JP2016108716A - 編物、及び衣料製品 - Google Patents

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Abstract

【課題】多量の発汗が起こった場合でも汗の挙動をコントロールし、汗による生地の貼り付きやベタツキ感を抑えて快適且つ軽快な状態に保つことができる衣料製品に使用可能な生地(編物)を、簡単且つ低コストで提供する。【解決手段】水分による肌への貼り付きを抑えた編地からなる編物101であって、編地は、撥水剤が付与されてなる撥水部11と、吸水性を有する吸水部12とを備え、編地に対する撥水部11の面積比率が1〜60%であり、編地の撥水剤が付与された面の吸水部12に水分を付与したとき、水分付与面における第一方向への水分拡散量と第一方向に直交する第二方向への水分拡散量との比率である拡散異方性比(第一方向/第二方向)が1.3以上である。【選択図】図1

Description

本発明は、水分による肌への貼り付きを抑えた編地からなる編物、及び当該編物を縫製してなる衣料製品に関する。
衣料製品において、汗を素早く吸収して快適且つ軽快な状態に保つことは重要な機能の一つであり、例えば、スポーツ衣料やインナー衣料等においては、吸収した汗による生地の貼り付きやベタツキ感等の不快感を軽減することが求められる。生地の貼り付きやベタツキ感の原因の一つは、肌から衣料製品に吸収された汗が再び肌の側に戻ってしまうことにある。そこで、吸収した汗が再び肌の側に戻らないように、生地に撥水処理を施した衣料製品が実用化されている。
例えば、汗による不快感を軽減する従来の衣料製品として、生地の一方の表面全体に撥水処理を行うとともに、他方の表面は撥水処理を行わないか、あるいは弱い撥水処理を行った織編物があった(例えば、特許文献1を参照)。特許文献1によれば、織編物(生地)の肌側の表面に繊維が汗を吸い上げる毛管現象を妨げない程度の撥水性を付与することで、吸い上げられた汗は撥水性の弱い織編物の外側に移動し、汗濡れによる不快感が解消されるとされている。
また、生地の少なくとも一方の表面において、多角形が角部で連続するパターンとなるように撥水剤を塗布した織編物があった(例えば、特許文献2を参照)。特許文献2によれば、吸収された汗は、撥水剤を塗布した多角形が角部で連続するパターン(撥水部)以外の島状の非撥水部を通って厚み方向に拡散し、撥水部には汗がほとんど残らないため、濡れ感が軽減するとされている。
さらに、水との接触角が異なる二種類の糸条(撥水性糸及び吸水性糸)を用いて、吸水性が異なる二つの領域を縞状のパターンとなるように形成した編地があった(例えば、特許文献3を参照)。特許文献3によれば、縞状のパターンによって汗が異方的に拡散するため、濡れ感やべとつき感を低減することができるとされている。
特開昭56−144272号公報 特開2005−336633号公報 特開2006−225784号公報
特許文献1及び2の織編物は、吸収した汗を生地内で拡散させた後、風、外気熱、体温熱等によって乾燥させることにより、汗を織編物から排除するものであって、生地内において汗の挙動を積極的にコントロールするものではない。従って、少量の発汗であれば、汗による不快感を抑制することは可能であるが、例えば、炎天下での活動時、入浴後、激しい運動を行ったときなど、多量の発汗が起こった場合には汗が生地全体に拡散し、そのまま生地内に蓄積されて不快感が増大することになる。特許文献1の織編物は、生地の一方の表面全体に撥水処理を行っているため、多量の発汗が起こると織編物による汗の吸収及び拡散が間に合わないばかりか、汗の挙動をコントロールすることもできず、汗が肌表面に残留して生地の貼り付きやベタツキ感を解消することは困難である。特許文献2の織編物は、汗を島状の非撥水部に吸収し拡散させているが、当該非撥水部の周囲に存在する撥水部だけでは汗の挙動をコントロールすることは困難であり、また、汗が拡散できる範囲も限られている。このため、多量の発汗が起こると織編物は汗をすべて吸収しきれず、汗が肌表面に残留し、生地の貼り付きやベタツキ感が発生し易いものとなる。
このように、特許文献1及び2の織編物は、多量の発汗を想定した衣料製品ではないため、シビアなコンディションでは、汗による生地の貼り付きやベタツキ感を完全に解消することは困難である。また、汗が織編物の生地内に蓄積されると、衣料製品全体としての重量増加を招くことになり、その結果、特に、スポーツ衣料やインナー衣料等において求められる軽快感が損なわれることにもなる。
一方、特許文献3の編物は、編地の縞状パターンが水分吸収性の異なる二つの領域から構成されるため、縞状パターンのうち吸水性糸で編成された部位に吸収された汗は、撥水性糸で編成された部位に挟まれた状態で拡散することができる。しかしながら、特許文献3の編物は、二種類の糸条の編組織により縞状パターンを形成するものであるため、編成に手間が掛かる。また、編組織により縞状パターンを形成する場合、そのパターン形状を変更することは容易ではなく、多種多様な機能及びサイズが求められるスポーツ衣料やインナー衣料の素材として利用することには課題が多い。さらに、縞状パターンの形成に使用する撥水性糸は高価であるため、コストアップを招くという問題もある。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、多量の発汗が起こった場合でも汗の挙動をコントロールし、汗による生地の貼り付きやベタツキ感を抑えて快適且つ軽快な状態に保つことができる衣料製品に使用可能な生地(編物)、及びそのような生地を用いた衣料製品を、簡単且つ低コストで提供することを目的とする。
上記課題を解決するための本発明にかかる編物の特徴構成は、
水分による肌への貼り付きを抑えた編地からなる編物であって、
前記編地は、撥水剤が付与されてなる撥水部と、吸水性を有する吸水部とを備え、
前記編地に対する前記撥水部の面積比率が1〜60%であり、
前記編地の前記撥水剤が付与された面の吸水部に水分を付与したとき、水分付与面における第一方向への水分拡散量と前記第一方向に直交する第二方向への水分拡散量との比率である拡散異方性比(第一方向/第二方向)が1.3以上であることにある。
本構成の編物によれば、編地は、撥水剤が付与されてなる撥水部と、吸水性を有する吸水部とを備えているため、編地内での水分の移動方向をコントロールすることができる。ここで、編地に対する撥水部の面積比率が1〜60%であり、編地の撥水剤が付与された面の吸水部に水分を付与したとき、編地の水分付与面における第一方向への水分拡散量と第一方向に直交する第二方向への水分拡散量との比率である拡散異方性比(第一方向/第二方向)が1.3以上であるため、吸水部から吸収された水分は両側の撥水部に挟まれながら、編地内に留まることなく所望の方向に誘導される。なお、撥水部は、編地に撥水剤を付与するだけで形成されるものであるから、撥水剤の付与量や付与領域を変更するだけで、編地全体の吸水性を容易に変更することができる。このように、本構成の編物によれば、水分は当該編物の編地内に蓄積されることなく、コントロールされながらスムーズに移動し、編物の外部に排出することもできる。その結果、編物が過剰に濡れた状態となることが防止される。従って、本構成の編物を縫製すれば、多量の発汗が起こった場合に汗の挙動をコントロールしながら素早く処理し、汗による生地の貼り付きやベタツキ感を抑えて快適且つ軽快な状態に保つことができる衣料製品を簡単且つ低コストで得ることができる。
本発明にかかる編物において、
前記編地において、前記撥水部が一定方向に並んだ並列パターンで形成されていることが好ましい。
本構成の編物によれば、撥水部が一定方向に並んだ並列パターンで形成されているため、吸水部に吸収された水分は撥水部の並列パターンに沿って移動し易くなる。従って、編地内での水分の移動方向のコントロール性が良好なものとなる。
本発明にかかる編物において、
前記並列パターンは、連続又は不連続の縞状パターン、連続又は不連続の線状パターン、複数の点が並列したドット状パターン、又はこれらを複合化したパターンであることが好ましい。
本構成の編物によれば、並列パターンとして上記の適切なパターンを形成することにより、編地内での水分の移動方向のコントロール性がより良好なものとなる。また、上記の各パターンの形成は、編地に撥水剤を付与(プリント)するだけで簡単に行うことができる。
本発明にかかる編物において、
前記編地の前記撥水剤が付与された面の吸水部に水分を付与したとき、水分付与面におけるJIS L1907(滴下法)による吸水時間が5秒以下であることが好ましい。
本構成の編物によれば、編地が十分な吸水性を有するため、水分を迅速に吸収することができる。
本発明にかかる編物において、
20℃、65%RHの環境下で12時間以上調湿した面積400cmの前記編地に、10mmの高さから0.6mlの水を滴下し、20℃、65%RH、風速1.0m/sの環境下で風乾させる乾燥試験において、前記編地の水分残留率が10%以下となるまでの時間が55分以下であることが好ましい。
本構成の編物によれば、編地が十分な乾燥性を有するため、吸収した水分が迅速に処理され、引き続いて水分を連続的に吸収することができる。
本発明にかかる編物において、
前記編地をガラス板に、当該編地の前記撥水剤が付与された面が前記ガラス板に当接するように載置した状態で、当該編地の前記吸水部に当該吸水部の生地重量の2倍量の水分を付与したとき、前記ガラス板に対する前記編地の湿潤摩擦力が0.7N以下であることが好ましい。
本構成の編物によれば、編地が多量の水分を吸収しても湿潤摩擦力が急激に増加しないため、水分吸収による編地の貼り付きを低減することができる。
上記課題を解決するための本発明にかかる衣料製品の特徴構成は、
本発明にかかる編物を、前記撥水部及び前記吸水部が肌側となるように縫製してなることにある。
本構成の衣料製品によれば、本発明の編物を、撥水部及び吸水部が肌側となるように縫製したものであるため、汗等の水分は、当該衣料製品の生地内に蓄積されることなく、コントロールされながらスムーズに移動し、編物の外部に排出することもできる。従って、多量の発汗が起こった場合に汗の挙動をコントロールしながら素早く処理し、汗による生地の貼り付きやベタツキ感を抑えて快適且つ軽快な状態に保つことができる。
上記課題を解決するための本発明にかかる衣料製品の特徴構成は、
本発明にかかる編物を、前記撥水部及び前記吸水部が肌側となるように縫製してなる、水分による肌への貼り付きを抑えた衣料製品であって、
身体に装着したとき、前記編地における前記並列パターンが略上下方向に形成されることにある。
本構成の衣料製品によれば、本発明の編物を、撥水部及び吸水部が肌側となるように縫製したものであるため、汗等の水分は、当該衣料製品の生地内に蓄積されることなく、コントロールされながらスムーズに移動し、衣料製品の外部に排出することもできる。ここで、衣料製品を身体に装着したとき、編地における並列パターンは略上下方向に形成されているため、特に発汗量が多い上半身の汗をコントロールしながら下方に導くことができる。その結果、汗による生地の貼り付きやベタツキ感を抑えて快適且つ軽快な状態に保つことができる。
図1は、本発明にかかる編物の概略平面図である。 図2は、本発明にかかる編物を縫製してなる本発明の衣料製品例の概略図である。
本発明の編物は、水分による肌への貼り付きを抑えた編地からなるものであり、種々の用途に適用することができる。本実施形態では、編物をスポーツ衣料やインナー衣料等の衣料製品に適用した例について説明する。
初めに、本発明者らは、衣料製品に人の汗が吸収されたときの汗の挙動について、発汗状態の違いによる検討を行った。それによれば、少量ないし通常量の発汗では、衣料製品に吸収された汗は毛管現象により生地内を適度に拡散し、やがて蒸発によって生地から排出されるが、多量の発汗が起こった場合、発汗量に対して蒸発量が少ないため、衣料製品に吸収された汗は生地全体に拡散して蓄積され、生地の貼り付きやベタツキ感等の不快感、さらには衣料製品の重量感の要因となることが判明した。
そこで、本発明者らは、上記の汗の挙動に関する知見に基づき、多量の発汗が起こった場合に汗の挙動をコントロールし、汗による生地の貼り付きやベタツキ感を抑えて快適且つ軽快な状態に保つことができる衣料製品の生地(編物)を創作するに至った。以下、本発明の編物について、図面を参照しながら詳細に説明する。ただし、本発明は、以下の構成に限定されることを意図しない。
〔編物〕
図1は、本発明にかかる編物101の概略平面図である。編物101は、例えば、肌に密着し易いスポーツ衣料やインナー衣料の素材として使用されるものであり、その編地に撥水性を有する撥水部11と、吸水性を有する吸水部12とが設けられている。なお、本明細書において、用語「編物」と「編地」とは、略同等の意味で使用するものとする。撥水部は、編地に撥水処理を施すことにより形成される。撥水処理は、編地に撥水剤を付与(浸透)させることにより行われる。撥水処理については、後述する「撥水処理」の項目において詳細に説明する。編地に撥水処理を施すと、当該編地に撥水剤が浸み込んで繊維と一体となった撥水部11が形成される。編地のうち、撥水処理を施していない部位が吸水部12となる。従って、編地を編成する糸条には、吸水性を有する繊維を使用することが好ましい。以下、撥水部11と吸水部12とを備えた編物101について説明する。
撥水部11は、編物101の厚みの中で層状に延在又は点在している。吸水部12は、編物101のうち平面視で撥水部11が形成されていない領域である。撥水部11は、編物101の中で一定方向に並んだ並列パターンで形成されることが好ましい。そのような並列パターンとして、例えば、連続又は不連続の縞状パターン、連続又は不連続の線状パターン、複数の点が並列したドット状パターン等が挙げられ、これらの並列パターンを複合化したパターンであってもよい。これらの並列パターンは、略一様であることが好ましい。図1では、連続の縞状パターンの撥水部11が吸水部12を挟んで略一様に並列している状態が例示されている。ちなみに、縞状パターンのうち、編物101の長手方向(編方向)に沿う方向に形成されたものを経縞状パターンと称し、編物101の長手方向に対して交差するものを緯縞状パターンと称する。なお、縞状パターン、線状パターン、及びドット状パターンは、編物101の編方向に対して斜めに形成することも可能である。撥水部11は、編地のうち撥水剤が付与された領域であるため、吸水部12で吸収した水分(以降、水分として汗を想定する。)の意図しない方向への拡散を規制することができる。撥水部11を形成するにあたっては、例えば、編物101全体を吸水性繊維で構成することで初めに吸水部12を形成し、あるいは編物101全体にコーティング法、プリント法、パディング法、吸尽法等の公知の方法により吸水剤を付与して初めに吸水部12を形成し、その上から必要な領域に撥水剤を付与して吸水部12の一部を撥水部11に転換する方法により行うことができる。この場合、編物101に撥水部11と吸水部12とを確実且つ容易に形成することができる。
編物101に並列パターンを形成する際に、撥水部11の幅は、0.5〜50mmとすることが好ましく、0.7〜50mmがより好ましい。撥水部11の幅が0.5mmより小さい場合、編物101に占める撥水部11の領域が相対的に小さくなるため、編物101を衣料製品の素材として用いた場合、汗による貼り付き感が増大する。また、発汗量が多い場合には、隣接する吸水部12で吸収した汗が撥水部11を越えて反対側の隣接する吸水部12に移動し、撥水部11として十分に機能しない可能性もある。撥水部11の幅が50mmより大きい場合、編物101に占める吸水部12の領域が相対的に小さくなるため、編物101を衣料製品の素材として用いた場合、発汗時のムレ感や体温上昇等の不快感が増大する虞がある。ちなみに、吸水部12の幅は、1〜50mmとすることが好ましく、2〜30mmがより好ましい。吸水部12の幅が1mmより小さい場合、編物101が伸縮すると吸水性が十分に得られない虞がある。吸水部12の幅が50mmより大きい場合、編物101が過剰な水分を保持し得るため、肌への貼り付き感が増大する。
撥水部11の厚さ、すなわち、編地への撥水剤の浸透深さは、編物101の厚さの50〜100%とすることが好ましく、80〜100%がより好ましい。撥水部11の厚さが編物101の厚さの50%より小さいと、編物101を衣料製品の素材として用いた場合、編物101の撥水部11を形成している側とは反対側の表面において汗が拡散するため、汗の挙動をコントロールすることが困難となる。
また、編物101は、並列パターンに含まれる撥水部11と吸水部12との比率を適切に設定することで、スポーツ衣料やインナー衣料等の発汗時に着用する衣料製品に適した素材となる。本発明では、特に、編地に対する撥水部11の面積比率が1〜60%とされる。撥水部11の面積比率が1%より小さい場合、吸水部12の領域が過大となるため、編地が汗を吸収したときに重量が大きく増加することになる。また、吸収した汗による肌への貼り付き感も悪化するため、スポーツ衣料やインナー衣料として取り扱い難くなる。さらに、編地が吸収した汗を適切に排出することも困難となる。撥水部11の面積比率が60%より大きい場合、吸水部12の領域が過少となるため、編地が汗を十分に吸収できなくなり、発汗時の着用が想定されるスポーツ衣料やインナー衣料の素材として適さない。撥水部11の面積比率を上記の範囲とすることで、編物101の吸水性を必要十分に確保しながら、後述する汗のコントロール性を良好なものとすることができる。
編物101は、その表面に撥水部11と吸水部12とが並列パターンで形成されているため、並列パターンの形成面(撥水剤が付与された面)の吸水部12に水分を付与すると、その水分は異方性をもって編地内を拡散することになる。従って、並列パターンを適切な形態とすることで、編物101が吸収した汗の拡散状態をコントロールすることができる。本実施形態の編物101の場合、汗の拡散状態は、並列パターンに沿った方向(第一方向とする)と、並列パターンに直交する方向(第二方向とする)とで異なる。この現象について本明細書では、第一方向への水分拡散量と、第二方向への水分拡散量との比率を「拡散異方性比」と規定する。ここで、第一方向への水分拡散量をaとし、第二方向への水分拡散量をbとすると、拡散異方性比a/bは、1.3以上とすることが好ましく、1.5以上とすることがより好ましい。拡散異方性比a/bが1.3以上であれば、吸水部12から吸収された水分(すなわち、汗)は、両側の撥水部11に挟まれながら、編地内に留まることなく所望の方向に誘導される。なお、水分拡散量は、水分の拡散距離(移動量)、拡散した水分の量、水分の拡散速度等によって定量的に評価することができる。例えば、水分の拡散距離(移動量)に基づいて拡散異方性比を求める場合、編物101の撥水部11及び吸水部12が形成されている面(撥水剤が付与された面)の吸水部12に水分を付与し、当該水分付与面における並列パターンに沿った方向への水分の拡散距離(a)と並列パターンに直交する方向への水分の拡散距離(b)とを計測する。そして、両拡散距離の比率(a/b)から拡散異方性比を算出する。
編物101は、適度な吸水性を有することが好ましい。吸水性は、JIS L1907(滴下法)による編地の吸水時間として評価することができる。ここで、編物101の並列パターンが形成されている側の表面における吸水性は、JIS L1907(滴下法)による吸水時間として5秒以下に構成されていることが好ましく、1秒以下に構成されていることがより好ましい。この場合、肌側で発生した汗を迅速に吸収することができる。その結果、肌表面における編地の貼り付きやベタツキ感を低減することができる。編物101の吸水性がJIS L1907(滴下法)による吸水時間として5秒を超える場合、多量の発汗が起こると、汗の吸収が追い付かず、汗による編地の肌への貼り付きが発生し易くなる。なお、編物101の吸水性は、後述する撥水処理の程度によって調整することができる。また、撥水部11と吸水部12との面積比率を調整することにより、編物101全体の吸水性をコントロールすることも可能である。
編物101は、適度な乾燥性(速乾性)を有することが好ましい。乾燥性は、20℃、65%RHの環境下で12時間以上調湿した面積400cmの編物101に、10mmの高さから0.6mlの水を滴下し、20℃、65%RH、風速1.0m/sの環境下で風乾させる乾燥試験を実施し、前記編地の水分残留率が10%以下となるまでの時間として評価することができる。ここで、編物101の乾燥性は、上記の評価基準で55分以下であることが好ましく、20分以下がより好ましい。編物101の乾燥性が上記の評価基準で55分を超える場合、多量の発汗が起こると、汗の乾燥が追い付かず、汗による編地の肌への貼り付きが発生し易くなる。
編物101は、湿潤摩擦力が小さいことが好ましい。湿潤摩擦力は、編物101をガラス板に、編物101の撥水剤が付与された面がガラス板に当接するように載置した状態で、当該編物101に吸水部12の生地重量の2倍量の水分を付与したとき、ガラス板に対する編物101の湿潤環境下における摩擦力として評価することができる。ここで、編物101の湿潤摩擦力は、上記の評価基準で0.7N以下であることが好ましく、0.5N以下がより好ましい。編物101の乾燥性が上記の評価基準で0.7Nを超える場合、汗による編地の肌への貼り付き感が増大する。
編物101は、適切な編組織を備えるものである。編組織は、経編物又は緯編物のいずれであっても構わない。経編物としては、シングルデンビー編、シングルアトラス編、ダブルコード編、ハーフトリコット編、裏毛編、ジャガード編等が挙げられる。緯編物としては、天竺編、平編、ゴム編、両面編、パール編、タック編、浮き編、片畔編、レース編、添え毛編等が挙げられる。図1では、編物101の編組織として、天竺編を例示してある。編物101を構成する層数は特に限定されず、単層構造であってもよく、二層以上の多層構造であってもよい。
編物101の厚みは、0.30〜1.50mmが好ましく、0.50〜1.20mmがより好ましい。編物101の厚みが0.30mm未満の場合、厚みが小さ過ぎるため、十分な吸水性が得られない虞がある。また、撥水部11を予定した厚みで形成することも困難となる。編物101の厚みが1.50mmを超える場合、編物101に水分が過剰に保持されることにより重量増加を招くため、編物101を衣料製品100に用いた場合、着心地が損なわれる虞がある。また、水分が衣料製品100に多量に保持されるため、編地内の水分が蒸発し難くなって速乾性や軽快感が損なわれる。なお、編物101の厚みは、JIS L1018−1998,6.5の厚さ測定法に準拠して測定される。
編物101の見掛け密度は、0.1〜0.25g/cmであることが好ましい。編物101の見掛け密度が0.1g/cm未満の場合、十分な吸水性が得られない虞がある。編物101の見掛け密度が0.25g/cmを超える場合、水分の拡散が阻害されたり、素材重量が増大したり、編地内の水分が蒸発し難くなって速乾性が損なわれたりする虞がある。
編物101の編み上げに使用可能な糸条としては、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン等の合成繊維、アセテート等の半合成繊維、レーヨン等の再生繊維、綿等の天然繊維が挙げられる。これらのうち好ましい糸条としては、汎用性、加工性、コストの点から、ポリエステル繊維が挙げられる。なお、上掲の繊維の中から二種以上を選択して混合した混合繊維を使用することも可能である。糸条の断面形状は、丸断面又は異型断面の何れであっても構わない。糸条には、必要に応じて添加剤を添加することができる。添加剤としては、艶消し剤(二酸化チタン等)、微細孔形成剤(スルホン酸金属塩等)、着色防止剤、熱安定剤、難燃剤(三酸化二アンチモン等)、蛍光増白剤、着色顔料、帯電防止剤(スルホン酸金属塩等)、吸湿剤(ポリオキシアルキレングリコール等)、抗菌剤、無機粒子等が挙げられる。これらの添加剤は、二種以上を組み合わせて使用することも可能である。
〔撥水処理〕
編物101に施される撥水処理は、編地に撥水剤を付与することにより行われる。撥水処理に使用可能な撥水剤のタイプは、水系又は溶剤系の何れでもよく、撥水剤の種類としては、例えば、フッ素系撥水剤、シリコーン系撥水剤、ワックス系撥水剤等が挙げられる。撥水剤の付与方法(撥水処理法)は、グラビアロール法、フラットスクリーン法、ロータリースクリーン法、転写法等の公知の方法が挙げられる。これらの方法によれば、連続的且つ高精度の撥水処理を行うことが可能であり、特に、フラットスクリーン法、ロータリースクリーン法は、編地への撥水剤の付与状態(プリントパターン、プリント量)を細かく設定できるため、柄の設定や設備での加工条件を調整することで、撥水剤の付着面積、形状、パターン間隔等を自在に設定することが可能となる。また、撥水剤の編地厚み方向における浸透度を調節することも容易となる。撥水剤の編地厚み方向における浸透度は、例えば、スクリーンを用いる撥水処理法においては、スクリーン枠のメッシュサイズやプリント時のスキージ圧等の撥水処理条件を変更することにより調節可能である。例えば、スクリーン枠をハイメッシュ化したり、スキージ圧を低下させると、撥水剤の浸透度は小さくなる。反対に、スクリーン枠をローメッシュ化したり、スキージ圧を増加させると、撥水剤の浸透度は大きくなる。なお、後述する撥水剤を溶媒に溶解させた撥水剤溶液の粘度を調整することによっても、撥水剤の編地厚み方向における浸透度を調節することが可能となる。
編物101に撥水処理を実施するにあたっては、作業性の点から撥水剤(撥水成分)を溶媒に溶解させた撥水剤溶液を使用することが好ましい。撥水剤溶液の調製に使用する溶媒は、水又は溶剤の何れでもよいが、環境配慮の点を考慮すると水が好ましい。編地への撥水剤の付与量は、撥水剤溶液中の樹脂固形分重量として、0.01〜50g/m、好ましくは1〜20g/mに設定される。この場合、編地に有効な撥水性を付与することができるとともに、編地の風合いが損なわれない。
また、編物101に撥水処理を実施するにあたっては、撥水剤溶液の滲みを防止するとともに、編地に撥水剤を精度よく付与するため、撥水剤溶液の粘度を20000〜100000mPa・sに調整しておくことが好ましい。このような粘度範囲であれば、撥水剤が付与される編地を構成する単糸繊維の表面が撥水剤によって均一に被覆されるため撥水耐久性が向上し、さらに、編地の風合いが損なわれる虞もない。撥水剤溶液の粘度が20000mPa・sより小さい場合、編地に滲みが発生し易くなり、目的の位置に撥水剤を精度よく付与することが困難となる。撥水剤溶液の粘度が100000mPa・sより大きい場合、スクリーンを用いる撥水処理法においては、スクリーンメッシュに樹脂が目詰まりし、連続的及び安定的な撥水処理が困難となる。また、撥水剤が編地の厚み方向に浸透し難くなるため、編地内において所定の厚みの撥水部を形成することも困難となる。
撥水剤溶液の粘度調整は、増粘剤とバインダー樹脂とを併用することが好ましい。溶液の粘度調整は、一般に増粘剤が使用されるが、増粘剤を過剰に使用すると洗濯によって編物の撥水耐久性が低下し易くなるため、本発明においては増粘剤の使用量を低減し、その不足分をバインダー樹脂で補う工夫をしている。増粘剤の使用量は、撥水剤溶液中の含有量として2重量%以下とすることが好ましい。使用可能な増粘剤としては、ポリマー系増粘剤、乳化増粘剤等が挙げられる。これらの増粘剤は、単独で用いてもよいし、複数種を組み合わせて使用してもよい。使用可能なバインダー樹脂としては、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂等が挙げられる。これらのバインダー樹脂は、単独で用いてもよいし、複数種を組み合わせて使用してもよい。なお、バインダー樹脂は、水系又は溶剤系の何れのタイプも使用可能であるが、使用する撥水剤のタイプに合わせて選択することが好ましい。バインダー樹脂の使用量は、撥水耐久性の程度や編地の風合いを考慮しながら適宜調整すればよい。なお、撥水剤溶液には、バインダー樹脂を架橋する架橋剤を添加することも可能であり、この場合、バインダー樹脂の使用量を抑制しながら撥水耐久性を向上させることができる。また、撥水剤溶液には、紫外線防止剤、抗菌剤、防黴剤、消臭剤等の各種添加剤を添加することも可能である。
〔衣料製品〕
図2は、本発明にかかる編物101を縫製してなる本発明の衣料製品100の例を示す概略図である。本発明の編物101を素材とする衣料製品100は、例えば、肌に密着し易いスポーツ衣料やインナー衣料に適したものであり、編物101の撥水部11及び吸水部12が肌側となるように縫製される。これにより、肌の表面に発生した汗は、吸水部12によって速やかに吸収されるが、撥水部11が肌側に存在するため、意図しない方向への汗の拡散が抑制される。ここで、衣料製品100は、身体に装着したとき、上述した編物101における並列パターンが概ね一定の方向となるように形成される。これにより、人が発汗すると、汗は並列パターンのうちの吸水部12に吸収され、発汗量が多くなっても汗は吸水部12の両側の撥水部11には拡がらず、吸水部12に沿って拡散移動する。つまり、本発明の衣料製品100では、編物101に形成された並列パターンによって、汗の移動方向をコントロールすることができる。
衣料製品100は、並列パターンの形態を工夫することにより、編地が吸収した汗のコントロール機能をより効果的に発揮させることができる。例えば、図2(a)は、衣料製品100を身体に装着したとき、編地における並列パターン(連続の線状パターン)が略上下方向に形成されるように縫製したものである。この場合、吸水部に吸収された汗は、両側の撥水部に挟まれた状態で吸水部に沿って重力により下方向に移動し、衣料製品100の下部から外部に排出される。その結果、汗の蓄積による貼り付き感やムレ感を低減することができる。図2(b)は、衣料製品100を身体に装着したとき、編地における並列パターンが中央から左右斜め下方向に分かれるように形成されるように縫製したものである。この場合、吸水部に吸収された汗は、両側の撥水部に挟まれた状態で吸水部に沿って重力により左右斜め下方向に移動し、衣料製品100の両脇から外部に排出される。その結果、汗の蓄積による貼り付き感やムレ感を低減することができる。図2(c)は、衣料製品100を身体に装着したとき、編地における並列パターンが、衣料製品100の上部では左右から中央に向けて斜め下方向に合流し、下部では略上下方向に形成されるように縫製したものである。この場合、吸水部に吸収された汗は、一旦中央側に集められた後、重力により下方向に移動し、衣料製品100の下部から外部に排出される。その結果、汗の蓄積による貼り付き感やムレ感を低減することができる。図2(d)は、衣料製品100を身体に装着したとき、図2(a)と同様に、編地における並列パターンが略上下方向に形成されるように縫製したものであるが、不連続の線状パターンとしたものである。この場合も、吸水部に吸収された汗は、両側の撥水部に挟まれた状態で吸水部に沿って重力により下方向に移動し、衣料製品100の下部から外部に排出される。その結果、汗の蓄積による貼り付き感やムレ感を低減することができる。なお、衣料製品100に形成される並列パターンは、多量発汗部からそれ以外の部位へと汗を誘導するパターンが好ましいが、これに限定されるものではない。
本発明の編物(実施例)、及び本発明の範囲外となる編物(比較例)から試料片を適宜採取し、各試料片について各種測定及び評価を行った。測定及び評価項目は、以下のとおりである。
[見掛け密度]
JIS L1018−1998,6.5に準拠して試料片の厚み(mm)を測定し、試料片の目付(g/m)と厚み(mm)との関係から、下記の式(1)により見掛け密度(g/cm)を算出した。
見掛け密度 = 目付/厚み/10000 ・・・ (1)
[吸水性]
JIS L1907(滴下法)の吸水速度に関する試験方法に準拠して吸水性を測定した。試料片の内側表面(撥水処理が施された肌に接する面であり、以下同様である。)を上に向けて水平状態に保持した。次いで、ビュレットを用いて試料片の吸水部に水滴を一滴滴下し、この水滴が試料片に吸収されるまでの時間(吸水時間)を計測した。吸水性の評価基準は、吸水時間が5秒以下であったものを良好とし、吸水時間が5秒を超えたもの又は吸水されなかったものを不良とする。
[速乾性]
サイズが20cm×20cmの試料片を準備し、20℃、65%RHの環境下で12時間以上調湿した後、試料の質量(W0)を測定した。次いで、10mmの高さから0.6mlの水を試料片の内側表面に滴下した後、試料の質量(W1)を測定した。その後、20℃、65%RH、風速1.0m/sの環境下で吊り干しして、1〜5分間隔で試料の質量(W2)を測定し、下記の式(2)により残留水分率(%)を算出し、これをグラフ化して残留水分率が10%以下となった時間(分)を特定した。
残留水分率 = (W2−W0)/(W1−W0) × 100 ・・・ (2)
速乾性の評価基準は、残留水分率が10%以下となった時間が55分以下のものを良好とし、残留水分率が10%以下となった時間が55分を超えるものを不良とする。
[拡散異方性比]
JIS L1907−5.1.1(滴下法)に準拠して、試料片の100cmの範囲に1ml(0.01ml/cm)の水を摘下し、3分経過した後、並列パターン方向における水分の拡散距離(a)mm、及び並列パターン方向に直交する方向における水分の拡散距離(b)mmを測定した。そして、両拡散距離の比率(a/b)を拡散異方性比とし、拡散異方性比が1.3以上のものを水分の拡散が制御された状態にあり、良好とする。
[撥水剤浸透度]
撥水剤を浸透させた試料片を、染料(反応染料または直接染料)を含む水溶液に1時間浸漬し、その後風乾した。試料片の断面をマイクロスコープにて観察し、編地の厚さ(mm)及び未染色部分の厚さ(mm)を測定し、下記式(3)により撥水剤浸透度(%)を求めた。なお、撥水剤浸透度は、n=5の平均値を採用した。
撥水剤浸透度 = 未染色部分の厚さ/編地の厚さ × 100 ・・・ (3)
[湿潤摩擦力]
肌への貼り付き感を評価するため、湿潤摩擦力を代用して評価した。20℃、65%RHの環境下で、タテ20cm×ヨコ15cmの試料片の内側表面における吸水部の重量(試料片面積×目付×吸水部の面積割合)に対して200重量%の水分を、当該試料片の内側表面に付与した。次いで、試料片を内側表面を下にしてガラス板の上に載置し、プラスチック製の支持体(長さ2cm、幅15cm、重量5g)に試料の一端を固定し、さらに支持体とは反対側の他端に同様の支持体及び錘(重量25g)を固定した(トータル30gの荷重)。そして、支持体をワイヤーにより速度100mm/分で水平に引っ張り、そのときの試料片とガラス板との動摩擦力(N)をオートグラフ(株式会社島津製作所製)により測定した。湿潤摩擦力の評価基準は、動摩擦力が0.5N未満のものを「貼り付き感なし」(非常に良好)とし、動摩擦力が0.5N以上0.7N以下のものを「若干貼り付き感があるが、肌離れは容易」(良好)とし、動摩擦力が0.7Nを超えるものを「貼り付き感あり」(不良)とする。
[着用評価]
本発明の編物(実施例)、及び本発明の範囲外となる編物(比較例)を用いて、撥水処理を施した面が肌側となるようにTシャツを縫製した。被験者が夫々のTシャツを着用し、20℃、65%RHの環境下で、ルームランナーで20分間ランニングした後の発汗した状態における快適性(ムレ感)を官能評価した。着用評価は、不快感が少ないものを良好(○)とし、不快感があるものをやや不良(△)とし、非常に不快感があるものを不良(×)とする。
〔実施例1〕
二種のポリエチレンテレフタレート仮撚捲縮加工糸(肌側:84デシテックス/36フィラメント、外側:84デシテックス/72フィラメント)を28ゲージの丸編機を用いて編み立てを行い、表面(外側)がハニカム構造となる天竺丸編物を作製した。この天竺丸編物を常法により精練処理し、染色助剤及び吸水加工剤(高松油脂株式会社製、SR−1000)5%owfを含有する染料液に浸漬して染色処理を行った。染色処理条件は、130℃で30分間とした。次いで、編物を染料液から引き上げ、乾燥後、熱セットを行った。これにより、吸水処理が施された編物を得た。続いて、編物の肌側となる面全体に、ロータリースクリーンプリント機(プリント枠メッシュ:60メッシュ/インチ)を用いて、下記の処方1に示す撥水剤溶液(粘度を30000mPa・sに調整)を連続の緯縞状パターン(編物の長手方向に対して交差する縞状パターン)で略一様に付与した。このとき、ロータリースクリーンプリント機のスキージ圧を調整することにより、撥水剤溶液を編物表面から内部に浸透させて撥水部を形成するとともに、編物の肌側となる面における撥水部の幅を1mm、吸水部の幅を30mmに設定した(編地に対する撥水部の面積比率:3%)。最後に、編物を120℃で1.5分間乾燥し、さらに170℃で30秒間キュアリング処理を行うことにより撥水処理を完了させ、厚さ0.88mmとなる実施例1の編物を完成させた。実施例1の編物の各種測定結果及び評価を表1に示す。
<処方1>
(1)フッ素系撥水剤(水系) 8.0重量%
(アサヒガード(登録商標)AG−7000、旭硝子株式会社製)
(2)ウレタン系バインダー樹脂 1.0重量%
(ハイドランHW−940、DIC株式会社製)
(3)カルボジイミド系架橋剤 0.1重量%
(NKアシスト(登録商標)CI、日華化学株式会社製)
(4)ポリアクリル酸系酸化物増粘剤 2.5重量%
(F−7226、日華化学株式会社製)
(5)水 残部
〔実施例2〕
実施例1で説明した吸水加工及び熱セット済みの編物において、その肌側となる面全体に、ロータリースクリーンプリント機(プリント枠メッシュ:60メッシュ/インチ)を用いて、下記の処方2に示す撥水剤溶液(粘度を35000mPa・sに調整)を連続の緯縞状パターンで略一様に付与し、撥水部の幅を1mm、吸水部の幅を30mmに設定した(編地に対する撥水部の面積比率:3%)。各工程の処理条件は実施例1と同様とし、厚さ0.88mmとなる実施例2の編物を完成させた。実施例2の編物の各種測定結果及び評価を表1に示す。
<処方2>
(1)フッ素系撥水剤(水系) 8.0重量%
(アサヒガード(登録商標)AG−7000、旭硝子株式会社製)
(2)ウレタン系バインダー樹脂 2.0重量%
(スーパーフレックスE−2000、第一工業製薬株式会社製)
(3)ポリアクリル酸系酸化物増粘剤 2.5重量%
(F−7226、日華化学株式会社製)
(4)水 残部
〔実施例3〕
実施例1で説明した吸水加工及び熱セット済みの編物において、その肌側となる面全体に、ロータリースクリーンプリント機(プリント枠メッシュ:60メッシュ/インチ)を用いて、前記処方1に示す撥水剤溶液を連続の緯縞状パターンで略一様に付与し、撥水部の幅を2mm、吸水部の幅を4mmに設定した(編地に対する撥水部の面積比率:33%)。各工程の処理条件は実施例1と同様とし、厚さ0.88mmとなる実施例3の編物を完成させた。実施例3の編物の各種測定結果及び評価を表1に示す。
〔実施例4〕
実施例1で説明した吸水加工及び熱セット済みの編物において、その肌側となる面全体に、ロータリースクリーンプリント機(プリント枠メッシュ:60メッシュ/インチ)を用いて、前記処方2に示す撥水剤溶液を連続の経縞状パターン(編物の長手方向に略沿った縞状パターン)で略一様に付与し、撥水部の幅を6mm、吸水部の幅を10mmに設定した(編地に対する撥水部の面積比率:38%)。各工程の処理条件は実施例1と同様とし、厚さ0.88mmとなる実施例4の編物を完成させた。実施例4の編物の各種測定結果及び評価を表1に示す。
〔実施例5〕
実施例1で説明した吸水加工及び熱セット済みの編物において、その肌側となる面全体に、ロータリースクリーンプリント機(プリント枠メッシュ:60メッシュ/インチ)を用いて、前記処方1に示す撥水剤溶液を連続の緯縞状パターンで略一様に付与し、撥水部の幅を5mm、吸水部の幅を4mmに設定した(編地に対する撥水部の面積比率:56%)。各工程の処理条件は実施例1と同様とし、厚さ0.88mmとなる実施例5の編物を完成させた。実施例5の編物の各種測定結果及び評価を表1に示す。
〔実施例6〕
実施例1で説明した吸水加工及び熱セット済みの編物において、その肌側となる面全体に、ロータリースクリーンプリント機(プリント枠メッシュ:60メッシュ/インチ)を用いて、前記処方1に示す撥水剤溶液を不連続の緯縞状パターンで略一様に付与し、撥水部の幅を5mm、吸水部の幅を10mmに設定した(編地に対する撥水部の面積比率:30%)。各工程の処理条件は実施例1と同様とし、厚さ0.88mmとなる実施例6の編物を完成させた。実施例6の編物の各種測定結果及び評価を表1に示す。
〔実施例7〕
実施例1で説明した吸水加工及び熱セット済みの編物において、その肌側となる面全体に、ロータリースクリーンプリント機(プリント枠メッシュ:60メッシュ/インチ)を用いて、前記処方2に示す撥水剤溶液を連続の斜め縞状パターン(編物の長手方向に対して所定の角度で斜行させた縞状パターン)で略一様に付与し、撥水部の幅を6mm、吸水部の幅を10mmに設定した(編地に対する撥水部の面積比率:38%)。各工程の処理条件は実施例1と同様とし、厚さ0.88mmとなる実施例7の編物を完成させた。実施例7の編物の各種測定結果及び評価を表1に示す。
〔比較例1〕
実施例1で説明した吸水加工及び熱セット済みの編物において、その肌側となる面全体に、ロータリースクリーンプリント機(プリント枠メッシュ:60メッシュ/インチ)を用いて、前記処方1に示す撥水剤溶液を連続の緯縞状パターンで略一様に付与し、撥水部の幅を6.5mm、吸水部の幅を3.5mmに設定した(編地に対する撥水部の面積比率:65%)。各工程の処理条件は実施例1と同様とし、厚さ0.88mmとなる比較例1の編物を完成させた。比較例1の編物の各種測定結果及び評価を表1に示す。
〔比較例2〕
実施例1で説明した吸水加工及び熱セット済みの編物において、その肌側となる面全体に、ロータリースクリーンプリント機(プリント枠メッシュ:60メッシュ/インチ)を用いて、前記処方1に示す撥水剤溶液を連続の緯縞状パターンで略一様に付与し、撥水部の幅を4mm、吸水部の幅を0.5mmに設定した(編地に対する撥水部の面積比率:89%)。各工程の処理条件は実施例1と同様とし、厚さ0.88mmとなる比較例2の編物を完成させた。比較例2の編物の各種測定結果及び評価を表1に示す。
〔比較例3〕
実施例1で説明した吸水加工及び熱セット済みの編物において、その肌側となる面全体に、ロータリースクリーンプリント機(プリント枠メッシュ:60メッシュ/インチ)を用いて、前記処方1に示す撥水剤溶液を連続の経縞状パターンで略一様に付与し、撥水部の幅を20mm、吸水部の幅を0.5mmに設定した(編地に対する撥水部の面積比率:98%)。各工程の処理条件は実施例1と同様とし、厚さ0.88mmとなる比較例3の編物を完成させた。比較例3の編物の各種測定結果及び評価を表1に示す。
〔比較例4〕
実施例1で説明した吸水加工及び熱セット済みの編物において、その肌側となる面全体に、ロータリースクリーンプリント機(プリント枠メッシュ:180メッシュ/インチ)を用いて、前記処方1に示す撥水剤溶液を連続の緯縞状パターンで略一様に付与し、撥水部の幅を2mm、吸水部の幅を1mmに設定した(編地に対する撥水部の面積比率:67%)。各工程の処理条件は実施例1と同様とし、厚さ0.88mmとなる比較例4の編物を完成させた。比較例4の編物の各種測定結果及び評価を表1に示す。
〔比較例5〕
実施例1で説明した吸水加工及び熱セット済みの編物において、その肌側となる面全体に、ロータリースクリーンプリント機(プリント枠メッシュ:60メッシュ/インチ)を用いて、前記処方1に示す撥水剤溶液を市松模様パターン(正方形の撥水部と正方形の吸水部とが経緯方向で交互に配置され、一つの撥水部の角部に別の撥水部の角部が接するパターン)で略一様に付与し、撥水部及び吸水部の一辺を1mmに設定した(編地に対する撥水部の面積比率:50%)。各工程の処理条件、実施例1と同様とし、厚さ0.88mmとなる比較例5の編物を完成させた。比較例5の編物の各種測定結果及び評価を表1に示す。
〔比較例6〕
実施例1で説明した吸水加工及び熱セット済みの編物において、撥水処理を行わないものを比較例6の編物とした。この編物の厚さは0.88mmであった。比較例6の編物の各種測定結果及び評価を表1に示す。
Figure 2016108716
実施例1〜7の編物は、編地に対する撥水部の面積比率が1〜60%の範囲にあり、且つ拡散異方性比が1.3以上であるため、水分の移動方向のコントロール性が良好なものとなり、吸水性と速乾性とを両立することができ、湿潤摩擦力を0.7N以下に抑えることができた。その結果、被験者による着用評価は、不快感が少ない良好なものとなった。従って、本発明の編地を用いて縫製した衣料製品は、着用者が不快に感じる汗による生地の貼り付きやベタツキ感を抑えて快適且つ軽快な状態に保つのに非常に有効であることが示唆された。また、本発明は、撥水剤をプリントするだけで編地に撥水処理を行えるため、簡単且つ低コストで撥水性を有する編物を得ることが可能であり、量産に適している。
これに対し、比較例1〜6の編地は、編地に対する撥水部の面積比率及び拡散異方性比の一方又は両方が本発明の範囲から外れているため、吸水性と速乾性とを両立することができず、湿潤摩擦力についても一部の編地では0.7Nを大幅に超えていた。その結果、被験者による着用評価は、不快感が少なからず認められるものであり、衣料製品の素材として満足のいくものではなかった。
11 撥水部
12 吸水部
100 衣料製品
101 編物

Claims (8)

  1. 水分による肌への貼り付きを抑えた編地からなる編物であって、
    前記編地は、撥水剤が付与されてなる撥水部と、吸水性を有する吸水部とを備え、
    前記編地に対する前記撥水部の面積比率が1〜60%であり、
    前記編地の前記撥水剤が付与された面の吸水部に水分を付与したとき、水分付与面における第一方向への水分拡散量と前記第一方向に直交する第二方向への水分拡散量との比率である拡散異方性比(第一方向/第二方向)が1.3以上である編物。
  2. 前記編地において、前記撥水部が一定方向に並んだ並列パターンで形成されている請求項1に記載の編物。
  3. 前記並列パターンは、連続又は不連続の縞状パターン、連続又は不連続の線状パターン、複数の点が並列したドット状パターン、又はこれらを複合化したパターンである請求項2に記載の編物。
  4. 前記編地の前記撥水剤が付与された面の吸水部に水分を付与したとき、水分付与面におけるJIS L1907(滴下法)による吸水時間が5秒以下である請求項1〜3の何れか一項に記載の編物。
  5. 20℃、65%RHの環境下で12時間以上調湿した面積400cmの前記編地に、10mmの高さから0.6mlの水を滴下し、20℃、65%RH、風速1.0m/sの環境下で風乾させる乾燥試験において、前記編地の水分残留率が10%以下となるまでの時間が55分以下である請求項1〜4の何れか一項に記載の編物。
  6. 前記編地をガラス板に、当該編地の前記撥水剤が付与された面が前記ガラス板に当接するように載置した状態で、当該編地の前記吸水部に当該吸水部の生地重量の2倍量の水分を付与したとき、前記ガラス板に対する前記編地の湿潤摩擦力が0.7N以下である請求項1〜5の何れか一項に記載の編物。
  7. 請求項1〜6の何れか一項に記載の編物を、前記撥水部及び前記吸水部が肌側となるように縫製してなる、水分による肌への貼り付きを抑えた衣料製品。
  8. 請求項2又は3に記載の編物を、前記撥水部及び前記吸水部が肌側となるように縫製してなる、水分による肌への貼り付きを抑えた衣料製品であって、
    身体に装着したとき、前記編地における前記並列パターンが略上下方向に形成される衣料製品。
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