JP6522413B2 - 排水性編物、及び排水機能付き衣料製品 - Google Patents

排水性編物、及び排水機能付き衣料製品 Download PDF

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本発明は、吸収した水分を外部に放出する排水機能を備えた排水性編物、及び当該排水性編物を縫製してなる排水機能付き衣料製品に関する。
衣料製品において、汗を素早く吸収して快適且つ軽快な状態に保つことは重要な機能の一つであり、例えば、スポーツ衣料やインナー衣料等においては、吸収した汗による生地の貼り付きやベタツキ感等の不快感を軽減することが求められる。生地の貼り付きやベタツキ感の原因の一つは、肌から衣料製品に吸収された汗が再び肌の側に戻ってしまうことにある。そこで、吸収した汗が再び肌の側に戻らないように、生地に撥水処理を施した衣料製品が実用化されている。
例えば、汗による不快感を軽減する従来の衣料製品として、生地の一方の表面全体に撥水処理を行うとともに、他方の表面は撥水処理を行わないか、あるいは弱い撥水処理を行った織編物があった(例えば、特許文献1を参照)。特許文献1によれば、織編物(生地)の肌側の表面に繊維が汗を吸い上げる毛管現象を妨げない程度の撥水性を付与することで、吸い上げられた汗は撥水性の弱い織編物の外側に移動し、汗濡れによる不快感が解消されるとされている。
また、生地の少なくとも一方の表面において、多角形が角部で連続するパターンとなるように撥水剤を塗布した織編物があった(例えば、特許文献2を参照)。特許文献2によれば、吸収された汗は、撥水剤を塗布した多角形が角部で連続するパターン(撥水部)以外の島状の非撥水部を通って厚み方向に拡散し、撥水部には汗がほとんど残らないため、濡れ感が軽減するとされている。
特開昭56−144272号公報 特開2005−336633号公報
特許文献1及び2の織編物は、吸収した汗を生地内で拡散させた後、風、外気熱、体温熱等によって乾燥させることにより、汗を織編物から排除するものである。従って、少量の発汗であれば、汗による不快感を抑制することは可能であるが、例えば、炎天下での活動時、入浴後、激しい運動を行ったときなど、多量の発汗が起こった場合には汗が生地内に蓄積され、織編物からの汗の排除が追い付かない可能性がある。特許文献1の織編物は、生地の一方の表面全体に撥水処理を行っているため、多量の発汗が起こると織編物による汗の吸収及び拡散が間に合わず、汗が肌表面に残留し、生地の貼り付きやベタツキ感を完全に解消することは困難である。特許文献2の織編物は、汗を島状の非撥水部に吸収し拡散させているが、当該非撥水部の周囲に撥水部が存在するため、汗が拡散できる範囲が限られている。このため、多量の発汗が起こると織編物は汗をすべて吸収しきれず、汗が肌表面に残留し、生地の貼り付きやベタツキ感が発生し易いものとなる。
このように、特許文献1及び2の織編物は、多量の発汗を想定した衣料製品ではないため、シビアなコンディションでは、汗による生地の貼り付きやベタツキ感を完全に解消することは困難である。また、汗が織編物の生地内に蓄積されると、衣料製品全体としての重量増加を招くことになり、その結果、特に、スポーツ衣料やインナー衣料等において求められる軽快感が損なわれることにもなる。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、多量の発汗が起こった場合でも汗を素早く処理し、汗による生地の貼り付きやベタツキ感を抑えて快適且つ軽快な状態に保つことができる衣料製品に使用可能な生地(編物)、及びそのような生地を用いた衣料製品を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための本発明にかかる排水性編物の特徴構成は、
吸収した水分を外部に放出する排水機能を備えた排水性編物であって、
水分を吸収する第一部位と、前記第一部位から水分を受け取って外部に誘導する第二部位とを備え、
編地の断面視において、前記第一部位及び前記第二部位のうち、少なくとも第二部位に撥水部が形成され、
前記第二部位における撥水部の厚みが前記第一部位における撥水部の厚みより大きくなるように構成されていることにある。
本構成の排水性編物によれば、水分を吸収する第一部位と、第一部位から水分を受け取って外部に誘導する第二部位とを備えているため、水分を連続的に処理することができる。ここで、第一部位及び第二部位のうち、少なくとも第二部位に撥水部が形成され、第二部位における撥水部の厚みが第一部位における撥水部の厚みより大きくなるように構成されているため、水分が第一部位から第二部位へと移動する際、第二部位の撥水部が水分を堰き止める効果を発揮し、第二部位に受け渡された水分は編地内に留まることなく外部の方に誘導される。
このように、本構成の排水性編物によれば、水分は当該排水性編物の編地内に蓄積されることなくスムーズに外部に排出され、当該排水性編物が過剰に濡れた状態となることが防止される。
従って、本構成の排水性編物を縫製すれば、多量の発汗が起こった場合でも汗を素早く処理し、汗による生地の貼り付きやベタツキ感を抑えて快適且つ軽快な状態に保つことができる排水機能付き衣料製品を得ることができる。
本発明にかかる排水性編物において、
編地の一方の表面の位置を0%とし、編地の他方の表面の位置を100%とした場合、前記第一部位における撥水部は0%より大きく60%以下の領域に形成され、前記第二部位における撥水部は編地の一方の表面から70%以上の領域にまで形成されていることが好ましい。
本構成の排水性編物によれば、撥水部の厚みは、第一部位より第二部位の方が常に大きくなり、且つ第一部位と第二部位との差が一定以上に維持されることになるため、水分が第一部位から第二部位へと移動する際、第二部位の撥水部が水分を確実に堰き止めることができ、第二部位に侵入してきた水分を速やかに編地の外部へと誘導することができる。
本発明にかかる排水性編物において、
前記第一部位において、前記撥水部の面積が前記第一部位の総面積に対して10〜60%に設定されていることが好ましい。
本構成の排水性編物によれば、第一部位において、撥水部の面積が第一部位の総面積に対して上記の範囲に設定されている場合、水分を編地に確実に吸収するとともに、吸収された水分が編地から元に戻るのを防止することができる。
本発明にかかる排水性編物において、
前記第一部位は、編地の一方の表面における吸水性がJIS L1907(滴下法)による吸水時間として5秒以下に構成されていることが好ましい。
本構成の排水性編物によれば、第一部位の一方の表面が十分な吸水性を有するため、水分を編地に迅速に吸収することができる。
本発明にかかる排水性編物において、
前記第二部位における撥水部は、前記第一部位から前記第二部位への水分の移動方向に対して交差するように形成されていることが好ましい。
本構成の排水性編物によれば、第一部位で吸収された水分は、第二部位へと移動する際、第二部位の撥水部によって確実に堰き止められるため、第二部位に侵入してきた水分を速やかに編地の外部へと誘導することができる。
本発明にかかる排水性編物において、
前記第二部位における撥水部は、前記第一部位から離間する方向に厚みが段階的又は連続的に増大するように形成されていることが好ましい。
本構成の排水性編物によれば、第二部位における撥水部は、第一部位から離間する方向に厚みが段階的又は連続的に増大する傾斜構造を構成するため、第一部位から受け取った水分をスムーズに身体の外方へと誘導することができる。
上記課題を解決するための本発明にかかる排水機能付き衣料製品の特徴構成は、
上記の何れか一つの排水性編物を縫製してなることにある。
本構成の排水機能付き衣料製品によれば、本発明の排水性編物を縫製したものであるため、汗等の水分は、当該衣料製品の生地内に蓄積されることなくスムーズに外部に排出され、当該衣料製品が過剰に濡れた状態となることが防止される。従って、多量の発汗が起こった場合でも汗を素早く処理し、汗による生地の貼り付きやベタツキ感を抑えて快適且つ軽快な状態に保つことができる。
図1は、本発明にかかる排水性編物の概略平面図である。 図2は、本発明にかかる排水性編物を使用して作製した代表的な排水機能付き衣料製品の概略図である。 図3は、厚みを変化させた傾斜構造を有する第二撥水部を備えた編地の断面図である。 図4は、実施例及び比較例にかかる衣料製品の外観イメージを表した説明図である。
本発明の排水性編物は、水分吸排出特性に特徴を有する生地であり、この特性を利用して種々の用途に適用することができる。本実施形態では、排水性編物をスポーツ衣料やインナー衣料等の衣料製品に適用した例について説明する。
初めに、本発明者らは、衣料製品に人の汗が吸収されたときの汗の挙動について、発汗状態の違いによる検討を行った。それによれば、少量ないし通常量の発汗では、衣料製品に吸収された汗は毛管現象により生地内を拡散し、やがて蒸発によって生地から排出されるが、多量の発汗が起こった場合は、衣料製品に吸収された汗はそのほとんどが重力によって下方に移動し、当該衣料製品の下部に蓄積された状態となって、容易に生地の外部に排出されないことが判明した。そして、この汗の蓄積が、衣料製品における生地の貼り付きやベタツキ感等の不快感、さらには衣料製品の重量感の主な要因となっている。
そこで、本発明者らは、上記の汗の挙動に関する知見に基づき、多量の発汗が起こった場合でも汗を素早く処理し、汗による生地の貼り付きやベタツキ感を抑えて快適且つ軽快な状態に保つことができる排水機能付き衣料製品の生地(排水性編物)を創作するに至った。以下、本発明の排水性編物について、図面を参照しながら詳細に説明する。ただし、本発明は、以下の構成に限定されることを意図しない。
〔排水性編物〕
図1は、本発明にかかる排水性編物101の概略平面図である。以降の説明では、「排水性編物」を「編物」と略称する場合がある。また、本明細書において、「編物」と「編地」とを略同等の意味で使用する。編物101は、例えば、肌に密着し易いスポーツ衣料やインナー衣料の素材として使用されるものであり、水分を吸収する第一部位10と、当該第一部位10から水分を受け取って外部に誘導する第二部位20とを備えている。編物101を使用して衣料製品を作製した場合、第一部位10は、主に身体から発生した水分(主に汗)を吸収するように機能する。第二部位20は、主に第一部位10から水分を受け取って外部に誘導するように機能する。これらの機能を実現するため、本発明の編物101は、編地に撥水処理が施される。撥水処理は、例えば、編地に撥水剤を含浸させることにより行われる。撥水処理は、第一部位10及び第二部位20のうち、少なくとも第二部位20に対して実施すればよいが、第一部位10及び第二部位20の両方に実施することが好ましい。この撥水処理については、後述する「撥水処理」の項目において詳細に説明する。編地に撥水処理を施すと、当該編地に撥水剤が浸み込んで繊維と一体となった撥水部が形成される。図1は、第一部位10及び第二部位20の両方に撥水処理を施した例であり、編物101の第一部位10に第一撥水部11が形成され、第二部位20に第二撥水部21が形成されている。第一撥水部11及び第二撥水部21は、編物101の厚みの中で層状に延在又は点在している。以下、第一撥水部11及び第二撥水部21を備えた編物101について説明する。
第一部位10は、撥水剤が存在する第一撥水部11と、撥水剤が存在しない非撥水部12とを含む。例えば、編地に撥水剤を含浸させて撥水処理を行う際、撥水剤を特定又は不特定のパターンで分散させながら編地に付与することにより、第一部位10において、第一撥水部11と非撥水部12とを混在させることができる。この場合、第一撥水部11と非撥水部12とによって形成されるパターンとして、例えば、連続又は不連続の縞状、飛沫状、ドット状、格子状、線状等のパターンが挙げられ、パターン形状は特に限定されないが、略一様なパターンであることが好ましい。図1では、略一様なドット状のパターンが例示されている。第一部位10において、第一撥水部11と非撥水部12とを混在させている理由は、上述のように、第一部位10は、水分を吸収して第二部位20に受け渡すように機能するため、一定の吸水性を付与しつつ、吸収した水分が逆戻りすることを防止する必要があるからである。第一撥水部11は、撥水剤が付与されているため、第一部位10で吸収した水分の拡散を規制することができる。非撥水部12は、撥水剤が付与されていないため、第一部位10で吸収した水分が拡散して移動することができる。非撥水部12は、親水性繊維等の吸水性を有する材料で構成されることが好ましいが、吸水性に乏しい材料に吸水剤を付与して吸水性を向上させたものであっても構わない。吸水剤としては、例えば、親水性を有するポリエステル系樹脂を主成分とする吸水剤が好ましく使用される。第一撥水部11及び非撥水部12を形成するにあたっては、例えば、第一部位10の編地全体を吸水性材料で構成することで初めに非撥水部12を形成し、あるいは第一部位10の編地全体にコーティング法、プリント法、パディング法、吸尽法等の公知の方法により吸水剤を付与して初めに非撥水部12を形成し、その上から必要な領域に撥水剤を付与して非撥水部12の一部を第一撥水部11に転換する方法により行うことができる。この場合、第一部位10において、第一撥水部11と非撥水部12とを確実且つ容易に形成することができる。第二部位20における第二撥水部21は、実質的に、撥水剤が存在する撥水部のみで構成された単層構造となっている。ただし、第二撥水部21においても、第一部位10から受け取った水分を外部に誘導するという第二部位20の機能を妨げない限り、非撥水部(図示せず)を設けても構わない。第二撥水部21は、第一撥水部11と同様に、編地に撥水剤を付与することにより形成可能であるが、撥水性を有する糸条を編み立てた編組織によって第二撥水部21を形成してもよい。このように、編物101の第一部位10及び第二部位20において、夫々第一撥水部11及び第二撥水部21が形成される。第一部位10は、全体として、吸収した水分が逆戻りしないように機能し、第二部位20は、全体として、第一部位10から受け取った水分を外部に導いて排出するように機能するものであればよい。
編物101の編組織は、経編物又は緯編物のいずれであっても構わない。経編物としては、シングルデンビー編、シングルアトラス編、ダブルコード編、ハーフトリコット編、裏毛編、ジャガード編等が挙げられる。緯編物としては、天竺編、平編、ゴム編、両面編、パール編、タック編、浮き編、片畔編、レース編、添え毛編等が挙げられる。図1では、編物101の編組織として、天竺編を例示してある。編物101を構成する層数は特に限定されず、単層構造であってもよく、二層以上の多層構造であってもよい。
編物101の厚みは0.30〜1.50mmが好ましく、0.50〜1.20mmがより好ましい。編物101の厚みが0.30mm未満の場合、厚みが小さ過ぎるため、第一部位10に第一撥水部11を予定した厚みで形成することが困難となる。編物101の厚みが1.50mmを超える場合、第一部位10に水分が過剰に保持され易くなり、その結果、編物101が重くなり、衣料製品100に用いた場合、着心地が損なわれる虞がある。また、水分が衣料製品100に多量に保持されるため、軽快感が損なわれる。なお、編物101の厚みは、JIS L1018−1998,6.5の厚さ測定法に準拠して測定される。
編物101の編み上げに使用可能な糸条としては、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン等の合成繊維、アセテート等の半合成繊維、レーヨン等の再生繊維、綿等の天然繊維が挙げられる。これらのうち好ましい糸条としては、汎用性、加工性、コストの点から、ポリエステル繊維が挙げられる。なお、上掲の繊維の中から二種以上を選択して混合した混合繊維を使用することも可能である。糸条の断面形状は、丸断面又は異型断面の何れであっても構わない。糸条には、必要に応じて添加剤を添加することができる。添加剤としては、艶消し剤(二酸化チタン等)、微細孔形成剤(スルホン酸金属塩等)、着色防止剤、熱安定剤、難燃剤(三酸化二アンチモン等)、蛍光増白剤、着色顔料、帯電防止剤(スルホン酸金属塩等)、吸湿剤(ポリオキシアルキレングリコール等)、抗菌剤、無機粒子等が挙げられる。これらの添加剤は、二種以上を組み合わせて使用することも可能である。
〔排水機能付き衣料製品〕
図2は、本発明にかかる排水性編物101を使用して作製した代表的な排水機能付き衣料製品100の概略図である。以降の説明では、「排水機能付き衣料製品」を「衣料製品」と略称する場合がある。図2は、人が衣料製品100を着用した状態を示しており、図2中の拡大図(a)〜(c)は、衣料製品100を構成する編物101の断面を上から順に示したものである。衣料製品100は、例えば、肌に密着し易いスポーツ衣料やインナー衣料として構成され、編物101の第一部位10は身体に着用したときに上側に配置され、第二部位20は第一部位10の下側に配置される。ここで、第一部位10は、腹部より上側に配置されることが好ましい。「腹部」とは、へそBを中心とした一定範囲に拡がる体表面である。本明細書において「腹部より上側」とは、人が直立状態にあるとき、へそBの高さ位置より鉛直上方側を意味する。従って、「腹部より上側」には、首Nから胸部C、さらにはへそBより上側の腹部(上腹部E)までの領域が含まれる。この首Nから上腹部Eにかけての領域は、身体の中でも特に発汗量が多くなる部位である。
上記の第一撥水部11を含む第一部位10及び第二撥水部21を含む第二部位20を備えた衣料製品100において、第一撥水部11の厚みD1と第二撥水部21の厚みD2とを適切な関係に設定すると、多量の発汗時において、第一部位10で吸収された水分(以降、汗Wとする)が自重により第二部位20に移動する際(図2(a))、第二撥水部21が汗Wを堰き止める効果を発揮し、第二部位20に受け渡された汗Wをそのまま身体の外方(衣料製品100の外部)へと導くことができる(図2(b))。その結果、第二部位20の下方における汗Wの蓄積が防止される(図2(c))。このような衣料製品100中における汗Wの特徴的な挙動は、素材となる編物101において、第二部位20における第二撥水部21の厚みD2が第一部位10における第一撥水部11の厚みD1より大きくなるように構成することで実現可能となる。より好適には、衣料製品100の編地の内側表面の位置を0%とし、編地の外側表面の位置を100%とした場合、第一撥水部11を0%より大きく60%以下の領域に形成し(すなわち、編地(第一部位10)の厚みLに対する第一撥水部11の厚みD1を60%以下とし)、第二撥水部21を編地の内側表面から70%以上の領域にまで形成する(すなわち、編地(第二部位20)の厚みLに対する第二撥水部21の厚みD2を70%以上とする)。編地(第一部位10)に対して第一撥水部11が0〜60%超の領域に形成されると、第一部位10における汗Wの第二部位20への移動性が悪化し、汗Wが衣料製品100の着用者の肌表面を流れて不快感が増大する。編地(第二部位20)に対して第二撥水部21が編地の内側表面から70%未満の領域に形成されると、汗Wが編地の外部に排出されずに第二部位20内を流れ易くなり、衣料製品100の着用者は強い濡れ感を覚えることになる。編地(第一部位10)に対する第一撥水部11の好ましい形成範囲は0.5〜60%の領域であり、より好ましい形成範囲は10〜40%の領域である。編地(第二部位20)に対する第二撥水部21の好ましい形成範囲は0〜90%の領域であり、より好ましい形成範囲は0〜100%の領域(第二部位20の全体を撥水部としたもの)である。
第一部位10においては、第一撥水部11と非撥水部12との面積比率を適切に設定することにより、汗Wの吸収性と吸収した汗Wの逆戻り防止機能とのバランスを良好に維持することができる。具体的には、編地の平面視において、第一部位10における第一撥水部11の面積が第一部位10の総面積(すなわち、第一撥水部11と非撥水部12との合計面積)に対して10〜60%に設定されていることが好ましく、30〜60%に設定されていることがより好ましい。この場合、肌側で発生した汗Wを第一部位10で確実に吸収するとともに、吸収された汗Wが第一部位10から肌側に戻るのを防止することができる。その結果、肌表面における編地の貼り付きやベタツキ感を低減することができる。第一部位10における第一撥水部11の面積が第一部位10の総面積に対して10%未満である場合、第一撥水部11に対する非撥水部12の相対的な面積が過大となるため、第一部位で吸収された大量の汗Wが肌側に戻り、編地が貼り付き易くなる。第一部位10における第一撥水部11の面積が第一部位10の総面積に対して60%を超える場合、第一撥水部11に対する非撥水部12の相対的な面積が過少となるため、第一部位での汗Wの吸収が不十分なものとなり、汗Wが肌表面を流れて不快感が増大する。
また、第一部位10においては、吸水性を適切に設定することにより、第一部位10としての機能を確実に発揮させることができる。吸水性は、JIS L1907(滴下法)による編地の吸水時間として評価することができる。本発明の編物101では、第一部位10の内側表面(すなわち、上述した各撥水部の厚みの基準となる0%の位置が存在する面)における吸水性がJIS L1907(滴下法)による吸水時間として5秒未満に構成されていることが好ましく、1秒未満に構成されていることがより好ましい。この場合、肌側で発生した汗Wを第一部位10に迅速に吸収することができる。その結果、肌表面における編地の貼り付きやベタツキ感を低減することができる。第一部位10の内側表面における吸水性がJIS L1907(滴下法)による吸水時間として5秒以上となる場合、多量の発汗が起こると、第一部位10における汗Wの吸収が追い付かず、汗Wによる編地の貼り付きが発生し易くなる。なお、第一部位10の吸水性は、後述する撥水処理の程度によって調整することができる。また、上述した第一撥水部11と非撥水部12との面積比率を調整することにより、第一部位10の吸水性をコントロールすることも可能である。
衣料製品100においては、第一部位10の表面積と第二部位20の表面積との比率を適切に設定することにより、第一部位10及び第二部位20としての機能を確実に発揮させることができる。具体的には、第一部位10の表面積をAとし、第二部位20の表面積をBとした場合、両者の比率(A:B)が、A:B=5:95〜95:5に設定されることが好ましく、A:B=20:80〜80:20に設定されることがより好ましく、A:B=40:60〜60:40に設定されることがさらに好ましい。この場合、第一部位10による汗Wの吸収と第二部位20による汗Wの排出とのバランスが保たれ、衣料製品100の編地内への汗Wの蓄積が防止される。その結果、多量の発汗が起こった場合でも編地の貼り付きやベタツキ感を低減することができる。上記の比率(A:B)において、第一部位10の表面積Aが5%未満の場合、汗Wを吸収する第一部位10の割合が相対的に少なくなるため、衣料製品100の全体としての吸水性が悪化し、汗Wが肌表面を流れて不快感が増大する。反対に、第二部位20の表面積Bが5%未満の場合、汗Wを排出する第二部位20の割合が相対的に少なくなるため、第二部位20からの汗Wの排出が追い付かず、第二部位20の上部から溢れ出た汗Wが第一部位10に再び吸収されて不快感や重量感が増大する。
また、衣料製品100において、第二部位20における第二撥水部21の配置形態を工夫することにより、第二部位20としての機能をより効果的に発揮させることができる。具体的には、第二撥水部21を形成するにあたり、第一部位10から第二部位20への汗Wの移動方向に対して第二撥水部21が交差するように配置する。「汗の移動方向に対して交差する」とは、汗Wの進路上に第二撥水部21が存在するため、汗Wが第二撥水部21に邪魔されてそれより先に移動できなくなる状態を意味する。このような配置形態とすれば、第一部位10で吸収された汗Wは、第二部位20へと移動する際、第二部位20内の第二撥水部21によって確実に堰き止められるため、人が特に不快に感じる衣料製品100の下部又はさらにその下方に着用するズボン、スカート等のボトムス衣料における濡れ感を防止することができる。また、第二撥水部21によって堰き止められた汗Wは、第二部位20内に留まることなく身体の外方へと誘導されて外部に排出されるため、編地の貼り付きやベタツキ感を低減することができる。このような第二撥水部21の配置形態は、第二部位20に対して、例えば、ベタ柄、連続横縞柄、不連続横縞柄、連続斜め縞柄、不連続斜め縞柄等に構成することで実現可能である。上記の各柄は、二種以上の柄を組み合わせた複合パターンとして形成することも可能である。
さらに、衣料製品100において、第二部位20における第二撥水部21の厚みを変化させることにより、第二部位20としての機能をより効果的に発揮させることができる。具体的には、第二撥水部21を形成するにあたり、第一部位10から離間する方向に厚みを段階的又は連続的に増大する傾斜構造を形成する。図3は、厚みを変化させた傾斜構造を有する第二撥水部21を備えた編地の断面図であり、図2(b)の断面図に対応するものである。図3(a)は、衣料製品100の下方に向かうに連れて厚みを段階的に増大させたものであり、図3(b)は、衣料製品100の下方に向かうに連れて厚みを連続的に増大させたものである。第二撥水部21をこのような傾斜構造に構成すると、第一部位10から吸収された汗等の水分は、自重により第二部位20の方に移動するに連れて徐々に編物の外側に誘導され、最終的に第二部位20から外部に排出される。このように、傾斜構造を有する第二撥水部21は、第一部位10から受け取った水分をスムーズに身体の外方へと誘導することに有効となる。
なお、上記の傾斜構造は、第一部位10において適用することも可能である。すなわち、衣料製品100の編地の内側表面の位置を0%とし、編地の外側表面の位置を100%とした場合、第一撥水部11が0%より大きく60%以下の領域に形成されるものが好ましく、第一部位10における第一撥水部11を、厚みが段階的又は連続的に増大する傾斜構造として形成しても構わない。この場合、第一部位10から第二部位20に水分をスムーズに誘導することができる。
〔撥水処理〕
本発明の排水性編物101に施される撥水処理は、編地に撥水剤を付与することにより行われる。使用可能な撥水剤のタイプは、水系又は溶剤系の何れでもよく、撥水剤の種類としては、例えば、フッ素系撥水剤、シリコーン系撥水剤、ワックス系撥水剤等が挙げられる。撥水剤の付与方法(撥水処理法)は、グラビアロール法、フラットスクリーン法、ロータリースクリーン法、転写法等の公知の方法が挙げられる。これらの方法によれば、連続的且つ高精度の撥水処理を行うことが可能であり、特に、フラットスクリーン法、ロータリースクリーン法は、編地への撥水剤の付与状態(プリントパターン、プリント量)を細かく設定できるため、柄の設定や設備での加工条件を調整することで、撥水剤の付着面積、形状、パターン間隔等を自在に設定することが可能となる。また、撥水剤の編地厚み方向における浸透度合いを調節することも容易となる。撥水剤の編地厚み方向における浸透度合いは、例えば、スクリーンを用いる撥水処理法においては、スクリーン枠のメッシュサイズやプリント時のスキージ圧等の撥水処理条件を変更することにより調節可能である。例えば、スクリーン枠をハイメッシュ化したり、スキージ圧を低下させると、撥水剤の浸透度合いは小さくなる。反対に、スクリーン枠をローメッシュ化したり、スキージ圧を増加させると、撥水剤の浸透度合いは大きくなる。なお、後述する撥水剤を溶媒に溶解させた撥水剤溶液の粘度を調整することによっても、撥水剤の編地厚み方向における浸透度合いを調節することが可能となる。
排水性編物101に撥水処理を実施するにあたっては、作業性の点から撥水剤(撥水成分)を溶媒に溶解させた撥水剤溶液を使用することが好ましい。撥水剤溶液の調製に使用する溶媒は、水又は溶剤の何れでもよいが、環境配慮の点を考慮すると水が好ましい。編地への撥水剤の付与量は、撥水剤溶液中の樹脂固形分重量として、0.01〜50g/m、好ましくは1〜20g/mに設定される。この場合、編地に有効な撥水性を付与することができるとともに、編地の風合いが損なわれない。
また、排水性編物101に撥水処理を実施するにあたっては、撥水剤溶液の滲みを防止するとともに、編地に撥水剤を精度よく付与するため、撥水剤溶液の粘度を20000〜100000mPa・sに調整しておくことが好ましい。このような粘度範囲であれば、撥水剤が付与される編地を構成する単糸繊維の表面が撥水剤によって均一に被覆されるため撥水耐久性が向上し、さらに、編地の風合いが損なわれる虞もない。撥水剤溶液の粘度が20000mPa・sより小さい場合、編地に滲みが発生し易くなり、目的の位置に撥水剤を精度よく付与することが困難となる。撥水剤溶液の粘度が100000mPa・sより大きい場合、スクリーンを用いる撥水処理法においては、スクリーンメッシュに樹脂が目詰まりし、連続的及び安定的な撥水処理が困難となる。また、撥水剤が編地の厚み方向に浸透し難くなるため、編地内において所定の厚みの撥水部を形成することも困難となる。
撥水剤溶液の粘度調整は、増粘剤とバインダー樹脂とを併用することが好ましい。溶液の粘度調整は、一般に増粘剤が使用されるが、増粘剤を過剰に使用すると洗濯によって編物の撥水耐久性が低下し易くなるため、本発明においては増粘剤の使用量を低減し、その不足分をバインダー樹脂で補う工夫をしている。増粘剤の使用量は、撥水剤溶液中の含有量として2重量%以下とすることが好ましい。使用可能な増粘剤としては、ポリマー系増粘剤、乳化増粘剤等が挙げられる。これらの増粘剤は、単独で用いてもよいし、複数種を組み合わせて使用してもよい。使用可能なバインダー樹脂としては、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂等が挙げられる。これらのバインダー樹脂は、単独で用いてもよいし、複数種を組み合わせて使用してもよい。なお、バインダー樹脂は、水系又は溶剤系の何れのタイプも使用可能であるが、使用する撥水剤のタイプに合わせて選択することが好ましい。バインダー樹脂の使用量は、撥水耐久性の程度や編地の風合いを考慮しながら適宜調整すればよい。なお、撥水剤溶液には、バインダー樹脂を架橋する架橋剤を添加することも可能であり、この場合、バインダー樹脂の使用量を抑制しながら撥水耐久性を向上させることができる。また、撥水剤溶液には、紫外線防止剤、抗菌剤、防黴剤、消臭剤等の各種添加剤を添加することも可能である。
本発明の排水性編地を用いて作製した排水機能付き衣料製品(実施例)、及び本発明の範囲外となる編地を用いて作製した衣料製品(比較例)について、各種測定及び評価を行い、衣料製品の構造と性能(特性)との関係について検討を行った。図4は、実施例及び比較例にかかる衣料製品の外観イメージを表した説明図である。実施例及び比較例では、インナー衣料であるTシャツについて、各種測定及び評価を行った。測定及び評価項目は、以下のとおりである。
[編地断面視における撥水部の割合]
撥水処理を施した試料片を反応染料又は直接染料を含む染料液に30分間浸漬し、染料液から取り出して風乾した後、試料片の断面をマイクロスコープにて観察した。編地に撥水剤が浸漬している部分には染料液が浸み込まないため、試料片断面中の未染色部分の割合が編地断面視における撥水部の割合とみなすことができる。従って、編地断面視における撥水部の割合を、以下の式(1)から求めることができる。
編地断面視における撥水部の割合(%)
= 未染色部分の厚さ(mm)/試料片の厚さ(mm) × 100 ・・・ (1)
[吸水性]
JIS L1907(滴下法)の吸水速度に関する試験方法に準拠して、衣料製品の吸水性を評価した。衣料製品の第一部位に相当する試料片を準備し、内側表面(撥水処理が施された肌に接する面)を上に向けて水平状態に保持した。次いで、ビュレットを用いて試料片に水滴を一滴滴下し、この水滴が試料片に吸収されるまでの時間(吸水時間)を測定した。衣料製品の吸水性の評価は、吸水時間が1秒未満であったものを良好(○)とし、吸水時間が1秒以上であったものを不良(×)とした。
[排水性]
以下に説明する方法により、衣料製品の排水性を評価した。衣料製品の編地(タテ20cm×ヨコ10cm)に撥水処理を施して第一部位(タテ10cm×ヨコ10cm)と第二部位(タテ10cm×ヨコ10cm)とをタテ方向で隣接するように形成し、これを試料片とした。温度22℃、相対湿度65%に維持した恒温恒湿環境下において、試料片を45°傾斜させたガラス板の上に撥水処理を施した側がガラス面に接するように載置した。ガラス板に対する試料片の載置方向は、後述の比較例2を除いて、試料片の第一部位が第二部位の上方に位置するようにした。比較例2はこれの逆とした。この状態で、試料片が滑らないように両面テープを用いて試料片の両端部(第一部位の端部及び第二部位の端部)をガラス面に固定した。次に、マイクロピペットを用いて試料片の上部中央(後述の比較例2を除いて、第一部位側となる)に水1ccを1分間隔で10分に亘って滴下し、水分を供給した(水分供給量合計10g)。同時に、試料片の下部において試料片の表面に流れ出た水分をスポンジに吸収し、10分経過後のスポンジの増加重量を試料片からの排水量とした。衣料製品の排水性の評価は、以下の式(2)から求められる排水率により行った。
排水率(%) = 排水量(g)/10(g) × 100 ・・・ (2)
<実施例1>
丸断面のレギュラーポリエステルからなる仮撚捲縮加工糸(84デシテックス/36フィラメント、セミダル糸)を28ゲージの丸編機を用いて編み立てを行い、表面がハニカム構造となる天竺丸編物を作製した。この天竺丸編物を常法により精練処理し、染色助剤及び吸水加工剤(高松油脂株式会社製、SR−1000)5%owfを含有する染料液に浸漬して染色処理を行った。染色処理条件は、130℃で30分間とした。次いで、編物を染料液から引き上げ、乾燥後、熱セットを行った。これにより、吸水処理が施された厚さ0.5mmの編物を得た。続いて、編物の肌側となる面の全体に、ロータリースクリーンプリント機(プリント枠メッシュ:150メッシュ/インチ)を用いて、下記の表1の処方に示す第一部位形成用撥水剤溶液(粘度を30000mPa・sに調整)を直径0.5mmのドット柄状で略一様に付与した。このとき、ロータリースクリーンプリント機のスキージ圧を調整することにより、編物の断面視において、第一部位形成用撥水剤溶液を編物表面から20%の深さまで浸透させて第一撥水部を形成した。また、編物の平面視で、プリント領域である第一部位の総面積(撥水剤が存在する第一撥水部の面積と、撥水剤が存在しない非撥水部の面積との合計)に対する撥水剤付与領域(第一撥水部の面積)の割合を30%とした。続いて、第一部位形成用撥水剤溶液をドット柄状に付与した面に、フラットスクリーンプリント機(プリント枠メッシュ:70メッシュ/インチ)を用いて、下記の表1の処方に示す第二部位形成用撥水剤溶液(粘度を50000mPa・sに調整)をベタ柄状に付与した。このとき、フラットスクリーンプリント機のスキージ圧を調整することにより、編物の断面視において、第二部位形成用撥水剤溶液を編物表面から90%の深さまで浸透させて第二撥水部を形成した。第二撥水部形成後の編物は、第一部位の表面積(A)と、第二部位の表面積(B)との比率(A:B)が、A:B=70:30であった。最後に、編物を120℃で1.5分間乾燥し、さらに150℃で30秒間キュアリング処理を行うことにより撥水処理を完了させた。撥水処理を施した編物を適切にパネル裁断及び縫製し、上側に第一部位、下側に第二部位を備えた実施例1の衣料製品(Tシャツ)を得た。実施例1のTシャツの外観イメージを図4(a)に示す。
Figure 0006522413
<実施例2>
吸水処理が施された編物に第一部位形成用撥水剤溶液をドット柄状に付与する工程までは実施例1と同様とし、続いて、第一部位形成用撥水剤溶液をドット柄状に付与した面に第二部位形成用撥水剤溶液を付与する際、横縞柄状のパターンとした。このとき、撥水処理後の編物において、編物の平面視で、第一部位の表面積(A)と、第二部位の表面積(B)との比率(A:B)を、A:B=60:40に設定した。その他の条件は、実施例1と同様とした。撥水処理を施した編物を適切にパネル裁断及び縫製し、上側に第一部位、下側に第二部位を備えた実施例2の衣料製品(Tシャツ)を得た。実施例2のTシャツの外観イメージを図4(b)に示す。
<実施例3>
吸水処理が施された編物に第一部位形成用撥水剤溶液をドット柄状に付与する工程までは実施例1と同様とし、続いて、第一部位形成用撥水剤溶液をドット柄状に付与した面に第二部位形成用撥水剤溶液を付与する際、ジグザグの境界線を有するベタ柄状のパターンとした。その他の条件は、実施例1と同様とした。撥水処理を施した編物を適切にパネル裁断及び縫製し、上側に第一部位、下側に第二部位を備えた実施例3の衣料製品(Tシャツ)を得た。実施例3のTシャツの外観イメージを図4(c)に示す。
<実施例4>
吸水処理が施された編物に第一部位形成用撥水剤溶液をドット柄状に付与する工程までは実施例1と同様とし、続いて、第一部位形成用撥水剤溶液をドット柄状に付与した面に第二部位形成用撥水剤溶液を付与する際、フラットスクリーンプリント機のスキージ圧を調整することにより、編物の断面視において、第二部位形成用撥水剤溶液を編物表面から70%の深さまで浸透させて第二撥水部を形成した。その他の条件及び第二部位の柄は、実施例1と同様とした。撥水処理を施した編物を適切にパネル裁断及び縫製し、上側に第一部位、下側に第二部位を備えた実施例4の衣料製品(Tシャツ)を得た。実施例4のTシャツの外観イメージは図4(a)と同様であるため、図示を省略する。
<実施例5>
吸水処理が施された編物に第一部位形成用撥水剤溶液をドット柄状に付与する工程までは実施例1と同様とし、続いて、第一部位形成用撥水剤溶液をドット柄状に付与した面に第二部位形成用撥水剤溶液を付与する際、フラットスクリーンプリント機のスキージ圧を調整することにより、編物の断面視において、第二部位形成用撥水剤溶液を編物表面から100%の深さ(すなわち、編物裏面)まで浸透させて第二撥水部を形成した。その他の条件及び第二部位の柄は、実施例1と同様とした。撥水処理を施した編物を適切にパネル裁断及び縫製し、上側に第一部位、下側に第二部位を備えた実施例5の衣料製品(Tシャツ)を得た。実施例5のTシャツの外観イメージは図4(a)と同様であるため、図示を省略する。
<実施例6>
吸水処理が施された編物に第一部位形成用撥水剤溶液をドット柄状に付与する際、ロータリースクリーンプリント機のスキージ圧を調整することにより、編物の断面視において、第一部位形成用撥水剤溶液を編物表面から0.5%の深さまで浸透させて第一撥水部を形成した。また、編物の平面視で、プリント領域(撥水剤が存在する第一撥水部の面積と、撥水剤が存在しない非撥水部の面積との合計)に対する撥水剤付与領域(第一撥水部の面積)の割合を60%とした。その他の条件、及び引き続いて行う、第一部位形成用撥水剤溶液をドット柄状に付与した面に第二部位形成用撥水剤溶液を付与する工程以降は、実施例1と同様とした。撥水処理を施した編物を適切にパネル裁断及び縫製し、上側に第一部位、下側に第二部位を備えた実施例6の衣料製品(Tシャツ)を得た。実施例6のTシャツの外観イメージは図4(a)と同様であるため、図示を省略する。
<実施例7>
吸水処理が施された編物に第一部位形成用撥水剤溶液をドット柄状に付与する際、ロータリースクリーンプリント機のスキージ圧を調整することにより、編物の断面視において、第一部位形成用撥水剤溶液を編物表面から50%の深さまで浸透させて第一撥水部を形成した。その他の条件、及び引き続いて行う、第一部位形成用撥水剤溶液をドット柄状に付与した面に第二部位形成用撥水剤溶液を付与する工程以降は、実施例1と同様とした。撥水処理を施した編物を適切にパネル裁断及び縫製し、上側に第一部位、下側に第二部位を備えた実施例7の衣料製品(Tシャツ)を得た。実施例7のTシャツの外観イメージは図4(a)と同様であるため、図示を省略する。
<実施例8>
吸水処理が施された編物に第一部位形成用撥水剤溶液を直径0.5mmのドット柄状に付与する際、ロータリースクリーンプリント機のスキージ圧を調整することにより、編物の断面視において、第一部位形成用撥水剤溶液を編物表面から60%の深さまで浸透させて第一撥水部を形成した。また、編物の平面視で、プリント領域(撥水剤が存在する第一撥水部の面積と、撥水剤が存在しない非撥水部の面積との合計)に対する撥水剤付与領域(第一撥水部の面積)の割合を5%とした。続いて、第一部位形成用撥水剤溶液をドット柄状に付与した面に第二部位形成用撥水剤溶液を付与する際、フラットスクリーンプリント機のスキージ圧を調整することにより、編物の断面視において、第二部位形成用撥水剤溶液を編物表面から90%の深さまで浸透させて第二撥水部を形成した。その他の条件及び第二部位の柄は、実施例1と同様とした。撥水処理を施した編物を適切にパネル裁断及び縫製し、上側に第一部位、下側に第二部位を備えた実施例8の衣料製品(Tシャツ)を得た。実施例8のTシャツの外観イメージは図4(a)と同様であるため、図示を省略する。
<実施例9>
吸水処理が施された編物において、第二部位のみに撥水剤溶液を付与し、第一部位には撥水部を形成しないものとした。すなわち、断面視での第一部位における第一撥水部の形成領域を0%とした。第二部位に第二部位形成用撥水剤溶液を付与する際、フラットスクリーンプリント機のスキージ圧を調整することにより、編物の断面視において、第二部位形成用撥水剤溶液を編物表面から90%の深さまで浸透させて第二撥水部を形成した。その他の条件及び第二部位の柄は、実施例1と同様とした。撥水処理を施した編物を適切にパネル裁断及び縫製し、上側に第一部位、下側に第二部位を備えた実施例9の衣料製品(Tシャツ)を得た。実施例9のTシャツの外観イメージは図4(a)と同様であるため、図示を省略する。
<実施例10>
上記実施例1〜9は、第二部位における第二撥水部の厚みが一定のものであるが、実施例10として、第二撥水部の厚みを変化させた衣料製品を作製し、同様の評価を行った。吸水処理が施された編物に第一部位形成用撥水剤溶液をドット柄状に付与する工程までは実施例1と同様とし、続いて、第一部位形成用撥水剤溶液をドット柄状に付与した面に第二部位形成用撥水剤溶液を付与する際、フラットスクリーンプリント機のスキージ圧を調整することにより、編物の断面視において、第二部位形成用撥水剤溶液を編物表面から70%の深さ及び100%の深さまで二段階で浸透させて第二撥水部を形成した。具体的には、第一部位形成用撥水剤溶液をドット柄状に付与した面に第二部位形成用撥水剤溶液を付与する際、フラットスクリーンプリント機のスキージ圧を調整することにより、編物の断面視において、第二部位形成用撥水剤溶液を編物表面から70%の深さまで浸透させて第二撥水部(一段目)を形成した。次いで、第二部位形成用撥水剤溶液を付与した部分のうち、下側半分に、編物の断面視において、さらに第二部位形成用撥水剤溶液を編物表面から100%の深さまで浸透させて第二撥水部(二段目)を形成した。第二部位形成用撥水剤溶液を70%の深さまで浸透させた一段目の第二撥水部と、100%の深さまで浸透させた二段目の第二撥水部との面積比は、1:1とした。この場合、第二撥水部は、第一部位から離間する方向に厚みが段階的に増大するように形成されたものとなる。その他の条件及び第二部位の柄は、実施例1と同様とした。撥水処理を施した編物を適切にパネル裁断及び縫製し、上側に第一部位、下側に第二部位を備えた実施例10の衣料製品(Tシャツ)を得た。実施例10のTシャツの外観イメージは図4(a)と同様であるため、図示を省略する。
<比較例1>
吸水処理が施された編物に第一部位形成用撥水剤溶液を直径0.5mmのドット柄状に付与する際、ロータリースクリーンプリント機のスキージ圧を調整することにより、編物の断面視において、第一部位形成用撥水剤溶液を編物表面から60%の深さまで浸透させて第一撥水部を形成した。続いて、第一部位形成用撥水剤溶液をドット柄状に付与した面に第二部位形成用撥水剤溶液を付与する際、フラットスクリーンプリント機のスキージ圧を調整することにより、編物の断面視において、第二部位形成用撥水剤溶液を編物表面から60%の深さまで浸透させて第二撥水部を形成した。その他の条件及び第二部位の柄は、実施例1と同様とした。撥水処理を施した編物を適切にパネル裁断及び縫製し、上側に第一部位、下側に第二部位を備えた比較例1の衣料製品(Tシャツ)を得た。比較例1のTシャツの外観イメージは図4(a)と同様であるため、図示を省略する。
<比較例2>
吸水処理が施された編物に第一部位形成用撥水剤溶液をドット柄状に付与する工程、及び引き続いて行う、第一部位形成用撥水剤溶液をドット柄状に付与した面に第二部位形成用撥水剤溶液を付与する工程を実施例1と同様の条件で実施して撥水処理を施した編物を作製した。この編物をパネル裁断及び縫製し、実施例1とは上下が逆の配置となる上側に第二部位、下側に第一部位を備えた比較例2の衣料製品(Tシャツ)を得た。比較例2のTシャツの外観イメージを図4(d)に示す。
〔衣料製品の評価〕
実施例1〜10、及び比較例1〜2のTシャツについて、「吸水性」、及び「排水性」に関する評価を下記の表2にまとめた。
Figure 0006522413
実施例1〜10のTシャツは、編物の上側(第一部位)における吸水性が良好であり、大量の発汗が起こった場合でも、確実に汗を吸収できることが確認された。編物の下側(第二部位)からの排水性については、実施例1〜10のTシャツは、吸収した水分の50%以上が外部に排出されており、大量の発汗が起こった場合でも、迅速且つ連続して汗を処理できることが確認された。実施例1〜10のTシャツは、このような良好な排水性を有するため、肌への編物の貼り付きが低減されるとともに、編物下方に水分が蓄積されることが少ないものと予測される。従って、本発明の排水性編地を用いて縫製した排水機能付き衣料製品は、着用者が不快に感じる濡れ感を低減するのに非常に有効であることが示唆された。
これに対し、比較例1のTシャツは、第一部位の第一撥水部の厚みと、第二部位の第二撥水部の厚みとが同一であり、しかも第二撥水部の厚みが十分でないため、編物の下側(第二部位)からの排水性が劣る結果となった。比較例2のTシャツは、編物における第一部位と第二部位との位置関係が逆転し、第二部位における第二撥水部の厚みが第一部位における第一撥水部の厚みより小さくなっているため、編物の上側における吸水性、及び編物の下側からの排水性の両方が劣る結果となり、衣料製品として機能しないものとなった。
〔別実施形態〕
本発明の排水性編物は、「多量の発汗が起こった場合でも汗を素早く処理し、汗による編地の貼り付きやベタツキ感を抑えて快適且つ軽快な状態に保つ」という本発明の効果を奏するものであれば、上記実施形態及び実施例で説明した構成を変更したり、本発明の適用対象を変更することも可能である。そのような幾つかの変更例を別実施形態として説明する。
(1)上記実施形態及び実施例では、編物に撥水部を形成するにあたり、スクリーンプリント機等の機械を用いて編物に撥水剤を含む溶液を浸透させているが、撥水性を有する糸条を使用して編物を多層で編み立てることにより、編物に撥水部を形成することも可能である。
(2)上記実施形態及び実施例では、衣料製品としてTシャツ等の上衣を想定しているが、パンツ、ズボン等の下衣について、水分吸排出特性が異なる第一部位及び第二部位を設け、汗だけでなく尿等の水分を外部に排出する目的で、本発明の排水機能付き衣料製品を構成することも可能である。
(3)上記実施形態及び実施例では、スポーツ衣料やインナー衣料に排水機能を付与することを想定しているが、本発明の技術を用いて、その他の衣料製品に排水機能を付与することも可能である。その場合、衣料製品の生地は、編物だけでなく、織物や不織布、さらには紙等も対象となり得る。
本発明は、スポーツ衣料やインナー衣料の他、下着、パジャマ、作業着、普段着、紳士衣料、婦人衣料、子供衣料等の各種衣料製品の生地として利用可能である。また、人だけでなく、ペット等の動物の着衣の生地として利用することも可能である。
10 第一部位
11 第一撥水部(撥水部)
12 非撥水部
20 第二部位
21 第二撥水部(撥水部)
100 排水機能付き衣料製品
101 排水性編物
W 汗(水分)

Claims (6)

  1. 吸収した水分を外部に放出する排水機能を備えた排水性編物であって、
    水分を吸収する第一部位と、前記第一部位から水分を受け取って外部に誘導する第二部位とを備え、
    編地の断面視において、前記第一部位及び前記第二部位のうち、少なくとも第二部位に撥水部が形成され、
    前記第二部位における撥水部の厚みが前記第一部位における撥水部の厚みより大きくなるように構成されており、
    編地の一方の表面の位置を0%とし、編地の他方の表面の位置を100%とした場合、前記第一部位における撥水部は0%より大きく60%以下の領域に形成され、前記第二部位における撥水部は編地の一方の表面から70%以上の領域にまで形成されている排水性編物。
  2. 前記第一部位において、前記撥水部の面積が前記第一部位の総面積に対して10〜60%に設定されている請求項1に記載の排水性編物。
  3. 前記第一部位は、編地の一方の表面における吸水性がJIS L1907(滴下法)による吸水時間として5秒以下に構成されている請求項1又は2に記載の排水性編物。
  4. 前記第二部位における撥水部は、前記第一部位から前記第二部位への水分の移動方向に対して交差するように形成されている請求項1〜3の何れか一項に記載の排水性編物。
  5. 前記第二部位における撥水部は、前記第一部位から離間する方向に厚みが段階的又は連続的に増大するように形成されている請求項1〜4の何れか一項に記載の排水性編物。
  6. 請求項1〜5の何れか一項に記載の排水性編物を縫製してなる排水機能付き衣料製品。
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