JP4575199B2 - ぬれ感の少ない織編物および繊維製品 - Google Patents

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Description

本発明は、有機系繊維からなり少なくとも一方の面に凹凸構造を有する織編物であって、ソフトな風合いを損なわず、ぬれ感の少ない織編物および該織編物を用いてなる繊維製品に関するものである。
従来、ぬれ感の少ない織編物としては、種々のものが提案されている。例えば、布帛の表面層を疎水性繊維で構成し、一方裏面層を親水性繊維で構成した多層構造布帛(例えば特許文献1参照)や、生地全体を撥水加工した後に、裏面をオゾン処理して吸水性を付与したもの(例えば特許文献2参照)などが提案されている。これらは、裏面に吸水性を付与することによりぬれ感の減少を狙ったものであるが、裏面に汗が残留するためぬれ感が十分には減少しないという問題があった。
さらには、織編物の片面に撥水剤を縦横格子状や線状などの模様状に塗布し、肌側裏面における汗の拡散を防止した織編物(例えば特許文献3参照)、メッシュ状織編物を撥水性加工液に浸漬することにより、メッシュ状織編物の両面に撥水加工を施すこと(例えば特許文献4参照)、一方の面がフラット構造を有し、他方の面が凹凸構造を有する織編物において、フラットな面にのみ撥水加工を施すこと(例えば特許文献5参照)も提案されているが、これらの織編物においても、織編物表面に汗が残留しぬれ感が十分には減少しないという問題があった。
特開平10−25642号公報 特開平5−287674号公報 特開平7−42075号公報 特開平7−70939号公報 特開平9−137380号公報
本発明は、上記の背景に鑑みなされたものであり、その目的は、ソフトな風合いを損なわずぬれ感の少ない織編物およびかかる織編物を用いてなる繊維製品を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、少なくとも一方の面に凹凸構造を有する織編物において、一方の面の凸部にのみ撥水剤を付与することにより所望の
ソフトな風合いを損なわずぬれ感の少ない織編物が得られることを見出し、さらに鋭意検討を重ねることにより本発明に想到した。
かくして、本発明によれば「ポリエステル繊維からなる仮撚捲縮加工糸で構成され、少なくとも一方の面に凹凸構造を有し、一方のみの面の凸部にのみ撥水剤が付着している織編物であって、織編物が空隙率20〜60%のメッシュ状織編物であり、一方の面にのみ撥水剤が付着していることを特徴とするぬれ感の少ない織編物。」が提供される。
本発明の織編物において、織編物の厚みが0.4〜5.0mmの範囲内であることが好ましい
本発明の織編物において、水平に置いた織編物の上方10mmの高さから撥水加工を施した面を上側にし、水滴を1滴滴下した際、300秒以内に鏡面反射を起こすことなく吸水することが好ましい。また、未加工面を上側にした際も同様に、300秒以内に鏡面反射を起こすことなく吸水することが好ましい。また、撥水加工を施した面を上側にし、水平面に対し80°の角度をもたせて置いた織編物の上方10mmの高さから水滴を1滴滴下した際、10%以上が織編物に吸収されることなく落下することが好ましい。
また、本発明によれば、前記の織編物を用いてなる、スポーツ衣料、インナー衣料、紳士衣料、婦人衣料、裏地衣料、寝装寝具、および生活資材からなる群より選択されるいずれかの繊維製品が提供される。
本発明によれば、ソフトな風合いを損なわずぬれ感の少ない織編物およびかかる織編物を用いてなる繊維製品が得られる。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
本発明の織編物は有機繊維で構成され、少なくとも一方の面に凹凸構造を有する織編物であって、一方の面の凸部にのみ撥水剤が付着している。
ここで、織編物の構造としては、一方の面にのみ凹凸構造を有し、他方の面がフラット構造を有する織編物であってもよいし、両方の面が凹凸構造を有する織編物であってもよい。さらには、空隙部を有する通常のメッシュ状織編物であってもよい。
本発明の織編物において、一方のみの面の凸部にのみ撥水剤が付着していることが肝要である。一方のみの面の凸部にのみ撥水剤を付着させることにより、該面が肌側に位置するように配して衣服として使用すると、発汗した汗は、該面の凹部(織編物がメッシュ状織編物の場合は空隙部)を通り他方の面に吸収されるか、撥水剤が付着した凸部から容易に落下することにより、ぬれ感を感じることがない。同時に、撥水剤が局所的にしか付着していないので織編物のソフトな風合いが損なわれることもない。ここで、特開平7−42075号公報に開示されているように、フラットな面に所定のパターンで撥水加工を施したものでは、汗が非撥水部を通して他方の面に吸収されるものの、汗が落下し難く好ましくない。
具体的な実施態様について以下説明する。
まず第1の態様は、織編物がメッシュ状織編物であり、一方の面にのみ撥水剤が付着しており、他方の面には撥水剤が付着していない織編物である。ここで、メッシュ状織編物としては、厚み方向に貫通した空隙の空隙率が織編物表面の面積対比2〜95%(より好ましくは20〜60%)の通常のメッシュ状織編物でよい。その際、撥水剤の織編物の厚さ方向への浸透度合は、撥水剤が付与された面から厚さの1/2以下(より好ましくは1/5以下)であることが好ましい。
次に第2の態様は、織編物がワッフル状編物であり、一方の面の凸部にのみ撥水剤が付着している編物である。ワッフル状編物とは、例えば図3の編成図に従って編成された編物であり、1方の面のみ、または両方の面に凹凸構造を有する編地である。ここで、撥水剤は、図1に模式的に示すように、一方の面の凸部にのみ付着していることが肝要である。撥水剤が凹部に付着していると、発汗した汗が該凹部から吸収されず好ましくない。なお、撥水剤の凸部の厚さ方向への浸透度合は、凸部の先端から凸部高さの1/1以下(より好ましくは1/2以下)であることが好ましい。また、両方の面に凹凸構造を有している場合、両方の面の凸部に撥水剤が付着していると、一方の面の凹部を通った汗が他方の面で吸収されにくく好ましくない。
次に第3の態様は、織編物が二重リップル編物であり、一方の面の凸部にのみ撥水剤が付着している編物である。二重リップル編物とは、例えば、特許第3420083号公報の図2に示される編成図に従って編成された編物であり、1方の面のみ、または両方の面に凹凸構造を有する編地である。ここで、撥水剤は、図1に模式的に示すように、一方の面の凸部にのみ付着していることが肝要である。撥水剤が凹部に付着していると、発汗した汗が該凹部から吸収されず好ましくない。なお、撥水剤の凸部の厚さ方向への浸透度合は、凸部の先端から凸部高さの1/1以下(より好ましくは1/2以下)であることが好ましい。また、両方の面に凹凸構造を有している場合、両方の面の凸部に撥水剤が付着していると、一方の面の凹部を通った汗が他方の面で吸収されにくく好ましくない。
次に第4の態様は、織編物が緯二重織物であり、一方の面の凸部にのみ撥水剤が付着している織物である。緯二重織物とは、例えば、特許第3420083号公報の図1に示される織成図に従って織成された織物であり、1方の面のみ、または両方の面に凹凸構造を有する織物である。ここで、撥水剤は、図1に模式的に示すように、一方の面の凸部にのみ付着していることが肝要である。撥水剤が凹部に付着していると、発汗した汗が該凹部から吸収されず好ましくない。なお、撥水剤の凸部の厚さ方向への浸透度合は、凸部の先端から凸部高さの1/1以下(より好ましくは1/2以下)であることが好ましい。また、両方の面に凹凸構造を有している場合、両方の面の凸部に撥水剤が付着していると、一方の面の凹部を通った汗が他方の面で吸収されにくく好ましくない。
本発明の織編物において、織編物の厚さTとしては0.4〜5mmの範囲が好ましい。また、ワッフル状編物、二重リップル編物、緯二重織物の場合、凸部の高さHとしては0.3〜3mmの範囲が好ましい。なお、織物については、その厚さをJIS L 1096−1998、6.5の厚さ測定法により、編物については、その厚さをJIS L 1018−1998、6.5の厚さ測定法により測定するものとする。
本発明の織編物を構成する有機繊維としては、ポリエステル、ポリアミド、ポリアクリルニトリル、ポリプロピレン等の合成繊維、レーヨンなどの再生繊維、綿、ウール、絹などの天然繊維、これらを複合したものなどが例示される。なかでも、ポリエステル繊維が好ましく例示される。ポリエステル繊維はジカルボン酸成分とジグリコール成分とから製造される。ジカルボン酸成分としては、主としてテレフタル酸が用いられることが好ましく、ジグリコール成分としては主としてエチレングリコール、トリメチレングリコール及びテトラメチレングリコールから選ばれた1種以上のアルキレングリコールを用いることが好ましい。また、ポリエステル樹脂には、前記ジカルボン酸成分及びグリコール成分の他に第3成分を含んでいてもよい。該第3成分としては、カチオン染料可染性アニオン成分、例えば、ナトリウムスルホイソフタル酸;テレフタル酸以外のジカルボン酸、例えばイソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸;及びアルキレングリコール以外のグリコール化合物、例えばジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ビスフェノールA、ビスフェノールスルフォンの1種以上を用いることができる。さらには、ポリ乳酸などの生分解性を有するポリエステル繊維でもよい。
繊維を形成する樹脂中には、必要に応じて、艶消し剤(二酸化チタン)、微細孔形成剤(有機スルホン酸金属塩)、着色防止剤、熱安定剤、難燃剤(三酸化二アンチモン)、蛍光増白剤、着色顔料、帯電防止剤(スルホン酸金属塩)、吸湿剤(ポリオキシアルキレングリコール)、抗菌剤、その他の無機粒子の1種以上が含まれていてもよい。なかでも、微細孔形成剤を含む繊維を用いて織編物を織編成した後、繊維表面に微細孔を形成すると吸水性が向上するのでぬれ感を十分に低減することができ好ましい。
繊維の形状としては、短繊維でもよいし長繊維(マルチフィラメント)でもよいが、吸水性の点で長繊維であることが好ましい。さらには、通常の仮撚捲縮加工が施された仮撚捲縮加工糸や2種以上の構成糸条を空気混繊加工や複合仮撚加工させた複合糸であってもよい。
有機繊維の単糸繊維繊度、総繊度、単糸数は、単糸繊維繊度0.1〜10.0dtex、総繊度20〜300dtex、単糸数10〜200本の範囲であることが好ましい。また、単糸繊維の断面形状には制限はなく、通常の円形断面のほかに三角、扁平、くびれ付扁平、十字形、六様形、あるいは中空形などの異型断面形状であってもよい。特にくびれ付扁平断面形状を採用すると、吸水性が向上するので、ぬれ感を十分低減することができ好ましい。
本発明の織編物は以下の製造方法により製造することができる。
まず、前記の有機繊維を用いて織編物を織編成する。ここで、織編物の織編組織としては、前記のようなメッシュ状織編物、ワッフル状編物、二重リップル編物、緯二重織物などが好適に例示される。
また、織物の密度としては、吸水性の点で高密度のほうが好ましく、経緯とも100〜200本/2.54cmの範囲内であることが好ましい。織物の密度が該範囲よりも小さいと十分な吸水性が得られないおそれがある。逆に、織物の密度が該範囲より大きいと製編織性が困難となるおそれがある。
また、編物の密度としては、吸水性の点で中〜高密度のほうが好ましく、経緯とも30〜150本/2.54cmの範囲内であることが好ましい。編物の密度が該範囲よりも小さいと、凸部の面積が少なすぎ撥水剤の付着量が減少するため、ぬれ感の低減が得られないおそれがある。逆に、編物の密度が該範囲より大きいと製編性が困難となるおそれがある。
次いで、前記織編物に必要に応じて、染色仕上げ加工や親水化加工(吸水加工)を施した後、織編物の一方の面にのみ撥水剤を付着させる。その際、凹凸構造の凸部にのみ撥水剤を付着させ、凹部には撥水剤を付着させないことが肝要である。
撥水剤としては、特に限定されず、フッ素系、シリコン系、ワックス系などの撥水剤が例示される。また、撥水剤をバインダー樹脂とともに織編物に付着させることが、撥水性の耐久性を高める上で好ましい。かかる撥水剤としては、繊維との接触角が90度以下(好ましくは70度以下、さらに好ましくは50度以下)のものが好適である。該接触角が小さい程ぬれ性がよいため、バインダー樹脂が単糸繊維表面に均一に皮膜する。その結果、撥水性の耐久性が向上するだけでなく織編物のソフトな風合いが損なわれることがない。繊維との接触角が90度以下のバインダー樹脂としては、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アクリル系樹脂などが例示される。
また、撥水剤とバインダー樹脂の織編物に対する付着量としては、各々樹脂固形分重量基準で、撥水剤0.01〜40g/m(より好ましくは1〜10g/m)、バインダー樹脂0.01〜40g/m(より好ましくは1〜10g/m)の範囲が適当である。
前記の撥水剤とバインダー樹脂とは、通常両者の配合組成物として織編物に付与される。その際、かかる配合組成物は水系、溶剤系のいずれで構成してもよいが、加工工程の作業環境上水系の方が好ましい。なお、溶剤としては、トルエン、イソプロピルアルコール、ジメチルホルムアミド、メチエチルケトン、酢酸エチルなどが例示される。この配合組成物には、エポキシ系などの架橋剤を併用してもよい。さらに、織編物に対する付着性を向上させる等の目的で適当な添加剤をさらに配合してもよい。
前記の撥水剤、または撥水剤とバインダー樹脂とを織編物に付着させる方法としては、例えばグラビアロール法、キスロール法、泡加工法、ロータリスクリーン捺染法、フラットスクリーン法、ローラー捺染法等が例示される。その際、格子状や線状など所定のパターンで塗布してもさしつかえない。また、撥水剤の塗布に際しては、撥水剤が凹部に付着しないよう、また織編物の反対面までは浸透しないように、撥水剤を含む配合組成物の粘度、スキージ等による織編物への付与圧力、捺染速度を適宜調整する必要がある。前述のように撥水剤の織編物の厚さ方向への浸透度合は、メッシュ状織編物の場合は、撥水剤が付与された面から厚さの1/2以下(より好ましくは1/5以下)、また、二重リップル編物や緯二重織物の場合は、凸部の先端から凸部高さの1/1以下(より好ましくは1/2以下)であることが好ましい。
かくして得られた織編物において、撥水剤が一方の面の凸部にのみ撥水剤が付着しているので、該織編物を用いて衣料を得て、撥水剤が付着している面を肌側にして使用すると、発汗した汗が凹部または空隙部を通して他の面に吸収されると同時に、撥水剤が付着した凸部に接触した汗が容易に落下し、むれ感を低減することができ、更にべとつき感も低減することが出来る。撥水剤が局所的にしか付着していないので織編物のソフトな風合いが損なわれることもない。
かかる吸水性の目安として、水平に置いた織編物の撥水加工面を上側にし、上方10mmの高さから水滴を1滴滴下した際、300秒以内に鏡面反射を起こすことなく吸水することが好ましい。また、凸部に接触した汗が容易に落下する目安として、水平面に対し80°の角度をもたせて置いた織編物の上方10mmの高さから水滴を1滴滴下した際、10%以上が織編物に吸収されることなく落下することが好ましい。好ましくは50%〜100%が吸収されることなく落下することが好ましい。
本発明の織編物は、撥水剤が付着した面を肌側とし、スポーツ衣料、インナー衣料、紳士衣料、婦人衣料、裏地衣料など衣料として特に好適に使用することができる。さらには、寝装寝具および生活資材などの繊維製品としても使用することができる。
なお、本発明の織編物には、必要に応じて通常のアルカリ減量加工が施されてもよい。さらには、常法の起毛加工、紫外線遮蔽あるいは、抗菌剤、消臭剤、防虫剤、蓄光剤、再帰反射剤、マイナスイオン発生剤等の機能を付与する各種加工を付加適用してもよい。
以下、実施例をあげて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらによって何ら限定されるものではない。なお、実施例中の各物性は下記の方法により測定したものである。
次に本発明の実施例及び比較例を詳述するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
(1)水の吸水性
JIS L1907(滴下法)に従って、水平な試料面の上方10mmの高さから水滴を1滴滴下し、鏡面反射を起こすことなく吸水するまでの時間を測定した。
(2)水の落下性
図2に模式的に示すように、水平面に対し80°の角度をもたせて置いた試料の上方10mmの高さから水滴を1滴滴下し、吸収されることなく落下した水滴の割合(%)を測定した。
(3)織編物の風合い
30cm四角の織編物を男女各5名ずつ計10名のパネラーが目隠しした状態で官能評価を行った。風合いが未加工品対比、変化無し(最良)、ややソフト、ややかたい、かたいの4段階で評価した。
(4)厚みT
織物については、その厚さをJIS L 1096−1998、6.5の厚さ測定法により、編物については、その厚さをJIS L 1018−1998、6.5の厚さ測定法により測定する。
(5)接触角
接触角測定装置(エルマ販売(株)製)により、バインダー樹脂と通常のポリエチレンテレフタレート繊維との接触角を測定した。
(6)ぬれ感
実施例および比較例の編物を用いて、撥水剤が付着した面が肌側となるよう半そでTシャツを縫製し、温度28℃、湿度50%RHに調節された室内にて、被験者3人がランニング15分(10km/h)を行った際の着用快適性をぬれ感大、ぬれ感中、ぬれ感小(着用快適性に優れる)の3段階に評価した。
参考例1
24Gの丸編機を使用して、A:総繊度84dtex/24filの通常のポリエチレンテレフタレート仮撚捲縮加工糸と、B:総繊度56dtex/36filの通常のポリエチレンテレフタレート仮撚捲縮加工糸とを用い、図3に示されたワッフル状編物(生機の密度30コース/2.54cm、30ウエール/2.54cm)を編成した後、130℃30分間通常の染色加工を施し、親水剤(高松油脂(株)製SR−1000)を5%owf用いて130℃30分間親水化処理を行い、乾燥、セットを行った。
次いで、該編物の片面に、下記の処方からなる処理液を約20g/mの塗布量となるよう、凸部にのみグラビア転写方式にて塗布し、その後、135℃で乾燥した後、160℃で45秒の乾熱処理を行い、編物を得た。
[処理液の組成]
・水 91.6重量%
・ フッ素系撥水剤 8重量%
(旭硝子(株)製「アサヒガードAG710」)
・ メラミン系バインダー樹脂 0.3重量%
(住友化学(株)製「スミテックス レジンM−3」 接触角67.5度)
・ 触媒 0.1重量%
(スミテックス アクセレーター ACX)
得られた編物において、編物密度(32コース/2.54cm、33ウエール/2.54cm)、厚み0.8mm、凸部の高さ0.3mm、吸水性1秒未満、落下性90%、風合い変化無しであった。
次いで、該編物を用いて、撥水剤が付着した面が肌側となるよう半そでTシャツを縫製しぬれ感を測定したところ、ぬれ感小(着用快適性に優れる)であった。
[実施例
28G2barのトリコット編機を使用して、総繊度84dtex/36filの通常のポリエチレンテレフタレート仮撚捲縮加工糸のみを用いて、空隙率30%のメッシュ状編物(バック組織:10/23/45/67/54/32 糸通し6in2out、フロント組織:67/54/32/10/23/45 糸通し2in2out4in)を編成したのち、130℃30分間通常の染色加工を施し、親水剤(高松油脂(株)製SR−1000)を5%owf用いて130℃30分間親水化処理を行い、乾燥、セットを行った。
次いで、該編物の片面に、下記の処方からなる処理液を約25g/mの塗布量となるよう、グラビア転写方式にて塗布し、その後、135℃で乾燥した後、160℃で45秒の乾熱処理を行い、編物を得た。
[処理液の組成]
・水 91.6重量%
・ フッ素系撥水剤 8重量%
(旭硝子(株)製「アサヒガードAG710」)
・ メラミン系バインダー樹脂 0.3重量%
(住友化学(株)製「スミテックス レジンM−3」 接触角67.5度)
・ 触媒 0.1重量%
(スミテックス アクセレーター ACX)
得られた編物において、厚み0.6mm、吸水性0秒、落下性80%、風合い変化無しであった。
次いで、該編物を用いて、撥水剤が付着した面が肌側となるよう半そでTシャツを縫製しぬれ感を測定したところ、ぬれ感小(着用快適性に優れる)であった。
[比較例1]
参考例1において、凸部だけでなく凹部にも撥水剤を付着させること以外は参考例1と同様にした。
得られた編物において、吸水性300秒以上、落下性100%、風合いややかたいであった。
次いで、該編物を用いて、撥水剤が付着した面が肌側となるよう半そでTシャツを縫製しぬれ感を測定したところ、ぬれ感小であったが、汗を吸わなかったため、非常に不快感をおぼえた。
[比較例2]
実施例において、両面に撥水剤を付着させること以外は実施例と同様にした。
得られた編物において、吸水性300秒以上、落下性100%、風合いかたいであった。
次いで、該編物を用いて、撥水剤が付着した面が肌側となるよう半そでTシャツを縫製しぬれ感を測定したところ、ぬれ感小であったが、汗を吸わなかったため、非常に不快感をおぼえた。
本発明によれば、ソフトな風合いを損なわずぬれ感の少ない織編物およびかかる織編物を用いてなるスポーツ衣料、インナー衣料、紳士衣料、婦人衣料、裏地衣料、寝装寝具、および生活資材などの繊維製品が提供され、その工業的価値は極めて大である。
本発明において、水の落下性を評価した装置を示すものである。 本発明において、撥水剤が凸部に付着している様子を模式的に示すものである。 実施例1で採用した編成図である。
符号の説明
1 凸部
2 凹部
3 凸部に付着した撥水剤
4 試料

Claims (5)

  1. ポリエステル繊維からなる仮撚捲縮加工糸で構成され、少なくとも一方の面に凹凸構造を有し、一方のみの面の凸部にのみ撥水剤が付着している織編物であって、織編物が空隙率20〜60%のメッシュ状織編物であり、一方の面にのみ撥水剤が付着していることを特徴とするぬれ感の少ない織編物。
  2. 織編物の厚みが0.4〜5.0mmの範囲内である、請求項1に記載のぬれ感の少ない織編物。
  3. 水平に置いた織編物の上方10mmの高さから水滴を1滴滴下した際、表裏共に300秒以内に鏡面反射を起こすことなく吸水する、請求項1または請求項2に記載のぬれ感の少ない織編物。
  4. 水平面に対し80°の角度をもたせて置いた織編物の撥水加工を施した面の上方10mmの高さから水滴を1滴滴下した際、水滴の10%以上が織編物に吸収されることなく落下する、請求項1〜3のいずれかに記載のぬれ感の少ない織編物。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の織編物を用いてなる、スポーツ衣料、インナー衣料、紳士衣料、婦人衣料、裏地衣料、寝装寝具、および生活資材からなる群より選択されるいずれかの繊維製品。
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