JP2007162150A - ぬれ感の少ない織編物およびその製造方法および繊維製品 - Google Patents

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Abstract

【課題】ぬれ感が極めて少なくかつかつ吸湿性を有する織編物およびその製造方法および繊維製品を提供する。
【解決手段】綿繊維糸条を用いて織編物を織編製した後、該織編物にアルカリ処理を施すことにより綿繊維に含まれる綿ロウを除去し、次いで該織編物の表裏の少なくとも一面に撥水剤を部分的に付着させることにより吸水速度を5秒以下とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、綿繊維を含む織編物であって、織編物の表裏の少なくとも一面に撥水剤が部分的に付着しており、ぬれ感が少なくかつ吸湿性を有する織編物およびその製造方法および繊維製品に関するものである。
従来、織編物のぬれ感を少なくする方法としては、織編物の一面に撥水剤を部分的に付与することにより、撥水剤が付着していない部分で水分を吸収させることが提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、本発明者は、特願2004−154381号において、撥水剤の塗布パターンを工夫することにより、ぬれ感が少ないだけでなくソフト風合いをも有する織編物を提案した。
しかしながら、これらの織編物において、吸湿性の点でまだ満足ではないことが判明した。
特開平7−42075号公報
本発明は、上記の背景に鑑みなされたものであり、その目的は、ぬれ感が少なくかつ吸湿性を有する織編物およびその製造方法および繊維製品を提供することにある。
本発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、綿繊維糸条を含む織編物にアルカリ処理を施すことにより綿繊維に含まれる綿ロウを除去した後、該織編物の表裏の少なくとも一面に撥水剤を部分的に付着させることにより、ぬれ感が少なくかつ吸湿性を有する織編物が得られることを見出し、さらに鋭意検討を重ねることにより本発明に想到した。
かくして、本発明によれば「綿繊維を含む織編物であって、該織編物の表裏の少なくとも一面に撥水剤が部分的に付着しており、かつ撥水剤が付着した織編物面において吸水速度が5秒以下であることを特徴とするぬれ感の少ない織編物。」が提供される。
ただし、吸水速度は、JIS L1018A法(滴下法)の吸水速度に関する試験方法に従い、水平な試料面に滴下された1滴の水滴が吸収される時間を測定するものとする。
その際、撥水剤が織編物の片面にのみ付着していることが好ましい。また、撥水剤の付着パターンが、経および緯方向に連続するパターンであることが好ましい。かかる付着パターンとしては、多角形が角部で連続するパターンや格子パターンが好適に例示される。また、撥水剤の付着パターンにおいて、塗布部の面積比率が30〜85%の範囲内であることが好ましい。また、織編物の厚みが0.4〜1.5mmの範囲内であることが好ましい。また、吸湿率が1%以上であることが好ましい。
また、本発明によれば、少なくとも綿繊維糸条を用いて織編物を織編製した後、該織編物にアルカリ処理を施すことにより綿繊維に含まれる綿ロウを除去し、次いで該織編物の表裏の少なくとも一面に撥水剤を部分的に付着させることを特徴とする、前記のぬれ感の少ない織編物の製造方法が提供される。
さらに、本発明によれば、前記の織編物を、撥水剤が付着している面を肌側にして用いてなる、スポーツ衣料、インナー衣料、紳士衣料、および婦人衣料の群より選ばれるいずれかの繊維製品が提供される。
本発明によれば、撥水性と特に優れた吸水性とを有するぬれ感の少ない織編物およびその製造方法および繊維製品が得られる。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
まず、本発明の織編物には綿繊維が含まれる。かかる綿繊維は通常の綿繊維でよい。綿繊維の繊度としては特に制限されないが、織編物の風合いの点で98〜295dtex(英式番手で60〜20番手)の範囲内であることが好ましい。また、綿繊維の紡績方法も特に制限されないが、空気式やリング式が好ましい。
本発明の織編物に含まれる綿繊維の重量比率は特に制限されないが、綿繊維が織編物重量に対して30重量%以上(好ましくは50重量%以上)含まれることが好ましい。綿繊維の重量比率が30重量%未満では、十分な吸水性が得られないおそれがある。なお、織編物に綿繊維以外の他繊維を含ませる場合、該他繊維としては、ポリエステル、ポリアミド、ポリアクリルニトリル、ポリプロピレン等の合成繊維、レーヨンなどの再生繊維、ウール、絹などの天然繊維、これらを複合したものなどが例示される。なかでも、ポリエステル繊維が好ましく例示される。ポリエステル繊維はジカルボン酸成分とジグリコール成分とから製造される。ジカルボン酸成分としては、主としてテレフタル酸が用いられることが好ましく、ジグリコール成分としては主としてエチレングリコール、トリメチレングリコール及びテトラメチレングリコールから選ばれた1種以上のアルキレングリコールを用いることが好ましい。また、ポリエステル樹脂には、前記ジカルボン酸成分及びグリコール成分の他に第3成分を含んでいてもよい。該第3成分としては、カチオン染料可染性アニオン成分、例えば、ナトリウムスルホイソフタル酸;テレフタル酸以外のジカルボン酸、例えばイソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸;及びアルキレングリコール以外のグリコール化合物、例えばジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ビスフェノールA、ビスフェノールスルフォンの1種以上を用いることができる。さらには、ポリ乳酸などの生分解性を有するポリエステル繊維でもよい。
前記ポリエステル繊維を形成する樹脂中には、必要に応じて、艶消し剤(二酸化チタン)、微細孔形成剤(スルホン酸金属塩)、着色防止剤、熱安定剤、難燃剤(三酸化二アンチモン)、蛍光増白剤、着色顔料、帯電防止剤(スルホン酸金属塩)、吸湿剤(ポリオキシアルキレングリコール)、抗菌剤、その他の無機粒子の1種以上が含まれていてもよい。
本発明の織編物において、表裏の少なくとも一面に撥水剤が部分的に付着していることが肝要である。撥水剤が部分的に付着することにより、撥水剤の付着部が撥水性を呈し、一方、撥水剤の非付着部が吸水性を呈する。水分は非付着部で吸収され他方の面に移行することにより、ぬれ感が低減される。
ここで、撥水剤が織編物の表裏両面に付着していてもよいが、織編物の片面にのみ付着していることが好ましい。撥水剤が織編物の片面にのみ付着していると、撥水剤が付着している面の非付着部で吸収した水分が他方の面にスムーズに移行するため、撥水剤が付着している面のぬれ感が低下し、かつ速乾効果も得られる。
撥水剤の付着パターンとしては、図1に示すような多角形が角部でつながるパターンや、図2に示すような格子パターンなど、経および緯方向に連続するパターンが好ましく例示される。とくに、ソフトな風合いを得る上で、前者の多角形が角部でつながるパターンが好ましい。このように、撥水剤の付着パターンが経および緯方向に連続していると、非付着部が飛島状になるため、非付着部で吸収された水分は拡散することなくスムーズに他方の面に移行する。
なお、前記の多角形としては、四角形または三角形が好ましい。かかる多角形のサイズとしては、多角形の一辺の長さが0.5〜2.0mm(より好ましくは0.7〜1.5mm)の範囲内であることが好ましい。該長さが0.5mmよりも小さくても、逆に2.0mmよりも大きくても、十分な吸水性が得られないおそれがある。また、格子パターンのサイズとしては、付着部の巾0.5〜3.0mm、非付着部の巾1.0〜5.0mmの範囲内であることが好ましい。
前記撥水剤の付着パターンにおいて、撥水剤付着部の面積比率は、30〜85%(より好ましくは40〜70%)の範囲内であることが好ましい。該付着部面積比率が30%よりも小さいと、吸水時に水が面方向にひろがり、ぬれ感を十分低減できないおそれがある。逆に、該付着部面積比率が85%よりも大きいと、吸水性が低下するだけでなく、ソフトな風合いを損なうおそれがある。
前記付着部面積比率は下記式で示されるものである。
付着部面積比率(%)=(付着部面積)/((付着部面積)+(非付着部面積))×100
また、本発明の織編物において、撥水剤が付着した織編物面において吸水速度が5秒以下(好ましくは1秒以下)であることが肝要である。水分は通常、撥水剤の非付着部から吸収されるが、該吸水速度が5秒よりも大きいと、ぬれ感が大きく好ましくない。吸水速度を5秒以下とするには、例えば後記のように、綿繊維糸条を用いて織編物を織編製した後、該織編物にアルカリ処理を施すことにより綿繊維に含まれる綿ロウを除去し、次いで該織編物の表裏の少なくとも一面に撥水剤を部分的に付着させるとよい。
ただし、吸水速度は、JIS L1018A法(滴下法)の吸水速度に関する試験方法に従い、水平な試料面に滴下された1滴の水滴が吸収される時間を測定するものとする。
本発明の織編物において、織編物の厚みが0.4〜1.5mmであることが好ましい。該厚みが0.4mmよりも小さいと、十分な吸水性が得られず十分にぬれ感を低減できないおそれがある。逆に該厚みが1.5mmより大きいとソフトな風合いが損なわれるおそれがある。なお、織物については、その厚さをJIS L 1096−1998、6.5の厚さ測定法により、編物については、その厚さをJIS L 1018−1998、6.5の厚さ測定法により測定するものとする。
本発明の織編物は以下の製造方法により製造することができる。
まず、綿繊維糸条を用いて織編物を織編成する。その際、織編物の織編組織は特に限定されず、通常の方法で製編織された織編物でよい。例えば、織物の織組織としては、平織、綾織、朱子織等の三原組織、変化組織、たて二重織、よこ二重織等の片二重組織、たてビロードなどが例示される。編物の種類は、よこ編物であってもよいしたて編物であってもよい。よこ編組織としては、天竺、平編、ゴム編、両面編、パール編、タック編、浮き編、片畔編、レース編、添え毛編等が好ましく例示され、たて編組織としては、シングルデンビー編、シングルアトラス編、ダブルコード編、ハーフトリコット編、裏毛編、ジャガード編等が例示される。層数も単層でもよいし、2層以上の多層でもよい。なかでも、0.4〜1.5mmの厚みを得る上で、例えば、織物では、一般に経二重組織、緯二重組織、二重組織、重ね組織などと称される二層構造織物が好適に例示される。また、編物では、2枚筬または3枚筬を用いた、ハーフ組織、ハーフベース組織、サテン組織などが好適に例示される。
織編物の密度としては、吸水性の点で高密度のほうが好ましく、加工後の織編密度として経緯とも100〜250本/2.54cmの範囲内であることが好ましい。織編物の密度が該範囲よりも小さいと十分な吸水性が得られないおそれがある。逆に、織編物の密度が該範囲より大きいと製編織性が困難となるおそれがある。
次いで、該織編物にアルカリ処理を施すことにより綿繊維に含まれる綿ロウを除去する。その際、アルカリ処理の条件としては、濃度4〜8g/リットルの水酸化ナトリウム水溶液中(温度93〜98℃)で15分間以上アルカリ処理することが好ましい。ここで、アルカリ処理を施すことが特に重要であり、アルカリ処理を施さない場合は、前述のような吸水速度が得られず好ましくない。
次いで、該織編物に必要に応じて、染色仕上げ加工を施した後、該織編物の表裏の少なくとも一面に撥水剤を前記のように部分的に付着させる。
ここで、撥水剤としては、特に限定されず、フッ素系、シリコン系、ワックス系などの撥水剤が例示される。また、撥水剤をバインダー樹脂とともに織編物に付着させることが、撥水性の耐久性を高める上で好ましい。かかる撥水剤としては、繊維との接触角が90度以下(好ましくは70度以下、さらに好ましくは50度以下)のものが好適である。該接触角が小さい程ぬれ性がよいため、バインダー樹脂が単糸繊維表面に均一に皮膜する。その結果、撥水性の耐久性が向上するだけでなく織編物のソフトな風合いが損なわれることがない。繊維との接触角が90度以下のバインダー樹脂としては、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アクリル系樹脂などが例示される。
また、撥水剤とバインダー樹脂の織編物に対する付着量としては、各々樹脂固形分重量基準で、撥水剤0.01〜40g/m(より好ましくは1〜10g/m)、バインダー樹脂0.01〜40g/m(より好ましくは1〜10g/m)の範囲が適当である。
前記の撥水剤とバインダー樹脂とは、通常両者の配合組成物として織編物に付与される。その際、かかる配合組成物は水系、溶剤系のいずれで構成してもよいが、加工工程の作業環境上水系の方が好ましい。なお、溶剤としては、トルエン、イソプロピルアルコール、ジメチルホルムアミド、メチエチルケトン、酢酸エチルなどが例示される。この配合組成物には、エポキシ系などの架橋剤を併用してもよい。さらに、織編物に対する付着性を向上させる等の目的で適当な添加剤をさらに配合してもよい。
前記の撥水剤、または撥水剤とバインダー樹脂とを織編物に付着させる方法としては、例えばグラビアロール法、キスロール法、泡加工法、ロータリスクリーン捺染法、フラットスクリーン法、ローラー捺染法等が例示される。また、撥水剤の塗布に際しては、撥水剤が織編物の反対面までは浸透しないよう、撥水剤を含む配合組成物の粘度、スキージ等による織編物への付与圧力、捺染速度を適宜調整する必要がある。なお、前述のように、撥水剤を織編物の両面に付与してもよいが、織編物の片面にのみ付与することが好ましい。また、前述のように撥水剤の織編物の厚さ方向への浸透度合は、撥水剤が付与された面から厚さの1/2以下(より好ましくは1/5以下)であることが好ましい。
かくして得られた織編物において、撥水剤が部分的に付着しているので、汗等の水は非撥水部を通して、すみやかに厚み方向に拡散する。その結果、撥水剤が付与された面には水がほとんど残らないので、ぬれ感は低減される。同時に厚さ方向に拡散した水はすぐ蒸発するので速乾効果も得られる。また、織編物に綿繊維が含まれるので優れた吸湿性を呈する。かかる吸湿性としては、1%以上であることが好ましい。このように優れた吸湿性を有していると、かかる織編物を用いて衣料を得て着用すると蒸れ感が低減される。
ただし、吸湿性は以下の方法で測定するものとする。すなわち、試料を50℃で2時間予備乾燥後、105℃で2時間かけて循環式熱風乾燥機により熱処理を行って試料を絶乾状態にする(このときの重量をW0とする)。次に、20℃×90%RHのデシケーター中に3日間入れた後、重量(W1)を測定する。そして、下記の式により吸湿率を測定する。
吸湿率(%)=(W1−W0)/W0×100
なお、本発明の織編物には、常法の起毛加工、紫外線遮蔽あるいは、抗菌剤、消臭剤、防虫剤、蓄光剤、再帰反射剤、マイナスイオン発生剤等の機能を付与する各種加工を付加適用してもよい。
次に、本発明によれば、前記の織編物を、撥水剤が付着している面を肌側にして用いてなる、スポーツ衣料、インナー衣料、紳士衣料、および婦人衣料の群より選ばれるいずれかの繊維製品である。
かかる繊維製品は、前記の織編物を、撥水剤が付着している面を肌側にして用いているので、ぬれ感が小さくかつ蒸れ感も少なく優れた着用快適性を呈する。
以下、実施例をあげて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらによって何ら限定されるものではない。なお、実施例中の各物性は下記の方法により測定したものである。
(1)ぬれ感
まず、アクリル板上に水0.3ccをおき、10cm四角に裁断した織編物をその上にのせ、2.9mN/cm(0.3gf/cm)の荷重をかけながら30秒間織編物に十分吸水させた後、男女各5名ずつ計10名のパネラー上腕部にその吸水させた織編物をのせ、ぬれ感の官能評価を行った。評価は、ぬれ感の点で極少(最良)、少、中、大の4段階に評価した。なお、アクリル板上においた0.3mlの水量は、10cm角の布帛全面にぬれ拡がるに十分な量であった。
(2)乾燥性
まず、10cm四角に裁断した織編物の初期質量(A)を測定し、その織編物を32℃一定の水平に置かれた恒温板上にのせ、織編物裏面から定量ポンプで0.2cc/分の速度で10分間送水し、布帛に過剰な水分を与える。10分後に送水を停止し、この時の織編物質量(B)を測定し、32℃一定の恒温室に間放置する。10分間の放置後、再び織編物質量(C)を測定し、以下の式によって乾燥性の評価を行った。
乾燥性(%)=((B−C)/(B−A))×100
なお、これで表される乾燥性は0〜100までの値であり、数値が大きいほどより乾燥性が高いことを表す。ここに示した乾燥性評価法は、運動開始と共に発汗し始め、運動終了後発汗が止まることを想定した実験系評価法であり、織編物に吸水される汗量が200g/m・hr程度の運動を1時間行い、その後10分間休息したことを想定したものである。布帛に吸水される汗量が200g/m・hr程度の運動とは、バスケットボールやテニス、ランニング等の運動を1時間程度真剣に行ったと考えれば良く、通常市販の綿Tシャツを上衣に着用していた場合、綿Tシャツは汗でぐっしょりぬれた状態となる。
(3)吸水性
撥水剤が付着した面について、JIS L1018A法(滴下法)の吸水速度に関する試験方法に準じて測定した。水平な試料面に滴下された1滴の水滴が吸収される時間を示した。
(4)洗濯耐久性
通常の家庭洗濯機で洗濯を行い、初期の性能から半減した際の洗濯回数を評価した。
(5)織編物の風合い
30cm四角の織編物を男女各5名ずつ計10名のパネラーが目隠しした状態で官能評価を行った。ソフト性の点から、ソフト(最良)、ややソフト、ややかたい、かたいの4段階に評価した。
(6)厚み
織物については、その厚さをJIS L 1096−1998、6.5の厚さ測定法により、編物については、その厚さをJIS L 1018−1998、6.5の厚さ測定法により測定する。
(7)接触角
接触角測定装置(エルマ販売(株)製)により、バインダー樹脂と通常のポリエチレンテレフタレート繊維との接触角を測定した。
(8)吸湿率
試料を50℃で2時間予備乾燥後、105℃で2時間かけて循環式熱風乾燥機により熱処理を行って試料を絶乾状態にした(このときの重量をW0とする)。次に、20℃×90%RHのデシケーター中に3日間入れた後、重量(W1)を測定し、下記の式により吸湿率を測定した。
吸湿率(%)=(W1−W0)/W0×100
(9)着用蒸れ感
試料を縫製して衣服を作成し、日常生活での着用蒸れ感を評価した。
[実施例1]
経糸として、総繊度190dtex/48filの通常のポリエチレンテレフタレート仮撚捲縮加工糸、緯糸として、綿繊維糸条(190dtex相当)(1:1使い)を用い、緯二重織物(生機の経糸密度100本/2.54cm、生機の緯糸密度160本/2.54cm)を織成した後、80℃で精錬後、濃度5g/リットルの水酸化ナトリウム水溶液(温度95℃)中で40分間アルカリ処理した。そして、130℃30分間通常の染色加工を施し、親水剤(高松油脂(株)製SR−1000)を5%owf用いて130℃30分間親水化処理を行い、乾燥、セットを行った。
次いで、該織物の片面に、下記の処方からなる処理液を約15g/mの塗布量となるよう、図1に示す市松格子状パターン(四角形のサイズ1mm×1mm、塗布部面積比率50%)でグラビア転写方式にて塗布し、その後、120℃で乾燥した後、160℃で45秒の乾熱処理を行い、織物を得た。
[処理液の組成]
・ 水 91.6重量%
・ フッ素系撥水剤 8重量%
(旭硝子(株)製「アサヒガードAG710」)
・ メラミン系バインダー樹脂 0.3重量%
(住友化学(株)製「スミテックス レジンM−3」 接触角67.5度)
・ 触媒 0.1重量%
(スミテックス アクセレーター ACX)
得られた織物において、経糸密度140本/2.54cm、緯糸密度180本/2.54cm、厚み0.5mm、ぬれ感中〜少、吸水性0.5秒、乾燥性70%、洗濯耐久性50回、風合いソフト、吸湿率5.2%、蒸れ感少であった。
[比較例1]
実施例1において、アルカリ処理を施さないこと以外は実施例1と同様にした。得られた織物において、経糸密度140本/2.54cm、緯糸密度180本/2.54cm、厚み0.5mm、ぬれ感大、吸水性175秒、乾燥性40%、洗濯耐久性5回、風合いかたい、吸湿率4.8%、蒸れ感少〜中であった。
[比較例2]
実施例1において、緯糸として、総繊度190dtex/48filの通常のポリエチレンテレフタレート仮撚捲縮加工糸(1:1使い)を用い、アルカリ処理を施さないこと以外は実施例1と同様にした。得られた織物において、得られた織物において、経糸密度140本/2.54cm、生機の緯糸密度180本/2.54cm、厚み0.5mm、ぬれ感中〜少、吸水性1.4秒、乾燥性72%、洗濯耐久性30回、風合いややかたい、吸湿率0.5%、蒸れ感大であった。
本発明によれば、ぬれ感が極めて少なくかつかつ吸湿性を有する織編物およびその製造方法および繊維製品が提供され、その工業的価値は極めて大である。
本発明において、採用することのできる撥水剤付着パターンの一例(四角形が角部で連続するパターン)を模式的に示すものであり、黒塗部が撥水部である。 本発明において、採用することのできる撥水剤付着パターンの一例(格子パターン)を模式的に示すものであり、黒塗部が撥水部である。

Claims (10)

  1. 綿繊維を含む織編物であって、該織編物の表裏の少なくとも一面に撥水剤が部分的に付着しており、かつ撥水剤が付着した織編物面において吸水速度が5秒以下であることを特徴とするぬれ感の少ない織編物。
    ただし、吸水速度は、JIS L1018A法(滴下法)の吸水速度に関する試験方法に従い、水平な試料面に滴下された1滴の水滴が吸収される時間を測定するものとする。
  2. 撥水剤が織編物の片面にのみ付着してなる、請求項1に記載のぬれ感の少ない織編物。
  3. 撥水剤の付着パターンが、経および緯方向に連続するパターンである、請求項1または請求項2に記載のぬれ感の少ない織編物。
  4. 撥水剤の付着パターンが、多角形が角部で連続するパターンである、請求項3に記載のぬれ感の少ない織編物。
  5. 撥水剤の付着パターンが、格子パターンである、請求項3に記載のぬれ感の少ない織編物。
  6. 撥水剤の付着パターンにおいて、付着部の面積比率が30〜85%の範囲内である、請求項1〜5のいずれかに記載のぬれ感の少ない織編物。
  7. 織編物の厚みが0.4〜1.5mmの範囲内である、請求項1〜6のいずれかに記載のぬれ感の少ない織編物。
  8. 吸湿率が1%以上である、請求項1〜7のいずれかに記載のぬれ感の少ない織編物。
  9. 少なくとも綿繊維糸条を用いて織編物を織編製した後、該織編物にアルカリ処理を施すことにより綿繊維に含まれる綿ロウを除去し、次いで該織編物の表裏の少なくとも一面に撥水剤を部分的に付着させることを特徴とする、請求項1に記載のぬれ感の少ない織編物の製造方法。
  10. 請求項1〜7のいずれかに記載の織編物を、撥水剤が付着している面を肌側にして用いてなる、スポーツ衣料、インナー衣料、紳士衣料、および婦人衣料の群より選ばれるいずれかの繊維製品。
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