JP2006257587A - 伸縮性経編地 - Google Patents
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Abstract
【課題】インナーウェアやスポーツウェア等の各種衣料に利用できる、経緯両方向にバランスの取れた伸縮性を有する伸縮性経編地を得る。
【解決手段】2種類の非弾性繊維と3種類の弾性繊維から構成され、その編成組織が、非弾性繊維第1筬がジャガード柄組織、第2筬が全ての編目でループを形成し地組織部を形成、弾性繊維第1、第2、第3の筬が全ウェールにわたり1〜3コース毎に1〜3針の間で複数の振り幅を混在させて挿入され、それぞれが異なる編成組織であることを特徴とする伸縮性経編地。
【選択図】選択図無し
【解決手段】2種類の非弾性繊維と3種類の弾性繊維から構成され、その編成組織が、非弾性繊維第1筬がジャガード柄組織、第2筬が全ての編目でループを形成し地組織部を形成、弾性繊維第1、第2、第3の筬が全ウェールにわたり1〜3コース毎に1〜3針の間で複数の振り幅を混在させて挿入され、それぞれが異なる編成組織であることを特徴とする伸縮性経編地。
【選択図】選択図無し
Description
本発明は、伸縮性経編地およびその製造方法に関し、インナーウェアやスポーツウェア等の各種衣料に利用され、経緯両方向にバランスの取れた伸縮性を有する伸縮性経編地に関する。
弾性糸を挿入したラッシェル弾性経編地の例に、ポリアミド繊維等の非弾性繊維と、弾性繊維を交編して得られるサテンネットがある。この交編弾性編地は、ブラジャー、ガードル、ボディースーツなどのファンデーションと呼ばれる衣料製品に用いられている。この弾性交編編地は、伸長率、伸長回復率、特に緯の伸長率、伸長回復率不足、またその衣料製品はフィット性が劣り、製品の縫製時、着用時等で笑い欠点(生地を伸長した後、解除しても直ちに原状回復しない欠点)を起こし易い欠点をもっている。
この欠点を除くために、4枚筬編機を使用して弾性繊維を3枚用いたサテンネット組織が提案されている(特許文献1、特許文献2を参照)。ラッセル編機で編むに当たって、繊度を大幅に変更した弾性繊維を3枚の筬で編む試みであるが、伸長回復率、フィット性、笑い等の改善効果は認められるものの製品とした場合柄効果や見栄えの点で不充分であった。
特開2000−220065号公報
特開2003−306855号公報
この欠点を除くために、4枚筬編機を使用して弾性繊維を3枚用いたサテンネット組織が提案されている(特許文献1、特許文献2を参照)。ラッセル編機で編むに当たって、繊度を大幅に変更した弾性繊維を3枚の筬で編む試みであるが、伸長回復率、フィット性、笑い等の改善効果は認められるものの製品とした場合柄効果や見栄えの点で不充分であった。
本発明は、前述した3種類の弾性繊維筬を用いた生地の欠点を解決した、弾性を有する上に良好なフィット性を発揮し、その上、笑い欠点の発生しにくい、柄効果の有る製品見栄えする伸縮性経編地の提供を目的とする。
本発明者等は、弾性経編地を構成するフィット性が良好で、かつ笑い欠点のないサテンネットの性能を支配する要因について検討した結果、サテンネットが、従来、一般に、弾性繊維の筬を1枚、または2枚を挿入して編成されているのに対して、弾性繊維の筬を3枚の筬に通して編んだラッシェル弾性経編地に対し非弾性繊維筬を2枚用いることで前記の課題を解決できることを見出し、本発明をなすに至った。
すなわち本発明は、以下のとおりである。
(1) 2種類の非弾性繊維と3種類の弾性繊維から構成され、その編成組織が、非弾性繊維第1筬がジャガード柄組織、第2筬が全ての編目でループを形成し地組織部を形成、弾性繊維第1、第2、第3の筬が全ウェールにわたり1〜3コース毎に1〜3針の間で複数の振り幅を混在させて挿入され、それぞれが異なる編成組織であることを特徴とする伸縮性経編地。
(2) 非弾性繊維の太さが22〜78dtex、弾性繊維の太さが22〜389dtexである(1)に記載の伸縮性経編地。
(3) 非弾性繊維筬の内、第1筬がジャガード組織編成されており、柄部と糸抜き部を形成する分割可能な(1)に記載の伸縮性経編地の製造方法。
(1) 2種類の非弾性繊維と3種類の弾性繊維から構成され、その編成組織が、非弾性繊維第1筬がジャガード柄組織、第2筬が全ての編目でループを形成し地組織部を形成、弾性繊維第1、第2、第3の筬が全ウェールにわたり1〜3コース毎に1〜3針の間で複数の振り幅を混在させて挿入され、それぞれが異なる編成組織であることを特徴とする伸縮性経編地。
(2) 非弾性繊維の太さが22〜78dtex、弾性繊維の太さが22〜389dtexである(1)に記載の伸縮性経編地。
(3) 非弾性繊維筬の内、第1筬がジャガード組織編成されており、柄部と糸抜き部を形成する分割可能な(1)に記載の伸縮性経編地の製造方法。
本発明のラッシェル弾性経編地は柄効果に優れ伸長率、伸長回復率が良好で、かつ笑い欠点もない、ファンデーションなどインナー用途に最適な経編地が得られる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明において、非弾性繊維は、ポリアミド繊維、ポリエステル繊維、キュプラ繊維、レーヨン繊維等の長繊維や、綿、アクリル繊維、ポリノジック繊維等の短繊維を用いることができる。
本発明において非弾性繊維の形態は、長繊維でも短繊維でもよく、長さ方向に均一なものや太細のあるものでもよく、断面においても丸型、三角、L型、T型、Y型、W型、八葉型、偏平、ドッグボーン型等の多角形型、多葉型、中空型や不定形な繊維でもよい。ファンデーションなどのインナー用途に向けられる製品にあっては、長繊維で長さ方向に均一であり三角などの異形断面糸使いとするのが好ましい。
本発明において、非弾性繊維は、ポリアミド繊維、ポリエステル繊維、キュプラ繊維、レーヨン繊維等の長繊維や、綿、アクリル繊維、ポリノジック繊維等の短繊維を用いることができる。
本発明において非弾性繊維の形態は、長繊維でも短繊維でもよく、長さ方向に均一なものや太細のあるものでもよく、断面においても丸型、三角、L型、T型、Y型、W型、八葉型、偏平、ドッグボーン型等の多角形型、多葉型、中空型や不定形な繊維でもよい。ファンデーションなどのインナー用途に向けられる製品にあっては、長繊維で長さ方向に均一であり三角などの異形断面糸使いとするのが好ましい。
糸の好ましい繊度は長繊維の場合22〜78dtexであり、より好ましくは33〜56dtexである。短繊維の場合は単糸、双糸共に綿番手60〜140が好ましく、より好ましくは綿番手80〜100である。
本発明において、弾性繊維はポリウレタン繊維、ポリエーテルエステル繊維等の弾性繊維が使用可能であり、ポリウレタン弾性繊維では例えば乾式紡糸又は溶融紡糸した繊維を使用することができ、弾性糸を構成するポリマーや紡糸方法は特に限定されない。弾性繊維の好ましい繊度は22〜389dtexであり、より好ましくは44〜155dtexである。破断伸度は400%〜1000%の弾性繊維が伸縮性に優れるため好ましく、染色加工時のプレセット工程の通常処理温度180度近辺でも弾性糸の伸縮性が損なわれない。
本発明において、弾性繊維はポリウレタン繊維、ポリエーテルエステル繊維等の弾性繊維が使用可能であり、ポリウレタン弾性繊維では例えば乾式紡糸又は溶融紡糸した繊維を使用することができ、弾性糸を構成するポリマーや紡糸方法は特に限定されない。弾性繊維の好ましい繊度は22〜389dtexであり、より好ましくは44〜155dtexである。破断伸度は400%〜1000%の弾性繊維が伸縮性に優れるため好ましく、染色加工時のプレセット工程の通常処理温度180度近辺でも弾性糸の伸縮性が損なわれない。
本発明による伸縮性経編地の組織は、サテンネット組織の変形で、4コースサテンネット、6コースサテンネット、10コースサテンネットなどのサテンネット組織を地組織部に用いる。6コースサテンネットがより好ましい。
第1非弾性繊維筬はジャガード筬を使用し柄部を編成する。ジャガード筬の編成方法はピエゾ電子柄装置を使用することが好ましい。ジャガード編成はデンビ組織を基本組織としガイド部を1針間分変化させることでチェーン組織やコード組織やミス組織あるいはこれらを組み合わせることで生地の厚みを所望する部位で変化させることで従来の弾性し繊維筬3枚の編地で得られなかった表面変化を得ることができる。さらに編地を分割することができる糸抜き組織部を編成すると端末処理を省略できるので製品外観を改良することができるため好ましい。
第1非弾性繊維筬はジャガード筬を使用し柄部を編成する。ジャガード筬の編成方法はピエゾ電子柄装置を使用することが好ましい。ジャガード編成はデンビ組織を基本組織としガイド部を1針間分変化させることでチェーン組織やコード組織やミス組織あるいはこれらを組み合わせることで生地の厚みを所望する部位で変化させることで従来の弾性し繊維筬3枚の編地で得られなかった表面変化を得ることができる。さらに編地を分割することができる糸抜き組織部を編成すると端末処理を省略できるので製品外観を改良することができるため好ましい。
第2非弾性繊維筬は地組織部を形成するためにすべての編目でループを形成することが好ましい。
6コースサテンネット組織のフロントにポリアミド繊維等の非弾性繊維を、2枚のミドル筬とバック筬の合計3枚筬にポリウレタン繊維等の弾性繊維を用いる。編機の構造上、フロントの筬はジャガード装置を装着し、編組織の設定、編組織を変化させると編地外観に大きく寄与するので、物性の安定している非弾性糸を用いることが好ましい。
6コースサテンネット組織のフロントにポリアミド繊維等の非弾性繊維を、2枚のミドル筬とバック筬の合計3枚筬にポリウレタン繊維等の弾性繊維を用いる。編機の構造上、フロントの筬はジャガード装置を装着し、編組織の設定、編組織を変化させると編地外観に大きく寄与するので、物性の安定している非弾性糸を用いることが好ましい。
本発明の編組織の1例を次に示す。下記の例において、フロント(L1)、ミドル1(L2)には非弾性繊維糸を、ミドル2(L3)、ミドル3(L4)及びバック(L5)には弾性繊維糸をそれぞれ筬通しする。
フロント(L1):ジャガード基本組織24/20
ミドル1(L2):42/24/20/02/20/24
ミドル2(L3):22/44/00/22/00/44
ミドル3(L4):00/22/00/44/22/44
バック(L5):22/66/22/44/00/44
なお、場合によっては、ミドル1組織とミドル2組織、ミドル3組織およびバック組織の位置関係をずらしても良い。
フロント(L1):ジャガード基本組織24/20
ミドル1(L2):42/24/20/02/20/24
ミドル2(L3):22/44/00/22/00/44
ミドル3(L4):00/22/00/44/22/44
バック(L5):22/66/22/44/00/44
なお、場合によっては、ミドル1組織とミドル2組織、ミドル3組織およびバック組織の位置関係をずらしても良い。
また、柄編部を構成するループを作る方法は、ピエゾ方式のジャガード装置で基本筬組織24/20を用いることが可能である。薄地効果を得ようとする場合は第2、第4、第6のコースで所望のガイド(糸)を作用位置とすることで右ショッグを取りやめることで可能となる。厚地部を得ようとする場合は第1、第3、第5コースで所望のガイド(糸)を作用位置とすることで左ショッグを1ウエル多くすることで可能となる。地厚地効果を得ようとする場合は第1、第2、第3のコースで所望のガイド(糸)を作用位置とすることで可能となる。中薄地効果を得ようとする場合は第4、第5、第6のコースで所望のガイド(糸)を作用位置とすることで可能となる。
本発明の伸縮性経編地の仕上げ密度は、密度を2.54cm間当たりのループの数で表したときに、経方向の仕上げ密度150〜210コース/2.54cmであることが好ましい。経方向の仕上げ密度が、150コース/2.54cm未満であれば弾性経編地の品位や寸法安定性が低下する傾向があり、経編地の破裂強度も低くなる。経方向の仕上げ密度が210コース/2.54cmよりも密であると、仕上げ編地の目面や破裂強度に問題はないが、編地の伸長率が小さくなる。
本発明の伸縮性経編地は、例えば2枚のミドル筬、バック筬の合計三枚の筬で弾性繊維糸を編むことで、笑い欠点の発生の抑制という特異な効果の発現している。4枚の筬に弾性繊維を挿入した編地の編成は可能であるが、破裂強度低下、寸法安定性不良の問題が発生するので好ましくない。
本発明の伸縮性経編地は、例えば2枚のミドル筬、バック筬の合計三枚の筬で弾性繊維糸を編むことで、笑い欠点の発生の抑制という特異な効果の発現している。4枚の筬に弾性繊維を挿入した編地の編成は可能であるが、破裂強度低下、寸法安定性不良の問題が発生するので好ましくない。
5枚の筬の内の3枚の筬に弾性繊維を引き通して編成する上でのポイントは、2枚筬に比較して編成可能な条件範囲が狭いので、編成時の編込長の管理を緻密にする点にある。そのため、本発明の伸縮性経編地を編成するためには、編込長がフロント(L1)が960mm〜1900mm、ミドル(L2)が900mm〜1200mm、ミドル(L3)が100mm〜210mm、ミドル(L4)が200mm〜330mm、バック(L5)が200mm〜330mmの範囲であることが好ましい。
なお、本発明の伸縮性経編地の加工時のセット条件としては、公知の条件範囲で可能であり、好ましくは、プレセット時は190度前後、仕上げセット時は170度前後で行えば、セット性がよく、染色堅牢度面でも問題ない伸縮性経編地が得られる。また、染色については、伸縮性経編地の揉み効果が高い液流染色機の使用が好ましい。
本発明の伸縮性経編地の編成は、ラッシェル編機にて編成可能で、編機のゲージについては特に限定されない。一般的には、48〜64ゲージ/2×2.54cm、すなわち24〜32ゲージ/2.54cmの編機の使用が好ましい。
以下、本発明を実施例で具体的に説明するが、本発明は実施例のみに限定されるものではない。なお、以下の実施例における、伸縮性経編地の評価は以下の方法による。
(1)伸長率
伸縮性経編地の経方向150mm×緯方向25mmの長さに裁断し、チャック間隔100mmの伸長率試験機にかけ、荷重22.05ニュートンでの経伸度を%で表す(N=3:以下、Nは測定回数を表す)。同様に伸縮性経編地の緯方向150mm×経方向25mmの長さに裁断し、チャック間隔100mmの伸長率試験機にかけ、荷重22.05ニュートンでの緯伸度を%で表す(N=3)。
(1)伸長率
伸縮性経編地の経方向150mm×緯方向25mmの長さに裁断し、チャック間隔100mmの伸長率試験機にかけ、荷重22.05ニュートンでの経伸度を%で表す(N=3:以下、Nは測定回数を表す)。同様に伸縮性経編地の緯方向150mm×経方向25mmの長さに裁断し、チャック間隔100mmの伸長率試験機にかけ、荷重22.05ニュートンでの緯伸度を%で表す(N=3)。
(2)伸長回復率
伸縮性経編地の経方向150mm×緯方向25mmの長さに裁断し、チャック間隔100mmの伸長率試験機にかけ、伸度80%で繰返し3回伸長し、3回目の回復率を%で表す(N=3)。同様に伸縮性経編地の緯方向150mm×経方向25mmの長さに裁断し、チャック間隔100mmの伸長率試験機にかけ、伸度80%で繰返し3回伸長し、3回目の回復率を%で表す(N=3)。
伸長回復率(%)=(設定伸長寸法−(繰り返し伸長後の寸法−初期寸法))÷(設定伸長寸法)×100
伸縮性経編地の経方向150mm×緯方向25mmの長さに裁断し、チャック間隔100mmの伸長率試験機にかけ、伸度80%で繰返し3回伸長し、3回目の回復率を%で表す(N=3)。同様に伸縮性経編地の緯方向150mm×経方向25mmの長さに裁断し、チャック間隔100mmの伸長率試験機にかけ、伸度80%で繰返し3回伸長し、3回目の回復率を%で表す(N=3)。
伸長回復率(%)=(設定伸長寸法−(繰り返し伸長後の寸法−初期寸法))÷(設定伸長寸法)×100
(3)笑い欠点
伸縮性経編地の経方向100mm×緯方向90mmの長さに裁断し、緯方向に縫い代7mmの2本針オーバーロックで縫合する。このときのミシン糸は、ウーリーナイロン210dtex、運針数は、13針/インチとして試験片を作成する。次に、この試験片を弱アルカリ性合成洗剤0.13%水溶液に十分浸漬した後、縫い目を中心に、チャック間隔70mmの伸縮疲労試験機にかけ、所定の伸長量(後記)で伸縮を10000回繰り返した後試験片を取り外し、以下の判定により評価する。
良・・・・試験片は、伸縮疲労試験機にかける前とほとんど変化がない。
可・・・・試験片はやや幅が入り、外観が僅かに荒れている
不可・・・・試験片は幅が入り、組織ずれ、あるいは弾性糸の断糸など、かなり外観が荒れ、商品として不適切である。
伸縮性経編地の経方向100mm×緯方向90mmの長さに裁断し、緯方向に縫い代7mmの2本針オーバーロックで縫合する。このときのミシン糸は、ウーリーナイロン210dtex、運針数は、13針/インチとして試験片を作成する。次に、この試験片を弱アルカリ性合成洗剤0.13%水溶液に十分浸漬した後、縫い目を中心に、チャック間隔70mmの伸縮疲労試験機にかけ、所定の伸長量(後記)で伸縮を10000回繰り返した後試験片を取り外し、以下の判定により評価する。
良・・・・試験片は、伸縮疲労試験機にかける前とほとんど変化がない。
可・・・・試験片はやや幅が入り、外観が僅かに荒れている
不可・・・・試験片は幅が入り、組織ずれ、あるいは弾性糸の断糸など、かなり外観が荒れ、商品として不適切である。
なお、伸縮疲労試験機にかける際の、試験片の伸長量を次のようにして決めた。
伸縮性経編地を経200mm、緯25.4mmの大きさに裁断し、テンシロン引張試験機にて、試験片の初荷重0.049ニュートン、チャック間隔100mm、引張速度300mm/minにて伸長し、荷重9.8ニュートン時の伸長率と、荷重14.7ニュートン時の伸長率とを求め、次式にて、伸長量を決定する。
伸長量(%)={(荷重9.8ニュートン時の伸長率)+(荷重14.7ニュートン時の伸長率)}÷2
伸縮性経編地を経200mm、緯25.4mmの大きさに裁断し、テンシロン引張試験機にて、試験片の初荷重0.049ニュートン、チャック間隔100mm、引張速度300mm/minにて伸長し、荷重9.8ニュートン時の伸長率と、荷重14.7ニュートン時の伸長率とを求め、次式にて、伸長量を決定する。
伸長量(%)={(荷重9.8ニュートン時の伸長率)+(荷重14.7ニュートン時の伸長率)}÷2
〔実施例1〕
フロント(L1)用としてポリアミド繊維糸44dtex/34fを、ミドル1(L2)用としてポリアミド繊維糸28dtex/12fを用い、ミドル2(L3)用にポリウレタン系弾性繊維糸[商品名ロイカ:旭化成(株)製]130dtex、ミドル3(L4)用にポリウレタン系弾性繊維糸[商品名ロイカ:旭化成(株)製]78dtex、バック(L5)用にはポリウレタン系弾性繊維糸[商品名ロイカ:旭化成(株)製]44dtexをそれぞれ筬通しし、弾性繊維糸のみドラフト率80%で整経した筬を用意し、変形6コースサテンネットを編成した。編成条件は以下のとおりである。
フロント(L1)用としてポリアミド繊維糸44dtex/34fを、ミドル1(L2)用としてポリアミド繊維糸28dtex/12fを用い、ミドル2(L3)用にポリウレタン系弾性繊維糸[商品名ロイカ:旭化成(株)製]130dtex、ミドル3(L4)用にポリウレタン系弾性繊維糸[商品名ロイカ:旭化成(株)製]78dtex、バック(L5)用にはポリウレタン系弾性繊維糸[商品名ロイカ:旭化成(株)製]44dtexをそれぞれ筬通しし、弾性繊維糸のみドラフト率80%で整経した筬を用意し、変形6コースサテンネットを編成した。編成条件は以下のとおりである。
編機
28ゲージ/インチ、ラッシェル編機
組織
フロント(L1):ジャガード筬基本組織24/20、で編地の中央部で3本チェーン組織を編成し糸抜き分割部を形成した。
ミドル1(L2):42/24/20/02/20/24、
ミドル2(L3):22/44/00/22/00/44、
ミドル3(L4):00/22/00/44/22/44、
バック(L5):22/66/22/44/00/44。
28ゲージ/インチ、ラッシェル編機
組織
フロント(L1):ジャガード筬基本組織24/20、で編地の中央部で3本チェーン組織を編成し糸抜き分割部を形成した。
ミドル1(L2):42/24/20/02/20/24、
ミドル2(L3):22/44/00/22/00/44、
ミドル3(L4):00/22/00/44/22/44、
バック(L5):22/66/22/44/00/44。
それぞれの弾性繊維は編地の中央部で糸抜き部に対応する位地で糸配列を変更し分割部を形成した。
ランナー長
フロント(L1):1480mm
ミドル1(L2):1000mm
ミドル2(L3):114mm
ミドル3(L4):260mm
バック(L5):300mm
機上コース
80コース/インチ
ランナー長
フロント(L1):1480mm
ミドル1(L2):1000mm
ミドル2(L3):114mm
ミドル3(L4):260mm
バック(L5):300mm
機上コース
80コース/インチ
実施例1の編成条件で得られた伸縮性経編地を、精練し、190度45秒にてプレセットした。プレセット時の密度設定は、180コース/インチ×47ウェール/インチとし、プレセット後に液流染色機にて染色を行った。さらにこの後、有り長、有り幅で仕上げセットを行い、伸縮性経編地を作成した。得られた伸縮性経編地は、目付163g/m2、厚み0.40mmであり、各種物性評価を行った。結果を表1に示す。
表1より、本発明の伸縮性経編地は、柄効果に優れ、風合いがソフトで、かつ笑い欠点も生じない生地を得た。さらに生地の中央の分割部のチェーン組織の糸の端から容易に糸を解舒分割した結果生地の端は波打ちがなく安定していた。ファンデーション用途に最適な伸縮性経編地であった。
〔比較例1〕
実施例1に対し(L3)用にポリウレタン系弾性繊維糸44dtexを用い第2コース、第5コースでニットループを編成した以外は実施例1と同じ条件で編立てた。
ミドル2(L3):22/46/22/44/20/44
以降の染色仕上げ加工は実施例1と同じ方法、条件で加工した。
本発明に比較して比較例の伸縮性経編地は、地厚であり柄効果、伸長率、伸長回復率、笑いの面で劣る。結果を表1に示す。
実施例1に対し(L3)用にポリウレタン系弾性繊維糸44dtexを用い第2コース、第5コースでニットループを編成した以外は実施例1と同じ条件で編立てた。
ミドル2(L3):22/46/22/44/20/44
以降の染色仕上げ加工は実施例1と同じ方法、条件で加工した。
本発明に比較して比較例の伸縮性経編地は、地厚であり柄効果、伸長率、伸長回復率、笑いの面で劣る。結果を表1に示す。
〔比較例2〕
実施例1に対し(L2)を省略した以外は実施例1と同じ条件で編立てた。
染色仕上げ加工は実施例1と同じ方法、条件で加工した。
本発明に比較して比較例2の伸縮性経編地は、柄効果が劣る。伸長回復率、笑いの面で劣る。結果を表1に示す。
実施例1に対し(L2)を省略した以外は実施例1と同じ条件で編立てた。
染色仕上げ加工は実施例1と同じ方法、条件で加工した。
本発明に比較して比較例2の伸縮性経編地は、柄効果が劣る。伸長回復率、笑いの面で劣る。結果を表1に示す。
〔比較例3〕
実施例1に対しミドル3(L4)を省略した以外は実施例1と同じ条件で編立てた。
染色仕上げ加工は実施例1と同じ方法、条件で加工した。
本発明に比較して比較例3の伸縮性経編地は、柄効果が劣る。伸長回復率、笑いの面で劣る。結果を表1に示す。
実施例1に対しミドル3(L4)を省略した以外は実施例1と同じ条件で編立てた。
染色仕上げ加工は実施例1と同じ方法、条件で加工した。
本発明に比較して比較例3の伸縮性経編地は、柄効果が劣る。伸長回復率、笑いの面で劣る。結果を表1に示す。
本発明の伸縮性経編地は、柄効果に優れ伸長率、伸長回復率が良好で、かつ笑い欠点もないため、ファンデーションなどインナー用途に好適に利用できる。
Claims (3)
- 2種類の非弾性繊維と3種類の弾性繊維から構成され、その編成組織が、非弾性繊維第1筬がジャガード柄組織、第2筬が全ての編目でループを形成し地組織部を形成、弾性繊維第1、第2、第3の筬が全ウェールにわたり1〜3コース毎に1〜3針の間で複数の振り幅を混在させて挿入され、それぞれが異なる編成組織であることを特徴とする伸縮性経編地。
- 非弾性繊維の太さが22〜78dtex、弾性繊維の太さが22〜389dtexである請求項1に記載の伸縮性経編地。
- 非弾性繊維筬の内、第1筬がジャガード組織編成されており、柄部と糸抜き部を形成する分割可能な請求項1に記載の伸縮性経編地の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005077673A JP2006257587A (ja) | 2005-03-17 | 2005-03-17 | 伸縮性経編地 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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- 2005-03-17 JP JP2005077673A patent/JP2006257587A/ja active Pending
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