JPH0551876A - 複合機能性シート - Google Patents

複合機能性シート

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JPH0551876A
JPH0551876A JP3209491A JP20949191A JPH0551876A JP H0551876 A JPH0551876 A JP H0551876A JP 3209491 A JP3209491 A JP 3209491A JP 20949191 A JP20949191 A JP 20949191A JP H0551876 A JPH0551876 A JP H0551876A
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JP
Japan
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sheet
functional
dots
agent
water
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Withdrawn
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JP3209491A
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English (en)
Inventor
Hiroyoshi Umibe
博義 海部
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Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ドットが小さく、風合や外観が満足でき、か
つ全体として複合機能を有するシートを得る。 【構成】 機能性薬剤を含むドットが基材シートに多数
付与された複合機能性シートである。これらのドットの
各々は1種の機能性薬剤を含有し、かつこの機能性薬剤
が異なるドットが少なくとも2種混在する。このドット
の平均直径は30〜500μmであり、ドットのシート
全体に対する面積占有率は10〜95%であり、かつ機
能性薬剤の全重量に対する1種の機能性薬剤の重量は1
0重量%以上である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、複数の機能性薬剤がド
ット状に付与されているシートに関する。ここで、シー
トとは、シート、フィルム、織物、編物、不織布などを
包含する。
【0002】
【従来の技術】繊維シートに撥水性や防汚性を付与する
ため、あるいは色柄を付与するために、シートに機能性
薬剤を含むドットを付与することが知られている。機能
性薬剤を含む組成物をドット状に付与する方法として
は、接着芯地の製造に代表されるグラビアロールやスク
リーンプリント法、および特公昭63−63673号公
報、特開昭61−146831号公報および特開昭63
−85156号公報に記載のインクジェット法が挙げら
れる。このように、ある種の機能性を有するシートが作
成されているが、最近では、複数の機能を有する繊維シ
ートの需要が高まっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、繊維シ
ートに複数の機能を組み合わせること、特に、撥水剤と
界面活性剤のように相反する機能を付与することは困難
である。例えば、ポリエステルの加工において、ポリエ
ステルは油になじみやすい性質を有するため、人間の
汗、油がポリエステル布に移りやすいフィンガーチップ
という欠点を有する。この欠点をなくすためにポリエス
テル布に撥水撥油加工を施すが、水に対する親和性がな
くなるため、その結果、吸水性能が劣り、着用時に蒸し
暑く感じるなどの欠点がある。また布地の風合を改善す
る方法として、柔軟加工や硬仕上げ剤が施されている
が、柔軟性があってかつ腰があるような加工法はない。
【0004】上記グラビアロールやスクリーンプリント
法においては、複数の機能性薬剤を付与するためには、
2度処理を行う必要があり、またその際にドットの位置
合わせが難しい。またドットが大きいため、得られる繊
維シートの風合や外観が満足できるものではない。
【0005】また特公昭63−63673号公報のイン
クジェット法では、ドットが小さく、得られる繊維シー
トの風合や外観が満足できるシートが得られる。しか
し、この公報には、一つの布に、例えば、吸水する部分
と撥水する部分を得ることができるという記載がある
が、所定の部分において吸水性および撥水性の両方の機
能を有しない。
【0006】本発明は、上記の点を解決しようとするも
ので、その目的は、風合や外観が満足でき、かつ全体と
して複合機能を有するシートを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の複合機能性シー
トは、機能性薬剤を含むドットが基材シートに多数付与
された複合機能性シートであって、該ドットの各々が1
種の機能性薬剤を含有し、かつ該機能性薬剤が異なるド
ットが少なくとも2種混在し、該ドットの平均直径が3
0〜500μmであり、該ドットのシート全体に対する
面積占有率が10〜95%であり、かつ該機能性薬剤の
全重量に対する1種の機能性薬剤の重量が10重量%以
上であることを特徴とし、そのことにより上記目的を達
成することができる。
【0008】次に本発明を詳しく説明する。
【0009】本発明で使用されるシートとは、樹脂等か
らなるフィルムまたはシート:天然繊維、化学繊維から
なる織物、編物、不織布等を指し、詰物に使用される布
団綿やキルティング材のようなウエブ状の繊維積層体も
包含している。
【0010】本発明で使用される機能性薬剤とは、シー
ト内部に含浸させて改質するものと、シート外部に付着
または被覆し、風合い、外観、性能を変えるものをい
う。着色したい場合には、機能性薬剤中に染料または顔
料を含有させ、付与することもできる。
【0011】上記機能性薬剤としては、多くの種類があ
るが、例えば、樹脂、モノマー、界面活性材、油剤、抗
菌剤、吸湿剤、撥水剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、赤
外線吸収剤、蛍光増白剤、膨潤剤、溶解剤、分解剤、基
化剤、無機粒子、金属粒子、磁性体、難燃剤、防染剤、
酸化剤、還元剤、香料などを挙げることができる。さら
に詳しくは、樹脂としては、天燃ゴム、ニトロセルロー
ス、アセチルセルロース、塩化ゴム、ポリビニルアルコ
ール、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリアミド樹
脂、ポリエステル樹脂、アクリル酸エステル樹脂、ポリ
ウレタン樹脂、アミノ酸樹脂、ポリオレフィン樹脂、エ
チレン−酢酸ビニル共重合体、クロルスルホン化ポリエ
チレン、NBR、SBR、エチレンプロピレンターポリ
マー、シリコン樹脂、フッ素樹脂、ポリエチレン、尿素
樹脂、メラミン樹脂、塩化ビニリデンなどがある。
【0012】本発明では、複数の機能性薬剤が使用され
るが、上記に示した機能性薬剤の組み合せは、相反する
性質のものでも、従来から困難とされた組み合わせでも
よい。そのような組み合せとしては、例えば、撥水加工
剤と難燃剤、撥水加工剤と界面活性剤、撥水加工剤と吸
水剤、遠赤外線吸収剤と蛍光剤、酸化剤と還元剤、蛍光
剤と防染剤が挙げられる。
【0013】本発明の複合機能性シートは、シート上に
多数のドットが形成されたものである。
【0014】本発明において、上記ドットは、必ずしも
円形や楕円形に限られず、かなり歪んだ形状や繊維間隙
に滲んだ形状のものも含まれる。またドット同士がオー
バーラップする場合も含まれる。
【0015】本発明の複合機能性シートの製造法は、イ
ンクジェット方式により機能性薬剤を基材シートにドッ
ト状に形成することができる。インクジェット方式と
は、細かいノズルから吐出する機能性薬剤の量を制御し
て布などの上にドット状に画像を形成する方式であり、
コンピューターによりドットの大きさを任意に制御する
ことができる。滴化方式に違いにより連続噴射型、間欠
噴射型、オンデマンド型に大別されるが、本発明ではい
ずれも採用することができる。機能性薬剤の粘度は1〜
20cst(センチストークス)が好ましい。機能性薬
剤の粘度が1cst未満の場合、基材シートが繊維の場
合、液滴が繊維に付与されたときに、毛細管現象で繊維
や糸に沿って液が拡散する、いわゆるにじみの現象が生
じる。この場合、生地を撥水加工または保水加工するな
どのにじみの対策をする必要がある。逆に機能性薬剤の
粘度が20cstを超える場合、細かいノズルから液滴
を吐出することができない。
【0016】機能性薬剤を調整する際に使用される溶媒
としては、例えば、水;メタノール等のアルコール類;
メチルエチルケトンなどのケトン類;DMF等が挙げら
れ、また、必要に応じて、粘度調整剤を使用してもよ
く、例えば、カルボシキメチルセルロース、カルボキシ
メチル澱粉、ヒドロキシエチルセルロース等を使用する
ことができる。
【0017】本発明において、上記ドットの平均直径、
面積占有率および各機能性薬剤の使用割合が重要なファ
クターとなる。
【0018】上記ドットの平均直径は30〜500μm
であり、好ましくは50〜300μmである。ドットの
平均直径が30μm未満の場合、ドットが細かすぎて、
得られるシートがコーティング品と区別できなくなり、
風合が硬いものとなってしまう。逆に、ドットの平均直
径が500μmを超えるの場合、ドットが粗すぎて得ら
れるシートの風合、外観が満足できるものでなくなる。
ここで、ドットの平均直径は、平面から観察した場合の
長径と短径の平均値をいう。
【0019】上記の1種の機能性薬剤からなる各々のド
ットのシート全体に対する面積占有率は5〜90%、好
ましくは20〜80%である。1種の機能性薬剤からな
る各々のドットの面積占有率が5%未満の場合、少なす
ぎてその機能が発揮されない。逆に1種の機能性薬剤か
らなる各々のドットの面積占有率が90%を超える場
合、ほとんどその機能のみが発揮され、他の機能がほと
んど発揮されない。
【0020】また全ドットのシート全体に対する面積占
有率は10〜95%であり、好ましくは20〜80%で
ある。全ドットの面積占有率が10%未満の場合、各々
の機能が発揮されず、逆に全ドットの面積占有率が90
%を超える場合、全面が被覆された状態となって全面コ
ーティング品と区別できなくなり、風合が硬いものとな
ってしまう。
【0021】機能性薬剤全重量に対する1種の機能性薬
剤の重量は10重量%以上であり、好ましくは20%以
上である。全機能性薬剤に対する各種の機能性薬剤の使
用量は10重量%未満の場合、その機能が発揮されな
い。また主となる機能性薬剤の使用量は、全機能性薬剤
の50重量%であることが好ましい。
【0022】
【作用】本発明の複合機能性シートは、ドットが1種の
みの機能性薬剤を含有するため、1つのドットは1つの
機能を有する。従って、これらのドットは、他種の機能
性薬剤からなるドットが同一シート上の近隣に存在して
も、影響されることなく独立してその機能が発揮でき
る。その結果、機能性薬剤が異なるドットが少なくとも
2種混在することにより、シート全体として複合機能を
発揮することができる。また、機能性薬剤を自由に選択
して組み合わせることにより、相反する性質の機能性で
あっても、所望の複合機能を得ることができる。さら
に、ドットの大きさと面積占有率を特定の範囲にするこ
とにより、風合、外観が満足できるものとなり、かつ各
々の機能を充分に発揮することができる。
【0023】
【実施例】次に本発明を実施例を挙げて説明する。
【0024】実施例1 ポリエステル繊維からなるタツタ織物(経糸75d−2
4f、緯糸75d−48f、仕上げ密度:経163本/
インチ、緯96本/インチ)を下記の2種の組成の薬剤
を以下の条件によりインクジェット方式にてドットを付
与して、複合機能性シートを得た。
【0025】 撥水剤(粘度5cst) アサヒガードAG−730(フッ素樹脂、明成化学社製) 70重量% カルボキシメチルセルロース 0.2重量% 水 29.8重量% 吸水剤(粘度8cst) SR1000(ポリエステル樹脂 高松油脂製) 50重量% カルボキシメチルセルロース 0.4重量% 水 49.6重量% インクジェット方式の条件 オンデマンド型 ノズル直径 50μm 印加電圧 40V 解像度 5本/min 撥水剤と吸水剤の使用割合 8:2、6:4、4:6、2:8 ドットの面積占有率 42%(顕微鏡観察) ドットの直径 撥水剤100μm 吸水剤135μm。
【0026】比較例1 実施例1において、撥水剤のみまたは吸水剤のみを用い
た以外、または何も機能性薬剤で処理しなかった以外は
実施例1と同様にしてドットを付与して機能性シートを
得た。
【0027】実施例1および比較例1で得られた機能性
シートを160℃、1分間熱処理を行い、水洗、乾燥
後、撥水性、吸水性およびフィンガーチップの評価を行
った。その結果を表1に示す。
【0028】評価方法 撥水性:JIS L1092 スプレー法 吸水性:JIS L1096 A法(ウィッキング法) フィンガーチップ:フィンガーチップ法 40℃に加温整したスタンドパッドに汚染物質約10g
を均一に染み込ませ、これを約10cm×10cmのテ
スト片上に載せ、その上から任意の3ヶ所に500g/
cmの荷重をかけて5秒間静置した。荷重を除いた後の
汚染物質の付着量を5段階評価した。
【0029】1級:汚染物質が著しく付着している。
【0030】2級:汚染物質が多く付着している。
【0031】3級:汚染物質がやや多く付着している。
【0032】4級:汚染物質が少し付着している。
【0033】5級:汚染物質が全く付着していない。
【0034】汚染物質の組成 パラフィンワックス 20% トリステアリン 30% オレイン酸 10% グリセロールトリオレイン 30% セチルアルコール 10%。
【0035】
【表1】
【0036】撥水処理によりフィンガーチップを防止
し、かつ吸水性を上げて着ごごちをよくするためには、
両機能をバランスよく付与することが重要であり、表1
によれば、撥水剤/吸水剤の使用割合は8/2〜4/6
が最も好ましい。
【0037】実施例2 ポリエステル繊維からなるデシン織物(経糸50d−3
6f、緯糸75d−36f、仕上げ密度:経174本/
インチ、緯95本/インチ、減量率35%)を風合改善
のために、下記の2種の組成の薬剤を以下の条件により
インクジェット方式にてドットを付与して、複合機能性
シートを得た。
【0038】 柔軟剤(粘度1.8cst) ニッカシリコンC−200(シリコン樹脂、日華化学社製) 硬仕上げ剤(粘度10.2cst) TKセット102(ポリエステル樹脂 高松油脂製) 60重量% カルボキシメチルセルロース 1重量% 水 39重量% インクジェット方式の条件 オンデマンド型 ノズル直径 100μm 印加電圧 50V 解像度 4本/min 柔軟剤と硬仕上げ剤の使用割合 8:2、6:4、4:6、2:8 ドットの面積占有率 約30%(顕微鏡観察) ドットの直径 柔軟剤210μm 硬仕上げ剤120μm。
【0039】比較例2 実施例2において、柔軟剤のみまたは硬仕上げ剤のみを
用いた以外、または何も機能性薬剤で処理しなかった以
外は実施例2と同様にしてドットを付与して機能性シー
トを得た。
【0040】実施例2および比較例2で得られた機能性
シートを150℃、1分間熱処理を行い、水洗、乾燥
後、柔軟性、腰および滑脱抵抗の評価を行った。その結
果を表2に示す。
【0041】評価方法 柔軟性および腰:5人の判定者が7つの機能性シートに
順位をつけた 滑脱抵抗:JIS L1096 B法。
【0042】
【表2】
【0043】柔らかさと腰(弾発性)は、通常、相反す
る特性であり柔らかさを保ちながら腰をもたせること
は、通常の加工法では困難であるが、本発明によれば、
柔らかさと硬さを適度にバランスさせることができ、柔
らかくて腰のある風合いを実現することができる。表2
より、柔軟剤/硬い仕上げ剤の使用割合は、目的とする
風合により異なるが、6/4〜4/6の場合、滑脱抵抗
も3mmから1.5mmに向上しており、最もバランス
がよい。
【0044】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明に
よれば、このように、全体として複合機能を有し、かつ
風合や外観が満足できるシートを提供することができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D06M 15/507 8703−2C B41J 3/04 101 Z

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】機能性薬剤を含むドットが基材シートに多
    数付与された複合機能性シートであって、 該ドットの各々が1種の機能性薬剤を含有し、かつ該機
    能性薬剤が異なるドットが少なくとも2種混在し、該ド
    ットの平均直径が30〜500μmであり、該ドットの
    シート全体に対する面積占有率が10〜95%であり、
    かつ該機能性薬剤の全重量に対する1種の機能性薬剤の
    重量が10重量%以上である、複合機能性シート。
JP3209491A 1991-08-21 1991-08-21 複合機能性シート Withdrawn JPH0551876A (ja)

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