。この操作を3回繰り返した後、描かれた荷重−伸び曲線から残留伸びを測り、次式(2)によって、伸長回復率(%)を求め、ウエル方向およびコース方向のそれぞれの平均値を算出し、小数第1位まで算出する。
Ee(%)=(L−L3)/L×100 ・・・(2)
ここで、Eeは伸長回復率(%)、Lは80%伸長時の伸び(cm)、L3は3回繰り返し荷重した後の残留伸び(cm)である。
応力の強い領域(A)と該領域以外の応力の低い領域(B)のウェル方向の20%、60%伸長時の応力については、JISL1096A法を応用して測定する。すなわち、幅5.0cm×長さ15cmの試験片をウェル方向に3枚採取し、自記録装置付定速伸長形引張試験機を用い、カットストリップ法で、つかみ間隔(元の印間)7.6cm、初期荷重29mN、引張速度20cm/minで、伸び率80%まで引き伸ばし、応力−歪み曲線を描く。続いて、応力−歪み曲線から、ひずみ率20%(20%伸長時)の応力、およびひずみ率60%(60%伸長時)の応力をそれぞれ求め、平均値を算出し、小数第1位まで算出する。
面積10cm×10cmで重量が既知の濾紙の上に、予め重量を測定した同サイズのサンプルの表面(外側面)を濾紙と接する様に重ね、5cm上からサンプルの内側面(肌面)中心部に蒸留水1滴(約0.5cc)を滴下する。滴下して30秒経過した後、既知の重量を有する10cm×10cmの濾紙を上から重ね、さらにその上に面積10cm×10cmで荷重500gのおもりをのせ、30秒経過後にサンプルの上側面(肌面)に重ねた濾紙の重量増加分(Δm1)、サンプルの重量増加分(Δm2)およびサンプルの下側面(表面)に重ねた濾紙の重量増加分(Δm3)を測定し、肌面保水率、生地含水率、および水透過率をそれぞれ次式(3)〜(5)にしたがって算出する。
肌面保水率(%)={Δm1/(Δm1+Δm2+Δm3)}×100・・・(3)
生地含水率(%)={Δm2/(Δm1+Δm2+Δm3)}×100・・・(4)
水通過率 (%)={Δm3/(Δm1+Δm2+Δm3)}×100・・・(5)
マイクロスコープまたは顕微鏡により、撥水性を有する樹脂を固着させた面を30〜50倍で撮影し、撮影画像を印刷する。その印刷紙を20℃、65%RHで空調した部屋で24時間以上調湿した後、同じ部屋にて、撥水性樹脂を固着させた繰り返しパターンの図形と撥水性樹脂を固着させていない部位の1完全図形部分を印刷紙から切り取り、その重量を0.001g精度で測定する(測定結果をyとする)。続いて、その1完全図形から撥水性樹脂を固着させた図形部分を切り取り、その重量を0.001g精度で測定する(測定結果をxとする)。この後、2つの測定結果x、yを用いることにより、撥水性樹脂を固着させた面積比率R1(%)=(x/y)×100を算出する。なお、測定数は5個とし、その平均値を測定結果x、yとした。
撥水性樹脂が固着している生地の異なる5箇所の部分を厚み方向に切断し、光学顕微鏡もしくはSEMで断面を観察し、生地の厚みと生地に浸透している樹脂の深さを測定する。続いて、測定した5箇所のうち、生地に浸透している樹脂の深さが1番目に大きい箇所と2番目に大きい測定箇所を選定した後、2つの測定箇所の撥水性樹脂の生地内部への浸透深さの平均値(uとする)および厚みの平均値(vとする)をそれぞれ算出する。この後、2つの平均値u、vを用いることにより、浸透深さの割合R2(%)=(u/v)×100を算出する。
コニカミノルタ社製の分光測色計CM−2600dにて編地のL1*値、a1*値、b1*値をそれぞれ測定し、撥水部のL2*値、a2*値、b2*値をそれぞれ測定し、次式(6)により色差ΔEを算出する。
ΔE={(△L*)2+(△a*)2+(△b*)2}1/2
={(L1*−L2*)2+(a1*−a2*)2+(b1*−b2*)2}1/2 ・・・(6)
ここで、△L*は、JIS Z8729:2004で定める表色系の編地のL*値(L1)と撥水性を有する部分のL*値(L2)との差である。また、△a*は、JIS Z8729:2004で定める表色系の編地のa*値(a1)と撥水性を有する部分のa*値(a2)との差である。また、△b*は、JIS Z8729:2004で定める表色系の編地のb*値(b1)と撥水性を有する部分のb*値(b2)との差である。
部分吸水編物を用いてアンダーインナーを縫製し、被験者5人に着用してもらう。被験者には、アンダーインナーの上にポリエステル100%の吸水加工をした目付100g/m2のゲームシャツを重ね着してもらい、気温25℃、湿度65%の屋外にて、サッカーを1時間プレーしてもらう。その後、被験者にべとつき感を評価してもらう。べとつき感の評価は、以下の3段階で得点化する。
5点・・・べとつき感を殆ど感じない。快適
3点・・・べとつき感を感じるが、不快ではない
0点・・・べとつく。不快
最終的な着用評価値として、5人が評価した得点の平均値を算出し、小数第1位まで算出する。
本発明の実施例1では、まずカールマイヤー製の32ゲージのシングルトリコット機を用いて、33Dtex24フィラメントのポリエステルフィラメントをフロントの筬に、弾性繊維として22Dtexのポリウレタン繊維をバックの筬に配し、ハーフ組織で編成し、生機を得た。
この生機を通常のポリエステル弾性経編地の染色加工方法に従い、精練、リラックス、190℃の熱セット、および染色を行った後、染色機浴中でポリエステル系吸水剤日華化学(株)製「ナイスポールPR−99」を5g/Lの条件で吸水加工を施し、仕上げセットを行った。
その後、ロータリースクリーンで、下記処方1の加工薬剤溶液を、円形60メッシュ、かつ図1に示す部分吸水編物1のように、撥水性樹脂の固着面積割合(塗布面積比率)40%の丸ドット柄のシリンダーを用いてプリント浸透させ、160℃にて1分30秒間乾熱処理して、目付115g/m2、厚み0.56mmの部分吸水編物を得た。
吸水性:2秒、
肌面保水率:15.8%、
水通過率:81.4%、
生地含有率:2.8%、
伸び率(ウェル/コース):122.0%/74.3%、
伸張回復率(ウェル/コース):88.3%/86.1%、
着用評価値:4.6点。
本実施例1に係る部分吸水編物は、汗処理性に優れるとともに、べとつき感が殆ど無く、快適性に優れたものであることが分かった。
アサヒガードAG7105(フッ素系撥水剤、旭硝子(株)):8重量部
AGビスコサイザー55(増粘剤 明成化学工業(株)):3重量部
NBP−211(架橋剤、明成化学工業(株)):1.5重量部
残り水
本発明の実施例2は、実施例1の撥水性樹脂の柄を、図3に示す部分吸水編物3のように、撥水性樹脂の固着面積割合41%の線状柄に変更して、目付115g/m2、厚み0.56mmの部分吸水編物を得た。
吸水性:2秒、
肌面保水率:16.7%、
水通過率:79.4%、
生地含有率:3.9%、
伸び率(ウェル/コース):120.3%/75.7%、
伸張回復率(ウェル/コース):89.1%/86.6%、
着用評価値:4.2点。
本実施例2に係る部分吸水編物は、汗処理性に優れるとともに、快適性に優れたものであることが分かった。
本発明の実施例3では、まずカールマイヤー製の32ゲージのシングルトリコット機を用いて、24Dtex7フィラメントのナイロン6仮撚加工糸をフロントの筬に、弾性繊維として33Dtexのポリウレタン繊維をバックの筬に配し、ハーフ組織で編成し、生機を得た。
この生機を通常のナイロン弾性経編地の染色加工方法に従い、精練、リラックス、190℃の熱セット、および染色を行った後、染色機浴中でポリアミド系吸水剤高松油脂(株)製「ラノゲンMA−N」を5g/Lの条件で吸水加工を施し、仕上げセットを行った。
その後、ロータリースクリーンで、上記処方1の加工薬剤溶液を、円形60メッシュかつ図4に示す部分吸水編物4のように、撥水性樹脂の固着面積割合48%の丸ドット柄と円柄を組み合わせた複合柄のシリンダーを用いてプリント浸透させ、160℃にて1分30秒間乾熱処理して、目付95g/m2、厚み0.5mmの部分吸水編物を得た。
吸水性:2秒、
肌面保水率:13.2%、
水通過率:85.7%、
生地含有率:1.1%、
伸び率(ウェル/コース):103.6%/63.5%、
伸張回復率(ウェル/コース):91.6%/88.3%、
着用評価値:5点。
本実施例3に係る部分吸水編物は、汗処理性および着用評価ともに最も優れた結果が得られた。
本発明の実施例4では、実施例3の染め仕上げ生地に、撥水性樹脂の処方を、酸化チタンを含有させた下記処方2に変更して、ロータリースクリーンで生地にプリント浸透させ、目付100g/m2、厚み0.52mmの製品生地を得た。撥水性樹脂の処方以外は、実施例3と同様である。
吸水性:3秒、
肌面保水率:14.3%、
水通過率:83.6%、
生地含有率:2.1%、
伸び率(ウェル/コース):100.3%/62.2%、
伸張回復率(ウェル/コース):91.1%/89.0%、
着用評価値:4.6点。
本実施例4に係る部分吸水編物は、汗処理性に優れ、着用評価でも快適性に優れたものであることが分かった。また、本実施例4に係る部分吸水編物は、白色部とそれ以外の色差はΔE=1.4であり、意匠性に富むものとなり、被験者にも好評であった。
MP−A−1003(固形分30%アクリル樹脂 新中村化学工業(株)):20重量部
アサヒガードAG7105(フッ素系撥水剤 旭硝子(株)):10重量部
C−60(エポキシ樹脂 新中村工業(株)):2重量部
#EP498(チタン固形分60% 大日精化工業(株)):5重量部
残り水
本発明の実施例5では、まずカールマイヤー製の28ゲージのシングルトリコット機を用いて、24Dtex7フィラメントのナイロン6仮撚加工糸をフロントの筬に、弾性繊維として33Dtexのポリウレタン繊維をミドルの筬に配してハーフ組織とし、バックの筬に1ビーム分44Dtexのポリウレタン弾性糸を鎖組織で組み合わせて編成し、図5に示す部分吸水編物5のように、伸びに対する応力が互いに異なる第1および第2領域(2応力の領域)が帯状に存在する生機を得た。
この生機を通常のナイロン弾性経編地の染色加工方法に従い、精練、リラックス、190℃の熱セット、および染色を行った後、染色機浴中でポリアミド系吸水剤高松油脂(株)製「ラノゲンMA−N」を5g/Lの条件で吸水加工を施し、仕上げセットを行った。
その後、実施例3と同様の処方、同様の柄にて、撥水性樹脂をプリント浸透させた。
これにより、第1領域(領域A)の目付が117g/m2で厚みが0.53mm、第2領域(領域B)の目付が100g/m2で厚みが0.52mmの部分吸水編物が得られた。
吸水性(第1、第2領域共通):3秒、
肌面保水率(第1領域/第2領域):15.8%/14.8%、
水通過率(第1領域/第2領域):81.7%/82.8%、
生地含有率(第1領域/第2領域):2.5%/2.4%、
第2領域の伸び率(ウェル/コース):91.5%/57.1%、
第2領域の伸張回復率(ウェル/コース):90.5%/88.4%、
着用評価値:4.6点。
なお、ウェル方向の20%伸長時の第1領域の応力は4.1N、第2領域の応力は1.0であり、第1領域の応力は第2領域の応力の4.1倍であった。
本発明の実施例6では、まずカールマイヤー製の32ゲージのシングルトリコット機を用いて、33Dtex24フィラメントのポリエステルフィラメントをフロントの筬に、弾性繊維として22Dtexのポリウレタン繊維をバックの筬に配し、ハーフ組織で編成し、生機を得た。
この生機を通常のポリエステル弾性経編地の染色加工方法に従い、精練、リラックス、190℃の熱セット、および染色を行った後、染色機浴中でポリエステル系吸水剤日華化学(株)製「ナイスポールPR−99」を5g/Lの条件で吸水加工を施し、仕上げセットを行った。
その後、ロータリースクリーンで、上記処方1の加工薬剤溶液を、円形60メッシュかつ図1に示す部分吸水編物1のように、撥水性樹脂の固着面積割合40%の丸ドット柄のシリンダーを用いてプリント浸透させ、160℃にて1分30秒間乾熱処理して、目付165g/m2、厚み0.58mmの部分吸水編物を得た。
吸水性:1秒、
肌面保水率:19.8%、
水通過率:72.7%、
生地含有率:7.5%、
伸び率(ウェル/コース):133.6%/83.2%、
伸張回復率(ウェル/コース):91.0%/89.5%、
着用評価値:3.4点。
本実施例6に係る部分吸水編物は、着用評価において、問題にならないレベルではあるが、べとつき感を若干感じられた。
本発明の比較例1では、まずカールマイヤー製の32ゲージのシングルトリコット機を用いて、33Dtex24フィラメントのポリエステルフィラメントをフロントの筬に、弾性繊維として22Dtexのポリウレタン繊維をバックの筬に配し、ハーフ組織で編成し、生機を得た。
この生機を通常のポリエステル弾性経編地の染色加工方法に従い、精練、リラックス、190℃の熱セット、および染色を行った後、染色機浴中でポリエステル系吸水剤日華化学(株)製「ナイスポールPR−99」を5g/Lの条件で吸水加工を施し、仕上げセットを行い、目付113g/m2、厚み0.65mmの部分吸水編物を得た。
吸水性:1秒、
肌面保水率:25.8%、
水通過率:59.8%、
生地含有率:14.4%、
伸び率(ウェル/コース):119.4%/73.1%、
伸張回復率(ウェル/コース):89.3%/87.1%、
着用評価値:1.8点。
本比較例1に係る部分吸水編物は、汗処理性に劣り、べとつき感が強く、不快との結果となった。
本発明の比較例2では、まずカールマイヤー製の32ゲージのシングルトリコット機を用いて、56Dtex24フィラメントのポリエステルフィラメントをフロントの筬に、弾性繊維として33Dtexのポリウレタン繊維をバックの筬に配し、ハーフ組織で編成し、生機を得た。
この生機を通常のポリエステル弾性経編地の染色加工方法に従い、精練、リラックス、190℃の熱セット、および染色を行った後、染色機浴中でポリエステル系吸水剤日華化学(株)製「ナイスポールPR−99」を5g/Lの条件で吸水加工を施し、仕上げセットを行った。
その後、ロータリースクリーンで、上記処方1の加工薬剤溶液を、円形60メッシュかつ図1に示す部分吸水編物1のように、撥水性樹脂の固着面積割合40%の丸ドット柄のシリンダーを用いてプリント浸透させ、160℃にて1分30秒間乾熱処理して、目付200g/m2、厚み0.63mmの部分吸水編物を得た。
吸水性:1秒、
肌面保水率:25.4%、
水通過率:61.2%、
生地含有率:13.4%、
伸び率(ウェル/コース):81.5%/60.2%、
伸張回復率(ウェル/コース):92.7%/89.1%、
着用評価値:1.4点。
本比較例2に係る部分吸水編物は、汗処理性に劣り、着用評価でも、べとつき感が強く、不快との結果となった。
本発明の比較例3では、実施例1に記載の吸水加工を施し、仕上げセットを行った布帛に、ロータリースクリーンで、下記処方3の高粘度の加工薬剤溶液を、円形60メッシュかつ図1に示す部分吸水編物1のように、撥水性樹脂の固着面積割合40%の丸ドット柄のシリンダーを用いて上付きプリントし、160℃にて1分30秒間乾熱処理して、目付111g/m2、厚み0.56mmの部分吸水編物を得た。
吸水性:2秒、
肌面保水率:23.4%、
水通過率:40.1%、
生地含有率:36.5%、
伸び率(ウェル/コース):121.5%/76.3%、
伸張回復率(ウェル/コース):87.3%/85.7%、
着用評価値:1.8点。
本比較例3に係る部分吸水編物は、吸水性は良好ではあるが、着用評価で、生地が汗を吸って重くなり、またべとつき感も発生したとの意見が強く、不快な結果となった。
アサヒガードAG7105(フッ素系撥水剤 旭硝子(株)):8重量部
AGビスコサイザー55(増粘剤 明成化学工業(株)):8重量部
NBP−211(架橋剤 明成化学工業(株)):1.5重量部
残り水
本発明の比較例4では、実施例1で、吸水加工を施さずに、本吸水加工を施さない以外は全て実施例1と同様の製法で布帛を得た(目付115g/m2、厚み0.56mm)。
吸水性:測定不能、
伸び率(ウェル/コース):123.3%/72.6%、
伸張回復率(ウェル/コース):89.1%/86.6%、
着用評価値:0点。
本比較例4に係る布帛は、全く吸水性が無く、吸水性は測定不能であり、着用評価も非常に不快との結果になった。
11、21、31、41 撥水部
51 第1領域
52 第2領域
Claims (8)
- 吸水性を有する編物の片面から撥水性を有する樹脂を部分的に固着させた部分吸水編物であって、
前記撥水性を有する樹脂が編地に対して浸透固着されてなる撥水部を備え、
目付が180g/m2以下であり、肌面保水率が20%以下であり、水通過率が70%以上であり、生地含水率が10%以下であり、前記撥水部の面積が編地全体の面積の30〜60%であることを特徴とする部分吸水編物。 - 前記編地は、
弾性糸と非弾性糸が交編されてなり、タテ方向およびヨコ方向の5.0N荷重時の伸び率が30%以上220%以下であり、伸張回復率が70%以上であることを特徴とする請求項1に記載の部分吸水編物。 - 前記撥水部は、
前記撥水性を有する樹脂が繰り返しパターン状をなすことを特徴とする請求項1または2に記載の部分吸水編物。 - 前記繰り返しパターンはドット柄を含むことを特徴とする請求項3に記載の部分吸水編物。
- 前記繰り返しパターンは閉じた曲線を含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の部分吸水編物。
- 前記編地の色と前記撥水部の色との色差が0.5以上であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の部分吸水編物。
- 伸びに対する応力が相対的に強い帯状の第1領域と、
伸びに対する応力が前記第1領域より弱い帯状の第2領域と、
を有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の部分吸水編物。 - 請求項1〜7のいずれか一項に記載の部分吸水編物を用いて作製される衣料であって、
前記撥水性を有する樹脂を浸透固着させた面が肌面であることを特徴とする衣料。
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