JP2015034355A - パーフォレーション皮革様シート - Google Patents
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Abstract
【課題】貫通孔の内面の不織布の存在を視認させるようにすることにより、新規な意匠を呈するパーフォレーション皮革様シートを提供する。
【解決手段】複数の貫通孔が形成されており、繊度1dtex以下の長繊維から形成された不織布と、不織布の表面に積層された厚さ20〜200μmの樹脂層とを備え、樹脂層と不織布との厚み比率(樹脂層/不織布)が0.2以下であるパーフォレーション皮革様シートである。
【選択図】図1
【解決手段】複数の貫通孔が形成されており、繊度1dtex以下の長繊維から形成された不織布と、不織布の表面に積層された厚さ20〜200μmの樹脂層とを備え、樹脂層と不織布との厚み比率(樹脂層/不織布)が0.2以下であるパーフォレーション皮革様シートである。
【選択図】図1
Description
本発明は、車両の内装や、各種インテリア、スニーカー、衣料、各種雑貨製品の表面意匠性素材として用いられるパーフォレーション皮革様シートに関する。
従来、皮革に通気性を付与したり意匠性を付与したりすることを目的として、直径1mm程度の大きさの複数の貫通孔をドット状に設けたパーフォレーションレザーが知られている。近年、このようなパーフォレーションレザーは、通気性と意匠性とを備えた素材として、例えば自動車の座席シートの表皮材等として用いられている。
ところで、通常、コラーゲン繊維を含む皮革は、均染染料で染められた後、その表面にタンニンなめし等の処理が施されて着色される。均染染料で染められた皮革は耐光堅牢度が低いという欠点があった。そのために、パーフォレーションレザーも床色部位は、耐光堅牢度が低いという欠点があった。
また、皮革の代わりに合成皮革や人工皮革に複数の貫通孔をドット状に設けた、パーフォレーション皮革様シートも知られている。
パーフォレーション皮革様シートとしては、例えば、下記特許文献1は、繊維布帛からなるパンチング加工布であり、繊維布帛の一面には樹脂塗料が塗布されており、樹脂塗料が塗布されていない面においてはパンチング加工穴の形状が変形しているが、樹脂塗料が塗布されている面においてはパンチング加工穴が変形していないようにしたパンチング加工布を開示する。このパンチング加工布においては、繊維布帛の表側の面に樹脂塗料を塗布することにより、繊維布帛を構成する糸がパンチング加工により切断されることによる物理的強度の低下を抑制している。一方、揉み加工を施すことにより糸のほつれや繊維の毛羽立ち等を意図的に引き起こさせて、その裏側の面においてパンチング加工した穴を塞ぐように変形させている。その結果、表側から見たときの樹脂塗料の色と裏側で孔を塞ぐ繊維の色調の違いにより、孔の存在を引き立てるような意匠を発現させている。
特許文献1に開示されたようなパーフォレーション皮革様シートの製造においては、織編物や見掛け密度が低い不織布からなる繊維布帛を用いて、揉み加工を施すことにより糸のほつれや繊維の毛羽立ち等を意図的に引き起こさせていると思われる。このような織編物や見掛け密度の低い不織布からなる繊維布帛は引裂強度が低いために、実用上は、繊維布帛に対して樹脂膜を比較的厚く形成することにより補強する必要があると思われる。具体的には、このような織編物や見掛け密度が低い不織布を用いたパーフォレーション皮革様シートを自動車の座席シートの表皮材のような耐摩耗性が要求されるような用途に採用するためには、繊維布帛よりも樹脂膜を厚く形成した、いわゆる合成皮革のような層構成でなければ、実用上の耐久性を確保できなかった。そして、繊維布帛に比べて樹脂膜を厚く形成した場合には、上面視または斜面視した場合に、孔の内面には樹脂層しか視認されない。また、しなやかな風合いも得られにくくなる。
本発明は、貫通孔の内面の不織布の存在を視認させることにより、貫通孔が強調されたような意匠を呈するパーフォレーション皮革様シートを提供することを目的とする。
本発明に係るパーフォレーション皮革様シートは、複数の貫通孔が形成されており、繊度1dtex以下の長繊維から形成された不織布と、不織布の表面に積層された厚さ20〜200μmの樹脂層とを備え、樹脂層と不織布との厚み比率(樹脂層/不織布)が0.2以下であるパーフォレーション皮革様シートである。このようなパーフォレーション皮革様シートによれば、樹脂層の厚みが不織布に比べて著しく薄いために、貫通孔内面の不織布層が明確に視認される。その結果、貫通孔が強調されたような意匠を有するパーフォレーション皮革様シートが得られる。また、不織布を覆う樹脂層の厚みが不織布に比べて著しく薄いために、不織布のしなやかさも維持される。また、繊度1dtex以下の長繊維から形成された不織布を用いることにより、しなやかな風合いと高い引裂強度を両立することができる。
また、不織布は顔料で着色されていることが好ましい。不織布を顔料で着色することにより、高い着色堅牢度を備えたパーフォレーション皮革様シートが得られる。また、とくに、着色された不織布の色目や色調を樹脂層の色目や色調と異なったものにすることにより、貫通孔の存在が顕著に強調されたような意匠が得られる。
また、上面視したときの貫通孔が形成された領域の占める面積の割合(開口率)が10〜30%である場合には、貫通孔内面の不織布層がより明確に視認される点から好ましい。また、上面視したときの複数の各貫通孔の面積を同じ面積の円の直径に換算したときの直径である相当円直径が平均0.5〜20mm、さらには3〜20mmである場合には、貫通孔の存在がより顕著に強調されたような意匠が得られる。
樹脂層と不織布との厚み比率は0.1以下であることが、貫通孔内面の不織布層がより強調されて、斬新な意匠を呈する点から好ましい。
また、貫通孔を除いた部分の不織布の見掛け密度は0.55g/cm3以上であることが好ましい。このような場合には、充実感と高い引裂強さとを兼ね備えるとともに、しなやかな風合いを有するパーフォレーション皮革様シートが得られる。
本発明のパーフォレーション皮革様シートは、貫通孔内面の不織布の存在を視認させることにより、貫通孔が強調されたような意匠を呈することができる。
図1は本実施形態のパーフォレーション皮革様シート10の模式図であり、(a)は上面模式図、(b)は(a)のA−A'断面における断面模式図である。図1中、1は繊度1dtex以下の長繊維から形成された不織布であり、2は不織布1の表面に積層された厚さ20〜200μmの樹脂層であり、Pは貫通孔である。
パーフォレーション皮革様シート10は、不織布1の表面に、厚さ20〜200μmの樹脂層2を、樹脂層2と不織布1との厚み比率(樹脂層/不織布)が0.2以下になるように積層した皮革様シートに、複数の貫通孔を形成するパーフォレーション処理を施すことにより得られる。
本実施形態のパーフォレーション皮革様シートは、例えば、繊度1dtex以下の極細繊維の長繊維(以下、単に、極細長繊維とも称する)から形成された不織布を製造する工程と、不織布の表面に樹脂層を形成する工程と、パーフォレーション処理する工程と、により製造される。以下、本実施形態のパーフォレーション皮革様シートをその具体的な製造方法の一例に沿って詳しく説明する。
本実施形態のパーフォレーション皮革様シートの製造方法においては、はじめに極細長繊維の不織布を製造する。このような不織布は、繊維構造が緻密であるために、しなやかな風合いと充実感とを兼ね備え、また、引裂強度も高い。
極細長繊維の不織布の製造方法としては、例えば、極細繊維発生型繊維からなる長繊維ウェブを製造するウェブ製造工程と、得られた長繊維ウェブを複数枚重ねて絡合させることによりウェブ絡合シートを形成するウェブ絡合工程と、ウェブ絡合シートを熱収縮させる熱収縮処理工程と、ウェブ絡合シート中の極細繊維発生型繊維を極細繊維化する極細繊維形成工程と、着色工程と、必要に応じて形態安定性等を付与するために高分子弾性体や改質剤を含浸付与する工程と、を備える方法が挙げられる。
極細長繊維の不織布の製造においては、はじめに、長繊維ウェブを製造する。長繊維ウェブの製造方法としては、例えば、いわゆるスパンボンド法を用いて、極細繊維発生型繊維を溶融紡糸法により紡糸し、これを意図的に切断することなく捕集する方法が挙げられる。
極細繊維発生型繊維とは、紡糸後の未処理繊維に化学的な後処理または物理的な後処理を施すことにより、繊度の小さい極細繊維を形成する繊維である。その具体例としては、例えば、繊維断面において、マトリクスとなる海成分のポリマー中に、海成分とは異なる種類のドメインとなる島成分のポリマーが分散されており、後に海成分を除去することにより、島成分のポリマーを主体とする繊維束状の極細繊維を形成する海島型複合繊維や、繊維外周に複数の異なる樹脂成分が交互に配置されて花弁形状や重畳形状を形成しており、物理的処理により各樹脂成分が剥離することにより分割されて束状の極細繊維を形成する剥離分割型複合繊維、等が挙げられる。海島型複合繊維によれば、後述するニードルパンチ処理等の繊維絡合処理を行う際に、割れ、折れ、切断などの繊維損傷が抑制される。本実施形態では、代表例として海島型複合繊維を用いて極細繊維を得る場合について詳しく説明する。
長繊維ウェブは、海島型複合繊維を溶融紡糸法を用いて紡糸し、これを切断せずに長繊維のままネット上に捕集して形成される。ここで、長繊維とは、所定の長さで切断処理された短繊維ではないことを意味する。長繊維の長さとしては、100mm以上、さらには、200mm以上であることが、高い引裂強度を維持できる点から好ましい。上限は、特に限定されないが、スパンボンド法により製造された不織布の場合には、連続的に紡糸された数m、数百m、数kmあるいはそれ以上の繊維長であってもよい。また、これらの繊維は単独ではなく数種の繊維が混合したものであってもよい。
海島型複合繊維の島成分を形成するための樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET),ポリトリメチレンテレフタレート,ポリブチレンテレフタレート(PBT),ポリエステルエラストマー等のポリエステル系樹脂または変性ポリエステル系樹脂;ポリアミド6,ポリアミド66,ポリアミド610,芳香族ポリアミド,ポリアミドエラストマー等のポリアミド系樹脂;アクリル系樹脂;オレフィン樹脂等の繊維形成能を有する樹脂が挙げられる。これらの中では、溶融紡糸性と機械的特性とのバランスから、変性ポリエステル系樹脂が特に好ましい。変性ポリエステル系樹脂としては、イソフタル酸、フタル酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸等の非対称型芳香族カルボン酸や、アジピン酸等の脂肪族ジカルボン酸を共重合成分として所定割合で含有する変性ポリエステルが好ましい。さらに具体的には、モノマー成分としてイソフタル酸単位を2〜12モル%含有する変性PETがとくに好ましい。これらは、単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
一方、海島型複合繊維の海成分を形成するための樹脂としては、島成分との組み合わせにおいて、後に選択的に除去できる樹脂であれば、特に限定なく用いられる。このような海成分を形成するための樹脂の具体例としては、例えば、ポリビニルアルコール(PVA)系樹脂等の水溶性熱可塑性樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、エチレンプロピレン共重合体、エチレン酢酸ビニル共重合体、スチレンエチレン共重合体、スチレンアクリル共重合体等が挙げられる。これらの中では、PVA系樹脂等の水溶性熱可塑性樹脂、特に島成分を構成する樹脂が熱収縮し易い点から、エチレン変性PVAが好ましい。これらは単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
海島型複合繊維の紡糸および長繊維ウェブの形成には、好ましくはスパンボンド法が用いられる。具体的には、多数のノズル孔が、所定のパターンで配置された複合紡糸用口金を用いて、海島型複合繊維を個々のノズル孔からコンベヤベルト状の移動式のネット上に連続的に吐出させ、高速気流を用いて冷却しながら堆積させる。このような方法により長繊維ウェブが形成される。ネット上に形成された長繊維ウェブには形態安定性を付与するために融着処理を施すことが好ましい。融着処理の具体例としては、例えば、熱プレス処理が挙げられる。
熱プレス後の長繊維ウェブの目付けは特に限定されないが、例えば20〜60g/m2であることが、長繊維ウェブを絡合処理するときに良好な形態保持性を維持させることができる点から好ましい。
そして、次に、長繊維ウェブを4〜100枚程度重ねて絡合させることによりウェブ絡合シートを形成する。ウェブ絡合シートは、ニードルパンチや高圧水流処理等の絡合方法を用いて長繊維ウェブに絡合処理を行うことにより形成される。以下に、ニードルパンチによる絡合処理について詳しく説明する。
はじめに、所定の目付になるように重ねられた複数枚の長繊維ウェブに針折れ防止油剤、帯電防止油剤、絡合向上油剤などのシリコーン系油剤または鉱物油系油剤を付与する。その後、ニードルパンチにより重ねられた複数枚の長繊維ウェブの繊維を絡合させる絡合処理を行う。ニードルパンチ処理を行うことにより、繊維密度が高く、繊維の抜けを起こしにくいウェブ絡合シートが得られる。ウェブ絡合シートの目付は、目的とする厚みに応じて適宜選択されるが、具体的には、例えば、500〜2000g/m2の範囲であることが取扱い性に優れる点から好ましい。
そして、次に、ウェブ絡合シートを熱収縮させることにより、ウェブ絡合シートの繊維密度および絡合度合を高める。熱収縮処理の具体例としては、例えば、ウェブ絡合シートを水蒸気に連続的に接触させる方法や、ウェブ絡合シートに水を付与した後、加熱エアーや赤外線などの電磁波によりウェブ絡合シートに付与した水を加熱する方法等が挙げられる。また、熱収縮処理により緻密化されたウェブ絡合シートをさらに緻密化するとともに、ウェブ絡合シートの形態を固定化したり、表面を平滑化したりすること等を目的として、必要に応じて、さらに熱プレス処理を行うことにより繊維密度を高めてもよい。
熱収縮処理工程におけるウェブ絡合シートの目付の変化としては、収縮処理前の目付に比べて、1.1倍(質量比)以上、さらには、1.3倍以上で、2倍以下、さらには1.6倍以下であることが好ましい。
ウェブ絡合シート中の海島型複合繊維は、海成分を水や溶剤等で抽出または分解除去することにより繊維束状の極細繊維に変換される。例えば、PVA系樹脂等の水溶性樹脂を海成分に用いた海島型複合繊維の場合においては、水、アルカリ性水溶液、酸性水溶液等で熱水加熱処理することにより海成分が除去される。そして、海島型複合繊維から海成分を溶解除去して極細繊維を形成する際に、極細繊維が大きく収縮する。この収縮により繊維密度がさらに緻密になり、高い繊維密度の不織布が得られる。
このようにして形成される極細繊維の繊度は1dtex以下であり、0.01〜0.9dtex、さらには0.05〜0.5dtex、とくには0.07〜0.1dtexであることが好ましい。極細繊維の繊度が1dtexを超える場合にはしなやかな風合いと充実感とを兼ね備えた緻密な不織布が得られにくくなる。また極細繊維は、例えば、5〜200本、さらには10〜50本、とくには10〜30本の極細繊維が繊維束を形成して存在していることが好ましい。このように極細繊維が繊維束を形成して存在することで繊維密度のより高い不織布が得られる。
このようにして極細長繊維の不織布が得られる。得られた不織布は、乾燥後、厚さ方向に垂直な方向に複数枚にスライスしたり、研削することにより、厚さ調節や表面状態を調整されて仕上げられる。また、揉み柔軟化処理、逆シールのブラッシング処理、防汚処理、親水化処理、滑剤処理、柔軟剤処理、酸化防止剤処理、紫外線吸収剤処理、蛍光剤処理、難燃剤処理等の仕上げ処理が施されてもよい。
極細長繊維の不織布としては、見掛け密度が0.45g/cm3以上、さらには0.50g/cm3以上、とくには0.55g/cm3以上であることが、緻密な不織布が形成されることにより、しなやかな風合いと充実感とを兼ね備えた不織布が得られる点から好ましい。上限は特に限定されないが0.70g/cm3以下であることがしなやかな風合いが得られ、また、生産性にも優れる点から好ましい。
また、極細長繊維の不織布の厚みとしては、500〜3000μm、さらには600〜2000μm、とくには650〜1200μmであることがしなやかな風合いを維持できる点から好ましい。
本実施形態のパーフォレーション皮革様シートにおいては、意匠性を付与するために、極細長繊維の不織布は着色されることが好ましい。不織布の着色は、一般的には染料で繊維を染着する方法が用いられるが、本実施形態の極細長繊維の不織布は顔料で着色することが、高い着色堅牢度を維持できる点から好ましい。
不織布を顔料で着色する方法は特に限定されないが、例えば、顔料とバインダとを含む顔料混合液を不織布に含浸させた後、顔料混合液を乾燥させることにより不織布にバインダで顔料を固着させるような方法が挙げられる。
顔料としては、バインダにより不織布に固着されるものであれば、特に限定なく用いられうる。このような顔料の具体例としては、例えば、フタロシアニン系,アントラキノン系,キナクドリン系,ジオキサジン系,ペリレン系,チオインジゴ系,アゾ系等の有機顔料や、酸化チタン,カーボンブラック,べんがら,クロムレッド,モリブデンレッド,リサージ,酸化鉄等の無機顔料が挙げられる。
また、バインダとしては、顔料を不織布に固着させうる樹脂であって、含浸可能なエマルジョンまたは溶液状の樹脂液として調製されるものであればとくに限定なく用いられる。その具体例としては、例えば、アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリスチレン系樹脂等が挙げられる。
不織布に顔料混合液を含浸させる方法はとくに限定されないが、例えば、次のような方法が好ましく用いられる。はじめに、バインダを含むエマルジョンに顔料を分散させた顔料混合液を調製する。顔料混合液の顔料の含有割合は特に限定されず、求める色調に応じて適宜調整されるが、例えば、0.1〜10質量%程度配合することが好ましい。そして、顔料混合液で満たされた浴中に不織布を浸した後、プレスロール等で所定の含浸状態になるように絞るという処理を1回又は複数回行うディップニップ法により、所定量の顔料混合液を含浸させる。
そして、不織布に顔料混合液を含浸した後、顔料混合液を乾燥させることにより不織布に顔料をバインダで固着させることができる。
なお、不織布に顔料混合液を含浸して乾燥する場合、表面から乾燥が進行するにつれて内層の顔料混合液が表層に移行して、表層に顔料が遍在する、所謂、マイグレーションという現象を生じる場合がある。このようなマイグレーションの発生は、顔料混合液に感熱ゲル化性を有するマイグレーション防止剤を添加することにより抑制することが好ましい。マイグレーション防止剤の具体例としては、例えば、塩化カルシウムなどの無機塩類とポリエチレングリコール型ノニオン性界面活性剤、ポリビニルメチルエーテル、ポリプロピレングリコール、シリコーンポリエーテル共重合体、ポリシロキサン等が挙げられる。これらは単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
なお、上述のように不織布は顔料で着色することが高い着色堅牢度を維持できる点から好ましいが、用途によっては染色で着色してもよい。染色方法としては、例えば、分散染料、反応染料、酸性染料、金属錯塩染料、硫化染料、硫化建染染料などを主体とした染料を繊維の種類に応じて適宜選択し、パッダー、ジッガー、サーキュラー、ウィンスなど繊維の染色に通常用いられる公知の染色機を使用して行われる。例えば、極細繊維がポリエステル系極細繊維の場合には、分散染料を用いて高温高圧染色により染色することが好ましい。
また、極細長繊維の不織布には、形態安定性を高めたり、充実感を高めたり、難燃性を付与したりする目的で、必要に応じて、ウェブ絡合シートの極細繊維化処理後及び/または処理前に、高分子弾性体や、不揮発性油,充填剤等の改質剤を含浸付与してもよい。また、改質剤の含浸付与と上述した着色は同時に行ってもよい。
高分子弾性体や改質剤の含浸付与においては、はじめに高分子弾性体や改質剤の有効成分を含む分散液を調製する。分散液は、例えば、水または水とアルコール等の極性溶媒の混合液等である分散媒に、高分子弾性体や、不揮発性油,充填剤等の改質剤を均質に混合分散させる。
高分子弾性体の具体例としては、例えば、ポリウレタン系弾性体、アクリル系弾性体、シリコーン系弾性体、ジエン系弾性体、ニトリル系弾性体、フッ素系弾性体、ポリスチレン系弾性体、ポリオレフィン系弾性体、ポリアミド系弾性体、ハロゲン系弾性体等が挙げられる。これらは単独で用いても、二種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中ではポリウレタン系弾性体が耐摩耗性や機械的特性に優れる点から好ましい。
改質剤の具体例としては、例えば、しなやかさを付与するための不揮発性油や、充実感や難燃性を付与するための充填剤等が挙げられる。
不揮発性油の具体例としては、例えば、流動パラフィン,鉱物油,シリコーンオイル,フタル酸エステル類等が挙げられる。また、充填剤の具体例としては、例えば、アルミナ(Al2O3),二酸化チタン(TiO2),酸化亜鉛(ZnO),二酸化セリウム(CeO2)等の金属酸化物のフィラー;シリカ(SiO2),タルク,マイカ,籠状ポリシルセスキオキサン(POSS)等の無機化合物のフィラー;ポリリン酸アンモニウム,ジアルキルホスフィン酸アルミニウム,ポリ化リン酸メラミン等の難燃性フィラー;カーボンナノチューブ(CNT),カーボンファイバー(CF),カーボンブラック(CB),グラファイト(GF),アセチレンブラック(AB)とのカーボン系フィラー等が挙げられる。これらは単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
極細長繊維の不織布またはウェブ絡合シートに高分子弾性体や改質剤を含浸付与する方法は特に限定されないが、例えば高分子弾性体や改質剤の有効成分を含む分散液で満たされた浴中に不織布またはウェブ絡合シートを浸した後、プレスロール等でディップニップした後、分散媒を乾燥させる方法等が挙げられる。また、分散液には必要に応じて上述したようなマイグレーション防止剤を添加してもよい。
そして、このようにして得られた極細長繊維の不織布の表面に、厚さ20〜200μmの樹脂層を形成することにより皮革様シートが得られる。
極細長繊維の不織布の表面に樹脂層を形成する方法は特に限定されない。例えば、樹脂層を形成するための樹脂成分を含む塗液を極細長繊維の不織布の表面に直接、ロールコーターやスプレーコーターにより塗布した後、乾燥または湿式凝固させることにより形成するような湿式造面による方法や、剥離シート上に樹脂層を形成するための着色した樹脂成分を含む塗液を塗布した後、乾燥または湿式凝固させることにより樹脂層皮膜を形成し、樹脂層皮膜を極細長繊維の不織布の表面に接着層を介して貼り合わせた後、剥離シートを剥離する乾式造面による方法等が挙げられる。これらの中では、湿式造面による方法が厚さ20〜200μmのような薄い樹脂層を形成しやすい点から好ましい。
樹脂層を形成するための樹脂成分としては、例えば、ポリウレタン系、アクリル系、シリコーン、ジエン系、ニトリル系、フッ素系、ポリスチレン系、ポリオレフィン系、ポリアミド系、ハロゲン系のポリマーからなる樹脂またはエラストマーが挙げられる。これらは単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中ではポリウレタン系樹脂またはエラストマーが耐摩耗性に優れる点から好ましい。
また、樹脂層を形成するための樹脂成分には、顔料等の着色剤、紫外線吸収剤、界面活性剤、難燃剤、酸化防止剤等を含有してもよい。顔料の具体例としては、上述した顔料と同様の顔料が挙げられる。
樹脂層の厚さは20〜200μmであり、30〜150μm、さらには40〜100μmであることが好ましい。厚さ20μm未満の樹脂層は均質に成膜することが困難であり、また、不織布層を充分に隠蔽しにくくなる。また200μmを超える場合にはしなやかな風合いを失わせる傾向がある。
また、樹脂層と不織布との厚み比率(樹脂層/不織布)は0.2以下であり、好ましくは、0.15以下、さらに好ましくは0.1以下になるように調整される。樹脂層と不織布との厚み比率を0.2以下にすることにより、貫通孔の内面において、不織布層が明確に視認されるようになり、貫通孔が強調されるような意匠的な外観が得られる。
そして、このような極細長繊維の不織布の表面に厚さ20〜200μmの樹脂層を積層した皮革様シートに、複数の貫通孔を設けるパーフォレーション処理を施すことにより、パーフォレーション皮革様シートが得られる。
パーフォレーション処理は、例えば、鋭利な刃先を持ったパンチング金型によって穿孔加工することにより、点在する複数の貫通孔を形成する処理である。一般的には、パーフォレーション処理用のパンチング金型によりパンチング加工して処理されるが、パンチング加工に限らず、例えば、レーザー穿孔等の手段を用いてもよい。
本実施形態のパーフォレーション皮革様シートを上面視したときの貫通孔の形状及び貫通孔の占める面積の割合(開口率)は特に限定されない。図1及び図2を参照して、貫通孔の形状及び貫通孔の占める面積の割合(開口率)について説明する。図1(a)に示したようなパーフォレーション皮革様シート10には、開口率約20%程度になるように貫通孔Pが形成されている。また、図2(a)は開口率約3%のパーフォレーション皮革様シートのパターンの一例であり、図2(b)は開口率約10%のパターンの一例であり、図2(c)は開口率約27%のパターンの一例である。
従来、図2(a)に示したような、例えば、直径1mm程度の大きさの複数の貫通孔がドット状に形成された開口率3%程度のパーフォレーション皮革様シートが一般的であった。一方、本発明に係るパーフォレーション皮革様シートによれば、図1(a)に示した開口率約20%、図2(b)に示した開口率約10%、図2(c)に示した開口率約27%のような、高い開口率で貫通孔を形成しても、実用上要求される高い引裂強度等の機械的特性を維持することができる。
本発明に係るパーフォレーション皮革様シートにおいては、貫通孔の開口率は、1.5〜30%、さらには5〜30%、特には10〜30%であることが好ましい。とくに、10〜30%のような高い開口率で貫通孔を形成した場合には、貫通孔内面の不織布層がより明確に視認されるようになり、貫通孔の存在が強調されるような斬新な外観を呈させることができる。
また、パーフォレーション皮革様シートの貫通孔の面積としては、各貫通孔の面積を同じ面積の円の直径に換算したときの直径である相当円直径として、平均0.5〜20mm、さらには0.5〜10mm、とくには1〜5mmであることが好ましい。なお、3〜20mmのような相当円直径を有する広い面積の貫通孔を形成した場合には、貫通孔内面の不織布層がより明確に視認されるようになり、貫通孔の存在がより強調されるような斬新な外観を呈させることができる。
また、パーフォレーション皮革様シートの引裂強力としては、貫通孔の開口率や厚み等にもよるが、実用性の観点から5.0kg以上、さらには6.0kg以上であることが好ましい。パーフォレーション皮革様シートが緻密で充実感のある極細長繊維の不織布を備える場合には、10〜30%のような高い開口率で貫通孔を形成した場合にも5.0kg以上の引裂強力を維持することができる。
このようにして得られたパーフォレーション皮革様シートは、意匠性と通気性とを兼ね備えた素材として、車両の座席シート表皮材等に特に好ましく用いられる。
実施例により本発明をさらに具体的に説明する。なお、本発明の範囲は実施例により何ら限定されるものではない。
[実施例1]
〈不織布の製造〉
海成分として水溶性熱可塑性ポリビニルアルコール(PVA)、島成分として変性度6モル%のイソフタル酸変性ポリエチレンテレフタレ−トを用い、口金温度260℃に設定された、海成分中に均一な断面積の島成分が25個分布した断面を形成するノズル孔が並列状に配置された複合紡糸用口金に溶融樹脂を供給し、ノズル孔から吐出させた。このとき、海成分と島成分との質量比が海成分/島成分=25/75となるように圧力調整しながら供給した。
〈不織布の製造〉
海成分として水溶性熱可塑性ポリビニルアルコール(PVA)、島成分として変性度6モル%のイソフタル酸変性ポリエチレンテレフタレ−トを用い、口金温度260℃に設定された、海成分中に均一な断面積の島成分が25個分布した断面を形成するノズル孔が並列状に配置された複合紡糸用口金に溶融樹脂を供給し、ノズル孔から吐出させた。このとき、海成分と島成分との質量比が海成分/島成分=25/75となるように圧力調整しながら供給した。
そして、吐出された溶融繊維を紡糸速度が3700m/分となるように吸引装置で吸引することにより延伸し、繊度が2.1dtexの海島型複合繊維の長繊維を紡糸した。紡糸された海島型複合繊維の長繊維は、可動型のネット上に連続的に堆積され、42℃の金属ロールで軽く押さえ、表面の毛羽立ちを抑えた。そして、海島型複合繊維の長繊維をネットから剥離し、表面温度55℃の格子柄の金属ロールとバックロールとの間を通過させることにより、線圧200N/mmで熱プレスして目付31g/m2の長繊維ウェブを得た。
次に、総目付が約250g/m2になるように長繊維ウェブをクロスラッパー装置を用いて8層に重ね、更に針折れ防止油剤をスプレーした。次いで、針先端から第1バーブまでの距離が3.2mmの6バーブ針を用い、針深度8.3mmにて両面から交互に3300パンチ/cm2でニードルパンチした。このニードルパンチ処理による面積収縮率は68%であり、ニードルパンチ後のウェブ絡合シートの目付は550g/m2であった。
ウェブ絡合シートを巻き取りライン速度10m/分で70℃の熱水中に14秒間浸漬して収縮させた。ついで95℃の熱水中で繰り返しディップニップ処理を実施してPVAを溶解除去することにより、繊度0.1dtexの極細長繊維を25本含む繊度2.5dtexの繊維束が3次元的に交絡した極細長繊維の不織布を作製した。そして、不織布はスライス及びバフィングされることにより厚み1050μmに調整された。このようにして極細長繊維の不織布を得た。得られた極細長繊維の不織布は、見掛け密度0.565g/cm3、目付576g/m2であった。
〈顔料と高分子弾性体と改質剤の含浸付与〉
顔料12g/Lとバインダ2g/Lとマイグレーション防止剤を含む顔料混合液を調製した。そして、極細長繊維の不織布にピックアップ率80%になるように顔料混合液を含浸した後、テンター乾燥機で乾燥した。なお、顔料は、R/Wブラック B 6g/L、R/Wブラウン FFM 4g/L、R/Wイエロー FF8G 2g/Lを配合することにより茶色になるように調色した。また、バインダとしてはアクリル系バインダ(R/W バインダ 5KS)を、マイグレーション防止剤としてはソリドコールNを用いた。
顔料12g/Lとバインダ2g/Lとマイグレーション防止剤を含む顔料混合液を調製した。そして、極細長繊維の不織布にピックアップ率80%になるように顔料混合液を含浸した後、テンター乾燥機で乾燥した。なお、顔料は、R/Wブラック B 6g/L、R/Wブラウン FFM 4g/L、R/Wイエロー FF8G 2g/Lを配合することにより茶色になるように調色した。また、バインダとしてはアクリル系バインダ(R/W バインダ 5KS)を、マイグレーション防止剤としてはソリドコールNを用いた。
次に、ポリウレタン2%owf、難燃性フィラー38%owf、流動パラフィン15%owfを水に分散させて分散液を調製した。そして、上述のように顔料で着色された極細長繊維の不織布に80%のピックアップ率で分散液を含浸させた後、乾燥させることにより改質剤を均質に含浸付与した。その後、収縮加工装置(小松原鉄工(株)製、サンフォライジング機)を用いて、その収縮部のドラム温度120℃、ヒートセット部のドラム温度120℃、搬送速度10m/分で処理してタテ方向(長さ方向)に5.5%収縮させた。着色及び高分子弾性体含浸後の目付は709.2g/m2であり、見掛け密度は0.645g/cm3であった。
なお、ポリウレタンとしては、ソフトセグメントがポリへキシレンカーボネートジオールとポリメチルペンタンジオールの70:30の混合物からなり、ハードセグメントが主として水添メチレンジイソシアネートからなるポリウレタン(融点180〜190℃、損失弾性率のピーク温度−15℃、130℃での熱水膨潤率が35%)の固形分30質量%のエマルジョンを用いた。また、難燃性フィラーとしては、平均粒子径5μmのジアルキルホスフィン酸アルミニウムの分散液(固形分40%)を配合した。
そしてその表面を140℃、4kg/cm2の条件で熱プレス処理(エンボスNo.480)を行うことにより、表面を平滑化した。
〈樹脂層の形成〉
極細長繊維の不織布の表面にベースコート溶液をGemata製STARPLUSを用いて塗布量140g/m2でロールコートすることにより膜厚30μmのベースコートを形成した。なお、ベースコート溶液としては、ポリウレタン溶液(DIC(株)製 LCCバインダUB1770 固形分30質量%、黒色顔料を含む)をフォードカップNo.4 55Sの粘度195cpになるように増粘剤で調整したものを用いた。そして、形成されたベースコート膜の表面にさらにカラーコート溶液をGemata製STARPLUSを用いて塗布量70g/m2でスプレーコートすることにより膜厚14μmのカラーコートを形成した。なお、カラーコート溶液としては、ポリウレタン樹脂(DIC(株)製 LCCバインダUB1770 固形分30%)を岩田カップ(IWATA NK-2 12s)で30cpになるように調整したものを用いた。そして、40〜50℃で2〜4時間空打ち処理を行った。そして、125℃,50kg/cm2のエンボスロールを用いてライン速度7.0m/分で表層にエンボス処理を施した。そしてその表面に、岩田カップ(IWATA NK-2 12s)で30cpに調整したトップコート塗料((株)トウペ製のクリアー塗料)を塗布し、膜厚16μmのトップコートを形成した。このようにして、層厚み60μmの樹脂層を形成した。
極細長繊維の不織布の表面にベースコート溶液をGemata製STARPLUSを用いて塗布量140g/m2でロールコートすることにより膜厚30μmのベースコートを形成した。なお、ベースコート溶液としては、ポリウレタン溶液(DIC(株)製 LCCバインダUB1770 固形分30質量%、黒色顔料を含む)をフォードカップNo.4 55Sの粘度195cpになるように増粘剤で調整したものを用いた。そして、形成されたベースコート膜の表面にさらにカラーコート溶液をGemata製STARPLUSを用いて塗布量70g/m2でスプレーコートすることにより膜厚14μmのカラーコートを形成した。なお、カラーコート溶液としては、ポリウレタン樹脂(DIC(株)製 LCCバインダUB1770 固形分30%)を岩田カップ(IWATA NK-2 12s)で30cpになるように調整したものを用いた。そして、40〜50℃で2〜4時間空打ち処理を行った。そして、125℃,50kg/cm2のエンボスロールを用いてライン速度7.0m/分で表層にエンボス処理を施した。そしてその表面に、岩田カップ(IWATA NK-2 12s)で30cpに調整したトップコート塗料((株)トウペ製のクリアー塗料)を塗布し、膜厚16μmのトップコートを形成した。このようにして、層厚み60μmの樹脂層を形成した。
上述のようにして皮革様シートを得た。得られた皮革様シートは、不織布層の厚み1050μm、樹脂層の厚み60μm、樹脂層/不織布の厚み比率0.06、目付777g/m2、見掛け密度0.762g/cm3であった。
〈パーフォレーション処理〉
得られた皮革様シートに、図1(a)に示すような開口率20%である、均等に複数の貫通孔を形成するための鋭利な刃先を持ったパンチング金型によってパンチング加工を行うことによるパーフォレーション処理を行った。なお、各貫通孔の面積を同じ面積の円の直径に換算したときの直径である相当円直径は平均4mmであった。このようにしてパーフォレーション皮革様シートが得られた。
得られた皮革様シートに、図1(a)に示すような開口率20%である、均等に複数の貫通孔を形成するための鋭利な刃先を持ったパンチング金型によってパンチング加工を行うことによるパーフォレーション処理を行った。なお、各貫通孔の面積を同じ面積の円の直径に換算したときの直径である相当円直径は平均4mmであった。このようにしてパーフォレーション皮革様シートが得られた。
〈パーフォレーション皮革様シートの評価〉
得られたパーフォレーション皮革様シートを以下の評価方法に従って評価した。
得られたパーフォレーション皮革様シートを以下の評価方法に従って評価した。
(意匠性)
A:茶色の不織布層と黒色の樹脂層によるコントラストが、パーフォレーション穴を強調するような意匠を呈した。
B:茶色の不織布層と黒色の樹脂層によるコントラストによるパーフォレーション穴を強調した意匠を呈さなかった。
C:黒色の樹脂層が薄すぎて、不織布層が透けて見えて充分に隠蔽されなかった。
A:茶色の不織布層と黒色の樹脂層によるコントラストが、パーフォレーション穴を強調するような意匠を呈した。
B:茶色の不織布層と黒色の樹脂層によるコントラストによるパーフォレーション穴を強調した意匠を呈さなかった。
C:黒色の樹脂層が薄すぎて、不織布層が透けて見えて充分に隠蔽されなかった。
(引裂強力)
「2000年JIS L 1906 一般長繊維不織布試験方法」に準じて、パーフォレーション皮革様シートの引裂強力を測定した。
「2000年JIS L 1906 一般長繊維不織布試験方法」に準じて、パーフォレーション皮革様シートの引裂強力を測定した。
(堅牢度)
5cm×5cmの大きさに切りだしたパーフォレーション皮革様シートに同サイズの白色のポリウレタン製フィルム(厚み200μm)の表面を重ね合わせたものをサンプルとし、1kg/25cm2の面圧をかけた状態で100℃の乾燥機で4時間加熱した。そして、乾燥機からサンプルを取り出し、常温まで冷却し、取り出したサンプルのポリウレタン製フィルムを剥離した。そして、剥離されたポリウレタンフィルムと白色のポリウレタン製フィルムとを目視で観察し、JISグレースケールを用いて級判定を行なった。
5cm×5cmの大きさに切りだしたパーフォレーション皮革様シートに同サイズの白色のポリウレタン製フィルム(厚み200μm)の表面を重ね合わせたものをサンプルとし、1kg/25cm2の面圧をかけた状態で100℃の乾燥機で4時間加熱した。そして、乾燥機からサンプルを取り出し、常温まで冷却し、取り出したサンプルのポリウレタン製フィルムを剥離した。そして、剥離されたポリウレタンフィルムと白色のポリウレタン製フィルムとを目視で観察し、JISグレースケールを用いて級判定を行なった。
(ソフトネス)
皮革ソフトネス計測装置ST300(英国、MSAエンジニアリングシステム社製)を用いて剛軟度(ソフトネス)を測定した。具体的には、直径25mmの所定のリングを装置の下部ホルダーにセットした後、下部ホルダーにパーフォレーション皮革様シートをセットし、上部レバーを押し下げてロックしたときの数値を読み取った。
皮革ソフトネス計測装置ST300(英国、MSAエンジニアリングシステム社製)を用いて剛軟度(ソフトネス)を測定した。具体的には、直径25mmの所定のリングを装置の下部ホルダーにセットした後、下部ホルダーにパーフォレーション皮革様シートをセットし、上部レバーを押し下げてロックしたときの数値を読み取った。
以上の評価結果を下記表1に示す。
[実施例2]
実施例1の「樹脂層の形成」において60μmの樹脂層を形成した代わりに、下記のように変更することにより24μmの樹脂層を形成した以外は、実施例1と同様にしてパーフォレーション皮革様シートを製造し、評価した。結果を表1に示す。
〈樹脂層の形成〉
極細長繊維の不織布の表面にベースコート溶液をGemata製STARPLUSを用いて塗布量70g/m2でロールコートすることにより膜厚10μmのベースコートを形成した。なお、ベースコート溶液としては、ポリウレタン溶液(DIC(株)製 LCCバインダUB1770 固形分30質量%、黒色顔料を含む)をフォードカップNo.4 55Sの粘度195cpになるように増粘剤で調整したものを用いた。そして、形成されたベースコート膜の表面にさらにカラーコート溶液をGemata製STARPLUSを用いて塗布量35g/m2でスプレーコートすることにより膜厚6μmのカラーコートを形成した。なお、カラーコート溶液としては、ポリウレタン樹脂(DIC(株)製 LCCバインダUB1770 固形分30%)を岩田カップ(IWATA NK-2 12s)で30cpになるように調整したものを用いた。そして、40〜50℃で2〜4時間空打ち処理を行った。そして、125℃,50kg/cm2のエンボスロールを用いてライン速度7.0m/分で表層にエンボス処理を施した。そしてその表面に、岩田カップ(IWATA NK-2 12s)で30cpに調整したトップコート塗料((株)トウペ製のクリアー塗料)を塗布し、膜厚8μmのトップコートを形成した。このようにして、層厚み24μmの樹脂層を形成した。このようにして皮革様シートが得られた。皮革様シートは、目付777g/m2、見掛け密度0.762g/cm3であった。
実施例1の「樹脂層の形成」において60μmの樹脂層を形成した代わりに、下記のように変更することにより24μmの樹脂層を形成した以外は、実施例1と同様にしてパーフォレーション皮革様シートを製造し、評価した。結果を表1に示す。
〈樹脂層の形成〉
極細長繊維の不織布の表面にベースコート溶液をGemata製STARPLUSを用いて塗布量70g/m2でロールコートすることにより膜厚10μmのベースコートを形成した。なお、ベースコート溶液としては、ポリウレタン溶液(DIC(株)製 LCCバインダUB1770 固形分30質量%、黒色顔料を含む)をフォードカップNo.4 55Sの粘度195cpになるように増粘剤で調整したものを用いた。そして、形成されたベースコート膜の表面にさらにカラーコート溶液をGemata製STARPLUSを用いて塗布量35g/m2でスプレーコートすることにより膜厚6μmのカラーコートを形成した。なお、カラーコート溶液としては、ポリウレタン樹脂(DIC(株)製 LCCバインダUB1770 固形分30%)を岩田カップ(IWATA NK-2 12s)で30cpになるように調整したものを用いた。そして、40〜50℃で2〜4時間空打ち処理を行った。そして、125℃,50kg/cm2のエンボスロールを用いてライン速度7.0m/分で表層にエンボス処理を施した。そしてその表面に、岩田カップ(IWATA NK-2 12s)で30cpに調整したトップコート塗料((株)トウペ製のクリアー塗料)を塗布し、膜厚8μmのトップコートを形成した。このようにして、層厚み24μmの樹脂層を形成した。このようにして皮革様シートが得られた。皮革様シートは、目付777g/m2、見掛け密度0.762g/cm3であった。
[実施例3]
実施例1の「樹脂層の形成」において60μmの樹脂層を形成した代わりに、下記のように変更することにより200μmの樹脂層を形成した以外は、実施例1と同様にしてパーフォレーション皮革様シートを製造し、評価した。結果を表1に示す。
〈樹脂層の形成〉
極細長繊維の不織布の表面にベースコート溶液をGemata製STARPLUSを用いて塗布量140g/m2で3回ロールコートして塗布することにより、膜厚100μmのベースコートを形成した。なお、ベースコート溶液としては、ポリウレタン溶液(DIC(株)製 LCCバインダUB1770 固形分30質量%、黒色顔料を含む)をフォードカップNo.4 55Sの粘度195cpになるように増粘剤で調整したものを用いた。そして、形成されたベースコート膜の表面にさらにカラーコート溶液をGemata製STARPLUSを用いて塗布量70g/m2で3回スプレーコートすることにより膜厚32μmのカラーコートを形成した。なお、カラーコート溶液としては、ポリウレタン樹脂(DIC(株)製 LCCバインダUB1770 固形分30%)を岩田カップ(IWATA NK-2 12s)で30cpになるように調整したものを用いた。そして、40〜50℃で2〜4時間空打ち処理を行った。そして、125℃,50kg/cm2のエンボスロールを用いてライン速度7.0m/分で表層にエンボス処理を施した。そしてその表面に、岩田カップ(IWATA NK-2 12s)で30cpに調整したトップコート塗料((株)トウペ製のクリアー塗料)を塗布し、膜厚70μmのトップコートを形成した。このようにして、層厚み200μmの樹脂層を形成した。このようにして皮革様シートが得られた。皮革様シートは、目付850g/m2、見掛け密度0.785g/cm3であった。
実施例1の「樹脂層の形成」において60μmの樹脂層を形成した代わりに、下記のように変更することにより200μmの樹脂層を形成した以外は、実施例1と同様にしてパーフォレーション皮革様シートを製造し、評価した。結果を表1に示す。
〈樹脂層の形成〉
極細長繊維の不織布の表面にベースコート溶液をGemata製STARPLUSを用いて塗布量140g/m2で3回ロールコートして塗布することにより、膜厚100μmのベースコートを形成した。なお、ベースコート溶液としては、ポリウレタン溶液(DIC(株)製 LCCバインダUB1770 固形分30質量%、黒色顔料を含む)をフォードカップNo.4 55Sの粘度195cpになるように増粘剤で調整したものを用いた。そして、形成されたベースコート膜の表面にさらにカラーコート溶液をGemata製STARPLUSを用いて塗布量70g/m2で3回スプレーコートすることにより膜厚32μmのカラーコートを形成した。なお、カラーコート溶液としては、ポリウレタン樹脂(DIC(株)製 LCCバインダUB1770 固形分30%)を岩田カップ(IWATA NK-2 12s)で30cpになるように調整したものを用いた。そして、40〜50℃で2〜4時間空打ち処理を行った。そして、125℃,50kg/cm2のエンボスロールを用いてライン速度7.0m/分で表層にエンボス処理を施した。そしてその表面に、岩田カップ(IWATA NK-2 12s)で30cpに調整したトップコート塗料((株)トウペ製のクリアー塗料)を塗布し、膜厚70μmのトップコートを形成した。このようにして、層厚み200μmの樹脂層を形成した。このようにして皮革様シートが得られた。皮革様シートは、目付850g/m2、見掛け密度0.785g/cm3であった。
[実施例4]
実施例1の「パーフォレーション加工」において、図1(a)に示すような開口率20%の複数の貫通孔を形成する代わりに、図2(a)に示すような開口率3%の複数の貫通孔を形成した以外は、実施例1と同様にしてパーフォレーション皮革様シートを製造し、評価した。なお、各貫通孔の面積を同じ面積の円の直径に換算したときの直径である相当円直径は平均1mmであった。結果を表1に示す。
実施例1の「パーフォレーション加工」において、図1(a)に示すような開口率20%の複数の貫通孔を形成する代わりに、図2(a)に示すような開口率3%の複数の貫通孔を形成した以外は、実施例1と同様にしてパーフォレーション皮革様シートを製造し、評価した。なお、各貫通孔の面積を同じ面積の円の直径に換算したときの直径である相当円直径は平均1mmであった。結果を表1に示す。
[実施例5]
実施例3の「パーフォレーション加工」において開口率20%になるように貫通孔を形成する代わりに、図2(a)に示すような開口率3%になるように貫通孔を形成した以外は、実施例3と同様にしてパーフォレーション皮革様シートを製造し、評価した。結果を表1に示す。
実施例3の「パーフォレーション加工」において開口率20%になるように貫通孔を形成する代わりに、図2(a)に示すような開口率3%になるように貫通孔を形成した以外は、実施例3と同様にしてパーフォレーション皮革様シートを製造し、評価した。結果を表1に示す。
[実施例6]
実施例1の「不織布の製造」において見掛け密度0.565g/cm3である、繊度0.1dtexの極細長繊維の不織布を製造した代わりに、見掛け密度0.450g/cm3である、繊度0.4dtexの極細長繊維の不織布を製造した以外は、実施例1と同様にしてパーフォレーション皮革様シートを製造し、評価した。結果を表1に示す。
実施例1の「不織布の製造」において見掛け密度0.565g/cm3である、繊度0.1dtexの極細長繊維の不織布を製造した代わりに、見掛け密度0.450g/cm3である、繊度0.4dtexの極細長繊維の不織布を製造した以外は、実施例1と同様にしてパーフォレーション皮革様シートを製造し、評価した。結果を表1に示す。
[実施例7]
実施例1の「不織布の製造」において顔料で着色した極細長繊維の不織布を製造した代わりに、未着色の極細長繊維の不織布を、80℃の熱水中に20分間湯通しして熱水になじませると共に生地をリラックスさせた後、高圧液流染色機((株)日阪製作所のサーキュラー染色機)で分散染料を用いて茶色に染色した以外は同様にして極細長繊維の不織布を製造した。このようにして得られた染色された極細長繊維の不織布を用いた以外は、実施例1と同様にしてパーフォレーション皮革様シートを製造し、評価した。結果を表1に示す。
実施例1の「不織布の製造」において顔料で着色した極細長繊維の不織布を製造した代わりに、未着色の極細長繊維の不織布を、80℃の熱水中に20分間湯通しして熱水になじませると共に生地をリラックスさせた後、高圧液流染色機((株)日阪製作所のサーキュラー染色機)で分散染料を用いて茶色に染色した以外は同様にして極細長繊維の不織布を製造した。このようにして得られた染色された極細長繊維の不織布を用いた以外は、実施例1と同様にしてパーフォレーション皮革様シートを製造し、評価した。結果を表1に示す。
[比較例1]
実施例1の「樹脂層の形成」において60μmの樹脂層を形成した代わりに、下記のように変更することにより300μmの樹脂層を形成した以外は、実施例1と同様にしてパーフォレーション皮革様シートを製造し、評価した。結果を表1に示す。
〈樹脂層の形成〉
離型紙(R−8、リンテック(株)製)上にコンマコーターを用いて厚みが150μmになるようにポリウレタン樹脂の樹脂膜を形成した。次に、得られたポリウレタン樹脂の樹脂膜の表面にウレタンポリイソシアネートプレポリマー100質量部に対して、硬化剤として100℃に加熱溶融したウレタンポリオールプレポリマーを20質量部を配合した樹脂組成物を積層した後、130℃で2分間熱処理することによりポリウレタンの接着層を形成した。そして、接着層が粘調性を有する状態で、極細長繊維の不織布の表面と貼り合せて、樹脂層の厚みが300μmとなるようマングルにて圧締した後、室温まで冷却し3日間放置した。そして、離型紙を剥離することにより、厚み300μmの樹脂層を有する皮革様シートが得られた。
実施例1の「樹脂層の形成」において60μmの樹脂層を形成した代わりに、下記のように変更することにより300μmの樹脂層を形成した以外は、実施例1と同様にしてパーフォレーション皮革様シートを製造し、評価した。結果を表1に示す。
〈樹脂層の形成〉
離型紙(R−8、リンテック(株)製)上にコンマコーターを用いて厚みが150μmになるようにポリウレタン樹脂の樹脂膜を形成した。次に、得られたポリウレタン樹脂の樹脂膜の表面にウレタンポリイソシアネートプレポリマー100質量部に対して、硬化剤として100℃に加熱溶融したウレタンポリオールプレポリマーを20質量部を配合した樹脂組成物を積層した後、130℃で2分間熱処理することによりポリウレタンの接着層を形成した。そして、接着層が粘調性を有する状態で、極細長繊維の不織布の表面と貼り合せて、樹脂層の厚みが300μmとなるようマングルにて圧締した後、室温まで冷却し3日間放置した。そして、離型紙を剥離することにより、厚み300μmの樹脂層を有する皮革様シートが得られた。
[比較例2]
実施例1の「不織布の製造」において、極細長繊維の不織布を製造した代わりに、繊度2dtexのPET繊維の長繊維から形成された、厚さ1050μm、見掛け密度0.25g/cm3のレギュラー繊維の不織布を製造した。
そして、実施例1において、極細長繊維の不織布の代わりにレギュラー繊維の不織布を用いた以外は実施例1と同様にしてパーフォレーション皮革様シートを製造し、評価した。結果を表1に示す。
実施例1の「不織布の製造」において、極細長繊維の不織布を製造した代わりに、繊度2dtexのPET繊維の長繊維から形成された、厚さ1050μm、見掛け密度0.25g/cm3のレギュラー繊維の不織布を製造した。
そして、実施例1において、極細長繊維の不織布の代わりにレギュラー繊維の不織布を用いた以外は実施例1と同様にしてパーフォレーション皮革様シートを製造し、評価した。結果を表1に示す。
[比較例3]
実施例1の「樹脂層の形成」において60μmの樹脂層を形成した代わりに、下記のように変更することにより10μmの樹脂層を形成した以外は、実施例1と同様にしてパーフォレーション皮革様シートを製造し、評価した。結果を表1に示す。
〈樹脂層の形成〉
極細長繊維の不織布の表面にベースコート溶液をGemata製STARPLUSを用いて塗布量40g/m2でロールコートすることにより膜厚5μmのベースコートを形成した。なお、ベースコート溶液としては、ポリウレタン溶液(DIC(株)製 LCCバインダUB1770 固形分30質量%、黒色顔料を含む)をフォードカップNo.4 55Sの粘度195cpになるように増粘剤で調整したものを用いた。そして、形成されたベースコート膜の表面にさらにカラーコート溶液をGemata製STARPLUSを用いて塗布量35g/m2でスプレーコートすることにより膜厚4μmのカラーコートを形成した。なお、カラーコート溶液としては、ポリウレタン樹脂(DIC(株)製 LCCバインダUB1770 固形分30%)を岩田カップ(IWATA NK-2 12s)で30cpになるように調整したものを用いた。そして、40〜50℃で2〜4時間空打ち処理を行った。そして、125℃,50kg/cm2のエンボスロールを用いてライン速度7.0m/分で表層にエンボス処理を施した。そしてその表面に、岩田カップ(IWATA NK-2 12s)で30cpに調整したトップコート塗料((株)トウペ製のクリアー塗料)を塗布し、膜厚4μmのトップコートを形成した。このようにして、層厚み10μmの樹脂層を形成した。このようにして皮革様シートが得られた。皮革様シートは、目付750g/m2、見掛け密度0.755g/cm3であった。
実施例1の「樹脂層の形成」において60μmの樹脂層を形成した代わりに、下記のように変更することにより10μmの樹脂層を形成した以外は、実施例1と同様にしてパーフォレーション皮革様シートを製造し、評価した。結果を表1に示す。
〈樹脂層の形成〉
極細長繊維の不織布の表面にベースコート溶液をGemata製STARPLUSを用いて塗布量40g/m2でロールコートすることにより膜厚5μmのベースコートを形成した。なお、ベースコート溶液としては、ポリウレタン溶液(DIC(株)製 LCCバインダUB1770 固形分30質量%、黒色顔料を含む)をフォードカップNo.4 55Sの粘度195cpになるように増粘剤で調整したものを用いた。そして、形成されたベースコート膜の表面にさらにカラーコート溶液をGemata製STARPLUSを用いて塗布量35g/m2でスプレーコートすることにより膜厚4μmのカラーコートを形成した。なお、カラーコート溶液としては、ポリウレタン樹脂(DIC(株)製 LCCバインダUB1770 固形分30%)を岩田カップ(IWATA NK-2 12s)で30cpになるように調整したものを用いた。そして、40〜50℃で2〜4時間空打ち処理を行った。そして、125℃,50kg/cm2のエンボスロールを用いてライン速度7.0m/分で表層にエンボス処理を施した。そしてその表面に、岩田カップ(IWATA NK-2 12s)で30cpに調整したトップコート塗料((株)トウペ製のクリアー塗料)を塗布し、膜厚4μmのトップコートを形成した。このようにして、層厚み10μmの樹脂層を形成した。このようにして皮革様シートが得られた。皮革様シートは、目付750g/m2、見掛け密度0.755g/cm3であった。
[比較例4]
実施例1の「不織布の製造」において顔料で着色した極細長繊維の不織布を製造した代わりに、顔料で着色した極細繊維の繊維長50mmの短繊維の不織布を製造した以外は、実施例1と同様にしてパーフォレーション皮革様シートを製造し、評価した。結果を表1に示す。
実施例1の「不織布の製造」において顔料で着色した極細長繊維の不織布を製造した代わりに、顔料で着色した極細繊維の繊維長50mmの短繊維の不織布を製造した以外は、実施例1と同様にしてパーフォレーション皮革様シートを製造し、評価した。結果を表1に示す。
本発明に係る、繊度1dtex以下の長繊維から形成された不織布と、不織布の表面に積層された樹脂層とを備え、樹脂層と不織布との厚み比率が0.2以下である皮革用シート用いて製造された実施例1〜7のパーフォレーション皮革様シートは、いずれも茶色の不織布層と黒色の樹脂層によるコントラストが、パーフォレーション穴を強調するような意匠を呈した。また、しなやかさの指標であるソフトネスと高い引裂強度とのバランスにも優れていた。一方、樹脂層の厚みが厚く、樹脂層と不織布との厚み比率が0.29である比較例1のパーフォレーション皮革様シートは、茶色の不織布層と黒色の樹脂層によるコントラストによるパーフォレーション穴を強調した意匠を呈さなかった。また、樹脂層の厚みが厚いためにソフトネスが低下した。また、繊度2dtexの長繊維から形成された不織布を用いた比較例2のパーフォレーション皮革様シートは、引裂強度が高すぎる反面、ソフトネスが低下した。また、一方、樹脂層の厚みが薄すぎる比較例3のパーフォレーション皮革様シートは、不織布層が透けて見えて充分に隠蔽されなかった。また、短繊維から形成された不織布を用いた比較例4のパーフォレーション皮革様シートは引裂強度が低すぎた。
本発明で得られるパーフォレーション皮革様シートは、車両の内装や、各種インテリア、スニーカー、衣料、各種雑貨製品の表面意匠性素材として好ましく用いられる。
1 不織布
2 樹脂層
10 パーフォレーション皮革様シート
P 貫通孔
2 樹脂層
10 パーフォレーション皮革様シート
P 貫通孔
Claims (5)
- 複数の貫通孔が形成されたパーフォレーション皮革様シートであって、
繊度1dtex以下の長繊維から形成された不織布と、前記不織布の表面に積層された厚さ20〜200μmの樹脂層とを備え、
前記樹脂層と前記不織布との厚み比率(前記樹脂層/前記不織布)が0.2以下であることを特徴とするパーフォレーション皮革様シート。 - 前記不織布は顔料で着色されている請求項1に記載のパーフォレーション皮革様シート。
- 上面視したときの前記貫通孔が形成された領域の占める面積の割合(開口率)が10〜30%である請求項1または2に記載のパーフォレーション皮革様シート。
- 上面視したときの複数の前記各貫通孔の面積を同じ面積の円の直径に換算したときの直径である相当円直径が平均0.5〜20mmである請求項1〜3の何れか1項に記載のパーフォレーション皮革様シート。
- 前記貫通孔を除いた部分の前記不織布の見掛け密度が、0.55g/cm3以上である請求項1〜4の何れか1項に記載のパーフォレーション皮革様シート。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2013164386A JP2015034355A (ja) | 2013-08-07 | 2013-08-07 | パーフォレーション皮革様シート |
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Cited By (3)
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JP2016198907A (ja) * | 2015-04-08 | 2016-12-01 | 平岡織染株式会社 | 吸音不燃シート |
WO2020262602A1 (ja) * | 2019-06-28 | 2020-12-30 | Spiber株式会社 | 合成皮革及びその製造方法、並びに合成皮革用接着剤 |
JP2021041575A (ja) * | 2019-09-10 | 2021-03-18 | 共和レザー株式会社 | 表皮材及び表皮材の製造方法 |
-
2013
- 2013-08-07 JP JP2013164386A patent/JP2015034355A/ja active Pending
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