JP5650448B2 - 吸水性に差のある布帛とその製造方法およびそれを用いてなる衣料 - Google Patents
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Description
(1)ポリエステル繊維とナイロン繊維との混用布帛であって、該混用布帛の全域にポリエステル系樹脂吸水剤が付与されており、該混用布帛の一部にポリアミド系樹脂吸水剤が付与されている吸水性に差のある布帛である。
(2)前記混用布帛が、布帛の片面を主にポリエステル繊維で構成し、布帛の他方の面を主にナイロン繊維で構成した布帛組織であることが好ましい。
(3)前記ポリアミド系樹脂吸水剤が、インクジェット方式により付与されることが好ましい。
(4)また、前記吸水性に差のある布帛を用いてなる衣料である。
(5)また、ポリエステル繊維とナイロン繊維との混用布帛の全域にポリエステル系樹脂吸水剤を付与する工程、該混用布帛の一部にポリアミド系樹脂吸水剤をインクジェット方式により付与する工程を有する吸水性に差のある布帛の製造方法である。
(6)前記ポリアミド系樹脂吸水剤を付与する工程が、前記ポリエステル系樹脂吸水剤を付与する工程より前におこなわれることが好ましい。
6ナイロン繊維(110T24、東レ(株)製)および常圧タイプのカチオン可染ポリエステル繊維(110T96、東レ(株)製)を用いて、28ゲージのプレーティング丸編み機にて、目付200g/m2、6ナイロン繊維52.0重量%、カチオン可染ポリエステル繊維48.0重量%からなる天竺リバーシブル組織ニット素材の混用布帛(厚さ1mm)を得た。
処理液1
DKSファインガムHEL−1 2重量%
(第一工業製薬(株)製、エーテル化カルボキシメチルセルロース)
MSリキッド 5重量%
(明成化学工業(株)製、ニトロベンゼンスルホン酸塩、還元防止剤、有効成分30%)
水 93重量%
ナイロン繊維着色用インク
Cibacron Blue P−3R liq.40% 40重量%
(CibaSC社製、C.I.Reactive Blue 49、モノクロロトリアジン型反応性染料)
尿素(溶解安定剤) 5重量%
水 55重量%
ラノゲンTNT−2 10重量%
(高松油脂(株)製 ポリアミド系樹脂吸水剤)
水 90重量%
Kiwalon Polyester Blue BGF 10重量%
(紀和化学工業(株)製、分散染料、C.I.Disperse Blue 73)
Disper TL 2重量%
(明成化学工業(株)製、アニオン系界面活性剤)
ジエチレングリコール 5重量%
水 83重量%
印捺装置:オンデマンド方式シリアル走査型インクジェット印捺装置
ノズル径:50μm
駆動電圧:100V
周波数:5kHz
解像度:360dpi
各インクの付与量:
ナイロン繊維着色用インク 20g/m2
ポリアミド系樹脂吸水剤インク 20g/m2
ポリエステル繊維着色用インク 20g/m2
処理液A
ナイスポールPR−86E 1重量%
(日華化学工業(株)製 ポリエステル系樹脂吸水剤)
水 99重量%
実施例1にて準備した混用布帛に、下記組成物を混合し、ホモジナイザーを用いて1時間攪拌して得られた処理液を、固形分換算で5g/m2になるようにパディング法で付与し、170℃で2分間乾燥してインク受容層が形成された布帛を得た。
処理液B
DKSファインガムHEL−1 2重量%
(第一工業製薬(株)製、エーテル化カルボキシメチルセルロース)
MSリキッド 5重量%
(明成化学工業(株)製、ニトロベンゼンスルホン酸塩、還元防止剤、有効成分30%)
SR−1801M CONC 2重量%
(高松油脂(株)製 ポリエステル系樹脂吸水剤)
水 91重量%
6ナイロン繊維(33T10、東レ(株)製)および常圧タイプのカチオン可染ポリエステル繊維(84T72、東レ(株)製)を用いて、28ゲージのトリコット編み機にて、目付167g/m2、6ナイロン繊維51.0重量%、カチオン可染ポリエステル繊維49.0重量%からなる経編組織の混用布帛(厚さ1mm)を得た。後の工程については実施例1と同様にして、本発明の吸水性に差のある布帛を得た。
インクジェット方式によりポリアミド系樹脂吸水剤での吸水加工を施さなかったこと以外は、実施例1と同様にし、ポリエステル系樹脂吸水剤での吸水加工のみをおこなった布帛を得た。
インクジェット方式によりポリアミド系樹脂吸水剤での吸水加工を施さず、実施例1の処理液Aに替えて、下記処方の処理液Cにて処理をおこなったこと以外は、実施例1と同様にし、布帛全域にわたって、ポリエステル系樹脂吸水剤とポリアミド系樹脂吸水剤での吸水加工をおこなった布帛を得た。
処理液C
ナイスポールPR−86E(ポリエステル系樹脂吸水剤) 5重量%
ラノゲンTNT−2(高松油脂(株)製 ポリアミド系樹脂吸水剤)5重量%
水 90重量%
評価方法
(1)各部分での吸水性
得られた布帛の主にナイロン繊維で構成された面の、ポリアミド系樹脂吸水剤での吸水加工を施した部分と施さなかった部分での吸水性を、JIS L 1907 滴下法にて各5回測定し、その平均を吸水時間とした。なお、比較例の布帛については任意の部分で測定した。
(2)水滴の異方拡散性
得られた布帛の主にナイロン繊維で構成された面の、ポリアミド系樹脂吸水剤での吸水加工を施した部分と施さなかった部分の境界にJIS L 1907 滴下法にて水滴を滴下し、その水滴の広がり具合〔概半円状に広がった半径〕を測定した。なお、比較例の布帛については任意の部分で測定した。
(3)着用試験
得られた布帛の主にナイロン繊維で構成された面を肌に接する側にして、それぞれ運動用シャツを作製した。なお、実施例にて得られた布帛は、ポリアミド系樹脂吸水剤での吸水加工を施した部分が、汗のかきやすい部分(脇下、首筋、背中)にあたるように縫製をおこなった。そして、10人の被験者に作製した運動用シャツを実際に着用してもらい、30分間の軽い運動の後、ムレ感を感じるかどうかについて評価をした。
Claims (5)
- ポリエステル繊維とナイロン繊維との混用布帛であって、該混用布帛の全域にポリエステル系樹脂吸水剤が付与されており、該混用布帛の一部にポリアミド系樹脂吸水剤がインクジェット方式により付与されていることを特徴とする吸水性に差のある布帛。
- 前記混用布帛が、布帛の片面を主にポリエステル繊維で構成し、布帛の他方の面を主にナイロン繊維で構成した布帛組織であることを特徴とする請求項1記載の吸水性に差のある布帛。
- 請求項1または2記載の吸水性に差のある布帛を用いてなる衣料。
- ポリエステル繊維とナイロン繊維との混用布帛の全域にポリエステル系樹脂吸水剤を付与する工程、該混用布帛の一部にポリアミド系樹脂吸水剤をインクジェット方式により付与する工程を有することを特徴とする吸水性に差のある布帛の製造方法。
- 前記ポリアミド系樹脂吸水剤を付与する工程が、前記ポリエステル系樹脂吸水剤を付与する工程より前におこなわれることを特徴とする請求項4記載の吸水性に差のある布帛の製造方法。
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