JP2017185795A - 繊維構造物およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】優れた冷感を持続的に発揮する繊維構造物を得る。【解決手段】繊維布帛と、前記繊維布帛の一方の主面の一部に形成された樹脂層と、を備え、前記樹脂層が、熱伝導性材料およびバインダー樹脂を含み、前記樹脂層の表面の最大断面高さが50μm以下である、繊維構造物。前記繊維構造物の通気量は、50〜300cc/cm2・秒であることが好ましい。前記樹脂層は、前記熱伝導性材料を、前記バインダー樹脂100重量部に対して0.1〜15重量部含むことが好ましい。【選択図】図1

Description

本発明は、繊維構造物およびその製造方法に関し、特に優れた冷感を備える繊維構造物に関する。
近年、衣服に快適性を求める志向が高まり、特に夏場、周囲の環境温度が比較的高い場合に、皮膚に冷感を与える繊維構造物の開発が進んでいる。このような繊維構造物を得る方法としては、繊維を構成するポリマーを改良する方法や繊維構造物に樹脂加工する方法が提案されている。
繊維を構成するポリマーを改良する方法としては、例えば、繊維を構成するポリマーとして、吸湿性を有するポリマーを用いる方法(特許文献1)、q−max値の大きな熱可塑性エラストマーを用いる方法(特許文献2)、上記ポリマーに熱伝導性に優れた無機粒子等を混合する方法が挙げられる。
繊維構造物に樹脂加工する方法としては、ムコ多糖類等をバインダー樹脂により繊維構造物の表面に固定する方法(特許文献3)、潜熱蓄熱材を封入したマイクロカプセルを繊維構造物の表面に固着する方法(特許文献4)等が挙げられる。
特開2003−293223号公報 特開2004−270075号公報 特開2007−224429号公報 特開2006−161226号公報
しかし、これらの方法では、十分な冷感を発揮することが困難である。
本発明は、上記従来技術を背景になされたものであり、優れた冷感を持続的に発揮する繊維構造物を提供することを目的とする。
本発明は、繊維布帛と、前記繊維布帛の一方の主面の一部に形成された樹脂層と、を備え、前記樹脂層が、熱伝導性材料およびバインダー樹脂を含み、前記樹脂層の表面の最大断面高さが50μm以下である、繊維構造物に関する。
また、本発明は、繊維布帛を準備する準備工程と、前記繊維布帛の一方の主面に、熱伝導性材料およびバインダー樹脂を含む樹脂層を形成する形成工程と、前記主面に形成された前記樹脂層の表面を平滑にする平滑化工程と、を備え、前記平滑化工程後の前記樹脂層の最大断面高さが50μm以下である、繊維構造物の製造方法に関する。
本発明によれば、優れた冷感を持続的に発揮する繊維構造物が得られる。
実施例1で得られた繊維構造物の伝熱樹脂層の断面を拡大して示す電子顕微鏡写真である。 比較例1で得られた繊維構造物の伝熱樹脂層の断面を拡大して示す電子顕微鏡写真である。
本発明に係る繊維構造物は、繊維布帛と、繊維布帛の一方の主面の一部に形成された樹脂層と、を備える。樹脂層は、熱伝導性材料およびバインダー樹脂を含む。樹脂層が熱伝導性材料を含むことにより、樹脂層の熱伝導率が繊維布帛よりも高くなる。よって、樹脂層に皮膚が接触すると、熱伝導によって冷感が得られる。冷感とは、皮膚が繊維構造物に接触したときに感じる冷たさである。
さらに、熱伝導性材料を含む上記樹脂層(以下、伝熱樹脂層と称す)の表面の最大断面高さが50μm以下である。すなわち、伝熱樹脂層の表面粗さが小さいため、伝熱樹脂層の表面に接触したときに冷たさがより感じられ易い。また、繊維布帛は、樹脂層によって一部のみが被覆されているため、通気性が阻害されない。そのため、熱伝導性粒子に伝わった熱の一部が伝熱樹脂層の周囲の大気に放出された後、さらに繊維布帛を通って、繊維構造物の外部に放熱され易くなる。よって、冷感が持続する。樹脂層による繊維布帛の被覆率は、10〜90%であることが好ましい。
繊維構造物の通気量は、50〜300cc/cm・秒であることが好ましい。繊維構造物の外部にさらに放熱され易くなるため、冷感の持続性が向上する。さらに、このような繊維構造物を衣服に用いると、蒸れが抑制されるため、快適性も向上する。
熱伝導性材料の含有量は、バインダー樹脂100重量部に対して0.1〜15重量部であることが好ましい。熱伝導性材料の含有量がこの範囲であれば、樹脂の被膜強度を維持しながら、冷感を高めることができる。
熱伝導性材料は、1W/m・K以上の熱伝導率を有する、平均粒径0.1〜100μmの無機粒子であることが好ましい。これにより、伝熱樹脂層の表面粗さが小さくなり易いため、冷感がさらに高まるとともに、繊維構造物の風合いが損なわれにくい。
伝熱樹脂層は、さらに、吸水性材料を含むことが好ましい。これにより、水分の存在下において、冷感がより発揮され易くなる。吸水性材料に吸収されている水分が気化する際、気化熱により伝熱樹脂層が冷却されるためである。さらに、伝熱樹脂層が冷却されると、皮膚の熱はさらに伝熱樹脂層に伝わり易くなる。このサイクルにより、冷感の持続性も向上する。吸水性材料の含有量は、バインダー樹脂100重量部に対して0.05〜1重量部であることが好ましい。吸水性材料の含有量がこの範囲であれば、繊維構造物からの水分の気化は妨げられない。よって、冷感が向上する。吸水性材料は、水に不溶であって、かつ、水膨潤性を有する樹脂粒子であることが好ましい。樹脂粒子が吸水することによって膨潤すると、一時的に伝熱樹脂層の体積が増加し、皮膚等との接触面積が増加するためである。
伝熱樹脂層は、直径1〜20mmのドット形状であってもよい。このとき、ドット状の伝熱樹脂層は、繊維布帛の上記主面に点在していることが好ましい。これにより、伝熱樹脂層と大気との接触面積が大きくなって、熱伝導性粒子に伝わった熱が大気に放出され易くなる。また、繊維布帛の通気性が妨げられ難い。よって、冷感がさらに向上する。
また、本発明に係る繊維構造物の製造方法は、繊維布帛を準備する準備工程と、繊維布帛の一方の主面に、熱伝導性材料およびバインダー樹脂を含む樹脂層を形成する形成工程と、主面に形成された樹脂層の表面を平滑にする平滑化工程と、を備える。平滑化工程後の前記樹脂層の最大断面高さが50μm以下である。これにより、優れた冷感を持続的に発揮することのできる繊維構造物が得られる。
以下、本発明の一実施形態を具体的に説明する。
[繊維布帛]
繊維布帛を構成する繊維種は特に限定されない。なかでも、冷感が得られやすい点で、例えば、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、ポリアクリル繊維等の合成繊維が好ましい。特に、汎用性の観点から、ポリエステル繊維が好ましい。
ポリエステル繊維を構成するポリマーとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどが挙げられる。その他、上記ポリマーとしては、例えば、イソフタル酸スルホネート、アジピン酸、イソフタル酸等と、ポリエチレングリコール等との共重合体であってもよいし、上記ポリマーと、これらの共重合体またはポリエチレングリコールとの混合物であってもよい。なかでも、各種物性に優れるとともに、安価に入手可能なことから、ポリエチレンテレフタレートが好ましい。
繊維布帛は、上記のような繊維を含む織物、編物または不織布である。繊維布帛は、合成繊維を好ましくは50重量%以上、より好ましくは80重量%以上含むことが好ましい。繊維布帛は、合成繊維以外の半合成繊維、再生繊維、天然繊維等を50重量%未満の割合で含んでいてもよい。
繊維布帛の目付は、30〜200g/mであることが好ましく、50〜150g/mであることがより好ましい。繊維布帛の目付がこの範囲であれば、十分な強度を確保しながら、着心地が低下しない。
繊維布帛は、予め吸水加工が施されていてもよい。繊維布帛に水分が含まれることにより、繊維布帛自体の熱伝導性が高まるため、冷感効果が高まることが期待できる。また、吸水加工を施すことにより、繊維布帛が疎水性の合成繊維により構成される場合でも、べたつきが抑制されて、快適性が向上する。伝熱樹脂層が形成された繊維構造物の吸水速度は、例えば、20秒以内であることが好ましい。吸水速度は、JIS L1096 A法 水滴滴下法により測定される。
一方、繊維布帛に含まれる水分の気化を促進し、冷感を高める観点から、繊維構造物全体としては、速乾性を備えることが好ましい。例えば、繊維布帛を疎水性の繊維(例えば、上記合成繊維)により形成するとともに、吸水加工を施すことにより、速乾性と吸水性とを両立することができる。
速乾性は、例えば、拡散性残留水分率試験法により評価できる。拡散性残留水分率試験法では、試験片に水0.6mLを滴下し、標準状態(20℃、65%RH)下で所定時間ごとの重量を測定し、残留水分率が10%になるまでに必要な時間を計測する。残留水分率が10%になるまでに必要な時間が55分以内である場合、試験片は速乾性に優れると評価できる。
吸水加工に使用される吸水剤としては、水酸基やエーテル基に代表される親水基を有する樹脂(親水性樹脂)が例示できる。親水性樹脂としては、例えば、水酸基やエーテル基を有する各種樹脂(例えば、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアクリル樹脂等が挙げられる。なかでも、繊維布帛との親和性に優れ、洗濯耐久性が向上する点で、ポリエステル樹脂が好ましい。ポリエステル樹脂は、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、テトラエチレングリコールなどのジオール成分と、テレフタル酸、イソフタル酸などのジカルボン酸との共重合体である。
吸水加工の方法は特に限定されず、繊維加工において一般的な方法により行われる。例えば、(1)親水性樹脂を含む処理液に繊維布帛を浸漬し、80〜150℃の浴中で吸尽処理した後、110〜180℃で熱処理して乾燥する方法、(2)親水性樹脂を含む処理液に繊維布帛を浸漬、スプレーあるいは塗布することにより、上記処理液を繊維布帛に含浸させた後、必要に応じて圧搾して余剰液を除去し、次いで110〜180℃で熱処理して乾燥する方法等を挙げることができる。なかでも、親水性樹脂を、繊維布帛を構成する繊維に均一に付与することができる点、および、洗濯耐久性に優れる点で、(1)の方法が好ましい。さらに、(1)の方法によれば、繊維布帛自体の特性を損なうことなく、親水性樹脂を付与することができる。なお、処理液は、必要に応じて、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、制電剤、抗菌剤、防虫剤、pH調整剤等の他の成分を含んでいてもよい。
親水性樹脂の付与量は、加工性および吸水性の観点から、繊維布帛の重量に対して0.05〜10重量%であることが好ましく、0.1〜5重量%であることがより好ましい。親水性樹脂の付与量がこの範囲であれば、十分な吸水性が付与されるとともに、速乾性および風合いに優れる繊維布帛を得ることができる。親水性樹脂の付与量は、処理液の濃度や圧搾率等により調整することができる。
[伝熱樹脂層]
繊維布帛の一方の主面の一部には、伝熱樹脂層が形成されている。伝熱樹脂層は、熱伝導性材料およびバインダー樹脂を含む。熱伝導性材料は、伝熱樹脂層に接触した皮膚の熱を伝熱樹脂層に伝える役割を果たす。これにより、皮膚は冷たさを感じる。
ここで、伝熱樹脂層は、繊維布帛の主面に部分的に形成されている。このように、伝熱樹脂層を部分的に形成する方法としては、(a)熱伝導性材料を含む樹脂を捺染法により直接、繊維布帛の主面に塗布する方法(直接捺染法)や、(b)熱伝導性材料を含む樹脂を離型材の表面に捺染法により塗布した後、繊維布帛の主面に熱転写する方法(熱転写法)等が挙げられる。熱伝導性材料を含む樹脂を捺染により対象物に塗布する場合、当該樹脂はある程度の粘度を有している必要がある。樹脂の流動性が高いと、対象物上で所定の形状が維持できないためである。そのため、通常、形成される伝熱樹脂層の表面は凹凸を有している。また、熱転写法に用いられる離型材の表面は、塗布される樹脂の形状安定および剥離防止の観点から、通常、凹凸を有している。そのため、繊維布帛の主面に熱転写された伝熱樹脂層もまた、表面に凹凸を備える。伝熱樹脂層の表面の凹部は、皮膚と接触することができないため、冷感効果に寄与することができない。
そこで、本実施形態では、伝熱樹脂層の表面粗さを小さくして冷感効果を最大限に発揮させる。すなわち、伝熱樹脂層の最大断面高さが50μm以下にする。このように伝熱樹脂層の表面粗さが小さい場合、皮膚と伝熱樹脂層との接触面積が大きくなる。これにより、熱伝導性材料の伝熱効果が有効に作用して、冷感が発揮される。伝熱樹脂層の最大断面高さは、30μm以下であることが好ましい。なお、伝熱樹脂層の最大断面高さが5μm未満であると、繊維構は造物が肌にはりつき易くなり、快適性が低下するおそれがある。そのため、最大断面高さは、5μm以上であることが好ましく、10μmであることがより好ましい。
最大断面高さ(Zt)とは、表面粗さを示す指標の一つであり、JIS B 0601に規定される方法により算出される。具体的には、最大断面高さ(Zt)は、所定の評価長さにおいて、輪郭曲線の基準線からの山高さの最大値(Zp)と谷深さの最大値(Zv)との和(Zp+Zv)である。山高さの最大値(Zp)および谷深さの最大値(Zv)は、表面粗さ計を用いて、伝熱樹脂層の表面を触針でなぞることにより算出することができる。あるいは、伝熱樹脂層の表面近傍の形状に関するデータを非接触式で取得した後、輪郭曲線の基準線からの山高さの最大値(Zp)および谷深さの最大値(Zv)を算出してもよい。例えば、繊維構造物に、伝熱樹脂層側からレーザ光を縞模様に照射して、得られた反射光における縞模様の歪みから、伝熱樹脂層の外形を決定した後、所定の評価長さにおける輪郭曲線の基準線からの最大値(Zp)および谷深さの最大値(Zv)を算出する。
伝熱樹脂層は、繊維布帛の主面の一部を被覆する。これにより、皮膚との十分な接触面積が確保されるとともに、繊維布帛の通気性が阻害されない。そのため、熱伝導性材料に伝わった熱の一部が伝熱樹脂層から周囲の大気に放出される際、繊維布帛を通って、繊維構造物の外部に放熱され易くなる。よって、冷感が持続する。また、伝熱樹脂層が後述するように吸水性材料を含む場合、吸水性材料に吸収された汗等の水分の気化が促進され易くなる。そのため、冷感がさらに持続され易くなる。伝熱樹脂層の被覆割合は、10〜90%であることが好ましく、10〜80%であることがより好ましく、20〜70%であることが特に好ましい。
伝熱樹脂層の形状は特に限定されず、伝熱樹脂層の被覆割合が例えば10〜90%になるように、適宜設定すればよい。なかでも、繊維構造物の風合いおよび通気性が損なわれ難い点で、伝熱樹脂層は、直径1〜20mmのドット形状であって、繊維布帛の主面に点在していることが好ましい。ドット形状とは、個々の伝熱樹脂層を囲む最少の矩形を想定したとき、当該矩形の任意の一辺とこの一辺と頂点を共有して直交する一辺との長さの比が2以下である形状をいう。ドットの外形は特に限定されず、例えば、円形、楕円形、多角形等が挙げられる。点在するとは、繊維布帛の主面の全体に亘って、所定の隙間をあけて配置されている状態であり、例えば、伝熱樹脂層が規則的なパターン状に形成されている場合を含む。
伝熱樹脂層の付着量は、20g/m以上であることが好ましい。これにより、所望の冷感が発揮され易くなる。伝熱樹脂層の付着量は、50g/m以上であることがより好ましい。また、伝熱樹脂層の付着量は、200g/m以下であることが好ましく、150g/m以下であることがより好ましい。伝熱樹脂層の付着量が200g/mを超えると、繊維構造物の通気性が低下し易くなるためである。伝熱樹脂層の付着量は、乾燥後の伝熱樹脂層の重量である。伝熱樹脂層の厚みは特に限定されないが、冷感効果を発揮し易く、繊維布帛の風合いが損なわれ難い点で、30〜200μmであることが好ましく、50〜100μmであることがより好ましい。伝熱樹脂層の厚みは、乾燥後の伝熱樹脂層の厚みである。
繊維構造物の通気量は、例えば、50〜300cc/cm・秒であることが好ましい。通気量は、JIS L 1096 通気性 A法(フラジール形法)により求められる。通気量がこの範囲であれば、繊維構造物の外部にさらに放熱され易くなるため、冷感の持続性が向上する。
繊維布帛は、伝熱樹脂層以外の樹脂層(例えば、後述する熱接着樹脂層や中間樹脂層等)を備えていてもよい。繊維布帛上で、他の樹脂層と伝熱樹脂層とが積層される場合、伝熱樹脂層が最外層になるように配置する。この場合、通気性の観点から、他の樹脂層による繊維布帛の被覆割合が例えば10〜90%になるように、他の樹脂層を形成することが好ましい。伝熱樹脂層とは異なる部分に他の樹脂層が形成される場合、他の樹脂層および伝熱樹脂層の合計の被覆割合が例えば10〜90%になるように、各樹脂層を形成することが好ましい。
[熱伝導性材料]
熱伝導性材料の材質は特に限定されないが、冷感効果の観点から、1W/m・K以上の熱伝導率を備える無機材料であることが好ましい。このような無機材料としては、例えば、金、銀、アルミ等の金属、二酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化亜鉛等の酸化物、カーボン等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
熱伝導性材料の形状も特に限定されず、例えば、粒子状、針状、板状等の定型物であってもよいし、非定型物であってもよい。なかでも、伝熱樹脂層の表面粗さを小さくし易い点や皮膚との接触性の観点から、粒子状であることが好ましい。粒子状の熱伝導性材料の平均粒径は特に限定されないが、上記と同様の観点から、0.1〜100μmが好ましく、1〜30μmがより好ましい。また、0.1μm未満の平均粒径を有する無機粒子は、製造コストが高くなり易い。平均粒径は、体積粒度分布の累積体積50%における粒径(D50)である(以下、同じ)。
熱伝導性材料の含有量は、バインダー樹脂100重量部に対して0.1〜15重量部であることが好ましく、1〜10重量部であることがより好ましい。熱伝導性材料の含有量がこの範囲であれば、冷感効果が向上するとともに、伝熱樹脂層と繊維布帛との十分な接着性が得られ易い。
[吸水性材料]
伝熱樹脂層は、さらに吸水性材料を含むことが好ましい。吸水性材料は、汗等の水分を吸収する。伝熱樹脂層に皮膚の熱が伝えられると、吸水性材料に吸収されている水分が気化し、気化熱により伝熱樹脂層は冷却される。伝熱樹脂層が冷却されると、皮膚の熱はさらに伝熱樹脂層に伝わり易くなる。このサイクルにより、冷感の持続性が向上する。また、吸水性粒子によって伝熱樹脂層に水分が含まれることにより、伝熱樹脂層全体の熱伝導性も向上する。よって、冷感はさらに高められる。
吸水性材料の含有量は、バインダー樹脂100重量部に対して1重量部以下であることが好ましく、0.5重量部以下であることがより好ましい。また、吸水性材料の含有量は、バインダー樹脂100重量部に対して0.05重量部以上であることが好ましく、0.1重量部以上であることがより好ましい。吸水性材料の含有量がこの範囲であれば、冷感と速乾性が両立できる。
吸水性材料の材質は特に限定されないが、水に不溶であって、かつ、水膨潤性を有する樹脂粒子であることが好ましい。樹脂粒子が吸水することによって膨潤すると、一時的に伝熱樹脂層の体積が増加し、皮膚等との接触面積が増加するためである。水膨潤性を有する樹脂粒子の体積膨潤率は、120〜250%であることが好ましい。水膨潤性を有する樹脂粒子の体積膨潤率がこの範囲であれば、膨潤した際に伝熱樹脂層から脱落することが抑制され易くなる。体積膨潤率は、(膨潤後の樹脂粒子の体積/膨潤前の樹脂粒子の体積)×100(%)で求められる。
水に不溶であって、かつ、水膨潤性を有する樹脂粒子としては、例えば、カルボキシメチル基がアンモニウムで置換されたカルボキシメチルセルロース、高親水性ウレタン等が挙げられる。水膨潤性を有する樹脂粒子の平均粒径は特に限定されないが、伝熱樹脂層の表面粗さを小さくし易い点および皮膚との接触性の観点から、10〜100μmが好ましく、20〜50μmがより好ましい。
[バインダー樹脂]
熱伝導性材料(さらには吸水性材料)を繊維布帛に固着させるためのバインダー樹脂の材質は、特に限定されない。なかでも、得られる繊維構造物の風合いが向上する点で、バインダー樹脂は弾性を有することが好ましい。弾性を有するバインダー樹脂としては、例えば、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂等が挙げられる。なかでも、各種物性およびコストの点で、ウレタン樹脂が好ましい。
[製造方法]
上記のような繊維構造物は、例えば、繊維布帛を準備する準備工程と、繊維布帛の一方の主面の一部に、伝熱樹脂層を形成する形成工程と、主面に形成された伝熱樹脂層の表面を平滑にする平滑化工程と、を備える方法により製造される。
(1)準備工程
準備工程では、上記したような繊維布帛を準備する。繊維布帛は、常法に従い、精練および染色が行われていてもよい。さらに、繊維布帛には、上記吸水加工が施されていてもよい。
(2)伝熱樹脂層の形成工程
形成工程では、まず、バインダー樹脂と熱伝導性材料、さらには吸水性材料を混合して、伝熱樹脂層の原料樹脂を調製する。原料樹脂の混合は、従来公知の方法で行えばよい。バインダー樹脂の形態は特に限定されず、無溶剤型、溶剤エマルジョン型、水性エマルジョン型、粉末型のいずれであってもよい。これらは、単独もしくは併用して用いられる。なかでも、生産性の点で、水性エマルジョン型であることが好ましい。
次いで、例えば、上記したように、(a)原料樹脂を捺染法により直接、繊維布帛の主面に塗布した後、乾燥する、あるいは、(b)原料樹脂を離型材の主面に捺染法により塗布して乾燥した後、繊維布帛の主面に熱転写することにより(熱転写法)、繊維布帛の一方の主面の一部に、伝熱樹脂層の前駆体層を形成する。原料樹脂は、スプレー法により、繊維布帛あるいは離型材の主面に塗布されてもよい。なかでも、ムラのない伝熱樹脂層を形成できる点で(b)の熱転写法が好ましい。
捺染法としては、例えば、スクリーンプリント法、ロータリープリント法、グラビアプリント法等が挙げられる。なかでも、塗布形状や塗布条件の自由度が高い点で、スクリーンプリント法、ロータリープリント法が好ましく、特に、スクリーンプリント法が好ましい。乾燥条件は特に限定されず、バインダー樹脂、繊維布帛あるいは離型材の種類等に応じて適宜設定すればよい。例えば、繊維布帛に直接捺染する場合、乾燥温度は80〜180℃であればよい。一方、離型材に捺染する場合、乾燥温度は80〜130℃であればよい。
繊維布帛は、伝熱樹脂層以外の樹脂層を備えていてもよい。例えば、(a)の直接捺染法を用いる場合、伝熱樹脂層は、中間樹脂層を介して、繊維布帛の主面に形成されてもよい。中間樹脂層を介在させることにより、伝熱樹脂層がムラなく均一に形成され得るとともに、優れた応力保持率(繰り返し伸長回復における応力保持率)を得ることができる。中間樹脂層を形成する樹脂の種類は特に限定されないが、伝熱樹脂層との相性の観点から、伝熱樹脂層に含まれるバインダー樹脂と同種の樹脂であることが好ましい。
(b)の熱転写法を用いる場合、離型材の主面に伝熱樹脂層の前駆体層を形成した後、伝熱樹脂層の前駆体層の表面に熱接着樹脂層を形成してもよい。熱接着樹脂層により、熱転写したときの繊維布帛と伝熱樹脂層の前駆体層との接着性が向上する。熱接着樹脂層は、例えば、70℃以上に加熱することにより、軟化および/または流動する樹脂(熱接着樹脂)により形成される。熱接着性樹脂としては、例えば、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂等の弾性を有する樹脂が好ましく例示できる。なかでも、各種物性およびコストの観点から、ウレタン樹脂が好ましい。これらの樹脂の形態は特に限定されず、無溶剤型、溶剤エマルジョン型、水性エマルジョン型、粉末型のいずれであってもよい。これらは、単独もしくは併用して用いられる。なかでも、生産性および性能の観点から、水性エマルジョン型と粉体型とを併用することが好ましい。
熱転写は、例えば、伝熱樹脂層の前駆体層(さらには熱接着樹脂層)が形成された離型材と繊維布帛とを積層した後、温度70〜180℃、圧力0.2〜0.3kgf/cmの条件の条件で、10〜60秒程度プレスすることにより行われる。プレス処理には、例えば、平面プレス機やフェルトカレンダー機等が用いられる。
離型材は、離型性および耐熱性を有している限り特に限定されない。離型材は、例えば、ポリエステル等の樹脂フィルムや、合成紙、繊維布帛等の概ね平坦な基材と、離型材料との積層体である。離型材料としては、オレフィン樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ナイロン樹脂、ポリエステル樹脂等が例示できる。これらは、単独もしくは併用して用いられる。離型材は、離型材料を基材上に塗布するか、あるいは、離型材料をフィルム状に成形した後、基材に接着することにより得られる。
(3)平滑化工程
ついで、伝熱樹脂層の表面を平滑化する(以下、平滑化処理と称す)。これにより、皮膚との接触面積が増大し、冷感が発揮される。平滑化処理は、プレス機あるいはカレンダーロール機等により行うことができる。平滑化処理の条件は特に限定されず、樹脂層の最大断面高さが50μm以下となるように適宜設定すればよい。平滑化処理は、例えば、熱転写した後の繊維布帛の樹脂面を平滑な離型紙で覆って、温度120〜180℃、圧力0.3〜0.5kgf/cmの条件で、30〜60秒間、プレス加工することにより行われる。あるいは、平滑化処理は、例えば、温度120〜180℃、圧力10kgf/cm、速度10〜20m/分の条件で、カレンダー加工することにより行われる。
このようにして得られる繊維構造物は、初期のq−max値(q−max)が0.20W/cm以上になり得る。q−maxは0.22W/cm以上であることが好ましく、0.25W/cm以上であることがより好ましい。q−max値は、接触冷温感を評価する指標の一つであり、数値が大きいほど、高い冷感を備えると評価される。q−maxは、所定の熱が蓄えられた熱板に繊維構造物を接触させて、熱板から繊維構造物に移動する熱量のうち、単位面積および単位時間当たりのピーク値である。q−maxは、熱板に試料を接触させた直後から10秒経過するまでの間の、熱量のピーク値である。
さらに、繊維構造物は冷感が持続する。例えば、繊維構造物の同一箇所において、熱板に繊維構造物接触させた直後から99秒経過するまで、繊維構造物に移動した熱量を測定したとき、90秒〜99秒の間のピーク値(q−max10)が、q−maxと同等であり得る。すなわち、q−max10は、0.20W/cm以上になり得る。q−max10は0.22W/cm以上であることが好ましく、0.25W/cm以上であることがより好ましい。
以下、実施例により本発明について具体的に説明するが、本発明はこれらに何ら限定されるものではない。なお、繊維構造物の評価は、以下のように行った。
[最大断面高さ]
非接触式の三次元形状測定器(株式会社キーエンス製、ワンショット3D形状測定機 VR−3100)を用いて、伝熱樹脂層の表面近傍の形状に関するデータを取得し、輪郭曲線の基準線からの山高さの最大値(Zp)および谷深さの最大値(Zv)を算出して、これらの和(最大断面高さ(Zt))を求めた。
[q−max値]
20℃の温度に設定した試料台の上に繊維構造物を置き、繊維構造物の上に40℃の温度に温められた熱板を、接触圧0.098N/cmで積層した。積層の直後から、熱板から繊維構造物に移動した熱量を測定した。熱量の測定には、サーモラボII型精密迅速熱物性装置(カトーテック株式会社製)を用いた。熱量は、同一箇所で99秒間測定し、10秒毎にピーク値を求めた。初めの10秒間におけるピーク値をq−maxとし、90〜99秒の間のピーク値をq−max10とした。
[吸水性]
JIS L1096 A法 水滴滴下法に基づいて吸水速度を測定した。
[速乾性]
繊維構造物から10cm×10cmの大きさの試験片を切り出し、試験片の重量(W)を測定した。次いで、試験片に水を0.6mL滴下し、そのときの重量(W)を測定した。標準状態(20℃、65%RH)下で、所定時間経過するたびに、試験片の重量(W)を測定し、拡散性残留水分率(%)が10%未満になる時間を算出した。
拡散性残留水分率(%)={(W−W)/(W−W)}×100
[通気量]
JIS L 1096 通気性 A法(フラジール形法)に基づいて測定した。
[実施例1]
(1)繊維布帛の準備
110dtex/36フィラメントのポリエステルマルチフィラメント糸および84dtex/36フィラメントのポリエステルマルチフィラメント糸を用いて、天竺組織の丸編地を編成した(重量比50:50)。得られた編地の重量は120g/mであった。この丸編地を、常法により、精練、プレセットした。
次に、親水性のポリエステル樹脂(商品名「SR−1000」、固形分:10重量%、高松油脂株式会社製)を、繊維重量に対し2重量%含む処理液(pH4.5)を準備した。この処理液に、得られた丸編地を浸漬し、130℃の浴中で30分間吸尽処理を行った。浴比は1:20とした。吸尽処理された丸編地を水洗した後、120℃で2分間熱処理して乾燥した。このようにして、吸水加工が施された繊維布帛を得た。親水性のポリエステル樹脂の付着量は、繊維重量に対し0.5重量%であった。
(2)伝熱樹脂層の形成
まず、下記に示す成分を混合し、伝熱樹脂層の原料樹脂として樹脂液A(粘度:25000cps/20℃)を調製した。
<樹脂液A>
1)ポリウレタン樹脂(バインダー樹脂、第一工業製薬株式会社製、スーパーフレックスE4800、固形分40重量%) 100重量部
2)パラフィン樹脂(粘着防止剤、林化学工業株式会社製) 10重量部
3)ブロックイソシアネート(架橋剤、林化学工業株式会社製、オキザールUL−3) 5重量部
4)アルミニウム粒子(熱伝導性材料、平均粒径5μm、熱伝導率200W/m・K) 5重量部
5)ポリアクリル酸(水溶性の増粘剤、林化学工業株式会社製) 適量
次に、下記に示す成分を混合し、熱接着樹脂層の原料として樹脂液B(粘度:25000cps/20℃)を調製した。
<樹脂液B>
1)ポリウレタン樹脂(第一工業製薬株式会社製、スーパーフレックス500) 50重量部
2)ポリウレタン粒子(日本ポリウレタン株式会社製、パールセンU−100A) 50重量部
3)ブロックイソシアネート(架橋剤、林化学工業株式会社製、オキザールUL−3) 5重量部
4)ポリアクリル酸(増粘剤、林化学工業株式会社製) 適量
スクリーンプリント法により、樹脂液Aを離型材(リンテック株式会社製、No.PXDH R−231)上に塗布した後、100℃にて乾燥し、伝熱樹脂層の前駆体層を形成した。樹脂液Aの付着量は、乾燥重量で35g/mであった。続いて、同様にして、樹脂液Bを伝熱樹脂層の前駆体層の表面に塗布した。樹脂液Bの付着量は、乾燥重量で46g/mであった。スクリーンプリントでは、50メッシュの紗に、直径4mmの円形のドットがパターン状に形成されたスクリーン版(厚み100μm)を用いた。
2層の樹脂層が形成された離型材を上記繊維布帛に積層して、熱プレス機により120℃、15kPaにて30秒間プレスした。冷却後、離型材を剥離して、繊維布帛の主面の一部に伝熱樹脂層の前駆体層を含む樹脂層を形成した。
(3)平滑化処理
次に、繊維布帛の上記前駆体層を含む樹脂層が形成された主面を、離型材(リンテック株式会社製、No.EV120 PXDH)で覆った後、熱プレス機により、150℃、30kPaにて60秒間プレスした。冷却後、離型材を剥離して、繊維布帛の主面の一部に伝熱樹脂層(厚み120μm)が形成された繊維構造物を得た。得られた繊維構造物に形成された伝熱樹脂層の面積割合(被覆率)は、50%であった。得られた繊維構造物の電子顕微鏡写真(倍率1000倍)を図1に示す。また、評価結果を表1に示す。
[実施例2]
樹脂液Aに、カルボキシメチル基がアンモニウムで置換されたカルボキシメチルセルロース(平均粒径30μm、体積膨潤率140%)を0.05重量部混合したこと以外、実施例1と同様にして、繊維構造物を得た。得られた繊維構造物の評価結果を表1に示す。
[実施例3]
伝熱樹脂層の被覆率が80%になるように、樹脂液Aを塗布したこと以外、実施例1と同様にして、繊維構造物を得た。得られた繊維構造物の評価結果を表1に示す。なお、樹脂液Aの付着量は乾燥重量で64g/mであり、樹脂液Bの付着量は乾燥重量で80g/mであり、伝熱樹脂層の厚みは106μmであった。
[実施例4]
平滑化処理に、実施例1よりも表面粗さの大きい離型材(リンテック株式会社製、No.PXDH R−131)を使用したこと以外、実施例1と同様にして、繊維構造物を得た。得られた繊維構造物の評価結果を表1に示す。
[比較例1]
平滑化処理を行わなかったこと以外は、実施例1と同様にして、繊維構造物を得た。得られた繊維構造物の電子顕微鏡写真(倍率1000倍)を図2に示す。また、評価結果を表1に示す。なお、図2に示される大きな窪みは、伝熱樹脂層の形成工程で用いた離型材の表面の凹凸により形成されたものである。
[比較例2]
樹脂液Aにアルミニウム粒子を配合しなかったこと以外、実施例1と同様にして、繊維構造物を得た。得られた繊維構造物の評価結果を表1に示す。
実施例1〜4は、比較例1および2と比較して、q−maxおよびq−max10がともに大きく、優れた冷感が持続することがわかる。表面粗さの大きな比較例1および熱伝導性粒子を含まない比較例2は、初期の冷感も小さかった。
本発明に係る繊維構造物は、優れた冷感が持続するため、特に夏場に着用される衣料用途に好適に用いられる。

Claims (9)

  1. 繊維布帛と、
    前記繊維布帛の一方の主面の一部に形成された樹脂層と、を備え、
    前記樹脂層が、熱伝導性材料およびバインダー樹脂を含み、
    前記樹脂層の表面の最大断面高さが50μm以下である、繊維構造物。
  2. 前記繊維構造物の通気量が50〜300cc/cm・秒である、請求項1に記載の繊維構造物。
  3. 前記熱伝導性材料の含有量が、前記バインダー樹脂100重量部に対して0.1〜15重量部である、請求項1または2に記載の繊維構造物。
  4. 前記熱伝導性材料が、1W/m・K以上の熱伝導率を有する、平均粒径0.1〜100μmの無機粒子である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の繊維構造物。
  5. 前記樹脂層が、さらに吸水性材料を含み、
    前記吸水性材料の含有量が、前記バインダー樹脂100重量部に対して0.05〜1重量部である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の繊維構造物。
  6. 前記吸水性材料が、水に不溶であって、かつ、水膨潤性を有する樹脂粒子である、請求項5に記載の繊維構造物。
  7. 前記樹脂層が、前記繊維布帛の前記主面の面積の10〜90%を被覆している、請求項1〜6のいずれか一項に記載の繊維構造物。
  8. 前記樹脂層が、直径1〜20mmのドット形状であって、前記繊維布帛の前記主面に点在している、請求項1〜7のいずれか一項に記載の繊維構造物。
  9. 繊維布帛を準備する準備工程と、
    前記繊維布帛の一方の主面に、熱伝導性材料およびバインダー樹脂を含む樹脂層を形成する形成工程と、
    前記主面に形成された前記樹脂層の表面を平滑にする平滑化工程と、を備え、
    前記平滑化工程後の前記樹脂層の最大断面高さが50μm以下である、繊維構造物の製造方法。
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