JP2000220065A - 伸縮性経編地およびその製造方法 - Google Patents
伸縮性経編地およびその製造方法Info
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Abstract
取れた伸縮性を発揮することができる伸縮性経編地を提
供する。 【解決手段】 非弾性糸と少なくとも3種類の弾性糸か
ら構成され、その編成組織が、非弾性糸は、全ての編目
でループを形成し、第1の弾性糸は、全ウェールにわた
り1〜3コース毎に1〜3針の間で複数の振り幅を混在
させて挿入されるかループを形成し、第2の弾性糸は、
全ウェールにわたり1コース毎に1〜2針の間で複数の
振り幅を混在させて挿入され、第3の弾性糸は、全ウェ
ールにわたるか一部ウェールで糸抜きをして1コース毎
に1〜3針の間で複数の振り幅を混在させて、前記第1
弾性糸とは異なる編成組織で挿入される伸縮性経編地。
Description
びその製造方法に関し、インナーウェアやスポーツウェ
ア等の各種衣料に利用され、経緯両方向にバランスの取
れた伸縮性を有する伸縮性経編地に関する。
等のインナーウェア用編地として、ナンロンなどの合成
繊維からなる非弾性糸とポリウレタン弾性糸とを組み合
わせた伸縮性経編地が知られている。ポリウレタン弾性
糸を用いることで、優れた伸縮性を付与することができ
る。
148号公報に開示された伸縮性経編地を開発し、さら
に特許第2560174号公報および特許第27184
41号公報に開示された技術を提案している。これらの
先行技術では、弾性糸の機能を有効に利用するために特
別な編成組織を採用している。具体的には、例えば、非
弾性糸で編成された経編地組織に、第1の弾性糸を同一
ウェールで1コース毎にジグザグ状に繰り返して挿入
し、さらに第2の弾性糸を数コース毎に振り幅を変えて
挿入する。このような2種類の弾性糸を組み合わせるこ
とで、経緯両方向の伸長性と伸長回復性とのバランスを
適切に発揮させることが可能になった。
行技術の伸縮性経編地であっても、経緯両方向における
伸縮性にはある程度の差が生じてしまう。伸縮性経編地
の使用用途によって、経緯両方向における伸縮性の差が
出来るだけ少ないものが要求される場合がある。具体的
には、矯正用インナーウェアやスポーツウェアにおいて
は、経緯両方向に十分に大きくしかもバランスのとれた
伸縮性が求められる。
る編地では、生地を裁断する際に、衣料として使用した
ときに力の加わる方向に合わせて生地を裁断しなければ
ならないため、裁断方向を自由に設定できず、生地の使
い方に大きな制約を受けて使用し難いという問題があ
る。前記先行技術の伸縮性経編地では、2種類の弾性糸
の太さを変えたり、給糸量を変えたり、挿入振り幅を変
えたりすることで、経緯方向の伸縮性をある程度は調整
することができるが、それでも、経緯方向の伸びおよび
パワーの差がかなり残ってしまう。また、経緯方向のバ
ランスを取るために弾性糸を太くすると、経編地として
の外観や質感、肌触りなどの特性が悪くなるという問題
が起きる。
行技術の伸縮性経編地をさらに改良して、経緯両方向に
おいて、大きくかつバランスの取れた伸縮性を発揮する
ことができる伸縮性経編地を提供することである。
は、非弾性糸と少なくとも3種類の弾性糸から構成さ
れ、その編成組織が、非弾性糸は、全ての編目でループ
を形成し、第1の弾性糸は、全ウェールにわたり1〜3
コース毎に1〜3針の間で複数の振り幅を混在させて挿
入されるかループを形成し、第2の弾性糸は、全ウェー
ルにわたり1コース毎に1〜2針の間で複数の振り幅を
混在させて挿入され、第3の弾性糸は、全ウェールにわ
たるか一部ウェールで糸抜きをして1コース毎に1〜3
針の間で複数の振り幅を混在させて、前記第1弾性糸と
は異なる編成組織で挿入される。 〔非弾性糸〕通常の編地を編成する非弾性糸が用いられ
る。ナイロン、ポリエステル等の長繊維、あるいは、
綿、アクリル等の短繊維の何れもが使用できる。経編地
の用途や要求品質に合わせて素材を選択すればよい。
いられ、具体的には60%以下のものが用いられる。非
弾性糸の太さは、糸の材質と要求性能に合わせて設定さ
れるが、例えば、長繊維の場合には20〜80デニー
ル、好ましくは30〜50デニールのものを用いること
ができ、短繊維の場合には35〜54デニールのものが
使用できる。 〔第1〜3弾性糸〕通常の経編地に利用されている各種
の弾性糸が使用できる。例えば、高弾性ポリウレタン
糸、いわゆるスパンデックスが使用できる。
ましい。弾性糸の太さは、経編地の用途や要求性能によ
って適宜選択できる。具体的には、第1弾性糸および第
3弾性糸の太さは20〜105デニール、第2弾性糸の
太さは40〜560デニールのものが使用できる。第1
弾性糸および第3弾性糸には相対的に細い糸を用い、第
2弾性糸には相対的に太い糸を用いるのが好ましい。第
1弾性糸と第3弾性糸とは、同じ材質および太さの糸を
用いてもよいし、太さあるいは材質の一方あるいは両方
が異なる糸を用いてもよい。第1弾性糸と第3弾性糸と
は、同じ材質および太さであっても、編成組織の点では
明確に異なる。 〔編成組織〕非弾性糸は、全ての編目でループを形成し
て、いわゆる地組織を構成する。
3コース毎に1〜3針の間で複数の振り幅を混在させて
挿入されるかループを形成する。第2の弾性糸は、全ウ
ェールにわたり1コース毎に1〜2針の間で複数の振り
幅を混在させて挿入される。第3の弾性糸は、全ウェー
ルにわたるか一部のウェールで糸抜きをして1コース毎
に1〜3針の間で複数の振り幅を混在させて挿入され
る。
ウェールに糸が存在するいわゆるフルセット通しで編成
することを意味する。一部のウェールで糸抜きすると
は、1イン1アウトあるいは1イン2アウトなど、全ウ
ェールのうちの一部のウェールで糸抜きを行うことを意
味している。振り幅を混在させるとは、1リピート間に
振り幅の異なるコースが存在することを意味する。例え
ば、1〜3針の間で複数の振り幅を混在させるとは、少
なくとも1針の振り幅であるコースと3針の振り幅であ
るコースとが存在することを意味する。この場合、2針
の振り幅であるコースは存在しても存在しなくても良い
ことになる。
的に振り幅が狭くなるので、経方向の伸縮性に大きく寄
与する。振り幅の広い第1、3弾性糸は、緯方向の伸縮
性を高める。経編機の筬に各糸を配置する際には、フロ
ント筬に非弾性糸、フロント筬に近い第1のミドル筬に
第1弾性糸、その次に配置される第2のミドル筬に第2
弾性糸、バック筬に第3弾性糸を配置するのが好まし
い。これによって、第2弾性糸が、その前後を第1、3
弾性糸で挟まれた状態になり、経緯両方向の伸縮性のバ
ランスが良好になるとともに、編成後に糸同士を融着さ
せることで、ワライに対して強い抵抗力を発揮させるこ
とができる。
分的には同じ個所があってもよいが、リピート間では全
てが同じになることはなく必ず異なる個所が存在するよ
うにしておく。このように、第1弾性糸と第3弾性糸と
の間に編成組織の違いを設けることで、両者の絡みなど
により緯方向への高い伸縮性を付与することが可能にな
る。また、経編地のほつれ防止にも効果がある。
終わりからのホツレ現象が起こり難くなるという利点が
ある。前記した非弾性糸、第1〜3弾性糸に加えて、本
発明の目的を損なわない範囲で、別の非弾性糸あるいは
弾性糸を組み合わせることも可能である。 〔伸縮性経編地の特性〕一般的に、伸縮性経編地の性能
は、伸び(伸度あるいは伸長度とも呼ぶ)とパワーとで
評価される。伸びが大きくパワーの大きなものが伸縮性
に優れた経編地となる。
が、経緯両方向について、2.25kg荷重時の伸びが、
150〜350%であるものが好ましく、200〜30
0%がより望ましい。80%伸長時のパワーが、200
〜2000gのものが好ましい。パワーの値は、編地を
構成する糸の太さを選択することで調節することができ
る。
びの比が、経方向/緯方向=1〜2(より好ましくは1
〜1.5)であるものが好ましい。経方向と緯方向との
80%伸長時のパワーの比が、緯方向/経方向=1〜2
(より好ましくは1〜1.5)であるものが好ましい。
伸縮性評価試験を行ったときに得られる伸度線図におい
て、負荷曲線と除荷曲線とのズレが少ないものが好まし
い。従来の技術では、緯方向において負荷曲線と除荷曲
線とのズレが大きくなるので、緯方向における除荷/負
荷の比が100%に近いものが好ましい。具体的には、
緯方向で除荷/負荷のパワー比が60%以上であるもの
が好ましい。 〔その他の構成〕上記した以外の伸縮性経編地の具体的
構成については、通常の伸縮性経編地に採用されている
構成を種々組み合わせて適用することができる。
48号公報、特許第2560174号公報、特許第27
18441号公報)に開示された技術事項を本発明と組
み合わせることができる。伸縮性経編地に用いる各糸の
整経処理などの前加工、編成された伸縮性経編地の染色
加工、熱セット加工などの後加工については、通常の伸
縮性経編地と同様の技術を適用することができる。
いに融着することで、ワライに対する強い抵抗力が生
じ、シワになり難いという効果が生じる。 〔伸縮性経編地の用途〕本発明の伸縮性経編地は、従来
の伸縮性経編地が使われていた各種用途に利用できる。
例えば、パンツ、ガードル、ボディスーツ、ブラジャー
などのインナーウェアの素材として使用できる。スポー
ツウェアにも使用できる。
何れもフルセット 編成組織:図1に模式的に表した編成組織図を示す。
→仕上加工セット(185℃) 仕上がり性量:コース176c/in、ウェール64.0w/
in 伸縮性経編地の物性:物性試験として、経編地の経緯両
方向について負荷および除荷を繰り返して伸縮性評価試
験を行った。試験結果から、パワー、伸長回復率、伸度
を算出した。試験条件は、下記以外は常法により実施し
た。試料幅2.5cm、つかみ間距離10cm、引張速度3
0mm/minであった。パワーの値は、3サイクル目におけ
る伸長率15〜80%のそれぞれの時点での値を測定し
た。伸長率15〜50%の場合は、負荷過程/除荷過程
の値をそれぞれ示す。伸長回復率は、1サイクル目/3
サイクル目の値を示している。伸度は1サイクル目の値
である。
けるパワー線図を示し、図3には伸度線図を示してい
る。その他の試験項目は、常法にしたがって行った。な
お、耐伸縮疲労性は、乾燥時(D)と湿潤時(W)と、
湿潤状態でのネジリ試験(ネジリ)とを行った。試験結
果を表1に示す。
何れもフルセット 編成組織:図4に模式的編成組織図を示す。
in 伸縮性経編地の物性:図5に伸縮性評価試験の3サイク
ル目におけるパワー線図を示し、図6には伸度線図を示
し、表2に各試験結果を示す。
ル目におけるパワー線図を示し、図9には伸度線図を示
し、表3に各試験結果を示す。
に開示された技術に相当する。
製) ミドル =弾性糸(1) オペロン、210d−127c(東レデュポン社製) バック =弾性糸(2) オペロン、40d−127c(東レデュポン社製) 筬への配列:フロント、ミドル、バックの何れもフルセ
ット 編成組織:図10に模式的編成組織図を示す。
in 伸縮性経編地の物性:図11に伸縮性評価試験の3サイ
クル目におけるパワー線図を示し、図12には伸度線図
を示し、表4に各試験結果を示す。
緯両方向において、パワーおよび伸度の何れもが大き
く、伸長回復率も高い。しかも、パワーおよび伸度の経
緯の比が何れも1.5倍以内に収まっている。伸度線図
で負荷曲線(上側の弧)と除荷曲線(下側の弧)との間
に大きなズレがなく、全体が偏平な弓状をなしている。
具体的には、パワーについて負荷/除荷の比が全領域で
60%以上となっている。
(パワー)が同じような特性傾向を示しているので、こ
のような伸縮性経編地で製造された衣料は、着用時に身
体の形状や動きに自然にフィットして違和感を与えるこ
とが少ない。身体に局部的な圧迫感を与えることがな
く、快適な着装感が得られる。長時間着用しても、いわ
ゆるズレ上がりが生じ難い。
緯両方向に自由に使い分けることができる。
種類の弾性糸とを組み合わせる伸縮性に優れた特定の編
成組織を基本にして、そこにさらに、特定の編成組織を
有する3番目の弾性糸を組み合わせることで、伸度およ
びパワーに優れているだけでなく、それらの特性が経緯
両方向についてバランスの取れた伸縮性経編地となる。
アなど、経緯方向にバランスの取れた高伸縮性を要求さ
れる衣料などの分野において、機能性あるいは使用感に
優れた素材を提供することができる。
Claims (4)
- 【請求項1】非弾性糸と少なくとも3種類の弾性糸から
構成され、 その編成組織が、 非弾性糸は、全ての編目でループを形成し、 第1の弾性糸は、全ウェールにわたり1〜3コース毎に
1〜3針の間で複数の振り幅を混在させて挿入されるか
ループを形成し、 第2の弾性糸は、全ウェールにわたり1コース毎に1〜
2針の間で複数の振り幅を混在させて挿入され、 第3の弾性糸は、全ウェールにわたるか一部ウェールで
糸抜きをして1コース毎に1〜3針の間で複数の振り幅
を混在させて、前記第1弾性糸とは異なる編成組織で挿
入される伸縮性経編地。 - 【請求項2】前記非弾性糸の太さが20〜80デニー
ル、 前記第1弾性糸の太さが20〜105デニール、 前記第2弾性糸の太さが40〜560デニール、 前記第3弾性糸の太さが20〜105デニールである請
求項1に記載の伸縮性経編地。 - 【請求項3】経方向と緯方向との2.25kg荷重時の伸
びの比が、経方向/緯方向=1〜2であり、 経方向と緯方向との80%伸長時のパワーの比が、緯方
向/経方向=1〜2である請求項1または2に記載の伸
縮性経編地。 - 【請求項4】非弾性糸と少なくとも3種類の弾性糸を用
い、 非弾性糸は、フロント筬に通し、全ての編目でループを
形成させ、 第1の弾性糸は、第1のミドル筬に通し、全ウェールに
わたり1〜3コース毎に1〜3針の間で複数の振り幅を
混在させて挿入するかループを形成させ、 第2の弾性糸は、第2のミドル筬に通し、全ウェールに
わたり1コース毎に1〜2針の間で複数の振り幅を混在
させて挿入し、 第3の弾性糸は、バック筬に通し、全ウェールにわたる
か一部ウェールで糸抜きをして1コース毎に1〜3針の
間で複数の振り幅を混在させて、前記第1弾性糸とは異
なる編成組織で挿入して編成する伸縮性経編地の製造方
法。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP01597999A JP3469115B2 (ja) | 1999-01-25 | 1999-01-25 | 伸縮性経編地およびその製造方法 |
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- 1999-01-25 JP JP01597999A patent/JP3469115B2/ja not_active Expired - Fee Related
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