JP2718441B2 - 伸縮性経編地およびその製造方法 - Google Patents

伸縮性経編地およびその製造方法

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JP2718441B2
JP2718441B2 JP6088857A JP8885794A JP2718441B2 JP 2718441 B2 JP2718441 B2 JP 2718441B2 JP 6088857 A JP6088857 A JP 6088857A JP 8885794 A JP8885794 A JP 8885794A JP 2718441 B2 JP2718441 B2 JP 2718441B2
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勝郎 田中
義久 高田
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卜部株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、伸縮性経編地およびそ
の製造方法に関し、詳しくは、良好な伸長性および回復
性を備え、各種のインナーウェアおよびアウターウェア
に好適に利用される伸縮性経編地と、このような伸縮性
経編地を製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、パンツ、ガードル、ボディスーツ
などのインナーウェア用編地としては、ナイロンなどの
合成繊維からなる非弾性糸とポリウレタン弾性糸を、ト
リコット機またはラッセル機で編成した経編弾性生地、
あるいは、丸編機で編成した天竺編地が用いられてい
た。
【0003】このような伸縮性経編地は、その用途に合
わせて、タテヨコそれぞれの方向の伸度や、身体に対す
る緊迫力その他の特性を適当な条件に設定しなければな
らない。しかし、通常の編地では、前記のような用途に
必要とされる伸縮性を十分に持たせることができなかっ
た。そこで、本発明者らは、経編地を構成する糸の組み
合わせや編成組織を変えることで、従来よりもはるかに
伸縮性に優れた伸縮性経編地が得られることを見い出
し、この伸縮性経編地について、実願昭54−3592
1号として実用新案登録出願している(実公昭59−2
148号公報参照)。
【0004】この伸縮性経編地は、ナイロン等の合成繊
維糸条を数コースごとに両隣りまたは片隣りのウエール
に交互に編込み編成して経編地組織を形成し、この経編
地組織の内側(裏側)に、伸縮性糸条を同一ウエールに
おいて1コースごとにジグザグ状に繰り返して挿入する
と共に、さらに前記経編地組織の内側に、別の伸縮性糸
条をそれぞれ同じ数コースごとに片隣りのそれぞれ同じ
数ウエールにわたる振り幅で繰り返し挿入編成してい
る。この伸縮性経編地は、2種類の伸縮性糸条すなわち
弾性糸と、前記合成繊維糸条すなわち非弾性糸とを、前
記のような編成組織で組み合わせることにより、タテヨ
コ両方向に良好な伸縮性を示すとともに、パワーの点で
も十分な特性を発揮することができ、インナーウェアな
どに好適な素材を提供することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記先行技
術の改良された編成組織からなる伸縮性経編地であって
も、使用する糸の組み合わせが適切でないと、伸縮性は
有しても編地としての実用性能に乏しいものとなってし
まう。これは、前記伸縮性経編地では、各糸そのものが
有する伸縮特性と、前記特定の編成組織による伸縮特性
とが微妙に関連して、編地としての伸縮性能が発揮され
るのであるが、弾性糸の優れた伸び特性と、地組織を形
成して安定保持するという非弾性糸が有する機能や基本
的な編地特性などを、どの程度にバランスを取れば、総
合的な性能に優れた伸縮性経編地が得られるのかが、十
分に判っていなかったのである。
【0006】伸縮性経編地は、前記したような各種の用
途によって、特に高い伸縮性が要求される場合、タテま
たはヨコの1方向に高い伸縮性が要求される場合、単に
伸縮するだけではなく伸びた状態で身体を適度に締め付
ける緊迫性が要求される場合、編地表面の質感が重要に
なる場合などがある。それぞれの用途に合わせて、弾性
糸と非弾性糸の組み合わせ方を変える必要があるが、ひ
とつの性能を向上させようとして、弾性糸あるいは非弾
性糸の量や太さを変えると、他の性能が低下してしまう
ことになる。それぞれの用途における要求性能に合わせ
て、必要な伸縮特性を備え、かつ、編地としての基本的
性能をも満足する伸縮性経編地を得るのは大変に困難で
あった。
【0007】例えば、伸縮性があっても、伸縮を繰り返
すと断糸やワライが発生するのでは、実用性はなく、編
地がカールし易いと使用し難く、引裂強力や破裂強度が
弱いと、編地としての耐久性に劣り、実用性に劣るもの
となる。また、これらの特性に優れていても、編地とし
ての外観品質が悪くては、商品価値のないものとなる。
【0008】具体的には、前記編成組織の伸縮性経編地
として、伸縮性に優れていると同時に、仕上がり生地が
薄くソフトな感触の編地を得ようとすると、非弾性糸お
よび弾性糸とも細い糸を使い、手持感がしっかりして、
しかも補整力の強い生地を得ようとすると太い糸を使う
ことが考えられる。ところが、上記のような糸を用いて
経編地を製造しても、非弾性糸の編込み量が少ないと、
仕上がり生地は、タテヨコの伸びが少なくなり、断糸、
ピンホール、カールなどの欠陥が生じ易くなる。また、
非弾性糸の編込み量が多いと、仕上がり生地の伸びは良
好であるが、生地のホツレやワライ現象が発生し易くな
る。編込み量が同じでも、非弾性糸の太さが変われば、
また、生地の特性は変わってくる。
【0009】そこで、本発明の課題は、前記した先行技
術の問題点を解消して、伸縮性に優れるだけでなく、編
地として必要な基本的性能をも十分に備えた実用性の高
い伸縮性経編地を提供することにある。また、このよう
な伸縮性経編地を製造する方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する、本
発明にかかる伸縮性経編地は、非弾性糸と2種類の弾性
糸から構成され、非弾性糸は全ての編目でループを形成
し、第1の弾性糸は全ウェールにわたり1コース毎に1
〜2針の振り幅で挿入され、第2の弾性糸は全ウェール
にわたり1コース毎に1〜3針の振り幅で挿入されてな
る編成組織を有する編地であって、非弾性糸の太さが、
長繊維糸では20〜75デニール、短繊維糸では35〜
54デーニルであり、第1の弾性糸の太さが40〜56
0デニール、第2の弾性糸の太さが20〜105デニー
ルで、第1の弾性糸の太さが第2の弾性糸と同じかより
太く、第1の弾性糸の給糸量が95mm/R(整経スト
レッチ75%)を超え130mm/R(整経ストレッチ
75%)以下であり、第2の弾性糸ウェール方向に移
動する亘り角度が0〜25°であり、各糸の太さと単位
編目当たり重量が下記(1)式〜(3)式の関係を満足
することを特徴とする伸縮性経編地である。
【0011】 0.21A<=X<=0.29A …(1) 0.55B<=Y<=0.69B …(2) 4.5C+0.04A−35<=Z<=5.5C+0.
05A−43…(3) ここで、A:第1の弾性糸の太さ(デニール) B:第2の弾性糸の太さ(デニール) C:非弾性糸の太さ(デニール) X:第1の弾性糸の単位編目当たり重量(g/3636本/
10R) Y:第2の弾性糸の単位編目当たり重量(g/3636本/
10R) Z:非弾性糸の単位編目当たり重量(g/3636本/10
R) 経編地の基本的な編成構造自体は、前記した実公昭59
−2148号公報に開示された先行技術などと同様でよ
い。経編機も、通常のラッシェル機などの経編機が使用
できる。但し、経編機として、複数の筬を備えたものを
用い、そのうち手前側の1列または複数列の筬に、それ
ぞれ非弾性糸をフルセットで通糸し、その後側に第1弾
性糸および第2弾性糸をそれぞれフルセットで通糸して
編成を行うのが好ましい。第1弾性糸と第2弾性糸の筬
配置は、何れが前になってもよい。
【0012】本発明では、非弾性糸として、ナイロン、
ポリエステル等の長繊維、あるいは、綿、アクリル等の
短繊維の何れもが使用でき、経編地の用途や要求品質に
合わせて、任意の素材が用いられる。非弾性糸の伸度は
比較的小さなものが用いられ、通常は、伸度が60%以
下のものを用いる。非弾性糸の太さは、組み合わせる複
数列の非弾性糸の数によっても異なるが、通常は、個々
の非弾性糸が、長繊維の場合には20〜75デニール、
短繊維糸では綿番手で100〜150番手(デニール換
算すると53.1〜35.4デニール)を含む35〜5
4デニールの糸を用いる。そして、非弾性糸の列数は、
通常は1列でよいが、必要であれば2列以上になっても
よい。非弾性糸の列数が多くなった場合には、非弾性糸
の1本当たりの太さは細くしておくほうが好ましい。非
弾性糸が太いと、編成時の編機上での密度に比べて、製
造された経編地の仕上がり密度が込み難くなり、伸びが
出にくくなるので好ましくない。非弾性糸が細いと、耐
久性などに劣るものとなる。
【0013】第1、第2弾性糸としては、弾性に優れた
各種の繊維を用いることができ、例えば、高弾性ポリウ
レタン糸、いわゆるスパンデックスが好ましい。また、
弾性糸にナイロン等の長繊維を撚り合わせたカバーリン
グ糸や、綿等の紡績糸を撚り合わせたカバーリング糸、
コアーヤーンのような、いわゆる被覆弾性糸あるいは複
合弾性糸も、本発明における弾性糸として用いられる。
弾性糸の伸度は400%以上のものが好ましい。弾性糸
は、第1弾性糸には40〜560デニール、好ましくは
105〜560デニールのものを用い、第2弾性糸には
20〜105デニール、好ましくは40〜70デニール
のものを用いる。また、通常は、第1弾性糸のほうに第
2弾性糸よりも太い糸を用いるが、第1弾性糸と第2弾
性糸に同じ太さの糸を用いる場合もある。第1弾性糸が
40デニール未満では、タテ方向に密度が入り難く、タ
テ伸度が出ず、また、タテパワーが弱く、目的の機能が
発揮できないので好ましくない。第2弾性糸が20デニ
ール未満では、ヨコ方向に密度が入り難く、ヨコ伸度が
出ず、また、ヨコ方向のキックバックが弱くなるので好
ましくない。第1弾性糸が560デニールを超えると、
生地が厚く重くなり、パワーが強くなり過ぎるので好ま
しくない。第2弾性糸が105デニールを超えると、生
地がゴワゴワしてゴム的になり衣服用途には適さない。
【0014】前記のような非弾性糸からなる基本的な編
地組織に対して、第1、第2弾性糸を一定の振り幅で交
編することにより、編地に良好な伸縮性を付与すること
ができる。2種類の弾性糸のうち、第1弾性糸は全ウェ
ールにわたり1コース毎に1〜2針の振り幅で挿入され
る。通常は、1針の振り幅、すなわち、同一ウエールに
おいて1コース毎に1針の振り幅でジグザグ状に繰り返
して挿入する。但し、2針の振り幅である場合、あるい
は、1針の振り幅となるコースと2針の振り幅となるコ
ースが混在する場合もある。振り幅が3針以上になる
と、糸が重なって太くなり、タテ方向に生地が縮みにく
くなり、伸びがでない。しかも、ヨコ方向のパワーが強
くなりすぎ、生地のヨコ巻き(カール)を発生するなど
の問題を生じるので好ましくない。
【0015】また、第2弾性糸は、全ウェールにわたり
1コース毎に1〜3針の振り幅で挿入される。通常は、
全ウェールにわたり第1の弾性糸と同じ振り幅からなる
コースと第1弾性糸よりも広く3針以下の振り幅からな
るコースとが混在するように挿入しておく。この場合、
第2弾性糸の振り幅が、第1弾性糸の振り幅よりも狭く
なることはない。このように構成すれば、編地を形成し
たときに、比較的振り幅が狭い第1弾性糸によってタテ
方向に優れた弾性を発揮でき、比較的振り幅が広い第2
弾性糸によってヨコ方向に優れた弾性を発揮できる。よ
り具体的には、第2弾性糸は、1針の振り幅となるコー
スを基本にして、数コース毎に2〜3針の振り幅となる
コースを配置する。第2弾性糸の振り幅が4針以上にな
ると、編成後に縮み難くなるので、経編地の伸びが出
ず、ゴワゴワとした感じになり、インナーウェア等の素
材として不適切であり、コストも高くつくので好ましく
ない。
【0016】なお、弾性糸が1種類だけの場合、言い換
えると第1弾性糸と第2弾性糸の太さおよび編成組織が
全て同じ場合には、タテ方向あるいはヨコ方向の一方向
のみに伸縮性を持たせることはできるが、タテヨコ両方
向に適度な伸縮性を持たせることが出来ないので好まし
くない。前記のような弾性糸および非弾性糸を用いて、
上記のような編成組織が編成されるように、経編機の作
動条件などを設定しておけば、本発明の伸縮性経編地が
得られる。具体的な編成手順は、従来の経編技術を適当
に組み合わせればよい。但し、本発明では、得られた経
編地の特性が、下記の条件を満足するようにする。
【0017】まず、第2弾性糸がウェール方向に移動す
る亘り角度が0〜25°になるようにする。前記編成組
織で、第2弾性糸は、ひとつのコースから隣のコースへ
とウェール方向に移動しながら編み込まれる。このと
き、第2弾性糸が、コース間をウェール方向に亘る部分
が、各コース方向の直交方向として規定されるウェール
方向に対してなす角度を、前記亘り角度と呼ぶ。この亘
り角度を、前記角度範囲に規定する。亘り角度は、編地
の組織を観察すれば測定できるが、編地を酸などで処理
して、非弾性糸を除去し弾性糸のみを残すようにする
と、測定が行い易い。
【0018】上記亘り角度は、編成時における、第2弾
性糸の給糸量と他の糸の給糸量との比率、編成時に編地
に加える張力、編成された編地を染色整理加工する際に
加えるタテヨコの押し込み引っ張りによる密度調整の割
合などによって調整することができる。つぎに、各糸の
太さA〜Cと各糸の単位編目当たり重量X〜Zを、前記
(1)〜(3)式を満足するように規定する。
【0019】単位編目当たり重量は、一定編目数の編地
を分解して、各構成糸の重量を測定すれば求められる。
ここで測定される重量は、生機時における油剤などの脱
落や染色整理後における仕上剤の付着なども含んだ値で
ある。編地の各構成糸の単位編目当たり重量は、編地の
単位編目数に含まれる糸の太さと長さによって変わる。
糸の太さが同じであれば、編成時における各構成糸の給
糸量を調整することで、編地における単位編目当たり重
量が変更できる。本発明では、編成時に、非弾性糸およ
び弾性糸の給糸量を調整して、単位編目当たり重量X〜
Zが前記(1)〜(3)式を満足するようにするのが好
ましい。
【0020】経編地を構成する各糸の給糸量を、非弾性
糸は820〜1437mm/R、第1弾性糸は95〜13
0mm/R(整経ストレッチ75%)、第2弾性糸は28
0〜350mm/R(整経ストレッチ100%)になるよ
うにするのが好ましい。ここで、mm/Rは1ラック(4
80コース)当たりの給糸量mmを意味する。この給糸量
mm/Rは、整経ストレッチの大きさで変わってくるの
で、第1・第2弾性糸の整経ストレッチが上記と異なる
場合には、上記75%または100%の場合の給糸量か
ら換算して、それぞれの場合の給糸量を設定する。給糸
量は、経編機の給糸装置で調整できるが、最終的に得ら
れた経編地の単位編目当たりにおける各糸の量から、正
確な給糸量を算出して、給糸装置の調整操作にフィード
バックするのが好ましい。
【0021】第1弾性糸の給糸量が少な過ぎると、仕上
がり生地に断糸やスリップ、カールが発生し易くなる。
第1弾性糸の給糸量が多過ぎると、タテ方向の密度が入
らず、タテ方向の伸びが少ない生地になる。第2弾性糸
の給糸量が少な過ぎると、生地幅が入りコスト高にな
り、ヨコ方向に生地を強く引っ張ったときに糸切れを起
こして目が崩れる。第2弾性糸の給糸量が多過ぎると、
弾性糸を挿入したことの効果が発揮されず、ヨコ方向の
幅が入らず、伸びも少なく、しかも、キックバックの悪
い生地になり、生地の表面が滑らかなサテン調に仕上が
らないという欠点もでる。なお、各糸の給糸量は、上記
した給糸量範囲の中で、前記した(1)〜(3)式を満
足する単位編目当たり重量X〜Zが達成されるように調
整する必要がある。
【0022】この発明の伸縮性経編地は、従来、伸縮性
経編地が利用されていた各種用途に用いることができ、
例えば、ガードル、ボディースーツなどのインナーウェ
アや、水着、レオタードなどのスポーツウェアその他に
好適である。
【0023】
【作用】前記した経編地の基本的な構造、すなわち、非
弾性糸と2種類の弾性糸から構成され、非弾性糸は全て
の編目でループを形成し、第1の弾性糸は全ウェールに
わたり1コース毎に1〜2針の振り幅で挿入され、第2
の弾性糸は全ウェールにわたり1コース毎に3針以下の
振り幅で挿入されてなる編成組織を有する編地は、前記
した先行技術公報にも開示されているように、伸縮性に
優れた編地として公知である。
【0024】本発明の発明者らは、上記編成組織の伸縮
性経編地として、各糸の組み合わせや編成条件を様々に
変えて試験を行い、本発明の条件を見い出した。まず、
使用する非弾性糸および第1、第2弾性糸の太さが、前
記規定範囲にあれば、各糸の機能や特性を有効に活かせ
るとともに、前記(1)〜(3)式の関係式が良好に適
用できる。
【0025】また、第2弾性糸がウェール方向に移動す
る亘り角度を、前記範囲に規定することで、タテヨコ両
方向における伸縮性のバランスが良好になる。これは、
弾性糸は、その長さ方向に伸ばされたときに、弾性的な
伸縮力が発揮できる。したがって、前記編成組織で、ほ
ぼコース方向に編み込まれた第1弾性糸がコース方向の
伸縮性に大きな影響を与え、異なるコース間をウェール
方向に移動する第2弾性糸が、編地のウェール方向にお
ける伸縮性に大きな影響を与える。したがって、第2弾
性糸は、出来るだけウェール方向と平行に編み込まれて
いるほうが良いことになる。前記亘り角度が小さなほ
ど、第2弾性糸がウェール方向と平行に近い状態で編み
込まれていることになるから、編地のウェール方向の伸
縮性が良好になるのである。
【0026】つぎに、前記(1)式で、第1弾性糸の太
さAから第1弾性糸の単位編目当たり重量Xを規定し、
(2)式で、第2弾性糸の太さBから第2弾性糸の単位
編目当たり重量Yを規定し、(3)式で、非弾性糸の太
さC、第1弾性糸の太さAを基準に、非弾性糸の単位編
目当たり重量Zを規定することで、弾性糸と非弾性糸の
それぞれの機能や特性のバランスが良好になる。前記編
成組織中で、弾性糸のうち比較的太くコース方向に直線
的に編み込まれた第1弾性糸は、編地全体の弾性的変形
性に大きな影響を及ぼす。第2弾性糸は、編地のヨコ方
向の弾性的変形性に大きく影響する。また、非弾性糸
は、生地としての基本的な特性に大きな影響を与えるの
で、非弾性糸の太さと単位編目当たり重量も、編地の品
質性能向上にとって重要な要素である。そこで、これ
ら、編地の特性に重要な影響を与える要素の間の相関関
係を、数多くの試験結果をもとに考察した結果、前記
(1) 〜(3) 式の関係が、品質性能の高い伸縮性経編地と
して必要な条件であることを見い出した。
【0027】編地に対する要求性能に合わせて、各糸の
太さA〜Cを変えたりしても、それに合わせて、各糸の
太さA〜Cおよび単位編目当たり重量X〜Zのうちの残
りの条件を調整すれば、得られた編地は、所望の伸縮性
能を有するとともに、編地として必要な基本的性能にも
優れた実用的な編地となるのである。
【0028】
【実施例】
−実施例1− <経編機> カールマイヤー社製ラッシェル機 タイプRE4N、130インチ幅、56GG <糸使い> フロント:非弾性糸 ナイロン66、40d−20Br
異形(東レ社製) ミドル :第1弾性糸 オペロン210d−127C
(東レデュポン社製) バック :第2弾性糸 オペロン40−127C(東レ
デュポン社製) <筬への引込配列> フロント、ミドル、バックそれぞれフルセット <編組織> フロント:42/24/20/24/42/46// ミドル :22/00// バック :22/00/66/44/66/00// 図1に具象的な編成組織図を、図2に各糸に分解した状
態の模式的編成組織図を示している。図中、経編地は、
非弾性糸10と、第1弾性糸20および第2弾性糸30
で構成されている。
【0029】<給糸量>後述する単位編目当たり重量が
得られるように、適宜に給糸量を調整した。以上の条件
で編成を行って、伸縮性経編地を製造した。得られた伸
縮性経編地の性状は次のとおりであった。 <仕上がり性量、生地厚> コース:202.2c/in ウェール:53.6w/in 生地厚=0.53〜0.54mm <単位編目当たり重量> 非弾性糸 :172.6g/3636本/10R 第1弾性糸: 49.7g/3636本/10R 第2弾性糸: 24.3g/3636本/10R <第2弾性糸の亘り角度>約5cm2 にカットされた試料
を、濃度20%の塩酸溶液を入れたフラスコの中で十分
に攪拌した。試料中の非弾性糸を構成するナイロンが溶
け、ポリウレタンからなる第1、第2弾性糸が、編成状
態のまま交差した形で接触融着して残った。なお、編地
を構成する糸の組み合わせが異なる場合にも、弾性糸は
溶解せず非弾性糸のみを溶解できるような溶剤を用い
て、同様の操作を行えばよい。
【0030】処理された編地の外観を、図3に模式的に
表している。コース方向に延びる第1弾性糸20に対し
て、第2弾性糸30(隣同士の糸は模様を変えて区別し
ている)は、コース間をウェール方向に移動しているこ
とが判る。この状態で、ウェール方向に仮想的な水平線
Lを設定し、この水平線Lに対する第2弾性糸30の傾
斜角度すなわち亘り角度θを測定した。
【0031】ウェール方向の亘り角度θ=16° <物性>経編地のタテヨコ両方向について、負荷および
除荷を繰り返して、伸縮性評価試験を行い、その試験結
果から、パワー、伸長回復率、伸度を算出した。試験条
件は、試料幅2.5cm、つかみ間距離10cm、引張速度
300mm/minであった。パワーの値は、3サイクル目で
15〜80%のそれぞれの伸長率での値を示す。伸長率
15〜50%の場合は、負荷過程/除荷過程の値をそれ
ぞれ示した。伸長回復率は、1サイクル目/3サイクル
目の値を示している。伸度は、1サイクル目の値であ
る。
【0032】 タテ方向 ヨコ方向 パワー(g)伸長率15% 95/85 51/27 (負荷時 30% 181/165 151/71 /除荷時) 50% 284/257 324/163 80% 462 731 伸長回復率(%) 97.3/96.5 95.5/94.1 (1回目/3回目) 伸度(%) 荷重1.0kg 172 90 1.5kg 235 119 2.25kg 292 157 <耐伸縮疲労性> 試験装置:伸縮疲労度試験機 試料の調整: (未縫製試験)弾性糸の入った方向に17cm×9cmの試
験片を取る。
【0033】(縫製試験)弾性糸の入った方向に9.5
cm×9cmの試験片を2枚作り、1枚は編始め方向、1枚
は編終り方向を縫い合わせる。縫目は2針オーバー、針
目は13針/インチ、縫糸はウーリーナイロン210
d、針は#11、縫代は7mmとする。 試験の操作: (乾燥試験=D)未縫製試料を用いる。引張間隔7cm
(両端つかみ代5cm)、引張速度200rpm 、回数75
00回で測定する。
【0034】(湿潤試験=W)縫製試料を用いる。試験
片を合成洗剤0.13%溶液に十分に浸漬する以外は、
前記乾燥試験と同様の条件で測定する。 (未縫製ネジリ試験)未縫製試料を用い、純水に十分浸
漬させたのち、試料を三つ折りにし、360°ひねって
試験機に装着する。試験操作は、前記乾燥試験および湿
潤試験と同じ要領で行うが、回数は2500回とする。
【0035】ヨコ方向7500回未縫製試験は、前記乾
燥試験を、第1弾性糸の方向と直角方向について行う。 試験結果: 試験1: D7500回 未縫製 伸度150% OK 試験2: W7000回 縫製 伸度150% OK 試験3: W2500回 未縫製ネジリ 伸度150% OK 試験4: W2000回 未縫製ヒネリ 伸度150% OK 試験5:ヨコ7500回 未縫製 伸度140% OK <破裂強度、引裂強力、カール>下記により測定を行
い、その結果を表1に示している。
【0036】(破裂強度)JIS L−1018 A法
(ミューレン形法)に準じて行う。但し、生地の伸びが
大きいため、試験布を全方位に50%伸長させて測定を
行う。 (引裂強度)JIS L−1018 シングルタング法
に準じて行う。数値の読みは、引裂きの荷重曲線より極
大値の最小値3個の平均値で表す。
【0037】(カール)10cm×10cmの試験片を、温
度20±2℃、湿度65±2%RHの雰囲気中に4時間
放置し、生地のメクレを見る。生地のタテ・ヨコいずれ
かの方向の先端が360°以上カールしたものを不良と
判定した。 <外観その他>特に問題なく、良好であった。 −実施例2− 実施例1と記載事項が同じ項目は、説明を省略する。以
下の実施例、比較例も同様。
【0038】<糸使い> フロント:非弾性糸 ナイロン66、30d−7Br異
形(東レ社製) ミドル :第1弾性糸 オペロン70d−127C(東
レデュポン社製) バック :第2弾性糸 オペロン40−127C(東レ
デュポン社製) <仕上がり性量、生地厚> コース:171.0c/in ウェール:54.0w/in 生地厚=0.41〜0.42mm <単位編目当たり重量> 非弾性糸 :124.4g/3636本/10R 第1弾性糸: 15.0g/3636本/10R 第2弾性糸: 23.9g/3636本/10R <第2弾性糸の亘り角度> θ=13° <物性> タテ方向 ヨコ方向 パワー(g)伸長率15% 26/22 32/17 (負荷時 30% 55/45 86/53 /除荷時) 50% 100/80 161/111 80% 198 332 伸長回復率(%) 98.0/97.7 94.2/92.2 (1回目/3回目) 伸度(%) 荷重1.0kg 232 171 1.5kg 259 208 2.25kg 286 242 −実施例3− <糸使い> フロント:非弾性糸 ナイロン66、40d−20Br
異形(東レ社製) ミドル :第1弾性糸 オペロン210d−127C
(東レデュポン社製) バック :第2弾性糸 オペロン40−127C(東レ
デュポン社製) <仕上がり性量、生地厚> コース:204.0c/in ウェール:55.3w/in 生地厚=0.53〜0.54mm <単位編目当たり重量> 非弾性糸 :170.2g/3636本/10R 第1弾性糸: 48.1g/3636本/10R 第2弾性糸: 23.5g/3636本/10R <第2弾性糸の亘り角度> θ=19° <物性> タテ方向 ヨコ方向 パワー(g)伸長率15% 96/86 52/25 (負荷時 30% 184/168 152/70 /除荷時) 50% 284/261 324/165 80% 456 694 伸長回復率(%) 97.5/96.9 93.2/91.4 (1回目/3回目) 伸度(%) 荷重1.0kg 178 98 1.5kg 244 130 2.25kg 295 171 −実施例4− <糸使い> フロント:非弾性糸 ナイロン、70d−24SD(東
レ社製) ミドル :第1弾性糸 オペロン350d−127(東
レデュポン社製) バック :第2弾性糸 オペロン40−127(東レデ
ュポン社製) <仕上がり性量、生地厚> コース:162.0c/in ウェール:51.0w/in 生地厚=0.60〜0.61mm <単位編目当たり重量> 非弾性糸 :344.5g/3636本/10R 第1弾性糸: 93.5g/3636本/10R 第2弾性糸: 22.6g/3636本/10R <第2弾性糸の亘り角度> θ=23° <物性> タテ方向 ヨコ方向 パワー(g)伸長率15% 151/126 46/20 (負荷時 30% 300/258 185/69 /除荷時) 50% 485/409 455/212 80% 862 1128 伸長回復率(%) 96.5/95.6 93.5/91.0 (1回目/3回目) 伸度(%) 荷重1.0kg 86 66 1.5kg 154 91 2.25kg 231 125 −実施例5− <糸使い> フロント:非弾性糸 ナイロン、40d−13Br異形
(東レ社製) ミドル :第1弾性糸 S.C.Y:C100′S/オ
ペロン210(大和紡社製/東レデュポン社製) バック :第2弾性糸 オペロン40−127(東レデ
ュポン社製) <仕上がり性量、生地厚> コース:177.0c/in ウェール:52.9w/in 生地厚=0.49〜0.50mm <単位編目当たり重量> 非弾性糸 :173.3g/3636本/10R 第1弾性糸: 45.6g/3636本/10R 第2弾性糸: 24.0g/3636本/10R <第2弾性糸の亘り角度> θ=18° <物性> タテ方向 ヨコ方向 パワー(g)伸長率15% 83/70 47/25 (負荷時 30% 163/139 174/66 /除荷時) 50% 262/227 321/166 80% 464 845 伸長回復率(%) 96.0/94.8 89.6/87.3 (1回目/3回目) 伸度(%) 荷重1.0kg 145 85 1.5kg 192 119 2.25kg 229 160 −比較例1− 実施例1において、非弾性糸の単位編目当たり重量が、
本発明の範囲よりも少ない場合を表す比較例である。実
施例1と記載事項が同じ項目は、説明を省略する。
【0039】<糸使い> 実施例1と同じ <仕上がり性量、生地厚> コース:180.6c/in ウェール:53.3w/in 生地厚=0.44〜0.45mm <単位編目当たり重量> 非弾性糸 :146.3g/3636本/10R 第1弾性糸: 49.7g/3636本/10R 第2弾性糸: 24.3g/3636本/10R <第2弾性糸の亘り角度> θ=14° <物性> タテ方向 ヨコ方向 パワー(g)伸長率15% 108/92 56/32 (負荷時 30% 203/175 204/96 /除荷時) 50% 341/277 449/249 80% 668 979 伸長回復率(%) 97.7/96.5 95.4/93.8 (1回目/3回目) 伸度(%) 荷重1.0kg 108 72 1.5kg 164 105 2.25kg 198 138 <外観その他>耐伸縮疲労性のうち、試験1と試験5
で、断糸が発生した。タテカールが極大であった。送り
込みジワおよび耳吊が発生した。したがって、商品価値
の劣るものであった。 −比較例2− 実施例1において、非弾性糸の単位編目当たり重量が、
本発明の範囲よりも多い場合を表す比較例である。
【0040】<糸使い> 実施例1と同じ <仕上がり性量、生地厚> コース:199.2c/in ウェール:54.8w/in 生地厚=0.57〜0.58mm <単位編目当たり重量> 非弾性糸 :195.3g/3636本/10R 第1弾性糸: 49.7g/3636本/10R 第2弾性糸: 24.3g/3636本/10R <第2弾性糸の亘り角度> θ=14° <物性> タテ方向 ヨコ方向 パワー(g)伸長率15% 91/83 45/24 (負荷時 30% 173/160 119/64 /除荷時) 50% 263/246 243/133 80% 409 526 伸長回復率(%) 97.1/96.3 95.6/93.8 (1回目/3回目) 伸度(%) 荷重1.0kg 200 118 1.5kg 260 154 2.25kg 314 198 <外観その他>耐伸縮疲労性のうち、試験2〜4で、ワ
ライが発生した。生地表面が少しアレてシボ状になっ
た。生地に指を立てると、地組織の伸びが大きいため、
弾性糸が限界まで伸ばされて断糸した。生地に腰張がな
く、タラタラしている。 −比較例3− 実施例1において、第1弾性糸の単位編目当たり重量
が、本発明の範囲よりも小さい場合を表す比較例であ
る。
【0041】<糸使い> 実施例1と同じ <仕上がり性量、生地厚> コース:223.2c/in ウェール:54.5w/in 生地厚=0.55〜0.56mm <単位編目当たり重量> 非弾性糸 :172.6g/3636本/10R 第1弾性糸: 39.8g/3636本/10R 第2弾性糸: 24.3g/3636本/10R <第2弾性糸の亘り角度> θ=7° <物性> タテ方向 ヨコ方向 パワー(g)伸長率15% 97/88 58/26 (負荷時 30% 180/167 167/76 /除荷時) 50% 273/255 357/171 80% 438 798 伸長回復率(%) 97.1/96.6 94.6/92.4 (1回目/3回目) 伸度(%) 荷重1.0kg 178 88 1.5kg 238 115 2.25kg 299 154 <外観その他>タテカールが極大となった。タテ密度
(コース)が込み過ぎるため、生地が厚ぼったい。密度
が込むと、単位面積当たりの生地重量が重くなり、生産
コストも高くなる。 −比較例4− 実施例1において、第1弾性糸の単位編目当たり重量
が、本発明の範囲よりも大きい場合を表す比較例であ
る。
【0042】<糸使い> 実施例1と同じ <仕上がり性量、生地厚> コース:172.8c/in ウェール:55.4w/in 生地厚=0.50〜0.51mm <単位編目当たり重量> 非弾性糸 :172.6g/3636本/10R 第1弾性糸: 61.8g/3636本/10R 第2弾性糸: 24.3g/3636本/10R <第2弾性糸の亘り角度> θ=15° <物性> タテ方向 ヨコ方向 パワー(g)伸長率15% 102/88 42/23 (負荷時 30% 192/174 122/61 /除荷時) 50% 299/271 252/142 80% 483 548 伸長回復率(%) 97.4/96.8 95.4/93.8 (1回目/3回目) 伸度(%) 荷重1.0kg 165 115 1.5kg 215 152 2.25kg 257 193 <外観その他>弾性糸を多く使用した割りには、パワー
が、実施例に比べてそれほど高くないなど、物性値が向
上しておらず、材料を多く使用した分だけコスト高とな
る。
【0043】−比較例5− 実施例1において、第2弾性糸の単位編目当たり重量
が、本発明の範囲よりも小さい場合を表す比較例であ
る。 <糸使い> 実施例1と同じ <仕上がり性量、生地厚> コース:204.6c/in ウェール:57.6w/in 生地厚=0.54〜0.55mm <単位編目当たり重量> 非弾性糸 :172.6g/3636本/10R 第1弾性糸: 49.7g/3636本/10R 第2弾性糸: 19.7g/3636本/10R <第2弾性糸の亘り角度> θ=13° <パワー、伸長回復率、伸度> タテ方向 ヨコ方向 パワー(g)伸長率15% 100/90 48/23 (負荷時 30% 191/174 142/65 /除荷時) 50% 297/270 311/154 80% 482 715 伸長回復率(%) 97.2/96.7 94.9/93.0 (1回目/3回目) 伸度(%) 荷重1.0kg 169 94 1.5kg 239 124 2.25kg 294 163 <外観その他>耐伸縮疲労性の試験5で断糸が発生し
た。生地に指を立てると、第2弾性糸が直ぐに断糸す
る。 −比較例6− 実施例1において、第2弾性糸の単位編目当たり重量
が、本発明の範囲よりも大きい場合を表す比較例であ
る。
【0044】<糸使い> 実施例1と同じ <仕上がり性量、生地厚> コース:204.0c/in ウェール:53.0w/in 生地厚=0.53〜0.54mm <単位編目当たり重量> 非弾性糸 :172.6g/3636本/10R 第1弾性糸: 49.7g/3636本/10R 第2弾性糸: 28.1g/3636本/10R <第2弾性糸の亘り角度> θ=13° <物性> タテ方向 ヨコ方向 パワー(g)伸長率15% 97/89 51/24 (負荷時 30% 184/170 155/71 /除荷時) 50% 283/262 341/169 80% 457 749 伸長回復率(%) 97.3/96.3 94.0/92.5 (1回目/3回目) 伸度(%) 荷重1.0kg 179 91 1.5kg 244 121 2.25kg 299 163 <外観その他>何れの試験項目も、ほぼ満足できる値を
示したが、生地がカパカパしてゴム的な感触があるた
め、商品価値に劣る。 −比較例7− 実施例1において、第2弾性糸の亘り角度θが本発明の
範囲を外れる場合を表す比較例である。
【0045】実施例1と同じ、糸使い、編成条件で編成
するとともに、染色整理加工時に、編地をタテ(コー
ス)方向に強く引っ張って固定した。 <仕上がり性量、生地厚> コース:156.0c/in ウェール:57.4w/in 生地厚=0.49〜0.50mm <単位編目当たり重量> 非弾性糸 :170.2g/3636本/10R 第1弾性糸: 48.1g/3636本/10R 第2弾性糸: 23.5g/3636本/10R <第2弾性糸の亘り角度> θ=27° <パワー、伸長回復率、伸度> タテ方向 ヨコ方向 パワー(g)伸長率15% 77/72 25/15 (負荷時 30% 146/135 68/46 /除荷時) 50% 234/214 133/93 80% 425 268 伸長回復率(%) 98.8/98.3 94.3/92.8 (1回目/3回目) 伸度(%) 荷重1.0kg 163 188 1.5kg 196 226 2.25kg 222 262 <外観その他>耐伸縮疲労性の試験2〜4で、ワライが
発生した。
【0046】
【表1】 ───────────────────────────────── 伸縮疲労性 破裂強度 引裂強力 カール 外 観 kgf/cm2 g ───────────────────────────────── 実施例1 OK 2.5 1510 OK ○ 実施例2 OK 1.6 812 OK ○ 実施例3 OK 2.6 1557 OK ○ 実施例4 OK 3.5 1823 OK ○ 実施例5 OK 2.7 1513 OK ○ ───────────────────────────────── 比較例1 × 3.0 1291 × × 比較例2 × 2.1 1529 OK × 比較例3 OK 2.5 1477 × × 比較例4 OK 2.4 1270 OK ○ 比較例5 × 2.4 1601 OK × 比較例6 OK 2.5 1496 OK × 比較例7 × 2.6 1285 OK ○ ─────────────────────────────────
【0047】
【発明の効果】以上に述べた、本発明にかかる伸縮性経
編地およびその製造方法によれば、前記したように、非
弾性糸と2種類の弾性糸を用いて、特定の編成組織で編
成してなる経編地において、編地を構成する糸の太さと
単位編目当たり重量との関係を規定することによって、
前記した特定の編成組織による諸特性の向上を果たすだ
けでなく、編地としての基本的な機能や性能にも優れた
商品価値の高い伸縮性経編地を提供することができる。
【0048】具体的には、経編地としての伸度が大きい
ため、衣料に用いたときに、着脱が容易であり、着用時
に身体の動きに追随できて、圧迫感や窮屈感がない。ま
た、タテヨコ両方向、特にヨコ方向において、伸張力す
なわちロードパワーと緊迫力すなわちアンロードパワー
との差が少なく、完全な弾性体に近い特性を示すので、
生地が身体の複雑な動きにも容易に追随して伸び、しか
も、瞬時に回復することになり、非常にフィット性の良
いものとなる。
【0049】さらに、本発明の前記条件式を満足する範
囲で、各糸の太さや組み合わせを変更すれば、パワーや
伸長率および伸長回復率などが、それぞれの用途や要求
される機能に適した諸特性の値を示す伸縮性経編地が容
易に得られることになり、この種の伸縮性経編地の用途
拡大および需要の増大に、きわめて大きな貢献を果たす
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例となる伸縮性経編地の、具象
的編成組織図
【図2】 各糸に分解した状態の模式的編成組織図
【図3】 弾性糸の亘り角度の測定方法を示す説明図
【符号の説明】
10 非弾性糸 20 第1弾性糸 30 第2弾性糸

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非弾性糸と2種類の弾性糸から構成さ
    れ、非弾性糸は全ての編目でループを形成し、第1の弾
    性糸は全ウェールにわたり1コース毎に1〜2針の振り
    幅で挿入され、第2の弾性糸は全ウェールにわたり1コ
    ース毎に1〜3針の振り幅で挿入されてなる編成組織を
    有する編地であって、 非弾性糸の太さが、長繊維糸では20〜75デニール、
    短繊維糸では35〜54デーニルであり、 第1の弾性糸の太さが40〜560デニール、第2の弾
    性糸の太さが20〜105デニールで、第1の弾性糸の
    太さが第2の弾性糸と同じかより太く、第1の弾性糸の給糸量が95mm/R(整経ストレッチ
    75%)を超え130mm/R(整経ストレッチ75
    %)以下であり、 第2の弾性糸ウェール方向に移動する亘り角度が0〜
    25°であり、 各糸の太さと単位編目当たり重量が下記(1)式〜
    (3)式の関係を満足することを特徴とする伸縮性経編
    地。 0.21A<=X<=0.29A …(1) 0.55B<=Y<=0.69B …(2) 4.5C+0.04A−35<=Z<=5.5C+0.05A−43 …(3) ここで、A:第1の弾性糸の太さ(デニール) B:第2の弾性糸の太さ(デニール) C:非弾性糸の太さ(デニール) X:第1の弾性糸の単位編目当たり重量(g/3636本/10R) Y:第2の弾性糸の単位編目当たり重量(g/3636本/10R) Z:非弾性糸の単位編目当たり重量(g/3636本/10R)
  2. 【請求項2】 請求項1の伸縮性経編地を製造する方法
    であって、非弾性糸と2種類の弾性糸を用い、非弾性糸
    は全ての編目でループを形成し、第1の弾性糸は全ウェ
    ールにわたり1コース毎に1〜2針の振り幅で挿入さ
    れ、第2の弾性糸は全ウェールにわたり第1の弾性糸と
    同じ振り幅からなるコースと第1の弾性糸よりも広く3
    針以下の振り幅からなるコースとが混在して挿入される
    ように編成するとともに、非弾性糸に、長繊維糸では2
    0〜75デニール、短繊維糸では35〜54デニールの
    太さの糸を用い、第1の弾性糸に40〜560デニー
    ル、第2の弾性糸に20〜105デニールで、第1の弾
    性糸に第2の弾性糸と同じかより太い糸を用い、第1の
    弾性糸の給糸量を95mm/R(整経ストレッチ75
    %)を超え130mm/R(整経ストレッチ75%)以
    下とし、第2の弾性糸ウェール方向に移動する亘り角
    度が0〜25°になり、各糸の太さと単位編目当たり重
    量が下記(1)式〜(3)式の関係を満足するように、
    各糸の給糸量を調整することを特徴とする伸縮性経編地
    の製造方法。 0.21A<=X<=0.29A …(1) 0.55B<=Y<=0.69B …(2) 4.5C+0.04A−35<=Z<=5.5C+0.05A−43 …(3) ここで、A:第1の弾性糸の太さ(デニール) B:第2の弾性糸の太さ(デニール) C:非弾性糸の太さ(デニール) X:第1の弾性糸の単位編目当たり重量(g/3636本/10R) Y:第2の弾性糸の単位編目当たり重量(g/3636本/10R) Z:非弾性糸の単位編目当たり重量(g/3636本/10R)
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