JP6263321B2 - 人工皮革基材、人工皮革、及び皮革調三次元成形体 - Google Patents
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Description
〈不織布の製造〉
海成分として水溶性熱可塑性ポリビニルアルコール(PVA)、島成分として変性度6モル%のイソフタル酸変性ポリエチレンテレフタレ−トを用い、口金温度260℃に設定された、海成分中に均一な断面積の島成分が25個分布した断面を形成するノズル孔が並列状に配置された複数紡糸用口金に溶融樹脂を供給し、ノズル孔から吐出させた。このとき、海成分と島成分との質量比が海成分/島成分=25/75となるように圧力調整しながら供給した。
アルミナ粒子35%owf、不揮発性油(流動パラフィン)15%owf、及び水系ポリウレタン5%owfを含む水分散液を調製した。そして、極細繊維の不織布に85%のピックアップ率で分散液を含浸させた後、水分を乾燥させることによりアルミナ,流動パラフィン,及び水系ポリウレタンを含浸付与した。そして、アルミナ,流動パラフィン,及び水系ポリウレタンを含浸付与した極細繊維の不織布を収縮加工装置(小松原鉄工(株)製、サンフォライジング機)を用いて、その収縮部のドラム温度120℃、ヒートセット部のドラム温度120℃、搬送速度10m/分で処理してタテ方向(長さ方向)に4.0%収縮させて人工皮革基材を得た。得られた人工皮革基材は、極細繊維の不織布100質量部に対して、アルミナ10.5質量部、流動パラフィン4.5質量部、水系ポリウレタン1.5質量部を含有し、目付680g/m2、見掛け密度0.671g/cm3であった。
人工皮革基材の表面にベースコート液をGemata製STARPLUSを用いて塗布量140g/m2でロールコートすることにより膜厚28μmのベースコート層を形成した。なお、ベースコート液としては、ポリウレタンエマルジョン(DIC(株)製 LCCバインダーUB1770 固形分30質量%)をフォードカップNo.4 55Sの粘度195mPa・sになるように増粘剤で調整したものを用いた。そして、形成されたベースコート層の表面にさらにカラーコート液をGemata製STARPLUSを用いて塗布量70g/m2でスプレーコートすることにより膜厚14μmのカラーコート層を形成した。なお、カラーコート液としては、ポリウレタンエマルジョン(DIC(株)製 LCCバインダーUB1770 固形分30%)を岩田カップ(IWATA NK-2 12s)で30mPa・sになるように調整したものを用いた。そして、さらに40〜50℃で2〜4時間空打ち処理を行った。そして、125℃,50kg/cm2のエンボスロールを用いてライン速度7.0m/分で表層にエンボス処理を施した。そしてその表面に、岩田カップ(IWATA NK-2 12s)で30mPa・sに調整したトップコート塗料((株)トウペ製のクリアー塗料)を塗布し、膜厚13.5μmのトップコートを形成した。このようにして目付745.5g/m2、見かけ密度0.697g/cm3の銀付調の人工皮革が得られた。
得られた人工皮革を以下の評価方法に従って評価した。
接触冷感の評価として、精密迅速熱物性測定装置(KES−F−M7サーモラボII型、カトーテック(株))を用いて最大熱吸収速度(q−max値)を測定した。なお、測定は、人工皮革の銀面層が形成されていない面を測定面とし、室温20℃、湿度65%RHの室内で、温度検出器と人工皮革の測定面との温度差を20℃に設定して測定した。なお、人工皮革の銀面層が形成されていない面のq−max値は、銀面層が形成されていない人工皮革基材の表面のq−max値と実質的に同等になる。
保温性試験機を用いて、一定温度(36±0.5℃)に設定した恒温発熱体に試験片を取り付け、2時間後に試験片を介して放散された熱量(a)を求めた。一方、試験片を取り付けない状態で、2時間後に放散された熱量(b)を求めた。そして、次式:保温率(%)=(1−a/b)×100、により、保温率(%)を算出した。
室温20℃、湿度65%RHの室内で24時間放置された人工皮革の銀面層が形成されていない面を、10人の一般需要者を被験者として、各被験者に手の平で触れさせた。そして、各被験者が感じた接触冷感を下記の基準に従って判定させた。
A:明らかな冷感が与えられた
B:冷感が得られなかった、または明らかには得られなかった
ソフトネステスター(皮革ソフトネス計測装置ST300:英国、MSAエンジニアリングシステム社製)を用いて剛軟度を測定した。具体的には、直径25mmの所定のリングを装置の下部ホルダーにセットした後、下部ホルダーに銀付調人工皮革をセットした。そして、上部レバーに固定された金属製のピン(直径5mm)を銀付調人工皮革に向けて押し下げた。そして、上部レバーを押し下げて上部レバーがロックしたときの数値を読み取った。なお、数値は侵入深さを表し、数値が大きいほどしなやかであることを表す。
人工皮革を20×20cmに切りだしたサンプルを調製した。そして、中央部を境にして内側に曲げたときの外観や掴んだときの外観を以下の基準で判定した。
A:曲げたときに丸みを帯びたように曲がり、また、緻密で細かな折れシボが発生した。また、ドレープ性にも優れていた。
B:曲げたときに屈して折れ曲がり、また、粗いシボや深いシワが発生した。また、ドレープ性にも劣っていた。
C:充実感が著しく低い風合いであった。
(見掛け密度)
JIS L1913に準じて、厚さ(mm)および目付け(g/cm2)を測定し、これらの値から見掛け密度(g/cm3)を算出した。
実施例1において、極細繊維の不織布に対する各成分の配合部数を表1に記載のように変更した以外は、実施例1と同様にして人工皮革を得、評価した。結果を表1に示す。
実施例1において、平均粒子径5μmのアルミナ粒子を配合する代わりに、平均粒子径5μmの酸化チタン粒子(熱伝導率21.9W/mK)を配合した以外は実施例1と同様にして人工皮革を得、評価した。なお、酸化チタンの金属元素含有割合は57.9質量%である。結果を表1に示す。
実施例1において調製した分散液の組成において、平均粒子径5μmのアルミナ粒子を配合する代わりに、平均粒子径5μmのジアルキルホスフィン酸アルミニウム(組成式C12H30AlO6P3)(熱伝導率10W/mK)を配合した以外は実施例1と同様にして銀付調人工皮革を得、評価した。なお、ジアルキルホスフィン酸アルミニウムの金属元素含有割合は20質量%である。結果を表1に示す。
実施例1において、不織布100質量部に対してアルミナ粒子を10.5質量部配合する代わりに、アルミナ粒子を1質量部配合した以外は実施例1と同様にして人工皮革を得、評価した。結果を表1に示す。
実施例1において、極細繊維の不織布にアルミナ、流動パラフィン、及び水系ポリウレタンを含有する分散液を含浸付与する代わりに、極細繊維の不織布100質量部に対して固形分で12.5質量部含有されるように実施例1で用いたのと同様の水性ポリウレタン分散液を含浸させ、120℃で乾燥させた以外は同様にして人工皮革を得、評価した。得られた人工皮革基材は、極細繊維の不織布100質量部に対して、水系ポリウレタン12.5質量部を含有した。結果を表1に示す。
実施例1において、極細繊維の不織布にアルミナ、流動パラフィン、及び水系ポリウレタンを含有する分散液を含浸付与する代わりに、極細繊維の不織布100質量部に対して固形分で30質量部含有されるように実施例1で用いたのと同様の水性ポリウレタン分散液を含浸させ、120℃で乾燥させた以外は同様にして人工皮革を得、評価した。得られた人工皮革基材は、極細繊維の不織布100質量部に対して、水系ポリウレタン30質量部を含有した。結果を表1に示す。
実施例1において、人工皮革基材の代わりに組織がコラーゲン繊維で高充填されている一般的な天然皮革(本革)の評価を行った。結果を表1に示す。
実施例1及び比較例2のそれぞれで得られた人工皮革を、表面温度175℃の石鹸箱形状の金型で10秒間熱プレスして三次元的な形状を賦形された成形体を得た。その結果、熱伝導性に優れた実施例1の人工皮革を成形して得られた成形体は、しなやか、または柔軟な風合いを維持していた。一方、比較例3の人工皮革を成形して得られた成形体は、繊維成分及び高分子弾性体が熱プレス時に付与される熱により極細繊維及び高分子弾性体が押し潰されたように融着したような状態になり、しなやか、または柔軟な風合いを失って硬い風合いを有していた。
Claims (9)
- 繊維絡合体と、前記繊維絡合体に含浸付与された、熱伝導率1W/mK以上の高熱伝導性フィラー及び液状の不揮発性油と、を含み、
少なくとも一面の接触冷温感が、最大熱吸収速度(q−max値)として0.25W/cm2以上であることを特徴とする人工皮革基材。 - 前記q−max値が0.25W/cm2以上の面における、JISL1096の保温性「A法」に準じて測定された保温率が25%以下である請求項1に記載の人工皮革基材。
- 前記繊維絡合体100質量部に対して、前記高熱伝導性フィラー3〜30質量部含有する請求項1または2に記載の人工皮革基材。
- 前記繊維絡合体100質量部に対して、金属元素換算で1質量部以上に相当する量の前記高熱伝導性フィラーを含有する請求項1〜3の何れか1項に記載の人工皮革基材。
- 前記不揮発性油が、流動パラフィン,シリコーンオイル,鉱物油,及びフタル酸エステル類から選ばれる少なくとも1種を含む請求項1〜4の何れか1項に記載の人工皮革基材。
- 0.55g/cm3以上の見かけ密度を有する請求項1〜5の何れか1項に記載の人工皮革基材。
- 前記繊維絡合体が繊度0.9dtex以下の極細繊維の不織布を含む請求項1〜6の何れか1項に記載の人工皮革基材。
- 請求項1〜7の何れか1項に記載の人工皮革基材を含む人工皮革。
- 請求項8に記載の人工皮革に、熱プレスにより三次元形状を賦与して得られたことを特徴とする皮革調成形体。
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