JP5735266B2 - 経編地及びその製造方法 - Google Patents

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本発明は、スポーツ衣料分野や肌着分野において用いられる、経方向と緯方向の伸縮バランスに優れた経編地及びその製造方法に関する。
弾性糸と非弾性糸とで構成される経編地は、ストレッチ性に優れることから、スポーツ衣料や各種下着用肌着に広く用いられており、特に昨今ではスポーツ用インナーに用いられている。特に、ハーフ組織の経編地は、表面の外観がプレーンであることから、スポーツ用インナーの用途で多用されている(特許文献1)。しかしながら、従来ハーフ組織の経編地は、経方向の伸長率が緯方向の伸長率に比べ大幅に低く、ハーフ組織の経編地をそのままスポーツ用インナー等の衣料にしたときには、着用時のフィット感を満足させるものではなかった。
一方、経方向と緯方向の伸縮バランスに優れた経編地として、アトラス組織の経編地が知られている(特許文献2、3)。しかしながら、アトラス組織の経編地は、編地外観がボーダー状になり、また風合いが硬いことから、限られた衣料にのみ用いられ、使用上の制限がある。
特開昭64−20302号公報 特開2003−129361号公報 特開2007−131956号公報
本発明の目的は、各種スポーツ衣料分野や肌着分野に好適な、経方向と緯方向の伸縮バランスに優れたストレッチ性と、プレーンな表面の外観を有する経編地を提供することにある。
本発明の第1の発明の要旨は、非弾性糸からなるフロント部とポリウレタン弾性糸からなるバック部を有するハーフ組織の経編地であって、下記要件(1)〜(7)を満足を満足する経編地にある。
(1)1.3≦C/W≦1.6
(但し、Cは経編地の緯密度(コース/インチ)、Wは経編地の経密度(ウェル/インチ)を示す。)
(2)経編地における非弾性糸の含有率が70〜90質量%、ポリウレタン弾性糸の含有率が30〜10質量%
(3)経方向の定荷重時伸び率(A率)と緯方向の定荷重時伸び率(A率)が共に170〜250%
(4)経方向のA率と緯方向のA率との差(E値)が50以下
(5)経方向の伸長回復率(B率)と緯方向の伸長回復率(B率)が共に80%以上
(6)経方向の伸長力(S値)が90〜170cN
(7)緯方向の伸長力(S値)が40〜90cN
また、本発明の第2の発明の要旨は、フロント部に非弾性糸を用い、バック部にポリウレタン弾性糸を用い、下記条件(a)にてハーフ組織に編成した経編地を、下記条件(b)を満足するようにヒートセットすることを特徴とする経編地の製造方法にある。
(a)1.7≦C/G≦2.1
(但し、Cは経編機の機上コース(コース/インチ)、Gは経編機のゲージ(ウェル/インチ)を示す。)
(b)2.5≦W/G≦2.75
(但し、Wは経編地の経密度(ウェル/インチ)を示す。)
本発明の経編地は、ハーフ組織の経編地でありながら経方向と緯方向の伸縮バランスに優れたストレッチ性と、ハーフ組織によるプレーンな表面の外観を有し、さらに非弾性糸にカチオン染料可染性糸を用いるときには、発色性と染色堅牢度にも優れたものとなることから、本発明によれば、各種スポーツ衣料分野や肌着分野に好適な経緯の伸縮バランスに優れたストレッチ性のある色彩性に富んだ経編地を提供することができ、またかかる経編地を生産性よく、安定に得ることができる。
本発明における伸長力(S値)の測定のための荷重−伸び曲線である。
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
〈非弾性糸からなるフロント部とポリウレタン弾性糸からなるバック部を有するハーフ組織の経編地 〉
本発明の経編地は、フロント部とバック部を有するハーフ組織の経編地であり、フロント部は非弾性糸で構成され、バック部はポリウレタン弾性糸で構成される。
本発明におけるポリウレタン弾性糸は、ポリエステル系ウレタン弾性糸、ポリエーテル系ウレタン弾性糸等であり、これらの種類や製法を特に限定するものではない。ポリウレタン弾性糸は、伸長性が極めて高く、小さな力で伸長するため、身体の動きに違和感なく追随し、優れたボディフィット性を与える。
本発明における非弾性糸としては、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、ポリプロピレン繊維、アクリル繊維等の合成繊維フィラメント糸、レーヨン、アセテート繊維等の再生、半合成繊維フィラメント糸が挙げられる。
また、ポリウレタン弾性糸が含まれる経編地を染色することを考慮するならば、経編地は常圧染色が可能で、しかも染色物は発色性、染色堅牢度に優れていることが必要である。かかる観点から、ポリウレタン弾性糸と共に用いられる非弾性糸としては、カチオン染料可染性フィラメント糸であることが好ましく、より好ましくは、カチオン染料可染性ポリエステルフィラメント糸、特に、5−ナトリウムスルホイソフタル酸1.5〜2.5モル%、アジピン酸3〜10モル%共重合のポリエチレンテレフタレートからなるカチオン染料可染性ポリエステルフィラメント糸である。
5−ナトリウムスルホイソフタル酸1.5〜2.5モル%、アジピン酸3〜10モル%共重合のポリエチレンテレフタレートからなるカチオン染料可染性ポリエステルフィラメント糸は、カチオン染料による染色での鮮明な発色性に優れ、染色堅牢度も高く、また、ヤング率が85cN/dtex以下であり、経編地の風合いがソフトになり、かかるカチオン染料可染性ポリエステルフィラメント糸を非弾性糸として含む経編地をスポーツ衣料や肌着にしたときに、快適な着用感が得られ易くなる。また非弾性糸として用いるフィラメント糸の単繊維繊度が1dtex以下であると、経編地の風合いがさらにソフトになり、より快適な着用感が得られ易くなる。
〈(1)1.3≦C/W≦1.6、(2)経編地における非弾性糸の含有率が70〜90質量%、ポリウレタン弾性糸の含有率が30〜10質量% 〉
本発明の経編地は、要件(1)1.3≦C/W≦1.6(但し、Cは経編地の緯密度(コース/インチ)、Wは経編地の経密度(ウェル/インチ)を示す。)、及び要件(2)経編地における非弾性糸の含有率が70〜90質量%、ポリウレタン弾性糸の含有率が30〜10質量%、を満足することが必要である。
C/Wを1.3〜1.6の範囲内にすることにより、経方向と緯方向の伸縮バランスを良好にすることができる。また、経編地における非弾性糸の含有率を70〜90質量%、ポリウレタン弾性糸の含有率を30〜10質量%にすることにより、経編地の編組織と相俟って経編地に良好な伸縮性を付与する。
また、本発明の経編地は、要件(1)、要件(2)に加え、さらに要件(3)経方向の定荷重時伸び率(A率)と緯方向の定荷重時伸び率(A率)が共に170〜250%、要件(4)経方向のA率と緯方向のA率との差(E値)が50以下、要件(5)経方向の伸長回復率(B率)と緯方向の伸長回復率(B率)が共に80%以上、要件(6)経方向の伸長力(S値)が90〜170cN、及び要件(7)緯方向の伸長力(S値)が40〜90cN、を満足することが望ましい。
〈(3)経方向の定荷重時伸び率(A率)と緯方向の定荷重時伸び率(A率)が共に170〜250% 〉
経方向のA率と緯方向のA率が共に170%以上、好ましくは180%であることにより、衣料等にしてそれらを着用して運動するときに過度の締め付けがなくなる。また、経方向のA率と緯方向のA率が共に250%以下であることにより、衣料等を着用したときに適度な締め付けが得られる。
〈(4)経方向のA率と緯方向のA率との差(E値)が50以下 〉
本発明の経編地において、E値が50以下であることは、経方向と緯方向の伸縮バランスが良好であることを現し、スポーツ用インナー等の衣料にしたときに、着用時のボディフィット感が良好になる。
〈(5)経方向の伸長回復率(B率)と緯方向の伸長回復率(B率)が共に80%以上〉
経方向のB率と緯方向のB率が共に80%以上であることにより、経編地が伸びて戻らないという状態が生じ難くなり、衣料等にしたときに、着用時のボディフィット感が低下し難くなる。
〈(6)経方向の伸長力(S値)が90〜170cN〉
本発明の経編地において、経方向のS値が90cN以上であることにより、衣料等にしてそれらを着用して運動するときに適度な締め付けが得られる。また、経方向のS値が170cN以下であることにより、衣料等を着用したときに身体への過度の締め付けがなくなる。
〈(7)緯方向の伸長力(S値)が40〜90cN〉
また、本発明の経編地において、緯方向のS値が40cN以上であることにより、衣料等にしてそれらを着用して運動するときに適度な締め付けが得られる。また、緯方向のS値が90cN以下であることにより、衣料等を着用したときに身体への過度の締め付けがなくなる。
〈本発明の経編地の製造方法〉
本発明の経編地を製造するに際しては、前記のような非弾性糸をフロント部に用い、また前記のようなポリウレタン弾性糸をバック部に用い、下記の条件(a)にてハーフ組織に編成した経編地を、下記の条件(b)を満足するようにヒートセットすることを特徴とするものである。
(a)1.7≦C/G≦2.1
(但し、Cは経編機の機上コース(コース/インチ)、Gは経編機のゲージ(ウェル/インチ)を示す。)
(b)2.5≦W/G≦2.75
(但し、Wは経編地の経密度(ウェル/インチ)を示す。)
本発明の経編地の編成における経編機のゲージGは、特に限定するものではないが、経編地の厚み及び風合いを各種スポーツ衣料や肌着に適したものとするため、20〜40ゲージ(ウェル/インチ)の範囲内とすることが好ましい。また、本発明の経編地を製造する際の経編機の機上コースCも、同様の理由から、40〜80コース/インチの範囲内とすることが好ましい。
本発明の経編地を製造する際には、経編機でハーフ組織に編成された経編地を、好ましくは常法により染色された状態の経編地を、W/Gが2.5〜2.75の範囲内になるようにして、ヒートセットする。経編地の染色においては、非弾性糸及びポリウレタン弾性糸のうち、特に非弾性糸がフロント部に配されていることから、非弾性糸の染色性に応じた染色方法が好ましく用いられる。非弾性糸がカチオン染料可染性糸、特に好ましく用いられる、5−ナトリウムスルホイソフタル酸1.5〜2.5モル%、アジピン酸3〜10モル%共重合のポリエチレンテレフタレートからなるカチオン染料可染性ポリエステルフィラメント糸であるときには、カチオン染料を用い常圧染色が採用され、染色堅牢度の高い染色経編地を得ることができる。
ヒートセットでは、ヒートセット条件が経編地のストレッチ性と寸法安定性を大きく左右するため、経編地の巾と温度とを厳密に管理可能な熱処理装置を用いることが好ましい。ヒートセットに用いる好ましい熱処理装置としては、ピンテンターが挙げられる。ヒートセット温度は、用いる非弾性糸によって変わり、特に限定するものではないが、例えば、非弾性糸が5−ナトリウムスルホイソフタル酸1.5〜2.5モル%、アジピン酸3〜10モル%共重合のポリエチレンテレフタレートからなるカチオン染料可染性ポリエステルフィラメント糸であるときには、140〜180℃とすることが好ましく、またヒートセット時間は、30秒以上とし、生産性を考慮すれば90秒以下とすることが好ましく、かかるヒートセット条件であれば、融着を生じることなく、均一に経編地をヒートセットすることができる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。なお、本発明及び実施例でのストレッチ特性を表す、定荷重時伸び率(A率)、伸長回復率(B率)、伸長力(S値)は、次の方法によって測定した。また、風合いや着用感の評価は、ハンドリングによって行った。
〈定荷重時伸び率(A率)〉
(1)経編地より2.5cm×16.0cmの試験片を2枚採取した。
(2)試験片を上部つかみ部2.5cm、下部つかみ部3.5cm、つかみ間隔10.0cmとして定速伸長引張試験機に取り付けた。
(3)30cm±2cm/分の速度で、22.1cNの荷重を試験片にかけ、その荷重がかかったときの長さL(cm)を計測した。
(4)次式によって定荷重時伸び率(A率)を求めた。
A率(%)=[(L−10.0)/10.0]×100
(5)上記の定荷重時伸び率(A率)の測定を、2枚目の試験片でも行い、2個の測定値から相加平均値を算出し、小数点以下一桁を四捨五入してA率として示した。
〈伸長回復率(B率)〉
(1)経編地より2.5cm×16.0cmの試験片を2枚採取した。
(2)試験片を上部つかみ部2.5cm、下部つかみ部3.5cm、つかみ間隔10.0cmとして定速伸長引張試験機に取り付けた。
(3)30cm±2cm/分の速度で、試験片を80%伸長まで引き伸ばした(そのときの長さLは8.0cm)後、同じ速度で元の位置まで戻し、図1に示すような荷重−伸び曲線を描いた。
(4)この荷重−伸び曲線より、残留伸びLを計測した。
(5)次式によって伸長回復率(B率)を求めた。
B率(%)=[(8.0−L)/8.0]×100
(6)上記の伸長回復率(B率)の測定を、2枚目の試験片でも行い、2個の測定値から相加平均値を算出し、小数点以下一桁を四捨五入してB率として示した。
〈伸長力(S値)〉
(1)経編地より2.5cm×16.0cmの試験片を2枚採取した。
(2)試験片を上部つかみ部2.5cm、下部つかみ部3.5cm、つかみ間隔10.0cmとして定速伸長引張試験機に取り付けた。
(3)30cm±2cm/分の速度で、試験片を80%伸長まで引き伸ばした後、同じ速度で元の位置まで戻し、図1に示すような荷重−伸び曲線を描いた。
(4)(3)の伸長−回復をその後2回繰り返し、同様に荷重−伸び曲線を描いた。
(5)1回目の荷重−伸び曲線と3回目の荷重−伸び曲線において、50%伸長時の荷重(=伸長力(S値(cN)))を測定した。
(6)上記50%伸長時の伸長力(S値)の測定を、2枚目の試験片でも行い、2個の測定値から相加平均値を算出し、小数点以下一桁を四捨五入してS値として示した。
(実施例1)
非弾性糸として、5−ナトリウムスルホイソフタル酸2.25モル%、アジピン酸5モル%共重合のポリエチレンテレフタレートからなるカチオン染料可染性ポリエステルフィラメント糸(三菱レイヨン・テキスタイル社製、ブライト33dtex/36フィラメント(f)、ヤング率70cN/dtex)を用い、弾性糸として、ポリエーテル系ウレタン弾性糸(旭化成せんい社製、22dtex)を用い、カチオン染料可染性ポリエステルフィラメント糸をフロント部に配し、ポリエーテル系ウレタン弾性糸をバック部に配し、経編機(カールマイヤー社製、ゲージG:32)を用いて、フロント10/23、バック12/10のハーフ組織にて経編地に編成した。この時の経編機の機上コースC0は65コース/インチで、得られた生機でのカチオン染料可染性ポリエステルフィラメント糸の含有率が84質量%、ポリエーテル系ウレタン弾性糸の含有率が16質量%であった。得られた生機を、常法により、精練し、カチオン染料を用い染色温度105℃で染色した後、ピンテンターを用い、仕上げ反の経密度Wが87ウェル/インチになるように、170℃で60秒ヒートセットした。この仕上げ反の緯密度Cは123コース/インチであった。
得られた経編地は、上記経密度W、緯密度Cが表1に示すとおりで、目付202g/mであり、得られた経編地のストレッチ特性を表1に示した。得られた経編地は、昇華堅牢度、洗濯堅牢度共に汚染、変退色が5級で染色堅牢度には全く問題がなく、経方向のA率と緯方向のA率の差(E値)が38と少なく、経緯の伸縮バランスに優れた伸縮性を有し、薄くて軽く、快適な着用感と身体の動きに違和感なく追随するボディフィット性に優れたものであり、各種スポーツ衣料、肌着用の素材として好適なるものであった。なお、表1中の非弾性糸、弾性糸の含有率の%は質量%を意味する。
(実施例2)
実施例1で得た生機を、カチオン染料を用い染色した後、仕上げ反の経密度Wが80ウェル/インチになるようにセット幅を設定し、W/Gを2.50(80/32)にした以外は、実施例1と同様にヒートセットした。得られた経編地は、経密度Wが80ウェル/インチ、緯密度Cが121コース/インチ、目付185g/mで、得られた経編地のストレッチ特性を表1に示した。得られた経編地は、染色堅牢度には全く問題がなく、E値が31で、経緯の伸縮バランスに優れた伸縮性を有し、薄くて軽く、快適な着用感と身体の動きに違和感なく追随するボディフィット性に優れたものであった。
(実施例3)
非弾性糸として、5−ナトリウムスルホイソフタル酸2.25モル%、アジピン酸5モル%共重合のポリエチレンテレフタレートからなるカチオン染料可染性ポリエステルフィラメント糸(三菱レイヨン・テキスタイル社製、ブライト56dtex/48f、ヤング率70cN/dtex)を用い、弾性糸として、ポリエーテル系ウレタン弾性糸(旭化成せんい社製、44dtex)を用い、カチオン染料可染性ポリエステルフィラメント糸をフロント部に配し、ポリエーテル系ウレタン弾性糸をバック部に配し、経編機(カールマイヤー社製、ゲージG:28)を用いて、フロント10/23、バック12/10のハーフ組織にて経編地に編成した。この時の経編機の機上コースC0は50コース/インチで、得られた生機でのカチオン染料可染性ポリエステルフィラメント糸の含有率は84質量%、ポリエーテル系ウレタン弾性糸の含有率は16質量%であった。得られた生機を、常法により、精練し、カチオン染料を用い染色温度105℃で染色した後、ピンテンターを用い、仕上げ反の経密度Wが76ウェル/インチになるように、170℃で60秒ヒートセットした。この仕上げ反の緯密度Cは104コース/インチであった。
得られた経編地は、上記経密度W、緯密度Cが表1に示すとおりで、目付283g/mで、昇華堅牢度、洗濯堅牢度共に汚染、変退色が5級で染色堅牢度には全く問題がなかった。得られた経編地のストレッチ特性を表1に示した。得られた経編地は、W/Gが2.71(76/28)で、E値が40%と少なく、経緯の伸縮バランスに優れた伸縮性を有し、薄くて軽く、快適な着用感と身体の動きに違和感なく追随するボディフィット性に優れたものであり、各種スポーツ衣料、肌着用素材として好適なるものであった。
(比較例1)
実施例1で得た生機を、カチオン染料を用い染色した後、仕上げ反の経密度Wが74ウェル/インチになるようにセット幅を設定し、W/Gを2.31(74/32)にした以外は、実施例1と同様にヒートセットした。得られた経編地は、経密度Wが74ウェル/インチ、緯密度Cが125コース/インチ、目付164g/mで、得られた経編地のストレッチ特性を表1に示した。得られた経編地は、染色堅牢度には問題がないが、W/Gが2.31と低く、C/Wが1.69と高く、E値が92と大きく、経緯の伸縮バランスの劣るものであり、ボディフィット性に欠けていた。
(比較例2)
実施例1で用いたと同じ非弾性糸と弾性糸を用い、経編機(カールマイヤー社製、ゲージG:32)を用いて、フロント10/12/23/21、バック23/21/10/12のアトラス組織にて経編地に編成した。この時の経編機の機上コースC0は110コース/インチで、得られた生機での非弾性糸の含有率は78質量%、弾性糸の含有率は22質量%であった。得られた生機を、常法により、精練し、カチオン染料を用い染色温度105℃で染色した後、ピンテンターを用い、170℃で60秒ヒートセットして、経密度Wが66ウェル/インチ、緯密度Cが160コース/インチ、目付129g/mに仕上げた。得られた経編地のストレッチ特性を表1に示した。得られた経編地は、染色堅牢度には問題がなく、W/Gが2.06(66/32)で、E値が−2と小さく、経緯の伸縮バランスに優れていたが、経編地の表面の外観がアトラス組織からくるボーダー柄状を呈するものであった。
(比較例3)
実施例3において、編成して得られた生機を、常法により、精練し、カチオン染料を用い染色温度105℃で染色した後、ピンテンターを用い、仕上げ反の経密度Wが64ウェル/インチになるように、170℃で60秒ヒートセットした。仕上げ反の緯密度Cは104コース/インチで、目付240g/mであり、得られた経編地のストレッチ特性を表1に示した。得られた経編地は、染色堅牢度には問題がないが、W/Gが2.29(64/28)と低く、C/Wが1.63と高く、E値が89と大きく、経緯の伸縮バランスに劣るものであり、ボディフィット性に欠けていた。
本発明の経編地は、ハーフ組織の経編地でありながら経方向と緯方向の伸縮バランスに優れたストレッチ性と、ハーフ組織によるプレーンな表面の外観を有し、さらに非弾性糸にカチオン染料可染性糸を用いたときには、発色性と染色堅牢度にも優れたものであり、本発明の経編地は、各種スポーツ衣料分野や肌着分野の経緯の伸縮バランスとボディフィット性が求められる用途、さらに色彩性の豊かさを与える用途での素材として極めて好適なるものである。
残留伸びの長さ
L 80%伸長まで引き伸ばしたときの長さ(8.0cm)

Claims (4)

  1. 非弾性糸からなるフロント部とポリウレタン弾性糸からなるバック部を有するハーフ組織の経編地であって、下記要件(1)〜(7)を満足する経編地。
    (1)1.3≦C/W≦1.6
    (但し、Cは経編地の緯密度(コース/インチ)、Wは経編地の経密度(ウェル/インチ)を示す。)
    (2)経編地における非弾性糸の含有率が70〜90質量%、ポリウレタン弾性糸の含有率が30〜10質量%
    (3)経方向の定荷重時伸び率(A率)と緯方向の定荷重時伸び率(A率)が共に170〜250%
    (4)経方向のA率と緯方向のA率との差(E値)が50以下
    (5)経方向の伸長回復率(B率)と緯方向の伸長回復率(B率)が共に80%以上
    (6)経方向の伸長力(S値)が90〜170cN
    (7)緯方向の伸長力(S値)が40〜90cN
  2. 非弾性糸が5−ナトリウムスルホイソフタル酸1.5〜2.5モル%、アジピン酸3〜10モル%共重合のポリエチレンテレフタレートからなるカチオン染料可染性ポリエステルフィラメント糸である請求項1に記載の経編地。
  3. フロント部に非弾性糸を用い、バック部にポリウレタン弾性糸を用い、下記条件(a)にてハーフ組織に編成した経編地を、下記条件(b)を満足するようにヒートセットすることを特徴とする経編地の製造方法。
    (a)1.7≦C /G≦2.1
    (但し、C は経編機の機上コース(コース/インチ)、Gは経編機のゲージ(ウェル/インチ)を示す。)
    (b)2.5≦W/G≦2.75
    (但し、Wは経編地の経密度(ウェル/インチ)を示す。)
  4. 非弾性糸として、5−ナトリウムスルホイソフタル酸1.5〜2.5モル%、アジピン酸3〜10モル%共重合のポリエチレンテレフタレートからなるカチオン染料可染性ポリエステルフィラメント糸を用いる請求項3に記載の経編地の製造方法。
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